JP2017178404A - 結束バンド - Google Patents

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正博 木原
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Abstract

【課題】耐熱性、難燃性、耐候性、耐塩化カルシウム性、低吸水性に優れるとともに、良好な巻き付け性を有する結束バンドを提供すること。【解決手段】液晶ポリマーを結束バンドの材質として用いることにより、耐熱性、難燃性、耐候性、耐塩化カルシウム性、低吸水性に優れ、かつ良好な巻き付け性を有する結束バンドが得られる。【選択図】なし

Description

本発明は、配線コード等の結束や荷物等の梱包などに使用される結束バンドに関する。
結束バンドは、ケーブルや配線コード等の長尺製品の結束、袋開口部の結束、荷物等の梱包などに用いられ、自動車分野、建築分野、家電製品分野、電気電子分野、日用品分野といった広範な分野で使用されている。
従来、ケーブルなどの細長い物品を結束するために、樹脂製の結束バンドが広く用いられている。
結束バンドは、通常、結束対象物に巻き付けるための表面に歯が列設されたストラップ部と、当該ストラップ部が挿入可能な通路を有するヘッド部とを備えている。通路には、ストラップ部を通路に挿入する方向に移動させるときにはストラップ部の歯に噛み合わず、ストラップ部を通路から引き抜く方向に移動させるときにはストラップ部の歯に噛み合う爪が配置されている。ストラップ部を、ケーブルなどの結束対象物を巻くようにループ状に変形させ、上記通路に挿入して歯と爪とを噛み合わせることで、歯と爪とが噛み合った位置からストラップが後退することなく結束対象物を結束できる仕込みとなっている。
あるいは、再利用を可能にするため、ヘッド部の爪がストラップ部の歯から離脱し、任意のタイミングでストラップ部の引き抜きを可能とした構造の結束バンドも実用化されている。
また、結束バンドには、ヘッド部とストラップ部とが一体化された一体型結束バンドと、両者が分離しており、使用時に両者を組み合わせる分離型結束バンドとがある。
このような結束バンドの材質としては、ナイロン66やナイロン6などのポリアミド樹脂が知られている(特許文献1)。しかし、ポリアミド樹脂製の結束バンドは、乾燥時の機械的特性や耐熱性には優れるものの、吸水率が高く、吸水時の強度低下が大きいことに加え、耐候性に劣るため、屋外での使用には不向きであった。また、ポリアミド樹脂製の結束バンドは、道路凍結防止剤として用いられる塩化カルシウムに対しての抵抗性が不十分であるため、自動車の配線コードの結束バンドとしては適さないものであった。
一方、ポリプロピレン樹脂製の結束バンドも知られているが(特許文献2)、ポリプロピレン樹脂製の結束バンドは、耐吸水性および耐塩化カルシウム性には優れるものの、耐熱性および耐候性が十分でなく、さらに難燃性に劣るという課題がある。
特に近年、電気電子分野において、より厳しい難燃性が要求されるようになってきており、UL−94規格に適合する難燃レベルを満たす材質からなる結束バンドが要望されている。
特開平10−204290 特開平8−217132
本発明の目的は、耐熱性、難燃性、耐候性、耐塩化カルシウム性、低吸水性に優れるとともに、良好な巻き付け性を有する結束バンドを提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、液晶ポリマーを結束バンドの材質として用いることにより、耐熱性、難燃性、耐候性、耐塩化カルシウム性、低吸水性に優れ、かつ良好な巻き付け性を有する結束バンドが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、全体もしくは一部が液晶ポリマーから構成された結束バンドを提供する。
本発明の結束バンドは、耐熱性、難燃性、耐候性、耐塩化カルシウム性、低吸水性に優れるとともに、結束対象物に対する巻き付け性に優れるという効果を有する。
(a)は本発明の結束バンドの一例を示す上面図であり、(b)は、(a)に示す結束バンドの側面図である。 図1に示す結束バンドにおいて、ヘッドにストラップを挿入した状態を説明するための断面図である。 図1に示す結束バンドにより、結束対象物を結束した状態を模式的に示す部分断面図である。
図1は、本発明の結束バンドの一例である一体型結束バンドを示す図であり、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。結束バンド11は、ストラップ12およびストラップ12の一方の端部において当該ストラップと一体化されたヘッド13とを備える。ストラップ12の一方の主面上には、歯14が列設されており、歯14のエッジが伸長する方向はストラップ12の短手方向である。ヘッド13は、ヘッド13を貫通してストラップ12を挿入可能な通路15を有する。通路15には、ストラップ12をその他方の端部から通路15に挿入する方向に移動させるときには歯14と噛み合わず、ストラップ12を通路15から引き抜く方向に移動させるときには歯14と噛み合う爪16が配置されている。
結束バンド11における、ストラップ12が挿入された状態のヘッド13の拡大図を図2に示す。図2に示すように、ストラップ12に並んで設けられている歯14の形状は鋸状であり、爪16におけるストラップ12と接触する面は歯14の形状と対応する形状を有する。爪16は可撓性を有しており、ストラップ12を通路15に挿入する方向(図2の矢印Aの方向)へ移動させようとすると、爪16が歯14から離れる方向に撓むことで、歯14と爪16とが噛み合うことなく、ストラップ12は当該方向へ移動できる。これとは逆に、ストラップ12をヘッド13の通路15から引き抜く方向(図2の矢印Bの方向)へ移動させようとすると、爪16は撓むことなく歯14と噛み合って、ストラップ12の上記方向への移動が(即ちストラップ12の後退が)抑止される。
図3に示すように、このような結束バンド11について、ストラップ12を結束対象物17を巻くようにループ状に変形させ、ヘッド13の通路15に挿入して歯14と爪16とを噛み合わせることで、歯14と爪16とが噛み合った位置からストラップ12が後退することなく結束対象物17を結束できる。
上記具体例においては、ストラップ12の歯14と爪16とが噛みあうことによって、ストラップ12の後退が抑止される構造としているが、ストラップ12が後退することなく結束対象物17を結束できるのであれば、このような構造に限定されるものではない。
また、結束バンドの再利用を可能にするために、爪16がストラップ12の歯14から離脱し、任意のタイミングでストラップを引き抜く方向(図2の矢印Bの方向)への移動が可能となる構造としてもよい。
さらに、本発明の結束バンドは、図1に示す一体型結束バンドでなく、ストラップとヘッドが分離した分離型結束バンドであってもよい。
本発明の結束バンドは、全体もしくは一部が液晶ポリマーから構成されている。具体的には、全体が液晶ポリマーで構成された結束バンドとしては一体型結束バンドが好ましい。また、一部が液晶ポリマーから構成された結束バンドとしてはストラップとヘッドの少なくとも一方が液晶ポリマーで構成された分離型結束バンドが好ましい。
本発明の結束バンドを構成する液晶ポリマーは、異方性溶融相を形成するポリエステルまたはポリエステルアミドであり、当該技術分野においてサーモトロピック液晶ポリエステルまたはサーモトロピック液晶ポリエステルアミドと呼ばれるものであれば特に限定されない。
異方性溶融相の性質は、直交偏光子を利用した慣用の偏光検査法により確認することができる。より具体的には、異方性溶融相の確認は、Leitz偏光顕微鏡を使用し、Leitzホットステージにのせた試料を窒素雰囲気下で40倍の倍率で観察することにより実施できる。本発明における液晶ポリマーは光学的に異方性を示すもの、即ち、直交偏光子の間で検査したときに光を透過させるものである。試料が光学的に異方性であると、たとえ静止状態であっても偏光は透過する。
本発明における液晶ポリマーを構成する重合性単量体としては、例えば芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族アミノカルボン酸、芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン、脂肪族ジオールおよび脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。液晶ポリマーを構成する重合性単量体は、これら化合物は1種のみであってもよく、2種以上の化合物を組み合わせてもよいが、少なくとも1種のヒドロキシ基およびカルボキシル基を有する重合性単量体を含むことが望ましい。
液晶ポリマーを構成する重合性単量体は、前記化合物の1種以上が結合してなるオリゴマー、つまり1種以上の前記化合物から構成されるオリゴマーであってもよい。
芳香族ヒドロキシカルボン酸の具体例としては、4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、5−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、7―ヒドロキシ―2―ナフトエ酸、3―ヒドロキシ―2―ナフトエ酸、4’−ヒドロキシフェニル−4−安息香酸、3’−ヒドロキシフェニル−4−安息香酸、4’−ヒドロキシフェニル−3−安息香酸およびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体ならびにこれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中でも、得られる液晶ポリマーの耐熱性および機械強度ならびに融点を調節し易いという観点から、4−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸からなる群から選択される1種以上の化合物が好ましい。
芳香族ジカルボン酸の具体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシビフェニル、3,4’−ジカルボキシビフェニルおよび4,4”−ジカルボキシターフェニル、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体ならびにそれらのエステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中でも、得られる液晶ポリマーの耐熱性を効果的に高められる観点から、テレフタル酸、イソフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸からなる群から選択される1種以上の化合物が好ましく、テレフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸からなる群から選択される1種以上の化合物がより好ましい。
芳香族ジオールの具体例としては、ハイドロキノン、レゾルシン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、3,3’−ジヒドロキシビフェニル、3,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェニルエーテルおよび2,2’−ジヒドロキシビナフチル、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体ならびにそれらのアシル化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中でも、重合時の反応性に優れる観点から、ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシビフェニルおよび2,6−ジヒドロキシナフタレンからなる群から選択される1種以上の化合物が好ましく、ハイドロキノンおよび4,4’−ジヒドロキシビフェニルからなる群から選択される1種以上の化合物がより好ましい。
芳香族アミノカルボン酸の具体例としては、4−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、6−アミノ−2−ナフトエ酸、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにそれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。
芳香族ヒドロキシアミンの具体例としては、4−アミノフェノール、N−メチル−4−アミノフェノール、3−アミノフェノール、3−メチル−4−アミノフェノール、4−アミノ−1−ナフトール、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニル、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニルエーテル、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニルメタン、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニルスルフィドおよび2,2’−ジアミノビナフチル、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにそれらのアシル化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中でも、得られる液晶ポリマーの耐熱性および機械強度のバランスをとりやすい観点から、4−アミノフェノールが好ましい。
芳香族ジアミンの具体例としては、1,4−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにそれらのアシル化物などのアミド形成性誘導体が挙げられる。
脂肪族ジオールの具体例としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ならびにそれらのアシル化物が挙げられる。また、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどの脂肪族ジオールを含有するポリマーを、前記の芳香族オキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオールおよびそれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などと反応させてもよい。
脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、フマル酸、マレイン酸およびヘキサヒドロテレフタル酸が挙げられる。これらの中でも、重合時の反応性に優れる観点から、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸およびドデカン二酸が好ましい。
本発明において液晶ポリマーは、本発明の目的を損なわない範囲で、ジヒドロキシテレフタル酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、トリメリット酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、ピロメリット酸またはこれらのアルキル、アルコキシもしくはハロゲン置換体、ならびにそれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体を重合性単量体として含むものであってもよい。これらの重合性単量体の使用量は、他の重合性単量体の合計量に対して10モル%以下であるのが好ましい。
本発明において液晶ポリマーは、本発明の目的を損なわない範囲で、チオエステル結合を含むものであってもよい。このような結合を与える重合性単量体としては、メルカプト芳香族カルボン酸、および芳香族ジチオールおよびヒドロキシ芳香族チオールなどが挙げられる。これらの重合性単量体の含有量は、他の重合性単量体の合計量に対して10モル%以下であるのが好ましい。
本発明の結束バンドを構成する液晶ポリマーは、示差走査熱量計で測定した結晶融解温度が240℃以上であるのが好ましく、250℃以上であるのがより好ましく、260℃以上であるのがさらに好ましい。
液晶ポリマーの結晶融解温度が240℃未満であると、耐熱性が低下するとともに良好な巻き付け性が得られなくなる傾向がある。液晶ポリマーの結晶融解温度の上限値は特に限定されないが、成形加工性の観点から370℃以下であるのが好ましい。
本発明の結束バンドを構成する液晶ポリマーとしては、式(I)および/または式(II)で表される繰返し単位を含む液晶ポリエステルまたは液晶ポリエステルアミドが好適に使用される。
Figure 2017178404
また、本発明の結束バンドを構成する液晶ポリマーとしては、式(I)および式(II)で表される繰返し単位を含む液晶ポリエステル樹脂が好適に使用される。
Figure 2017178404
さらに、本発明における液晶ポリマーとしては、式(I)および式(II)で表される繰返し単位から構成される全芳香族液晶ポリエステル樹脂が好適に使用される。
Figure 2017178404
さらに、本発明における液晶ポリマーとしては、式(I)〜(IV)で表される繰返し単位から構成される全芳香族液晶ポリエステル樹脂が好適に使用される。
Figure 2017178404
[式中、ArおよびArはそれぞれ2価の芳香族基を表す。]
ここで、式(III)および式(IV)はそれぞれ、複数種のArおよびArを含み得る。また、「芳香族基」は、6員の単環または環数3までの縮合環である芳香族基を示す。
ArおよびArは、互いに独立して、下記の式(1)〜式(4)で表される芳香族基から選択される1種以上のものであるのがより好ましく、Arが式(1)および/または式(4)で表される芳香族基であり、およびArが式(1)および/または式(3)で表される芳香族基であるのが特に好ましい。
Figure 2017178404
本発明の結束バンドを構成する液晶ポリマーを構成する重合性単量体の具体例としては、例えば下記の組み合わせからなるものが挙げられる。
1)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、
2)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル、
3)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/イソフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル、
4)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/イソフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル/ハイドロキノン、
5)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/ハイドロキノン、
6)6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/ハイドロキノン、
7)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル、
8)6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル、
9)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/ハイドロキノン、
10)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/ハイドロキノン/4,4’−ジヒドロキシビフェニル、
11)4−ヒドロキシ安息香酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル、
12)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン、
13)4−ヒドロキシ安息香酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン、
14)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン、
15)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン/4,4’−ジヒドロキシビフェニル、
16)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4−アミノフェノール、
17)6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/4−アミノフェノール、
18)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/4−アミノフェノール、
19)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル/4−アミノフェノール、
20)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/エチレングリコール、
21)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル/エチレングリコール、
22)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/エチレングリコール、
23)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル/エチレングリコール、
24)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル。
これらの中でも、1)、9)、10)および14)のモノマー構成単位からなる液晶ポリマーが好ましい。
以下、本発明の結束バンドを構成する液晶ポリマーの製造方法について説明する。
本発明の結束バンドを構成する液晶ポリマーを製造する方法に特に制限はなく、重合性単量体を、エステル結合またはアミド結合を形成させる公知の重縮合方法、たとえば溶融アシドリシス法、スラリー重合法などに供することにより液晶ポリマーを得ることができる。
溶融アシドリシス法は、本発明の結束バンドを構成する液晶ポリマーを製造するのに好ましい方法である。この方法は、最初に重合性単量体を加熱して反応物質の溶融溶液を形成し、次いで重縮合反応を続けて溶融ポリマーを得るものである。なお、縮合の最終段階で副生する揮発物(たとえば酢酸、水など)の除去を容易にするために真空を適用してもよい。
スラリー重合法とは、熱交換流体の存在下で重合性単量体を反応させる方法であって、固体生成物は熱交換媒質中に懸濁した状態で得られる。
溶融アシドリシス法およびスラリー重合法のいずれの場合においても、液晶ポリマーを製造する際に使用される重合性単量体は、常温において、ヒドロキシル基および/またはアミノ基をアシル化した変性形態、すなわち低級アシル化物として反応に供することもできる。
低級アシル基は炭素原子数2〜5のものが好ましく、炭素原子数2または3のものがより好ましい。本発明の好ましい実施態様において、前記重合性単量体のアセチル化物を反応に供する。
重合性単量体の低級アシル化物は、別途アシル化して予め合成したものを用いてもよいし、液晶ポリマーの製造時に重合性単量体に無水酢酸等のアシル化剤を加えて反応系内で生成せしめることもできる。
溶融アシドリシス法またはスラリー重合法のいずれの場合においても、重縮合反応は、温度150〜400℃、好ましくは250〜370℃で、常圧および/または減圧下で行うのがよく、必要に応じて触媒を用いてもよい。
触媒の具体例としては、ジアルキルスズオキシド(例えばジブチルスズオキシド)、ジアリールスズオキシドなどの有機スズ化合物;二酸化チタン;三酸化アンチモン;アルコキシチタンシリケート、チタンアルコキシドなどの有機チタン化合物;カルボン酸のアルカリおよびアルカリ土類金属塩(例えば酢酸カリウム);ルイス酸(例えば三フッ化硼素)、ハロゲン化水素(例えば塩化水素)などの気体状酸触媒などが挙げられる。
触媒を使用する場合、該触媒の量は重合性単量体全量に対し、好ましくは1〜1000ppm、より好ましくは2〜100ppmである。
このようにして重縮合反応させて得られた液晶ポリマーは、通常、溶融状態で重合反応槽より抜き出された後に、ペレット状、フレーク状、または粉末状に加工される。
ペレット状、フレーク状、または粉末状の液晶ポリマーは、分子量を高め耐熱性を向上させる目的などで、減圧下、真空下、または窒素、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気下において、実質的に固相状態で熱処理を行ってもよい。
固相状態において行う熱処理の温度は、液晶ポリマーが溶融しない限り特に限定されないが、260〜350℃、好ましくは280〜320℃で行うのがよい。
上記のようにして得られた液晶ポリマーには、無機および/または有機充填材、以下に説明する他の添加剤、および他の樹脂成分から選択される一種以上を含有させてもよい。なお、液晶ポリマーの他に、無機および/または有機充填材、および他の添加剤等を含有する組成物を液晶ポリマー組成物ともいう。
液晶ポリマー組成物が含有し得る無機充填材および/または有機充填材は、繊維状、板状または粒状のものであってよく、例えばガラス繊維、ミルドガラス、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウムウイスカ、ホウ酸アルミニウムウイスカ、ウォラストナイト、タルク、マイカ、グラファイト、炭酸カルシウム、ドロマイト、クレイ、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ガラスバルーン、硫酸バリウム、および酸化チタンが挙げられる。これらの中では、物性とコストのバランスが優れている点で、ガラス繊維、タルクおよびマイカが好ましい。これら充填材は、2種以上を併用してもよい。
液晶ポリマー組成物における、無機充填材および/または有機充填材の合計量は、液晶ポリマー100重量部に対して、好ましくは0.1〜200重量部、より好ましくは5〜100重量部である。前記の無機充填材および/または有機充填材の合計量が液晶ポリマー100重量部に対して200重量部を超える場合には、液晶ポリマー組成物の成形加工性が低下する傾向や、成形機のシリンダーや金型の磨耗が大きくなる傾向がある。
前記の無機充填材および/または有機充填材の合計量が上記下限値以上であると、充填材の含有量に応じた機械強度の向上効果を実現させることができる。
本発明において液晶ポリマー組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の添加剤、例えば高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩(ここで高級脂肪酸とは、炭素原子数10〜25のものをいう)、ポリシロキサン、フッ素樹脂などの離型改良剤;染料、顔料などの着色剤;酸化防止剤;熱安定剤;紫外線吸収剤;帯電防止剤;界面活性剤などを含有してもよい。これらの添加剤は1種のみを含有してもよく、または2種以上を組み合わせて含有してもよい。
液晶ポリマー組成物における他の添加剤の合計量は、液晶ポリマー100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。他の添加剤の合計量が液晶ポリマー100重量部に対して10重量部を超える場合には、液晶ポリマー組成物の成形加工性が低下する傾向や、熱安定性が悪くなる傾向がある。他の添加剤の合計量が上記下限値以上であると、添加剤含有量に応じた添加剤の機能を実現することができる。
また、本発明の結束バンドを構成する液晶ポリマーもしくは液晶ポリマー組成物を成形するに際し、上記他の添加剤のうち高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸金属塩、フルオロカーボン系界面活性剤等の外部滑剤効果を有する添加剤を、予め、液晶ポリマーのペレット表面に付着せしめてもよい。
本発明の結束バンドを構成する液晶ポリマー組成物は、他の樹脂成分を添加してもよい。他の樹脂成分としては、例えばポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、およびその変性物、ならびにポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミドなどの熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。他の樹脂成分は、単独で、または2種以上を組み合わせて含有することができる。他の樹脂成分の含有量は特に限定的ではないが、一つの典型的な例において、他の樹脂成分の合計量は、液晶ポリマー100重量部に対して、通常0.1〜100重量部、特に0.1〜80重量部である。
本発明の結束バンドを構成する液晶ポリマー組成物は、無機充填材および/または有機充填剤、他の添加剤および他の樹脂成分等を液晶ポリマー中に添加し、これをバンバリーミキサー、ニーダー、一軸もしくは二軸押出機などを用いて、液晶ポリマーの結晶融解温度近傍から結晶融解温度プラス100℃までの温度範囲で溶融混練して得ることができる。
このようにして得られた液晶ポリマーまたは液晶ポリマー組成物は、公知の方法、例えば射出成型や押出成形等によって、結束バンドに成形加工される。
本発明の結束バンドのストラップ部分の厚みは特に限定されないが、好ましくは0.1mm〜3mmである。
本発明の結束バンドは、結束対象物に対する巻き付け性に優れるものであり、ケーブルや配線コード等の長尺製品の結束、袋開口部の結束、あるいは荷物等の梱包などに好適に用いることができる。
また本発明に結束バンドは、耐熱性、耐候性、耐塩化カルシウム性および低吸水性に優れ、従来の結束バンドに比べて長寿命で、信頼性の高い結束が可能となるため、自動車分野、建築分野、屋外設置の日用品分野などに特に好適に使用することができる。
さらに本発明の結束バンドは、難燃性に優れることから、厳しい難燃性レベルが要求される電気電子分野においても、好適に使用することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
合成例、実施例および比較例における略号は以下の化合物を表す。
〈液晶ポリマーの合成に用いた重合性単量体〉
POB: パラヒドロキシ安息香酸
BON6: 6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸
BP: 4,4’−ジヒドロキシビフェニル
HQ: ハイドロキノン
TPA: テレフタル酸
NDA: 2,6−ナフタレンジカルボン酸
〈実施例および比較例で用いた樹脂〉
LCP: 液晶ポリマー
PA66: ナイロン66
PP: ポリプロピレン
以下、LCPの合成例を記す。
[合成例1(LCP−1)]
トルクメーター付き攪拌装置および留出管を備えた反応容器に、POB、BON6、HQおよびNDAを表1に示す組成比にて、総量6.5molとなるように仕込み、さらに全モノマーの水酸基量(モル)に対して1.03倍モルの無水酢酸を仕込み、次の条件で脱酢酸重合を行った。
Figure 2017178404
窒素ガス雰囲気下に室温〜150℃まで1時間で昇温し、同温度にて30分間保持した。次いで、副生する酢酸を留去しながら350℃まで7時間かけ昇温した後、80分かけて5mmHgにまで減圧した。所定のトルクを示した時点で重合反応を終了し、反応容器内容物を取り出し、粉砕機により液晶ポリマーのペレットを得た。重合時の留出酢酸量は、ほぼ理論値どおりであった。得られたペレットの結晶融解温度(Tm)は321℃であった。
[合成例2(LCP−2)]
トルクメーター付き攪拌装置および留出管を備えた反応容器に、POB、BON6、HQ、BPおよびTPAを表2に示す組成比にて、総量6.5molとなるように仕込み、さらに全モノマーの水酸基量(モル)に対して1.03倍モルの無水酢酸を仕込み、次の条件で脱酢酸重合を行った。
Figure 2017178404
窒素ガス雰囲気下に室温〜150℃まで1時間で昇温し、同温度にて30分間保持した。次いで、副生する酢酸を留去しながら350℃まで7時間かけ昇温した後、80分かけて5mmHgにまで減圧した。所定のトルクを示した時点で重合反応を終了し、反応容器内容物を取り出し、粉砕機により液晶ポリマーのペレットを得た。重合時の留出酢酸量は、ほぼ理論値どおりであった。得られたペレットの結晶融解温度(Tm)は335℃であった。
[合成例3(LCP−3)]
トルクメーター付き攪拌装置および留出管を備えた反応容器に、POBおよびBON6を表3に示す組成比で、総量6.5molとなるように仕込み、全モノマーの水酸基量(モル)に対して1.03倍モルの無水酢酸を仕込み、次の条件で脱酢酸重合を行った。
Figure 2017178404
窒素ガス雰囲気下に室温〜150℃まで1時間で昇温し、同温度にて30分間保持した。次いで、副生する酢酸を留去しながら210℃まで速やかに昇温し、同温度にて30分間保持した。その後、325℃まで5時間かけて昇温した後、90分かけて20mmHgにまで減圧した。所定のトルクを示した時点で重合反応を終了し、反応容器内容物を取り出し、粉砕機により液晶ポリマーのペレットを得た。重合時の留出酢酸量は、ほぼ理論値どおりであった。得られたペレットの結晶融解温度(Tm)は278℃であった。
[合成例4(LCP−4)]
トルクメーター付き攪拌装置および留出管を備えた反応容器に、POB、BON6、HQおよびTPAを表4に示す組成比にて、総量6.5molとなるように仕込み、さらに全モノマーの水酸基量(モル)に対して1.03倍モルの無水酢酸を仕込み、次の条件で脱酢酸重合を行った。
Figure 2017178404
窒素ガス雰囲気下に室温〜150℃まで1時間で昇温し、同温度にて30分間保持した。次いで、副生する酢酸を留去しながら350℃まで7時間かけ昇温した後、80分かけて5mmHgにまで減圧した。所定のトルクを示した時点で重合反応を終了し、反応容器内容物を取り出し、粉砕機により液晶ポリマーのペレットを得た。重合時の留出酢酸量は、ほぼ理論値どおりであった。得られたペレットの結晶融解温度(Tm)は333℃であった。
[合成例5(LCP−5)]
トルクメーター付き攪拌装置および留出管を備えた反応容器に、POB、BON6、HQおよびTPAを表5に示す組成比にて、総量6.5molとなるように仕込み、さらに全モノマーの水酸基量(モル)に対して1.03倍モルの無水酢酸を仕込み、次の条件で脱酢酸重合を行った。
Figure 2017178404
窒素ガス雰囲気下に室温〜150℃まで1時間で昇温し、同温度にて30分間保持した。次いで、副生する酢酸を留去しながら330℃まで7時間かけ昇温した後、80分かけて5mmHgにまで減圧した。所定のトルクを示した時点で重合反応を終了し、反応容器内容物を取り出し、粉砕機により液晶ポリマーのペレットを得た。重合時の留出酢酸量は、ほぼ理論値どおりであった。得られたペレットの結晶融解温度(Tm)は220℃であった。
以下、比較例で用いた樹脂を示す。
[PA66]
東レ株式会社製アラミンCM3001−N
[PP]
プライムポリマー社製プライムポリプロJ106G(ホモポリマータイプ)
[実施例1〜6および比較例1〜2]
合成例1〜5で合成したLCP−1〜LCP−5およびPA66、PPの各樹脂について、結晶融解温度、難燃性、耐候性、吸水率および耐塩化カルシウム性を以下の方法で測定した。結果を表6に示す。
なお、実施例4はLCP−3(90重量部)とタルク(10重量部)を二軸押出機TEX−30(日本製鋼所株式会社製)を用いて、300℃にて溶融混練して得られた液晶ポリマー組成物である。タルクは、富士タルク株式会社製NK−64(平均粒子径19.0μm、含水量0.50重量%)を使用した。
〈結晶融解温度〉
示差走査熱量計としてセイコーインスツルメンツ株式会社製Exstar6000を用いて、試料を室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)を測定した後、Tm1より50℃高い温度で10分間保持する。次いで、20℃/分の降温条件で室温まで試料を冷却し、さらに再度20℃/分の昇温条件で測定した際の吸熱ピークを観測し、そのピークトップを示す温度を結晶融解温度(Tm)とした。
〈難燃性〉
各樹脂について、射出成形によって、長さ170mm、幅12.7mm、厚さ0.5mmのバーフロー状試験片を作製し、23℃、相対湿度50%の条件で48時間静置した後、UL−94規格に準拠して評価した。
〈耐候性〉
各樹脂について、射出成形によって厚さ3.2mmのASTM4号ダンベル状引張試験片を作製し、INSTRON5567(インストロンジャパン カンパニイリミテッド社製万能試験機)を用いて、チャック間距離64.0mm、引張速度5mm/minで引張強度を測定した。
次いで試験片を、スガ試験機社製スーパーキセノン・ウェザーメーター(SX−75)を用いて、JIS K7350−2に準拠する下記の条件で1000時間まで処理した。
試験条件:
放射照度(300〜400nm):60W/m
暴露サイクル:102分照射後、18分照射及び水噴霧
槽内ブラックパネル温度: 63℃
槽内温度制御: なし
相対湿度制御: あり(50%)
処理後の試験片について上記と同様にして引張強度を測定し、初期値(処理時間0時間における値)に対する保持率を算出した。
〈吸水率〉
ASTM D570に準拠し、以下の方法で吸水率を測定した。射出成形により直径50mm、厚さ3mmの円板状試験片を作製し、この試験片を50℃に保った恒温槽の中で24時間乾燥させた後23℃まで放冷した後、試験片の重量(W1)を測定した。次いで、試験片を23℃の水中に24時間含浸した後の重量(W2)を測定し、次式により吸水率を算出した。
吸水率=(W2−W1)×100/W1
次いで、LCP−1〜LCP−5およびPA66、PPの各樹脂について、射出成形により、図1に示す長さL=200mm、幅W=5mm、厚みD=1.4mmの結束バンドを作製し、以下の方法により耐塩化カルシウム性および巻き付け性を評価した。結果を表6に示す。
〈耐塩化カルシウム性〉
結束バンドを各5本ずつ直径40mmの円筒に巻き付け、60℃に加温した30重量%塩化カルシウム水溶液中に300時間浸漬した。浸漬後の結束バンドに発生したクラックの有無を目視により確認し、クラックの発生本数によって以下の通り評価した。
〇:クラック発生本数0
△:クラック発生本数1〜3
×:クラック発生本数4〜5
〈巻き付け性〉
結束バンドを各5本ずつ直径10mmの円筒の外周に沿うように巻き付けた際に発生したクラックの有無を目視により確認した。評価基準は耐塩化カルシウム性試験と同様とした。
液晶ポリマーから構成される本発明の結束バンドは、実施例6のもののみ巻き付け性にやや劣るものの、良好な巻き付け性を有し、結束バンドとしての使用に適するものであった。また、耐候性、耐塩化カルシウム性、低吸水性および難燃性においても優れた特性を示すものであった。
一方、ナイロン66から構成される結束バンド(比較例1)は、難燃性および巻き付け性には優れるものの、耐候性、耐塩化カルシウム性および耐吸水性に劣るものであった。
また、ポリプロピレンから構成される結束バンド(比較例2)は、耐塩化カルシウム性、低吸水性および巻き付け性には優れるものの、耐熱性および耐候性が不十分であるとともに難燃性に劣るものであった。
Figure 2017178404
11 結束バンド
12 ストラップ
13 ヘッド
14 歯
15 通路
16 爪
17 結束対象物

Claims (10)

  1. 全体または一部が液晶ポリマーから構成された結束バンド。
  2. 液晶ポリマーが、示差走査熱量計により測定される結晶融解温度が240℃以上である、請求項1に記載の結束バンド。
  3. 液晶ポリマーが、式(I)および/または式(II)で表される繰返し単位を含む液晶ポリエステルまたは液晶ポリエステルアミドである、請求項1または2に記載の結束バンド。
    Figure 2017178404
  4. 液晶ポリマーが、式(I)および式(II)で表される繰返し単位を含む液晶ポリエステル樹脂である、請求項1〜3のいずれかに記載の結束バンド。
    Figure 2017178404
  5. 液晶ポリマーが、式(I)および式(II)で表される繰返し単位から構成される全芳香族液晶ポリエステル樹脂である、請求項1〜4のいずれかに記載の結束バンド。
    Figure 2017178404
  6. 液晶ポリマーが、式(I)〜(IV)で表される繰返し単位から構成される全芳香族液晶ポリエステル樹脂である、請求項1または2に記載の結束バンド。
    Figure 2017178404
    [式中、ArおよびArはそれぞれ2価の芳香族基を表す。]
  7. ArおよびArが、互いに独立して、式(1)〜(4)で表される芳香族基から選択される1種以上である、請求項6に記載の結束バンド。
    Figure 2017178404
  8. Arが式(1)および/または式(4)で表される芳香族基であり、Arが式(1)および/または式(3)で表される芳香族基である、請求項6に記載の結束バンド。
  9. 液晶ポリマーが、液晶ポリマー100重量部に対して、無機充填材および/または有機充填材0.1〜200重量部を含む、請求項1〜8のいずれかに記載の結束バンド。
  10. 無機充填材および/または有機充填材が、ガラス繊維、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウムウイスカ、ホウ酸アルミニウムウイスカ、ウォラストナイト、タルク、マイカ、グラファイト、炭酸カルシウム、ドロマイト、クレイ、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ガラスバルーン、硫酸バリウム、および酸化チタンからなる群から選択される1種以上である、請求項9に記載の結束バンド。
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