JP2020011482A - 再生材料の製造方法、複合材料の処理方法及び炭素繊維 - Google Patents

再生材料の製造方法、複合材料の処理方法及び炭素繊維 Download PDF

Info

Publication number
JP2020011482A
JP2020011482A JP2018136539A JP2018136539A JP2020011482A JP 2020011482 A JP2020011482 A JP 2020011482A JP 2018136539 A JP2018136539 A JP 2018136539A JP 2018136539 A JP2018136539 A JP 2018136539A JP 2020011482 A JP2020011482 A JP 2020011482A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon fiber
composite material
cut
cutting
crushing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018136539A
Other languages
English (en)
Inventor
清水 明
Akira Shimizu
明 清水
和弘 永田
Kazuhiro Nagata
和弘 永田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nagoya University NUC
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Nagoya University NUC
Hitachi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nagoya University NUC, Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Nagoya University NUC
Priority to JP2018136539A priority Critical patent/JP2020011482A/ja
Publication of JP2020011482A publication Critical patent/JP2020011482A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

【課題】塊状の複合材料にも適用可能な再生材料の製造方法の提供。【解決手段】無機材料と、有機材料とを含む塊状の複合材料を裁断して裁断片を得る工程と、前記裁断片を破砕して破砕片を得る工程と、を含む、再生材料の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、再生材料の製造方法、複合材料の処理方法及び炭素繊維に関する。
樹脂等の有機材料と、炭素等の無機材料とを複合化したシート状の複合材料は、様々な分野で利用されている。このような複合材料としては、樹脂と炭素繊維を含むカーボン繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastic、CFRP)、樹脂とガラス繊維を含むガラス繊維強化プラスチック(Glass Fiber Reinforced Plastic、GFRP)等が知られている。
近年、使用済みの複合材料の廃棄量が増大傾向にあり、その再生利用技術の開発が検討されている。例えば、特許文献1及び特許文献2には、有機材料を分解しうる処理液で複合材料を処理し、有機材料を分解して無機材料を回収する方法が記載されている。
特開2001−172426号公報 特開2002−194137号公報
現状の再生利用技術においては、再生利用の対象となる複合材料がシート状の形状を維持している場合には、これを所定のサイズに裁断して処理液に浸漬し、樹脂等の有機材料を除去して無機材料を回収している。一方、シート状の複合材料が無造作に丸められたり、折り畳まれたりして塊状になっている場合には、再利用の対象とされずに廃棄処分となっている。このため、資源回収効率の改善の観点から、塊状の複合材料を原料とする再生利用技術の開発が望まれている。
上記に鑑み、本発明の一態様は、塊状の複合材料にも適用可能な再生材料の製造方法及び複合材料の処理方法を提供することを課題とする。本発明の別の一態様は、複数種の切断面を含む炭素繊維を提供することを課題とする。
課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1>無機材料と、有機材料とを含む塊状の複合材料を裁断して裁断片を得る工程と、前記裁断片を破砕して破砕片を得る工程と、を含む、再生材料の製造方法。
<2>前記裁断をせん断式の裁断機を用いて行う、<1>に記載の再生材料の製造方法。
<3>前記破砕をせん断式の破砕機を用いて行う、<1>又は<2>に記載の再生材料の製造方法。
<4>前記裁断片の最大径が300mm以下である、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の再生材料の製造方法。
<5>前記無機材料が炭素繊維である、<1>〜<4>のいずれか1項に記載の再生材料の製造方法。
<6>前記破砕片に含まれる前記無機材料と前記有機材料とを分離する工程をさらに含む、<1>〜<5>のいずれか1項に記載の再生材料の製造方法。
<7>無機材料と、有機材料とを含む塊状の複合材料を裁断して裁断片を得る工程と、前記裁断片を破砕して破砕片を得る工程と、をこの順に含む、複合材料の処理方法。
<8>複数種の切断面を含む、炭素繊維。
<9>前記複数種の切断面として、複数種の切断手段を用いて切断した切断面を含む、<8>に記載の炭素繊維。
<10>前記複数種の切断面として、裁断機を用いて得られる切断面と、破砕機を用いて得られる切断面と、を含む、<9>に記載の炭素繊維。
<11>無機材料と有機材料とを含む複合材料から回収されたものである、<8>〜<10>のいずれか1項に記載の炭素繊維。
本発明の一態様によれば、塊状の複合材料にも適用可能な再生材料の製造方法及び複合材料の処理方法が提供される。本発明の別の一態様によれば、複数種の切断面を含む炭素繊維が提供される。
実施例で得た複合材料の裁断片の断面の一例を示す写真である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本明細書において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
<再生材料の製造方法>
本開示の再生材料の製造方法は、無機材料と、有機材料とを含む塊状の複合材料を裁断して裁断片を得る工程(裁断工程)と、前記裁断片を破砕して破砕片を得る工程(破砕工程)と、を含む、再生材料の製造方法である。
上記方法は、これまで再生利用の対象とされてこなかった塊状の複合材料を用いて再生材料を製造するものである。塊状の複合材料の再生利用が進まない理由の一つとして、再生処理のための切断工程において、塊状の複合材料に含まれる無機材料が受けるダメージがシート状の複合材料に含まれる無機材料が受けるダメージに比べて大きいことが挙げられる。
本開示の方法により製造される再生材料は、本開示の方法によらずに塊状の複合材料から製造される再生材料に比べ、製造工程で受けるダメージが少なく、品質により優れている。その理由は必ずしも明らかではないが、塊状の複合材料を破砕する前にある程度の大きさに裁断して裁断片とすることで、破砕時に複合材料にかかる力(トルク)が緩和されることが考えられる。
本開示において「塊状の複合材料」とは、本来はシート状である複合材料が丸められたり折り畳まれたりした結果、シート状になっていない複合材料を意味する。このような複合材料として具体的には、カーボン繊維強化プラスチック(CFRP)、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)等が挙げられる。複合材料は、使用済みの状態であっても、未使用(例えば、複合材料を含む製品の製造過程で生じる端材)の状態であってもよい。
上記方法により製造される再生材料は、複合材料に含まれる無機材料又はこれを利用するものであっても、有機材料又はこれを利用するものであってもよい。一般には、無機材料が再生材料として利用される。
複合材料に含まれる無機材料としては、炭素(カーボン)、ガラス、セラミックス、金属、半導体等が挙げられる。複合材料中における無機材料の形状は特に制限されず、繊維状、クロス状、粒子状、層状、板状、棒状等が挙げられる。複合材料に含まれる無機材料は、1種のみであっても、2種以上であってもよい。ある実施態様では、無機材料は炭素繊維であってもよい。
複合材料に含まれる有機材料としては、樹脂が挙げられる。複合材料が樹脂を含む場合、繊維状の無機材料に樹脂を含浸させた状態(プリプレグ)であってもよい。
複合材料が硬化性の樹脂を含む場合、複合材料は樹脂が完全に硬化していない状態(Bステージ)であっても、完全に硬化した状態(Cステージ)であってもよい。
(裁断工程)
裁断工程では、塊状の複合材料を裁断して裁断片を得る。
裁断を実施する手段は特に制限されず、公知の手段から選択できる。具体的には、シャー等のせん断式の裁断機、鋸、ナイフ、超音波カッター、ウォータージェット、打ち抜き機等が挙げられる。
裁断は、裁断時に複合材料の圧縮が生じにくい手法で実施することが好ましい。複合材料の圧縮が生じにくい手法で裁断を実施することで、再生材料に与えるダメージをより軽減することができる。また、後述するように複合材料に含まれる無機材料の回収を処理液を用いて行う場合、処理液の浸透性が充分に確保され、無機材料の回収効率の低下が抑制される。裁断時に複合材料の圧縮が生じにくい手法としては、せん断式の裁断機を用いる手法が挙げられる。
裁断工程後の破砕工程で破砕片に与えるダメージを軽減する観点からは、裁断工程で得られる裁断片の大きさは小さいことが好ましい。具体的には、裁断片の最大径は300mm以下であることが好ましく、200mm以下であることがより好ましい。一方、破砕工程の効率の観点からは、裁断片の最大径は50mm以上であることが好ましく、100mm以上であることがより好ましい。
裁断片の形状は、特に制限されない。例えば、裁断片の正面(裁断片を観察したときの面積が最大となる面)の形状が四角形又は四角形に近い形状であってもよい。
(破砕工程)
破砕工程では、裁断工程で得られた裁断片を破砕して破砕片を得る。
破砕を実施する手段は特に制限されず、公知の手段から選択できる。具体的には、せん断式の破砕機(一軸破砕機、二軸破砕機、シュレッダー等)、衝突式の破砕機(ハンマークラッシャー、チェーンクラッシャー等)が挙げられる。
破砕は、破砕時に複合材料の圧縮が生じにくい手法で実施することが好ましい。複合材料の圧縮が生じにくい手法で破砕を実施することで、再生材料に与えるダメージをより軽減することができる。また、後述するように複合材料に含まれる無機材料の回収を処理液を用いて行う場合、処理液の浸透性が充分に確保され、無機材料の回収効率の低下が抑制される。破砕時に複合材料の圧縮が生じにくい手法としては、せん断式の破砕機を用いる手法が挙げられる。
破砕をせん断式の破砕機を用いて実施する場合、一軸破砕機(回転刃と固定刃とで破砕を実施する破砕手段)を用いることがより好ましい。一軸破砕機は、回転刃と固定刃とにより対象物の破砕を実施する。一軸破砕機を用いて破砕を実施することで、他の手段を用いて破砕を実施する場合に比べ、破砕片の大きさを制御しやすい。また、破砕片が刃の下部に落下するため複合材料の刃への絡まり、付着等が生じにくく、効率よく破砕を実施することができる。
破砕工程で得られる破砕片の大きさは特に制限されず、目的となる再生材料の状態(例えば、繊維の長さ)に応じて選択できる。例えば、破砕片の最大径(破砕片を互いに平行な2つの平面で挟んだときに平面間の距離が最大となるときの距離)が5mm〜60mmの範囲内となる大きさであってもよい。
(分離工程)
上記方法は、破砕片に含まれる無機材料と有機材料とを分離する工程(分離工程)をさらに含んでいてもよい。
破砕片に含まれる無機材料と有機材料とを分離する方法は、特に制限されない。例えば、破砕片に含まれる有機材料を分解しうる処理液を用いて有機材料を分解し、無機材料を回収する方法(溶解法)、及び破砕片に含まれる有機材料が分解しうる温度に加熱して有機材料を分解し、無機材料を回収する方法(燃焼法)等が挙げられる。必要に応じ、複数の方法を組み合わせてもよい。破砕片から回収した無機材料の再生材料としての品質の観点からは、溶解法が好ましい。
無機材料と有機材料の分離を処理液を用いて行う場合の処理液は、特に制限されない。例えば、破砕片が有機材料としてエステル結合を含有する樹脂を含む場合は、エステル結合の分解を生じる処理液を用いてもよい。
処理液としては、有機溶媒と、必要に応じて分解触媒とを含むものが挙げられる。有機溶媒の種類は特に制限されない。例えば、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、アミド系溶媒、及びエステル系溶媒が挙げられる。
アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、 1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量200〜400)、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、グリセリン、ジプロピレングリコール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ホロン、イソホロン、アセチルアセトン、アセトフェノン等が挙げられる。
エーテル系溶媒としては、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アニソール、フェネトール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセタール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセタール等が挙げられる。
アミド系溶媒としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、カプロラクタム、カルバミド酸エステル等が挙げられる。
エステル系溶媒としては、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、3−メトキシブチルアセタート、2−エチルブチルアセタート、2−エチルヘキシルアセタート、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソペンチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソペンチル、イソ酪酸イソブチル、イソ吉草酸エチル、イソ吉草酸イソペンチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、γ−ブチロラクトン、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジエチル、サリチル酸メチル、エチレングリコールジアセタート、ホウ酸トリブチル、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル等が挙げられる。
上記した有機溶媒の中でも、変性しにくさの観点からはアルコール系溶媒が好ましく、ベンジルアルコール及び1,4−ブタンジオールからなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、ベンジルアルコールが更に好ましい。処理液に含まれる有機溶媒は、1種のみであっても、2種以上であってもよい。
処理液が分解触媒を含む場合、分解触媒としてはリン酸塩等のアルカリ金属化合物、金属水酸化物などが挙げられる。リン酸塩としてはリン酸三カリウム、リン酸三ルビジウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三リチウム等が挙げられる。金属水酸化物としては水酸化ルビジウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等が挙げられる。
中でも安全性の観点からはリン酸塩が好ましく、リン酸三カリウムであることがより好ましい。処理液に含まれる分解触媒は、1種のみであっても、2種以上であってもよい。
破砕片と処理液が接触している時間は、特に制限されない。例えば、60分〜600分の範囲であってよく、90分〜240分の範囲であることが好ましい。
破砕片と処理液が接触しているときの処理液の温度は、特に制限されない。例えば、150℃以上であってもよく、180℃以上であってもよい。処理液の温度の上限値は特に制限されず、処理液の沸点未満であればよい。
破砕片と処理液を接触させた後、有機材料の分解物を含む処理液と無機材料とを分離する。処理液と無機材料を分離する方法は、特に制限されない。例えば、破砕片と処理液の接触を容器中で行った場合は、処理液を先に容器から取り出してもよく、無機材料を先に容器から取り出してもよい。
分離工程で使用した処理液は、廃棄しても、再利用してもよい。処理液を再利用する場合、処理液からの有機材料の分解物の除去、未使用の処理液の追加などの、何らかの処理を必要に応じて実施してもよい。
分離工程では、必要に応じ、破砕片と処理液の接触と、有機材料の分解物を含む処理液と無機材料との分離を、複数回繰り返してもよい。
(その他の工程)
本開示の方法は、必要に応じて上述した工程以外の工程を含んでいてもよい。例えば、分離工程後の無機材料を洗浄又は熱処理する工程、分離工程後の無機材料のサイズ(繊維長等)を調整する工程、分離工程後の無機材料を表面処理剤で表面処理する工程などが挙げられる。
上記方法で製造された再生材料の用途は、特に制限されない。例えば、樹脂との複合材料、断熱材、電磁波遮蔽フィルム等の原料として利用できる。
特に、上記方法で製造された再生材料が繊維状である場合、不織布の材料として好適に使用できる。
上記方法で製造された再生材料が繊維状である場合、その長さは特に制限されない。例えば、1mm〜500mmの範囲内であってもよい。
上記方法で製造された再生材料が炭素繊維である場合、当該炭素繊維が上記方法により製造されたものであるか否かは、炭素繊維の切断面を観察して判断してもよい。例えば、炭素繊維が裁断により得られる切断面と、破砕により得られる切断面の双方を含む場合は、炭素繊維が上記方法により製造されたと推定することができる。
<複合材料の処理方法>
本開示の複合材料の処理方法は、無機材料と、有機材料とを含む塊状の複合材料を裁断して裁断片を得る工程(裁断工程)と、前記裁断片を破砕して破砕片を得る工程(破砕工程)と、を含む、複合材料の処理方法である。
上記方法によれば、塊状の複合材料に含まれる無機材料が受けるダメージを軽減しながら複合材料を処理することができる。
上記方法における複合材料、工程等の詳細及び好ましい態様は、上述した再生材料の製造方法における複合材料、工程等の詳細及び好ましい態様と同様である。
<炭素繊維>
本開示の炭素繊維は、複数種の切断面を含む炭素繊維である。
本開示において炭素繊維の「切断面」とは、炭素繊維をある長さに切断した際に生じる断面を意味する。複数種の切断面を含む炭素繊維としては、例えば、複数種の切断手段を用いて切断した切断面を含む炭素繊維が挙げられる。炭素繊維が複数種の切断面を含んでいるか否かは、例えば、炭素繊維の切断面の状態を電子顕微鏡等で観察することにより確認することができる。
炭素繊維が2種の切断面(切断面A及び切断面B)を含む場合の例としては、両端が切断面Aである炭素繊維を炭素繊維a、両端が切断面Bである炭素繊維を炭素繊維b、片端が切断面Aであり、別の片端が一軸破砕機を用いて切断された切断面である炭素繊維を炭素繊維cとしたとき、炭素繊維aと炭素繊維bを含む炭素繊維、炭素繊維aと炭素繊維cを含む炭素繊維、炭素繊維bと炭素繊維cを含む炭素繊維、炭素繊維aと炭素繊維bと炭素繊維cとを含む炭素繊維、及び炭素繊維cのみを含む炭素繊維が挙げられる。
炭素繊維は、裁断機を用いて得られる切断面と、破砕機を用いて得られる切断面と、を含むものであってもよい。このような炭素繊維は、上述した再生材料の製造方法に記載した方法で得られるものであってもよい。
炭素繊維が裁断機を用いて得られる切断面と、破砕機を用いて得られる切断面と、を含む場合、せん断式の裁断機を用いて得られる切断面と、せん断式の破砕機を用いて得られる切断面と、を含むものが好ましい。
せん断式の裁断機としては、シャー等が挙げられる。
せん断式の破砕機としては、一軸破砕機、二軸破砕機、シュレッダー等が挙げられ、中でも一軸破砕機が好ましい。
炭素繊維は、炭素繊維と有機材料とを含む複合材料から回収されたもの(再生炭素繊維)であってもよい。
炭素繊維と有機材料とを含む複合材料から回収した炭素繊維であって複数種の切断面を含むものとしては、例えば、複数種の切断手段を用いて複合材料を切断して得られた切断片から回収した炭素繊維が挙げられる。
炭素繊維と有機材料とを含む複合材料から回収した炭素繊維であって複数種の切断面を含むものを得る方法としては、(1)複合材料を複数種の切断手段を用いて複数回切断して得られる切断片から無機材料を回収する方法、(2)複合材料をある切断手段を用いて切断して得られる切断片と、別の切断手段を用いて得られる切断片とを組み合わせる方法等が挙げられる。
複合材料を複数種の切断手段を用いて複数回切断して得られる切断片から無機材料を回収する方法としては、複合材料を裁断機を用いて裁断して裁断片を得る工程と、得られた裁断片を破砕機を用いて破砕して破砕片を得る工程と、をこの順に含む方法が挙げられる。
炭素繊維が複合材料から回収されたものである場合、複合材料に含まれる有機材料としては樹脂が挙げられる。
炭素繊維が複合材料から回収されたものである場合、複合材料から炭素繊維を回収する方法は、特に制限されない。例えば、上述した再生材料の製造方法における破砕片に含まれる無機材料と有機材料とを分離する工程(分離工程)に準じた方法で行ってもよい。
炭素繊維が複合材料から回収されたものであるか否かは、例えば、炭素繊維が集束体を形成していない繊維を含んでいるか否かにより判断することができる。複合材料に含まれる炭素繊維は、通常、複数の単繊維(フィラメント)が集束体(ストランド)を形成した状態となっている。従って、炭素繊維が集束体を形成していない繊維を含んでいる場合には、当該炭素繊維が複合材料から回収されたものであると判断することができる。
炭素繊維の長さは、特に制限されない。例えば、1mm〜100mmの範囲内であってもよい。
以下、本実施形態を実施例により具体的に説明するが、本実施形態はこの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
塊状の複合材料として、炭素繊維とエポキシ樹脂を含むBステージのCFRPシートが丸められた状態のものを準備した。この複合材料を、せん断式の裁断機(シャー)を用いて裁断した。裁断は、裁断片の正面が表1に示す寸法の四角形となるように行った。裁断片の断面を観察すると、図1に示すように、CFRPシートが何重にも重なった状態になっていた。
得られた裁断片を、一軸式破砕機で破砕して、最大径が5mm〜60mm程度の破砕片を得た。得られた破砕片に含まれる炭素繊維が傷等のダメージを受けているか否かを、目視により観察した。結果を表1に示す。
現状の再生利用技術においては、再生利用の対象となる複合材料がシート状の形状を維持している場合には、これを所定のサイズに裁断して、例えば溶解法の場合は処理液に浸漬し、樹脂等の有機材料を除去して無機材料を回収している。一方、シート状の複合材料が無造作に丸められたり、折り畳まれたりして塊状になっている場合には、再利用の対象とされずに廃棄処分となっている。このため、資源回収効率の改善の観点から、塊状の複合材料を原料とする再生利用技術の開発が望まれている。
上記に鑑み、本発明の一態様は、塊状の複合材料にも適用可能な再生材料の製造方法及び複合材料の処理方法を提供することを課題とする
課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1>無機材料と、有機材料とを含む塊状の複合材料を裁断して裁断片を得る工程と、前記裁断片を破砕して破砕片を得る工程と、を含む、再生材料の製造方法。
<2>前記裁断をせん断式の裁断機を用いて行う、<1>に記載の再生材料の製造方法。
<3>前記破砕をせん断式の破砕機を用いて行う、<1>又は<2>に記載の再生材料の製造方法。
<4>前記裁断片の最大径が300mm以下である、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の再生材料の製造方法。
<5>前記無機材料が炭素繊維である、<1>〜<4>のいずれか1項に記載の再生材料の製造方法。
<6>前記破砕片に含まれる前記無機材料と前記有機材料とを分離する工程をさらに含む、<1>〜<5>のいずれか1項に記載の再生材料の製造方法。
<7>無機材料と、有機材料とを含む塊状の複合材料を裁断して裁断片を得る工程と、前記裁断片を破砕して破砕片を得る工程と、をこの順に含む、複合材料の処理方法
本発明の一態様によれば、塊状の複合材料にも適用可能な再生材料の製造方法及び複合材料の処理方法が提供される
<再生材料の製造方法>
本開示の再生材料の製造方法は、無機材料と、有機材料とを含む塊状の複合材料を裁断して裁断片を得る工程(裁断工程)と、前記裁断片を破砕して破砕片を得る工程(破砕工程)と、を含む、再生材料の製造方法である。
本開示において「裁断」とは、1切断毎に所定のサイズを狙って切断する方法を意味する。具体的にはシャー、丸鋸、ウォータージェット、超音波等を用いて行う切断が挙げられる。「破砕」とは、対象物のサイズを明確に狙わずにまとめて切断する方法を意味する。具体的にはロール切断機、ハンマーミル、ボールミル等を用いて行う切断が挙げられる。

Claims (11)

  1. 無機材料と、有機材料とを含む塊状の複合材料を裁断して裁断片を得る工程と、前記裁断片を破砕して破砕片を得る工程と、を含む、再生材料の製造方法。
  2. 前記裁断をせん断式の裁断機を用いて行う、請求項1に記載の再生材料の製造方法。
  3. 前記破砕をせん断式の破砕機を用いて行う、請求項1又は請求項2に記載の再生材料の製造方法。
  4. 前記裁断片の最大径が300mm以下である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の再生材料の製造方法。
  5. 前記無機材料が炭素繊維である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の再生材料の製造方法。
  6. 前記破砕片に含まれる前記無機材料と前記有機材料とを分離する工程をさらに含む、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の再生材料の製造方法。
  7. 無機材料と、有機材料とを含む塊状の複合材料を裁断して裁断片を得る工程と、前記裁断片を破砕して破砕片を得る工程と、をこの順に含む、複合材料の処理方法。
  8. 複数種の切断面を含む、炭素繊維。
  9. 前記複数種の切断面として、複数種の切断手段を用いて切断した切断面を含む、請求項8に記載の炭素繊維。
  10. 前記複数種の切断面として、裁断機を用いて得られる切断面と、破砕機を用いて得られる切断面と、を含む、請求項9に記載の炭素繊維。
  11. 無機材料と有機材料とを含む複合材料から回収されたものである、請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載の炭素繊維。
JP2018136539A 2018-07-20 2018-07-20 再生材料の製造方法、複合材料の処理方法及び炭素繊維 Pending JP2020011482A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018136539A JP2020011482A (ja) 2018-07-20 2018-07-20 再生材料の製造方法、複合材料の処理方法及び炭素繊維

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018136539A JP2020011482A (ja) 2018-07-20 2018-07-20 再生材料の製造方法、複合材料の処理方法及び炭素繊維

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020011482A true JP2020011482A (ja) 2020-01-23

Family

ID=69170261

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018136539A Pending JP2020011482A (ja) 2018-07-20 2018-07-20 再生材料の製造方法、複合材料の処理方法及び炭素繊維

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020011482A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7290382B1 (ja) 2022-12-12 2023-06-13 増岡窯業原料株式会社 廃炭素繊維強化プラスチックの再生方法
KR20230107389A (ko) 2020-12-02 2023-07-14 미라이카세이 인크. 보강섬유 회수용 반응장치 및 재생 보강섬유의 제조방법

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20230107389A (ko) 2020-12-02 2023-07-14 미라이카세이 인크. 보강섬유 회수용 반응장치 및 재생 보강섬유의 제조방법
JP7290382B1 (ja) 2022-12-12 2023-06-13 増岡窯業原料株式会社 廃炭素繊維強化プラスチックの再生方法
JP2024084011A (ja) * 2022-12-12 2024-06-24 増岡窯業原料株式会社 廃炭素繊維強化プラスチックの再生方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10774194B2 (en) Method of separating inorganic material, method of producing reprocessed material and method of removing organic substance
JP2020011482A (ja) 再生材料の製造方法、複合材料の処理方法及び炭素繊維
JP4686991B2 (ja) 炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料の分離方法
JP4996041B2 (ja) 炭素材料/酸無水物硬化エポキシ樹脂複合材料の処理液および分離方法
CN113690501B (zh) 一种去酸洗的电池极片的回收工艺
CN102872960A (zh) 报废玻璃粉碎装置
JP2018140353A (ja) ガラス部材分離方法及びガラス部材分離システム
US20180072039A1 (en) Method for solubilizing crosslinked eva, and method for recovering resource from used solar cell by employing solubilization method
JP6729593B2 (ja) 炭素繊維不織布、炭素繊維不織布の製造方法、炭素繊維多層布、及び複合材料
US20160075848A1 (en) Methods and systems for carpet recycling
JP2010241074A (ja) 樹脂シートの回収方法
JP2017052865A (ja) 未硬化エポキシ樹脂複合材料の溶解方法
JP2020001021A (ja) 無機材料の処理方法及び再生材料の製造方法
KR101269907B1 (ko) 전자기기 모니터용 피이티 필름의 재활용을 위한 박리제 조성물
JP6693522B2 (ja) 熱硬化性樹脂硬化物の分解生成物の回収方法及び再生材料の製造方法
US10773422B2 (en) Method of separating inorganic material, method of producing reprocessed material and method of removing organic substance
JP5218436B2 (ja) 樹脂の処理方法
JP2020050783A (ja) 複合材料の保管方法、シート状の複合材料の切断方法及び再生強化繊維の製造方法
Hao et al. Influence of chemical treatment on the recycling of composites before pyrolysis
TW201711765A (zh) 偏光板廢品處理方法
JP2004161914A (ja) 非金属ハニカムパネルの分解方法、およびリサイクル方法
JPWO2017154104A1 (ja) 炭素繊維不織布、炭素繊維不織布の製造方法、炭素繊維多層布、及び複合材料
Chaouch et al. Development of a reliable and efficient combined grinding and separation process for PVC-coated fabric waste
Abdul Hasan Abdul Karem Eco-Friendly Flame-Retardant Solutions: Repurposing Polystyrene Waste into Fire-Resistant Polymers
JP2012239974A (ja) 膜が形成されたガラスの再資源化方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190510

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20190510

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20190510