JP2022094211A - Co2メタネーション触媒及びその製造方法とメタンの製造方法 - Google Patents

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憲治 中尾
Kenji Nakao
公仁 鈴木
Kimihito Suzuki
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【課題】本発明は、高いガス処理速度で反応させても、比較的低温で、従来よりも高いメタン収率が得られるCO2メタネーション触媒及びその製造方法とメタンの製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明に係るCO2メタネーション触媒は、CO2と水素を反応させてメタン化するメタネーション反応用触媒であって、アルミナを担体として、ニッケルを活性金属とし、且つ、塩基性酸化物を助触媒として担持し、前記塩基性酸化物が、酸化ランタン、酸化イットリウム、及び、酸化プラセオジムの群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、塩基性酸化物及びニッケルをアルミナに担持させ、COと水素を含む混合ガスに接触させてメタンを製造する方法と、COメタネーション用触媒及びその製造方法に関するものである。
近年、地球温暖化が深刻な問題となっている。二酸化炭素は、地球温暖化をもたらす主要原因物質の一つであると指摘されており、二酸化炭素の排出量削減及び有価化、固定化技術の開発が急務となっている。一方、安全でクリーンなエネルギーとして太陽光、風力、水力などの再生可能エネルギーを用いた電力が注目され、将来的にもその導入量の増大が見込まれている。
しかし、これら再生可能エネルギーは天候の影響を大きく受け、稼働率が低い上に短時間での出力変動が大きく、安定供給に課題がある。また、これらが大量に導入されると、消費しきれずに残る余剰電力の問題も生じてくる。そこで、このような再生可能エネルギー導入が増えても、電力の安定供給、必要な時に必要なだけ電力供給できるよう、電力を貯蔵する技術(エネルギーキャリア)の開発が望まれている。
電力の貯蔵には、電気で貯める方法のほか、化学エネルギーに変換して貯める方法が検討されている。特に、化学エネルギーで貯める方法は、数日から週単位、あるいはそれ以上のスパンでの貯蔵が可能であり、また、必要に応じて輸送して別の場所で使用できるというメリットもある。
最近では、再生可能エネルギーによる電力によって水素を製造し、その水素を別の物質に変換して貯蔵(水素キャリア)する方法が注目されているが、水素より体積エネルギー密度に優れるメタンやメタノールなどが有力な候補である。特に、メタンなどは直接燃料として使用可能な機器も充実しており、インフラも整っている。
再生可能エネルギーによる電力を用いて水を電気分解するなどして得られた水素と二酸化炭素からメタンを合成する反応は、式(1)のような反応式で表される。
CO+4H→CH+2HO…式(1)
サバティエ反応と呼ばれるこの反応は、地球温暖化の原因の1つとされる二酸化炭素を還元する反応であり、400~500℃程度と比較的低い温度で反応が進行することから、これまでに多くの研究がなされている。
この反応は平衡上、低温ほどCO転化率、及び、メタン選択率、即ちメタン収率を高めることができるが、反応速度が遅くなるため、実用がより難しい。そのため、低い温度で作動させようとすると貴金属系の触媒が必要になるが、貴金属系の触媒は高価である。これに対し、温度を400℃程度にまで高めるならば、反応速度が向上し、Ni系の触媒を用いることができるようになる。しかし、高温ではメタン選択率が低下し、COの副生量が増加してしまい、その結果、生成ガスの分離等にエネルギーを費やしてしまうことになる。そこで、より低温側で活性が高く、メタン収率の高い非貴金属系触媒の開発が望まれている。
これまでに低温で活性の高い非金属系触媒として、例えば、COの活性化に有効と考えられる塩基性酸化物を担体とするNi系触媒が知られている。
特許文献1では、正方晶あるいは立方晶の結晶構造を持つ安定化ZrOを担体に、Mn、Co、Feのいずれかを固溶させ、Niを担持した触媒が開示されている。触媒構成元素の比率から計算されるNi担持量は30~50質量%であり、高いガス処理速度(空間速度3000L/(g-cat.・h))で反応させても、メタン収率を維持できるよう、Niが非常に多く担持されている。
特許文献2では、Al、MgO、TiO、SiOのうちの少なくとも一種以上の酸化物を担体に、Ni、Co、Fe、Cuのうちの少なくとも一種以上の金属を担体に担持させ、CeO、ZrO、TiO、SiOのうちの少なくとも一種の第1の酸化物を、担体及び金属と接触させた触媒を開示している。また、第1の酸化物であるCeOやZrOに、La、Sm、Y、Gdなどの希土類からなる第2の酸化物が固溶していることで、空間速度6000h-1で反応させた際、高活性になるとされている。
ここで、Niの担持量(9.4%など)や、第1の酸化物に固溶させる第2の酸化物の比率(第2の酸化物/第1の酸化物=10~60モル%)は記載されているが、第1の酸化物の担持量は記載されていない。
非特許文献1では、担体に塩基性酸化物であるCeO、ZrO、Y、Al、TiO、MgOを用いたNi系触媒が検討されている。非特許文献1では、これらの触媒を用い、空間速度14L/(g-cat.・h)で反応させた場合、特に塩基性の強いCeO、ZrO、Yを用いた触媒が、高活性であることが示されている。
非特許文献2では、Y、ZrO、Sm、CeO、Al、Laを担体として用いたNi系触媒を、空間速度20L/(g-cat.・h)の反応条件で検討した中で、適度な塩基性とNi表面積を大きくできたNi/Y触媒が高活性であると報告している。
また、非特許文献3では、Ni/Mg2-XAlO層状水酸化物を還元して得られる、Mg/Al混合酸化物担持Niナノ触媒が報告されている。非特許文献3では、これらの触媒を用い、空間速度2400h-1(4.8L/(g-cat.・h))での反応条件で検討した結果、Mgの塩基性が、COメタネーション触媒の高活性化に影響していると考察している。
国際公開第2018/025555号 特開2017-170430号公報
以上のように、二酸化炭素と水素を反応させるCOメタネーションにおいて、高いガス処理速度(空間速度)で反応させる場合、メタン収率が低くなるため、ニッケルなどの活性金属の担持量を多くしたり、ガス処理量を抑えて、空間速度を低くして反応を進行させる必要があった。
本発明は、二酸化炭素と水素とを反応させるCOメタネーション反応において、高いガス処理速度で反応させても、比較的低温で、従来よりも高いメタン収率が得られる、COメタネーション触媒及びその製造方法とメタンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の様な課題を解決するために研究を進めた結果、ニッケルと塩基性酸化物とをアルミナ担体上に分散させた触媒とすることで、COのメタネーション反応において、高いガス処理速度条件下でも、比較的低温で高いメタン収率が得られることを見出した。
本発明者らは、このようにして、発明をなすに至った。
本発明の要旨は、下記の通りである。
(1)本形態のCOメタネーション触媒は、COと水素を反応させてメタン化するメタネーション反応用触媒であって、アルミナを担体として、ニッケルを活性金属とし、且つ、塩基性酸化物を助触媒として担持し、前記塩基性酸化物が、酸化ランタン、酸化イットリウム、及び、酸化プラセオジムの群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする。
(2)本形態に係るCOメタネーション触媒において、前記活性金属であるニッケルの担持率が触媒全体量に対して、10質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
(3)本形態に係るCOメタネーション触媒において、前記塩基性酸化物である酸化ランタンまたは酸化イットリウムの担持率が触媒全体量に対して、4質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
(4)本形態に係るCOメタネーション触媒において、前記塩基性酸化物である酸化プラセオジムの担持率が触媒全体量に対して、10質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
(5)本形態のCOメタネーション触媒の製造方法は、塩基性酸化物の塩を水溶液にして、アルミナに含浸し触媒担体とする触媒担体製造工程と、前記触媒担体を乾燥、焼成する工程と、前記乾燥、焼成した触媒担体に、ニッケルの塩を水溶液にして、含浸し触媒混合物とする触媒混合物製造工程と、前記触媒混合物を乾燥、焼成する工程と、を含み、前記塩基性酸化物が酸化ランタン、酸化イットリウム、及び、酸化プラセオジムの群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする。
(6)本形態のCOメタネーション触媒の製造方法は、塩基性酸化物の塩及びニッケルの塩を混合、水溶液にして、アルミナに含浸し触媒混合物とする触媒混合物製造工程と、前記触媒混合物を乾燥、焼成する工程と、を含み、前記塩基性酸化物が酸化ランタン、酸化イットリウム、及び、酸化プラセオジムの群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする。
(7)本形態のメタンの製造方法は、(1)~(4)のいずれか1項に記載のCOメタネーション触媒を、200℃以上において、COと水素とを含む混合ガスに接触させてメタンを生成することを特徴とする。
本発明によれば、二酸化炭素と水素とを反応させるCOメタネーション反応において、高いガス処理速度で反応させても、比較的低温で、従来よりも高いメタン収率が得られる。
実施例及び比較例でのCOメタネーション反応触媒の性能を比較したグラフ図である。
<COメタネーション触媒>
以下、具体例を示しつつ、本発明に係るCOメタネーション触媒について更に詳細に説明する。
本発明の第1の実施形態に係るCOメタネーション触媒は、アルミナを担体として、アルミナに担持されたニッケルと、ニッケル及びアルミナとそれぞれ接して界面を有する塩基性酸化物とを含んでなるものである。
ニッケルは、二酸化炭素と水素とからメタンを生成するメタネーション反応において、水素分子の解離吸着を進行させる主活性成分、及び、触媒表面水素原子と担体上に吸着したCO由来の表面吸着COとから、CHを生成するための主活性成分として機能する。
塩基性酸化物は、触媒とCOとの親和性を向上させ、COの反応性を高めると共に、活性金属であるニッケルに電子を供与することで、ニッケル表面での反応性を向上させることができる。塩基性酸化物としては、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化プラセオジムが挙げられる。
アルミナは、反応場としての担体の役割を果たし、ニッケルや塩基性酸化物を微粒子として高分散させることができる。ニッケルは、触媒製造時に酸化ニッケルの状態で存在し、二酸化炭素と水素からメタンを製造する反応前に、触媒の前処理として水素還元処理によって、酸化ニッケルを金属ニッケル微粒子に還元することができる。
この還元処理において、塩基性酸化物が酸化ニッケルとアルミナのそれぞれの界面に存在することによって、酸化ニッケルを金属ニッケルに還元させやすい。ニッケルや塩基性酸化物はアルミナ上に微粒子として存在するが、ニッケルあるいは塩基性酸化物を構成する元素の一部がアルミナに固溶してもよい。
本実施形態に係るメタンの製造方法で用いるCOメタネーション触媒は、Ni/MO/Alで表すことができる。主活性成分であるニッケル含有量が金属換算で、触媒全体の質量に対し10質量%以上30質量%以下が好ましく、15質量%以上25質量%以下がより好ましい。
ニッケル含有量が10質量%未満では、COの水素化(メタネーション)反応性能が十分発揮されない。ニッケル含有量が30質量%を超えると、ニッケルが粗大化しやすくなると共に、製造コストも高価になる。
塩基性酸化物のうち、酸化ランタンや酸化イットリウムの含有量は、触媒全体の重量に対し4質量%以上30質量%以下である。
酸化ランタンや酸化イットリウムの含有量が4質量%未満では、COの水素化(メタネーション)反応性能が十分発揮されない。また、酸化ランタンや酸化イットリウムの含有量が30質量%を超えると、COの水素化(メタネーション)反応性能に与える効果が発揮しにくくなること、高価であることから、使用量を抑えることが必要である。
また、塩基性酸化物のうち、酸化プラセオジムの含有量は、触媒全体の重量に対し10質量%以上30質量%以下である。
酸化プラセオジムの場合も、含有量が10質量%未満では、COの水素化(メタネーション)反応性能が十分発揮されない。また、含有量が30質量%を超えると、COの水素化(メタネーション)反応性能に与える効果が発揮しにくくなること、高価であることから、使用量を抑えることが必要である。
上記塩基性酸化物は、1種類のみ含有でもよいが、2種類あるいは3種類が混合されていてもよい。
酸化ランタンと酸化イットリウムの混合の場合は、2種類の含有量が触媒全体の重量に対し4質量%以上30質量%以下が好ましい。また、酸化ランタンまたは酸化イットリウムと、酸化プラセオジムの混合の場合は、2種類の含有量が触媒全体の重量に対し10質量%以上30質量%以下が好ましい。さらに、3種類が混合の場合は、3種類の含有量が触媒全体の重量に対し10質量%以上30質量%以下が好ましい。
アルミナは、比表面積が比較的大きいγ-アルミナを用いることが好ましいが、水酸化アルミニウムを焼成して得られるγ-アルミナを製造して使用してもよい。アルミナの含有量は、触媒全体の質量に対し、ニッケル及び塩基性酸化物の質量に応じてバランスされるものである。
また、上記方法で製造された触媒は、粉末であってもよいし、成形体であっても良い。粉末であれば粒径や表面積を、また、成形体であれば表面積と強度との兼ね合いで細孔容積、細孔径、形状等を適宜調整することが好ましい。
成形体は、球状、シリンダー状、リング状、ホイール状、粒状等いずれでもよく、さらに、金属またはセラミックスのハニカム状基材へ触媒成分をコーティングしたもの等いずれでもよい。また、各金属種の含有量を上記範囲になるように調製するためには、各出発原料を予め計算の上、必要量準備しておくことが好ましい。尚、一度触媒が狙いの成分組成となれば、それ以降はその時の配合で調製すればよい。
また、上記の元素以外に触媒製造工程等で混入する不可避的不純物や触媒性能が変わらない他成分を含んでも構わないが、できるだけ不純物が混入しないようにするのが望ましい。
なお、上記触媒を構成する各金属種の含有量の測定方法は、任意の方法が利用可能であるが、本実施形態を実施するうえで必要となる精度で成分分析を行うにあたっては、蛍光X線分析を用いることが簡便である。ただし、周期表の第二周期までの軽元素(水素、ヘリウム、窒素、酸素を除く。)が含まれる場合には、蛍光X線分析では正確な成分分析が困難となる。従って、より正確な濃度を知りたい場合には、高周波誘導結合プラズマ法(ICP:Inductively Coupled Plasma)を用いてもよい。具体的には、試料を粉砕後、アルカリ融解剤(例えば、炭酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、等)を加えて白金坩堝内で加熱融解し、冷却後に塩酸溶液に加温下で全量溶解させる。
その溶液をICP分析装置へインジェクションすると、装置内の高温プラズマ状態の中で試料溶液が原子化・熱励起し、これが基底状態に戻る際に元素固有の波長の発光スペクトルを生じるため、その発光波長及び強度から含有元素種、量を定性・定量することができる。
また、調製した触媒でニッケルや塩基性酸化物の結晶構造を確認するために、触媒の広角X線回折法(XRD:X-ray Diffraction)による結晶構造解析が行える。具体的には、粉末状態の試料をホルダーにセットし、Rigaku製SmartLabを用い、40kV、30mAの出力でCuKα線を発生させ、受光スリットを0.15mmとして、サンプリング幅0.02deg、スキャン速度を2deg/minの条件で測定し、ピーク位置、強度により結晶構造を評価できる。
<COメタネーション触媒の製造方法>
次に、本発明の第2の実施形態に係るCOメタネーション触媒の製造方法について説明する。
本実施形態のCOメタネーション触媒は、アルミナを担体として、アルミナに担持されたニッケルと、ニッケル及びアルミナとそれぞれ接して界面を有する塩基性酸化物とを含んでなるものである。
本実施形態に係るCOメタネーション触媒の製造方法は、塩基性酸化物の塩を水溶液にして、アルミナに含浸する触媒担体製造工程と、前記触媒担体を乾燥、焼成する工程と、前記乾燥、焼成した触媒担体に、ニッケルの塩を水溶液にして、含浸する触媒混合物製造工程と、前記触媒混合物を乾燥、焼成する触媒化工程を有する。
これらの工程を実施することによって、上記能力を有するCOメタネーション触媒を製造できる。
一方、塩基性酸化物の塩とニッケルの塩を同時に水溶液にして、アルミナに含浸する触媒混合物製造工程と、前記触媒混合物を乾燥、焼成する触媒化工程とによって、上記能力を有するCOメタネーション触媒を製造することもできる。
上述の製造方法で製造された触媒は、アルミナ上に塩基性酸化物及びニッケルを高分散させることができ、また、助触媒の塩基性酸化物がニッケル及びアルミナの界面に接するように存在し、その機能を効率的に発揮できる。従って、COのメタネーション反応の活性が高く、且つ長期間にわたり、安定した活性を維持することができる。
以下に、具体的な製造方法1について説明する。
塩基性酸化物の前駆体に、ランタン、イットリウム、プラセオジムのいずれかの化合物を水溶液にして、アルミナ担体に含浸する。
含浸する方法は、Incipient wetness法でも蒸発乾固法でもよい。塩基性元素を含浸したアルミナ担体を、乾燥、焼成することで塩基性酸化物が担持されたアルミナ担体を得る。ニッケル化合物の水溶液を、塩基性酸化物が担持されたアルミナ担体に含浸する。ここで含浸する方法は、Incipient wetness法でも蒸発乾固法でもよい。
ニッケルを含浸した塩基性酸化物担持アルミナを、乾燥、焼成することで触媒酸化物を得ることができる。
次に、具体的な製造方法2について説明する。
塩基性酸化物の前駆体に、ランタン、イットリウム、プラセオジムのいずれかの化合物と、ニッケル化合物を水溶液にして、アルミナ担体に含浸する。
含浸する方法は、Incipient wetness法でも蒸発乾固法でもよい。塩基性元素及びニッケルを含浸したアルミナを、乾燥、焼成することで触媒酸化物を得る。
ここで、製造方法1、2における混合物の乾燥は、特に温度や乾燥方法を問わず、一般的な乾燥方法であればよい。乾燥後の混合物は必要に応じて粗粉砕を行った後、焼成してもよい。なお、流動層等の乾燥により乾燥後の混合物が粉状を保っている場合は、粗粉砕は不要である。
また、上記混合物の焼成は、空気中で行うことができ、温度は500~700℃(500℃以上700℃以下)の範囲が好ましい。焼成温度が高いと混合物の焼結が進行し、強度は上昇するが、一方で比表面積が小さくなるために触媒活性は低下するため、そのバランスを考慮して決定するのが望ましい。また、ニッケルや塩基性酸化物の前駆体化合物の分解温度を考慮して、550~650℃(550℃以上650℃以下)で焼成することがより好ましい。
焼成後の焼成物は、そのまま触媒として使用することもできるが、プレス成形等で成形して成形物して使用してもよい。
より具体的には、塩基性酸化物の前駆体に、ランタン、イットリウム、プラセオジムのいずれかの化合物の水溶液を作成する際、水に対して溶解度の高い各金属化合物を用いることが適当である。例えば、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、塩化物等の無機塩のみならず、酢酸塩等の有機塩も好適に用いられる。特に好ましくは、焼成後に触媒被毒になり得る不純物が残り難いと考えられる硝酸塩又は炭酸塩又は酢酸塩、あるいは製造過程で廃液処理を行いやすい硫酸塩である。
また、ニッケル化合物の水溶液を作成する際も、水に対して溶解度の高い各金属化合物を用いることが適当である。例えば、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、塩化物等の無機塩のみならず、酢酸塩等の有機塩も好適に用いられる。特に好ましくは、焼成後に触媒被毒になり得る不純物が残り難いと考えられる硝酸塩又は炭酸塩又は酢酸塩、あるいは製造過程で廃液処理を行いやすい硫酸塩である。
上記の方法で製造されたCOメタネーション触媒を用いることにより、二酸化炭素と水素を反応させるCOメタネーション反応において、高いガス処理速度で反応させても、比較的低温で、高いメタン収率を得られることができる。
<メタンの製造方法>
次に、本発明の第3の実施形態に関わる、本発明の触媒を用いたメタンの製造方法について説明する。このメタンの製造方法では、上述した触媒の存在下、二酸化炭素と水素を接触させて、メタンを製造する。
上述した二酸化炭素として、製鉄所内の高炉ガス、熱風炉排ガス、加熱炉排ガス、火力発電所の排ガス等から、化学吸収法、物理吸着法、分離膜法等で分離回収した二酸化炭素を利用することができる。
また、上述した水素は、陽光、風力、水力などの再生可能エネルギー由来の電力を用いた水電解、人工光合成技術を用いた水の酸化、石油系資源の水蒸気改質、石炭やペトロコークスのガス化などから得られる水素を利用することができる。CO排出量削減の観点からは、再生可能エネルギー由来の電力を用いた水電解、人工光合成技術を用いた水の酸化による水素を用いることが好ましい。
二酸化炭素と水素との使用割合は、特に限定されないが、二酸化炭素1モルに対し、水素を通常2~8モル(2モル以上8モル以下)程度、好ましくは3~6モル(3モル以上6モル以下)程度、特に好ましくは化学量論比である4モル程度とするのがよい。
ここで、COメタネーション触媒は還元することが好ましいが、反応中に還元が進行するため、還元しなくても良い。しかしながら、特に反応前に還元処理を必要とする場合、還元条件として、本実施形態の触媒から活性金属であるニッケル粒子が微細金属状に析出するために、比較的高温で且つ還元性雰囲気にするのであれば、特に還元条件が制限されるものではない。例えば、水素を含むガス雰囲気下、または水素に窒素等の不活性ガスを混合した雰囲気下であっても良い。また、還元温度は、例えば500℃~650℃(500℃以上650℃以下)が好適であり、還元時間は充填する触媒量にも依存し、例えば、30分~2時間(30分以上2時間以下)が好適であるが、充填した触媒全体が還元するのに必要な時間であればよく、特にこの条件に制限されるものではない。
触媒反応器としては、触媒が粉末の場合には流動床形式や移動床形式等が、触媒が成形体であれば固定床形式や移動床形式等が好適に用いられる。また、その触媒層の入口ガス温度としては、200~350℃(200℃以上350℃以下)であることが好ましい。触媒層の入口ガス温度が200℃未満の場合は、二酸化炭素と水素とがメタネーション反応する際の触媒活性がほとんど発揮されないため、好ましくない。
一方、触媒層の入口温度が350℃を超える場合は、触媒層での発熱量も必然的に大きくなり、触媒での局所的な温度が非常に高くなり、活性金属の凝集(シンタリング)が進行し、活性劣化を引き起こす。また、触媒反応場が高温になると、CO転化率とメタン選択率が低下、COが副生し、メタンの収率が低下してしまう上、その後のガス分離等にエネルギーを要することになる。
さらに、触媒層の入口ガス温度は、250~300℃(250℃以上300℃以下)であることがより好ましい。上記の触媒層入口ガス温度とすることで、触媒での反応温度を200~500℃(200℃以上500℃以下)程度、好ましくは220~400℃(220℃以上400℃以下)程度、さらに好ましくは230~350℃(230℃以上350℃以下)程度となるように、触媒反応器への加熱または抜熱を制御する。反応圧力は0.1~1MPaA(0.1MPaA以上1MPaA以下)程度、好ましくは0.1~0.6MPaA(0.1MPaA以上0.6MPaA以下)程度、さらに好ましくは0.1~0.5MPaA(0.1MPaA以上0.5MPaA以下)程度とするのがよい。
なお、これらの反応条件においては、平衡的に、反応圧力を高くする程、メタンの収率が高くなる。ただし、工業的に実施することを考慮して、従来の方法と比較した場合の本発明の利点として、反応温度及び反応圧力が比較的低い条件下でも、例えば反応温度250~350℃(250℃以上350℃以下)程度、反応圧力0.1MPaA程度でも、実用的に十分に高い収率でメタンを製造できる点を挙げることができる。
また、固定床流通方式でメタンを製造する場合の原料ガスの流通速度は、特に限定されないが、反応装置への触媒の充填重量(g-cat.)を考慮した空間速度(SV)で10~1000L/(g-cat.・h)程度「10L/(g-cat.・h以上1000L/(g-cat.・h)以下程度」、より好ましくは150~900L/(g-cat.・h)程度「150L/(g-cat.・h以上900L/(g-cat.・h)以下程度」とするのがよい。
具体的な触媒性能として、各条件での基準は、例えば以下のように考える。
0.1MPaA、SV=850L/(g-cat.・h)、300℃のとき:CO転化率>63%、且つ、メタン収率>60%、且つ、メタン生成速度>4.0mol/(g-cat.・h)である。また、0.5MPaA、SV=850L/(g-cat.・h)、300℃のとき:CO転化率>75%、且つ、メタン収率>75%、且つ、メタン生成速度>5.5mol/(g-cat.・h)である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(比較例1)
アルミナ(触媒学会配布、参照触媒JRC-ALO-7、2~3mm球形)を粉砕して、100μm以下の粒度とした。硝酸ニッケル・6水和物(関東化学、純度>98.0%)を所定の触媒担持量になるように精秤して、純水3mlに溶解し、水溶液を得た。
前述のように得られた水溶液をアルミナるつぼ上で、アルミナ粉末に滴下し、Incipient Wetness法によって、ニッケル成分を含浸した。得られたニッケル担持アルミナ触媒粉末をアルミナるつぼごと電気マッフル炉に入れ、空気雰囲気下で乾燥・焼成した。室温から30分かけて110℃まで昇温して12時間乾燥させ、100分かけて600℃まで昇温し、600℃にて5時間焼成処理を行った。
その後、室温まで冷却し、Ni/Al触媒(Ni担持率:10、20、30、50質量%)を約2g得た。得られた触媒を加圧成形器を用いて直径20mmの錠剤状にプレス成型後粉砕し、250~500μm(250μm以上500μm以下)の篩にかけて、粒度調整した触媒を得た。また、得られた触媒成分を蛍光X線分析で確認した結果、所望の成分であることを確認した。
この触媒を約30mg用い、触媒を希釈するために同じ粒度のSiOを約120mgと混合して、SUS(ステンレス鋼)製反応管の中央に位置するよう石英ウールで固定し、触媒層入口近傍に熱電対を挿入し、これら固定床反応管を所定の位置にセットした。
メタネーション反応を始める前に、まず反応器を窒素雰囲気下で500℃まで昇温した。その後、マスフローコントローラを用いて、20%H、Nバランス、計100mL/minとなるように、反応管に導入して、触媒還元処理を30分間行った。
その後、反応ガスに切り替えた。H/CO/N=76/19/5の比率で、計470mL/min導入して、空間速度(SV)=880L/(g-cat。・h)、常圧下、300℃にて反応評価した。
出口から排出された生成ガスを氷温トラップを経由させて、生成した水分を除去した後、TCD付ガスクロマトグラフ(島津製作所、GC-2014)に注入して分析を行った。COメタネーション反応の活性は、CO転化率、メタン収率、メタン生成速度で判断し、CO転化率、メタン収率、メタン生成速度は、各反応温度での平均値を用いた。それらは出口ガス中の各成分濃度より、以下の式(2)~式(4)で算出した。
CO転化率(%)=(1-出口CO体積量/供給CO体積量)×100
…式(2)
メタン収率(%)=CO転化率/100×(出口メタン体積量/(出口メタン体積量+出口CO体積量)…式(3)
メタン生成速度(mol/(g-cat.・h))=出口メタン体積量/22.4/触媒重量 …式(4)
Ni担持率:10、20、30、50質量%の各試料について得られた結果を以下の表1に示す。
Figure 2022094211000002
表1の結果より、単にアルミナ担体にNiを担持した触媒において、Ni担持率が10~30質量%では、反応活性が非常に低く、50質量%まで担持すれば、CO転化率は向上するものの、メタン収率は60%に足らないことが判明した。
(比較例2)
比較例1において、使用する触媒を変更した。
アルミナ(触媒学会配布、参照触媒JRC-ALO-7、2~3mm球形)を粉砕して、100μm以下の粒度とした。硝酸イットリウム・6水和物(関東化学、純度>99.9%)をイットリウム酸化物として2質量%となるように精秤して、純水3mlに溶解し、水溶液を得た。この水溶液をアルミナるつぼ上で、アルミナ粉末に滴下し、Incipient Wetness法によって、イットリウム成分を含浸した。得られたイットリウム担持アルミナ触媒担体粉末をアルミナるつぼごと電気マッフル炉に入れ、空気雰囲気下で乾燥・焼成した。室温から30分かけて110℃まで昇温して12時間乾燥させ、100分かけて600℃まで昇温し、600℃にて5時間焼成処理を行った。その後、室温まで冷却し、3質量%Y/Al触媒担体を得た。
次に、硝酸ニッケル・6水和物(関東化学、純度>98.0%)をニッケルとして20質量%になるように精秤して、純水3mlに溶解し、水溶液を得た。この水溶液をアルミナるつぼ上で、上記触媒担体に滴下し、Incipient Wetness法によって、ニッケル成分を含浸した。得られたニッケル担持Y/Al触媒粉末をアルミナるつぼごと電気マッフル炉に入れ、空気雰囲気下で乾燥・焼成した。室温から30分かけて110℃まで昇温して12時間乾燥させ、100分かけて600℃まで昇温し、600℃にて5時間焼成処理を行った。
その後、室温まで冷却し、20質量%Ni/3質量%Y/Al触媒を得た。得られた触媒を加圧成形器を用いて直径20mmの錠剤状にプレス成型後粉砕して、250~500μmの篩にかけて、粒度調整した触媒を得た。また、得られた触媒成分を蛍光X線分析で確認した結果、所望の成分であることを確認した。
この触媒を約30mg用い、触媒を希釈するために同じ粒度のSiOを約120mgと混合して、SUS製反応管の中央に位置するよう石英ウールで固定し、触媒層入口近傍に熱電対を挿入し、これら固定床反応管を所定の位置にセットした。
得られた触媒について比較例1と同じ条件で触媒還元処理し、反応評価した。
Ni担持率、Y担持率、圧力、温度、CO転化率、メタン収率、メタン生成速度について後記する表2に示す。
表2No.1(比較例2)の結果から、酸化イットリウム(Y)が2質量%では触媒性能が不十分であることがわかった。
(実施例1)
比較例2において、使用する触媒を変更した。
具体的には、イットリウム酸化物として4~30質量%となるように硝酸イットリウム・6水和物(関東化学、純度>99.9%)を精秤して、純水3mlに溶解し、水溶液を得た。得られた水溶液をアルミナるつぼ上で、アルミナ粉末に滴下し、Incipient Wetness法によって、イットリウム成分を含浸した。得られたイットリウム担持アルミナ触媒担体粉末をアルミナるつぼごと電気マッフル炉に入れ、空気雰囲気下で乾燥・焼成した。室温から30分かけて110℃まで昇温して12時間乾燥させ、100分かけて600℃まで昇温し、600℃にて5時間焼成処理を行った。その後、室温まで冷却し、Y/Al触媒担体(4、5、10、20、30質量%)を得た。
次に、硝酸ニッケル・6水和物(関東化学、純度>98.0%)をニッケルとして20質量%になるように精秤して、純水3mlに溶解し、水溶液を得た。得られた水溶液をアルミナるつぼ上で、上記触媒担体に滴下し、Incipient Wetness法によって、ニッケル成分を含浸した。
得られたニッケル担持Y/Al触媒粉末をアルミナるつぼごと電気マッフル炉に入れ、空気雰囲気下で乾燥・焼成した。室温から30分かけて110℃まで昇温して12時間乾燥させ、100分かけて600℃まで昇温し、600℃にて5時間焼成処理を行った。その後、室温まで冷却し、20質量%Ni/(4~30)質量%Y/Al触媒を得た。
得られた触媒を加圧成形器を用いて直径20mmの錠剤状にプレス成型後粉砕して、250~500μmの篩にかけて、粒度調整した触媒を得た。また、得られた触媒成分を蛍光X線分析で確認した結果、所望の成分であることを確認した。
得られた触媒について実施例1として前述の比較例1と同じ条件で触媒還元処理し、反応評価した。Ni担持率、Y担持率、圧力、温度、CO転化率、メタン収率、メタン生成速度について以下の表2に示す。
Figure 2022094211000003
表2に示すNo.2~6の結果から、酸化イットリウム(Y)担持率を4~30質量%とすることで、十分な触媒性能が得られることがわかった。メタン収率とメタン生成速度の観点から、より効果的なY担持率は10~20質量%(10質量%以上20量%以下)であることがわかった。
(実施例2)
実施例1(表2No.4)と同じ組成の触媒を使用する上で、触媒の製造方法を変更した。具体的には、ニッケル担持率として20質量%、イットリウム酸化物として10質量%となるように、硝酸ニッケル・6水和物(関東化学、純度>98.0%)及び、硝酸イットリウム・6水和物(関東化学、純度>99.9%)を精秤して、純水5mlに溶解し、水溶液を得た。得られた水溶液をアルミナるつぼ上で、アルミナ粉末に滴下し、Incipient Wetness法によって、ニッケル及びイットリウム成分を含浸した。得られたニッケル/イットリウム担持アルミナ触媒粉末をアルミナるつぼごと電気マッフル炉に入れ、空気雰囲気下で乾燥・焼成した。室温から30分かけて110℃まで昇温して12時間乾燥させ、100分かけて600℃まで昇温し、600℃にて5時間焼成処理を行った。その後、室温まで冷却し、20質量%Ni/10質量%Y/Al触媒を得た。
得られた触媒を加圧成形器を用いて直径20mmの錠剤状にプレス成型後粉砕し、250~500μmの篩にかけて、粒度調整した触媒を得た。また、得られた触媒成分を蛍光X線分析で確認した結果、所望の成分であることを確認した。
得られた実施例2の触媒について前述の比較例1と同じ条件で反応評価した。
Ni担持率、Y担持率、圧力、温度、CO転化率、メタン収率、メタン生成速度について以下の表3に示す。
Figure 2022094211000004
表3の結果から、ニッケルとイットリウム成分を同時に担持する製造方法でも、十分な触媒性能が得られることがわかった。
(実施例3)
比較例2において、使用する触媒を変更した。
具体的には、ランタン酸化物として5~30質量%となるように硝酸ランタン・6水和物(和光純薬、純度>99.0%)を精秤して、純水3mlに溶解し、水溶液を得た。得られた水溶液をアルミナるつぼ上で、アルミナ粉末に滴下し、Incipient Wetness法によって、ランタン成分を含浸した。得られたランタン担持アルミナ触媒担体粉末をアルミナるつぼごと電気マッフル炉に入れ、空気雰囲気下で乾燥・焼成した。室温から30分かけて110℃まで昇温して12時間乾燥させ、100分かけて600℃まで昇温し、600℃にて5時間焼成処理を行った。その後、室温まで冷却し、La/Al触媒担体(5、10、20、30質量%)を得た。
次に、硝酸ニッケル・6水和物(関東化学、純度>98.0%)をニッケルとして20質量%になるように精秤して、純水3mlに溶解し、水溶液を得た。得られた水溶液をアルミナるつぼ上で、上記触媒担体に滴下し、Incipient Wetness法によって、ニッケル成分を含浸した。得られたニッケル担持La/Al触媒粉末をアルミナるつぼごと電気マッフル炉に入れ、空気雰囲気下で乾燥・焼成した。室温から30分かけて110℃まで昇温して12時間乾燥させ、100分かけて600℃まで昇温し、600℃にて5時間焼成処理を行った。
その後、室温まで冷却し、20質量%Ni/(5~30)質量%La/Al触媒を得た。得られた触媒を加圧成形器を用いて直径20mmの錠剤状にプレス成型後粉砕し、250~500μmの篩にかけて、粒度調整した触媒を得た。また、得られた触媒成分を蛍光X線分析で確認した結果、所望の成分であることを確認した。
得られた実施例3の触媒について前述の比較例1と同じ条件で反応評価した。
Ni担持率、La担持率、圧力、温度、CO転化率、メタン収率、メタン生成速度について以下の表4に示す。
Figure 2022094211000005
表4の結果から、酸化ランタン(La)担持率を5~30質量%とすることで、十分な触媒性能が得られることがわかった。メタン収率とメタン生成速度の観点から、より効果的なLa担持率は10~20質量%(10質量%以上20質量%以下)であることがわかった。
(実施例4)
比較例2において、使用する触媒を変更した。
具体的には、プラセオジム酸化物として10または30質量%となるように硝酸プラセオジム・6水和物(関東化学、純度>99.0%)を精秤して、純水3mlに溶解し、水溶液を得た。得られた水溶液をアルミナるつぼ上で、アルミナ粉末に滴下し、Incipient Wetness法によって、プラセオジム成分を含浸した。得られたプラセオジム担持アルミナ触媒担体粉末をアルミナるつぼごと電気マッフル炉に入れ、空気雰囲気下で乾燥・焼成した。室温から30分かけて110℃まで昇温して12時間乾燥させ、100分かけて600℃まで昇温し、600℃にて5時間焼成処理を行った。その後、室温まで冷却し、Pr11/Al触媒担体(10、30質量%)を得た。
次に、硝酸ニッケル・6水和物(関東化学、純度>98.0%)をニッケルとして20質量%になるように精秤して、純水3mlに溶解し、水溶液を得た。得られた水溶液をアルミナるつぼ上で、上記触媒担体に滴下し、Incipient Wetness法によって、ニッケル成分を含浸した。得られたニッケル担持Pr11/Al触媒粉末をアルミナるつぼごと電気マッフル炉に入れ、空気雰囲気下で乾燥・焼成した。室温から30分かけて110℃まで昇温して12時間乾燥させ、100分かけて600℃まで昇温し、600℃にて5時間焼成処理を行った。
その後、室温まで冷却し、20質量%Ni/(10~30)質量%Pr11/Al触媒を得た。得られた触媒を加圧成形器を用いて直径20mmの錠剤状にプレス成型後粉砕して、250~500μmの篩にかけて、粒度調整した触媒を得た。また、得られた触媒成分を蛍光X線分析で確認した結果、所望の成分であることを確認した。
得られた実施例4の触媒について前述の比較例1と同じ条件で反応評価した。
Ni担持率、Pr11担持率、圧力、温度、CO転化率、メタン収率、メタン生成速度について以下の表5に示す。
Figure 2022094211000006
表5の結果から、酸化プラセオジム(Pr11)担持率を10または30質量%とすることで、十分な触媒性能が得られることがわかった。
(比較例3)
比較例2において、使用する触媒を変更した。
具体的には、セリウム酸化物として10質量%となるように硝酸セリウム・6水和物(関東化学、純度>98.5%)を精秤して、純水3mlに溶解し、水溶液を得た。得られた水溶液をアルミナるつぼ上で、アルミナ粉末に滴下し、Incipient Wetness法によって、セリウム成分を含浸した。得られたセリウム担持アルミナ触媒担体粉末をアルミナるつぼごと電気マッフル炉に入れ、空気雰囲気下で乾燥・焼成した。室温から30分かけて110℃まで昇温して12時間乾燥させ、100分かけて600℃まで昇温し、600℃にて5時間焼成処理を行った。
その後、室温まで冷却し、10質量%CeO/Al触媒担体を得た。次に、硝酸ニッケル・6水和物(関東化学、純度>98.0%)をニッケルとして20質量%になるように精秤して、純水3mlに溶解し、水溶液を得た。得られた水溶液をアルミナるつぼ上で、上記触媒担体に滴下し、Incipient Wetness法によって、ニッケル成分を含浸した。得られたニッケル担持CeO/Al触媒粉末をアルミナるつぼごと電気マッフル炉に入れ、空気雰囲気下で乾燥・焼成した。室温から30分かけて110℃まで昇温して12時間乾燥させ、100分かけて600℃まで昇温し、600℃にて5時間焼成処理を行った。
その後、室温まで冷却し、20質量%Ni/10質量%CeO/Al触媒を得た。得られた触媒を加圧成形器を用いて直径20mmの錠剤状にプレス成型後粉砕して、250~500μmの篩にかけて、粒度調整した触媒を得た。また、得られた触媒成分を蛍光X線分析で確認した結果、所望の成分であることを確認した。
得られた比較例3の触媒について前述の比較例1と同じ条件で反応評価した。
Ni担持率、CeO担持率、圧力、温度、CO転化率、メタン収率、メタン生成速度について後記する表6に示す。
後記する表6No.1の結果から、酸化セリウム(CeO)の場合は、十分な触媒性能が得られないことがわかった。
(比較例4)
比較例2において、使用する触媒を変更した。
具体的には、バリウム酸化物として10質量%となるように硝酸バリウム(和光純薬、純度>99.0%)を精秤して、純水3mlに溶解し、水溶液を得た。得られた水溶液をアルミナるつぼ上で、アルミナ粉末に滴下し、Incipient Wetness法によって、バリウム成分を含浸した。得られたバリウム担持アルミナ触媒担体粉末をアルミナるつぼごと電気マッフル炉に入れ、空気雰囲気下で乾燥・焼成した。室温から30分かけて110℃まで昇温して12時間乾燥させ、100分かけて600℃まで昇温し、600℃にて5時間焼成処理を行った。その後、室温まで冷却し、10質量%BaO/Al触媒担体を得た。
次に、硝酸ニッケル・6水和物(関東化学、純度>98.0%)をニッケルとして20質量%になるように精秤して、純水3mlに溶解し、水溶液を得た。得られた水溶液をアルミナるつぼ上で、上記触媒担体に滴下し、Incipient Wetness法によって、ニッケル成分を含浸した。得られたニッケル担持BaO/Al触媒粉末をアルミナるつぼごと電気マッフル炉に入れ、空気雰囲気下で乾燥・焼成した。室温から30分かけて110℃まで昇温して12時間乾燥させ、100分かけて600℃まで昇温し、600℃にて5時間焼成処理を行った。
その後、室温まで冷却し、20質量%Ni/10質量%BaO/Al触媒を得た。得られた触媒を加圧成形器を用いて直径20mmの錠剤状にプレス成型後粉砕して、250~500μmの篩にかけて、粒度調整した触媒を得た。また、得られた触媒成分を蛍光X線分析で確認した結果、所望の成分であることを確認した。
得られた比較例4の触媒について前述の比較例1と同じ条件で反応評価した。
Ni担持率、BaO担持率、圧力、温度、CO転化率、メタン収率、メタン生成速度について後記する表6に示す。
後記する表6No.2の結果から、酸化バリウム(BaO)の場合は、十分な触媒性能が得られないことがわかった。
(比較例5)
比較例2において、使用する触媒を変更した。
具体的には、ストロンチウム酸化物として10質量%となるように硝酸ストロンチウム(関東化学、純度>98.0%)を精秤して、純水3mlに溶解し、水溶液を得た。得られた水溶液をアルミナるつぼ上で、アルミナ粉末に滴下し、Incipient Wetness法によって、ストロンチウム成分を含浸した。得られたストロンチウム担持アルミナ触媒担体粉末をアルミナるつぼごと電気マッフル炉に入れ、空気雰囲気下で乾燥・焼成した。
室温から30分かけて110℃まで昇温して12時間乾燥させ、100分かけて600℃まで昇温し、600℃にて5時間焼成処理を行った。その後、室温まで冷却し、10質量%SrO/Al触媒担体を得た。
次に、硝酸ニッケル・6水和物(関東化学、純度>98.0%)をニッケルとして20質量%になるように精秤して、純水3mlに溶解し、水溶液を得た。得られた水溶液をアルミナるつぼ上で、上記触媒担体に滴下し、Incipient Wetness法によって、ニッケル成分を含浸した。得られたニッケル担持SrO/Al触媒粉末をアルミナるつぼごと電気マッフル炉に入れ、空気雰囲気下で乾燥・焼成した。室温から30分かけて110℃まで昇温して12時間乾燥させ、100分かけて600℃まで昇温し、600℃にて5時間焼成処理を行った。
その後、室温まで冷却し、20質量%Ni/10質量%SrO/Al触媒を得た。得られた触媒を加圧成形器を用いて直径20mmの錠剤状にプレス成型後粉砕して、250~500μmの篩にかけて、粒度調整した触媒を得た。また、得られた触媒成分を蛍光X線分析で確認した結果、所望の成分であることを確認した。
得られた比較例5の触媒について前述の比較例1と同じ条件で反応評価した。
Ni担持率、SrO担持率、圧力、温度、CO転化率、メタン収率、メタン生成速度について後記する表6に示す。
後記する表6No.3の結果から、酸化ストロンチウム(SrO)の場合は、十分な触媒性能が得られないことがわかった。
(比較例6)
比較例2において、使用する触媒を変更した。
具体的には、マグネシウム酸化物として10質量%となるように硝酸マグネシウム(和光純薬、純度>99.0%)を精秤して、純水3mlに溶解し、水溶液を得た。得られた水溶液をアルミナるつぼ上で、アルミナ粉末に滴下し、Incipient Wetness法によって、マグネシウム成分を含浸した。得られたマグネシウム担持アルミナ触媒担体粉末をアルミナるつぼごと電気マッフル炉に入れ、空気雰囲気下で乾燥・焼成した。室温から30分かけて110℃まで昇温して12時間乾燥させ、100分かけて600℃まで昇温し、600℃にて5時間焼成処理を行った。
その後、室温まで冷却し、10質量%MgO/Al触媒担体を得た。
次に、硝酸ニッケル・6水和物(関東化学、純度>98.0%)をニッケルとして20質量%になるように精秤して、純水3mlに溶解し、水溶液を得た。得られた水溶液をアルミナるつぼ上で、上記触媒担体に滴下し、Incipient Wetness法によって、ニッケル成分を含浸した。得られたニッケル担持MgO/Al触媒粉末をアルミナるつぼごと電気マッフル炉に入れ、空気雰囲気下で乾燥・焼成した。室温から30分かけて110℃まで昇温して12時間乾燥させ、100分かけて600℃まで昇温し、600℃にて5時間焼成処理を行った。その後、室温まで冷却し、20質量%Ni/10質量%MgO/Al触媒を得た。
得られた触媒を加圧成形器を用いて直径20mmの錠剤状にプレス成型後粉砕して、250~500μmの篩にかけて、粒度調整した触媒を得た。また、得られた触媒成分を蛍光X線分析で確認した結果、所望の成分であることを確認した。
得られた比較例6の触媒について前述の比較例1と同じ条件で反応評価した。
Ni担持率、MgO担持率、圧力、温度、CO転化率、メタン収率、メタン生成速度について以下の表6に示す。
以下の表6No.4の結果から、酸化マグネシウム(MgO)の場合は、十分な触媒性能が得られないことがわかった。
Figure 2022094211000007
(比較例7)
比較例2において、使用する触媒を変更した。
具体的には、以下のような手順で、酸化イットリウムのみを触媒担体としたニッケル担持Y触媒を調製した。硝酸ニッケル・6水和物(関東化学、純度>98.0%)を20質量%担持量になるように精秤して、純水3mlに溶解し、水溶液を得た。得られた水溶液をアルミナるつぼ上で、酸化イットリウム粉末(和光純薬、純度>99.99%)に滴下し、Incipient Wetness法によって、ニッケル成分を含浸した。得られたニッケル担持Y触媒粉末をアルミナるつぼごと電気マッフル炉に入れ、空気雰囲気下で乾燥・焼成した。室温から30分かけて110℃まで昇温して12時間乾燥させ、100分かけて600℃まで昇温し、600℃にて5時間焼成処理を行った。
その後、室温まで冷却し、20質量%Ni/Y触媒を得た。得られた触媒を加圧成形器を用いて直径20mmの錠剤状にプレス成型後粉砕して、250~500μmの篩にかけて、粒度調整した触媒を得た。また、得られた触媒成分を蛍光X線分析で確認した結果、所望の成分であることを確認した。
得られた比較例7の触媒について前述の比較例1と同じ条件で反応評価した。
Ni担持率、担体種、圧力、温度、CO転化率、メタン収率、メタン生成速度について後記する表7に示す。
後記する表7No.1の結果から、酸化イットリウム(Y)を担体とした場合は、メタン収率が低く、十分な性能が得られないことがわかった。
(比較例8)
比較例2において、使用する触媒を変更した。
具体的には、以下のような手順で、酸化セリウムのみを触媒担体としたニッケル担持CeO触媒を調製した。硝酸ニッケル・6水和物(関東化学、純度>98.0%)をニッケルとして10質量%または20質量%になるように精秤して、純水3mlに溶解し、水溶液を得た。得られた水溶液をアルミナるつぼ上で、酸化セリウム粉末(触媒学会配布、参照触媒CEO-2)に滴下し、含浸法によって、ニッケル成分を含浸した。得られたニッケル担持CeO触媒粉末をアルミナるつぼごと電気マッフル炉に入れ、空気雰囲気下で乾燥・焼成した。室温から30分かけて110℃まで昇温して12時間乾燥させ、100分かけて600℃まで昇温し、600℃にて5時間焼成処理を行った。
その後、室温まで冷却し、10質量%または20質量%Ni/CeO触媒を得た。得られた触媒を加圧成形器を用いて直径20mmの錠剤状にプレス成型後粉砕して、250~500μmの篩にかけて、粒度調整した触媒を得た。また、得られた触媒成分を蛍光X線分析で確認した結果、所望の成分であることを確認した。
得られた比較例8の触媒について前述の比較例1と同じ条件で反応評価した。
Ni担持率、担体種、圧力、温度、CO転化率、メタン収率、メタン生成速度について以下の表7に示す。
以下の表7No.2及びNo.3の結果から、酸化セリウムを担体とした場合は、メタン収率が低く、十分な性能が得られないことがわかった。
Figure 2022094211000008
(比較例9)
実施例1において、使用する触媒を変更した。
具体的には、イットリウム酸化物として10質量%を担持した10質量%Y/Al触媒担体に、ニッケルを7質量%となるように担持した、7質量%Ni/10質量%Y/Al触媒を得た。得られた触媒成分は蛍光X線分析で確認した結果、所望の成分であることを確認した。
この触媒を約30mg用い、触媒を希釈するために同じ粒度のSiOを約120mgと混合して、SUS製反応管の中央に位置するよう石英ウールで固定し、触媒層入口近傍に熱電対を挿入し、これら固定床反応管を所定の位置にセットした。
得られた触媒について前述の比較例1と同じ条件で反応評価した。
Ni担持率、CeO担持率、圧力、温度、CO転化率、メタン収率、メタン生成速度について後記する表8に示す。
後記する表8No.1の結果からニッケル(Ni)担持率が7質量%では触媒性能が不十分であることがわかった。
(実施例5)
比較例9において、使用する触媒を変更した。
具体的には、イットリウム酸化物として10質量%を担持した10質量%Y/Al触媒担体に、ニッケルを10、15、20、25質量%となるように担持した、10、15、20、25質量%Ni/10質量%Y/Al触媒を得た。 得られた触媒成分は蛍光X線分析で確認した結果、所望の成分であることを確認した。
得られた触媒について前述の比較例1と同じ条件で反応評価した。
Ni担持率、Y担持率、圧力、温度、CO転化率、メタン収率、メタン生成速度について以下の表8に示す。
表8No.2~5の結果から、ニッケル(Ni)担持率を10~25質量%とすることで、十分な触媒性能が得られることがわかった。メタン収率とメタン生成速度の観点から、より効果的なニッケル担持率は20~25質量%(10質量%以上25質量%以下)であることがわかった。
Figure 2022094211000009
(実施例6)
実施例1において、表2No.4で使用した、20質量%Ni/10質量%Y/Al触媒を用いて反応温度を200、230、250、300℃の各温度として、メタネーション反応させた。その結果を以下の表9に示す。
Figure 2022094211000010
表9の結果から、20質量%Ni/10質量%Y/Al触媒を用いた場合、より低温でも十分な触媒性能が得られることがわかった。
(比較例10)
実施例3において、使用する触媒を変更した。
具体的には、ランタン酸化物として20質量%を担持した20質量%La/Al触媒担体に、ニッケルを7質量%となるように担持した、7質量%Ni/20質量%La/Al触媒を得た。得られた触媒成分は蛍光X線分析で確認した結果、所望の成分であることを確認した。
この触媒を約30mg用い、触媒を希釈するために同じ粒度のSiOを約120mgと混合して、SUS製反応管の中央に位置するよう石英ウールで固定し、触媒層入口近傍に熱電対を挿入し、これら固定床反応管を所定の位置にセットした。
得られた比較例10の触媒について前述の比較例1と同じ条件で反応評価した。
Ni担持率、La担持率、圧力、温度、CO転化率、メタン収率、メタン生成速度について後記する表10に示す。
後記する表10No.1の結果からニッケルが7質量%では触媒性能が不十分であることがわかった。
(実施例7)
比較例10において、使用する触媒を変更した。
具体的には、ランタン酸化物として20質量%を担持した20質量%La/Al触媒担体に、ニッケルを10、15、20、25質量%となるように担持した、10、15、20、25質量%Ni/20質量%La/Al触媒を得た。得られた触媒成分は蛍光X線分析で確認した結果、所望の成分であることを確認した。
得られた実施例7の触媒について前述の比較例1と同じ条件で反応評価した。
Ni担持率、La担持率、圧力、温度、CO転化率、メタン収率、メタン生成速度について以下の表10に示す。
以下の表10No.2~5の結果から、ニッケル(Ni)担持率を10~25質量%(10質量%以上25質量%以下)とすることで、十分な触媒性能が得られることがわかった。メタン収率とメタン生成速度の観点から、より効果的なニッケル担持率は15~25質量%(15質量%以上25質量%以下)であることがわかった。
Figure 2022094211000011
(実施例8)
実施例6と同じ条件で、表4No.4で使用した、20質量%Ni/20質量%La/Al触媒を用いて反応温度を200、230、250、300℃の各温度として、メタネーション反応させた。
実施例8の触媒について、Ni担持率、La担持率、圧力、温度、CO転化率、メタン収率、メタン生成速度について以下の表11に示す。
表11の結果から、20質量%Ni/20質量%La/Al触媒を用いた場合、より低温でも十分な触媒性能が得られることがわかった。
Figure 2022094211000012
(比較例11)
実施例3において、使用する触媒を変更した。具体的には、プラセオジム酸化物として30質量%を担持した30質量%Pr11/Al触媒担体に、ニッケルを7質量%となるように担持した、7質量%Ni/30質量%Pr11/Al触媒を得た。得られた触媒成分は蛍光X線分析で確認した結果、所望の成分であることを確認した。
この触媒を約30mg用い、触媒を希釈するために同じ粒度のSiOを約120mgと混合して、SUS製反応管の中央に位置するよう石英ウールで固定し、触媒層入口近傍に熱電対を挿入し、これら固定床反応管を所定の位置にセットした。
得られた比較例11の触媒について前述の比較例1と同じ条件で反応評価した。
Ni担持率、Pr11担持率、圧力、温度、CO転化率、メタン収率、メタン生成速度について後記する表12に示す。
後記する表12No.1の結果からニッケルが7質量%では触媒性能が不十分であることがわかった。
(実施例9)
比較例11において、使用する触媒を変更した。
具体的には、プラセオジム酸化物として30質量%を担持した30質量%Pr11/Al触媒担体に、ニッケルを10、15、20、25質量%となるように担持した、10、15、20、25質量%Ni/30質量%Pr11/Al触媒を得た。得られた触媒成分は蛍光X線分析で確認した結果、所望の成分であることを確認した。
Ni担持率、Pr11担持率、圧力、温度、CO転化率、メタン収率、メタン生成速度について以下の表12に示す。
表12No.2~5の結果から、ニッケル担持率を10~25質量%とすることで、十分な触媒性能が得られることがわかった。メタン収率とメタン生成速度の観点から、より効果的なニッケル担持率は15~20質量%(15質量%以上20質量%以下)であることがわかった。
Figure 2022094211000013
(実施例10)
実施例6において、反応圧力を0.5MPaAとする以外は同じ条件で反応評価した。
実施例10の触媒のNi担持率、Y担持率、圧力、温度、CO転化率、メタン収率、メタン生成速度について以下の表13に示す。
表13の結果から、20質量%Ni/10質量%Y/Al触媒を用いて、0.5MPaAで反応させた場合、平衡的にも有利になり、より触媒性能が得られることがわかった。
Figure 2022094211000014
(実施例11)
実施例8において、反応圧力を0.5MPaAとする以外は同じ条件で反応評価した。
実施例11の触媒のNi担持率、La担持率、圧力、温度、CO転化率、メタン収率、メタン生成速度について以下の表14に示す。
表14の結果から、20質量%Ni/20質量%La/Al触媒を用いて、0.5MPaAで反応させた場合、平衡的にも有利になり、より触媒性能が得られることがわかった。
Figure 2022094211000015
図1は、CO転化率、メタン(CH)収率、メタン生成速度について、実施例1、3、4と比較例3~6について、対比して示すグラフ図である。
図1に対比して示すように、実施例1、3、4によれば、優れたCO転化率、メタン(CH)収率、メタン生成速度が得られる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

Claims (7)

  1. COと水素を反応させてメタン化するメタネーション反応用触媒であって、
    アルミナを担体として、ニッケルを活性金属とし、且つ、塩基性酸化物を助触媒として担持し、
    前記塩基性酸化物が、酸化ランタン、酸化イットリウム、及び、酸化プラセオジムの群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とするCOメタネーション触媒。
  2. 前記活性金属であるニッケルの担持率が触媒全体量に対して、10質量%以上30質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のCOメタネーション触媒。
  3. 前記塩基性酸化物である酸化ランタンまたは酸化イットリウムの担持率が触媒全体量に対して、4質量%以上30質量%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のCOメタネーション触媒。
  4. 前記塩基性酸化物である酸化プラセオジムの担持率が触媒全体量に対して、10質量%以上30質量%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のCOメタネーション触媒。
  5. 塩基性酸化物の塩を水溶液にして、アルミナに含浸して触媒担体とする触媒担体製造工程と、
    前記触媒担体を乾燥、焼成する工程と、
    前記乾燥、焼成した触媒担体に、ニッケルの塩を水溶液にして、含浸して触媒混合物とする触媒混合物製造工程と、
    前記触媒混合物を乾燥、焼成する工程と、を含み、
    前記塩基性酸化物が酸化ランタン、酸化イットリウム、及び、酸化プラセオジムの群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする、COメタネーション触媒の製造方法。
  6. 塩基性酸化物の塩及びニッケルの塩を混合、水溶液にして、アルミナに含浸して触媒混合物とする触媒混合物製造工程と、
    前記触媒混合物を乾燥、焼成する工程と、を含み、
    前記塩基性酸化物が酸化ランタン、酸化イットリウム、及び、酸化プラセオジムの群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする、COメタネーション触媒の製造方法。
  7. 請求項1~4のいずれか1項に記載のCOメタネーション触媒を、200℃以上において、COと水素とを含む混合ガスに接触させてメタンを生成することを特徴とする、メタンの製造方法。
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