JP2017175056A - インプリントモールド用基板、マスクブランク、インプリントモールド用基板の製造方法、マスクブランクの製造方法、及びインプリントモールドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
対向する2つの主表面を備え、一方の前記主表面に台座構造を有するインプリントモールド用基板であって、前記台座構造は、転写面と側壁面とを備え、前記側壁面は、一辺が5μmの四角形の内側領域で測定したときの表面粗さRqが0.3nm以上であり、前記転写面は、一辺が5μmの四角形の内側領域で測定したときの表面粗さRqが0.25nm以下であることを特徴とするインプリントモールド用基板である。
前記側壁面は、一辺が5μmの四角形の内側領域で測定したときの表面粗さRqが1.0nm以下であることを特徴とする構成1に記載のインプリントモールド用基板である。
(構成3)
前記台座構造を除いた部分の前記一方の主表面は、一辺が5μmの四角形の内側領域で測定したときの表面粗さRqが0.3nm以上であることを特徴とする構成1又は2に記載のインプリントモールド用基板である。
前記台座構造を除いた部分の前記一方の主表面は、一辺が5μmの四角形の内側領域で測定したときの表面粗さRqが1.0nm以下であることを特徴とする構成3に記載のインプリントモールド用基板である。
(構成5)
他方の前記主表面に凹部を備えることを特徴とする構成1乃至4のいずれかに記載のインプリントモールド用基板である。
前記凹部を有する前記他方の主表面の領域は、前記台座構造を有する前記一方の主表面の領域を少なくとも含む大きさであることを特徴とする構成5に記載のインプリントモールド用基板である。
構成1乃至6のいずれかに記載のインプリントモールド用基板の前記台座構造を有する前記一方の主表面に、パターン形成用薄膜を備えることを特徴とするマスクブランクである。
(構成8)
前記パターン形成用薄膜は、クロムを含有する材料からなることを特徴とする構成7に記載のマスクブランクである。
対向する2つの主表面を備え、一方の前記主表面における一辺が5μmの四角形の内側領域で測定したときの表面粗さRqが0.25nm以下である基板を準備する工程と、前記基板の前記一方の主表面における台座構造形成領域上に、エッチング液に対して前記基板との間でエッチング選択性を有するエッチングマスク膜を形成する工程と、前記エッチングマスク膜が形成された基板に対して前記エッチング液によるウェットエッチングを行い、前記一方の主表面に転写面と側壁面とを備える台座構造を形成する工程と、前記台座構造上に残存するエッチングマスク膜を除去する工程とを有するインプリントモールド用基板の製造方法であって、前記台座構造を形成する工程は、前記側壁面における一辺が5μmの四角形の内側領域で測定したときの表面粗さRqが0.3nm以上となるように、前記ウェットエッチングを行うことを特徴とするインプリントモールド用基板の製造方法である。
前記台座構造を形成する工程は、前記側壁面における一辺が5μmの四角形の内側領域で測定したときの表面粗さRqが1.0nm以下となるように、前記ウェットエッチングを行うことを特徴とする構成9に記載のインプリントモールド用基板の製造方法である。
(構成11)
前記台座構造を形成する工程は、前記台座構造を除いた部分の前記一方の主表面における一辺が5μmの四角形の内側領域で測定したときの表面粗さRqが0.3nm以上となるように、前記ウェットエッチングを行うことを特徴とする構成9又は10に記載のインプリントモールド用基板の製造方法である。
前記台座構造を形成する工程は、前記台座構造を除いた部分の前記一方の主表面における一辺が5μmの四角形の内側領域で測定したときの表面粗さRqが1.0nm以下となるように、前記ウェットエッチングを行うことを特徴とする構成11に記載のインプリントモールド用基板の製造方法である。
(構成13)
他方の前記主表面に凹部を形成する工程をさらに有することを特徴とする構成9乃至12のいずれかに記載のインプリントモールド用基板の製造方法である。
前記凹部を有する前記他方の主表面の領域は、前記台座構造を有する前記一方の主表面の領域を少なくとも含む大きさであることを特徴とする構成13に記載のインプリントモールド用基板の製造方法である。
(構成15)
前記基板はガラスからなり、前記エッチング液はフッ酸を含有することを特徴とする構成9乃至14のいずれかに記載のインプリントモールド用基板の製造方法である。
前記エッチングマスク膜は、クロムを含有する材料で形成されることを特徴とする構成9乃至15のいずれかに記載のインプリントモールド用基板の製造方法である。
構成9乃至16のいずれかに記載のインプリントモールド用基板の製造方法によって製造されたインプリントモールド用基板の前記台座構造を有する前記一方の主表面に、パターン形成用薄膜を形成する工程を備えることを特徴とするマスクブランクの製造方法である。
(構成18)
前記パターン形成用薄膜は、クロムを含有する材料で形成されることを特徴とする構成17に記載のマスクブランクの製造方法である。
構成7又は8に記載のマスクブランクを用いるインプリントモールドの製造方法であって、前記パターン形成用薄膜上に形成されたモールドパターンを有するレジスト膜をマスクとし、ドライエッチングによって前記パターン形成用薄膜にモールドパターンを形成する工程と、前記モールドパターンが形成されたパターン形成用薄膜をマスクとし、ドライエッチングによって前記台座構造の転写面にモールドパターンを形成する工程とを有することを特徴とするインプリントモールドの製造方法である。
構成17又は18に記載のマスクブランクの製造方法によって製造されたマスクブランクを用いるインプリントモールドの製造方法であって、前記パターン形成用薄膜上に形成されたモールドパターンを有するレジスト膜をマスクとし、ドライエッチングによって前記パターン形成用薄膜にモールドパターンを形成する工程と、前記モールドパターンが形成されたパターン形成用薄膜をマスクとし、ドライエッチングによって前記台座構造の転写面にモールドパターンを形成する工程とを有することを特徴とするインプリントモールドの製造方法である。
また、本発明によれば、上記インプリントモールド用基板を用い、台座構造の側壁面に形成されるパターン形成用薄膜の剥離を抑制できるマスクブランク及びその製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、このマスクブランクの製造方法により得られるマスクブランクを用いて製造され、モールドパターンの欠陥の発生を低減できるインプリントモールドの製造方法を提供することができる。
(インプリントモールド用基板)
まず、本発明に係るインプリントモールド用基板(インプリントモールドの製造に好適な基板)について説明する。
図1のインプリントモールド用基板10は、図示されるように2つの主表面を備え、その一方(上方)の主表面に台座構造5を有する。
また、上記インプリントモールド用基板10の大きさ(サイズ)や板厚についても特に制約される必要は無く、インプリントモールドの用途、大きさなどに応じて適宜決定される。
また、本発明者が、数ある表面粗さのパラメータのうち、特に二乗平均平方根粗さRqに着目した理由は、算術平均粗さRaなどに比べて、表面の凹凸の頂点および底部がより強調される指標であることにある。
以下、本明細書等において、「表面粗さRq」と記載した場合、上記のとおり「二乗平均平方根粗さRq」を意味するものとする。
また、本発明において、表面粗さRqの測定領域を一辺が5μmの四角形の内側領域としたのは、測定領域が狭すぎるとその測定領域内に1箇所だけ深い凹部が存在するだけでも表面粗さRqの測定値に大きな影響を与えるためである。その場合、表面粗さRqの測定値が本発明で規定する範囲を満たしていても、本発明の効果が得られにくい。
次に、上述の本発明に係るインプリントモールド用基板の製造方法について説明する。
本発明に係るインプリントモールド用基板の製造方法は、上記構成9にあるように、対向する2つの主表面を備え、一方の前記主表面における一辺が5μmの四角形の内側領域で測定したときの表面粗さRqが0.25nm以下である基板を準備する工程と、前記基板の前記一方の主表面における台座構造形成領域上に、エッチング液に対して前記基板との間でエッチング選択性を有するエッチングマスク膜を形成する工程と、前記エッチングマスク膜が形成された基板に対して前記エッチング液によるウェットエッチングを行い、前記一方の主表面に転写面と側壁面とを備える台座構造を形成する工程と、前記台座構造上に残存するエッチングマスク膜を除去する工程とを有するインプリントモールド用基板の製造方法であって、前記台座構造を形成する工程は、前記側壁面における一辺が5μmの四角形の内側領域で測定したときの表面粗さRqが0.3nm以上となるように、前記ウェットエッチングを行うことを特徴とするものである。
なお、図2の実施形態では、上述の図1の実施形態のインプリントモールド用基板10、つまり基板10の一方の主表面に台座構造5を有し、他方の主表面に凹部7を備える構造のインプリントモールド用基板の製造工程を示している。
以下、各工程について詳しく説明する。
上記基板1の材質等については、図1の基板10の材質等と同じであるため、ここでは重複説明は省略する。
この基板1の台座構造形成領域上にエッチングマスク膜を形成する工程は、具体的には、基板1の前記一方の主表面1A上にエッチングマスク膜2を形成する工程(図2(b)参照)と、当該エッチングマスク膜2上の台座構造形成領域にレジストパターン3を形成する工程(図2(c)参照)と、当該レジストパターン3をマスクとするエッチングをエッチングマスク膜2に対して行い、台座構造形成領域以外のエッチングマスク膜2を除去する工程(図2(d)参照)とを有する。これらの工程を行うことによって、図2(d)に示されるように、基板1の一方の主表面1Aにおける所定の台座構造形成領域上にエッチングマスク膜パターン2aが形成される。なお、この台座構造形成領域(台座構造5を有する領域)の形状、位置等については前述したとおりである。
なお、エッチングマスク膜2の材質は、選択される基板1の材質、台座構造を形成するためのウェットエッチングで用いるエッチング液の組成によっても異なるので、上記クロムを含有する材料に限定されるわけではない。
上記エッチングマスク膜2の膜厚は、後の台座構造を形成するためのウェットエッチング条件(エッチング深さ乃至はエッチング時間等)にもよるが、通常50nm以上200nm以下の範囲であることが好適である。かかるエッチングマスク膜2の膜厚が50nm未満であると、上記エッチングマスク膜パターン2aをマスクとして基板1をウェットエッチング加工するときに、加工が終わる前にエッチングマスク膜パターン2aがエッチングされて消失してしまう恐れがある。一方、エッチングマスク膜2の膜厚が200nmよりも厚くなると、エッチングマスク膜2をエッチングしてエッチングマスク膜パターン2aを形成するときにエッチングマスクとして用いられるレジストパターン3の膜厚を大幅に厚くする必要があるため、好ましくない。
この凹部7を形成する方法としては、機械加工などが挙げられるが、形成する凹部のサイズ、形状、深さや、基板1の材質などに応じて適宜選択すればよい。
この凹部7の好ましい形状等については前述したとおりである。また、上記凹部7を有する裏側主表面1Bの領域(凹部7が形成されている領域)は、上記台座構造5を有する表側主表面1Aの領域(台座構造5が形成されている領域)を少なくとも含む大きさであることが好ましいことも前述したとおりである。
以上説明した本発明によれば、基板の一主表面に台座構造を有し、その台座構造の側壁面は、一辺が5μmの四角形の内側領域で測定したときの表面粗さRqが0.3nm以上に仕上がったインプリントモールド用基板が得られるため、このインプリントモールド用基板を用いてマスクブランクを製造することにより、その台座構造の側壁面に形成されるパターン形成用薄膜の付着力を向上でき、膜剥れを抑制することができる。
図3の実施形態においても、上述の図1の実施形態のインプリントモールド用基板10、つまり基板10の一方の主表面に台座構造5を有し、他方の主表面に凹部7を備える構造のインプリントモールド用基板の製造工程を示している。なお、図3の実施形態は、台座構造と凹部を形成する順序が図2の実施形態とは異なる点で相違する。つまり、図3の実施形態では、凹部を先に形成してから、台座構造を形成する。
ただし、前述したように、上記側壁面5bにおける一辺が5μmの四角形の内側領域で測定したときの表面粗さRqが1.0nm以下であることが好ましい。
よって、本実施形態においても、エッチング液のフッ酸濃度やエッチング時間などの条件を調整して上記の台座構造5を形成するためのウェットエッチングを行うことが好適である。
以上のようにして、基板1の表側主表面1Aには所定の段差構造5が形成され、裏側主表面1Bには凹部7が形成されたインプリントモールド用基板10が出来上がる(図3(g)参照)。
図5は、基板の裏側主表面に凹部を形成する方法の他の実施形態を説明するための断面概略図である。
すなわち、前述の単一(1枚)の基板1の裏側主表面1Bに凹部7を形成する工程(図3(b))は、図5に示すように、少なくとも1枚の所定の形状の孔(貫通孔)6を穿設してなる平板状の第1の基材1aと、少なくとも1枚の平板状の第2の基材1bとを接合することにより、接合後の基板1の裏側主表面1Bに、上記第2の基材1bの孔6と第1の基材1aの接合側の主表面とからなる凹部7を形成することによって行うことができる。
本発明においては、具体的には、例えば、溶接(溶着)法、接着法、陽極接合法、フッ酸接合法、光学溶着法(オプティカルコンタクト)などの方法を好ましく用いることができる。第1の基材1aと第2の基材1bのそれぞれの材質に応じて好適な接合方法を適宜選択して用いればよい。
以上のようにして得られた接合後の基板1に対して、上述した実施形態の方法と同様にして、表側主表面1Aに台座構造5を形成することによって、本発明のインプリントモールド用基板10を得ることができる。
次に、本発明に係るマスクブランクとその製造方法について説明する。
本発明は、上述の本発明に係るインプリントモールド用基板を用いたマスクブランクとその製造方法についても提供するものである。
図6は、本発明に係るマスクブランクの断面概略図である。
すなわち、図6に示すマスクブランク20は、上述した本発明のインプリントモールド用基板10の前記台座構造5を有する表側主表面、すなわちインプリントモールドのモールドパターンを形成する側の面(パターン形成面)に、パターン形成用薄膜11を備えたものである。
勿論、このようなパターン形成用薄膜11の構成および材料の例示はあくまでも一例であり、本発明はこれらに制約される必要はない。
また、本発明のマスクブランク20は、上記パターン形成用薄膜11の上に、レジスト膜を形成した形態であっても構わない。
次に、本発明に係るインプリントモールドの製造方法について説明する。
本発明は、上述のマスクブランク20を用いたインプリントモールドの製造方法についても提供するものである。
すなわち、本発明は、上述のマスクブランクを用いるインプリントモールドの製造方法であって、前記パターン形成用薄膜上に形成されたモールドパターンを有するレジスト膜をマスクとし、ドライエッチングによって前記パターン形成用薄膜にモールドパターンを形成する工程と、前記モールドパターンが形成されたパターン形成用薄膜をマスクとし、ドライエッチングによって前記台座構造の転写面にモールドパターンを形成する工程とを有することを特徴としている。
以下、図7を参照してインプリントモールドの製造工程を説明する。
本発明のマスクブランク20の上面に、レジスト膜(例えば液体状の光硬化型樹脂(または熱硬化型樹脂))21を塗布する(図7(a)参照)。次に、上記の液体状のレジスト膜21に対し、微細パターンを備えるマスターモールドを直接押し付けた状態で光照射処理(または加熱処理)を行って樹脂を硬化させてからマスターモールドを剥離する。さらに、酸素プラズマ等を用いるアッシングによって樹脂の残膜部分を除去するデスカム処理を行うことで、マスクブランク20のパターン形成用薄膜11上にモールドパターンを有するレジストパターン21aが形成される(図7(b)参照)。
ここで、ドライエッチング装置からマスクブランク20を一旦取り出して、残存する上記レジストパターン21aを除去してもよい(図7(d)参照)。
なお、上記パターン形成用薄膜11の膜構成、材質によっては、上記エッチング加工を1段階ではなく、2段階以上で行うこともある。
本発明により得られるインプリントモールド30は、被転写体(転写対象物)40における被転写体構成層(例えばシリコンウェハ)41上に塗布されたレジスト膜(例えば光硬化型樹脂や熱硬化型樹脂)42に直接押し付けてモールドパターン31を転写する。本発明により得られるインプリントモールドを用いることにより、転写対象物にモールドパターンを精度良く転写することができる。
また、本発明によれば、上記の台座構造を有するインプリントモールド用基板を用いて、台座構造の側壁面に形成されるパターン形成用薄膜の剥離を抑制でき、インプリントモールドの製造に好適なマスクブランクを得ることができる。
さらに、本発明によれば、上記により得られるマスクブランクを用いて製造され、モールドパターンの欠陥の発生を低減でき、転写対象物にモールドパターンを精度良く転写することができるインプリントモールドを得ることができる。
(実施例1)
本実施例に使用するインプリントモールド用基板を以下のようにして作製した。
ガラス基板として合成石英基板(大きさ約152mm×152mm、厚み6.35mm)を準備した。このガラス基板の一方の主表面(後の工程で台座構造を形成する面)は、予め研磨によって、一辺が5μmの四角形の内側領域で測定したときの表面粗さRqが0.16nm以下となるように仕上げておいた。
なお、本実施例においては、表面粗さRqは、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、被測定面の5μm×5μmの範囲を所定の解像度で測定したときに得られる断面曲線に基づき算出した。
次に、上記台座構造用のレジストパターンを形成したガラス基板について、塩素系ガスと酸素ガスの混合ガスをエッチングガスに用いたドライエッチングにより、台座構造用のレジストパターンで保護されている部分以外のエッチングマスク膜を除去して、台座構造用のエッチングマスク膜パターンを形成した。
また、上記台座構造を有する主表面の上記台座構造を除いた部分の領域(前述の図1中の符号4で示す領域)は、一辺が5μmの四角形の内側領域で測定したときの表面粗さRqは0.34nmであった。
なお、上記台座構造の中心の位置と上記凹部の中心の位置は、いずれもガラス基板の中心の位置とのずれがいずれも100μm以下であった。
以上のようにして、本実施例のインプリントモールド用基板を作製した。
上記インプリントモールド用基板をDCスパッタリング装置に導入し、クロム(Cr)ターゲットを用い、アルゴン(Ar)、二酸化炭素(CO2)および窒素(N2)の混合ガスをスパッタリングガスとする反応性スパッタリングにより、上記インプリントモールド用基板の台座構造を形成した主表面上の全面にCrOCN膜からなるパターン形成用薄膜を5nmの厚みで成膜し、マスクブランクを作製した。
まず、こうしてCrOCN膜からなるパターン形成用薄膜を成膜したマスクブランクの上面に、液体状の光硬化型樹脂を塗布した。次に、上記の液体状の光硬化性樹脂に対し、微細パターンを備えるマスターモールドを直接押し付けた状態で光照射処理を行って樹脂を硬化させてからマスターモールドを剥離した。さらに、酸素プラズマ等を用いるアッシングによって樹脂の残膜部分を除去するデスカム処理を行うことにより、パターン形成用薄膜上にモールドパターンを有するレジストパターンを形成した。
ここで、上記マスクブランクを一旦ドライエッチング装置から取り出して、残存するレジストパターンを酸素プラズマアッシングによって除去した。
ここで、走査型電子顕微鏡(SEM)によるパターン検査を行ったところ、モールドパターンの幅、深さの寸法、精度において良好なパターンが形成されていることを確認した。なお、モールドパターンの欠陥は認められなかった。
比較例1では、ガラス基板に台座構造を形成するエッチング工程において、ドライエッチングを適用したこと以外は、実施例1と同様の手順で行い、インプリントモールド用基板を作製した。なお、そのエッチング工程におけるガラス基板に対するドライエッチングは、フッ素系(CHF3)ガスを用いて行った。
また、上記台座構造を有する主表面の上記台座構造を除いた部分の領域(前述の図1中の符号4で示す領域)は、一辺が5μmの四角形の内側領域で測定したときの表面粗さRqは0.22nmであった。また、台座構造の側壁面についても、一辺が5μmの四角形の内側領域で測定したときの表面粗さRqは0.23nmである。なお、台座構造の側壁面の表面粗さRqについては、上述の実施例1と同様の方法で測定を行った。
2 エッチングマスク膜
3 レジストパターン
5 台座構造
6 孔
7 凹部
10 インプリントモールド用基板
11 パターン形成用薄膜
20 マスクブランク
21 レジスト膜
30 インプリントモールド
31 モールドパターン
40 被転写体
41 被転写体構成層
42 レジスト膜
Claims (20)
- 対向する2つの主表面を備え、一方の前記主表面に台座構造を有するインプリントモールド用基板であって、
前記台座構造は、転写面と側壁面とを備え、
前記側壁面は、一辺が5μmの四角形の内側領域で測定したときの表面粗さRqが0.3nm以上であり、
前記転写面は、一辺が5μmの四角形の内側領域で測定したときの表面粗さRqが0.25nm以下である
ことを特徴とするインプリントモールド用基板。 - 前記側壁面は、一辺が5μmの四角形の内側領域で測定したときの表面粗さRqが1.0nm以下であることを特徴とする請求項1に記載のインプリントモールド用基板。
- 前記台座構造を除いた部分の前記一方の主表面は、一辺が5μmの四角形の内側領域で測定したときの表面粗さRqが0.3nm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインプリントモールド用基板。
- 前記台座構造を除いた部分の前記一方の主表面は、一辺が5μmの四角形の内側領域で測定したときの表面粗さRqが1.0nm以下であることを特徴とする請求項3に記載のインプリントモールド用基板。
- 他方の前記主表面に凹部を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインプリントモールド用基板。
- 前記凹部を有する前記他方の主表面の領域は、前記台座構造を有する前記一方の主表面の領域を少なくとも含む大きさであることを特徴とする請求項5に記載のインプリントモールド用基板。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載のインプリントモールド用基板の前記台座構造を有する前記一方の主表面に、パターン形成用薄膜を備えることを特徴とするマスクブランク。
- 前記パターン形成用薄膜は、クロムを含有する材料からなることを特徴とする請求項7に記載のマスクブランク。
- 対向する2つの主表面を備え、一方の前記主表面における一辺が5μmの四角形の内側領域で測定したときの表面粗さRqが0.25nm以下である基板を準備する工程と、
前記基板の前記一方の主表面における台座構造形成領域上に、エッチング液に対して前記基板との間でエッチング選択性を有するエッチングマスク膜を形成する工程と、
前記エッチングマスク膜が形成された基板に対して前記エッチング液によるウェットエッチングを行い、前記一方の主表面に転写面と側壁面とを備える台座構造を形成する工程と、
前記台座構造上に残存するエッチングマスク膜を除去する工程と
を有するインプリントモールド用基板の製造方法であって、
前記台座構造を形成する工程は、前記側壁面における一辺が5μmの四角形の内側領域で測定したときの表面粗さRqが0.3nm以上となるように、前記ウェットエッチングを行うことを特徴とするインプリントモールド用基板の製造方法。 - 前記台座構造を形成する工程は、前記側壁面における一辺が5μmの四角形の内側領域で測定したときの表面粗さRqが1.0nm以下となるように、前記ウェットエッチングを行うことを特徴とする請求項9に記載のインプリントモールド用基板の製造方法。
- 前記台座構造を形成する工程は、前記台座構造を除いた部分の前記一方の主表面における一辺が5μmの四角形の内側領域で測定したときの表面粗さRqが0.3nm以上となるように、前記ウェットエッチングを行うことを特徴とする請求項9又は10に記載のインプリントモールド用基板の製造方法。
- 前記台座構造を形成する工程は、前記台座構造を除いた部分の前記一方の主表面における一辺が5μmの四角形の内側領域で測定したときの表面粗さRqが1.0nm以下となるように、前記ウェットエッチングを行うことを特徴とする請求項11に記載のインプリントモールド用基板の製造方法。
- 他方の前記主表面に凹部を形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項9乃至12のいずれかに記載のインプリントモールド用基板の製造方法。
- 前記凹部を有する前記他方の主表面の領域は、前記台座構造を有する前記一方の主表面の領域を少なくとも含む大きさであることを特徴とする請求項13に記載のインプリントモールド用基板の製造方法。
- 前記基板はガラスからなり、前記エッチング液はフッ酸を含有することを特徴とする請求項9乃至14のいずれかに記載のインプリントモールド用基板の製造方法。
- 前記エッチングマスク膜は、クロムを含有する材料で形成されることを特徴とする請求項9乃至15のいずれかに記載のインプリントモールド用基板の製造方法。
- 請求項9乃至16のいずれかに記載のインプリントモールド用基板の製造方法によって製造されたインプリントモールド用基板の前記台座構造を有する前記一方の主表面に、パターン形成用薄膜を形成する工程を備えることを特徴とするマスクブランクの製造方法。
- 前記パターン形成用薄膜は、クロムを含有する材料で形成されることを特徴とする請求項17に記載のマスクブランクの製造方法。
- 請求項7又は8に記載のマスクブランクを用いるインプリントモールドの製造方法であって、
前記パターン形成用薄膜上に形成されたモールドパターンを有するレジスト膜をマスクとし、ドライエッチングによって前記パターン形成用薄膜にモールドパターンを形成する工程と、
前記モールドパターンが形成されたパターン形成用薄膜をマスクとし、ドライエッチングによって前記台座構造の転写面にモールドパターンを形成する工程と
を有することを特徴とするインプリントモールドの製造方法。 - 請求項17又は18に記載のマスクブランクの製造方法によって製造されたマスクブランクを用いるインプリントモールドの製造方法であって、
前記パターン形成用薄膜上に形成されたモールドパターンを有するレジスト膜をマスクとし、ドライエッチングによって前記パターン形成用薄膜にモールドパターンを形成する工程と、
前記モールドパターンが形成されたパターン形成用薄膜をマスクとし、ドライエッチングによって前記台座構造の転写面にモールドパターンを形成する工程と
を有することを特徴とするインプリントモールドの製造方法。
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