JP2020045407A - 樹脂の溶解方法及び再生強化繊維の製造方法 - Google Patents

樹脂の溶解方法及び再生強化繊維の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複合材料における樹脂を効率よく除去できる樹脂の溶解方法を提供する。【解決手段】強化繊維と、樹脂とを含む複合材料を外部から液体が流入可能、かつ外部へ液体が流出可能な溶解カゴ内に自重圧力(複合材料の質量/溶解カゴの底面積)が6.0g/cm2以下となるように配置する工程と、前記複合材料を配置した前記溶解カゴ内に前記樹脂を溶解させる溶解液を供給する工程と、を含む樹脂の溶解方法。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂の溶解方法及び再生強化繊維の製造方法に関する。
ガラス繊維等の繊維を強化材として用いた繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics;FRP)は、軽量、高強度、かつ高弾性の材料であり、小型船舶、自動車、鉄道車両等の部材に幅広く使用されている。また、更なる軽量化、高強度化、及び高弾性化を目的として、炭素繊維を強化材として用いた炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics;CFRP)が開発されており、航空機、自動車等の部材に使用されている。
CFRPは、例えば、炭素繊維基材に熱硬化性樹脂組成物を含浸させて加熱することによりプリプレグを得た後、プリプレグをオートクレーブ内で加圧しながら焼成することにより製造される。
最終的な形状のCFRPを製造する過程では、プリプレグ及びCFRPの端材が大量に生じる。また、CFRPを用いた部材を廃棄する際にも、CFRPの廃材が大量に生じる。そこで、CFRP又はプリプレグから炭素繊維を回収し、リサイクルに供することが望まれている。
CFRP又はプリプレグから炭素繊維を回収するには、熱硬化性樹脂の硬化物を除去する必要がある。従来、熱硬化性樹脂の硬化物を除去する処理方法としては、
1)500℃〜700℃程度の高温で処理して熱硬化性樹脂の硬化物を熱分解する方法、2)処理液を用いて熱硬化性樹脂の硬化物を分解(解重合)及び溶解する方法、等が知られている。
特に、上記2)の処理方法は、炭素繊維の損傷が少ない等の利点があり、種々の処理方法が提案されている
例えば、アルカリ金属、アルカリ金属化合物、リン酸、リン酸塩、有機酸、及び有機酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の触媒と、アミド溶媒、アルコール溶媒、ケトン溶媒、及びエーテル溶媒からなる群より選択される少なくとも1種の有機溶媒とを含有する処理液を用いて、エポキシ樹脂硬化物を分解及び溶解する処理方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−172426号公報
前述の処理液を用いてCFRP又はプリプレグから炭素繊維を回収する際、多くの炭素繊維を一度に回収する観点から、高密度に配置したCFRP又はプリプレグに処理液を供給してCFRP又はプリプレグ中の樹脂を溶解することが考えられる。しかしながら、CFRP又はプリプレグ、特に半硬化のプリプレグは、積層したときにプリプレグ間の隙間が少なくなり処理液がプリプレグ中の樹脂に浸透しにくくなることによって、樹脂の溶解不良が発生する場合がある。
本開示は、上記問題に鑑みてなされたものであり、複合材料における樹脂を効率よく除去できる樹脂の溶解方法、及びこの方法を用いた再生強化繊維の製造方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 強化繊維と、樹脂とを含む複合材料を、外部から液体が流入可能、かつ外部へ液体が流出可能な溶解カゴ内に自重圧力(複合材料の質量/溶解カゴの底面積)が6.0g/cm以下となるように配置する工程と、
前記複合材料を配置した前記溶解カゴ内に前記樹脂を溶解させる溶解液を供給する工程と、
を含む樹脂の溶解方法。
<2> 前記複合材料は、前記強化繊維に前記樹脂が含浸している<1>に記載の樹脂の溶解方法。
<3> 前記樹脂は、半硬化状態である<1>又は<2>に記載の樹脂の溶解方法。
<4> 前記溶解カゴの高さは、20cm以下である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の樹脂の溶解方法。
<5> 前記溶解カゴにおける前記複合材料の充填率は、25%以下である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の樹脂の溶解方法。
<6> 前記溶解カゴの底面は、水平方向に対して傾斜している<1>〜<5>のいずれか1つに記載の樹脂の溶解方法。
<7> 前記溶解カゴの形状は網目状であり、前記溶解カゴの目開きは、0.5mm〜1.2mmである<1>〜<6>のいずれか1つに記載の樹脂の溶解方法。
<8> <1>〜<7>のいずれか1つに記載の樹脂の溶解方法により、前記樹脂を溶解して再生強化繊維を製造する再生強化繊維の製造方法。
本開示によれば、複合材料における樹脂を効率よく除去できる樹脂の溶解方法、及びこの方法を用いた再生強化繊維の製造方法を提供することができる。
本開示の溶解方法で使用する溶解装置の構成の一例を示す概略図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
<樹脂の溶解方法>
本開示の樹脂の溶解方法は、強化繊維と、樹脂とを含む複合材料を外部から液体が流入可能、かつ外部へ液体が流出可能な溶解カゴ内に自重圧力(複合材料の質量/溶解カゴの底面積)が6.0g/cm以下となるように配置する工程と、前記複合材料を配置した前記溶解カゴ内に前記樹脂を溶解させる溶解液を供給する工程と、を含む。本開示の溶解方法では、複合材料における樹脂を効率よく除去できる。この理由は明らかではないが、以下のように推測される。自重圧力が6.0g/cm以下となるように複合材料を溶解カゴ内に配置することにより、複合材料が自重により塊となって複合材料間の隙間が埋められることが抑制される。このため、複合材料中の樹脂に溶解液が浸透しやすくなり、樹脂を効率よく溶解できる。
本開示の溶解方法は、強化繊維と、樹脂とを含む複合材料を前述の溶解カゴ内に前述の自重圧力が6.0g/cm以下となるように配置する工程を含む。以下、複合材料及び溶解カゴの具体的な構成について説明する。
[複合材料]
複合材料は、強化繊維と、樹脂とを含む。複合材料としては、強化繊維に樹脂を含浸させたもの、すなわちプリプレグであってもよく、強化繊維が略一方向に揃えられた状態で樹脂を含浸させたUD(UniDirection)プリプレグであってもよく、タテ糸とヨコ糸が交差したクロスプリプレグであってもよい。
(強化繊維)
強化繊維としては、無機繊維であっても有機繊維(樹脂繊維)であってもよい。
無機繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維等が挙げられる。
樹脂繊維としては、アラミド繊維、ポリイミド繊維、ポリベンゾオキサゾール繊維等が挙げられる。
強化繊維は、1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
これらの中でも、高い機械的強度を実現可能な炭素繊維が望ましい。
(樹脂)
樹脂としては、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂は、1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
樹脂(例えば、熱硬化性樹脂)としては、完全に硬化していない状態、すなわち半硬化状態(Bステージ)であってもよく、完全に硬化した状態(Cステージ)であってもよい。
なお、Bステージ、及びCステージについては、JIS K6900:1994の規定を参照するものとする。
複合材料が樹脂としてエポキシ樹脂を含む場合、複合材料は、例えば、強化繊維、エポキシ樹脂、硬化剤、及び必要に応じて硬化促進剤を混合した組成物を加熱して得られたものであってもよい。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノール化合物のジグリシジルエーテル化物、アルコール化合物のジグリシジルエーテル化物、これらのアルキル置換体、これらのハロゲン化物、これらの水素添加物等が挙げられる。エポキシ樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化剤としては、酸無水物、アミン化合物、フェノール化合物、イソシアネート化合物等が挙げられる。硬化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、硬化剤としては酸無水物が好ましい。
酸無水物としては、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルナジック酸無水物、コハク酸無水物、ドデシルコハク酸無水物、クロレンディック酸無水物、イタコン酸無水物、マレイン酸無水物、ピロメリット酸無水物、トリメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物、グリセロールトリストリメリテート三無水物、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物等が挙げられる。酸無水物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化促進剤としては、イミダゾール化合物、第三級アミン化合物、第四級アンモニウム塩、有機リン化合物等が挙げられる。硬化促進剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[溶解カゴ]
本開示の溶解方法で用いる溶解カゴとしては、外部から液体が流入可能、かつ外部へ液体が流出可能な構成であれば限定されない。これにより、溶解カゴ内に配置された複合材料に溶解カゴの外部から溶解液が供給され、かつ供給された溶解液が外部へ流出する。このような溶解カゴの形状としては、網目状、多孔質状等が挙げられる。
また、溶解カゴの材質としては、溶解液に腐食されにくいものであることが好ましく、具体的には、SUS316、SUS304等のステンレス鋼、銅などが好ましく、強度の観点から、ステンレス鋼がより好ましい。
溶解カゴ内に複合材料を配置する際、自重圧力(複合材料の質量/溶解カゴの底面積)は、6.0g/cm以下であり、樹脂を複合材料から効率よく溶解除去する観点から、5.5g/cm以下であることが好ましく、5.0g/cm以下であることがより好ましい。
また、複合材料から多くの強化繊維を一度に回収する観点から、前述の自重圧力は、2.0g/cm以上であることが好ましく、2.5g/cm以上であることがより好ましく、3.0g/cm以上であることが更に好ましい。
なお、自重圧力は、複合材料の質量を溶解カゴの底面積で割って算出される値である。
溶解カゴ内に複合材料を配置する際、溶解カゴの体積に対する配置される複合材料の体積の割合(充填率)は、自重により複合材料間の隙間が埋められることを好適に抑制する観点から、25%以下であることが好ましく、23%以下であることがより好ましく、21%以下であることが更に好ましい。
また、複合材料から多くの強化繊維を一度に回収する観点から、前述の充填率は、5%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましい。
溶解カゴの高さは、前述の自重圧力の条件を満たすことが可能であれば特に限定されず、例えば、20cm以下であってもよく、17cm以下であってもよい。
溶解カゴの形状が網目状である場合、溶解カゴの目開きは、溶解カゴ内に配置された複合材料に溶解カゴの外部から溶解液を供給可能であり、かつ溶解カゴ内に配置された複合材料及び回収される強化繊維が外部に流出しない大きさであれば特に限定されない。溶解カゴの目開きは、例えば、0.5mm〜1.2mmであってもよく、0.8mm〜1.2mmであってもよい。
本開示の溶解方法は、複合材料を配置した溶解カゴ内に樹脂を溶解させる溶解液を供給する工程を含む。この工程では、複合材料を配置した溶解カゴ内に溶解液を供給し、複合材料中の樹脂と溶解液とを接触させて樹脂を溶解させる。
[溶解液]
溶解液としては、複合材料中に含まれる樹脂を溶解可能なものであれば特に限定されない。例えば、複合材料が樹脂としてエステル結合を有する樹脂を含む場合は、エステル結合の分解を生じる溶解液を用いてもよい。
溶解液としては、有機溶媒と、必要に応じて分解触媒とを含むものが挙げられる。有機溶媒の種類は特に制限されない。例えば、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、アミド系溶媒、及びエステル系溶媒が挙げられる。
アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量200〜400)、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、グリセリン、ジプロピレングリコール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ホロン、イソホロン、アセチルアセトン、アセトフェノン等が挙げられる。
エーテル系溶媒としては、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アニソール、フェネトール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセタール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセタール等が挙げられる。
アミド系溶媒としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、カプロラクタム、カルバミド酸エステル等が挙げられる。
エステル系溶媒としては、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、3−メトキシブチルアセタート、2−エチルブチルアセタート、2−エチルヘキシルアセタート、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソペンチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソペンチル、イソ酪酸イソブチル、イソ吉草酸エチル、イソ吉草酸イソペンチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、γ−ブチロラクトン、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジエチル、サリチル酸メチル、エチレングリコールジアセタート、ホウ酸トリブチル、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル等が挙げられる。
上記した有機溶媒の中でも、変性のしにくさの観点からはアルコール系溶媒が好ましく、ベンジルアルコール及び1,4−ブタンジオールからなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、ベンジルアルコールが更に好ましい。有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
溶解液が分解触媒を含む場合、分解触媒としてはアルカリ金属化合物が挙げられる。アルカリ金属化合物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属の水素化物、水酸化物、ホウ水素化物、アミド化合物、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ホウ酸塩、リン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、有機酸塩、アルコラート、フェノラートなどが挙げられる。アルカリ金属化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
複合材料と溶解液が接触している時間は、特に制限されない。例えば、0.5時間〜10時間であってもよく、1時間〜4時間であってもよく、1.5時間〜3時間であってもよい。
複合材料と溶解液が接触しているときの溶解液の温度は、特に制限されない。例えば、150℃以上であってもよく、180℃以上であってもよい。溶解液の温度の上限は特に制限されず、溶解液中の有機溶媒の沸点未満であればよい。
[溶解装置を用いた溶解方法の一例]
以下、溶解装置を用いた本開示の溶解方法の一例について、図1を用いて説明する。図1は、本開示の溶解方法で使用する溶解装置の構成の一例を示す概略図である。図1に示すように、溶解装置10は、複数の溶解カゴ2を備える溶解部1と、溶解液4を貯留する貯留タンク3と、溶解液4が流通する配管5と、溶解液4を流通させるポンプ6と、を備える。複数の溶解カゴ2内には、自重圧力が6.0g/cm以下となるように複合材料(図示せず)が配置されている。また、図1では、鉛直下方向から鉛直上方向に向かって複数の溶解カゴ2に溶解液4を供給している。
なお、図1中のhは、溶解カゴ2の高さを意味している。
溶解部1は、複数の溶解カゴ2を着脱可能である。これにより、溶解カゴ2内に複合材料を配置した後に、溶解カゴ2を溶解部1に設置し、複合材料への溶解液の供給が終了した後に、溶解カゴ2を溶解部1から取り外し、溶解カゴ2中の強化繊維を回収できる。
隣接する溶解カゴ2間の距離(図1中のd)は、回収する炭素繊維の量及び溶解液の液通りの観点から、例えば、0mm〜20mmであればよく、好ましくは5mm〜10mmである。
溶解装置10では、ポンプ6を駆動させることにより、貯留タンク3に貯留された溶解液4が配管5を通じて溶解部1に供給され、そして溶解液4が溶解カゴ2内の複合材料中の樹脂と接触して樹脂が溶解する。複合材料への溶解液の供給を終了する際は、ポンプ6の駆動を停止すればよい。
複合材料への溶解液の供給を終了した後、溶解カゴ2を溶解部1から取り外し、溶解カゴ2中の強化繊維を回収する。回収した強化繊維を洗浄液で洗浄してもよい。洗浄液の種類は特に制限されず、水、有機溶媒等が挙げられる。洗浄液は、必要に応じて界面活性剤等の添加剤を含んでいてもよい。
使用後の溶解液4は、廃棄しても、再利用してもよい。溶解液4を再利用する場合、溶解液4からの樹脂の分解物の除去、未使用の溶解液の追加等の、何らかの処理を必要に応じて実施してもよい。
溶解カゴ2の底面、すなわち溶解カゴ2における複合材料を配置する面は、水平方向に対して傾斜していてもよい。溶解カゴ2の底面が水平方向に対して傾斜していることにより、回収した強化繊維に付着した溶解液の量を低減することができる。
溶解カゴ2の底面は、回収した強化繊維に付着した溶解液の量を低減し、かつ、溶解部1に設置する溶解カゴ2の実体積を確保する観点から、例えば、水平方向に対し、0.5°〜10°傾斜していてもよく、1°〜5°傾斜していてもよい。
<再生強化繊維の製造方法>
本開示の再生強化繊維の製造方法は、前述の本開示の樹脂の溶解方法により、前記樹脂を溶解して再生強化繊維を製造する。これにより、複合材料から再生強化繊維を得ることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本実施形態はこの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
溶解液を用いた試験片における熱硬化性樹脂の溶解試験を行った。熱硬化性樹脂の溶解試験では、図1に示すような溶解装置を用いた。まず、以下のようにして試験片を作製し、かつ溶解液を準備した。
(試験片の作製)
T800の炭素繊維を用いたトレカ(登録商標)プリプレグ(東レ株式会社)を切断して試験片を得た。より詳細には、幅150mmのUDのシートを繊維長方向が40mmとなるように切断して試験片を得た。
(溶解液の作製)
SUS製容器にベンジルアルコール140kgと50質量%の水酸化カリウム水溶液3.14kgを投入した(カリウム:ベンジルアルコール1kgに対して水酸化カリウム0.2mol相当)。その後、窒素でバブリングを行いながら、熱媒ヒーターを用いて加熱した。昇温プロセスは、3時間程度かけて190℃まで昇温し、その後90分程度保持した。その後、いったん室温(25℃)まで冷却し、溶解液を作製した。
溶解液の一部を採取し、株式会社日立ハイテクノロジーズ製の原子吸光光度計を用いてカリウム濃度を測定した。その結果、ベンジルアルコール1kgに対して水酸化カリウム0.2molとなっていることがわかった。
また、溶解液の一部を採取し、京都電子工業株式会社製のカールフィッシャー水分計MKC−610を用いて、処理液の水分濃度を測定したところ、0.065質量%であった。
前述のようにして作製した試験片を、SUS304製の溶解カゴ内に積層して配置した。試験片における樹脂の溶解に用いた溶解カゴの構成は以下の通りである。
(溶解カゴの構成)
カゴ高さ15cm
目開き1.1mm
カゴ底面積625cm
試験片の重さ3000g
上下カゴ間の距離5mm
また、前述の試験片を溶解カゴ内に配置したときの充填率及び自重圧力は以下の通りである。
(充填率)
充填率=(試験片の質量/試験片の密度)/カゴ体積=20%
(自重圧力)
自重圧力=試験片の質量/溶解カゴの底面積=4.80g/cm
試験片を配置した溶解カゴを水平面に対し2°傾斜させ、190℃まで3時間で昇温し、190℃で2時間保持し樹脂の溶解を行った。そして2時間で常温まで冷却し、その後脱液を行った。脱液時間は30分とした。そして、溶解カゴ中の残留物を取り出し、炭素繊維は漏斗上にてベンジルアルコールで2回洗浄、水で2回洗浄をした。この炭素繊維を乾燥機に入れ210℃で2時間乾燥処理して炭素繊維を回収した。回収した炭素繊維の感触評価から、炭素繊維以外の樹脂の溶け残りがないことがわかった。
(脱液率の算出)
溶解カゴ中の残留物の質量及び回収した炭素繊維の質量から以下の式に基づき脱液率を算出した。脱液率が小さいほど、残留物に付着した溶解液が少ないことを意味している。結果を表1に示す。
脱液率=[(残留物の質量−炭素繊維の質量)/炭素繊維の質量]×100
実施例1において、前述のトレカ(登録商標)プリプレグの炭素繊維の割合は、約65質量%である。ここで、上記割合を65質量%として計算すると、回収した炭素繊維の質量は、1.95kg(=3kg×0.65)である。そして、取り出した溶解カゴ中の残留物の質量を量ると6.83kgであった。そのため、残留物に含まれている溶媒量は、4.88kg(=6.83kg−1.95kg)であり、前述の式から、算出される脱液率は250%であった。
<実施例2>
実施例1にて、以下に示す溶解カゴに変更し、充填率を15%、自重圧力を3.20g/cmに変更し、溶解カゴを傾斜しなかったこと以外は、実施例1と同様にして溶解液を用いた試験片における熱硬化性樹脂の溶解試験を行った。結果を表1に示す。
(溶解カゴの構成)
カゴ高さ13.5cm
目開き1.2mm
カゴ底面積625cm
試験片の重さ2000g
上下カゴ間の距離5mm
<比較例1>
実施例1にて、以下に示す溶解カゴに変更し、充填率を30%、自重圧力を7.20g/cmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして溶解液を用いた試験片における熱硬化性樹脂の溶解試験を行った。結果を表1に示す。
(溶解カゴの構成)
カゴ高さ15cm
目開き1.2mm
カゴ底面積625cm
試験片の重さ4500g
上下カゴ間の距離5mm
なお、比較例1では、回収した炭素繊維の感触評価から、炭素繊維以外の樹脂の解け残りが存在することを確認したため、脱液率の評価は行わなかった。
<比較例2>
実施例1にて、以下に示す溶解カゴに変更し、充填率を15%、自重圧力を7.20g/cmに変更し、溶解カゴを傾斜せずに溶解試験を10時間行った以外は、実施例1と同様にして溶解液を用いた試験片における熱硬化性樹脂の溶解試験を行った。結果を表1に示す。
(溶解カゴの構成)
カゴ高さ30cm
目開き1.1mm
カゴ底面積625cm
試験片の重さ4500g
上下カゴ間の距離5mm
なお、比較例2では、回収した炭素繊維の感触評価から、炭素繊維以外の樹脂の解け残りが存在することを確認したため、脱液率の評価は行わなかった。
表1に示すように、実施例1及び2では、回収した炭素繊維に樹脂の溶け残りがなく、複合材料から樹脂を効率よく除去できることが分かった。
1…溶解部
2…溶解カゴ
3…貯留タンク
4…溶解液
5…配管
6…ポンプ
10…溶解装置

Claims (8)

  1. 強化繊維と、樹脂とを含む複合材料を、外部から液体が流入可能、かつ外部へ液体が流出可能な溶解カゴ内に自重圧力(複合材料の質量/溶解カゴの底面積)が6.0g/cm以下となるように配置する工程と、
    前記複合材料を配置した前記溶解カゴ内に前記樹脂を溶解させる溶解液を供給する工程と、
    を含む樹脂の溶解方法。
  2. 前記複合材料は、前記強化繊維に前記樹脂が含浸している請求項1に記載の樹脂の溶解方法。
  3. 前記樹脂は、半硬化状態である請求項1又は請求項2に記載の樹脂の溶解方法。
  4. 前記溶解カゴの高さは、20cm以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の樹脂の溶解方法。
  5. 前記溶解カゴにおける前記複合材料の充填率は、25%以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の樹脂の溶解方法。
  6. 前記溶解カゴの底面は、水平方向に対して傾斜している請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の樹脂の溶解方法。
  7. 前記溶解カゴの形状は網目状であり、前記溶解カゴの目開きは、0.5mm〜1.2mmである請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の樹脂の溶解方法。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の樹脂の溶解方法により、前記樹脂を溶解して再生強化繊維を製造する再生強化繊維の製造方法。
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