JP2017160299A - 熱硬化性樹脂溶解液 - Google Patents
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Abstract
【課題】量産プロセスに適した、熱硬化性樹脂溶解液を提供する。【解決手段】(1)アルコール溶媒と、アルカリ金属水溶液とを含む熱硬化性樹脂溶解液。(2)アルコール溶媒が、沸点を150℃以上とする項(1)に記載の熱硬化性樹脂溶解液。(3)アルコール溶媒が、モノアルコールである項(1)に記載の熱硬化性樹脂溶解液。(4)アルカリ金属水溶液が、アルカリ金属水酸化物の水溶液である項(1)〜(3)の何れか1項に記載の熱硬化性樹脂溶解液。(5)熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂である項(1)〜(4)の何れか1項に記載の熱硬化性樹脂溶解液。(6)溶解液全量に対し、水分が0.5質量%以下である項(1)〜(5)の何れか1項に記載の熱硬化性樹脂溶解液。【選択図】 なし
Description
本発明は、熱硬化性樹脂溶解液に関する。
ガラス繊維等の繊維を強化材として用いた繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics;FRP)は、軽量、高強度、かつ高弾性の材料であり、小型船舶、自動車、鉄道車両等の部材に幅広く使用されている。また、更なる軽量化、高強度化、及び高弾性化を目的として、炭素繊維を強化材として用いた炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics;CFRP)が開発されており、航空機、自動車等の部材に使用されている。
CFRPは、例えば、炭素繊維基材に熱硬化性樹脂組成物を含浸させて加熱することによりプリプレグを得た後、プリプレグをオートクレーブ内で加圧しながら焼成することにより製造される。
最終的な形状のCFRPを製造する過程では、プリプレグ及びCFRPの端材が大量に生じる。また、CFRPを用いた部材を廃棄する際にも、CFRPの廃材が大量に生じる。そこで、CFRP又はプリプレグから炭素繊維を回収し、リサイクルに供することが望まれている。
CFRP又はプリプレグから炭素繊維を回収するには、熱硬化性樹脂の硬化物を除去する必要がある。従来、熱硬化性樹脂の硬化物を除去する処理方法としては、
1)500℃〜700℃程度の高温で燃焼して熱硬化性樹脂の硬化物を熱分解する方法、2)処理液を用いて熱硬化性樹脂の硬化物を分解(解重合)及び溶解する方法、等が知られている。
特に、上記2)の処理方法は、炭素繊維の損傷が少ない等の利点があり、種々の処理方法が提案されている。
1)500℃〜700℃程度の高温で燃焼して熱硬化性樹脂の硬化物を熱分解する方法、2)処理液を用いて熱硬化性樹脂の硬化物を分解(解重合)及び溶解する方法、等が知られている。
特に、上記2)の処理方法は、炭素繊維の損傷が少ない等の利点があり、種々の処理方法が提案されている。
例えば、特開2001−172426号公報には、アルカリ金属、アルカリ金属化合物、リン酸、リン酸塩、有機酸、及び有機酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の触媒と、アミド溶媒、アルコール溶媒、ケトン溶媒、及びエーテル溶媒からなる群より選択される少なくとも1種の有機溶媒とを含有する処理液を用いて、エポキシ樹脂硬化物を分解及び溶解する処理方法が開示されている。
さらに、溶解処理能力を高める方法として、溶解速度を低下させる水分を減らす方法が開示されている。例えば、特開2003−26853号公報には、リン酸水和物又はリン酸塩水和物と有機溶媒とを含有する処理液により熱硬化性組成物を分解及び溶解しながら、処理液中の水分を除去する処理方法が開示されている。さらに、特開2005−255899号公報には、水分を除去したアルカリ金属リン酸塩とベンジルアルコールとを含有する処理液を用いて、酸無水物硬化エポキシ樹脂を分解及び溶解する処理方法が開示されている。
アルコール溶媒と固体のアルカリ金属化合物を用いて、熱硬化性樹脂を溶解する溶解処理液の作製工程において、吸湿性あるいは潮解性のあるアルカリ金属化合物を乾燥したまま、保管、運搬、投入を行うことは難しい。
また、固体アルカリ金属化合物に吸着した水分や、アルカリ金属化合物とアルコール溶媒とが反応して生じた水によって、突沸が発生する可能性もある。
さらに、固体のアルカリ金属化合物は比重が高いために、直接容器に投入すると釜底部に沈み堆積することや、循環ポンプに負荷をかけることがある。対応として金網等の容器に入れてアルコール溶液に沈めた場合には、アルカリ金属化合物の溶解性が悪く溶解に時間が掛かること、また金網等の取り出しとその洗浄等が必要となるため、量産プロセスには不向きであった。
また、固体アルカリ金属化合物に吸着した水分や、アルカリ金属化合物とアルコール溶媒とが反応して生じた水によって、突沸が発生する可能性もある。
さらに、固体のアルカリ金属化合物は比重が高いために、直接容器に投入すると釜底部に沈み堆積することや、循環ポンプに負荷をかけることがある。対応として金網等の容器に入れてアルコール溶液に沈めた場合には、アルカリ金属化合物の溶解性が悪く溶解に時間が掛かること、また金網等の取り出しとその洗浄等が必要となるため、量産プロセスには不向きであった。
本発明は、前述したような課題を鑑み、量産プロセスに適した、熱硬化性樹脂溶解液を、提供することを目的とする。
本発明は、以下のものに関する。
(1)アルコール溶媒と、アルカリ金属水溶液とを含む熱硬化性樹脂溶解液。
(2)アルコール溶媒が、沸点を150℃以上とする項(1)に記載の熱硬化性樹脂溶解液。
(3)アルコール溶媒が、モノアルコールである項(1)に記載の熱硬化性樹脂溶解液。
(4)アルカリ金属水溶液が、アルカリ金属水酸化物の水溶液である項(1)〜(3)の何れか1項に記載の熱硬化性樹脂溶解液。
(5)熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂である項(1)〜(4)の何れか1項に記載の熱硬化性樹脂溶解液。
(6)溶解液全量に対し、水分が0.5質量%以下である項(1)〜(5)の何れか1項に記載の熱硬化性樹脂溶解液。
(1)アルコール溶媒と、アルカリ金属水溶液とを含む熱硬化性樹脂溶解液。
(2)アルコール溶媒が、沸点を150℃以上とする項(1)に記載の熱硬化性樹脂溶解液。
(3)アルコール溶媒が、モノアルコールである項(1)に記載の熱硬化性樹脂溶解液。
(4)アルカリ金属水溶液が、アルカリ金属水酸化物の水溶液である項(1)〜(3)の何れか1項に記載の熱硬化性樹脂溶解液。
(5)熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂である項(1)〜(4)の何れか1項に記載の熱硬化性樹脂溶解液。
(6)溶解液全量に対し、水分が0.5質量%以下である項(1)〜(5)の何れか1項に記載の熱硬化性樹脂溶解液。
本発明によれば、熱硬化性樹脂の硬化物を効率的に分解及び溶解することが可能な処理液を提供することができる。熱硬化性樹脂の溶解液原料として、アルカリ金属水溶液を用いることで、固体原料の取扱い上の問題であった、吸湿性や潮解性の影響を低減でき、定量供給など量産プロセスの適用が容易になる。また、固体原料を溶液内に保持するための金網等の投入や取り出しのプロセスが不要となる。
また、使用するアルコール溶媒が、沸点を150℃以上の溶媒とした場合には、添加した水とアルコール溶媒とを沸点の差を利用した分離が容易となる。
さらに、使用するアルコール溶媒をモノアルコールとした場合には、熱硬化性樹脂硬化物の溶解性が高くなることから、効率的な分解および溶解が可能となる。加えて、アルカリ金属水溶液が、アルカリ金属水酸化物の水溶液とすることで、熱硬化性樹脂の分解・溶解性が向上する。
また熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂である場合には、樹脂中にエステル結合を多く含むことから、本溶解液での結合の切断が進行し易く、樹脂の分解及び溶解が進行しやすい。
また、溶解液全量に対して、水分量を0.5質量%以下とすることで、アルカリ金属アルコキシドの生成が促進され、溶解液の分解能力を高めることが可能となる。
また、使用するアルコール溶媒が、沸点を150℃以上の溶媒とした場合には、添加した水とアルコール溶媒とを沸点の差を利用した分離が容易となる。
さらに、使用するアルコール溶媒をモノアルコールとした場合には、熱硬化性樹脂硬化物の溶解性が高くなることから、効率的な分解および溶解が可能となる。加えて、アルカリ金属水溶液が、アルカリ金属水酸化物の水溶液とすることで、熱硬化性樹脂の分解・溶解性が向上する。
また熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂である場合には、樹脂中にエステル結合を多く含むことから、本溶解液での結合の切断が進行し易く、樹脂の分解及び溶解が進行しやすい。
また、溶解液全量に対して、水分量を0.5質量%以下とすることで、アルカリ金属アルコキシドの生成が促進され、溶解液の分解能力を高めることが可能となる。
以下、本発明の実施形態について説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本実施形態の処理方法によれば、熱硬化性樹脂の硬化物を効率的に分解及び溶解することができる。その理由は必ずしも明らかではないが、本発明者らは以下のように推察している。
アルカリ金属水溶液とアルコール溶媒は、加熱することで反応しアルコール溶媒のヒドロキシル基の水素とアルカリ金属が置換され、アルカリ金属アルコキシドを生成する。アルカリ金属アルコキシドは、熱硬化性樹脂中のエステル結合部等を切断することで、樹脂硬化物を分解すると考える。アルカリ金属水酸化物は、アルカリ金属リン酸塩と比較して、塩基性が強いために、同モル数を添加した際のアルカリ金属アルコキシドの生成量が多くなる。その結果、アルカリ金属水酸化物は、リン酸三カリウム等のアルカリ金属リン酸塩と比較して、熱硬化性樹脂の硬化物を分解する際の触媒活性に優れる。また、アルコール溶媒は、熱硬化性樹脂の硬化物を分解した分解生成物の溶解性に優れる。
一方、溶液中に水分が多量に存在する場合には、アルカリ金属アルコキシドと水が反応し、アルコール溶媒とアルカリ金属水酸化物となるため、熱硬化性樹脂の溶解率は低下する。
本実施形態の処理方法で用いられる処理液は、アルカリ金属水溶液とアルコール溶媒とを含有する。熱硬化性樹脂を処理液に浸漬し、必要に応じて加熱することで熱硬化性樹脂を分解および溶解することができる。処理液は、必要に応じて他の成分を更に含有していてもよい。
アルカリ金属水溶液とアルコール溶媒は、加熱することで反応しアルコール溶媒のヒドロキシル基の水素とアルカリ金属が置換され、アルカリ金属アルコキシドを生成する。アルカリ金属アルコキシドは、熱硬化性樹脂中のエステル結合部等を切断することで、樹脂硬化物を分解すると考える。アルカリ金属水酸化物は、アルカリ金属リン酸塩と比較して、塩基性が強いために、同モル数を添加した際のアルカリ金属アルコキシドの生成量が多くなる。その結果、アルカリ金属水酸化物は、リン酸三カリウム等のアルカリ金属リン酸塩と比較して、熱硬化性樹脂の硬化物を分解する際の触媒活性に優れる。また、アルコール溶媒は、熱硬化性樹脂の硬化物を分解した分解生成物の溶解性に優れる。
一方、溶液中に水分が多量に存在する場合には、アルカリ金属アルコキシドと水が反応し、アルコール溶媒とアルカリ金属水酸化物となるため、熱硬化性樹脂の溶解率は低下する。
本実施形態の処理方法で用いられる処理液は、アルカリ金属水溶液とアルコール溶媒とを含有する。熱硬化性樹脂を処理液に浸漬し、必要に応じて加熱することで熱硬化性樹脂を分解および溶解することができる。処理液は、必要に応じて他の成分を更に含有していてもよい。
(アルカリ金属化合物)
上記アルカリ金属水溶液を製造する際に用いる、アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属又はこれらアルカリ金属を含む化合物のうち、水溶液となるものであればどのようなものでもよく、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等の水素化物、水酸化物、ホウ水素化物、アミド化合物、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ホウ酸塩、リン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、有機酸塩、アルコラート、フェノラート等がある。
中でもアルカリ金属塩は、有害性が少ないことから好ましい。これらの化合物は単独で使用しても、数種類を混合して使用してもよい。また、不純物が含まれていてもかまわない。
上記アルカリ金属水溶液を製造する際に用いる、アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属又はこれらアルカリ金属を含む化合物のうち、水溶液となるものであればどのようなものでもよく、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等の水素化物、水酸化物、ホウ水素化物、アミド化合物、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ホウ酸塩、リン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、有機酸塩、アルコラート、フェノラート等がある。
中でもアルカリ金属塩は、有害性が少ないことから好ましい。これらの化合物は単独で使用しても、数種類を混合して使用してもよい。また、不純物が含まれていてもかまわない。
(アルカリ金属水溶液)
アルカリ金属水溶液の濃度は、5質量%以上あることが望ましい。5質量%未満であれば、添加する水溶液の量が多くなってしまう。そのためより好ましくは、10質量%以上が特に好ましい。また、50質量%以上では溶液の凝固点が20℃以下となることから、冬季などに凍結し溶液搬送が困難になる可能性がある。そのため、50質量%未満が望ましく、より好ましくは40質量%未難がより好ましい。
アルカリ金属水溶液の濃度は、5質量%以上あることが望ましい。5質量%未満であれば、添加する水溶液の量が多くなってしまう。そのためより好ましくは、10質量%以上が特に好ましい。また、50質量%以上では溶液の凝固点が20℃以下となることから、冬季などに凍結し溶液搬送が困難になる可能性がある。そのため、50質量%未満が望ましく、より好ましくは40質量%未難がより好ましい。
(アルコール溶媒)
アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、iso−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、iso−ペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量200〜400)、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、グリセリン、ジプロピレングリコール、ベンジルアルコール等を用いることができる。
アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、iso−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、iso−ペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量200〜400)、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、グリセリン、ジプロピレングリコール、ベンジルアルコール等を用いることができる。
(溶媒の沸点)
アルコール溶媒としては、触媒水溶液との混合溶液から水分を除去し易いことが好ましいことから、沸点が水の沸点よりも高く、具体的には沸点105℃以上の溶液が好ましい。また、水分との分離精度を高めるためには、アルコール溶媒の沸点は130℃以上が好ましく、より好ましくは150℃以上が最も適している。
アルコール溶媒としては、触媒水溶液との混合溶液から水分を除去し易いことが好ましいことから、沸点が水の沸点よりも高く、具体的には沸点105℃以上の溶液が好ましい。また、水分との分離精度を高めるためには、アルコール溶媒の沸点は130℃以上が好ましく、より好ましくは150℃以上が最も適している。
(溶液の混合:処理液の作製)
アルコール溶液とアルカリ金属水溶液を混合する際には、アルコール溶媒にアルカリ金属水溶液を添加しても、アルカリ金属水溶液にアルコール溶媒を添加してもよい。また、添加する液の粘性が高い場合には、加熱してから添加してもよい。
アルコール溶液とアルカリ金属水溶液を混合する際には、アルコール溶媒にアルカリ金属水溶液を添加しても、アルカリ金属水溶液にアルコール溶媒を添加してもよい。また、添加する液の粘性が高い場合には、加熱してから添加してもよい。
(アルカリ金属濃度)
本発明の処理液は、アルコール溶媒に対し、アルカリ金属を0.001〜50質量% の濃度で調整することが好ましい。0.001質量%未満では樹脂硬化物の分解速度が著しく遅く、50質量%を超えると処理液中に多くの未溶解のアルカリ金属化合物が残存するため、処理液を調整することが困難になり、さらに、樹脂硬化物の処理量が少なくなる。より好ましい濃度は、0.01〜30質量%であり、特に好ましい濃度は、0.1〜20質量%である。なお、アルカリ金属は、必ずしもすべてが溶媒に溶解する必要はなく、すべてが溶解していない飽和溶液においても、溶質は平衡状態にあり、アルカリ金属が失活した場合にはそれを補うことができる。
処理液は、必要に応じて他の成分を更に含有していてもよい。他の成分としては、界面活性剤、低粘度溶媒等が挙げられる。
本発明の処理液は、アルコール溶媒に対し、アルカリ金属を0.001〜50質量% の濃度で調整することが好ましい。0.001質量%未満では樹脂硬化物の分解速度が著しく遅く、50質量%を超えると処理液中に多くの未溶解のアルカリ金属化合物が残存するため、処理液を調整することが困難になり、さらに、樹脂硬化物の処理量が少なくなる。より好ましい濃度は、0.01〜30質量%であり、特に好ましい濃度は、0.1〜20質量%である。なお、アルカリ金属は、必ずしもすべてが溶媒に溶解する必要はなく、すべてが溶解していない飽和溶液においても、溶質は平衡状態にあり、アルカリ金属が失活した場合にはそれを補うことができる。
処理液は、必要に応じて他の成分を更に含有していてもよい。他の成分としては、界面活性剤、低粘度溶媒等が挙げられる。
(水分の除去)
以下、処理液中の水分の除去方法について記載する。処理液中の水分を除去する方法は特に制限されず、大気圧下で水分を揮発させることによって除去してもよく、減圧下で水分を揮発させることによって除去してもよい。処理設備を簡素化する観点からは、大気圧下で水分を揮発させることが好ましい。処理液中の水分を除去することにより、熱硬化性樹脂の硬化物をより効率的に分解及び溶解することができる。なお、水分除去は、処理液の作製あるいは処理工程の少なくとも一部で行えばよく、処理工程の全部で行ってもよい。熱硬化性樹脂の硬化物をより効率的に分解及び溶解する観点からは、処理工程の全部で行うことが好ましい。
以下、処理液中の水分の除去方法について記載する。処理液中の水分を除去する方法は特に制限されず、大気圧下で水分を揮発させることによって除去してもよく、減圧下で水分を揮発させることによって除去してもよい。処理設備を簡素化する観点からは、大気圧下で水分を揮発させることが好ましい。処理液中の水分を除去することにより、熱硬化性樹脂の硬化物をより効率的に分解及び溶解することができる。なお、水分除去は、処理液の作製あるいは処理工程の少なくとも一部で行えばよく、処理工程の全部で行ってもよい。熱硬化性樹脂の硬化物をより効率的に分解及び溶解する観点からは、処理工程の全部で行うことが好ましい。
(加熱による水分除去)
溶液中の水分を除去する方法として、溶液を加熱することが好ましい。溶液を加熱することで溶液中の水分の蒸気圧が増大し、溶液表面からの水分除去が促進される。アルコール溶媒とアルカリ金属水酸化物との反応によって生じる水分を除去する場合には、反応を促進するために加熱は必要である。反応の温度はアルコール溶媒や、アルカリ金属水酸化物の種類によって異なるが、100℃以上が好ましい。100℃未満であれば、反応がほとんど進行しない可能性があり、実用的な効率が得られない。そのため、加熱温度は110℃以上がより好ましい。
溶液の加熱方法としては、どのようなものでもよく、例えば、処理液を直接ヒーターで加熱してもよく、処理液の入った容器をヒーターで間接的に加熱してもよい。また、例えば、オイル、水、蒸気のような熱媒を用いて加熱してもよい。
溶液中の水分を除去する方法として、溶液を加熱することが好ましい。溶液を加熱することで溶液中の水分の蒸気圧が増大し、溶液表面からの水分除去が促進される。アルコール溶媒とアルカリ金属水酸化物との反応によって生じる水分を除去する場合には、反応を促進するために加熱は必要である。反応の温度はアルコール溶媒や、アルカリ金属水酸化物の種類によって異なるが、100℃以上が好ましい。100℃未満であれば、反応がほとんど進行しない可能性があり、実用的な効率が得られない。そのため、加熱温度は110℃以上がより好ましい。
溶液の加熱方法としては、どのようなものでもよく、例えば、処理液を直接ヒーターで加熱してもよく、処理液の入った容器をヒーターで間接的に加熱してもよい。また、例えば、オイル、水、蒸気のような熱媒を用いて加熱してもよい。
(蒸気の冷却)
溶液を加熱し、溶液中の水分を除去する方法においては、水分だけでなくアルコール溶液も一部揮発する。アルコール溶液と水との沸点の違いを利用して、水蒸気のみが結露しにくいような温度にまで蒸気を冷却することでアルコール溶媒の揮発を抑制することができる。蒸気の冷却温度は、使用するアルコール溶媒の種類と、バブリングした場合のガス流量等によって異なるが、20℃から190℃未満が望ましい。20℃未満であれば、水分の蒸気圧がかなり小さいために、水分の除去効率がわるくなってしまう。また、190℃以上であれば、アルコール溶媒の揮発も大きくなる。また、より好ましくは、60℃から170℃未満が望ましい。
溶液を加熱し、溶液中の水分を除去する方法においては、水分だけでなくアルコール溶液も一部揮発する。アルコール溶液と水との沸点の違いを利用して、水蒸気のみが結露しにくいような温度にまで蒸気を冷却することでアルコール溶媒の揮発を抑制することができる。蒸気の冷却温度は、使用するアルコール溶媒の種類と、バブリングした場合のガス流量等によって異なるが、20℃から190℃未満が望ましい。20℃未満であれば、水分の蒸気圧がかなり小さいために、水分の除去効率がわるくなってしまう。また、190℃以上であれば、アルコール溶媒の揮発も大きくなる。また、より好ましくは、60℃から170℃未満が望ましい。
(バブリング)
溶液中の水分を除去する方法として、バブリングを行うことが望ましい。溶液にバブリングを行うことで溶液中の水分が水蒸気となって溶液から排出されやすくなる。また、バブリングは加熱と同時に実施することでより効率的に水分を除去することが可能となる。
溶液中の水分を除去する方法として、バブリングを行うことが望ましい。溶液にバブリングを行うことで溶液中の水分が水蒸気となって溶液から排出されやすくなる。また、バブリングは加熱と同時に実施することでより効率的に水分を除去することが可能となる。
(バブリングガス種類)
バブリングに使用するガスは、大気でも窒素、アルゴン、二酸化炭素等の不活性気体でもよい。加熱と同時に実施する場合には、反応性等を考慮し不活性ガスを使用することが好ましい。
バブリングに使用するガスは、大気でも窒素、アルゴン、二酸化炭素等の不活性気体でもよい。加熱と同時に実施する場合には、反応性等を考慮し不活性ガスを使用することが好ましい。
(水分量の評価方法)
処理液中の水分量は、カールフィッシャー法等を用いることで評価することができる。処理液中の水分は、3質量%以上ある場合には、溶液の沸点が大きく低下することから、3質量%未満であることが望ましい。また、樹脂の溶解性が極端に低下することから、水分量が1質量%未満であることがより好ましく、0.5質量%未満であることがもっとも好ましい。
処理液中の水分量は、カールフィッシャー法等を用いることで評価することができる。処理液中の水分は、3質量%以上ある場合には、溶液の沸点が大きく低下することから、3質量%未満であることが望ましい。また、樹脂の溶解性が極端に低下することから、水分量が1質量%未満であることがより好ましく、0.5質量%未満であることがもっとも好ましい。
次に熱硬化性樹脂の溶解方法について、記載する。
(熱硬化性樹脂)
処理対象物は、例えば、熱硬化性樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物を加熱し、熱硬化性樹脂の少なくとも一部を硬化させることにより得られる。処理対象物には、未硬化の熱硬化性樹脂が含まれていてもよい。
処理対象物がエポキシ樹脂の硬化物を含む場合、処理対象物は、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、及び必要に応じて硬化促進剤を含有する熱硬化性樹脂組成物を加熱し、エポキシ樹脂の少なくとも一部を硬化させることにより得られる。
処理対象物は、例えば、熱硬化性樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物を加熱し、熱硬化性樹脂の少なくとも一部を硬化させることにより得られる。処理対象物には、未硬化の熱硬化性樹脂が含まれていてもよい。
処理対象物がエポキシ樹脂の硬化物を含む場合、処理対象物は、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、及び必要に応じて硬化促進剤を含有する熱硬化性樹脂組成物を加熱し、エポキシ樹脂の少なくとも一部を硬化させることにより得られる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノール化合物のジグリシジルエーテル化物、アルコール化合物のジグリシジルエーテル化物、これらのアルキル置換体、これらのハロゲン化物、これらの水素添加物等が挙げられる。エポキシ樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化剤としては、酸無水物、アミン化合物、フェノール化合物、イソシアネート化合物等が挙げられる。硬化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、硬化剤としては酸無水物が好ましい。すなわち、処理対象物は、酸無水物硬化エポキシ樹脂を含むことが好ましい。酸無水物硬化エポキシ樹脂は、分子内にエステル結合を有し、前述した処理液を用いてより効率的に分解することができる。
酸無水物としては、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルナジック酸無水物、コハク酸無水物、ドデシルコハク酸無水物、クロレンディック酸無水物、イタコン酸無水物、マレイン酸無水物、ピロメリット酸無水物、トリメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物、グリセロールトリストリメリテート三無水物、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物等が挙げられる。酸無水物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化促進剤としては、イミダゾール化合物、第三級アミン化合物、第四級アンモニウム塩、有機リン化合物等が挙げられる。硬化促進剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
処理対象物は、無機材料を更に含んでいてもよい。無機材料としては、炭素、ガラス、金属、金属化合物等が挙げられる。また、無機材料の形状としては、繊維、粒子、箔等が挙げられる。繊維は、不織布状であっても織布状であってもよく、織布状の場合、繊維束を織って作製したクロス材であってもよく、繊維束を一方向に配列したUD(Uni−Direction)材であってもよい。無機材料は、1種を単独で含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。
処理対象物は、無機材料として、炭素繊維を含んでいてもよい。本実施形態の処理方法により処理対象物を処理することで、処理対象物に含まれる炭素繊維を回収し、リサイクルに供することが可能となる。炭素繊維は、アクリル樹脂を原料とするものであってもよく、ピッチを原料とするものであってもよい。
炭素繊維を含む処理対象物は、例えば、炭素繊維基材に熱硬化性樹脂組成物を含浸させ、加熱することにより得られる。炭素繊維を含む処理対象物は、熱硬化性樹脂が半硬化したBステージ状態のプリプレグであってもよく、熱硬化性樹脂が硬化したCステージ状態の硬化体(CFRP)であってもよい。
尚、Cステージ状態とは、JIS K6900:1994−217により定義される。
尚、Cステージ状態とは、JIS K6900:1994−217により定義される。
(溶解方法)
炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料を本発明の処理液により処理する方法としては、特に限定されないが、例えば、複合材料を処理液中に浸漬することによって行うことができ、また、処理速度を高めるために、処理液をスプレー等によって噴霧することもでき、これを高圧で吹き付けることもできる。
炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料を本発明の処理液により処理する方法としては、特に限定されないが、例えば、複合材料を処理液中に浸漬することによって行うことができ、また、処理速度を高めるために、処理液をスプレー等によって噴霧することもでき、これを高圧で吹き付けることもできる。
(溶解温度)
熱硬化性樹脂を溶解する際の温度としては、溶媒の沸点以下であればどのような温度でもよいが、室温(25℃)以上、溶媒の沸点以下であることが好ましい。室温未満では冷却する必要があり、経済性の点から好ましくなく、有利な点もない。沸点を超えると加圧が不可欠となり、安全性及び経済性の点から好ましくない。分離した炭素材料及び樹脂分解物を再利用できる状態で得る点から、250℃以下であることがより好ましく、200℃以下であることが特に好ましい。
熱硬化性樹脂を溶解する際の温度としては、溶媒の沸点以下であればどのような温度でもよいが、室温(25℃)以上、溶媒の沸点以下であることが好ましい。室温未満では冷却する必要があり、経済性の点から好ましくなく、有利な点もない。沸点を超えると加圧が不可欠となり、安全性及び経済性の点から好ましくない。分離した炭素材料及び樹脂分解物を再利用できる状態で得る点から、250℃以下であることがより好ましく、200℃以下であることが特に好ましい。
(溶解時間)
熱硬化性樹脂を溶解する時間としては、任意であるが、0.1〜100時間であることが好ましい。0.1時間未満では、酸無水物硬化エポキシ樹脂がほとんど溶解及び/ 又は分解せず、100時間を越えると著しく経済性に劣る。更に、0.2〜20時間であることがより好ましい。0.2時間未満では、酸無水物硬化エポキシ樹脂が溶解及び/ 又は分解する程度が十分ではなく、20時間を越えると経済的ではない。
熱硬化性樹脂を溶解する時間としては、任意であるが、0.1〜100時間であることが好ましい。0.1時間未満では、酸無水物硬化エポキシ樹脂がほとんど溶解及び/ 又は分解せず、100時間を越えると著しく経済性に劣る。更に、0.2〜20時間であることがより好ましい。0.2時間未満では、酸無水物硬化エポキシ樹脂が溶解及び/ 又は分解する程度が十分ではなく、20時間を越えると経済的ではない。
(溶解方法)
熱硬化性樹脂を溶解する際には、処理液を撹拌してもよい。撹拌方法としては、どのようなものでもよく、例えば、撹拌羽根による方法、噴流を起こす方法、容器を揺動する方法、不活性気体の気泡を用いる方法、超音波による方法等がある。
熱硬化性樹脂を溶解する際には、処理液を撹拌してもよい。撹拌方法としては、どのようなものでもよく、例えば、撹拌羽根による方法、噴流を起こす方法、容器を揺動する方法、不活性気体の気泡を用いる方法、超音波による方法等がある。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(CFRPの作製方法)
<実施例1>
SUS製容器にベンジルアルコール140kgと50質量%の水酸化ナトリウム水溶液2.24kgを投入した(ナトリウム:0.2mol/kg相当)。その後、窒素でバブリングを行いながら、熱媒ヒーターを用いて加熱し溶解処理液を作製した。昇温プロセスは、3時間程度かけて190℃まで昇温し、その後30分程度保持した。その後、いったん室温(25℃)まで冷却し、処理液を作製した。
処理液の一部を採取し、株式会社日立ハイテクノロジーズ製の原子吸光光度計を用いてナトリウム濃度を測定した。その結果、0.20mol/kgとなっていることがわかった。また、処理液の一部を採取し、京都電子工業株式会社製のカールフィッシャー水分計MKC−610を用いて、処理液の水分濃度を測定したところ、0.073質量%であった。
(CFRPの作製方法)
<実施例1>
SUS製容器にベンジルアルコール140kgと50質量%の水酸化ナトリウム水溶液2.24kgを投入した(ナトリウム:0.2mol/kg相当)。その後、窒素でバブリングを行いながら、熱媒ヒーターを用いて加熱し溶解処理液を作製した。昇温プロセスは、3時間程度かけて190℃まで昇温し、その後30分程度保持した。その後、いったん室温(25℃)まで冷却し、処理液を作製した。
処理液の一部を採取し、株式会社日立ハイテクノロジーズ製の原子吸光光度計を用いてナトリウム濃度を測定した。その結果、0.20mol/kgとなっていることがわかった。また、処理液の一部を採取し、京都電子工業株式会社製のカールフィッシャー水分計MKC−610を用いて、処理液の水分濃度を測定したところ、0.073質量%であった。
次に、溶解処理するカーボンファイバー(CF)含有の熱硬化性樹脂の試験片の作製方法を示す。まず、ビスフェノールA 型エポキシ樹脂(エポキシ当量180)1000g、酸無水物1000g、2−メチルイミダゾール10gを混合した後、30mmに切断した炭素繊維(繊維径10μm)1000gを加え、さらに混合した。これを、縦100mm×横100mm×深さ3mmのテフロン(登録商標)製の型に入れ、室温(25℃)で1時間放置した後、100℃/1時間+125℃/1時間+150℃/1時間+175℃/1時間+200℃/1時間の条件で加熱して、炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料を得た。ここから30mm×10mm×1mmを切り出し、試験片とした。
切り出したCFRP20kgを金網に入れて、処理液内に沈めた。その後、窒素でバブリングを行いながら、熱媒ヒーターを用いて加熱し溶解処理を行った。昇温プロセスは、30分程度で60℃にし、2時間保持した。その後、2時間程度で190℃まで上げ、その後10時間保持した。その後、室温(25℃)まで冷却し、溶解処理を完了した。確認のため、金網の中の残留物を取り出し、炭素繊維は漏斗上にてベンジルアルコールで2回洗浄、水で2回洗浄をした。この炭素繊維を乾燥機に入れ210℃で2時間乾燥処理して炭素繊維を回収した。回収した繊維の感触評価から、繊維以外の樹脂の溶け残りがないことがわかった。
切り出したCFRP20kgを金網に入れて、処理液内に沈めた。その後、窒素でバブリングを行いながら、熱媒ヒーターを用いて加熱し溶解処理を行った。昇温プロセスは、30分程度で60℃にし、2時間保持した。その後、2時間程度で190℃まで上げ、その後10時間保持した。その後、室温(25℃)まで冷却し、溶解処理を完了した。確認のため、金網の中の残留物を取り出し、炭素繊維は漏斗上にてベンジルアルコールで2回洗浄、水で2回洗浄をした。この炭素繊維を乾燥機に入れ210℃で2時間乾燥処理して炭素繊維を回収した。回収した繊維の感触評価から、繊維以外の樹脂の溶け残りがないことがわかった。
<実施例2>
SUS製容器にベンジルアルコール140kgと50質量%の水酸化カリウム水溶液3.12kgを投入した(カリウム:0.2mol/kg相当)。その後、10mm×40mmの大きさに切断した東レ株式会社製のプリプレグ(T300)20kgを金網に入れて、金網ごとSUS製の容器に投入した。
その後、窒素でバブリングを行いながら、熱媒ヒーターを用いて加熱し、実施例1にて説明した試験片の溶解処理を行った。昇温プロセスは、30分程度で60℃にし、2時間保持した。その後、2時間程度で190℃まで上げ、その後10時間保持した。その後、室温(25℃)まで冷却し、溶解処理を完了した。確認のため、金網の中の残留物を取り出し、炭素繊維は漏斗上にてベンジルアルコールで2回洗浄、水で2回洗浄をした。この炭素繊維を乾燥機に入れ210℃で2時間乾燥処理して炭素繊維を回収した。回収した繊維の感触評価から、繊維以外の樹脂の溶け残りがないことがわかった。
SUS製容器にベンジルアルコール140kgと50質量%の水酸化カリウム水溶液3.12kgを投入した(カリウム:0.2mol/kg相当)。その後、10mm×40mmの大きさに切断した東レ株式会社製のプリプレグ(T300)20kgを金網に入れて、金網ごとSUS製の容器に投入した。
その後、窒素でバブリングを行いながら、熱媒ヒーターを用いて加熱し、実施例1にて説明した試験片の溶解処理を行った。昇温プロセスは、30分程度で60℃にし、2時間保持した。その後、2時間程度で190℃まで上げ、その後10時間保持した。その後、室温(25℃)まで冷却し、溶解処理を完了した。確認のため、金網の中の残留物を取り出し、炭素繊維は漏斗上にてベンジルアルコールで2回洗浄、水で2回洗浄をした。この炭素繊維を乾燥機に入れ210℃で2時間乾燥処理して炭素繊維を回収した。回収した繊維の感触評価から、繊維以外の樹脂の溶け残りがないことがわかった。
<比較例1>
SUS製の容器にベンジルアルコール140kgを投入した。その後、顆粒の水酸化ナトウム1.12kgを金網に入れて、投入した(ナトリウム:0.2mol/kg相当)。その後、実施例1と同様に昇温し、処理液を作製した。
その後、SUS容器を開けて、金網を取り出すと金網内に溶け残った水酸化ナトリウムが見つかった。処理液の一部を採取し、実施例1と同様に、処理液のナトリウム量と水分量を測定した。その結果、ナトリム濃度は0.15mol/kgと仕込み濃度よりも、少ないことがわかった。また、水分濃度は、0.065質量%であった。
次に、実施例1と同様の方法で熱硬化性樹脂含有のCFRP20kgの溶解処理を行った。その結果、回収した繊維の感触評価から、繊維以外の樹脂の溶け残りがあり、十分溶解できていないことがわかった。
SUS製の容器にベンジルアルコール140kgを投入した。その後、顆粒の水酸化ナトウム1.12kgを金網に入れて、投入した(ナトリウム:0.2mol/kg相当)。その後、実施例1と同様に昇温し、処理液を作製した。
その後、SUS容器を開けて、金網を取り出すと金網内に溶け残った水酸化ナトリウムが見つかった。処理液の一部を採取し、実施例1と同様に、処理液のナトリウム量と水分量を測定した。その結果、ナトリム濃度は0.15mol/kgと仕込み濃度よりも、少ないことがわかった。また、水分濃度は、0.065質量%であった。
次に、実施例1と同様の方法で熱硬化性樹脂含有のCFRP20kgの溶解処理を行った。その結果、回収した繊維の感触評価から、繊維以外の樹脂の溶け残りがあり、十分溶解できていないことがわかった。
Claims (6)
- アルコール溶媒と、アルカリ金属水溶液とを含む熱硬化性樹脂溶解液。
- アルコール溶媒が、沸点を150℃以上とする請求項1に記載の熱硬化性樹脂溶解液。
- アルコール溶媒が、モノアルコールである請求項1に記載の熱硬化性樹脂溶解液。
- アルカリ金属水溶液が、アルカリ金属水酸化物の水溶液である請求項1〜3の何れか1項に記載の熱硬化性樹脂溶解液。
- 熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂である請求項1〜4の何れか1項に記載の熱硬化性樹脂溶解液。
- 溶解液全量に対し、水分が0.5質量%以下である請求項1〜5の何れか1項に記載の熱硬化性樹脂溶解液。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10913184B2 (en) * | 2017-07-13 | 2021-02-09 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | State monitoring method and state monitoring system for thermosetting resin |
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-
2016
- 2016-03-08 JP JP2016043991A patent/JP2017160299A/ja active Pending
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