JP5218436B2 - 樹脂の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、航空機部品、自動車部品、運動器具、電気器具、その他各種構造材に用いられる炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料の処理液および分離方法に関する。
酸無水物硬化エポキシ樹脂は、強度、耐熱性、電気特性、炭素材料との接着性などに優れるため、炭素材料/樹脂硬化物複合材料として広く利用されている。しかしながら、酸無水物硬化エポキシ樹脂は熱硬化するため、加熱しても溶融せず、汎用溶剤には不溶になるため、再利用が困難であった。そこで、粉砕等によって機械的に分離を行っているが、得られた樹脂硬化物と炭素材料の分離物の純度は著しく低い。また、粉砕された炭素繊維は繊維長が短く、再び炭素繊維/樹脂複合材料に使用した場合には、その強度は著しく低下する。
本発明者らは、常圧下、200℃以下の低い温度でエポキシ樹脂硬化物を分解除去し、プリント配線板の回路を形成するための処理液として、アルカリ金属化合物、アミド系溶媒、アルコール系溶媒からなるエッチング液を開示した(特許文献1〜5参照)。しかし、これらの発明はいずれも樹脂硬化物の一部分をエッチング除去することにより、電気回路等を形成することを目的とするものであり、炭素材料とエポキシ樹脂硬化物の分離を目的とするものではない。さらに、エッチング対象として、無機充填剤、無機繊維を含むことは必須ではなく、このことからも炭素材料と酸無水物硬化エポキシ樹脂の分離を目的とするものではないことは明らかである。
無機物と樹脂硬化物の分離を目的とする発明としては、特許文献6〜8等に示されるように、成形材料からシリカを分離回収するために、900℃以上の温度で樹脂を熱分解させる方法がある。また、特許文献9には、熱硬化性樹脂の熱分解により無機物を回収する方法が示されている。これらの発明は、樹脂を熱分解してガス化するため、エネルギーとして再利用することはできても、樹脂分解物を再利用することはできない。また、樹脂を分解させるためには、通常300℃以上の高温が必要であり、炭素材料は変質して再利用できなくなる場合がある。
エポキシ樹脂の熱分解法としては、特許文献10に示されるように、水酸基の供給源とともに熱分解する方法もあるが、当該公報に明記されているように、熱分解に必要な温度は一般に370〜390℃である。当該公報では、「樹脂の熱分解は、樹脂が約340〜900℃の温度範囲内、特に350℃〜450℃前後となるように加熱するのが好ましい」と述べている。したがって、300℃以下の温度で、特殊な溶媒、触媒を使用して分解にすることは、一般的な意味での「熱分解」には当たらないことは明らかである。
酸無水物硬化エポキシ樹脂にはエステル結合が存在するが、エステル結合を多量に有する熱硬化性樹脂として不飽和ポリエステル樹脂硬化物がある。これを化学的に分解する方法としては、特許文献11に示されるような塩基と親水性溶媒を用いる方法、特許文献12に示されるような塩基と一価のアルコールを用いる方法、特許文献13に示されるようなグリコールを用いる方法、特許文献14に示されるようなジカルボン酸またはジアミンを用いる方法、特許文献15に示されるようなジエタノールアミンを用いる方法、特許文献16に示されるように超臨界アルコールを用いる方法などがある。これらの方法は腐食性の化学物質を使用するため、安全上好ましくない。また、これら腐食性の化学物質を使用しない場合には、分解速度が著しく遅いため、処理前に粉砕等の操作が必要となり、安全衛生面並びに経済面から実用的ではない。また、超臨界あるいは亜臨界流体を利用する場合は、高圧容器を必要とするため、安全上並びに経済性の点で好ましくない。
特開平8-325436号公報 特開平8-325437号公報 特開平8-325438号公報 特開平9−316445号公報 特開平10−126052号公報 特開平5-139715号公報 特開平6-87123号公報 特開2003−192828号公報 特開平7−330946号公報 特開平8−85736号公報 特開平8−113619号公報 特開平8−134340号公報 特開平8−225635号公報 特開平9−221565号公報 特開平9−316311号公報 特開2001−055468号公報
本発明は、前述の通り、従来技術では解決できなかった炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料の分離技術の課題を解決することを目的とする。すなわち、安全衛生上および経済性に優れ、なおかつ通常熱分解に必要とされる温度以下で効率的に炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料を処理し、分離することのできる処理液および分離方法を提供する。
上記課題を解決するために、本発明は、以下の(1)〜(14)をその特徴とするものである。
(1)水分を除去したアルカリ金属化合物と、有機溶媒と、を含むことを特徴とする炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料の処理液。
(2)前記水分を除去したアルカリ金属化合物の水分含有率が5%未満であることを特徴とする上記(1)記載の炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料の処理液。
(3)前記アルカリ金属化合物がアルカリ金属塩であることを特徴とする上記(1)または(2)記載の炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料の処理液。
(4)前記アルカリ金属塩がアルカリ金属リン酸塩であることを特徴とする上記(3)記載の炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料の処理液。
(5)前記有機溶媒がアルコール系溶媒であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1項記載の炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料の処理液。
(6)前記アルコール系溶媒がモノアルコール系溶媒であることを特徴とする上記(5)記載の炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料の処理液。
(7)処理対象となる炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料の炭素材料が、炭素繊維であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか1項記載の炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料の処理液。
(8)上記(1)〜(7)のいずれか1項記載の処理液を用いて炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料の樹脂硬化物のみを分解および/または溶解処理する工程、および前記処理液中に含まれる炭素材料と樹脂硬化物の溶液及び/または分解生成物とを分離する工程、を含むことを特徴とする炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料の分離方法。
(9)大気圧下で行うことを特徴とする上記(8)記載の炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料の分離方法。
(10)処理中における前記処理液の温度が250℃以下であること特徴とする上記(8)または(9)記載の炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料の分離方法。
(11)処理中における前記処理液の温度が200℃以下であることを特徴とする上記(8)〜(10)のいずれか1項記載の炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料の分離方法。
(12)処理対象となる炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料が1.0cm以上1.5m以下の大きさであることを特徴とする上記(8)〜(11)のいずれか1項記載の炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料の分離方法。
(13)分離された前記炭素材料が再利用可能であることを特徴とする上記(8)〜(12)のいずれか1項記載の炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料の分離方法。
(14)分離された樹脂硬化物の溶液及び/または分解生成物が再利用可能であることを特徴とする上記(8)〜(13)のいずれか1項記載の炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料の分離方法。
本発明によれば、炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料を処理する際に水分を除去したアルカリ金属化合物を含む処理液を用いることで、安全衛生上および経済性に優れ、なおかつ通常熱分解に必要とされる温度以下で効率的に炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料を処理し、これを炭素材料と樹脂硬化物の溶液および/または分解生成物とに分離することができる。
本発明の処理対象となる炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料に含まれる炭素材料は、炭素を主成分とする材料であればどのようなものでもよく、例えば、アクリルを原料とする炭素繊維、ピッチを原料とする炭素繊維、カーボンブラック、グラファイト、活性炭、ダイヤモンド、コークス、カーボンナノチューブ、フラーレンあるいはこれらの混合物などがある。
本発明において処理対象となる炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料に含まれる酸無水物硬化エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂とその硬化剤である無水物を反応させて得ることができ、この他にも架橋剤、硬化促進剤、触媒、エラストマ、難燃剤、炭素材料以外の非相溶性材料などを使用しうる。
エポキシ樹脂としては、分子内にエポキシ樹脂を有するものであればどのようなものでもよく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、
ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールのジグリシジリエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジリエーテル化物、フェノール類のジグリシジリエーテル化物、アルコール類のジグリシジリエーテル化物、及びこれらのアルキル置換体、ハロゲン化物、水素添加物などがある。これらは併用しても良く、エポキシ樹脂以外の成分が不純物として含まれていてもよい。
酸無水物の例としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ドデシル無水コハク酸、無水クロレンディック酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビストリメリテート、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸二無水物、グリセロールトリストリメリテート、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物、無水トリメリット酸などがある。これらの酸無水物系硬化剤は、単独、或いは、組み合わせて用いることもできる。
硬化促進剤としては、例えば、第三級アミン、イミダゾール類、第四級アンモニウム塩、有機リン化合物等があるが、これに限定されるものではない。
上記炭素材料と酸無水物硬化エポキシ樹脂、ならびに任意の成分を混合し、室温から250℃程度の範囲で所定時間加熱することで処理対象となる炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料得ることができる。
本発明の処理液は、水分を除去したアルカリ金属化合物と有機溶媒とを必須成分として含むことを特徴とするものである。なお、本発明において、「水分を除去したアルカリ金属化合物」とは、アルカリ金属化合物の水和物を乾燥することによりその水分を除去したもの、もしくはアルカリ金属化合物の無水物を意味し、好ましくはその水分含有率は5%以下であり、より好ましくは2%以下であり、特に好ましくは1%以下である。5%を超える水分がアルカリ金属化合物に含まれていると、処理効率を低下させる可能性があるが、1%以下であれば水分の影響はほとんど顕れない。なお、水分含有率は、カールフィッシャー滴定法を用いて測定することが可能である。
上記アルカリ金属化合物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属を含む化合物であればどのようなものでもよく、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等の水素化物、水酸化物、ホウ水素化物、アミド化合物、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ホウ酸塩、リン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、有機酸塩、アルコラート、フェノラートなどがある。中でもアルカリ金属塩は、有害性が少ないことから好ましい。さらに、アルカリ金属リン酸塩は、酸無水物硬化エポキシ樹脂を分解し、溶解する作用が強い上に、取り扱いが容易でかつ安全であるためより好ましい。これらの化合物は単独で使用しても、数種類を混合して使用してもよい。また、アルカリ金属化合物以外に、どのようなものを併用してもよく、不純物が含まれていてもかまわない。
アルカリ金属化合物の水分を除去する方法は、アルカリ金属化合物が分解もしくは酸化等の変質をしない条件下における方法であればよく、加熱による乾燥、減圧乾燥、凍結乾燥、乾燥剤を利用する乾燥などがある。
加熱による乾燥の場合、加熱温度の範囲は100℃以上熱分解温度以下であることが好ましい。100℃以下では効率よく水分を除去できない可能性があり、熱分解温度以上では、加熱後の塩を処理液に添加しても、酸無水物硬化エポキシ樹脂の分解もしくは溶解が生じない可能性がある。
100℃以上の加熱で分解等が生じる塩は、減圧下で乾燥してもよい。減圧の範囲は真空から大気圧以下であれば良く、100℃以下に加熱してもよい。
加熱を行わない場合は、乾燥剤を用いて乾燥しても良い。底部に、塩化カルシウム、青色シリカゲル、濃硫酸、五酸化リンなどの乾燥剤を入れたデシケーター内での乾燥が好ましい。さらにデシケーター内を上記と同様に減圧してもよい。
本発明の処理液に含まれる有機溶媒としては、例えば、アミド系、アルコール系、ケトン系、エーテル系、エステル系などが挙げられるが特に制限されない。これらは単独で使用しても、数種類を混合して使用してもよい。また、これらの溶媒以外に、水以外であればどのようなものを併用してもよく、不純物が含まれていてもかまわない。
上記アミド系溶媒としては、例えば、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N,N’,N’-テトラメチル尿素、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、カプロラクタム、カルバミド酸エステル等が使用できる。
上記アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、 1-ブタノール、2- ブタノール、iso -ブタノール、tert-ブタノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、2-メチル-1-ブタノール、iso -ペンチルアルコール、tert -ペンチルアルコール、3-メチル-2-ブタノール、ネオペンチルアルコール、1-ヘキサノール、2-メチル-1-ペンタノール、4-メチル-2-ペンタノール、2-エチル-1-ブタノール、1-ヘプタノール、2-ヘプタノール、3-ヘプタノール、シクロヘキサノール、1-メチルシクロヘキサノール、2-メチルシクロヘキサノール、3-メチルシクロヘキサノール、4-メチルシクロヘキサノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量200〜400)、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、グリセリン、ジプロピレングリコール、ベンジルアルコールなどがある。
上記ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、2-ペンタノン、3-ペンタノン、2-ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2-ヘプタノン、4-ヘプタノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ホロン、イソホロンアセチルアセトン、アセトフェノン、等がある。
上記エーテル系溶媒としては、例えば、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アニソール、フェネトール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセタール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセタール等がある。
上記エステル系溶媒としては、例えば、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、3−メトキシブチルアセタート、2−エチルブチルアセタート、2−エチルヘキシルアセタート、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソペンチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソペンチル、イソ酪酸イソブチル、イソ吉草酸エチル、イソ吉草酸イソペンチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、γ−ブチロラクトン、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジエチル、サリチル酸メチル、エチレングリコールジアセタート、ホウ酸トリブチル、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル等がある。
上記の各種溶媒の中で、アルコール系溶媒はエステル交換反応による分解作用が著しく、酸無水物硬化エポキシ樹脂の溶解性が高いため、好ましい。さらには、水酸基を1個持つモノアルコール系溶媒は、分解生成物の副反応が少なく、より好ましい。
本発明の処理液は、有機溶媒に対し、アルカリ金属化合物を0.001〜50wt%の濃度で調整することが好ましい。0.001wt%未満では樹脂硬化物の分解速度が著しく遅く、50wt%を超えると処理液中に多くの未溶解のアルカリ金属化合物が残存するため、処理液を調整することが困難になり、さらに、樹脂硬化物の処理量が少なくなる。より好ましい濃度は、0.01〜30wt%であり、特に好ましい濃度は、0.1〜20wt%である。なお、アルカリ金属化合物は、必ずしもすべてが溶媒に溶解する必要はなく、すべてが溶解していない飽和溶液においても、溶質は平衡状態にあり、アルカリ金属化合物が失活した場合にはそれを補うことができる。
本発明の処理液を調整する際の温度はどのような温度でもよいが、常圧下で処理する場合には、使用する溶媒の融点以上、沸点以下であることが好ましい。また、処理液を調整する際の雰囲気は、大気中でも不活性気体中でもよく、常圧下、減圧下、加圧下のいずれでもよい。
このようにして得られた本発明の処理液には、さらに界面活性剤等の添加剤を添加してもよい。
本発明の分離方法は、上記した本発明の処理液を用いて炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料の樹脂硬化物のみを分解および/または溶解処理し、ついで処理液中に含まれる炭素材料と樹脂硬化物の溶液および/または分解生成物とを分離することをその特徴としている。
炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料を本発明の処理液により処理する方法としては、特に限定されないが、例えば、複合材料を処理液中に浸漬することによって行うことができ、また、処理速度を高めるために、処理液をスプレー等によって噴霧することもでき、これを高圧で吹き付けることもできる。
処理液の使用時並びに保存時の雰囲気は、大気中でも、窒素、アルゴンまたは二酸化炭素等の不活性気体中でもよく、常圧下、減圧下または加圧下のいずれでもよい。安全性や作業性、経済性に優れる点で、常圧下に処理液を使用・保存することが好ましい。したがって、特定の気体雰囲気や特定の気圧を設定するための装置などを必ずしも必要としない。
処理中における処理液の温度は、溶媒の融点以上、溶媒の沸点以下であればどのような温度でもよいが、好ましくは室温以上、溶媒の沸点以下の温度である。室温未満では冷却する必要があり、経済的に好ましくなく、有利な点もない。沸点を超えると加圧が不可欠となり、経済面、安全面において好ましくない。また、回収材の品質低下を防ぐためには、処理液の温度を250℃以下にして処理することがより好ましく、200℃以下にして処理することが特に好ましい。処理液の加熱方法は、どのようなものでもよく、処理液を直接ヒーターで加熱することもできるし、処理液の入った容器をヒーターで間接的に加熱することもできる。また、オイル、水、蒸気のような熱媒を用いて加熱してもよい。
処理液で処理する時間は任意であるが、好ましくは0.1〜100時間である。0.1時間未満では、酸無水物硬化エポキシ樹脂がほとんど溶解及び/または分解せず、100時間を超えると著しく経済性に劣る。より好ましくは、0.2〜20時間である。
処理する際には、処理液を撹拌してもよい。撹拌方法はどのようなものでもよいが、撹拌羽根による方法、噴流を起こす方法、容器を揺動する方法、不活性気体の気泡を用いる方法、超音波による方法などがある。
処理する際の炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料の大きさは、特に限定されず、処理装置の規模に合わせて処理可能な大きさであればよい。また、硬化物を切断したのちに処理してもよいが、特に微小にする必要はない。また、破砕してから処理することもできるが、破砕時に発生する粉塵が安全衛生上好ましくなく、塵肺、爆発の危険性があり、さらには経済的にも好ましくない。輸送時の利便性、取り扱い安さ、処理効率などを考慮すると、できれば切断のみにするか、破砕する場合でも最小限に止めるべきであり、好ましくは1.0cm以上1.5m以下程度の大きさとする。
本発明の処理液にて炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料を処理した後は、処理液中に含まれる炭素材料と樹脂硬化物の溶液及び/または分解生成物とを分離する。分離する方法は、どのような方法でもよいが、例えば、ろ過、沈殿分離、遠心分離あるいはそれらの操作の併用によって分離される。分離された炭素材料は、水、有機溶媒等の溶剤によって洗浄し、乾燥してもよい。
本発明の分離方法により分離された炭素材料、および樹脂硬化物の溶液及び/または分解生成物は、種々の原材料として再利用することが可能である。
また、一度以上使用された本発明の処理液は、必要とあれば必須成分であるアルカリ金属化合物を補充添加することで、新たな不飽和ポリエステル樹脂硬化物を処理するために繰り返し使用することが可能である。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DGBPA、エポキシ当量180)100g、酸無水物としてメチルテトラヒドロ無水フタル酸(MeTHPA)100g、2−メチルイミダゾール1gを混合した後、10mmに切断した炭素繊維(繊維径10μm)100gを加え、さらに混合した。これを、たて100mm×よこ100mm×深さ3mmのテフロン(登録商標)製の型に入れ、室温で1時間放置した後、100℃/1時間+125℃/1時間+150℃/1時間+175℃/1時間+200℃/1時間の条件で加熱して、炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料(CFRP)を得た。ここから30mm×10mm×深さ3mmの試験片を切り出した。
処理液は、リン酸三カリウム水和物(7.27g)から水分を除去したもの5.66gとジエチレングリコールモノメチルエーテル80.0gを試験管に秤量し、室温で穏やかに撹拌して調製した。リン酸三カリウム水和物の水分除去は、リン酸三カリウム水和物7.27gを300℃の乾燥機中で1時間加熱して行った。その水分量をカールフィッシャー滴定法により測定した結果、1.3%であった。
処理に際しては、処理液の入った試験管をオイルバスを使用して150℃に加温し、ここに試験片を浸漬した。試験片がすべて溶解して炭素材料が実質100%の純度で回収できるまでの時間を測定した。結果を表1に示す。
(実施例2)
試験片の原料である酸無水物として、メチルテトラヒドロ無水フタル酸に替えてメチルヘキサヒドロ無水フタル酸(MeHHPA)を用いて試験片を作製した以外は、実施例1と同様にして、試験片の処理を行い、その溶解時間を測定した。結果を表1に示す。
(実施例3)
処理液の有機溶媒として、ジエチレングリコールモノメチルエーテルに替えてベンジルアルコールを用いて処理液を調製した以外は、実施例1と同様にして、試験片の処理を行い、その溶解時間を測定した。結果を表1に示す。
(比較例1)
リン酸三カリウム水和物の水分除去を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、試験片の処理を行い、その溶解時間を測定した。結果を表1に示す。
(比較例2)
リン酸三カリウム水和物の水分除去を行わなかった以外は、実施例2と同様にして、試験片の処理を行い、その溶解時間を測定した。結果を表1に示す。
(比較例3)
リン酸三カリウム水和物の水分除去を行わなかった以外は、実施例3と同様にして、試験片の処理を行い、その溶解時間を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0005218436
実施例1〜実施例3に示したように、リン酸三カリウム水和物から水分を除去したものを処理液の成分として用いた場合には、5時間〜7時間以内に樹脂が溶解したが、水和物をそのまま用いた比較例1〜比較例3での樹脂の溶解に8時間〜10時間要した。

Claims (2)

  1. ベンジルアルコール(A)及びカールフィッシャー滴定法により測定した水分量が2%以下のリン酸三カリウム(B)からなり、(A)に対する(B)の比率が0.1〜20wt%である処理液を200℃以下で、熱硬化性樹脂に作用させる樹脂の処理方法。
  2. (B)が過飽和状態である前記処理液を用いる請求項1に記載の樹脂の処理方法。
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