JP2017170378A - アンモニア合成用触媒および該触媒を用いたアンモニアの合成方法 - Google Patents

アンモニア合成用触媒および該触媒を用いたアンモニアの合成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、アンモニア合成方法、特に電極間に放電を生じない電圧を印加してアンモニアを合成する電場合成方法に関して、アンモニアの生成効率を向上できる触媒を提供することにある。【解決手段】少なくとも触媒活性成分と複合酸化物とを含み、当該複合酸化物にパイロクロア構造および/またはアパタイト構造を有する複合酸化物を用いることを特徴とするアンモニア合成用触媒。【選択図】なし

Description

本発明は、アンモニア合成に用いられる触媒および該触媒を用いたアンモニアの合成方法に関する。
アンモニアは従来、ハーバーボッシュ法により工業レベルで広く製造されている。ハーバーボッシュ法は、二重促進鉄触媒を用いて水素と窒素とを400〜600℃、20〜100MPaの高圧条件で反応させてアンモニアを得るものである(非特許文献1)。
ルテニウムを活性金属に用いた触媒を利用することで、より低温・低圧でのアンモニア合成を実現した例もある(特許文献1)。また、ルテニウムを活性金属に用いた触媒において、セリア等のランタノイド酸化物やアルカリ土類金属を含む担体を用いることで、高い活性を実現した例もある(特許文献2および非特許文献2〜4)。このように、従来のハーバーボッシュ法に用いる触媒においては、マグネシアとランタノイドやアルカリ土類金属を共存させた触媒を用いることにより高活性化を実現できるとされている。
一方、近年、発明者らにより電場中に設置した触媒を用いたアンモニアの合成方法が提案されている(特許文献3)。この当該電場触媒反応によるアンモニアの合成方法は、一対の電極間に設置された触媒に放電を生じない電圧を印加すること(以後、単に“電場印加”と称することがある)により小スケールや低温低圧といった、従来のハーバーボッシュ法による合成ではエネルギー効率的に不利となる条件においても、アンモニア合成促進効果を得ることが可能となる。加えて、反応の開始や停止にも柔軟に対応できるため、断続的な電力供給、例えば発電変動がある再生可能エネルギーによる発電設備等と組み合わせた場合において好適に使用できる。このような反応方法においては、触媒が一定の導電性を持つ必要があり、特許文献3においてはCe0.5Zr0.5複合酸化物を担体に用いた触媒が開示されている。
特開平2−258066号公報 特開平6−79177号公報 特開2014−141361号公報
「触媒便覧」 講談社 2008年12月10日発行 pp.68 Journal of Fuel Chemistry and Technology Vol.40,pp.848−854,2012年 Catalysis Letters Vol.106,pp.107−110,2006年 Catalysis Letters Vol.141,pp.1275−1281,2011年
しかし、ハーバーボッシュ法をはじめとするアンモニア合成プロセスは高エネルギー消費プロセスであり、依然として触媒の活性向上によるエネルギー効率の向上が求められている。特に、電場触媒反応によるアンモニア合成方法においては、触媒の反応活性が低いため、ハーバーボッシュ法に対してエネルギー効率の面で劣るという問題がある。電場触媒反応では、従来のハーバーボッシュ法で有効とされるマグネシア担体や、酸化ランタンやセリアなどのランタノイドからなる酸化物を担体に用いた触媒では、触媒の絶縁性が高すぎるため放電が起こり、電場印加によるアンモニア合成促進効果を得ることができない上、投入した電気エネルギーの大半がガス中分子の電離に使用されることになり、エネルギー効率が大幅に低下する。そのため、より電場印加の効果を有効に活用でき、高活性を実現できるアンモニア合成用の触媒が求められている。
発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討した結果、アンモニア合成、特に電場触媒反応によるアンモニア合成において、パイロクロア構造および/またはアパタイト構造を有する複合酸化物を含有する触媒を用いることで活性が有意に向上するという効果を見出し、発明を完成するに至った。
本発明を以下に示す。
[1]少なくとも触媒活性成分と複合酸化物とを含み、当該複合酸化物としてパイロクロア構造および/またはアパタイト構造を有する複合酸化物を用いることを特徴とするアンモニア合成用触媒。
[2]一対の電極間に触媒を設け、水素と窒素の存在下に当該電極間に放電を生じない電圧を印加してアンモニアを合成するために用いる前記[1]に記載のアンモニア合成用触媒。
[3]前記パイロクロア構造および/またはアパタイト構造を有する複合酸化物が、ランタノイドを含む複合酸化物であることを特徴とする前記[1]または[2]に記載のアンモニア合成用触媒。
[4]前記アンモニア合成用触媒において、さらに助触媒としてアルカリ金属、アルカリ土類金属、ランタノイドから選ばれる少なくとも1つの元素を含有することを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載のアンモニア合成用触媒。
[5]前記触媒活性成分が、ルテニウム、鉄、コバルト、ニッケル、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウムから選ばれる少なくとも1つの元素を含有することを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれかに記載のアンモニア合成用触媒。
[6]一対の電極間に触媒を設け、水素と窒素の存在下に当該電極間に放電を生じない電圧を印加してアンモニアを合成する方法であって、前記[1]〜[5]のいずれかに記載のアンモニア合成用触媒を用いることを特徴とするアンモニアの合成方法。
本発明に係るアンモニア合成用触媒を用いることにより、アンモニア合成、特に電場触媒反応によるアンモニア合成において、アンモニア生成速度を従来よりも大幅に向上させることが可能となる。
以下、本発明にかかるアンモニア合成用触媒およびアンモニア合成方法について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に限定されることはなく、以下の例示以外についても本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更し、実施することができる。
本実施形態では、本発明の一態様であるアンモニア合成用触媒およびアンモニア合成方法の一例について説明する。
[アンモニア合成用触媒]
アンモニア合成用触媒としては、触媒活性成分と、パイロクロア構造および/またはアパタイト構造を有する複合酸化物とを含むものであれば、特に限定されない。
触媒活性成分としては、ルテニウム、鉄、コバルト、ニッケル、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウムなどが挙げられ、ルテニウム、鉄、コバルト、ニッケルが好ましく、ルテニウム、鉄が特に好ましい。
前記触媒活性成分の含有量としては、本発明の効果を有すれば特に限定されないが、アンモニア合成用触媒に対して0.01〜40wt%が好ましく、0.1〜30wt%がより好ましく、1〜25wt%がさらに好ましい。
パイロクロア構造を有する複合酸化物としては、LaZr、NdZr、SmZr、GdZr、LaTi、NdTi、SmZr、GdZr7、LaCe、CaNb、SrNb、BaNb、BiTiなどが挙げられ、LaZr、NdZr、SmZr、GdZr、LaCeが好ましく、LaZr、NdZrが特に好ましい。
アパタイト構造を有する複合酸化物としては、La10Si27、Nd10Si27、Sm10Si27、La10Ge27、Nd10Ge27、Sm10Ge27などが挙げられ、La10Si27、Nd10Si27、Sm10Si27が好ましく、La10Si27が特に好ましい。
当該複合酸化物の調製方法としては、特に限定されず、以下に述べる方法が挙げられる。例えば、オキシカルボン酸を過剰に含むグリコール溶液中に金属塩を溶解させ、金属オキシカルボン酸錯体を形成させる。この溶液を加熱するとポリエステル高分子ゲルが得られる。得られた高分子ゲルを高温で熱分解させることで複合酸化物粉体が得ることができる(錯体重合法)。この他、複合酸化物を構成する元素の酸化物や炭酸塩などの固体原料同士を混合し焼成する方法(固相反応法)、複合酸化物を構成する元素の一つの酸化物に別の構成元素の塩を含む水溶液を含浸し、乾燥、焼成する方法(含浸法)、複合酸化物の構成元素の塩を含む水溶液を混合し、pH調整し沈殿物を得た後、沈殿物を乾燥、焼成する方法(共沈法)などがある。好ましくは錯体重合法、固相反応法、共沈法である。これら方法において、焼成温度としては、800〜1200℃が好ましく、再現性と比表面積の観点から900〜1200℃がより好ましい。これら複合酸化物の比表面積は0.5〜50m/gが好ましく、5〜50m/gがより好ましい。
また、前記パイロクロアおよび/またはアパタイト構造を有する複合酸化物の含有量としては、アンモニア合成用触媒に対して60〜99.99wt%が好ましく、70〜99.9wt%がより好ましく、75〜99wt%がさらに好ましい。
本発明におけるアンモニア合成用触媒としては、さらに助触媒を含有することができる。助触媒としては、一般にアンモニア合成用触媒に用いられるものであれば特に限定されない。一例として、カリウム、ナトリウム、ルビジウム、セシウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどのアルカリ土類金属、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、イットリビウムなどの希土類を用いることができ、カリウム、ナトリウム、セシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ランタン、セリウム、ネオジムが好ましく、セシウム、バリウム、ランタン、セリウム、ネオジムが特に好ましい。
これらの助触媒の形態は特に限定されず、金属、酸化物、水酸化物、炭酸塩などの形態として含有することができる。
当該アンモニア合成用触媒の調製方法としては、特に限定されず、この種の触媒の調製に一般的に用いられる方法を用いることができる。例えば、(1)Ru前駆体を含む溶液と複合酸化物を混合し含浸担持する方法、(2)Ru前駆体と助触媒前駆体とを含む溶液と複合酸化物を混合し含浸担持する方法、(3)Ru前駆体と助触媒とを含む溶液と複合酸化物を混合し、酸または塩基により沈殿形成して担持する方法、(4)Ru前駆体を前記の方法で複合酸化物上に担持させた後に助触媒前駆体を含む溶液をさらに含浸担持させる方法などが挙げられる。これら触媒の形状は特に限定はなく、粉体状であってもよいし、粉体等を押し出し成形法や打錠成形法により円柱状、リング状、球状などの一定の形状に成形した成型体や、一定形状に成形した後に破砕した不定形体等であってもよい。
Ru前駆体や助触媒前駆体を担持させた後、空気中で200〜600℃程度の温度で焼成してもよい。また、反応前に水素を含むガス流通下、50〜600℃の範囲において還元処理を行ってもよい。
[アンモニアの合成方法]
本発明におけるアンモニア合成方法は、後述の反応器に原料ガスを流通させ、一対の電極間に放電を生じない電圧を印加させることでアンモニアを合成するにあたり、前記したアンモニア合成用触媒を用いてアンモニアを合成する方法である。
なお、本明細書における放電とは、電極間に流通させた原料ガス中の窒素分子、水素分子などが印加電圧によって、絶縁破壊が生じてイオン化、電子放出が起こり、電流が流れることをいう。放電が発生した場合には、しばしば同時に発光現象が観察できる。本発明における印加電圧は、絶縁破壊が生じる電圧すなわち絶縁破壊電圧より低い電圧である。
本発明に使用する反応器としては、一対の電極と、当該電極間に電圧を印加する電圧印加手段と、当該電極間に設置するアンモニア合成用触媒、原料ガス導入口および生成アンモニア含有ガス排出口から構成される。当該反応器はさらに、触媒を好ましい位置に保持するための触媒支持体を含んでいてもよい。
前記一対の電極としては、導電性の材料からなり、前記触媒を含む空間に電場を形成できる形状および配置であればよい。電極材料の一例としては、鉄、ステンレス、チタン、ハステロイ(登録商標)を用いることができ、耐腐食性とコスト面からステンレスが好ましい。電極の形状の一例としては、棒状電極、筒状電極、板状電極、メッシュ状電極などを用いることができ、ガス流通性や装置の体積効率の面から棒状電極、筒状電極、メッシュ状電極が好ましい。電極の配置の一例としては、流通式反応器の流れ方向に一対の電極を配置し間に触媒を配置する方法のほか、同心上に配置された棒状電極と筒状電極からなる一対の電極の間に触媒を配置する方法などがある。
触媒支持体としては、触媒を電極間に固定し、反応に悪影響を与えないものであれば形状、材質を問わない。一例として、石英ウール、ガラスウール、粒状シリカ、ガス流通用の穴を設けたアルミナ、ジルコニア、マグネシアなどの板を触媒の前後に配置することができる。
電圧印加手段は、一対の電極間に電圧を引加できるものであれば特に制限されず、例えば市販の高電圧電源を用いることができる。高電圧電源としては、直流電源、交流電源、極短パルス発生器を用いることができるが、電場形成のためには直流電源を用いることが好ましい。
原料ガスとしては、アンモニアの原料となる水素原子と窒素原子を含むガスであればよく、原料ガス中の水素原子/窒素原子のモル比は、0.01以上10以下のものが好ましく、より好ましくは0.1以上3.0以下である。当該水素原子/窒素原子のモル比が0.01未満ではアンモニア生成速度が平衡の制約により大きく低下するため好ましくなく、逆に3より大きくになると印加電圧が高くなるため好ましくない。
水素原子と窒素原子を含む成分がそれぞれ別個の成分として存在する混合物のガスでも良いし、同一の成分の中に水素原子と窒素原子の両方を含むものを用いても良いし、それらの混合物を用いても良い。入手容易性や経済性、触媒耐久性の観点から、窒素原子を含むガスとして窒素分子を、水素原子を含むガスとして水素分子を用い、それらの混合ガスを原料ガスとして触媒層へ導入するが好ましい。
原料ガス供給手段としては、反応に必要な任意のガスを反応器内に導入する方法を備えることができる。一例として、窒素ガスと水素ガスからアンモニアを合成する場合には、窒素供給源として窒素ガスボンベ、産業用の窒素発生装置等を用いることができ、水素供給源としては、水素ガスボンベ、炭化水素をはじめとする含水素化合物を改質して得られた水素含有ガス、アルカリ水電解や水蒸気電解によって得られた水素含有ガス等を用いることができる。
本発明におけるアンモニア合成は、常圧で行ってもよいが、圧力を加えて行う場合に、より効果的である。具体的には、反応器内の圧力を102kPa〜40MPa、好ましくは102kPa〜5MPaにして、アンモニアを合成する場合に有利である。
また、本発明の方法によるアンモニア合成は、加温装置を用いて加温して行ってもよい。一例として、触媒層温度を20〜600℃、好ましくは20〜450℃、更に好ましくは20〜400℃にして、アンモニアの合成を行うことができる。温度が上昇するにつれて触媒活性が向上し、アンモニア生成量も増加するが、600℃より高温になると、アンモニア合成反応が熱力学的に不利となるため好ましくない。また、低温での反応は熱力学的には有利であるが、触媒活性が低くなるため、上記の温度範囲において、使用する触媒の活性や経済性を考慮し適切な反応温度を設定すればよい。
得られたアンモニアを含むガスは、必要に応じて、アンモニアのみを公知の方法で分離しても良い。さらに、残ったガスのうち原料ガスをさらに分離し、再度原料ガスとして利用するリサイクル過程を含めても良い。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例により制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
(複合酸化物の調製)
以下の方法により、各複合酸化物を調製した。なお、実施例、比較例においては、当該複合酸化物を使用した。
<La10Si27
酸化ランタン、二酸化ケイ素をLa:Si=10:6となるよう秤量・混合し、1100℃で10h 空気雰囲気下で焼成した後、エタノール中で湿式粉砕してLa10Si27粉体を得た。BET法で測定したLa10Si27の比表面積は10.7m/gであった。粉末XRD測定により、得られた複合酸化物がアパタイト構造を有することを確認した。
<LaZr
酸化ランタン、酸化ジルコニウムをLa:Zr=1:1となるよう秤量・混合し、1100℃で10h 空気雰囲気下で焼成した後、エタノール中で湿式粉砕してLaZr粉体を得た。BET法で測定したLaZrの比表面積は13.9m/gであった。粉末XRD測定により、得られた複合酸化物がパイロクロア構造を有することを確認した。
<CaZrO
炭酸カルシウム、酸化ジルコニウムをCa:Zr=1:1となるよう秤量・混合し、1100℃で10h 空気雰囲気下で焼成した後、エタノール中で湿式粉砕してCaZrO粉体を得た。BET法で測定したCaZrOの比表面積は14.8m/gであった。粉末XRD測定により、得られた複合酸化物がペロブスカイト構造を有することを確認した。
<Ce0.5Zr0.5
酸化セリウム、酸化ジルコニウムをCe:Zr=1:1となるよう秤量・混合し、1100℃で10h 空気雰囲気下で焼成した後、エタノール中で湿式粉砕してCe0.5Zr0.5粉体を得た。BET法により測定したCe0.5Zr0.5の比表面積は29.0m/gであった。粉末XRD測定により、得られた複合酸化物が立方晶構造を有することを確認した。
[比表面積測定]
BET比表面積計として株式会社マウンテック製 Macsorb model−1210を用いて比表面積を測定した。
[X線回折測定]
スペクトリス社製X‘pertPRO MPDを用いて、Cu−Kα放射線(X線出力:45kV−40mA、Kα1線波長:1.5406Å)を使用して測定した。
(実施例1)
トリス(アセチルアセトナト)ルテニウム錯体のアセトン溶液をLa10Si27 100重量部に対してトリス(アセチルアセトナト)ルテニウム錯体(Ru金属換算) 7重量部となるよう含浸担持した。得られたサンプルを120℃で10時間乾燥した後、450℃で2時間空気雰囲気にて焼成し、Ru/La10Si27触媒を得た。XRD測定にて確認した結果、複合酸化物は触媒調製後もアパタイト構造を維持していたことを確認した。
当該触媒0.2gを外径10mm、内径6mmの石英管反応器に充填し、内径とほぼ同じ大きさの一対のSUS304製多孔質平板状電極で触媒層を挟むよう配置した。
本反応器に水素ガスと窒素ガスの混合ガスを導入し、0.8MPaGに加圧した。市販の高圧電源(松定プレシジョン製HAR−20N7.5)を用いて定電流モードで2mA通電して電圧を印加し、触媒層温度が300℃または350℃となるよう加温装置を用いて加温しながら30分反応させた。導入ガス中の水素原子/窒素原子のモル比は1とし、全ガス流量240ml/minとしてアンモニア合成反応を行った。結果を表1に示す。
アンモニア生成速度は、触媒層通過後のガス中に含まれるアンモニアを0.1Mホウ酸水溶液に捕捉し、溶液中のアンモニウムイオン濃度を陽イオンクロマトグラフィーにより定量することで、反応時間中のアンモニア生成速度の平均値として算出した。
(実施例2)
実施例1において、La10Si27の代わりにLaZrを用いた以外は同様の方法で触媒調製を行い、Ru/LaZr触媒を得た。得られた触媒は実施例1と同様の方法で反応し、アンモニア生成速度を算出した。結果を表1に示す。
なお、触媒の結晶構造をXRD測定にて確認した結果、触媒調製後も複合酸化物はパイロクロア構造を維持していたことを確認した。
(比較例1)
実施例1において、La10Si27の代わりにCaZrOを用いた以外は同様の方法で触媒調製を行い、Ru/CaZrO触媒を得た。得られた触媒は実施例1と同様の方法で反応し、アンモニア生成速度を算出した。結果を表1に示す。
なお、触媒の結晶構造をXRD測定にて確認した結果、複合酸化物は触媒調製後もペロブスカイト構造を維持していたことを確認した。
(実施例3)
トリス(アセチルアセトナト)ルテニウム錯体のアセトン溶液と酢酸セリウム1水和物の水溶液とLa10Si27を、La10Si27 100重量部に対してトリス(アセチルアセトナト)ルテニウム錯体(Ru金属換算) 7重量部、酢酸セリウム(CeO換算)8重量部となる割合で混合し、含浸担持した。得られたサンプルを乾燥後、450℃で2時間空気中にて焼成し、CeO−Ru/La10Si27触媒を得た。得られた触媒は実施例1と同様の方法で反応し、アンモニア生成速度を算出した。結果を表1に示す。
なお、触媒の結晶構造をXRD測定にて確認した結果、複合酸化物は触媒調製後もアパタイト構造を維持していたことを確認した。
(実施例4)
実施例3において、La10Si27の代わりにLaZrを用いた以外は同様の方法で触媒調製を行い、CeO−Ru/LaZr触媒を得た。得られた触媒は実施例1と同様の方法で反応し、アンモニア生成速度を算出した。結果を表1に示す。
なお、触媒の結晶構造をXRD測定にて確認した結果、複合酸化物は触媒調製後もパイロクロア構造を維持していたことを確認した。
(比較例2)
実施例3において、La10Si27の代わりにCaZrOを用いた以外は同様の方法で触媒調製を行い、CeO−Ru/CaZrO触媒を得た。得られた触媒は実施例1と同様の方法で反応し、アンモニア生成速度を算出した。結果を表1に示す。
なお、触媒の結晶構造をXRD測定にて確認した結果、複合酸化物は触媒調製後もペロブスカイト構造を維持していたことを確認した。
(比較例3)
実施例3において、La10Si27の代わりにCe0.5Zr0.5を用いた以外は同様の方法で触媒調製を行い、CeO−Ru/Ce0.5Zr0.5触媒を得た。得られた触媒は実施例1と同様の方法で反応し、アンモニア生成速度を算出した。結果を表1に示す。
なお、触媒の結晶構造をXRD測定にて確認した結果、複合酸化物は触媒調製後も立方晶の結晶構造を取っていることが確認された。
(実施例5)
トリス(アセチルアセトナト)ルテニウム錯体のアセトン溶液と水酸化セシウム水溶液とLa10Si27を、La10Si27 100重量部に対してトリス(アセチルアセトナト)ルテニウム錯体(Ru金属換算) 7重量部、水酸化セシウム(Cs金属換算) 12重量部となる割合で混合し、含浸担持した。得られたサンプルを乾燥後、450℃で2時間空気中にて焼成し、Cs−Ru/La10Si27触媒を得た。得られた触媒は実施例1と同様の方法で反応し、アンモニア生成速度を算出した。結果を表1に示す。
なお、触媒の結晶構造をXRD測定にて確認した結果、複合酸化物は触媒調製後もアパタイト構造を維持していたことを確認した。
(実施例6)
実施例5において、La10Si27の代わりにLaZrを用いた以外は同様の方法で触媒調製を行い、Cs−Ru/LaZr触媒を得た。得られた触媒は実施例1と同様の方法で反応し、アンモニア生成速度を算出した。結果を表1に示す。
なお、触媒の結晶構造をXRD測定にて確認した結果、複合酸化物は触媒調製後もパイロクロア構造を維持していたことを確認した。
(比較例4)
実施例5において、La10Si27の代わりにCaZrOを用いた以外は同様の方法で触媒調製を行い、Cs−Ru/CaZrO触媒を得た。得られた触媒は実施例1と同様の方法で反応し、アンモニア生成速度を算出した。結果を表1に示す。
なお、触媒の結晶構造をXRD測定にて確認した結果、複合酸化物は触媒調製後もペロブスカイト構造を維持していたことを確認した。
(実施例7)
実施例5において、導入ガス中の水素原子/窒素原子のモル比を3とし、全ガス流量60ml/minに変更した以外は同様にしてアンモニア生成速度を算出した。結果を表1に示す。
(比較例5)
比較例4において、導入ガス中の水素原子/窒素原子のモル比を3とし、全ガス流量60ml/minに変更した以外は同様にしてアンモニア生成速度を算出した。結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例5において、通電せずに電圧を印加しなかった以外は同様にしてアンモニア生成速度を算出した。結果を表2に示す。
(比較例6)
比較例4において、通電せずに電圧を印加しなかった以外は同様にしてアンモニア生成速度を算出した。結果を表2に示す。
Figure 2017170378
※アンモニア生成速度:触媒1gあたり1時間でのアンモニア生成量(マイクロモル)
Figure 2017170378
※アンモニア生成速度:触媒1gあたり1時間でのアンモニア生成量(マイクロモル)
表1および表2のように、本発明の複合酸化物を触媒に含有させることにより、従来の触媒と比較して高い活性を示すことが明らかとなった。
本発明によるアンモニア合成用触媒を用いることで、従来のアンモニア合成用触媒と比較して効率よくアンモニアを合成することができ、エネルギー効率を高めることができる。従って、従来は効率や経済性の面で適用が困難であった供給過剰時の再生可能エネルギーの貯蔵、再生可能エネルギーを用いた僻地での肥料用アンモニア供給システム、車載用NOx還元用アンモニア合成装置などにおいて、電場触媒反応を用いたアンモニア合成を行うに当たり、好適な触媒として使用することができる。

Claims (6)

  1. 少なくとも触媒活性成分と複合酸化物とを含み、当該複合酸化物としてパイロクロア構造および/またはアパタイト構造を有する複合酸化物を用いることを特徴とするアンモニア合成用触媒。
  2. 一対の電極間に触媒を設け、水素原子と窒素原子を含むガスの存在下に当該電極間に放電を生じない電圧を印加してアンモニアを合成するために用いる請求項1に記載のアンモニア合成用触媒。
  3. 前記パイロクロア構造および/またはアパタイト構造を有する複合酸化物が、ランタノイドを含む複合酸化物であることを特徴とする請求項1または2に記載のアンモニア合成用触媒。
  4. 前記アンモニア合成用触媒において、さらに助触媒としてアルカリ金属、アルカリ土類金属、ランタノイドから選ばれる少なくとも1つの元素を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアンモニア合成用触媒。
  5. 前記触媒活性成分が、ルテニウム、鉄、コバルト、ニッケル、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウムから選ばれる少なくとも1つの元素を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアンモニア合成用触媒。
  6. 一対の電極間に触媒を設け、水素原子と窒素原子を含むガスの存在下に当該電極間に放電を生じない電圧を印加してアンモニアを合成する方法であって、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアンモニア合成用触媒を用いることを特徴とするアンモニアの合成方法。
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