JP2017168685A - 炭化珪素半導体装置の製造方法 - Google Patents

炭化珪素半導体装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017168685A
JP2017168685A JP2016053130A JP2016053130A JP2017168685A JP 2017168685 A JP2017168685 A JP 2017168685A JP 2016053130 A JP2016053130 A JP 2016053130A JP 2016053130 A JP2016053130 A JP 2016053130A JP 2017168685 A JP2017168685 A JP 2017168685A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon carbide
metal layer
semiconductor device
ohmic electrode
nickel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016053130A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6808952B2 (ja
Inventor
中嶋 経宏
Tsunehiro Nakajima
経宏 中嶋
民雅 呂
Mina Ryo
民雅 呂
文一 今井
Fumikazu Imai
文一 今井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP2016053130A priority Critical patent/JP6808952B2/ja
Publication of JP2017168685A publication Critical patent/JP2017168685A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6808952B2 publication Critical patent/JP6808952B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)

Abstract

【課題】オーミック電極内部における副生成物の偏析を防止し、良好なオーミック特性を有する剥離のないオーミック電極を提供する。【解決手段】第一の主面にエピタキシャル層を有するn型炭化珪素基板1の、エピタキシャル層とは対向側の第二の主面にニッケルからなる金属層3を堆積させる工程と、金属層3に熱処理を施してオーミック電極4を形成する工程と、オーミック電極4の表面を酸素またはアルゴンのプラズマに晒して清浄化する工程と、オーミック電極4上に配線金属層5を形成する工程と、を含む。金属層3を堆積させる工程がアルゴン雰囲気の圧力が0.1Pa以上0.5Pa以下かつ前記炭化珪素基板の温度120℃以上300℃以下のスパッタ法によって実施される。【選択図】図5

Description

この発明は、炭化珪素基板を用い炭化珪素基板の裏面にオーミック電極を形成する炭化珪素半導体装置の製造方法に関する。
従来、高周波、大電力の制御を目的として、シリコン基板を用いたパワーデバイス(以下シリコンパワーデバイス)の高性能化が進められてきた。しかし、シリコンパワーデバイスは高温の下で使用することができないことなどから、さらに高性能のパワーデバイスを求める声に対して新しい材料の適用が検討されている。
炭化珪素(SiC)は、シリコンの約3倍という広い禁制帯幅をもつことから高温での電気伝導度の制御性に優れ、またシリコンより約一桁大きい絶縁破壊電圧をもつことから高耐圧素子用基板材料として適用可能である。さらに炭化珪素は、シリコンの約二倍の電子飽和ドリフト速度をもつことから高周波かつ大電力の制御にも適用可能である。
炭化珪素基板を用いたパワーデバイスのオーミック電極を形成する技術において、基板の裏面にニッケルの薄膜を形成した後に高温の熱処理を行いニッケルシリサイド層を形成することで、基板とニッケル膜とのオーミック特性を得る方法が知られている。しかし、この方法により形成されたオーミック電極には、ニッケルシリサイドの形成により発生した遊離炭素を含む副生成物がオーミック電極表面に偏析することよって、オーミック電極とその上に形成する配線金属層との密着性が低下し、配線金属層が剥離しやすくなる。
配線金属層の剥離防止について、炭化珪素基板の裏面に第一の金属膜としてニッケル膜を形成した上に、チタン、タンタル、タングステンのなどの炭化物を生成可能な金属からなる第二の金属膜を形成し、熱処理を行う方法が開示されている(例えば、下記特許文献1参照。)。この方法によれば、ニッケルシリサイドの形成により遊離した炭素が第二の金属膜と反応して炭化物を生成するため、オーミック電極表面に遊離炭素を含む副生成物が偏析することを防ぐことができ、オーミック電極と配線金属層との剥離を防ぐことができるとされている。
特開2006−344688号公報
ニッケルシリサイドの形成により発生した遊離炭素を含む副生成物はオーミック電極の表面のみならずオーミック電極内部でも偏析することがあり、これがオーミック電極の膜質の脆化および剥離の原因となる。
ここで、上記特許文献1の技術では、オーミック電極表面の副生成物を金属炭化物を形成して配線電極層との密着性を向上させることはできるが、オーミック電極内部の副生成物の偏析を防止する方法の開示がなく、剥離を完全に防ぐことはできない。
本発明は上記課題に鑑み、オーミック電極内部における副生成物の偏析を防止し、良好なオーミック特性を有する剥離のないオーミック電極を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するために、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法は、第一の主面にエピタキシャル層を有する炭化珪素基板の、前記エピタキシャル層とは対向側の第二の主面にニッケルからなる金属層を堆積させる工程と、前記金属層に熱処理を施してオーミック電極を形成する工程と、前記オーミック電極の表面を酸素またはアルゴンのプラズマに晒して清浄化する工程と、前記オーミック電極上に配線金属層を形成する工程と、を含み、前記金属層を堆積させる工程におけるアルゴン雰囲気の圧力Pが0.1Pa以上0.5Pa以下かつ前記炭化珪素基板の温度が120℃以上300℃以下のスパッタ法によって実施されることを特徴とする。
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法は、第一の主面にエピタキシャル層を有する炭化珪素基板の前記エピタキシャル層とは対向側の第二の主面にニッケルと、モリブデン、タンタル、チタン、クロムの内の1種類以上からなる金属層を堆積させる工程と、前記金属層に熱処理を施してオーミック電極を形成する工程と、前記オーミック電極上に配線金属層を形成する工程とを含み、前記金属層を堆積させる工程におけるアルゴン雰囲気の圧力Pが0.1Pa以上0.5Pa以下かつ前記炭化珪素基板の温度が120℃以上300℃以下のスパッタ法によって実施されることを特徴とする。
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法は、上記の発明において、前記金属層がニッケルからなる第一金属膜と、前記第一金属膜上に形成されるモリブデン、タンタル、チタン、クロムの内の1種類以上からなる第二金属膜からなる積層膜であることを特徴とする。
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法は、上記の発明において、前記第一金属膜と、前記第二金属膜が同一チャンバー内で連続して堆積されることを特徴とする。
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法は、上記の発明において、前記金属層中のニッケルが50mol%以上75mol%以下であることを特徴とする。
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法は、上記の発明において、前記金属層の総膜厚が50nm以上160nm以下であることを特徴とする。
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法は、上記の発明において、前記金属層に熱処理を施してオーミック電極を形成する工程の熱処理温度が950℃以上1200℃以下あることを特徴とする。
また、この発明にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法は、上記の発明において、前記配線金属層がチタン、ニッケル、金とからなる積層膜であることを特徴とする。
上述した発明によれば、金属層の膜構造を、基板に対して垂直方向に長い柱状結晶の多結晶構造とすることで、熱処理中の遊離炭素の拡散性を向上させてオーミック電極内部における副生成物の偏析を防ぎ、オーミック電極の脆化および剥離を防ぐことができる。
本発明によれば、オーミック電極内部における副生成物の偏析を防止し、良好なオーミック特性を有する剥離のないオーミック電極を提供できる。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の裏面電極の製造工程を説明する断面図である。(その1) 図2は、本発明の実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の裏面電極の製造工程を説明する断面図である。(その2) 図3は、本発明の実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の裏面電極の製造工程を説明する断面図である。(その3) 図4は、本発明の実施の形態2にかかる炭化珪素半導体装置の裏面電極の製造工程の変更例を説明する断面図である。 図5は、本発明にかかる製造方法によって製造された炭化珪素半導体装置の断面図である。 図6は、本発明の実施例1にかかる炭化珪素半導体装置の裏面電極の密着性を表す図表である。 図7は、本発明の実施例1にかかる炭化珪素半導体装置の裏面電極の密着性を表す図表である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる実施の形態を詳細に説明する。本明細書および添付図面においては、nまたはpを冠記した層や領域では、それぞれ電子または正孔が多数キャリアであることを意味する。また、nやpに付す+および−は、それぞれそれが付されていない層や領域よりも高不純物濃度のおよび低不純物濃度のであることを意味する。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。なお、本明細書では、ミラー指数の表記において、“−”はその直後の指数につくバーを意味しており、指数の前に“−”を付けることで負の指数を表している。
(実施の形態1)
図1〜図3は、それぞれ本発明の実施の形態1にかかる炭化珪素半導体装置の裏面電極の製造工程を説明する断面図である。炭化珪素半導体装置の裏面電極の製造工程を順に説明する。
はじめに、図1に示すように、第一の主面に窒素がドーピングされたn型ドリフト層1(エピタキシャル層)を有し、n型ドリフト層1より高窒素濃度の窒素がドーピングされたn型炭化珪素基板2の第二の主面に、金属膜3として厚さ50nm以上160nm以下のニッケル膜を堆積させる。ニッケル膜の堆積はアルゴン雰囲気の圧力0.1Pa以上0.5Pa未満かつ基板温度120℃以上300℃以下のマグネトロンスパッタによって実施する。このような条件で堆積したニッケル膜は、膜厚方向に長い柱状結晶の多結晶構造をとり、かつ柱状結晶の粒径の長辺が膜厚相当となる。このため、遊離した炭素は炭化珪素とニッケル膜の界面から表面まで粒界に遮られることなく拡散することができるため、ニッケル膜中に残留して偏析する炭素を減らし、剥離を抑制することが可能となる。
次に、図2に示すように、金属膜3に950℃以上1200℃以下の熱処理を施し、n型炭化珪素基板2の第二の主面に低抵抗のオーミック電極4を形成する。熱処理は昇温速度の速い熱処理方法が望ましく、急速加熱処理(RTA:Rapid Thermal Anneal)装置などを用いることができる。次に、オーミック電極4の表面に析出した炭素成分や、レジスト残差などの汚染を酸素またはアルゴンプラズマにより除去し、オーミック電極4の表面を清浄化する。
次に、図3に示すように、オーミック電極4上にチタン、ニッケル、金層を堆積させることで、外部装置と接続するための配線金属層5を形成する。
(実施の形態2)
実施の形態2においても図1に示すように、第一の主面に窒素がドーピングされたn型ドリフト層1(エピタキシャル層)を有し、n型ドリフト層1より高濃度の窒素がドーピングされたn型炭化珪素基板2の第二の主面にニッケルと、モリブデン、タンタル、チタン、クロムの内の1種類以上からなる金属膜3を堆積させる。金属膜3の堆積はアルゴン雰囲気の圧力0.1Pa以上0.5Pa未満かつ基板温度120℃以上300℃未満のマグネトロンスパッタにより実施する。金属層3の堆積にはニッケルと、モリブデン、タンタル、チタン、クロムの内の1種類以上のターゲットを同時にスパッタする方法、またはニッケルと、モリブデン、タンタル、チタン、クロムの内の1種類以上の混合物または合金からなるターゲットをスパッタする方法を用いることができる。
図4は本発明の実施の形態2の変更例であり、本発明の実施の形態2にかかる炭化珪素半導体装置の裏面電極の製造工程の変更例を説明する断面図である。図4に示すように、金属膜3については、実施の形態2(図1)に代えて図4に示すように、ニッケルからなる第一金属膜3−1と、炭化物を生成可能な金属であるモリブデン、タンタル、チタン、クロムの内の1種類以上からなる第二金属膜3−2との積層膜を用いてもよい。第一金属膜3−1と第二金属膜3−2は、同一チャンバー内で連続して堆積してもよい。
次に、実施の形態1と同様に、図2に示すように、ニッケル膜に950℃以上1200℃以下の熱処理を施し、n型炭化珪素基板2の第二の主面に低抵抗のオーミック電極4を形成する。熱処理は昇温速度の速い熱処理方法が望ましく、急速加熱処理RTA装置などを用いることができる。
そして、図3に示すように、オーミック電極4上にチタン、ニッケル、金層を堆積させることで、外部装置と接続するための配線金属層5を形成する。
図5は、本発明の実施例1にかかる炭化珪素半導体装置としてショットキーバリアダイオードの構造例を示す断面図である。上述した本発明の実施の形態1にかかる製造方法によって炭化珪素ショットキーバリアダイオード(SBD)を製造し、その後、裏面電極の密着性について検証した。
炭化珪素ショットキーバリアダイオードの製造は、まず、窒素濃度1×1018cm-3のn型炭化珪素基板2の(000‐1)面に堆積させた窒素濃度1.8×1016cm-3のn型ドリフト層1に対し、チャンネルストッパー用n型領域6、終端構造用p型領域7、FLR構造用p型領域8をそれぞれイオン注入法により形成した後、領域6、7、8を活性化するために、アルゴン雰囲気中において1650℃で240秒間の活性化アニールを行った。
次に、n型炭化珪素基板2の(0001)面に上に、金属膜3としてマグネトロンスパッタで厚さ90nmのニッケル膜を堆積させた。マグネトロンスパッタのアルゴン雰囲気の圧力はそれぞれ0.01Pa、0.05Pa、0.1Pa、0.3Pa、0.5Pa、1.0Pa、3.0Paとし、基板温度は、ぞれぞれ室温(RT)、100℃、120℃、150℃、200℃、270℃、300℃、320℃、350℃とした。その後、急速加熱処理RTA装置を用いて1℃/秒の昇温速度で昇温し、1100℃に到達後2分間保持することで、ニッケル膜をシリサイド化した。その後、シリサイド層の表面に析出した炭素を含む析出物を酸素プラズマによって除去した。以上の工程によって、炭化珪素基板2の(0001)面にオーミック電極4を形成した。
さらに、n型炭化珪素基板2の(000‐1)面上にフィールド絶縁膜9を形成し、ショットキー電極を形成する部分にチタン層を蒸着した後、熱処理を施してショットキー電極10を形成した。熱処理は、8℃/秒の昇温時間で昇温した後500℃に到達後5分間保持する方法にて行った。
次に、n型炭化珪素基板2の(000‐1)面上にボンディング用電極パット11としてアルミニウム−シリコン層を5μmの厚さで形成した後、アルミニウム−シリコン層の上にパッシ−ベーション膜12としてポリイミド膜を形成した。
次に、オーミック電極4上にチタン70nm、ニッケル700nm、金200nmの順に堆積させることで配線金属層5を形成した。
以上の製造方法を用いて製造した炭化珪素ショットキーバリアダイオードの裏面電極に対し、剥離耐久性試験を行った。上述したマグネトロンスパッタのアルゴン雰囲気圧力および、基板温度の各条件ごとに10個の炭化珪素ショットキーバリアダイオードを用意し、ダイオードの配線金属層5の表面を覆うようにスコッチテープを密着させた後、剥がし取るという試験を各装置10回ずつ行った。
図6は、本発明の実施例1にかかる炭化珪素半導体装置の裏面電極の密着性を表す図表である。縦軸は剥離数(個数)である。各条件における裏面電極が剥離したダイオードの数を示す。図6に示される通り、ニッケル膜形成時のアルゴン雰囲気の圧力が0.1Pa以上0.5Pa以下、かつ基板温度120℃以上300℃以下の条件で製造した炭化珪素ショットキーバリアダイオードにおいては配線金属層5の剥離が発生しないことを確認した。
本実施例1では、ニッケル膜(金属膜3)の膜厚を90nmとしたが、ニッケル膜の膜厚は50nm以上160nm以下であればよい。この範囲であれば、遊離炭素またはモリブデン、タンタル、チタン、クロム成分の過剰な残留を防ぐとともに、配線金属層の金属が基板に拡散するのを防止でき、良好なオーミック特性を得ることができる。
次に、本発明の実施の形態2にかかる製造方法によって製造された炭化珪素ショットキーバリアダイオードの裏面電極の密着性について検証した。まず、図5に示したように、窒素濃度1×1018cm-3のn型炭化珪素基板2の(000‐1)面に堆積させた窒素濃度1.8×1016cm-3のn型ドリフト層1に対し、チャンネルストッパー用n型領域6、終端構造用p型領域7、FLR構造用p型領域8をそれぞれイオン注入法により形成した後、領域6、7、8を活性化するために、アルゴン雰囲気中において1650℃で240秒間の活性化アニールを行った。
次に、n型炭化珪素基板2の(0001)面に上に、マグネトロンスパッタ法により、金属膜3を堆積させた。本実施例では、ニッケルチタンの合金ターゲットをスパッタすることで、Ni:Ti=65:35mol%で厚さ105nmのニッケルチタン混合膜を堆積し、金属膜3とした。マグネトロンスパッタのアルゴン雰囲気の圧力は、それぞれ0.01Pa、0.05Pa、0.1Pa、0.3Pa、0.5Pa、1.0Pa、3.0Paとし、基板温度は、それぞれ室温(RT)、100℃、120℃、150℃、200℃、270℃、300℃、320℃、350℃とした。
その後、急速加熱処理RTA装置を用いて1℃/秒の昇温速度で昇温し、1100℃に到達後2分間保持した。これにより金属膜3であるニッケルチタン混合膜をシリサイド化し、炭化珪素基板2の(0001)面にオーミック電極4を形成した。
さらに、n型炭化珪素基板2の(000‐1)面上にフィールド絶縁膜9を形成し、ショットキー電極を形成する部分にチタン層を蒸着した後、熱処理を施してショットキー電極10を形成した。熱処理は、8℃/秒の昇温時間で昇温した後500℃に到達後5分間保持する方法にて行った。
次に、n型炭化珪素基板2の(000‐1)面上にボンディング用電極パット11としてアルミニウム−シリコン層を5μmの厚さで形成した後、アルミニウム−シリコン層11の上にパッシ−ベーション膜12としてポリイミド膜を形成した。
次に、オーミック電極4上にチタン70nm、ニッケル700nm、金200nmの順に堆積させることで配線金属層5を形成した。
以上の製造方法を用いて製造した炭化珪素ショットキーバリアダイオードの裏面電極に対し、剥離耐久性試験を行った。マグネトロンスパッタのアルゴン雰囲気圧力および、基板温度の各条件ごとに10個の炭化珪素ショットキーバリアダイオードを用意し、ダイオードの配線金属層5の表面を覆うようにスコッチテープを密着させた後、剥がし取るという試験を各装置10回ずつ行った。
図7は、本発明の実施例2にかかる炭化珪素半導体装置の裏面電極の密着性を表す図表である。縦軸は剥離数(個数)である。各マグネトロンスパッタ条件において裏面電極が剥離したダイオードの数を示す。図7に示される通りニッケル膜形成時のアルゴン雰囲気の圧力が0.1Pa以上0.5Pa以下かつ基板温度120℃以上300℃以下の条件で製造した炭化珪素ショットキーバリアダイオードにおいては配線金属層5の剥離が発生しないことを確認した。
実施例2では金属膜3としてニッケルとチタンを用いたが、ニッケルと、モリブデン、タンタル、チタン、クロムの内の1種類以上の組み合わせであれば同様の効果を得られることを確認した。
また、実施例2において、金属層3をニッケルからなる第一金属膜3−1とモリブデン、タンタル、チタン、クロムの内の1種類以上からなる第二金属膜3−2の積層金属膜としても同様の剥離防止効果を得ることができる。
また、実施例2ではニッケルと、モリブデン、タンタル、チタン、クロムの内の1種類以上からなる金属膜3の膜厚を105nmとしたが、金属膜3の膜厚は50nm以上160nm以下の範囲であればよい。この範囲であれば、遊離炭素またはモリブデン、タンタル、チタン、クロム成分の過剰な残留を防ぐとともに、配線金属層5の金属が基板に拡散するのを防止し、良好なオーミック特性を得ることができる。
さらに、実施例2では金属膜3中のニッケル比率を65mol%としたが、金属膜3中のニッケル比率は50mol%以上75mol%以下の比率が好ましい。この範囲であれば、後の熱処理によってオーミック電極4中に拡散する遊離炭素をニッケルシリサイドとの密着性を損なわない金属炭化物とするとともに、モリブデン、タンタル、チタン、クロム成分の過剰な残留を防ぎ、より確実にオーミック電極の脆化および剥離を防ぐことができる。
上述した実施例1および2では、オーミック電極生成時の加熱処理温度を1100℃とした。この実施例3では、加熱処理温度を950℃以上1200℃以下の範囲で変更したが、いずれも同様の効果を得ることができることを確認した。なお、加熱処理温度950℃未満はオーミック電極4の抵抗値が高くなるため好ましくなく、1200℃より大きいと、酸化珪素膜などで形成される表面構造に悪影響を及ぼすので好ましくない。
上述した各実施例1〜実施例3ではSBD装置を製造する場合について述べたが、主面上に他の装置、例えばMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等の構造にも同様に適用可能である。
また、実施例1〜実施例3では、主面として(000‐1)面を例に述べたが、主面として(0001)面や(11−20)面を用いてもよい。
以上において本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、本発明は、p型とn型とを入れ替えた場合や、炭化珪素基板と炭化珪素基板主表面に成長させるエピタキシャル層とを異なる導電型とした場合も同様に成り立つ。
以上のように、本発明にかかる炭化珪素半導体装置の製造方法は、例えば、パワーデバイス等の電力用半導体素子や、産業用のモーター制御やエンジン制御に使用されるパワー半導体素子に有用である。
1 ドリフト層
2 炭化珪素基板
3 金属膜
3−1 第一金属膜
3−2 第二金属膜
4 オーミック電極
5 配線金属層
6 チャンネルストッパー用n型領域
7 終端構造用p型領域
8 FLR構造用p型領域
9 フィールド酸化膜
10 ショットキー電極
11 ボンディング用電極パット
12 パッシ−ベーション膜

Claims (8)

  1. 第一の主面にエピタキシャル層を有する炭化珪素基板の、前記エピタキシャル層とは対向側の第二の主面にニッケルからなる金属層を堆積させる工程と、
    前記金属層に熱処理を施してオーミック電極を形成する工程と、
    前記オーミック電極の表面を酸素またはアルゴンのプラズマに晒して清浄化する工程と、
    前記オーミック電極上に配線金属層を形成する工程と、を含み、
    前記金属層を堆積させる工程におけるアルゴン雰囲気の圧力Pが0.1Pa以上0.5Pa以下かつ前記炭化珪素基板の温度が120℃以上300℃以下のスパッタ法によって実施されることを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
  2. 第一の主面にエピタキシャル層を有する炭化珪素基板の前記エピタキシャル層とは対向側の第二の主面にニッケルと、モリブデン、タンタル、チタン、クロムの内の1種類以上からなる金属層を堆積させる工程と、
    前記金属層に熱処理を施してオーミック電極を形成する工程と、
    前記オーミック電極上に配線金属層を形成する工程と、を含み、
    前記金属層を堆積させる工程におけるアルゴン雰囲気の圧力Pが0.1Pa以上0.5Pa以下かつ前記炭化珪素基板の温度が120℃以上300℃以下のスパッタ法によって実施されることを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
  3. 前記金属層がニッケルからなる第一金属膜と、前記第一金属膜上に形成されるモリブデン、タンタル、チタン、クロムの内の1種類以上からなる第二金属膜からなる積層膜であることを特徴とする請求項2に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  4. 前記第一金属膜と、前記第二金属膜が同一チャンバー内で連続して堆積されることを特徴とする請求項3に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  5. 前記金属層中のニッケルが50mol%以上75mol%以下であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  6. 前記金属層の膜厚が50nm以上160nm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  7. 前記金属層に熱処理を施してオーミック電極を形成する工程の熱処理温度が950℃以上1200℃以下あることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  8. 前記配線金属層が、チタン、ニッケル、金とからなる積層膜であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
JP2016053130A 2016-03-16 2016-03-16 炭化珪素半導体装置の製造方法 Active JP6808952B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016053130A JP6808952B2 (ja) 2016-03-16 2016-03-16 炭化珪素半導体装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016053130A JP6808952B2 (ja) 2016-03-16 2016-03-16 炭化珪素半導体装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017168685A true JP2017168685A (ja) 2017-09-21
JP6808952B2 JP6808952B2 (ja) 2021-01-06

Family

ID=59913484

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016053130A Active JP6808952B2 (ja) 2016-03-16 2016-03-16 炭化珪素半導体装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6808952B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110544626A (zh) * 2018-05-28 2019-12-06 英飞凌科技股份有限公司 碳化硅衬底上的电接触

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03252382A (ja) * 1990-02-27 1991-11-11 Hitachi Metals Ltd 窒化アルミニウム基板およびその製造方法
JPH06101021A (ja) * 1992-09-17 1994-04-12 Mitsubishi Cable Ind Ltd 合金系スパッタ膜の製造方法
JPH09102470A (ja) * 1995-10-09 1997-04-15 Fujitsu Ltd 半導体装置の製造方法
JP2006237394A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Rohm Co Ltd 半導体装置およびその製造方法
JP2006344688A (ja) * 2005-06-07 2006-12-21 Denso Corp 半導体装置およびその製造方法
JP2010205824A (ja) * 2009-03-02 2010-09-16 Denso Corp 炭化珪素半導体装置の製造方法
JP2011222699A (ja) * 2010-04-08 2011-11-04 Elpida Memory Inc 半導体用配線
JP2013219150A (ja) * 2012-04-06 2013-10-24 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 炭化珪素半導体装置のオーミック電極の製造方法
JP2015509134A (ja) * 2011-10-28 2015-03-26 韓国機械材料技術院 チタン−ニッケル合金薄膜、及び同時スパッタリング法を用いたチタン−ニッケル合金薄膜の製造方法
WO2015076128A1 (ja) * 2013-11-22 2015-05-28 富士電機株式会社 炭化珪素半導体装置および炭化珪素半導体装置の製造方法
JP2015103630A (ja) * 2013-11-22 2015-06-04 富士電機株式会社 炭化珪素半導体装置の製造方法
JP2015198131A (ja) * 2014-03-31 2015-11-09 富士電機株式会社 炭化珪素半導体装置の製造方法

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03252382A (ja) * 1990-02-27 1991-11-11 Hitachi Metals Ltd 窒化アルミニウム基板およびその製造方法
JPH06101021A (ja) * 1992-09-17 1994-04-12 Mitsubishi Cable Ind Ltd 合金系スパッタ膜の製造方法
JPH09102470A (ja) * 1995-10-09 1997-04-15 Fujitsu Ltd 半導体装置の製造方法
JP2006237394A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Rohm Co Ltd 半導体装置およびその製造方法
JP2006344688A (ja) * 2005-06-07 2006-12-21 Denso Corp 半導体装置およびその製造方法
JP2010205824A (ja) * 2009-03-02 2010-09-16 Denso Corp 炭化珪素半導体装置の製造方法
JP2011222699A (ja) * 2010-04-08 2011-11-04 Elpida Memory Inc 半導体用配線
JP2015509134A (ja) * 2011-10-28 2015-03-26 韓国機械材料技術院 チタン−ニッケル合金薄膜、及び同時スパッタリング法を用いたチタン−ニッケル合金薄膜の製造方法
JP2013219150A (ja) * 2012-04-06 2013-10-24 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 炭化珪素半導体装置のオーミック電極の製造方法
WO2015076128A1 (ja) * 2013-11-22 2015-05-28 富士電機株式会社 炭化珪素半導体装置および炭化珪素半導体装置の製造方法
JP2015103630A (ja) * 2013-11-22 2015-06-04 富士電機株式会社 炭化珪素半導体装置の製造方法
JP2015198131A (ja) * 2014-03-31 2015-11-09 富士電機株式会社 炭化珪素半導体装置の製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110544626A (zh) * 2018-05-28 2019-12-06 英飞凌科技股份有限公司 碳化硅衬底上的电接触
US11043383B2 (en) 2018-05-28 2021-06-22 Infineon Technologies Ag Electrical contact connection on silicon carbide substrate
US11798807B2 (en) 2018-05-28 2023-10-24 Infineon Technologies Ag Process for producing an electrical contact on a silicon carbide substrate
CN110544626B (zh) * 2018-05-28 2024-04-02 英飞凌科技股份有限公司 碳化硅衬底上的电接触

Also Published As

Publication number Publication date
JP6808952B2 (ja) 2021-01-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2013219150A (ja) 炭化珪素半導体装置のオーミック電極の製造方法
JP6222771B2 (ja) 炭化珪素半導体装置の製造方法
JP6099298B2 (ja) SiC半導体デバイス及びその製造方法
JP4140648B2 (ja) SiC半導体用オーミック電極、SiC半導体用オーミック電極の製造方法、半導体装置および半導体装置の製造方法
US20140252376A1 (en) Silicon carbide substrate, method for manufacturing same and method for manufacturing silicon carbide semiconductor device
TW201104862A (en) Semiconductor device and method of producing same
US20060178016A1 (en) Silicon carbide-based device contact and contact fabrication method
KR20090048572A (ko) 탄화규소 반도체 장치 및 그 제조 방법
JP2018098227A (ja) 半導体装置および半導体装置の製造方法
JP6160541B2 (ja) 炭化珪素半導体装置の製造方法
JP6091703B2 (ja) 炭化珪素半導体装置の製造方法及び炭化珪素半導体装置
JP6648574B2 (ja) 炭化珪素半導体装置の製造方法
JPWO2016114055A1 (ja) 炭化珪素半導体装置および炭化珪素半導体装置の製造方法
US10032894B2 (en) Silicon carbide semiconductor device and method of manufacturing silicon carbide semiconductor device
JP2017168685A (ja) 炭化珪素半導体装置の製造方法
JP6057032B2 (ja) 炭化珪素半導体装置の製造方法
JP2016058657A (ja) 炭化珪素半導体素子及び炭化珪素半導体素子の製造方法
JP4645641B2 (ja) SiCショットキーダイオードの製造方法
JP6582537B2 (ja) 半導体装置および半導体装置の製造方法
JP2013222823A (ja) 半導体装置および半導体装置の製造方法
JP2017168676A (ja) 炭化珪素半導体素子および炭化珪素半導体素子の製造方法
JP6724444B2 (ja) 炭化珪素半導体素子および炭化珪素半導体素子の製造方法
JP2000106350A (ja) オーミック電極の製造方法及び半導体素子の製造方法
JP2008227405A (ja) n型4H−SiC基板上にオーミック電極を形成する方法
JP6458525B2 (ja) 炭化珪素半導体装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191008

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191010

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200407

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200608

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200630

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200828

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201123

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6808952

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250