JP2017162554A - 非水電解液電池 - Google Patents

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智仁 関谷
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將之 山田
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Atsushi Hatakeyama
敦 畠山
妥則 政岡
Yasunori Masaoka
妥則 政岡
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洋昭 松本
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Abstract

【課題】 高温環境下での貯蔵特性が良好で、且つ温度変化に対応可能な非水電解液電池を提供する。【解決手段】 正極は、コバルト酸リチウムの粒子の表面がAl含有酸化物で被覆されてなる正極材料を含み、前記Al含有酸化物の平均被覆厚みが5〜50nmであり、前記負極は、Liと合金化しない金属基材層と、前記金属基材層の両面にそれぞれ接合されたAl活性層とを含有する積層体を有し、前記金属基材層の厚みは35μm以下であり、前記Al活性層の少なくとも表面側には、Li−Al合金が形成されており、前記非水電解液は、ニトリル化合物が添加されていることを特徴とする非水電解液電池。【選択図】 図2

Description

本発明は、貯蔵特性が良好な非水電解液電池に関するものである。
非水電解液電池は、高容量、高電圧などの特性を生かして、種々の用途に利用されている。特に近年では、車載用機器の非水電解液電池の需要が伸びている。
従来は、車載用の電子機器の電源として、汎用されている非水電解液二次電池よりも貯蔵特性が良好で、数年以上の長期にわたって貯蔵しても、容量低下がほとんどない非水電解液一次電池が利用されている。
前記非水電解液一次電池の負極活物質には、金属リチウムや、Li−Al(リチウム−アルミニウム)合金などのリチウム合金が用いられているが、非水電解液二次電池においても、負極活物質としてリチウム合金を用いることができるため、リチウムを吸蔵、放出可能な金属とリチウムの吸蔵、放出能力のない異種金属とのクラッド材を用いて負極を構成することにより、電池特性の安定化を実現することも提案されている(特許文献1、2)。
また、非水電解液二次電池の正極活物質として一般的なものがコバルト酸リチウムであるが、このコバルト酸リチウムについて各種特性を高めるための開発も盛んに行われている。
例えば、特許文献3には、正極活物質として使用されるリチウムコバルト複酸化物粉末の粒子表面に、特定のアルミナ被覆層を形成することで、これを用いた電池の充放電サイクル安定性を高める技術が提案されている。
また、特許文献4には、LiとCoとを含む複合酸化物からなる粒子であって、Alなどの特定元素を粒子内部よりも表層部に多く分布させたものを正極活物質として使用することで、電池の充放電サイクル特性を高める技術が提案されている。
特開平8−293302号公報 特開平10−106628号公報 特開2005−276454号公報 特開2004−47437号公報
一方、前記のようなクラッド材を用いたとしても、必ずしも、非水電解液二次電池の特性の安定化が実現できるわけではない。また、特許文献3や4の技術では、さまざまな温度環境下での電池特性に改善の余地があった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高温環境下での貯蔵特性が良好で、且つ温度変化に対応可能な非水電解液電池を提供することにある。
本発明は、正極と負極がセパレータを介して重ねられた電極体と非水電解液とを有する非水電解液電池であって、前記正極は、コバルト酸リチウムの粒子の表面がAl含有酸化物で被覆されてなる正極材料を含み、前記Al含有酸化物の平均被覆厚みが5〜50nmであり、前記負極は、Liと合金化しない金属基材層と、前記金属基材層の両面にそれぞれ接合されたAl活性層とを含有する積層体を有し、前記金属基材層の厚みは35μm以下であり、前記Al活性層の少なくとも表面側には、Li−Al合金が形成されており、前記非水電解液は、ニトリル化合物が添加されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、高温環境下での貯蔵特性が良好で、低温環境下における負荷特性が良好な非水電解液電池を提供することができる。
本発明の非水電解液電池に使用される負極(負極前駆体)の一例を模式的に表す断面図である。 本発明の非水電解液電池の一例を模式的に表す平面図である。 図2のI−I線断面図である。
Li(金属Li)や、Li−Al合金(LiとAlとの合金)は、炭素材料に比べてLi(Liイオン)の受け入れ性が低く、これを負極活物質に用いた非水電解液二次電池では、充放電を繰り返した際に、早期に容量が低下しやすい。こうしたことから、充放電を繰り返し行って使用することが想定されている非水電解液二次電池では、黒鉛などの炭素材料が負極活物質として汎用されている。
その一方で、炭素材料を負極活物質に用いた非水電解液二次電池では、自己放電が起きやすく、充電状態で貯蔵すると容量低下が生じやすい。
こうしたことから、車載用機器に用いる電池としては、非水電解液二次電池よりも貯蔵特性が良好で、数年以上の長期にわたって貯蔵しても、容量低下がほとんどない非水電解液一次電池が適用されている。
その一方で、こうした用途においても、メンテナンスの容易さなどの理由から、通常の二次電池のように充放電を多数繰り返すことは求めないまでも、数回〜数十回程度の回数で充電が可能な電池の適用要請がある。
そこで、本発明の非水電解液電池では、特に車載用など高温環境下で使用される場合にあっても高い貯蔵特性と従来の非水電解液一次電池と比較して低温環境下での高い負荷特性とを実現することができ、また、ある程度の回数の充電が可能となるように、Li−Al合金を負極活物質として使用することにした。
また、本発明の非水電解液電池では、その貯蔵特性を高めるために、以下の負極の態様とする。なお、放電時に負極の形状を安定にし、次回の充電を可能にする目的で集電体を使用する。
負極の態様:
負極活物質にLi−Al合金を使用する電池では、Li箔(特に断らない限り、Li合金箔を含む。以下同じ。)とAl箔(特に断らない限り、Al合金箔を含む。以下同じ。)とを貼り合わせて電池内に導入し、非水電解液の共存下でLiとAlとを反応させてLi−Al合金を形成させることが行われている。ところが、更に集電体となる金属箔〔Cu(銅)箔やCu合金箔など〕を、Li箔とAl箔との積層体に単に重ねただけで電池内に挿入すると、貯蔵後(特に高温環境下での貯蔵後)に電池の内部抵抗が増大して、貯蔵特性が十分に向上しない。
これは、電池内において、Li箔とAl箔との積層体でLi−Al合金が形成される際に体積変化が生じたり、Li−Al合金が形成されて微粉化が生じることで負極が非水電解液を吸収しやすくなって体積変化が生じたりして、Li−Al合金の層(Al箔)と集電体との密着性が確保できなくなるためであることが、本発明者らの検討により明らかとなった。
そこで、本発明者らは更に検討を重ねた結果、Li−Al合金を形成するためのAl金属層(Al箔など)と、集電体として作用するLiと合金化しない金属基材層(Cu箔など)とをあらかじめ接合して用い、更に、その金属層の表面にLi層(Li箔など)を積層させ、前記Li層のLiと前記Al金属層のAlとを反応させる方法、または前記Al金属層と前記金属基材層との接合体をそのまま電池の組み立てに用い、組み立て後の充電によって、前記Al金属層のAlを非水電解液中のLiイオンと電気化学的に反応させる方法などにより、前記Al金属層の少なくとも表面側をLi−Al合金とし、前記金属基材層の表面にAl活性層が接合された負極とすることで、貯蔵時の内部抵抗の増大を抑え得ることを見出した。
一方、更に検討を進めた結果、前記金属基材層の両面にAl金属層を接合し、それぞれのAl金属層の少なくとも表面側に、Li−Al合金を形成する場合には、金属基材層の片面のみにAl金属層の接合およびLi−Al合金の形成を行う場合に比べて、負極の変形(湾曲など)や、それに伴う電池の特性劣化を更に抑制することが可能となることを見出し、かかる知見に基づいて、繰り返しの充放電が可能であり、かつ高温環境下での貯蔵特性が良好な非水電解液電池の負極の態様を完成するに至った。
更に、本発明の正極は、コバルト酸リチウムの粒子の表面がAl含有酸化物で被覆されてなる正極材料を含み、このAl含有酸化物の平均被覆厚みが5〜50nmである。また、非水電解液にはニトリル化合物が添加されている。
粒子の表面の改質を行っていないコバルト酸リチウムを正極活物質として使用する二次電池は、充電状態で且つ高温下に保管すると、金属(コバルト)の溶出が起こる。そうすると、充放電に寄与できる正極活物質が減ることになるため、その後の放電容量が低下する。更に、金属(コバルト)の溶出に伴いガスが発生し、電池が膨れる。
しかしながら、本願のように正極に、コバルト酸リチウムの粒子表面がAl含有酸化物で被覆され、且つこのAl含有酸化物の平均被覆厚みが5〜50nmである正極材料を含み、且つ非水電解液にニトリル化合物を含むと、充電状態で且つ高温下においてもコバルトの溶出が起こりにくい。そのため、それに伴う放電容量低下およびガス発生を抑制することが出来る。
そして、正極、負極および非水電解液を、同時に上記の態様を採用することで、1か月間という長期間高温貯蔵した後においても、膨れが小さい電池となることが分かった。これは、本発明における負極の態様を採用することで、貯蔵時のガスの発生を抑制し、正極および非水電解液を上記態様を採用することで長期的に徐々に発生するガスを抑制することが出来、長期貯蔵後においても膨れによる電池変形が少ない電池とすることが出来る。
ところで、車載用機器に用いる電池は高温環境下に限らず寒冷地での使用も考えられる。低温環境下では、常温の時と比べて電池の作動性が低下し、特に経年劣化した電池は負荷特性が低下する傾向にある。そのため、あらゆる温度下での使用を想定して、高温環境下に一定時間置いた(経年劣化とほぼ同じ状態にした)後で、低温環境下でも高負荷での放電が出来ることが求められる。
経年劣化による電池の負荷特性の低下の原因の一つは、正極からコバルト等の金属が溶出し、その溶出した金属が負極上に堆積して負極の抵抗が高くなることによる。本発明によると、電池を高温環境下に一定時間置いて(経年劣化とほぼ同じ状態にして)も、正極からのコバルトの溶出が起こりにくいため、溶出したコバルトが負極上に堆積することがなく、電池の負荷特性の低下を抑制することが出来る。したがって、高温環境下に一定時間置いた後で低温環境下でも高負荷での放電をすることが可能になる。
前記負極の態様のように、Li−Al合金を負極活物質とする電池では、放電容量がLi量に依存するため、電池の高容量化を図るには、Liの含有割合を高めることが望ましいと考えられる。しかしながら、Liの割合が多くなると、電池の貯蔵特性が低下することが本発明者らの検討により明らかとなった。これは、Li−Al合金を形成するために電池内に導入されるLiとAlとの比率に応じてLi−Al合金の結晶構造が変化し、Li量が多い場合には、電解液との反応性が高くなったり、貯蔵時の電池の電位が不安定になったりするためであると推測される。
そこで、非水電解液電池システムでは、前記の通り、繰り返しの充電を可能にすることに加えて、充電状態の電池内の負極でのLiとAlとの比率を特定することで、優れた貯蔵特性を確保し、更には大きな容量と優れた重負荷放電特性も確保できるようにすることが好ましい。
本発明の非水電解液電池に係る負極の形成には、第1の方法として、Liと合金化しない金属基材層(以下、単に「基材層」という)とAl金属層(以下、単に「Al層」という)とを接合して形成した積層金属箔の、Al層の表面に、Li箔を貼り合わせるなどの方法によりLi層が形成された積層体を使用する。
前記基材層は、Cu、Ni、Ti、Feなどの金属、またはそれら元素と他の元素との合金(ただし、ステンレス鋼などの、Liと反応しない合金)により構成することができる。
前記基材層は、具体的には、前記金属または合金の箔や蒸着膜、めっき膜などにより構成される。
前記Al層は、純Al、または、強度の向上などを目的とする添加元素を有するAl合金により構成することができ、具体的には、それらの箔や蒸着膜、めっき膜などにより構成される。
前記Li層の形成には、前記Al層の表面にLi箔を貼り合わせる方法や、蒸着膜を形成する方法などを用いることができる。
図1に、本発明の非水電解液電池に使用される負極を形成するための積層体(負極前駆体)の一例を模式的に表す断面図を示している。図1の負極前駆体100は、基材層101aの両面にAl層101b、101bを接合して構成した積層金属箔101の、Al層101b、101bの表面に、Li箔102、102が貼り合わされて形成された積層体である。
前記の負極前駆体を用いて負極を形成する非水電解液電池では、非水電解液の共存下でLi箔のLiとAl層のAlとが反応して、Al層のLi箔が貼り合わされた側(セパレータ側)の表面にLi−Al合金が形成され、Al活性層に変化する。すなわち、前記負極のAl活性層の少なくとも表面側(Li箔側)には、非水電解液電池内で形成されたLi−Al合金が存在する。
負極前駆体では、基材層とAl層とを接合して形成した積層金属箔において、基材層の片面にAl層を接合していてもよく、また、図1に示すように基材層の両面にAl層を接合していてもよい。ただし、非水電解液電池の態様(1)に使用する負極前駆体では、基材層とAl層とを接合して形成した積層金属箔において、図1に示すように基材層の両面にAl層を接合する。
そして、基材層とAl層とを接合して形成した積層金属箔と、Li箔とが貼り合わされて形成された積層体においては、基材層の両面のAl層の表面(基材層と接合していない面)にLi箔を貼り合わせる。
以下では、基材層がCu(Cu箔)である場合、および基材層がNi(Ni箔)である場合を例示して説明するが、基材層がCuやNi以外の材料である場合も同様である。
Cu層とAl層とを接合して形成した積層金属箔としては、Cu箔とAl箔とのクラッド材、Cu箔上にAlを蒸着してAl層を形成した積層膜などが挙げられる。
Cu層とAl層とを接合して形成した積層金属箔に係るCu層としては、Cu(および不可避不純物)からなる層や、合金成分としてZr、Cr、Zn、Ni、Si、Pなどを含み、残部がCuおよび不可避不純物であるCu合金(前記合金成分の含有量は、例えば、合計で10質量%以下、好ましくは1質量%以下)からなる層などが挙げられる。
また、Ni層とAl層とを接合して形成した積層金属箔としては、Ni箔とAl箔とのクラッド材、Ni箔上にAlを蒸着してAl層を形成した積層膜などが挙げられる。
Ni層とAl層とを接合して形成した積層金属箔に係るNi層としては、Ni(および不可避不純物)からなる層や、合金成分としてZr、Cr、Zn、Cu、Fe、Si、Pなどを含み、残部がNiおよび不可避不純物であるNi合金(前記合金成分の含有量は、例えば、合計で20質量%以下)からなる層などが挙げられる。
更に、Cu層とAl層とを接合して形成した積層金属箔やNi層とAl層とを接合して形成した積層金属箔に係るAl層としては、Al(および不可避不純物)からなる層や、合金成分としてFe、Ni、Co、Mn、Cr、V、Ti、Zr、Nb、Moなどを含み、残部がAlおよび不可避不純物であるAl合金(前記合金成分の含有量は、例えば、合計で50質量%以下)からなる層などが挙げられる。
Cu層とAl層とを接合して形成した積層金属箔やNi層とAl層とを接合して形成した積層金属箔においては、負極活物質となるLi−Al合金の割合を一定以上とするために、基材層であるCu層やNi層の厚みを100としたときに、Al層の厚み(ただし、基材層であるCu層やNi層の両面にAl層を接合させた場合には、片面あたりの厚み。以下同じ。)は、10以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましく、50以上であることが更に好ましく、70以上であることが特に好ましい。また、集電効果を高め、Li−Al合金を十分に保持するためには、Cu層とAl層とを接合して形成した積層金属箔やNi層とAl層とを接合して形成した積層金属箔において、基材層であるCu層やNi層の厚みを100としたときに、Al層の厚みは、500以下であることが好ましく、400以下であることがより好ましく、300以下であることが特に好ましく、200以下であることが最も好ましい。
なお、基材層であるCu層やNi層の厚みは、集電性と負荷特性が十分確保できる厚みであることと、電池容量の確保という理由から、35μm以下である。また、30μm以下であることがより好ましい。また、集電性と負荷特性の確保という理由から、10μm以上であることが好ましい。
また、Al層の厚み(ただし、基材層であるCu層やNi層の両面にAl層を接合させた場合には、片面あたりの厚み)は、10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましく、30μm以上であることが特に好ましく、また、150μm以下であることが好ましく、70μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることが特に好ましい。
Cu層とAl層とを接合して形成した積層金属箔やNi層とAl層とを接合して形成した積層金属箔の厚みは、負極の容量を一定以上とするために、50μm以上であることが好ましく、60μm以上であることがより好ましく、また、正極活物質との容量比を適切な範囲とするために、300μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましく、150μm以下であることが特に好ましい。
負極前駆体に使用するLi箔としては、Ll(および不可避不純物)からなる箔や、合金成分としてFe、Ni、Co、Mn、Cr、V、Ti、Zr、Nb、Moなどを合計で40質量%以下の量で含み、残部がLiおよび不可避不純物であるLi合金からなる箔などが挙げられる。
また、積層金属箔の表面にLi箔が貼り合わされて形成された前記の積層体を負極前駆体として用いて負極のAl活性層を形成する方法以外に、第2の方法として、前記積層金属箔をそのまま負極前駆体として使用して電池を組み立て、組み立て後の電池を充電する方法によっても、負極を構成するAl活性層を形成することができる。
すなわち、前記積層金属箔のAl金属層の少なくとも表面側のAlを、電池の充電によって非水電解液中のLiイオンと電気化学的に反応させることにより、少なくとも表面側にLi−Al合金が形成されたAl活性層とすることも可能である。
Li箔が貼り合わされていない前記積層金属箔を負極前駆体として用いる第2の方法によれば、電池の製造工程を簡略化することができる。ただし、負極前駆体を用いてAl活性層を形成することにより、Li−Al合金の不可逆容量を、負極前駆体のLi層のLiが相殺することになることから、高容量化のためには、第1の方法で負極を形成(負極のAl活性層を形成)することが好ましく、また、第1の方法に係る負極前駆体を用いて電池を組み立て、更に充電を行って負極を形成(負極のAl活性層を形成)してもよい。
本発明の非水電解液電池のように、Liと合金化しない金属基材層と、前記金属基材層に接合されたAl活性層とを含有する積層体を負極として有する電池においては、負極活物質として作用する物質の結晶構造を良好に保って負極の電位を安定化させて、より優れた貯蔵特性を確保する観点から、第1の方法および第2の方法のいずれの方法によって負極のAl活性層を形成する場合であっても、負極のAl活性層におけるLiとAlとの合計を100原子%としたときのLiの含有量が、48原子%以下である範囲において電池を使用することが好ましい。すなわち、電池の充電時に、Al活性層のLiの含有量が48原子%を超えない範囲で充電を終止することが好ましく、Liの含有量が、40原子%以下である範囲において充電を終止することがより好ましく、35原子%以下である範囲において充電を終止することが特に好ましい。
前記積層金属箔のAl層は、全体がLiと合金化して活物質として作用してもよいが、Al層のうちの基材層側をLiと合金化させず、Al活性層を、表面側のLi−Al合金層と基材側に残存するAl層との積層構造とすることがより好ましい。
すなわち、前記の状態で充電を終止することにより、前記Al層のセパレータ側(正極側)を、Liと反応させてLi−Al合金(α相とβ相との混合相またはβ相)とし、一方、前記基材層との接合部付近のAl層は、実質的にLiと反応させずに元のAl層のまま残存するか、またはセパレータ側よりもLiの含有量が低くなると推測され、元のAl層と基材層との優れた密着性を維持することができ、セパレータ側に形成されたLi−Al合金を基材層上に保持しやすくなると考えられる。特に、前記Al層のセパレータ側に形成されるLi−Al合金に、α相が混在した状態で充電を終止することがより好ましい。
なお、本明細書では、「実質的にLiと合金化していないAl」は、Al層がLiを含有していない状態のほか、Liを数at%以下の範囲で固溶したα相の状態のものも対象とし、「実質的にLiと反応させない」とは、Liを数at%以下の範囲で固溶した状態も含め、Alがα相の状態のままで維持されることを指すものとする。
また、本発明の非水電解液電池においては、容量および重負荷放電特性をより高める観点から、LiとAlとの合計を100原子%としたときのLiの含有量が、15原子%以上となる範囲まで電池を充電することが好ましく、20原子%以上となる範囲まで電池を充電することがより好ましい。
更に、本発明の非水電解液電池に係る負極は、Al金属相(α相)とLi−Al合金相(β相)とが共存する状態で放電を終了することが望ましく、これにより、充放電時の負極の体積変化を抑制し、充放電サイクルでの容量劣化を抑制することができる。負極にLi−Al合金のβ相を残存させるためには、放電終了時の、負極におけるLiとAlとの合計を100原子%としたときのLiの含有量を、およそ3原子%以上とすればよく、5原子%以上とすることが好ましい。一方、放電容量を大きくするためには、放電終了時のLi含有量は、12原子%以下であることが好ましく、10原子%以下であることがより好ましい。
前記のような電池の使用状況を実現しやすくするために、本発明の非水電解液電池において、第1の方法により負極を形成する場合に使用する負極前駆体においては、電池組み立て時における、Al層の厚みを100としたときの前記Al層に貼り合せるLi層の厚みを、10以上とすることが好ましく、20以上とすることがより好ましく、30以上とすることが更に好ましく、また、80以下とすることが好ましく、70以下とすることがより好ましい。
具体的なLi箔の厚み(前記積層体が両面にLi箔を有している場合は、片面あたりの厚み。)は、10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましく、30μm以上であることが更に好ましく、また、80μm以下であることが好ましく、70μm以下であることがより好ましい。
Li箔とAl層(Al層を構成するためのAl箔、または負極集電体を構成する金属層とAl層とが接合して構成された箔に係るAl層)との貼り合わせは、圧着などの常法により行うことができる。
第1の方法で負極を形成する場合に用いる負極前駆体として使用する前記積層体は、Cu層とAl層とを接合した箔やNi層とAl層とを接合した箔のAl層の表面に、Li箔を貼り合わせる方法で製造することができる。
負極を形成する第1の方法および第2の方法で用いる負極前駆体として使用する前記積層体におけるCu層やNi層には、常法に従って負極リード体を設けることができる。
本発明の非水電解液電池に係る正極には、例えば、正極活物質、導電助剤およびバインダなどを含有する正極合剤層を、集電体の片面または両面に有する構造のものが使用できる。正極には、正極活物質であるコバルト酸リチウムの粒子の表面がAl含有酸化物で被覆されてなる正極材料を含み、前記Al含有酸化物の平均被覆厚みが5〜50nmである。
一般に正極活物質は高温環境下において電解液と反応し、正極上には反応生成物が堆積され、同時にガスが発生する。リチウムイオン二次電池に表面改質がなされていないコバルト酸リチウムを用いると、高温下でコバルト酸リチウムの表面と電解液とが反応してCoを含む反応生成物が表面に堆積し、同時にガスが発生するが、Coを含む反応生成物はさらに分解されて電解液中にCoが溶出する。そして、再びコバルト酸リチウムの表面と電解液とが反応しCoを含む反応生成物とガスが発生する。つまり、正極活物質にコバルト酸リチウムを多く含むと、電池が高温に晒されるたびにCoは溶出し続け、ガスも発生し続ける。
一方、非水電解液にニトリル化合物を含むと、正極表面にニトリル化合物由来の被膜を生成し、この被膜によりコバルトの溶出を抑制することが出来る。更に、本発明では粒子の表面がAl含有酸化物で被覆されてなるコバルト酸リチウムを使用することで、高温環境下においても正極表面と電解液との反応を抑制し、ガス発生を抑えることが出来る。
また、コバルト酸リチウムの粒子の表面の被膜が厚ければ厚いほどLiイオンの出入りを阻害し負荷特性が落ちる傾向にあるが、本発明ではコバルト酸リチウムの粒子の表面がAl含有酸化物で被覆されて、且つ平均被覆厚みが5〜50nmであるため、Liイオンの出入りを大きく阻害することは無い。そのため、正極側でのLiイオンの受け入れ性が低下する低温環境下においても、高い負荷特性を実現することが出来る。
本発明に係る正極材料を構成する粒子におけるAl含有酸化物の平均被覆厚みは、正極材料に係る正極活物質と非水電解液との反応を良好に抑制する観点から、5nm以上であり、15nm以上であることが好ましい。また、電池の充放電時における正極活物質でのリチウムイオンの出入りをAl含有酸化物が阻害することによる電池の負荷特性低下を抑制する観点から、前記正極材料を構成する粒子におけるAl含有酸化物の平均被覆厚みは、50nm以下であり、35nm以下であることがより好ましい。
本明細書でいう「正極材料を構成する粒子におけるAl含有酸化物の平均被覆厚み」は、集束イオンビーム法により加工して得られた正極材料の断面を、透過型電子顕微鏡を用いて40万倍の倍率で観察し、500×500nmの視野に存在する正極材料粒子のうち、断面の大きさが正極材料の平均粒子径(d50)±5μm以内の粒子を10視野分だけ任意に選択し、各視野ごとに、Al含有酸化物の被膜の厚みを任意の10か所で測定し、全視野で得られた全ての厚み(100箇所の厚み)について算出した平均値(数平均値)を意味している。
前記正極材料は、少なくとも、平均粒子径が1〜40μmである正極材料(a)と、平均粒子径が1〜40μmであり、かつ前記正極材料(a)よりも平均粒子径が小さい正極材料(b)とを含んでいると好ましい。
これにより、前記正極材料は、体積基準の粒度分布において、1〜40μmの粒径範囲内に、2つ以上のピークを有することになる。本明細書でいう「1〜40μmの粒径範囲内に、2つ以上のピークを有する」とは、2つ以上のピークのピークトップの粒径が、1〜40μmの範囲内にあることを意味しており、例えば、2つ以上のピークの裾が完全に分離しているものや、2つ以上のピークの裾が1つ以上に纏まっていてピークトップが2つ以上に分離しているものも含まれ、各ピークの裾は1〜40μmの粒径範囲外に存在していてもよい。
これは、正極材料の全粒子中に、前記粒度分布において、より大粒径側のピークに属する粒子と、より小粒径側のピークに属する粒子、すなわち、比較的大粒径の粒子群と、これらの粒子群よりも粒径が小さい粒子群とが含まれていることを意味している。
正極は、正極活物質(正極材料)を含む正極合剤層を集電体上に形成した後にプレス処理を施す工程を経て製造したり、正極活物質(正極材料)を含む正極合剤をプレス処理してペレット状に成形することで製造したりすることが一般的であるが、前記のプレス処理の際に正極活物質に割れが生じやすい。この場合、正極活物質粒子の表面をAl含有酸化物で被覆していても、粒子が割れてAl含有酸化物で被覆していない新生面が露出するため、Al含有酸化物の形成による非水電解液の分解抑制作用が十分に発揮されない虞がある。
一方、正極材料がは、前記の粒度分布を有していると、正極合剤層や正極合剤ペレットの形成時に、大粒径の正極材料の隙間に小粒径の正極材料が入り込むことで、その後のプレス処理において、正極合剤層や正極合剤ペレットにかかる応力が全体に分散する。これにより、プレス処理の際に個々の正極材料粒子に過度の応力が付加され難く、正極材料粒子の割れが良好に抑制される。そのため、正極の製造途中において、正極材料粒子が割れることによる新生面の発生(Al含有酸化物で被覆されていない部分の発生)が抑制されることから、Al含有酸化物での被覆による作用をより良好に発揮でき、好ましい。
前記正極材料の粒度分布としては、体積基準の粒度分布において、1〜15μmの粒径範囲内に1つ以上のピークを有し、かつ15〜40μmの粒径範囲内に1つ以上のピークを有しており、前記15〜40μmの粒径範囲内に存在するピークのうちの少なくとも1つのピークトップの粒径が、前記1〜15μmの粒径範囲内に存在するピークのうちの少なくとも1つのピークトップの粒径よりも大きいことが好ましい。前記正極材料がこのような粒度分布を有する場合には、正極の製造過程での正極材料粒子の割れの抑制効果がより良好となると共に、正極材料の比表面積を前記の値に調整することが容易となる。
前記正極材料は、平均粒子径が24〜30μmの大粒子〔正極材料(a)〕と、平均粒子径が4〜8μmの小粒子〔正極材料(b)〕とで構成されており、正極材料全量中での前記大粒子の割合が、75〜90質量%であることが好ましい。前記正極材料がこのような構成であれば、正極材料全体の粒度分布を前記のように調整することができる。
本明細書でいう正極材料の粒度分布は、日機装株式会社製マイクロトラック粒度分布測定装置「HRA9320」を用いて、粒度分布の小さい粒子から積分体積を求める方法により得られる粒度分布を意味している。また、本明細書における正極材料や、その他の粒子の平均粒子径は、前記の装置を用いて、粒度分布の小さい粒子から積分体積を求める場合の体積基準の積算分率における50%径の値(d50)を意味している。
本発明に係る正極材料は、比表面積(正極材料全体の比表面積)が、0.1m/g以上が好ましく、より好ましくは0.2m/g以上であって、0.4m/g以下が好ましく、より好ましくは0.3m/g以下である。本発明に係る正極材料は、このように比表面積が小さいと、非水電解液成分の分解を引き起こす反応面積が小さく、これによっても、高温下での貯蔵特性がより良好となるからである。
本発明では、高温下においてCoの溶出が生じ難い組成のコバルト酸リチウムを正極活物質に使用してその表面をAl含有酸化物で形成した正極材料を用いるのが好ましい。コバルト酸リチウムの種々の特性の向上が見込まれるからである。
また、前述したように、平均粒子径が1〜40μmである正極材料(a)と、平均粒子径が1〜40μmであり、かつ前記正極材料(a)よりも平均粒子径が小さい正極材料(b)とで正極活材料を構成する場合に、正極材料(a)および(b)は、それぞれのコバルト酸リチウム(A)およびコバルト酸リチウム(B)を含む。
コバルト酸リチウム(A)は、Co、Mg、Zrおよび元素M、並びに、更に含有してもよい他の元素を纏めて元素群Mとしたときに、組成式Li1+x(−0.05≦x≦0.05)で表されるものであると好ましい。また、コバルト酸リチウム(B)は、Co、Mgおよび元素M、並びに、更に含有してもよい他の元素を纏めて元素群Mとしたときに、組成式Li1+y(−0.05≦y≦0.05)で表されるものであると好ましい。
コバルト酸リチウム(A)およびコバルト酸リチウム(B)において、Mg、元素Mおよび元素Mは、コバルト酸リチウム(A)およびコバルト酸リチウム(B)の高温下での安定性を高められる。
コバルト酸リチウム(A)およびコバルト酸リチウム(B)において、Mgの量は、前記の作用をより有効に発揮させる観点から、Coとの原子比Mg/Coが、0.002以上であることが好ましく、0.005以上であることがより好ましい。また、コバルト酸リチウム(A)において、元素Mの量は、前記の作用をより有効に発揮させる観点から、Coとの原子比M/Coが、0.001以上であることが好ましく、0.003以上であることがより好ましい。そして、コバルト酸リチウム(B)において、元素Mの量は、前記の作用をより有効に発揮させる観点から、Coとの原子比M/Coが、0.001以上であることが好ましく、0.003以上であることがより好ましい。
ただし、コバルト酸リチウム(A)およびコバルト酸リチウム(B)中のMgや元素M、元素Mの量が多すぎると、Zr〔コバルト酸リチウム(A)の場合〕やCoの量が少なくなりすぎて、これらによる作用を十分に確保できない虞がある。よって、コバルト酸リチウム(A)およびコバルト酸リチウム(B)において、Mgの量は、Coとの原子比Mg/Coが、0.03以下であることが好ましく、0.015以下であることがより好ましい。また、コバルト酸リチウム(A)において、元素Mの量は、Coとの原子比M/Coが、0.03以下であることが好ましく、0.015以下であることがより好ましい。更に、コバルト酸リチウム(B)において、元素Mの量は、Coとの原子比M/Coが、0.03以下であることが好ましく、0.015以下であることがより好ましい。
コバルト酸リチウム(A)において、Zrは、非水電解液中に含まれるフッ素を含有するリチウム塩が原因となって発生し得るフッ化水素を吸着し、コバルト酸リチウム(A)の劣化を抑制する作用を有している。
非水二次電池に使用される非水電解液中に若干の水分が不可避的に混入していたり、他の電池材料に水分が吸着していたりすると、非水電解液中のフッ素を含有するリチウム塩と反応してフッ化水素が生成する。電池内でフッ化水素が生成すると、その作用で正極活物質の劣化を引き起こしてしまう。
ところが、Zrも含有するようにコバルト酸リチウム(A)を合成すると、その粒子の表面にZr酸化物が析出し、このZr酸化物がフッ化水素を吸着する。そのため、フッ化水素によるコバルト酸リチウム(A)の劣化を抑制することができる。
なお、正極活物質にZrを含有させると、電池の負荷特性が向上する。正極材料が含有するコバルト酸リチウム(A)は、コバルト酸リチウム(B)よりも平均粒子径が大きいが、一般に、粒子径が大きい正極活物質を使用すると電池の負荷特性が低下する傾向にある。よって、本発明に係る正極材料を構成する正極活物質のうち、より平均粒子径が大きいコバルト酸リチウム(A)にはZrを含有させる。他方、コバルト酸リチウム(B)は、Zrを含有していてもよく、含有していなくてもよい。
コバルト酸リチウム(A)において、Zrの量は、前記の作用をより良好に発揮させる観点から、Coとの原子比Zr/Coが、0.0002以上であることが好ましく、0.0003以上であることがより好ましい。ただし、コバルト酸リチウム(A)中のZrの量が多すぎると、他の元素の量が少なくなって、これらによる作用を十分に確保できない虞がある。よって、コバルト酸リチウム(A)におけるZrの量は、Coとの原子比Zr/Coが、0.005以下であることが好ましく、0.001以下であることがより好ましい。
コバルト酸リチウム(A)およびコバルト酸リチウム(B)は、Li含有化合物(水酸化リチウム、炭酸リチウムなど)、Co含有化合物(酸化コバルト、硫酸コバルトなど)、Mg含有化合物(硫酸マグネシウムなど)、Zr含有化合物(酸化ジルコニウムなど)および元素Mや元素Mを含有する化合物(酸化物、水酸化物、硫酸塩など)を混合し、この原料混合物を焼成するなどして合成することができる。なお、より高い純度でコバルト酸リチウム(A)およびコバルト酸リチウム(B)を合成するには、Co、Mg、およびZr、更には元素Mや元素Mを含む複合化合物(水酸化物、酸化物など)とLi含有化合物などとを混合し、この原料混合物を焼成することが好ましい。
コバルト酸リチウム(A)およびコバルト酸リチウム(B)を合成するための原料混合物の焼成条件は、例えば、800〜1050℃で1〜24時間とすることができるが、一旦焼成温度よりも低い温度(例えば、250〜850℃)まで加熱し、その温度で保持することにより予備加熱を行い、その後に焼成温度まで昇温して反応を進行させることが好ましい。予備加熱の時間については特に制限はないが、通常、0.5〜30時間程度とすればよい。また、焼成時の雰囲気は、酸素を含む雰囲気(すなわち、大気中)、不活性ガス(アルゴン、ヘリウム、窒素など)と酸素ガスとの混合雰囲気、酸素ガス雰囲気などとすることができるが、その際の酸素濃度(体積基準)は、15%以上であることが好ましく、18%以上であることが好ましい。
本発明に係る正極材料は、コバルト酸リチウムの粒子の表面がAl含有酸化物で被覆されている正極材料含んでいる〔例えば、コバルト酸リチウムの粒子の表面の全面積中の90〜100%以上に、Al含有酸化物が存在している〕。コバルト酸リチウムの粒子の表面を被覆するAl含有酸化物としては、Al、AlOOH、LiAlO、LiCo1−wAl(ただし、0.5<w<1)などが挙げられ、これらのうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、例えば後述する方法でコバルト酸リチウムの表面をAlで被覆した場合、Al中に、コバルト酸リチウムから移行するCoやLi、Alなどの元素を含むAl含有酸化物が一部混在する被膜が形成されるが、本発明に係る正極材料を構成する正極材料に係るコバルト酸リチウムの表面を覆うAl含有酸化物で形成された被膜は、このような成分を含む被膜であってもよい。正極材料として前述した正極材料(a)及び(b)を用いる場合の、コバルト酸リチウム(A)およびコバルト酸リチウム(B)においても同様である。
なお、前記正極材料は、平均粒子径がより大きい正極材料(a)と、正極材料(a)よりも平均粒子径が小さい正極材料(b)とを含んでいればよいが、例えば、コバルト酸リチウム(A)またはコバルト酸リチウム(B)と同じ組成の正極活物質の表面がAl含有酸化物で被覆されてなり、平均粒子径が正極材料(a)と正極材料(b)との間の値である1種または2種以上の正極材料を含んでいてもよい。
コバルト酸リチウムの表面をAl含有酸化物で被覆して前記正極材料とするには、例えば下記の方法が採用できる。pHを9〜11とし、温度を60〜80℃とした水酸化リチウム水溶液中に、正極活物質粒子を投入し攪拌して分散させ、ここにAl(NO・9HOと、pHの変動を抑えるためのアンモニア水とを滴下して、Al(OH)共沈物を生成させ、正極活物質粒子の表面に付着させる。その後、この反応液からAl(OH)共沈物が付着した正極活物質粒子を取り出し、洗浄してから乾燥させた後に、熱処理して、正極活物質粒子の表面にAl含有酸化物の被膜を形成して、前記正極材料とする。Al(OH)共沈物が付着した正極活物質粒子の熱処理は大気雰囲気中で行うことが好ましく、また、熱処理温度を200〜800℃とし、熱処理時間を5〜15時間とすることが好ましい。この方法で正極活物質粒子の表面をAl含有酸化物で被覆する場合、前記の熱処理温度の調整によって、被膜を構成する主成分となるAl含有酸化物を、Alとしたり、AlOOHとしたり、LiAlOとしたり、LiCo1−wAl(ただし、0.5<w<1)としたりすることができる。
非水二次電池に係る正極は、例えば、正極活物質(前記正極材料)、導電助剤およびバインダなどを含有する正極合剤層を、集電体の片面または両面に有する構造のものが挙げられる。また、電池の形態によっては、正極活物質(前記正極材料)、導電助剤およびバインダなどを含有する正極合剤を成形したペレット(正極合剤ペレット)を正極として使用することもできる。
正極活物質には、前記正極材料のみを用いてもよいが、他の正極活物質を併用してもよい。前記正極材料と併用し得る他の正極活物質としては、リチウムイオン二次電池などの非水二次電池において、従来から使用されているもの(リチウムイオンを吸蔵放出し得るリチウム含有複合酸化物)が挙げられるが、電池の連続充電特性がより向上すると共に、前記正極材料による非水二次電池の高温下での貯蔵特性を損なわないことから、NiがLiに対して50モル%以上含むリチウム含有ニッケル層状酸化物を含有することが好ましい。充電状態で且つ高温下においても金属溶出が起こりにくく、それに伴う放電容量低下およびガス発生を抑制することが出来るからである。
リチウム含有ニッケル層状酸化物においては、より高温下における安定性を高めうることからNiおよびCoと、Mg、Mn、Ba、W、Ti、Zr、MoおよびAlよりなる群から選択される元素Mとを含有するニッケル酸リチウム(C)が好ましい。
ニッケル酸リチウム(C)は、Ni、Coおよび元素M、並びに、更に含有してもよい他の元素を纏めて元素群Mとしたときに、化学式Li1+z(−0.05≦z≦0.05)で表されるものであり、元素群Mの全原子数100mol%中のNi、Coおよび元素Mの量を、それぞれ、s(mol%)、t(mol%)およびu(mol%)で表したとき、50≦s≦97、0.5≦t≦25、0.5≦u≦25であることが好ましい。
ニッケル酸リチウム(C)は、Li含有化合物(水酸化リチウム、炭酸リチウムなど)、Ni含有化合物(硫酸ニッケルなど)、Co含有化合物(硫酸コバルト、酸化コバルトなど)、および元素Mを含有する化合物(酸化物、水酸化物、硫酸塩など)を混合し、この原料混合物を焼成するなどして製造することができる。なお、より高い純度でニッケル酸リチウム(C)を合成するには、Ni、Coおよび元素Mのうちの複数の元素を含む複合化合物(水酸化物、酸化物など)と、他の原料化合物(Li含有化合物など)とを混合し、この原料混合物を焼成することが好ましい。
ニッケル酸リチウム(C)を合成するための原料混合物の焼成条件も、コバルト酸リチウムの場合と同様に、例えば、800〜1050℃で1〜24時間とすることができるが、一旦焼成温度よりも低い温度(例えば、250〜850℃)まで加熱し、その温度で保持することにより予備加熱を行い、その後に焼成温度まで昇温して反応を進行させることが好ましい。予備加熱の時間については特に制限はないが、通常、0.5〜30時間程度とすればよい。また、焼成時の雰囲気は、酸素を含む雰囲気(すなわち、大気中)、不活性ガス(アルゴン、ヘリウム、窒素など)と酸素ガスとの混合雰囲気、酸素ガス雰囲気などとすることができるが、その際の酸素濃度(体積基準)は、15%以上であることが好ましく、18%以上であることが好ましい。
非水二次電池において、前記正極材料と他の正極活物質〔例えばNiがLiに対して50モル%以上含むリチウム含有ニッケル層状酸化物〕とを使用する場合には、前記正極材料と他の正極活物質との合計100質量%中の前記正極材料の量が、50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい(すなわち、前記正極材料と共に使用される他の正極活物質の量が、前記正極材料と他の正極活物質との合計100質量%中、50質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい)。なお、前記の通り、非水二次電池では、前記正極材料以外の正極活物質を使用せずに前記正極材料のみを用いてもよいため、前記正極材料と他の正極活物質との合計100質量%中の前記正極材料の量の好適上限値は、100質量%である。ただし、NiがLiに対して50モル%以上含むリチウム含有ニッケル層状酸化物の使用による電池の連続充電特性向上効果をより良好に確保するためには、前記正極材料とNiがLiに対して50モル%以上含むリチウム含有ニッケル層状酸化物との合計100質量%中のNiがLiに対して50モル%以上含むリチウム含有ニッケル層状酸化物の量が、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。
正極合剤層に係る導電助剤には、例えば、アセチレンブラック;ケッチェンブラック;チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック類;炭素繊維;などの炭素材料の他、金属繊維などの導電性繊維類;フッ化カーボン;銅、ニッケルなどの金属粉末類;ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料;などを用いることができる。
正極合剤層に係るバインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)などが挙げられる。
正極は、例えば、正極活物質、導電助剤およびバインダなどを含有する正極合剤を、溶剤(NMPなどの有機溶剤や水)に分散させて正極合剤含有組成物(ペースト、スラリーなど)を調製し、この正極合剤含有組成物を集電体の片面または両面などに塗布して乾燥し、必要に応じてプレス処理を施す工程を経て製造することができる。
また、前記正極合剤を用いて成形体を形成し、この成形体の片面の一部または全部を正極集電体と貼り合わせて正極としてもよい。正極合剤成形体と正極集電体との貼り合わせは、プレス処理などにより行うことができる。
正極の集電体としては、AlやAl合金などの金属の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、Al箔が好適に用いられる。正極集電体の厚みは、10〜30μmであることが好ましい。
正極合剤層の組成としては、例えば、正極活物質(前記正極材料を含む)を80.0〜99.8質量%とし、導電助剤を0.1〜10質量%とし、バインダを0.1〜10質量%とすることが好ましい。また、正極合剤層の厚みは、集電体の片面あたり、50〜300μmであることが好ましい。
正極の集電体には、常法に従って正極リード体を設けることができる。
前記負極と組み合わせる正極の容量比は、充電終了時の負極におけるLiとAlとの合計を100原子%としたときのLiの含有量が15〜48原子%となるように設定すればよく、更に、放電終了時に、負極にLi−Al合金のβ相が残存するように正極の容量比を設定することが望ましい。
本発明の非水電解液電池において、正極と負極とは、例えば、セパレータを介して重ねて構成した電極体、前記電極体を更に渦巻状に巻回して形成された巻回電極体、または複数の正極と複数の負極とを交互に積層した積層電極体の形態で使用される。
セパレータは、80℃以上(より好ましくは100℃以上)170℃以下(より好ましくは150℃以下)において、その孔が閉塞する性質(すなわちシャットダウン機能)を有していることが好ましく、通常の非水電解液二次電池などで使用されているセパレータ、例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン製の微多孔膜を用いることができる。セパレータを構成する微多孔膜は、例えば、PEのみを使用したものやPPのみを使用したものであってもよく、また、PE製の微多孔膜とPP製の微多孔膜との積層体であってもよい。セパレータの厚みは、例えば、10〜30μmであることが好ましい。
本発明の非水電解液電池は、例えば、積層電極体を外装体内に装填し、更に外装体内に非水電解液を注入して非水電解液中に電極体を浸漬させた後、外装体の開口部を封止することで製造される。外装体には、スチール製やアルミニウム製、アルミニウム合金製の外装缶や、金属を蒸着したラミネートフィルムで構成される外装体などを用いることができる。
本発明の非水電解液には、下記の非水系溶媒中に、リチウム塩を溶解させ、ニトリル化合物を含有する溶液を使用する。
ニトリル化合物を添加した非水電解液を使用することで、前記正極材料の表面にニトリル化合物が吸着して被膜を形成し、この被膜がCo溶出を抑制することから、特に高温環境下で貯蔵した際の電池の膨れを抑えることができる。
非水電解液に添加するニトリル化合物としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリル、アクリロニトリルなどのモノニトリル;マロノニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、1,4−ジシアノヘプタン、1,5−ジシアノペンタン(ピメロニトリル)、1,6−ジシアノヘキサン(スベロニトリル)、1,7−ジシアノヘプタン(アゼラオニトリル)、2,6−ジシアノヘプタン、1,8−ジシアノオクタン、2,7−ジシアノオクタン、1,9−ジシアノノナン、2,8−ジシアノノナン、1,10−ジシアノデカン、1,6−ジシアノデカン、2,4−ジメチルグルタロニトリルなどのジニトリル;ベンゾニトリルなどの環状ニトリル;メトキシアセトニトリルなどのアルコキシ置換ニトリル; などが挙げられ、これらのうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。これらのニトリル化合物の中でも、ジニトリルがより好ましく、アジポニトリル、ピメロニトリルおよびスベロニトリルが更に好ましい。
電池に使用する非水電解液における二トリル化合物の含有量は、これらの使用による前記の効果を良好に確保する観点から、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。ただし、非水電解液中のニトリル化合物の量が多すぎると、電池の低温での放電特性が低下する傾向にある。よって、非水電解液中のニトリル化合物の量をある程度制限して、電池の低温での放電特性をより良好にする観点からは、電池に使用する非水電解液中のニトリル化合物の含有量は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
非水電解液電池の非水電解液としては、ニトリル化合物を添加する以外に更に、リチウム塩としてLiBFを含有し、かつ有機溶媒としてプロピレンカーボネート(PC)を含有する非水電解液を使用するのが好ましい。このような非水電解液を使用すると、相乗的に高温貯蔵時の電池の膨れの抑制が可能になると共に、高温貯蔵を経た後の低温環境下(例えば−10℃以下)での放電を可能にすることができるようになるので好ましい。
有機溶媒として使用するPCは、特に非水電解液電池の低温での放電特性の確保に寄与する。例えば、非水電解液電池に係る非水電解液の有機溶媒にはエチレンカーボネートを使用することが多いが、PCはエチレンカーボネートよりも凝固点が低いため、より低温の環境下においても、電池の出力特性を高めることが可能となる。
非水電解液に係る有機溶媒には、PCと以外では、例えば、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどの鎖状カーボネート;プロピオン酸メチルなどの鎖状エステル;ラクトン環を有する化合物などの環状エステル;ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、1,3−ジオキソラン、ジグライム、トリグライム、テトラグライムなどの鎖状エーテル;ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリルなどのニトリル類;エチレングリコールサルファイトなどの亜硫酸エステル類;などが挙げられ、これらは2種以上混合して用いることもできる。より良好な特性の電池とするためには、PCと前記例示の鎖状カーボネートとの混合溶媒など、高い導電率を得ることができる組み合わせで用いることが望ましい。
非水電解液電池の低温での放電特性をより向上させる観点からは、有機溶媒として、PCと共にラクトン環を有する化合物を使用することが好ましい。
ラクトン環を有する化合物としては、γ−ブチロラクトンやα位に置換基を有するラクトン類などが挙げられる。
また、α位に置換基を有するラクトン類は、例えば5員環のもの(環を構成する炭素数が4つのもの)が好ましい。前記ラクトン類のα位の置換基は、1つであってもよく、2つであってもよい。
前記置換基としては、炭化水素基、ハロゲン基(フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基)などが挙げられる。炭化水素基としては、アルキル基、アリール基などが好ましく、その炭素数は1以上15以下(より好ましくは6以下)であることが好ましい。前記置換基が炭化水素基の場合、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基などが更に好ましい。
α位に置換基を有するラクトン類の具体例としては、α−メチル−γ−ブチロラクトン、α−エチル−γ−ブチロラクトン、α−プロピル−γ−ブチロラクトン、α−ブチル−γ−ブチロラクトン、α−フェニル−γ−ブチロラクトン、α−フルオロ−γ−ブチロラクトン、α−クロロ−γ−ブチロラクトン、α−ブロモ−γ−ブチロラクトン、α−ヨード−γ−ブチロラクトン、α,α−ジメチル−γ−ブチロラクトン、α,α−ジエチル−γ−ブチロラクトン、α,α−ジフェニル−γ−ブチロラクトン、α−エチル−α−メチル−γ−ブチロラクトン、α−メチル−α−フェニル−γ−ブチロラクトン、α,α−ジフルオロ−γ−ブチロラクトン、α,α−ジクロロ−γ−ブチロラクトン、α,α−ジブロモ−γ−ブチロラクトン、α,α−ジヨード−γ−ブチロラクトンなどが挙げられ、これらのうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、α−メチル−γ−ブチロラクトンがより好ましい。
非水電解液に使用する全有機溶媒中におけるPCの含有量は、その使用による前記の効果を良好に確保する観点から、10体積%以上であることが好ましく、30体積%以上であることがより好ましい。なお、前記の通り、非水電解液の有機溶媒はPCのみであってもよいことから、非水電解液に使用する全有機溶媒中の、PCの好適含有量の上限値は100体積%である。
なお、ラクトン環を有する化合物を使用する場合には、その使用による効果を良好に確保する観点から、非水電解液に使用する全有機溶媒中におけるラクトン環を有する化合物の含有量は、0.1質量%以上であることが好ましく、この好適値を満たし、かつ全有機溶媒中のPCの含有量が前記の好適値を満たす範囲内で使用することが望ましい。
非水電解液に係るリチウム塩には、耐熱性が高く、非水電解液電池の高温環境下での貯蔵特性を高め得ることに加えて、電池内で用いるアルミニウムの腐食を抑制する機能を有していることから、LiBFを使用すると好ましい。
非水電解液に係る他のリチウム塩としては、例えば、LiClO、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiCFSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiC2n+1SO3(n≧2)、LiN(RfOSO[ここでRfはフルオロアルキル基]などが挙げられる。
非水電解液中のリチウム塩の濃度は、0.6mol/l以上であることが好ましく、0.9mol/l以上であることがより好ましい。
なお、非水電解液中の全リチウム塩の濃度は、1.8mol/l以下であることが好ましく、1.6mol/l以下であることがより好ましい。よって、リチウム塩にLiBFのみを使用する場合には、その濃度が前記の好適上限値を満たす範囲で使用することが好ましい。他方、LiBFと共に他のリチウム塩を使用する場合には、LiBFの濃度が前記の好適下限値を満たしつつ、全リチウム塩の濃度が前記の好適上限値を満たす範囲で使用することが好ましい。
また、これらの非水電解液に電池の各種特性を更に向上させる目的で、ビニレンカーボネート類、1,3−プロパンサルトン、ジフェニルジスルフィド、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、フルオロベンゼン、t−ブチルベンゼンなどの添加剤を適宜加えることもできる。更に、非水電解液は、公知のポリマーなどのゲル化剤を用いてゲル状(ゲル状電解質)としてもよい。
なお、本発明の非水電解液電池は、正極容量規制で構成されるため、充電電気量の制御や、充電電圧の制御などにより、充電終了時期を検出することができることから、あらかじめ充電回路側に充電終了条件を設定しておくことが可能である。
よって、前記態様のいずれかの非水電解液電池と、充電回路とを有する非水電解液電池システムにおいて、前記Al活性層におけるLiとAlとの合計を100原子%としたときのLiの含有量が、充電終了時に、15〜48原子%となるような充電終了条件を設定しておくことで、非水電解液電池の貯蔵特性を良好に発揮させることができる。
組み立て後の電池は、満充電とした状態で比較的高温(例えば60℃)でエージング処理を施すことが好ましい。前記のエージング処理によって負極においてLi−Al合金の形成が進むため、電池の容量や負荷特性がより向上する。
本発明の非水電解液電池は、繰り返しの充電が可能であり、かつ貯蔵特性が良好であることから、こうした特性を生かして、車載用機器の電源用途のように、高温環境下で1か月といった長期間にわたって容量を良好に維持できることが求められる用途に好ましく適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
(実施例1)
<負極>
厚さ30μmのNi箔の両面に、それぞれ、厚さ30μmのAl箔を積層した25mm×40mmの大きさのクラッド材(積層金属箔)を負極前駆体として用いた。前記クラッド材の端部に、集電用のCu箔を超音波溶接し、更にそのCu箔の端部に、電池外部との導電接続のためのNiタブを超音波溶接したものを電池の組み立てに用いた。
<正極>
正極は、以下のようにして作製した。
Li含有化合物であるLiCOと、Co含有化合物であるCoと、Mg含有化合物であるMg(OH)と、Zr化合物であるZrOと、Al含有化合物であるAl(OH)とを適正な混合割合で乳鉢に入れて混合した後、ペレット状に固め、マッフル炉を用いて、大気雰囲気中(大気圧下)で、950℃で24時間焼成し、ICP(Inductive Coupled Plasma)法で求めた組成式がLiCo0.9795Mg0.011Zr0.0005Al0.009のコバルト酸リチウム(A1)を合成した。
次に、pHを10とし、温度を70℃とした水酸化リチウム水溶液:200g中に、前記コバルト酸リチウム(A1):10gを投入し、攪拌して分散させた後、ここにAl(NO・9HO:0.0154gと、pHの変動を抑えるためのアンモニア水とを、5時間かけて滴下して、Al(OH)共沈物を生成させ、前記コバルト酸リチウム(A1)の表面に付着させた。その後、この反応液からAl(OH)共沈物が付着した前記コバルト酸リチウム(A1)を取り出し、洗浄後、乾燥させた後に、大気雰囲気中で、400℃の温度で10時間熱処理することで、前記コバルト酸リチウム(A1)の表面にAl含有酸化物の被膜を形成して、正極材料(a1)を得た。
得られた正極材料(a1)について、前記の方法で平均粒子径を測定したところ、27μmであった。
Li含有化合物であるLiCOと、Co含有化合物であるCoと、Mg含有化合物であるMg(OH)と、Al含有化合物であるAl(OH)とを適正な混合割合で乳鉢に入れて混合した後、ペレット状に固め、マッフル炉を用いて、大気雰囲気中(大気圧下)で、950℃で4時間焼成し、ICP法で求めた組成式がLiCo0.97Mg0.012Al0.009のコバルト酸リチウム(B1)を合成した。
次に、pHを10とし、温度を70℃とした水酸化リチウム水溶液:200中gに、前記コバルト酸リチウム(B1):10gを投入し、攪拌して分散させた後、ここにAl(NO・9HO:0.077gと、pHの変動を抑えるためのアンモニア水とを、5時間かけて滴下して、Al(OH)共沈物を生成させ、前記コバルト酸リチウム(B1)の表面に付着させた。その後、この反応液からAl(OH)共沈物が付着した前記コバルト酸リチウム(B1)を取り出し、洗浄後、乾燥させた後に、大気雰囲気中で、400℃の温度で10時間熱処理することで、前記コバルト酸リチウム(B1)の表面にAl含有酸化物の被膜を形成して、正極材料(b1)を得た。
得られた正極材料(b1)について、前記の方法で平均粒子径を測定したところ、7μmであった。
そして、正極材料(a1)と正極材料(b1)とを、質量比で85:15の割合で混合して、電池作製用の正極材料(1)を得た。得られた正極材料(1)の表面のAl含有酸化物の平均被覆厚みを前記の方法で測定したところ、30nmであった。また、平均被覆厚みの測定の際に元素マッピングによって被膜の組成を確認したところ、主成分がAlであった。更に、正極材料(1)の体積基準の粒度分布を前記の方法で確認したところ、平均粒子径は25μmで、正極材料(a1)および正極材料(b1)の各平均粒子径の箇所にピークトップを有する2つのピークが認められた。また、正極材料(1)のBET比表面積を、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いて測定したところ、0.25m/gであった。
正極材料(1):97質量部と、導電助剤であるアセチレンブラック:1.5質量部と、バインダであるPVDF:1.5質量部とを、NMPに分散させたスラリーを調製し、これを厚さ12μmのAl箔の片面に塗布し、乾燥し、プレス処理を行うことにより、Al箔集電体の片面におよそ23mg/cmの質量の正極合剤層を形成した。なお、スラリーの塗布面の一部には正極合剤層を形成せず、Al箔が露出する箇所を設けた。次いで、前記Al箔集電体を20mm×45mmの大きさに切断し、前記Al箔が露出する箇所に、電池外部との導電接続のためのAlタブを超音波溶接することにより、集電体の片面に20mm×30mmの大きさの正極合剤層を有する正極を作製した。
前記Niタブを溶接した負極前駆体の両側に、厚さ16μmのPE製の微多孔フィルムよりなるセパレータを介して前記正極をそれぞれ積層し、一組の電極体を作製した。また、プロピレンカーボネート(PC)とエチルメチルカーボネート(EMC)との体積比1:2の混合溶媒に、LiBFを1mol/lの濃度で溶解させ、更にアジポニトリルを3質量%、γ−ブチロラクトン(GBL)を0.5質量%となる量で添加することで、非水電解液を調製した。前記電極体を真空中60℃で15時間乾燥させた後、前記非水電解液とともにラミネートフィルム外装体の中に封入することにより、定格容量が30mAhで、図2に示す外観を有し、図3に示す断面構造の非水電解液電池を作製した。
ここで、図2および図3について説明すると、図2は非水電解液電池を模式的に表す平面図であり、図3は、図2のI−I線断面図である。非水電解液電池1は、2枚のラミネートフィルムで構成したラミネートフィルム外装体2内に、正極5と負極6とをセパレータ7を介して積層して構成した積層電極体と、非水電解液(図示しない)とを収容しており、ラミネートフィルム外装体2は、その外周部において、上下のラミネートフィルムを熱融着することにより封止されている。なお、図3では、図面が煩雑になることを避けるために、ラミネートフィルム外装体2を構成している各層、並びに正極5および負極6の各層を区別して示していない。
正極5は、電池1内でリード体を介して正極外部端子3と接続しており、また、図示していないが、負極6も、電池1内でリード体を介して負極外部端子4と接続している。そして、正極外部端子3および負極外部端子4は、外部の機器などと接続可能なように、片端側がラミネートフィルム外装体2の外側に引き出されている。
(実施例2)
Al(OH)共沈物が付着したコバルト酸リチウム(A1)を取り出し、洗浄後、乾燥させた後に、大気雰囲気中で熱処理する際の温度を200℃に変更した以外は、実施例1と同様にして正極材料(a2)を作製した。得られた正極材料(a2)について、前記の方法で平均粒子径を測定したところ、27μmであった。
また、Al(OH)共沈物が付着したコバルト酸リチウム(B1)を取り出し、洗浄後、乾燥させた後に、大気雰囲気中で熱処理する際の温度を200℃に変更した以外は、実施例1と同様にして正極材料(b2)を作製した。得られた正極材料(b2)について、前記の方法で平均粒子径を測定したところ、7μmであった。
次に、正極材料(a2)と正極材料(b2)とを、質量比で85:15の割合で混合して、電池作製用の正極材料(2)を得た。得られた正極材料(2)の表面のAl含有酸化物の平均被覆厚みを前記の方法で測定したところ、30nmであった。また、平均被覆厚みの測定の際に元素マッピングによって被膜の組成を確認したところ、主成分がAlOOHであった。更に、正極材料(2)の体積基準の粒度分布を前記の方法で確認したところ、平均粒子径は25μmで、正極材料(a2)および正極材料(b2)の各平均粒子径の箇所にピークトップを有する2つのピークが認められた。また、正極材料(2)のBET比表面積を、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いて測定したところ、0.25m/gであった。
そして、正極材料(1)に代えて正極材料(2)を用いた以外は実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(実施例3)
Al(OH)共沈物が付着したコバルト酸リチウム(A1)を取り出し、洗浄後、乾燥させた後に、大気雰囲気中で熱処理する際の温度を700℃に変更した以外は、実施例1と同様にして正極材料(a3)を作製した。得られた正極材料(a3)について、前記の方法で平均粒子径を測定したところ、27μmであった。
また、Al(OH)共沈物が付着したコバルト酸リチウム(B1)を取り出し、洗浄後、乾燥させた後に、大気雰囲気中で熱処理する際の温度を700℃に変更した以外は、実施例1と同様にして正極材料(b3)を作製した。得られた正極材料(b3)について、前記の方法で平均粒子径を測定したところ、7μmであった。
次に、正極材料(a3)と正極材料(b3)とを、質量比で85:15の割合で混合して、電池作製用の正極材料(3)を得た。得られた正極材料(3)の表面のAl含有酸化物の平均被覆厚みを前記の方法で測定したところ、30nmであった。また、平均被覆厚みの測定の際に元素マッピングによって被膜の組成を確認したところ、主成分がLiAlOであった。更に、正極材料(3)の体積基準の粒度分布を前記の方法で確認したところ、平均粒子径は25μmで、正極材料(a3)および正極材料(b3)の各平均粒子径の箇所にピークトップを有する2つのピークが認められた。また、正極材料(3)のBET比表面積を、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いて測定したところ、0.25m/gであった。
そして、正極材料(1)に代えて正極材料(3)を用いた以外は実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(実施例4)
Al(NO・9HOの使用量を0.0026gに変更した以外は、正極材料(a1)と同じ方法で正極材料(a4)を作製した。得られた正極材料(a4)について、前記の方法で平均粒子径を測定したところ、27μmであった。
また、Al(NO・9HOの使用量を0.013gに変更した以外は、正極材料(b1)と同じ方法で正極材料(b4)を作製した。得られた正極材料(b4)について、前記の方法で平均粒子径を測定したところ、7μmであった。
次に、正極材料(a4)と正極材料(b4)とを、質量比で85:15の割合で混合して、電池作製用の正極材料(4)を得た。得られた正極材料(4)の表面のAl含有酸化物の平均被覆厚みを前記の方法で測定したところ、5nmであった。また、平均被覆厚みの測定の際に元素マッピングによって被膜の組成を確認したところ、主成分がAlであった。更に、正極材料(4)の体積基準の粒度分布を前記の方法で確認したところ、平均粒子径は25μmで、正極材料(a4)および正極材料(b4)の各平均粒子径の箇所にピークトップを有する2つのピークが認められた。また、正極材料(4)のBET比表面積を、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いて測定したところ、0.25m/gであった。
そして、正極材料(1)に代えて正極材料(4)を用いた以外は実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(実施例5)
Al(NO・9HOの使用量を0.0256gに変更した以外は、正極材料(a1)と同じ方法で正極材料(a5)を作製した。得られた正極材料(a5)について、前記の方法で平均粒子径を測定したところ、27μmであった。
また、Al(NO・9HOの使用量を0.128gに変更した以外は、正極材料(b1)と同じ方法で正極材料(b5)を作製した。得られた正極材料(b5)について、前記の方法で平均粒子径を測定したところ、7μmであった。
次に、正極材料(a5)と正極材料(b5)とを、質量比で85:15の割合で混合して、電池作製用の正極材料(5)を得た。得られた正極材料(5)の表面のAl含有酸化物の平均被覆厚みを前記の方法で測定したところ、50nmであった。また、平均被覆厚みの測定の際に元素マッピングによって被膜の組成を確認したところ、主成分がAlであった。更に、正極材料(5)の体積基準の粒度分布を前記の方法で確認したところ、平均粒子径は25μmで、正極材料(a5)および正極材料(b5)の各平均粒子径の箇所にピークトップを有する2つのピークが認められた。また、正極材料(5)のBET比表面積を、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いて測定したところ、0.25m/gであった。
そして、正極材料(1)に代えて正極材料(5)を用いた以外は実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(実施例6)
厚さ30μmのCu箔の両面に、それぞれ、厚さ30μmのAl箔を積層した25mm×40mmの大きさのクラッド材(積層金属箔)を負極前駆体として用いた。
この負極前駆体を用いた以外は実施例1と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(実施例7)
アジポニトリルの含有量を0.9質量%に変更した以外は実施例1と同様にして非水電解液を調製し、この非水電解液を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(実施例8)
スベロニトリルの含有量を3.0質量%に変更した以外は実施例1と同様にして非水電解液を調製し、この非水電解液を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(実施例9)
正極材料(a1)と正極材料(b1)とを、質量比で95:5の割合で混合して、電池作製用の正極材料(9)を得た。得られた正極材料(9)の表面のAl含有酸化物の平均被覆厚みを前記の方法で測定したところ、30nmであった。また、平均被覆厚みの測定の際に元素マッピングによって被膜の組成を確認したところ、主成分がAlであった。更に、正極材料(9)の体積基準の粒度分布を前記の方法で確認したところ、平均粒子径は25μmで、正極材料(a1)および正極材料(b1)の各平均粒子径の箇所にピークトップを有する2つのピークが認められた。また、正極材料(9)のBET比表面積を、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いて測定したところ、0.1m/gであった。
そして、正極材料(1)に代えて正極材料(9)を用いた以外は実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(実施例10)
正極材料(a1)と正極材料(b1)とを、質量比で70:30の割合で混合して、電池作製用の正極材料(10)を得た。得られた正極材料(10)の表面のAl含有酸化物の平均被覆厚みを前記の方法で測定したところ、30nmであった。また、平均被覆厚みの測定の際に元素マッピングによって被膜の組成を確認したところ、主成分がAlであった。更に、正極材料(10)の体積基準の粒度分布を前記の方法で確認したところ、平均粒子径は25μmで、正極材料(a1)および正極材料(b1)の各平均粒子径の箇所にピークトップを有する2つのピークが認められた。また、正極材料(10)のBET比表面積を、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いて測定したところ、0.4m/gであった。
そして、正極材料(1)に代えて正極材料(10)を用いた以外は実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(実施例11)
ペレット状に固めた原料混合物の焼成時間を48時間に変更した以外はコバルト酸リチウム(A1)と同じ方法で、コバルト酸リチウム(A2)を合成した。そして、コバルト酸リチウム(A1)に代えてコバルト酸リチウム(A2)を用いた以外は正極材料(a1)と同じ方法で、正極材料(a11)を作製した。得られた正極材料(a11)について、前記の方法で平均粒子径を測定したところ、40μmであった。
また、ペレット状に固めた原料混合物の焼成時間を2時間に変更した以外はコバルト酸リチウム(B1)と同じ方法で、コバルト酸リチウム(B2)を合成した。そして、コバルト酸リチウム(B1)に代えてコバルト酸リチウム(B2)を用いた以外は正極材料(b1)と同じ方法で、正極材料(b11)を作製した。得られた正極材料(b11)について、前記の方法で平均粒子径を測定したところ、1μmであった。
次に、正極材料(a11)と正極材料(b11)とを、質量比で85:15の割合で混合して、電池作製用の正極材料(11)を得た。得られた正極材料(11)の表面のAl含有酸化物の平均被覆厚みを前記の方法で測定したところ、30nmであった。また、平均被覆厚みの測定の際に元素マッピングによって被膜の組成を確認したところ、主成分がAlであった。更に、正極材料(11)の体積基準の粒度分布を前記の方法で確認したところ、平均粒子径は25μmで、正極材料(a11)および正極材料(b11)の各平均粒子径の箇所にピークトップを有する2つのピークが認められた。また、正極材料(11)のBET比表面積を、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いて測定したところ、0.25m/gであった。
そして、正極材料(1)に代えて正極材料(11)を用いた以外は実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(実施例12)
Al(OH)に代えてNi(OH)を用いた以外はコバルト酸リチウム(A1)と同様にして、ICP法で求めた組成式がLiCo0.9795Mg0.011Zr0.0005Ni0.009のコバルト酸リチウム(A3)を合成した。
そして、コバルト酸リチウム(A1)に代えてコバルト酸リチウム(A3)を用いた以外は正極材料(a1)と同じ方法で、正極材料(a12)を作製した。得られた正極材料(a12)について、前記の方法で平均粒子径を測定したところ、27μmであった。
次に、正極材料(a12)と正極材料(b1)とを、質量比で85:15の割合で混合して、電池作製用の正極材料(12)を得た。得られた正極材料(12)の表面のAl含有酸化物の平均被覆厚みを前記の方法で測定したところ、30nmであった。また、平均被覆厚みの測定の際に元素マッピングによって被膜の組成を確認したところ、主成分がAlであった。更に、正極材料(12)の体積基準の粒度分布を前記の方法で確認したところ、平均粒子径は25μmで、正極材料(a12)および正極材料(b1)の各平均粒子径の箇所にピークトップを有する2つのピークが認められた。また、正極材料(12)のBET比表面積を、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いて測定したところ、0.25m/gであった。
そして、正極材料(1)に代えて正極材料(12)を用いた以外は実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(実施例13)
Al(OH)に代えてMn(OH)を用いた以外はコバルト酸リチウム(A1)と同様にして、ICP法で求めた組成式がLiCo0.9795Mg0.011Zr0.0005Mn0.009のコバルト酸リチウム(A4)を合成した。
そして、コバルト酸リチウム(A1)に代えてコバルト酸リチウム(A4)を用いた以外は正極材料(a1)と同じ方法で、正極材料(a13)を作製した。得られた正極材料(a13)について、前記の方法で平均粒子径を測定したところ、27μmであった。
次に、正極材料(a13)と正極材料(b1)とを、質量比で85:15の割合で混合して、電池作製用の正極材料(13)を得た。得られた正極材料(13)の表面のAl含有酸化物の平均被覆厚みを前記の方法で測定したところ、30nmであった。また、平均被覆厚みの測定の際に元素マッピングによって被膜の組成を確認したところ、主成分がAlであった。更に、正極材料(13)の体積基準の粒度分布を前記の方法で確認したところ、平均粒子径は25μmで、正極材料(a13)および正極材料(b1)の各平均粒子径の箇所にピークトップを有する2つのピークが認められた。また、正極材料(13)のBET比表面積を、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いて測定したところ、0.25m/gであった。
そして、正極材料(1)に代えて正極材料(13)を用いた以外は実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(実施例14)
Al(OH)に代えてTiOSO・HOを用いた以外はコバルト酸リチウム(A1)と同様にして、ICP法で求めた組成式がLiCo0.9795Mg0.011Zr0.0005Ti0.009のコバルト酸リチウム(A5)を合成した。
そして、コバルト酸リチウム(A1)に代えてコバルト酸リチウム(A5)を用いた以外は正極材料(a1)と同じ方法で、正極材料(a14)を作製した。得られた正極材料(a14)について、前記の方法で平均粒子径を測定したところ、27μmであった。
次に、正極材料(a14)と正極材料(b1)とを、質量比で85:15の割合で混合して、電池作製用の正極材料(14)を得た。得られた正極材料(14)の表面のAl含有酸化物の平均被覆厚みを前記の方法で測定したところ、30nmであった。また、平均被覆厚みの測定の際に元素マッピングによって被膜の組成を確認したところ、主成分がAlであった。更に、正極材料(14)の体積基準の粒度分布を前記の方法で確認したところ、平均粒子径は25μmで、正極材料(a14)および正極材料(b1)の各平均粒子径の箇所にピークトップを有する2つのピークが認められた。また、正極材料(14)のBET比表面積を、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いて測定したところ、0.25m/gであった。
そして、正極材料(1)に代えて正極材料(14)を用いた以外は実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(実施例15)
コバルト酸リチウム(A1)に代えて、ICPにより求めた組成式がLiCo0.9798Mg0.011Zr0.0002Al0.009のコバルト酸リチウム(A6)を用いた以外は、正極材料(a1)と同じ方法で正極材料(a15)を作製した。得られた正極材料(a15)について、前記の方法で平均粒子径を測定したところ、27μmであった。
次に、正極材料(a15)と正極材料(b1)とを、質量比で85:15の割合で混合して、電池作製用の正極材料(15)を得た。また、正極材料(15)の表面のAl含有酸化物の平均被覆厚みを前記の方法で測定したところ、30nmであった。また、平均被覆厚みの測定の際に元素マッピングによって被膜の組成を確認したところ、主成分がAlであった。更に、正極材料(15)の体積基準の粒度分布を前記の方法で確認したところ、平均粒子径は25μmで、正極材料(a15)および正極材料(b1)の各平均粒子径の箇所にピークトップを有する2つのピークが認められた。また、正極材料(15)のBET比表面積を、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いて測定したところ、0.25m/gであった。
そして、正極材料(1)に代えて正極材料(15)を用いた以外は実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(実施例16)
コバルト酸リチウム(A1)に代えて、ICPにより求めた組成式がLiCo0.9750Mg0.011Zr0.0050Al0.009のコバルト酸リチウム(A7)を用いた以外は、正極材料(a1)と同じ方法で正極材料(a16)を作製した。
次に、正極材料(a16)と正極材料(b1)とを、質量比で85:15の割合で混合して、電池作製用の正極材料(16)を得た。また、正極材料(16)の表面のAl含有酸化物の平均被覆厚みを前記の方法で測定したところ、30nmであった。また、平均被覆厚みの測定の際に元素マッピングによって被膜の組成を確認したところ、主成分がAlであった。更に、正極材料(16)の体積基準の粒度分布を前記の方法で確認したところ、平均粒子径は25μmで、正極材料(a16)および正極材料(b1)の各平均粒子径の箇所にピークトップを有する2つのピークが認められた。また、正極材料(16)のBET比表面積を、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いて測定したところ、0.25m/gであった。
そして、正極材料(1)に代えて正極材料(16)を用いた以外は実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(実施例17)
正極材料(1)とLiNi0.80Co0.15Al0.052とを、質量比で50:50の割合で混合したもの:97質量部と、導電助剤であるアセチレンブラック:1.5質量部と、バインダであるPVDF:1.5質量部とを、NMPに分散させたスラリーを用いた以外は実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(実施例18)
コバルト酸リチウム(A1)に代えて、ICPで求めた組成式がLiCo0.9799Mg0.011Zr0.0001Al0.009のコバルト酸リチウム(A8)を用いた以外は、正極材料(a1)と同じ方法で正極材料(a18)を作製した。得られた正極材料(a18)について、前記の方法で平均粒子径を測定したところ、27μmであった。
また、コバルト酸リチウム(A8)と同じ組成であり、かつコバルト酸リチウム(A8)よりも平均粒子径が小さいコバルト酸リチウム(B3)を用いた以外は、正極材料(a18)と同じ方法で正極材料(b18)を作製した。得られた正極材料(b18)について、前記の方法で平均粒子径を測定したところ、7μmであった。
次に、正極材料(a18)と正極材料(b18)とを、質量比で85:15の割合で混合して、電池作製用の正極材料(18)を得た。また、正極材料(18)の表面のAl含有酸化物の平均被覆厚みを前記の方法で測定したところ、30nmであった。また、平均被覆厚みの測定の際に元素マッピングによって被膜の組成を確認したところ、主成分がAlであった。更に、正極材料(18)の体積基準の粒度分布を前記の方法で確認したところ、平均粒子径は25μmで、正極材料(a18)および正極材料(b18)の各平均粒子径の箇所にピークトップを有する2つのピークが認められた。また、正極材料(18)のBET比表面積を、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いて測定したところ、0.25m/gであった。
そして、正極材料(1)に代えて正極材料(18)を用いた以外は実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(実施例19)
コバルト酸リチウム(A1)に代えて、ICPにより求めた組成式がLiCo0.970Mg0.011Zr0.010Al0.009のコバルト酸リチウム(A9)を用いた以外は、正極材料(a1)と同じ方法で正極材料(a19)を作製した。
次に、正極材料(a19)と正極材料(b1)とを、質量比で85:15の割合で混合して、電池作製用の正極材料(19)を得た。また、正極材料(19)の表面のAl含有酸化物の平均被覆厚みを前記の方法で測定したところ、30nmであった。また、平均被覆厚みの測定の際に元素マッピングによって被膜の組成を確認したところ、主成分がAlであった。更に、正極材料(19)の体積基準の粒度分布を前記の方法で確認したところ、平均粒子径は25μmで、正極材料(a19)および正極材料(b1)の各平均粒子径の箇所にピークトップを有する2つのピークが認められた。また、正極材料(19)のBET比表面積を、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いて測定したところ、0.25m/gであった。
そして、正極材料(1)に代えて正極材料(19)を用いた以外は実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(実施例20)
ペレット状に固めた原料混合物の焼成時間を13時間に変更した以外はコバルト酸リチウム(B1)と同じ方法で、コバルト酸リチウム(B4)を合成した。そして、コバルト酸リチウム(B1)に代えてコバルト酸リチウム(B4)を用いた以外は正極材料(b1)と同じ方法で、正極材料(b20)を作製した。得られた正極材料(b20)について、前記の方法で平均粒子径を測定したところ、16μmであった。
次に、正極材料(a11)と正極材料(b20)とを、質量比で85:15の割合で混合して、電池作製用の正極材料(20)を得た。得られた正極材料(20)の表面のAl含有酸化物の平均被覆厚みを前記の方法で測定したところ、30nmであった。また、平均被覆厚みの測定の際に元素マッピングによって被膜の組成を確認したところ、主成分がAlであった。更に、正極材料(20)の体積基準の粒度分布を前記の方法で確認したところ、平均粒子径は32μmで、正極材料(a11)および正極材料(b20)の各平均粒子径の箇所にピークトップを有する2つのピークが認められた。また、正極材料(20)のBET比表面積を、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いて測定したところ、0.25m/gであった。
そして、正極材料(1)に代えて正極材料(20)を用いた以外は実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(実施例21)
ペレット状に固めた原料混合物の焼成時間を11時間に変更した以外はコバルト酸リチウム(A1)と同じ方法で、コバルト酸リチウム(A10)を合成した。そして、コバルト酸リチウム(A1)に代えてコバルト酸リチウム(A10)を用いた以外は正極材料(a1)と同じ方法で、正極材料(a21)を作製した。得られた正極材料(a21)について、前記の方法で平均粒子径を測定したところ、14μmであった。
次に、正極材料(a21)と正極材料(b11)とを、質量比で85:15の割合で混合して、電池作製用の正極材料(21)を得た。得られた正極材料(21)の表面のAl含有酸化物の平均被覆厚みを前記の方法で測定したところ、30nmであった。また、平均被覆厚みの測定の際に元素マッピングによって被膜の組成を確認したところ、主成分がAlであった。更に、正極材料(21)の体積基準の粒度分布を前記の方法で確認したところ、平均粒子径は11μmで、正極材料(a21)および正極材料(b11)の各平均粒子径の箇所にピークトップを有する2つのピークが認められた。また、正極材料(21)のBET比表面積を、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いて測定したところ、0.38m/gであった。
そして、正極材料(1)に代えて正極材料(21)を用いた以外は実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(実施例22)
正極材料(a11)と正極材料(b20)とを、質量比で95:5の割合で混合して、電池作製用の正極材料(22)を得た。得られた正極材料(22)の表面のAl含有酸化物の平均被覆厚みを前記の方法で測定したところ、30nmであった。また、平均被覆厚みの測定の際に元素マッピングによって被膜の組成を確認したところ、主成分がAlであった。更に、正極材料(22)の体積基準の粒度分布を前記の方法で確認したところ、平均粒子径は25μmで、正極材料(a11)および正極材料(b20)の各平均粒子径の箇所にピークトップを有する2つのピークが認められた。また、正極材料(22)のBET比表面積を、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いて測定したところ、0.05m/gであった。
そして、正極材料(1)に代えて正極材料(22)を用いた以外は実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(実施例23)
正極材料(a1)と正極材料(b1)とを、質量比で15:85の割合で混合して、電池作製用の正極材料(23)を得た。得られた正極材料(23)の表面のAl含有酸化物の平均被覆厚みを前記の方法で測定したところ、30nmであった。また、平均被覆厚みの測定の際に元素マッピングによって被膜の組成を確認したところ、主成分がAlであった。更に、正極材料(23)の体積基準の粒度分布を前記の方法で確認したところ、平均粒子径は25μmで、正極材料(a1)および正極材料(b1)の各平均粒子径の箇所にピークトップを有する2つのピークが認められた。また、正極材料(23)のBET比表面積を、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いて測定したところ、0.5m/gであった。
そして、正極材料(1)に代えて正極材料(23)を用いた以外は実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(実施例24)
ペレット状に固めた原料混合物の焼成時間を22時間に変更した以外はコバルト酸リチウム(A1)と同じ方法で、コバルト酸リチウム(A11)を合成した。そして、コバルト酸リチウム(A1)に代えてコバルト酸リチウム(A11)を用いた以外は正極材料(a1)と同じ方法で、正極材料(a24)を作製した。
得られた正極材料(a24)について、前記の方法で平均粒子径を測定したところ、25μmであった。また、正極材料(a24)の表面のAl含有酸化物の平均被覆厚みを前記の方法で測定したところ、30nmであった。更に、平均被覆厚みの測定の際に元素マッピングによって被膜の組成を確認したところ、主成分がAlであった。また、正極材料(a24)の体積基準の粒度分布を前記の方法で確認したところ、1つのピークのみが認められた。更に、正極材料(c5)のBET比表面積を、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いて測定したところ、0.25m/gであった。
そして、正極材料(1)に代えて正極材料(a24)を用いた以外は実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(実施例25)
ペレット状に固めた原料混合物の焼成時間を60時間に変更した以外はコバルト酸リチウム(A1)と同じ方法で、コバルト酸リチウム(A12)を合成した。そして、コバルト酸リチウム(A1)に代えてコバルト酸リチウム(A12)を用いた以外は正極材料(a1)と同じ方法で、正極材料(a25)を作製した。得られた正極材料(a25)について、前記の方法で平均粒子径を測定したところ、50μmであった。
次に、正極材料(a25)と正極材料(b1)とを、質量比で85:15の割合で混合して、電池作製用の正極材料(25)を得た。得られた正極材料(25)の表面のAl含有酸化物の平均被覆厚みを前記の方法で測定したところ、30nmであった。また、平均被覆厚みの測定の際に元素マッピングによって被膜の組成を確認したところ、主成分がAlであった。更に、正極材料(25)の体積基準の粒度分布を前記の方法で確認したところ、平均粒子径は40μmで、正極材料(a25)および正極材料(b1)の各平均粒子径の箇所にピークトップを有する2つのピークが認められた。また、正極材料(25)のBET比表面積を、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いて測定したところ、0.25m/gであった。
そして、正極材料(1)に代えて正極材料(25)を用いた以外は実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(実施例26)
ペレット状に固めた原料混合物の焼成時間を1時間に変更した以外はコバルト酸リチウム(B1)と同じ方法で、コバルト酸リチウム(B5)を合成した。そして、コバルト酸リチウム(B1)に代えてコバルト酸リチウム(B5)を用いた以外は正極材料(b1)と同じ方法で、正極材料(b26)を作製した。得られた正極材料(b26)について、前記の方法で平均粒子径を測定したところ、0.5μmであった。
次に、正極材料(a1)と正極材料(b26)とを、質量比で85:15の割合で混合して、電池作製用の正極材料(26)を得た。得られた正極材料(26)の表面のAl含有酸化物の平均被覆厚みを前記の方法で測定したところ、30nmであった。また、平均被覆厚みの測定の際に元素マッピングによって被膜の組成を確認したところ、主成分がAlであった。更に、正極材料(26)の体積基準の粒度分布を前記の方法で確認したところ、平均粒子径は19μmで、正極材料(a1)および正極材料(b26)の各平均粒子径の箇所にピークトップを有する2つのピークが認められた。また、正極材料(26)のBET比表面積を、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いて測定したところ、0.25m/gであった。
そして、正極材料(1)に代えて正極材料(26)を用いた以外は実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(実施例27)
ZrOを使用しなかった以外はコバルト酸リチウム(A1)と同じ方法で、ICP法で求めた組成式がLiCo0.9881Mg0.011Al0.0009のコバルト酸リチウム(A13)を合成した。
そして、コバルト酸リチウム(A1)に代えてコバルト酸リチウム(A13)を用いた以外は、正極材料(a1)と同じ方法で正極材料(a27)を作製した。得られた正極材料(a27)について、前記の方法で平均粒子径を測定したところ、27μmであった。
次に、正極材料(a27)と正極材料(b1)とを、質量比で85:15の割合で混合して、電池作製用の正極材料(27)を得た。得られた正極材料(27)の表面のAl含有酸化物の平均被覆厚みを前記の方法で測定したところ、30nmであった。また、平均被覆厚みの測定の際に元素マッピングによって被膜の組成を確認したところ、主成分がAlであった。更に、正極材料(27)の体積基準の粒度分布を前記の方法で確認したところ、平均粒子径は25μmで、正極材料(a27)および正極材料(b1)の各平均粒子径の箇所にピークトップを有する2つのピークが認められた。また、正極材料(27)のBET比表面積を、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いて測定したところ、0.25m/gであった。
そして、正極材料(1)に代えて正極材料(27)を用いた以外は実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(実施例28)
Al(OH)を使用しなかった以外はコバルト酸リチウム(A1)と同じ方法で、ICP法で求めた組成式がLiCo0.9885Mg0.011Zr0.0005のコバルト酸リチウム(A14)を合成した。
そして、コバルト酸リチウム(A1)に代えてコバルト酸リチウム(A14)を用いた以外は、正極材料(a1)と同じ方法で正極材料(a28)を作製した。得られた正極材料(a28)について、前記の方法で平均粒子径を測定したところ、27μmであった。
次に、正極材料(a28)と正極材料(b1)とを、質量比で85:15の割合で混合して、電池作製用の正極材料(28)を得た。得られた正極材料(28)の表面のAl含有酸化物の平均被覆厚みを前記の方法で測定したところ、30nmであった。また、平均被覆厚みの測定の際に元素マッピングによって被膜の組成を確認したところ、主成分がAlであった。更に、正極材料(28)の体積基準の粒度分布を前記の方法で確認したところ、平均粒子径は25μmで、正極材料(a28)および正極材料(b1)の各平均粒子径の箇所にピークトップを有する2つのピークが認められた。また、正極材料(28)のBET比表面積を、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いて測定したところ、0.25m/gであった。
そして、正極材料(1)に代えて正極材料(28)を用いた以外は実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(実施例29)
正極材料(1)とLiNi0.80Co0.15Al0.052とを、質量比で20:80の割合で混合したもの:97質量部と、導電助剤であるアセチレンブラック:1.5質量部と、バインダであるPVDF:1.5質量部とを、NMPに分散させたスラリーを用いた以外は実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(実施例30)
LiBFに代えてLiPFを用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液を調製し、この非水電解液を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(実施例31)
エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)との体積比1:2の混合溶媒に、LiBFを1mol/lの濃度で溶解させ、更にアジポニトリルを3質量%、γ−ブチロラクトン(GBL)を0.5質量%となる量で添加することで、非水電解液を調製した。この非水電解液を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(実施例32)
プロピレンカーボネート(PC)とエチルメチルカーボネート(EMC)との体積比1:2の混合溶媒に、LiBFを1mol/lの濃度で溶解させ、更にアジポニトリルを3質量%となる量で添加することで、非水電解液を調製した。この非水電解液を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(実施例33)
厚さ35μmのNi箔の両面に、それぞれ、厚さ30μmのAl箔を積層した25mm×40mmの大きさのクラッド材(積層金属箔)を負極前駆体として用いた。この負極前駆体を用いた以外は実施例1と同様にして、負極を作製した。この負極を用いた以外は、実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(比較例1)
Al含有酸化物による被覆を行わなかった以外は正極材料(a1)と同様にして正極材料(c1)を作製した。また、Al含有酸化物による被覆を行わなかった以外は正極材料(b1)と同様にして正極材料(d1)を作製した。正極材料(c1)および正極材料(d1)の平均粒子径は、それぞれ、27μm、7μmであった。
次に、正極材料(c1)と正極材料(d1)とを、質量比で85:15の割合で混合して、電池作製用の正極材料(101)を得た。得られた正極材料(101)の体積基準の粒度分布を前記の方法で確認したところ、平均粒子径は25μmで、正極材料(c1)および正極材料(d1)の各平均粒子径の箇所にピークトップを有する2つのピークが認められた。また、正極材料(101)のBET比表面積を、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いて測定したところ、0.25m/gであった。
そして、正極材料(1)に代えて正極材料(18)を用いた以外は実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(比較例2)
Al(NO・9HOの使用量を0.0308gに変更した以外は、正極材料(a1)と同じ方法で正極材料(c2)を作製した。得られた正極材料(c2)について、前記の方法で平均粒子径を測定したところ、27μmであった。
また、Al(NO・9HOの使用量を0.154gに変更した以外は、正極材料(b1)と同じ方法で正極材料(d2)を作製した。得られた正極材料(d2)について、前記の方法で平均粒子径を測定したところ、7μmであった。
次に、正極材料(c2)と正極材料(d2)とを、質量比で85:15の割合で混合して、電池作製用の正極材料(102)を得た。得られた正極材料(102)の表面のAl含有酸化物の平均被覆厚みを前記の方法で測定したところ、60nmであった。また、平均被覆厚みの測定の際に元素マッピングによって被膜の組成を確認したところ、主成分がAlであった。更に、正極材料(102)の体積基準の粒度分布を前記の方法で確認したところ、平均粒子径は25μmで、正極材料(c2)および正極材料(d2)の各平均粒子径の箇所にピークトップを有する2つのピークが認められた。また、正極材料(102)のBET比表面積を、窒素吸着法による比表面積測定装置を用いて測定したところ、0.25m/gであった。
そして、正極材料(1)に代えて正極材料(102)を用いた以外は実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は実施例1と同様にして角形非水二次電池を作製した。
(比較例3)
プロピレンカーボネート(PC)とエチルメチルカーボネート(EMC)との体積比1:2の混合溶媒に、LiBFを1mol/lの濃度で溶解させ、更にγ−ブチロラクトン(GBL)を0.5質量%となる量で添加することで、非水電解液を調製し、この非水電解液を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
(比較例4)
厚さ50μmのNi箔の両面に、それぞれ、厚さ30μmのAl箔を積層した25mm×40mmの大きさのクラッド材(積層金属箔)を負極前駆体として用いた。この負極前駆体を用いた以外は実施例1と同様にして、負極を作製した。この負極を用いた以外は、実施例1と同様にして非水電解液電池を作製した。
<高温貯蔵前の低温放電特性>
実施例および比較例の各電池について、定電流(6mA)−定電圧(4.0V)充電を行い、充電電流が0.3mAまで低下した時点で充電を終止した。更に、前記充電条件で充電を行って電池を満充電状態とした。
その後、−20℃の低温環境下において、定電流45mAで2.0Vとなるまで放電を行った。この時の放電に要した時間を求めた。
<高温貯蔵特性>
実施例および比較例の各電池(高温貯蔵前低温放電評価に用いたもの)について、定電流(6mA)−定電圧(4.0V)充電を行い、充電電流が0.3mAまで低下した時点で充電を終止した。更に、前記充電条件で充電を行って電池を満充電状態とした。
この満充電状態の各電池を細い絹糸でぶら下げ、純水の中に電池が完全に水面下に沈むまで水没させて水中での重量を測定した。
満充電状態とした各電池を、85℃で30日間貯蔵した後、室温まで冷却してから、先と同様にして水中での重量を測定し、貯蔵前の重量との差から貯蔵前後での電池の体積差を算出し、この体積差をガスの発生量とした。
<高温貯蔵後の低温放電特性>
実施例および比較例の各電池(高温貯蔵前低温放電評価後、更に高温貯蔵特性を評価したもの)を、前述の高温貯蔵特性評価と同様の手順で、満充電後の各電池を85℃30日間貯蔵した。
その後、室温まで冷却してから−20℃の低温環境下において定電流45mAで2.0Vとなるまで放電を行った。この時の放電に要した時間を求めた。
<体積エネルギー密度>
実施例1、実施例33、比較例4の各電池について、電池を組み立てる前に20mm×30mmの大きさの正極合剤層に対向する部分の正極と負極の寸法(厚み)を測定して、外装体内に封入される当該部分の正極と負極の合計体積を求め、定格容量を合計体積で除して体積エネルギー密度を求めた。
各電池の構成を表1に、実施例1〜32、比較例1〜3の貯蔵特性、低温放電特性の評価結果を表2に、実施例1、実施例33、比較例4の貯蔵特性、低温放電特性の評価結果および体積エネルギー密度の評価結果を表3に示す。



















Figure 2017162554





Figure 2017162554








Figure 2017162554
実施例1〜33の評価結果から、コバルト酸リチウムの粒子の表面がAl含有酸化物で被覆されてなる正極材料を含み、前記Al含有酸化物の平均被覆厚みが5〜50nmであり、負極は、Liと合金化しない金属基材層と、前記金属基材層の両面にそれぞれ接合されたAl活性層とを含有する積層体を有し、前記金属基材層の厚みは35μm以下であり、前記Al活性層の少なくとも表面側には、Li−Al合金が形成されている非水電解液電池を用いれば、高温環境下での貯蔵特性が良好で、経年劣化とほぼ同じ状態にしても低温環境下における負荷特性が良好であることがわかる。
また、実施例1と実施例33から、負極の金属基材層の厚みが35μm以下であると、低温環境下における負荷特性が良好で、且つ体積エネルギー密度も高い非水電解液電池とすることが出来る。更に、比較例4と実施例33を比較すると、いずれも低温環境下の負荷特性は良好であるが、負極の金属基材厚みを大きくしたところで負荷特性の向上には寄与せず、体積エネルギー密度は下がることがわかる。
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、前記以外の形態としても実施が可能である。本出願に開示された実施形態は一例であって、本発明は、これらの実施形態には限定されない。本発明の範囲は、前記の明細書の記載よりも、添付されている請求の範囲の記載を優先して解釈され、請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更は、請求の範囲に含まれる。
本発明の非水電解液電池は、高温環境下での貯蔵特性が良好で、低温環境下における負荷特性が良好あることから、こうした特性を生かして、車載用機器の電源用途のように、あらゆる温度環境下での使用が求められる用途に好ましく適用することができる。
1 非水電解液電池
2 ラミネートフィルム外装体
5 正極
6 負極
7 セパレータ
100 負極前駆体
101 積層金属箔
101a 金属基材層
101b Al金属層
102 Li箔
103 Al活性層

Claims (10)

  1. 正極と負極がセパレータを介して重ねられた電極体と非水電解液とを有する非水電解液電池であって、
    前記正極は、コバルト酸リチウムの粒子の表面がAl含有酸化物で被覆されてなる正極材料を含み、
    前記Al含有酸化物の平均被覆厚みが5〜50nmであり、
    前記負極は、Liと合金化しない金属基材層と、前記金属基材層の両面にそれぞれ接合されたAl活性層とを含有する積層体を有し、
    前記金属基材層の厚みは35μm以下であり、
    前記Al活性層の少なくとも表面側には、Li−Al合金が形成されており、
    前記非水電解液は、ニトリル化合物が添加されていることを特徴とする非水電解液電池。
  2. 前記正極材料は、少なくとも、平均粒子径が1〜40μmである正極材料(a)と、平均粒子径が1〜40μmであり、かつ前記正極材料(a)よりも平均粒子径が小さい正極材料(b)とを含んでいる請求項1に記載の非水二次電池。
  3. 前記正極材料の比表面積は0.1〜0.4m/gである請求項1または2に記載の非水二次電池。
  4. 前記正極材料(a)が含有する正極活物質は、Co、MgおよびZrと、Ni、Mn、TiおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種の元素M1とを少なくとも含有するコバルト酸リチウム(A)であり、
    前記正極材料(b)が含有する正極活物質は、CoおよびMgと、Ni、Mn、TiおよびAlよりなる群から選択される少なくとも1種の元素M2とを少なくとも含有するコバルト酸リチウム(B)である請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解液電池。
  5. 前記コバルト酸リチウム(A)におけるZrとCoとの原子比Zr/Coが、0.0002〜0.005である請求項1〜4のいずれかに記載の非水電解液電池。
  6. 前記正極材料は、体積基準の粒度分布において、1〜15μmの粒径範囲内に1つ以上のピークを有し、かつ15〜40μmの粒径範囲内に1つ以上のピークを有しており、
    前記15〜40μmの粒径範囲内に存在するピークのうちの少なくとも1つのピークトップの粒径が、前記1〜15μmの粒径範囲内に存在するピークのうちの少なくとも1つのピークトップの粒径よりも大きい請求項1〜5のいずれかに記載の非水電解液電池。
  7. 前記正極は、一般組成式Li1+xNi1−y−z (MはCo、Mn、Al、Mg、Zr、Mo、Ti、Ba、WおよびErのうち少なくとも一種以上の元素を含み、MはLi、NiおよびM以外の元素であり、−0.1≦x≦0.1、0≦y≦0.5、0≦z≦0.05)であるリチウム含有ニッケル層状酸化物を50質量%以内で、前記正極材料と共に用いたものである請求項1〜6のいずれかに記載の非水電解液電池。
  8. 前記非水電解液は、前記リチウム塩としてLiBFを含有し、前記有機溶媒としてプロピレンカーボネートを含有しており、かつラクトン環を有する化合物を更に含有している請求項1〜7のいずれかに記載の非水電解液電池。
  9. 前記非水電解液は、前記ニトリル化合物としてスベロニトリル、ピメロニトリル、およびアジポニトリルの群から選ばれる少なくとも一種が添加されている請求項1〜8のいずれかに記載の非水電解液電池。
  10. 前記非水電解液として、前記ニトリル化合物の含有量が0.1〜10質量%のものを使用した請求項1〜9のいずれかのいずれかに記載の非水電解液電池。
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