JP2017171471A - クレーン機能付き作業機械 - Google Patents
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Abstract
Description
このようなクレーン機能付き作業機械では、作業時に、使用されていない作業機やフックはブーム先端からワイヤロープで吊り下げられているため、旋回やブームの起伏動作時に左右前後に揺動したり、振れ回ったりして、ブームや、作業機や、他のフック等に接触する可能性がある。
ブーム先端部にフック保持ブラケットをブラケット支軸まわりに回転自在に取付ける。フック保持ブラケットの下端には、係合部が設けられている。フックには、該係合部に係合する係合軸が設けられている。フックを吊り下げているロープを巻上げると、フックの係合軸がフック保持ブラケットの係合部に係合する。この状態で、フック保持ブラケットの係合部の端部に保持ピンを差込んで、フックの係合軸の外周をフック保持ブラケットの係合部で挟んだ状態に固定する(例えば、特許文献1参照)。
本発明の第1の実施形態を図1〜7を参照して説明する。
以下の説明では、クレーン機能付き作業機械をアースドリル機1として例示する。
アースドリル機1は、クレーン本体10と、ケリーバ7とを備えている。
クレーン本体10は、下部走行体21と、旋回輪22を介して下部走行体21上に旋回可能に設けられた上部旋回体23とを備えている。上部旋回体23は、旋回フレーム23aを備えている。旋回フレーム23aには、主巻ウインチ11および補巻ウインチ12が搭載されている。クレーン本体10には、運転室82と建屋カバー83とが配置されている。
旋回フレーム23aの運転室82の側方にはブーム2が設けられている。ブーム2の先端には、ブームヘッドとなるジブ8が設けられている。
以下の説明において、運転室82側を前方とし、建屋カバー83側を後方とする。また、前方から観て右側、換言すれば、図1において運転室82の紙面前方側を左方とし、運転室82の背面側を右方とする。
ケリーバ駆動装置4の回転部4aには駆動孔が上下に貫通して設けられており、その駆動孔にケリーバ7が上下動自在に、かつ相対回転不能に貫挿されている。ケリーバ7の上端はスイベルジョイント継手13を介してワイヤロープ41に接続されている。ケリーバ7の下端には、バケット5が取り付けられている。ワイヤロープ41は、ジブ8の後端側に設けられたシーブ31およびジブ8の中央部に設けられた不図示のシーブに掛け回され、クレーン本体10上の主巻ウインチ11により巻取りまたは繰出しされる。
なお、図1では、起伏用ロープおよび起伏用ウインチは図示を省略してある。
フック60とシーブ32との間には、固定治具50が配置されている。また、ジブ8には、過巻防止装置70が取付けられている。固定治具50および過巻防止装置70の詳細については後述する。
過巻防止装置70は、図3に図示されるように、リミットスイッチ71と、過巻防止具72と、リミットスイッチ71と過巻防止具72とを連結するロープ73とを備えている。過巻防止装置70は、フック60が上限の所定の高さに達すると、補巻ウインチ12を駆動する不図示の油圧モータを停止させ、ワイヤロープ42の過巻を防止する機能を有する。リミットスイッチ71は、通常は、過巻防止具72の自重によりオフとなっている。フック60が上限の高さに達すると、フック60により過巻防止具72が上方に移動され、これに伴ってリミットスイッチ71がオンとなる。リミットスイッチ71がオンになると、図示はしないが、主油圧ポンプと油圧モータとの間に配置されているコントロールバルブが作動し、油圧モータへの圧油の供給が停止され、油圧モータが停止する。
アウタブラケット51は、角筒形状に形成され、上端のシーブ32を枢支する支軸32aが挿通される筒状の取付部54を有している。アウタブラケット51の上下方向の中間部には案内ピン56が挿通される案内ピン孔が設けられている。
フック60の上部には、ターゲット65が取付けられている。ターゲット65について説明する。
ターゲット65は、前後方向に離間して設けられた一対の前後側片67と、左右方向に離間して設けられた一対の左右側片66とを有する。図5(A)に図示されるように、ターゲット65は、一対の前後側片67の各内面が、一対の左右側片66の側端に接続された一体部材として形成されている。一対の左右側片66の中心軸上には、貫通孔68が形成されている。図示しないがフック60の上端の取付板には、ターゲット65の貫通孔68と同径の貫通孔が設けられ、これら貫通孔に挿通されるボルトまたはピンにより、ターゲット65がフック60に取付けられる。
ターゲット65の中心軸は、静止状態では、固定治具50、すなわち、アウタブラケット51、インナブラケット52、スプリング53の前後・左右方向の中心軸と同軸上に位置している。
なお、傾斜面67a、67bは、湾曲面としてもよい。
このため、ケリーバ7を用いた作業を行う際には、固定治具50によりフック60を固定する。
次に、固定治具50によりフック60を固定する方法について説明する。
補巻ウインチ12によりワイヤロープ42を巻上げるに伴い、フック60が上昇する。フック60は、固定治具50の受け部57の高さに達すると、ターゲット65の前後側片67の上端が受け部57の下面に当接する。この状態から、さらに、フック60が上昇すると、ターゲット65は、受け部57内側の収容部に嵌入される。このとき、ターゲット65の各前後側片67には、傾斜面67a、67bが形成されているため、ターゲット65の中心軸が固定治具50の中心軸とは異なる位置に変位している場合でも、ターゲット65の受け部57内への嵌入を円滑に行うことができる。
図4(A)は、ターゲット65が受け部57に適切に嵌入された状態を示している。この状態では、アウタブラケット51に取付けられた案内ピン56は、インナブラケット52の長孔55の上端に当接している。
この状態では、スプリング53は、図4(A)に図示された状態よりも圧縮されている。すなわち、図4(B)に図示された状態では、スプリング53には、図4(A)と図4(B)に図示されたスプリング53の長さの差δに対応する反発力が作用している。アウタブラケット51の取付部54と支軸32aとの連結部には、このスプリング53の反発力に対応する摩擦力が作用する。このため、固定治具50および固定治具50に押圧されているフック60の揺動や、振れ回りを規制することができる。
図6を参照して、固定治具50の回動規制構造を説明する。
固定治具50のアウタブラケット51の上部には、規制板34が一体的に設けられている。規制板34は、アウタブラケット51と一体的に、シーブ32の支軸32aを軸芯として回動する。規制板34は左右に離間する一対の部材を有し、一対の規制板34の先端側には、規制ピン34aが架け渡されれている。ジブ8には、係止板35が取付けられている。係止板35には、規制ピン34aを係合する凹部35aが形成されている。
回動規制構造は、フック60が上限高さ位置よりも低い位置においても固定治具50の時計方向への回動を防止することができる。このため、フック60が固定治具50と係合していない状態、すなわち、フック60の揺動や振れ回りが抑制されていない状態でも、固定治具50がブーム側に揺動するのを規制することができる。
但し、本発明のクレーン機能付き作業機械には、この回動規制構造を設けなくてもよい。
固定治具150は、以下に示すように折畳み構造を有する。
固定治具150のアウタブラケット151は、第1および第2アウタブラケット151A、151Bを備えて構成されている。第1アウタブラケット151Aの下端には、矩形形状の固定部152aが設けられている。固定部152aには、各コーナーに対応するねじ孔153が、4つ設けられている。ねじ孔153の前後方向の間隔と上下方向の間隔とは同一である。第2アウタブラケット151Bの上端には、矩形形状の固定部152bが設けられている。固定部152bには、2つのねじ孔154が設けられている。ねじ孔154の間隔は、ねじ孔153の間隔と同一である。
なお、変形例の他の構造は、図6に図示された構造と同一であり、対応する部材に同一の符号を付して説明を省略する。
(1)アースドリル機1は、ジブ8の支軸32aに揺動自在に連結された固定治具50と、ターゲット65を有するフック60とを備えている。固定治具50は、ジブ8の支軸32aに連結されるアウタブラケット51と、アウタブラケット51に圧縮力を与えて支軸32aとの連結部にアウタブラケット51を押圧するスプリング53と、フック60とスプリング53との間に配置され、ターゲット65により押圧される受け部57を有し、スプリング53を圧縮可能に設けられたインナブラケット52とを備えている。この構造によれば、フック60はターゲット65を介して固定治具50に押圧され、固定治具50のアウタブラケット51は、スプリング53の反発力によりジブ8の支軸32aに押圧される。これにより、アウタブラケット51の取付部54とジブ8の支軸32aとの間に摩擦力が生じる。このため、固定治具50と共にフック60の揺動や振れ回りが抑制される。
図8は、本発明のクレーン機能付き作業機械の第2の実施形態の側面図である。
第2の実施形態として示すクレーン1Aは、主巻フック60Aと補巻フック60Bとを備えている。
主巻フック60Aは、不図示の主巻ウインチにより巻上げられるワイヤロープ43により昇降する。補巻フック60Bは、不図示の補巻ウインチにより巻上げられるワイヤロープ44により昇降する。
第2の実施形態では、固定治具50は、ブーム2に隣接して配置された主巻フック60Aが、揺動または振れ回りによりブーム2に衝突したり、ワイヤロープ43が絡まったりするのを抑制することができる。
つまり、第2の実施形態においても、第1の実施形態の効果(1)〜(5)と同様な効果を奏する。
図9は、本発明のクレーン機能付き作業機械の第3の実施形態の側面図である。
第3の実施形態として示すクレーン1Bは、固定治具50を主巻フック60A側のみでなく、補巻フック60B側にも設けた構成としたものである。
過巻防止装置70も、主巻フック60A側のみでなく補巻フック60B側にも設けられている。
第3の実施形態によれば、主巻フック60Aが、揺動や振れ回りによりブーム2および補巻フック60Bに衝突するのを抑制することができる。また、補巻フック60Bが、揺動や振れ回りにより主巻フック60Aに衝突するのを抑制することができる。
さらに、第1の実施形態の効果(2)〜(5)と同様な効果を奏する。
(1)上記各実施形態では、固定治具50のアウタブラケット51をシーブ32の支軸32aに押圧する弾性部材としてスプリング53を例示した。しかし、スプリング53に替えて、油圧ダンパやガスダンパを用いてもよい。
(2)アウタブラケット51とインナブラケット52を上下反転してジブ8に装着してもよい。
(3)アウタブラケット51とインナブラケット52の2部材で固定治具50を構成したが、3部材以上で構成してもよい。
2 ブーム
3 フロントフレーム
8 ジブ(ブームヘッド)
11 主巻ウインチ
12 補巻ウインチ(巻上ウインチ)
32a 支軸(連結部)
34 規制板(規制構造)
35 係止板(規制構造)
41〜44 ワイヤロープ(巻上ロープ)
50 固定治具
51 アウタブラケット(第1固定部材)
52 インナブラケット(第2固定部材)
53 スプリング(弾性部材)
54 取付部(連結部)
60 フック
60A 主巻フック
60B 補巻フック
65 ターゲット
70 過巻防止装置
150 固定治具
151、151A、151B アウタブラケット(折畳み構造)
152a 固定部(折畳み構造)
152b 固定部(折畳み構造)
Claims (4)
- ブームヘッドから垂下される巻上ロープに接続されたフックを巻き上げる巻上ウインチを有するクレーン機能付き作業機械であって、
上端側がブームヘッドの連結部に揺動自在に連結された固定治具と、
ターゲットを有する前記フックとを備え、
前記固定治具は、
上端側が前記ブームヘッドに連結される第1固定部材と、
前記第1固定部材に圧縮力を与えて前記連結部に第1固定部材を押圧する弾性部材と、
前記ターゲットにより押圧される受け部を有し、前記弾性部材を圧縮可能に設けられた第2固定部材とを備えていることを特徴とするクレーン機能付き作業機械。 - 請求項1に記載のクレーン機能付き作業機械において、
前記第1固定部材が前記ブームヘッドの前記連結部に押圧された状態で前記フックが所定以上巻き上げられることを検出する過巻防止装置をさらに備えることを特徴とするクレーン機能付き作業機械。 - 請求項1に記載のクレーン機能付き作業機械において、
前記固定治具は折り畳み構造を有することを特徴とするクレーン機能付き作業機械。 - 請求項1に記載のクレーン機能付き作業機械において、
前記固定治具は、前記ブーム側に振れるのを規制する規制構造を有することを特徴とするクレーン機能付き作業機械。
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