JPH10147621A - 熱硬化性組成物およびモールド材 - Google Patents

熱硬化性組成物およびモールド材

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JPH10147621A
JPH10147621A JP9287467A JP28746797A JPH10147621A JP H10147621 A JPH10147621 A JP H10147621A JP 9287467 A JP9287467 A JP 9287467A JP 28746797 A JP28746797 A JP 28746797A JP H10147621 A JPH10147621 A JP H10147621A
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JP
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mold
aliphatic polyester
thermosetting composition
parts
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JP9287467A
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English (en)
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Takahiko Terada
貴彦 寺田
Hiroshi Onishi
宏 大西
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

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  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Insulating Of Coils (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の優れた特性を維持しつつ、かつ、容易
に分解され得る熱硬化性組成物を提供すること。 【解決手段】 不飽和ポリエステル、付加重合性モノマ
ー、低収縮剤、および脂肪族ポリエステルを含有する熱
硬化性組成物が提供される。この熱硬化性組成物は、硬
化後に、塩基と、水、メタノール、エタノール、および
エチレングリコールでなる群から選択される少なくとも
1種の溶剤とを含有する分解溶液により、該分解溶液の
沸点より低い温度で容易に分解され得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強度および耐熱性
に優れ、かつ、廃棄時の分解処理が容易な熱硬化性組成
物、該組成物を含むモールド材および該モールド材を用
いたモールド構造体、ならびにこれらの分解処理方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】熱硬化性樹脂は、従来より工業材料に広
く利用されている。熱硬化性樹脂の生産量は、1985
年から年間数パーセントの割合で増大し、1990年に
は年間約200万トンの熱硬化性樹脂が生産されてい
る。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール
樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、尿
素樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられ
る。このような熱硬化性樹脂の多くは、繊維強化プラス
チック(FRP)のような充填材を含有する複合材料と
して用いられる。例えば、不飽和ポリエステル樹脂で
は、その生産量の約80%がFRPとして使用されてい
る。充填材としては、上記FRPに含有されるガラス繊
維の他に、炭酸カルシウム、タルク、シリカのような無
機材料、あるいはパルプ、木材のような有機材料などが
挙げられる。このように、熱硬化性樹脂は、充填材など
を用いる複合化による強化が容易であるため、成形材
料、積層板、接着剤、塗料などの工業分野、あるいは民
生分野に広範囲に利用されている。
【0003】熱硬化性樹脂は、硬化後に3次元架橋構造
を形成し、一般的には不溶不融の固体となるため、分解
処理が困難である。従って、熱硬化性樹脂は、再生処理
あるいは再利用には適合し難いものであると考えられ、
従来は廃棄されていた。
【0004】しかし、近年、廃棄物問題が注目されるに
つれて、廃棄樹脂の分解および再生が重要な問題となっ
ている。この問題は、熱硬化性樹脂に関しても同様に重
要である。例えば、繊維強化された不飽和ポリエステル
樹脂は、漁船、タンクあるいは住宅機材など大型製品の
製造に多用されているため、廃棄物の分解および再生処
理が深刻な問題となっている。そこで、廃棄熱硬化性樹
脂の減容化、再利用および再資源化技術の開発が必要と
され、熱分解による原料化などが検討され始めた。しか
し、硬度、強度、耐熱性、難燃性、耐薬品性のような熱
硬化性樹脂の優れた特性が、分解処理を技術的な面から
困難にしている。さらに、熱硬化性樹脂は、その優れた
強度特性により構造材として使用されることが多く、例
えばモータのモールド材に使用される場合のように、廃
棄物中に金属のような他の素材を包含している場合が多
い。このような素材は、熱硬化性樹脂よりも高価な有価
物である。安価な樹脂廃棄物が高価な金属などの再生お
よび再利用の可能性を阻んでいるということが、より大
きな問題となっている。このように、熱硬化性樹脂に関
する廃棄物問題は、従来の処方で得られる樹脂や従来の
分解処理方法では解決できない。
【0005】一方、近年、熱硬化性樹脂からなるモール
ド材を用いて一体成形したモールド構造体、例えばモー
ルドモータ、モールドトランス、ICパッケージが、民
生機器、産業機器、事務機器などに利用されている。以
下、モールドモータを一例として説明すると、このよう
なモールドモータは、静音性、制振性、絶縁性、メンテ
ナンス性に優れ、かつ、コンパクトで製造時の自動化も
容易であるので、その需要が急速に拡大している。
【0006】従来、交流モータ、ブラシレス直流モータ
などとして使用されるモールドモータのモールドステー
タは、一般的には、例えば、特開昭61−214740
号公報に開示される構成を有する。その構成について図
7および図8を用いて説明する。図7は従来のモールド
ステータ201を有するモールドモータの外観を示す斜
視図であり、図8はモールドされる前のステータ部の構
成を示す斜視図である。図7に示すように、モールドモ
ータは、モータ部と220と、図8のステータ部をモー
ルド材202で覆うように一体成形されたモールドステ
ータ201とを有する。ステータ部は、図8に示すよう
に、円筒状の絶縁体207を介して巻線203が巻装さ
れた鉄芯204を有し、該絶縁体207は、その一方の
円周部分の一部に配線パターン210を有するプリント
基板211を有している。このプリント基板211上で
上記巻線の端末部とリード線212とが接続され、外部
からの信号が入力される。このモールド材は、バインダ
ー材として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ナイロンなどの熱可塑性樹脂、ま
たは不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フ
ェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を、さらに添加材とし
て、炭酸カルシウム、タルク、カーボンブラックなどを
含有する。
【0007】モールドモータの廃棄時には、モールド材
を除去して有価物である鉄芯や巻線の金属類をリサイク
ルすることが望ましい。従来の一般的な廃棄物処理で
は、最初にシュレッダーによりモールド材を破砕し、次
いで破砕物から鉄芯や巻線などの有価物を選別すること
により、有価物をリサイクルしている。しかし、上記の
ような構成のモールドモータでは、鉄芯や巻線によりシ
ュレッダーの歯が痛み易いため、破砕処理が敬遠され、
有価物のリサイクルが行われずに廃棄され、他の廃棄物
とともに埋め立てられる。上記のようなモールド材は、
埋立により自然に分解するものではないので、鉄芯や巻
線に使用されるケイ素鋼板や銅線などが、モータとして
の使用後も材質としての価値が高いにもかかわらず、リ
サイクルされずにそのまま埋立放置されている。さら
に、モールド材として使用される熱硬化性樹脂に対して
は、上記の熱分解による減容化のような従来の分解処理
方法は適用できない。従って、従来のモールドモータで
は、破砕もモールド材の分解も適用できず、廃棄時に鉄
芯や巻線などの有価物が再利用し難いという問題点を有
している。モールドトランスのような他のモールド構造
体においても、上記と同様の問題点を有している。
【0008】以上のように、大型樹脂廃棄物の分解処
理、およびモールド構造体などにおける有価物のリサイ
クルといった観点から、従来の優れた特性を維持しつ
つ、かつ、容易に分解され得る熱硬化性樹脂あるいは熱
硬化性組成物が望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題を解決するためになされたものであり、その目的と
するところは、従来の優れた特性を維持しつつ、かつ、
容易に分解され得る熱硬化性組成物を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の熱硬化性
組成物は、熱硬化性樹脂および脂肪族ポリエステルを含
有し、硬化後に、少なくとも塩基を含有する分解溶液に
より該脂肪族ポリエステルが分解されることによって、
分解が促進される。
【0011】本発明の第二の熱硬化性組成物は、不飽和
ポリエステル、付加重合性モノマー、脂肪族ポリエステ
ル以外の低収縮剤、および脂肪族ポリエステルを含有
し、硬化後に、塩基と、水、メタノール、エタノール、
およびエチレングリコールでなる群から選択される少な
くとも1種の溶剤とを含有する分解溶液により、該分解
溶液の沸点より低い温度で容易に分解され得る。
【0012】本発明の第三の熱硬化性組成物は、不飽和
ポリエステル、付加重合性モノマー、およびポリカプロ
ラクトンを含有し、硬化後に、塩基と、水、メタノー
ル、エタノール、およびエチレングリコールでなる群か
ら選択される少なくとも1種の溶剤とを含有する分解溶
液により、該分解溶液の沸点より低い温度で容易に分解
され得る。
【0013】好適な実施態様においては、上記付加重合
性モノマーの少なくとも一部は、付加重合性末端を有す
る脂肪族ポリエステルである。
【0014】本発明の第四の熱硬化性組成物は、脂肪族
ポリエステル、ならびにフェノール樹脂またはエポキシ
樹脂を含有し、硬化後に、塩基と、水、メタノール、エ
タノール、およびエチレングリコールでなる群から選択
される少なくとも1種の溶剤とを含有する分解溶液によ
り、該分解溶液の沸点より低い温度で容易に分解され得
る。
【0015】好適な実施態様においては、上記第一、第
二および第四の熱硬化性組成物に含有される脂肪族ポリ
エステルは、ポリカプロラクトン、ポリプロピオラクト
ン、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリエチレンアジペ
ート、ポリブチレンアジペート、ポリテトラメチレンア
ジペート、ポリエチレンスクシネート、ポリブチレンス
クシネート、ポリカプロラクトンジオール、ポリカプロ
ラクトントリオール、およびポリ(3−ヒドロキシアル
カノエート)でなる群から選択される少なくとも1種の
脂肪族ポリエステルであり、第三の熱硬化性組成物にお
いてもポリカプロラクトン以外のこのような脂肪族ポリ
エステルがさらに含有される。
【0016】本発明の第一のモールド材は、熱硬化性樹
脂および脂肪族ポリエステルを含有する熱硬化性組成物
を、バインダー材として含有し、該熱硬化性組成物は、
硬化後に、少なくとも塩基を含有する分解溶液により該
脂肪族ポリエステルが分解されることによって、分解が
促進される。
【0017】本発明の第二のモールド材は、不飽和ポリ
エステル、付加重合性モノマー、脂肪族ポリエステル以
外の低収縮剤、および脂肪族ポリエステルを含有する熱
硬化性組成物を、バインダー材として含有し、該熱硬化
性組成物は、硬化後に、塩基と、水、メタノール、エタ
ノール、およびエチレングリコールでなる群から選択さ
れる少なくとも1種の溶剤とを含有する分解溶液によ
り、該分解溶液の沸点より低い温度で容易に分解され得
る。
【0018】本発明の第三のモールド材は、不飽和ポリ
エステル、付加重合性モノマー、およびポリカプロラク
トンを含有する熱硬化性組成物を、バインダー材として
含有し、該熱硬化性組成物は、硬化後に、塩基と、水、
メタノール、エタノール、およびエチレングリコールで
なる群から選択される少なくとも1種の溶剤とを含有す
る分解溶液により、該分解溶液の沸点より低い温度で容
易に分解され得る。
【0019】本発明の第四のモールド材は、脂肪族ポリ
エステル、ならびにフェノール樹脂またはエポキシ樹脂
を含有する熱硬化性組成物を、バインダー材として含有
し、該熱硬化性組成物は、硬化後に、塩基と、水、メタ
ノール、エタノール、およびエチレングリコールでなる
群から選択される少なくとも1種の溶剤とを含有する分
解溶液により、該分解溶液の沸点より低い温度で容易に
分解され得る。
【0020】好適な実施態様においては、上記第二およ
び第三のモールド材の熱硬化性組成物に含有される付加
重合性モノマーはスチレンである。
【0021】好適な実施態様においては、上記第一、第
二および第四のモールド材の熱硬化性組成物に含有され
る脂肪族ポリエステルは、ポリカプロラクトン、ポリプ
ロピオラクトン、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリエ
チレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリテト
ラメチレンアジペート、ポリエチレンスクシネート、ポ
リブチレンスクシネート、ポリカプロラクトンジオー
ル、ポリカプロラクトントリオール、およびポリ(3−
ヒドロキシアルカノエート)でなる群から選択される少
なくとも1種の脂肪族ポリエステルであり、第三のモー
ルド材の熱硬化性組成物においてもポリカプロラクトン
以外のこのような脂肪族ポリエステルがさらに含有され
る。
【0022】本発明の第一のモールド構造体は、少なく
とも金属類を含んで一体成形されたモールド材からなる
モールド部を有し、該モールド材の少なくとも一部が、
熱硬化性樹脂および脂肪族ポリエステルを含有する熱硬
化性組成物を、バインダー材として含有し、該熱硬化性
組成物は、硬化後に、少なくとも塩基を含有する分解溶
液により該脂肪族ポリエステルが分解されることによっ
て、分解が促進され、該金属類と該モールド材とが容易
に分離され得る。
【0023】本発明の第二のモールド構造体は、少なく
とも金属類を含んで一体成形されたモールド材からなる
モールド部を有し、該モールド材の少なくとも一部が、
不飽和ポリエステル、付加重合性モノマー、脂肪族ポリ
エステル以外の低収縮剤、および脂肪族ポリエステルを
含有する熱硬化性組成物を、バインダー材として含有
し、該熱硬化性組成物は、硬化後に、塩基と、水、メタ
ノール、エタノール、およびエチレングリコールでなる
群から選択される少なくとも1種の溶剤とを含有する分
解溶液により、該分解溶液の沸点より低い温度で容易に
分解され、該金属類と該モールド材とが容易に分離され
得る。
【0024】本発明の第三のモールド構造体は、少なく
とも金属類を含んで一体成形されたモールド材からなる
モールド部を有し、該モールド材の少なくとも一部が、
不飽和ポリエステル、付加重合性モノマー、およびポリ
カプロラクトンを含有する熱硬化性組成物を、バインダ
ー材として含有し、該熱硬化性組成物は、硬化後に、塩
基と、水、メタノール、エタノール、およびエチレング
リコールでなる群から選択される少なくとも1種の溶剤
とを含有する分解溶液により、該分解溶液の沸点より低
い温度で容易に分解され、該金属類と該モールド材とが
容易に分離され得る。
【0025】本発明の第四のモールド構造体は、少なく
とも金属類を含んで一体成形されたモールド材からなる
モールド部を有し、該モールド材の少なくとも一部が、
脂肪族ポリエステル、ならびにフェノール樹脂またはエ
ポキシ樹脂を含有する熱硬化性組成物を、バインダー材
として含有し、該熱硬化性組成物は、硬化後に、塩基
と、水、メタノール、エタノール、およびエチレングリ
コールでなる群から選択される少なくとも1種の溶剤と
を含有する分解溶液により、該分解溶液の沸点より低い
温度で容易に分解され、該金属類と該モールド材とが容
易に分離され得る。
【0026】好適な実施態様においては、上記第一、第
二および第四のモールド構造体の熱硬化性組成物に含有
される脂肪族ポリエステルは、ポリカプロラクトン、ポ
リプロピオラクトン、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポ
リエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリ
テトラメチレンアジペート、ポリエチレンスクシネー
ト、ポリブチレンスクシネート、ポリカプロラクトンジ
オール、ポリカプロラクトントリオール、およびポリ
(3−ヒドロキシアルカノエート)でなる群から選択さ
れる少なくとも1種の脂肪族ポリエステルであり、第三
のモールド構造体の熱硬化性組成物においてもポリカプ
ロラクトン以外のこのような脂肪族ポリエステルがさら
に含有される。
【0027】好適な実施態様においては、上記脂肪族ポ
リエステルの少なくとも一部は、繊維状、針状または粉
状で上記モールド部に充填材として分散されている。
【0028】本発明の第五のモールド構造体は、少なく
とも金属類を含んで一体成形されたモールド材からなる
モールド部を有し、該モールド部が、該金属類を覆う内
部モールド部と、該内部モールド部の外側に存在し、そ
の最外部が該モールド構造体の最外部を規定する外部モ
ールド部とを有し、該内部モールド部が、脂肪族ポリエ
ステルを主成分とする。
【0029】好適な実施態様においては、上記外部モー
ルド部は、上述の各熱硬化性組成物を主成分とする。
【0030】好適な実施態様においては、上記金属類が
巻線であり、上記モールド構造体はモータとして使用さ
れる。
【0031】好適な実施態様においては、上記モールド
構造体は、上記巻線、絶縁体、および鉄芯を含んで一体
成形されたモールド材からなるモールド部を有する、モ
ールド構造体であって、該絶縁体の一部が、該モールド
部を洞貫し、該モールド部の表面に表出している。
【0032】好適な実施態様においては、上記絶縁体
は、脂肪族ポリエステルでなる。
【0033】本発明の第六のモールド構造体は、少なく
とも金属類を含んで一体成形されたモールド材からなる
モールド部を有し、該モールド材の少なくとも一部が、
不飽和ポリエステル、スチレン、ポリカプロラクトン、
および脂肪族ポリエステルを含有する熱硬化性組成物
を、バインダー材として含有し、該脂肪族ポリエステル
が、ポリプロピオラクトン、ポリグリコール酸、ポリ乳
酸、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペー
ト、ポリテトラメチレンアジペート、ポリエチレンスク
シネート、ポリブチレンスクシネート、ポリカプロラク
トンジオール、ポリカプロラクトントリオール、および
ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)でなる群から選
択される少なくとも1種であり、該熱硬化性組成物は、
硬化後に、塩基と、水、メタノール、エタノール、およ
びエチレングリコールでなる群から選択される少なくと
も1種の溶剤とを含有する分解溶液により、該分解溶液
の沸点より低い温度で容易に分解され、該金属類と該モ
ールド材とが容易に分離され得る。
【0034】本発明の熱硬化性組成物の分解処理方法
は、該熱硬化性組成物を、硬化後に、塩基と、水、メタ
ノール、エタノール、およびエチレングリコールでなる
群から選択される少なくとも1種の溶剤とを含有する分
解溶液に浸漬する工程を包含し、該熱硬化性組成物が、
少なくとも脂肪族ポリエステルと熱硬化性樹脂とを含有
する。
【0035】本発明のモールド材の分解処理方法は、該
モールド材を、塩基と、水、メタノール、エタノール、
およびエチレングリコールでなる群から選択される少な
くとも1種の溶剤とを含有する分解溶液に浸漬する工程
を包含し、該熱硬化性組成物が、少なくとも脂肪族ポリ
エステルと熱硬化性樹脂とを含有する。
【0036】本発明の第一のモールド構造体の分解処理
方法は、該モールド構造体を、塩基と、水、メタノー
ル、エタノール、およびエチレングリコールでなる群か
ら選択される少なくとも1種の溶剤とを含有する分解溶
液に浸漬する工程を包含し、該モールド構造体が、少な
くとも金属類を含んで一体成形されたモールド材からな
るモールド部を有し、該モールド材の少なくとも一部
が、少なくとも脂肪族ポリエステルと熱硬化性樹脂とを
含有する熱硬化性組成物を、バインダー材として含有す
る。
【0037】本発明の第二のモールド構造体の分解処理
方法は、少なくとも金属類を含んで一体成形されたモー
ルド材からなるモールド部を有するモールド構造体の分
解処理方法であって、該モールド部が、該金属類を覆う
内部モールド部と、該内部モールド部の外側に存在し、
その最外部が該モールド構造体の最外部を規定する外部
モールド部とを有し、該内部モールド部が、脂肪族ポリ
エステルを主成分とし、以下の工程を包含する:切削ま
たは開孔により該内部モールド部の少なくとも一部を表
出させる工程、および、該モールド構造体を、該脂肪族
ポリエステルに対する良溶剤、または、塩基と、水、メ
タノール、エタノール、およびエチレングリコールでな
る群から選択される少なくとも1種の溶剤とを含有する
分解溶液に浸漬する工程。
【0038】好適な実施態様においては、上記分解溶液
は、アセトン、2−ブタノン、ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルホキシド、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、ジエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチ
レングリコールモノエステル、ジエチレングリコールジ
エステル、ジカルボン酸ジエステル、酢酸メチル、酢酸
エチル、ベンゼン、トルエン、およびフェノールでなる
群から選択される少なくとも1種の溶剤をさらに含有す
る。
【0039】好適な実施態様においては、本発明の熱硬
化性組成物、モールド材およびモールド構造体の分解処
理方法は、上記熱硬化性組成物、上記モールド材または
上記モールド構造体が、上記分解溶液に該分解溶液の沸
点より低い温度で浸漬される。
【0040】本発明のモールド構造体のリサイクル方法
は、少なくとも金属類を含んで一体成形されたモールド
材からなるモールド部を有するモールド構造体のリサイ
クル方法であって、該モールド材の少なくとも一部が、
少なくとも脂肪族ポリエステルと熱硬化性樹脂とを含有
する熱硬化性組成物を、バインダー材として含有し、以
下の工程を包含する:該モールド構造体を、塩基と、
水、メタノール、エタノール、およびエチレングリコー
ルでなる群から選択される少なくとも1種の溶剤とを含
有する分解溶液に浸漬し、該モールド部を形態が維持で
きない程度まで化学的に分解させる工程、および該金属
類と該分解されたモールド部とを分離し、該金属類を回
収する工程。
【0041】好適な実施態様においては、上記モールド
構造体は、上記分解溶液の沸点より低い温度で浸漬され
る。
【0042】好適な実施態様においては、上記金属類は
巻線であり、上記構造体はモータである。
【0043】
【発明の実施の形態】本明細書において、「熱硬化性組
成物が脂肪族ポリエステルを含有する」とは、以下の形
態で含有することを包含する:(1)熱硬化性組成物
が、一成分として脂肪族ポリエステルを含有する;およ
び(2)熱硬化性組成物が、脂肪族ポリエステル部分を
有するポリマーを含有する。さらに、付加重合性モノマ
ーは、付加重合性末端を有する脂肪族ポリエステルを包
含する。
【0044】本発明の第一の熱硬化性組成物は、熱硬化
性樹脂および脂肪族ポリエステルを含有し、硬化後に、
少なくとも塩基を含有する分解溶液により該脂肪族ポリ
エステルが分解されることによって、分解が促進され
る。
【0045】本発明の第二の熱硬化性組成物は、不飽和
ポリエステル、付加重合性モノマー、脂肪族ポリエステ
ル以外の低収縮剤、および脂肪族ポリエステルを含有
し、硬化後に、塩基と、水、メタノール、エタノール、
およびエチレングリコールでなる群から選択される少な
くとも1種の溶剤とを含有する分解溶液により、該分解
溶液の沸点より低い温度で容易に分解され得る。
【0046】本発明の第三の熱硬化性組成物は、不飽和
ポリエステル、付加重合性モノマー、およびポリカプロ
ラクトンを含有し、硬化後に、塩基と、水、メタノー
ル、エタノール、およびエチレングリコールでなる群か
ら選択される少なくとも1種の溶剤とを含有する分解溶
液により、該分解溶液の沸点より低い温度で容易に分解
され得る。
【0047】本発明の第四の熱硬化性組成物は、脂肪族
ポリエステル、ならびにフェノール樹脂またはエポキシ
樹脂を含有し、硬化後に、塩基と、水、メタノール、エ
タノール、およびエチレングリコールでなる群から選択
される少なくとも1種の溶剤とを含有する分解溶液によ
り、該分解溶液の沸点より低い温度で容易に分解され得
る。
【0048】本発明の第一の熱硬化性組成物に含有され
る熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル、エポキ
シ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン
樹脂、尿素樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。不
飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、およびフェノール樹
脂については、後述する本発明の他の熱硬化性組成物に
も好適に使用され得る。
【0049】これらの熱硬化性樹脂は、その分子骨格中
に縮合性結合を有する。ここで、縮合性結合とは、熱硬
化性樹脂分子鎖における縮合により形成される部分を意
味し、例えば、不飽和ポリエステルではエステル結合部
分であり、フェノール樹脂ではメチレン基部分である。
【0050】本発明の第二および第三の熱硬化性組成物
に含有され、第一の熱硬化性組成物にも含有される不飽
和ポリエステルは、不飽和多塩基酸および飽和多塩基酸
とグリコール類とを公知の方法で重縮合することにより
得られる。不飽和多塩基酸としては、無水マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸などが挙げられ
る。飽和多塩基酸としては、無水フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、テトラヒ
ドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、
エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ヘット酸、
テトラブロム無水フタル酸などが挙げられる。グリコー
ル類としては、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、1−3ブタンジオール、
1−6ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、ビ
スフェノールAプロピレンオキシド化合物、ジブロムネ
オペンチルグリコールなどが挙げられる。
【0051】好適な不飽和ポリエステルとしては、式
(I)で表されるようなイソフタル酸およびフマル酸と
ネオペンチルグリコールとの共重合体、式(II)で表され
るような無水フタル酸および無水フマル酸とプロピレン
グリコールとの共重合体、式(III)で表されるようなイ
ソフタル酸および無水マレイン酸とプロピレングリコー
ルとの共重合体などが挙げられる。
【0052】
【化1】
【0053】ここで、n1〜n3は、各々独立して1〜3
0である。
【0054】不飽和多塩基酸と飽和多塩基酸とのモル比
は、30/70〜70/30が好ましく、40/60〜
60/40がさらに好ましい。この範囲で不飽和多塩基
酸と飽和多塩基酸とを含有することにより、硬化物の機
械的強度および分解性が共に優れたものとなる。なぜな
ら、分解溶液によって容易に分解される飽和多塩基酸の
エステル結合と、機械的強度に寄与する不飽和結合(架
橋点)とが、好ましい割合で形成されるからである。
【0055】上記不飽和ポリエステルは、実用上、重合
性モノマーに溶解した溶液状製品として提供され、不飽
和ポリエステル樹脂と呼ばれる。
【0056】本発明に用いられる付加重合性モノマーと
しては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレ
ン、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル、ジアリルフタレ
ート、ジアリルイソフタレート、ジアリルテトラブロム
フタレート、フェノキシエチルアクリレート、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、1−6ヘキサンジオールジ
アクリレートなどが挙げられる。さらに、付加重合性末
端を有する脂肪族ポリエステルも使用され得る。硬化
性、粘度制御の簡便性、コストなどを考慮すると、スチ
レンが好ましい。
【0057】上記付加重合性モノマーは、上記不飽和ポ
リエステル100重量部に対して好ましくは25〜15
0重量部、さらに好ましくは30〜120重量部、最も
好ましくは40〜100重量部の範囲で熱硬化性組成物
中に含有される。含有量が25重量部未満では、硬化性
が不十分であるため、硬化物の機械的強度などが低下す
る。150重量部を超えると、分解溶液が硬化物に十分
に浸透しないので、分解性が不十分である。さらに、上
記付加重合性モノマーが上記の範囲で熱硬化性組成物中
に含有されることにより、硬化時の収縮率をより小さく
することが可能である。
【0058】さらに、本発明の好適な実施態様において
は、付加重合性モノマーとして、付加重合性末端を有す
る脂肪族ポリエステルが使用され得る。この付加重合性
モノマーの脂肪族ポリエステル部分が、後述の脂肪族ポ
リエステルと同種の場合には、相溶性が非常に良好であ
り、未硬化時の熱硬化性組成物の液状安定性に優れる。
付加重合性モノマーとして、付加重合性末端を有する脂
肪族ポリエステルを使用する場合には、その含有量、熱
硬化性組成物の硬化条件などは、脂肪族ポリエステルの
分子量に依存して変化し得る。
【0059】本発明に用いられる低収縮剤としては、脂
肪族ポリエステル以外の熱可塑性樹脂が用いられる。例
えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、
ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリ(エ
チレンビニルアルコール)、アクリル系共重合体、メタ
クリル系共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重
合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体などの熱可塑性樹脂が挙げられる。
【0060】上記低収縮剤は、上記不飽和ポリエステル
100重量部に対して好ましくは1〜100重量部、さ
らに好ましくは1〜50重量部、最も好ましくは1〜2
0重量部の範囲で熱硬化性組成物中に含有される。含有
量が1重量部未満では、低収縮性、すなわち成形性が低
下する。100重量部を超えると、機械的強度が低下す
る。
【0061】本発明に用いられる脂肪族ポリエステル
は、熱可塑性飽和ポリエステルである。このようなポリ
エステルは、後述の分解溶液に対して非常に優れた分解
性を有する。脂肪族ポリエステルとしては、式(IV)で表
されるポリカプロラクトン、ポリプロピオラクトンのよ
うなラクトンの開環重合により得られる重合体;式(V)
で表されるポリ乳酸、式(VI)で表されるポリグリコール
酸のようなヒドロキシ酸の重合体;ポリエチレンアジペ
ート、ポリブチレンアジペート、ポリテトラメチレンア
ジペート、ポリエチレンスクシネート、ポリブチレンス
クシネートのような式(VII)で表されるグリコールと脂
肪族ジカルボン酸とからなる共重合体;式(VIII)で表さ
れるポリカプロラクトンジオール、式(IX)で表されるポ
リカプロラクトントリオールのような末端に官能基を有
する重合体;式(X)で表されるような末端アクリル変性
ポリカプロラクトン;ポリ(3−ヒドロキシプロピオナ
ート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3
−ヒドロキシバリレート)、ポリ(3−ヒドロキシオク
タノエート)のような、微生物の発酵により得られるポ
リ(3−ヒドロキシアルカノエート)などが挙げられ
る。熱硬化性組成物が液状である場合にはその安定性、
ならびに硬化後に分解するときに分解性に優れ、かつ分
散性がよいという理由で、ポリカプロラクトン、ポリカ
プロラクトンジオール、ポリカプロラクトントリオー
ル、ポリ乳酸が好ましい。
【0062】
【化2】
【0063】
【化3】
【0064】ここで、n4〜n10、l1〜l2、およびm1
〜m3は、各々独立して10〜2,000であり、R1および
2は、各々独立して炭素数1〜20の炭化水素基であ
る。
【0065】上記熱硬化性樹脂と上記脂肪族ポリエステ
ルを含む熱硬化性組成物の場合には、該脂肪族ポリエス
テルは、該熱硬化性樹脂100重量部に対して好ましく
は1〜100重量部、さらに好ましくは2〜50重量
部、最も好ましくは3〜20重量部の範囲で熱硬化性組
成物中に含有される。含有量が1重量部未満では、分解
溶液による分解性が不十分である。100重量部を超え
ると、硬化後の機械的強度が不十分である。
【0066】上記不飽和ポリエステルと上記脂肪族ポリ
エステルを含む熱硬化性組成物の場合には、該脂肪族ポ
リエステルは、該不飽和ポリエステル100重量部に対
して好ましくは 1〜100重量部、さらに好ましくは
2〜50重量部、最も好ましくは3〜20重量部の範囲
で熱硬化性組成物中に含有される。含有量が1重量部未
満では、分解溶液による分解性が不十分である。100
重量部を超えると、硬化後の機械的強度が不十分であ
る。
【0067】さらに、後述のように、熱硬化性組成物に
充填材を添加してモールド材を調製する場合には、上記
脂肪族ポリエステルは、充填材を添加しない場合よりも
若干多量に含有されることが好ましい。なぜなら、充填
材による空間の増加分にも、脂肪族ポリエステルを十分
に分散させるためである。例えば、不飽和ポリエステル
と付加重合性モノマーとの混合物100重量部に脂肪族
ポリエステル5重量部を添加して調製した熱硬化性組成
物について説明する。この熱硬化性組成物に、さらに炭
酸カルシウム150重量部を添加してモールド材を調製
する場合には、以下の理由により、脂肪族ポリエステル
は、上記混合物100重量部に対して5重量部ではなく
7.7重量部添加される。炭酸カルシウムの比重は2.
7なのでモールド材の体積は炭酸カルシウムにより約5
5.6体積部(=150/2.7)増加する。従って、
脂肪族ポリエステルが、体積増加前と同様に分散するた
めには、2.7重量部(5×55.6/100)を追加
する必要がある。
【0068】本発明に用いられるフェノール樹脂は、フ
ェノール類とホルムアルデヒドとから公知の方法により
重合して得られる。フェノール樹脂は、酸性触媒下で得
られるノボラック樹脂とアルカリ触媒下で得られるレゾ
ール樹脂とに大別される。ノボラック樹脂は硬化剤と共
に加熱することにより硬化し、レゾール樹脂は加熱のみ
により硬化する。本発明においては、ノボラック樹脂が
好ましい。さらに、本発明においては、側鎖に脂肪族ポ
リエステル部分を有するフェノール樹脂も好適に用いら
れる。
【0069】上記フェノール樹脂と上記脂肪族ポリエス
テルを含む熱硬化性組成物の場合には、該脂肪族ポリエ
ステルは、このフェノール樹脂100重量部に対して好
ましくは 1〜100重量部、さらに好ましくは1〜5
0重量部、最も好ましくは1〜20重量部の範囲で熱硬
化性組成物中に含有される。含有量が1重量部未満で
は、分解溶液による分解性が不十分である。100重量
部を超えると、硬化後の機械的強度が不十分である。
【0070】本発明に用いられるエポキシ樹脂として
は、グリシジルエーテル型樹脂、グリシジルエステル型
樹脂、グリシジルアミン型樹脂、エポキシノボラック樹
脂、脂環式エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、脂肪族
エポキシ樹脂などが挙げられる。ビスフェノールAとエ
ピクロロヒドリンとから得られるグリシジルエーテル型
樹脂が好ましい。さらに、本発明においては、式(XI)で
表されるような側鎖に脂肪族ポリエステル部分を有する
エポキシ樹脂も好適に用いられる。
【0071】
【化4】
【0072】ここで、n11〜n12は、各々独立して1〜
30である。
【0073】上記エポキシ樹脂と上記脂肪族ポリエステ
ルを含む熱硬化性組成物の場合には、該脂肪族ポリエス
テルは、このエポキシ樹脂100重量部に対して好まし
くは1〜100重量部、さらに好ましくは1〜50重量
部、最も好ましくは1〜20重量部の範囲で熱硬化性組
成物中に含有される。含有量が1重量部未満では、分解
溶液による分解性が不十分である。100重量部を超え
ると、硬化後の機械的強度が不十分である。
【0074】本発明の熱硬化性組成物は、好ましくは、
硬化剤を含有し得る。
【0075】上記不飽和ポリエステルの硬化剤として
は、過酸化ベンゾイル、tブチルパーベンゾエート、t
ブチルパーオキシベンゾエート、tブチルパーオキシラ
ウレート、tブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエ
ート、tブチルパーオクトエートなどが挙げられる。
【0076】上記硬化剤は、上記不飽和ポリエステルお
よび上記付加重合性モノマーの合計100重量部に対し
て好ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.
3〜4重量部、最も好ましくは0.5〜3重量部の範囲
で熱硬化性組成物中に含有される。含有量が0.1重量
部未満では、硬化が不十分である。5重量部を超える
と、硬化後の3次元網目中に存在する硬化剤の量が多く
なりすぎるため、硬化後の機械的強度が不十分となる。
【0077】上記フェノール樹脂および上記エポキシ樹
脂の硬化剤としては、ベンジルメチルアミン、ヘキサメ
チレンテトラミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノ
ジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォンなど
が挙げられる。
【0078】上記硬化剤の好ましい含有量は、上記フェ
ノール樹脂としてノボラック樹脂を使用する場合には、
ノボラック樹脂100重量部に対して好ましくは5〜1
00重量部、さらに好ましくは5〜40重量部、最も好
ましくは7〜20重量部の範囲で熱硬化性組成物中に含
有される。上記エポキシ樹脂を使用する場合においても
ほぼ同様である。
【0079】本発明の熱硬化性組成物は、硬化後に、少
なくとも塩基を含有する分解溶液により該脂肪族ポリエ
ステルが分解されることによって、分解が促進される。
【0080】好ましくは、本発明の熱硬化性組成物は、
硬化後に、塩基と、水、メタノール、エタノール、およ
びエチレングリコールでなる群から選択される少なくと
も1種の溶剤とを含有する分解溶液により、該分解溶液
の沸点より低い温度で容易に分解され得るような分解性
を有する。この分解溶液による熱硬化性組成物の分解
は、溶液中の塩基により発生する水酸イオンが触媒とな
り熱硬化性組成物中の上記脂肪族ポリエステルのエステ
ル結合を加水分解し、かつ、上記熱硬化性樹脂の縮合性
結合を分解することにより行われる。
【0081】分解溶液に含まれる塩基としては、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウムのような金属水酸化物、酸
化ナトリウム、酸化カルシウムのような金属酸化物、ナ
トリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドのような
金属アルコキシドなどが挙げられる。これらは単独で、
あるいは2種以上を混合して使用され得る。
【0082】分解溶液に含まれる主溶剤は、水、メタノ
ール、エタノール、およびエチレングリコールでなる群
から選択され得る。これらは単独で、あるいは2種以上
を混合して使用され得る。
【0083】分解溶液には、アセトン、2−ブタノン、
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキ
サン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジエチ
レングリコール、ジエチレングリコールモノエステル、
ジエチレングリコールジエステル、ジカルボン酸ジエス
テル、酢酸メチル、酢酸エチル、ベンゼン、トルエン、
フェノールでなる群から選択される少なくとも1種の補
助溶剤が、さらに含有されてもよい。
【0084】塩基は、溶液中に好ましくは0.1〜50
重量%、さらに好ましくは1〜30重量%、最も好まし
くは2〜20重量%の範囲で含有される。含有量が0.
1重量%未満では、加水分解時の触媒効果が低下する。
50重量%を超えると、分解溶液の調製が困難である。
さらに、分解溶液の粘度が高くなるため、硬化物に対す
る浸透性が低下し、従って分解能力が低下する。
【0085】主溶剤は、溶剤中に好ましくは5〜100
重量%、さらに好ましくは30〜90重量%、最も好ま
しくは50〜80重量%の範囲で含有される。上記範囲
で主溶剤と補助溶剤とを含有することにより、室温また
は分解溶液の沸点以下の温度で、分解溶液の脂肪族ポリ
エステルに対する相溶性、すなわち分解溶液の硬化物に
対する浸透性と、分解溶液の水酸イオン発生能力、すな
わち脂肪族ポリエステルのエステル結合分解能力とが、
共に優れたものとなる。従って、分解溶液の分解能力が
非常に優れたものとなる。
【0086】本発明の熱硬化性組成物は、硬化および未
硬化のいずれの形態でもあり得る。つまり、射出成形、
トランスファー成形などを行って得られる成形硬化物の
形態だけでなく、積層品、塗料、パテ、接着剤のような
種々の形態を含み、これらが分解溶液により分解され得
る。
【0087】さらに、本発明の熱硬化性組成物を用いた
成形体は、高湿条件下でも使用され得る。すなわち、水
だけでは硬化後の組成物の3次元網目構造が容易に破壊
されないので、高湿条件下でも、硬化後の優れた特性
(例えば、機械的強度)が維持される。
【0088】本発明のモールド材は、本発明の熱硬化性
組成物を少なくともバインダー材として含有する。この
モールド材は、必要に応じて、充填材、増粘剤、離型
剤、ワックス、着色剤などを添加し得る。
【0089】充填材としては、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウムのような炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、亜硫酸カルシウムのような(亜)硫酸塩、クレ
ー、マイカ、ガラスバルーン、モンモリロナイト、ケイ
酸、カオリン、タルクのようなケイ酸塩類、シリカ、珪
燥土、酸化鉄、軽石バルーン、酸化チタン、アルミナの
ような酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ムのような水酸化物、グラファイト、ガラス繊維、炭素
繊維、アスベスト繊維などの無機充填材;ならびに、木
粉、もみ殻、木綿、紙細片、ナイロン繊維、ポリエチレ
ン繊維、木材、パルプ、セルロースなどの有機充填材な
どが挙げられる。
【0090】操作性が要求される軽量の成形体が所望の
場合には、ポリエチレン繊維が好ましい。ポリエチレン
繊維を充填材として含有するモールド材は、軽量性を考
慮した比強度および比弾性率において、他のFRPより
も優れている。
【0091】上記充填材は、熱硬化性組成物100重量
部に対して好ましくは5〜600重量部、さらに好まし
くは20〜500重量部、最も好ましくは40〜450
重量部の範囲で添加される。このような範囲で充填材を
添加することにより、モールド材の機械的強度が向上す
る。さらに、上記脂肪族ポリエステルが硬化物中で十分
に分散するので、分解溶液の浸透性が向上し、モールド
材の分解性が向上する。
【0092】増粘剤としては、酸化ベリリウム、酸化マ
グネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水
酸化カルシウム、酸化亜鉛、安息香酸、無水フタル酸、
テトラヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸などが挙げ
られる。
【0093】離型剤としては、ステアリン酸、ステアリ
ン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどが挙げられる。
【0094】ワックスとしては、ヘキストワックス、カ
ルナバワックス、パラフィンなどが挙げられる。
【0095】着色剤としては、チタンホワイト、酸化ク
ロム、カーボンブラックなどが挙げられる。
【0096】上記モールド材は、バルクモールディング
コンパウンド(BMC)、シートモールディングコンパ
ウンド(SMC)、ペレットタイプモールディングコン
パウンド(PMC)などの形態をとり得る。このモール
ド材は、射出成形、トランスファー成形、圧縮成形など
により成形され得る。
【0097】成形条件は、公知の条件が適用され得る。
例えば、射出成形の場合には、金型温度150℃、射出
圧力150kg/cm2、硬化時間5分の条件が好適に用いら
れる。
【0098】このモールド材から得られる最終成形品
は、浴槽、便槽、貯水槽、洗面台のような建設資材;椅
子、机、家具のような家庭用品;タイル、人工大理石、
パイプのような土木資材;船舶、自動車、鉄道、航空機
のような輸送機器のボディや部品;住宅機器;化粧板;
装飾品などの様々な分野で使用され得る。
【0099】本発明のモールド構造体は、少なくとも金
属類を含んで一体成形された本発明のモールド材からな
るモールド部を有する。以下、本発明のモールド構造体
の一例としてのモールドモータについて、図面を参照し
て好適な実施態様を説明する。
【0100】図1を用いて、本発明のモールド構造体の
一例であるモールドモータの第一の好適な実施態様を説
明する。図1は、本発明のモールド構造体の一例である
モールドモータの一実施態様を示す断面図である。モー
ルドモータは、モータ部101と、モールドステータ1
とから構成される。モールドステータ1は、鉄芯4、鉄
芯4の少なくとも一部を覆う絶縁体7、鉄芯4および絶
縁体7に巻装された巻線3、ならびに、鉄芯4、絶縁体
7、および巻線3と一体成形されたモールド材からな
り、その最外部がモールドステータ1の最外部を規定す
るモールド部2を有する。モータ部101は、モールド
部2の開口部に取り付けられ、回転子シャフト102と
回転子シャフトに取り付けられた回転子103とを少な
くとも備えており、ブラケット104により支持されて
いる。回転子103は、開口部の上壁に取り付けられた
ベアリング105とブラケットに取り付けられたベアリ
ング106とにより軸支されている。図示していない
が、巻線3の端末部は、モールドステータのシャフトの
上に位置する部分まで延び、そこでリード線と接続さ
れ、外部からの入力が可能となっている。さらに、モー
ルドステータ1は、複数の取付孔6を有するフランジ部
5を備えていてもよい。
【0101】モールド部2を構成するモールド材は、上
述の熱硬化性組成物を少なくともバインダー材として含
有する。
【0102】モールド部の最大厚み部分の厚みは、用途
に応じて変化し得るが、本発明においては、好ましくは
0.1〜20mm、さらに好ましくは0.2〜10m
m、最も好ましくは0.2〜5mmである。
【0103】絶縁体7としては、例えば、脂肪族ポリエ
ステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンの
ような熱可塑性樹脂が使用され得る。絶縁体7には、モ
ールド時の巻線3の形状保存効果が要求されるので、モ
ールド時に軟化しないように、軟化点または融点が、モ
ールド時の温度、例えば約100℃以上のものが好まし
い。絶縁体7に脂肪族ポリエステルを用いると、分解時
に、巻線3と鉄芯4との分離が可能となるため、特に好
ましい。融点が100℃を超える脂肪族ポリエステルと
しては、例えば、式(VII)に示す共重合樹脂が挙げられ
る。
【0104】
【化5】
【0105】図2を用いて、本発明のモールド構造体の
一例であるモールドモータの第二の好適な実施態様を説
明する。図2は、本実施態様におけるモールドモータの
拡大部分断面図である。以下、図面の符号は、1の位の
数字が図1の対応する構成部分と同一で、10の位の数
字が図の番号と同一である。
【0106】本実施態様は、モールド部22が、内部モ
ールド部22aと外部モールド部22bとを有する場合
である。図2に示すように、モールドステータ21は、
鉄芯24、鉄芯24の少なくとも一部を覆う絶縁体2
7、鉄芯24および絶縁体27に巻装された巻線23、
ならびに、鉄芯24、絶縁体27、および巻線23と一
体成形されたモールド材からなるモールド部22を有す
る。モールド部22は、鉄芯24の少なくとも一部を覆
う内部モールド部22aと、内部モールド部22aの外
側に存在し、その最外部がモールドステータ21の最外
部を規定する外部モールド部22bとを有する。
【0107】内部モールド部22aは、脂肪族ポリエス
テルを主成分とする。ここで、主成分とは、モールド材
中での含有量が最大であり、かつ、その含有量がモール
ド材全体に対して30重量%以上のものを意味する。例
えば、内部モールド部22aは、上述の脂肪族ポリエス
テルのみで、あるいは脂肪族ポリエステル含有量が多い
本発明のモールド材で構成され得、外部モールド部22
bは、脂肪族ポリエステル含有量が少ない本発明のモー
ルド材または脂肪族ポリエステルを含まない従来のモー
ルド材で構成され得る。
【0108】外部モールド部の最大厚み部分の厚みは、
用途に応じて変化し得るが、本発明においては、好まし
くは0.1〜20mm、さらに好ましくは0.2〜10
mm、最も好ましくは0.2〜5mmである。
【0109】内部モールド部の厚みも、外部モールド部
と同様に、用途に応じて変化し得るが、本発明において
は、好ましくは0.5〜10mm、さらに好ましくは1
〜7mm、最も好ましくは2〜5mmである。
【0110】このような構成を有する本実施態様のモー
ルドステータは、図1に示すようなモールドステータに
比べて、環境安定性により優れている。例えば、外部モ
ールド部22bに脂肪族ポリエステルの含有量が少ない
モールド材または脂肪族ポリエステルを含まない従来の
モールド材を用いることにより、脂肪族ポリエステルが
分解しやすい高温多湿状態でも使用可能なモールドステ
ータが作成され得る。
【0111】さらに、例えば、外部モールド部22bに
脂肪族ポリエステルの含有量が少ないモールド材を使用
する場合には、内部モールド部22aを脂肪族ポリエス
テルのみで構成することが可能である。この場合には、
分解時に内部モールド部22aが残留せず、鉄芯や巻線
のリサイクルがより容易になる。すなわち、脂肪族ポリ
エステルは、本発明に用いられる分解溶液に対する溶解
性が非常に高く、かつ、架橋していないので、分解終了
時(つまり外部モールド部22bが分離可能な時点)に
は、内部モールド部22aは分解溶液にほとんど溶解し
ている。従って、分解終了時には、鉄芯や巻線の洗浄が
実質的に終了している。
【0112】図3を用いて、図2に示す実施態様のさら
に好ましい場合を説明する。図3は、本実施態様におけ
るモールドモータの拡大部分断面図である。
【0113】この態様は、モールド部32が、内部モー
ルド部32aと外部モールド部32bとを有し、かつ、
外部モールド部32bの側面部に切り欠き部38が形成
されている場合である。図3に示すように、モールドス
テータ31は、鉄芯34、鉄芯34の少なくとも一部を
覆う絶縁体37、鉄芯34および絶縁体37に巻装され
た巻線33、ならびに、鉄芯34、絶縁体37、および
巻線33と一体成形されたモールド材からなるモールド
部32を有する。モールド部32は、鉄芯34の少なく
とも一部を覆う内部モールド部32aと、内部モールド
部32aの外側に存在し、その最外部がモールドステー
タ31の最外部を規定する外部モールド部32bとを有
する。外部モールド部32bの側面部表面には、切り欠
き部38が形成されている。
【0114】内部モールド部32aは、図2に示す実施
態様と同様に、外部モールド部32bよりも分解し易い
モールド材で構成することが好ましい。
【0115】切り欠き部38は、ノコギリ、ノミなどに
よるキズつけ、あるいは、ドリルによる開口などにより
形成され得る。
【0116】切り欠き部38は、外部モールド部の頂部
表面または底部表面に形成してもよい。
【0117】このような構成を有する本実施態様のモー
ルドステータは、切り欠き部38の効果により、分解溶
液と接触するモールド材表面積を増大させ、かつ、内部
モールド部32aを容易に表出するため、分解が促進さ
れる。
【0118】図4を用いて、本発明のモールド構造体の
一例であるモールドモータの第三の好適な実施態様を説
明する。図4は、本実施態様におけるモールドモータの
拡大部分断面図である。
【0119】本実施態様は、絶縁体47の一部が、外部
モールド部42b表面に表出している場合である。図4
に示すように、モールドステータ41は、鉄芯44、鉄
芯44の少なくとも一部を覆う絶縁体47、鉄芯44お
よび絶縁体47に巻装された巻線43、ならびに、鉄芯
44、絶縁体47、および巻線43と一体成形されたモ
ールド材からなるモールド部42を有する。モールド部
42は、鉄芯44の少なくとも一部を覆う内部モールド
部42aと、内部モールド部42aの外側に存在し、そ
の最外部がモールドステータ41の最外部を規定する外
部モールド部42bとを有する。絶縁体47の一部は、
外部モールド部42bを洞貫し、外部モールド部42b
表面に表出している。
【0120】本実施態様においては、絶縁体47として
は、脂肪族ポリエステルが好ましい。
【0121】このような構成を有する本実施態様のモー
ルドステータは、絶縁体47に表出部47aが存在する
ため、この表出部47aに分解溶液が直接接触し、該表
出部47aから絶縁体の内部、さらにモールド部42ま
で順次容易に分解する。従って、巻線43や鉄芯44の
分離が極めて容易である。
【0122】本実施態様は、図4に示すような内部モー
ルド部および外部モールド部を有するモールド部で構成
されるモールドステータだけでなく、図1に示すような
単一のモールド部で構成されるモールドステータにも適
用され得る。
【0123】図5を用いて、図4に示す実施態様のさら
に別の場合を説明する。図5は、本実施態様におけるモ
ールドモータの拡大部分断面図である。
【0124】本実施態様は、内部モールド部52aの一
部が、外部モールド部52bの外部表面に表出している
場合である。図5に示すように、モールドステータ51
は、鉄芯54、鉄芯54の少なくとも一部を覆う絶縁体
57、鉄芯54および絶縁体57に巻装された巻線5
3、ならびに、鉄芯54、絶縁体57、および巻線53
と一体成形されたモールド材からなるモールド部52を
有する。モールド部52は、鉄芯54の少なくとも一部
を覆う内部モールド部52aと、内部モールド部52a
の少なくとも一部を覆い、その最外部がモールドステー
タ51の最外部を規定する外部モールド部52bとを有
する。内部モールド部52aの一部は、外部モールド部
52bを洞貫し、外部モールド部52b表面に表出して
いる。
【0125】内部モールド部52aは、外部モールド部
52bよりも分解し易いモールド材で構成することが好
ましい。すなわち、外部モールド部52aを構成するモ
ールド材の脂肪族ポリエステル含有量が、内部モールド
部52bを構成するモールド材の脂肪族ポリエステル含
有量よりも多いことが好ましい。例えば、内部モールド
部52aは、上述の脂肪族ポリエステルのみで、あるい
は脂肪族ポリエステル含有量が多い本発明のモールド材
で構成され得、外部モールド部52bは、脂肪族ポリエ
ステル含有量が少ない本発明のモールド材または脂肪族
ポリエステルを含まない従来のモールド材で構成され得
る。
【0126】図4に示した場合と同様に、このような構
成を有する本実施態様のモールドステータは、分解し易
い内部モールド部52aがモールド部52の外部表面に
表出するため、分解溶液と直接接触し、内部モールド部
52aの表出部分から内部まで順次容易に分解する。従
って、巻線53や鉄芯54の分離が極めて容易である。
【0127】図6を用いて、本発明のモールド構造体の
一例であるモールドモータの第四の好適な実施態様を説
明する。図6は、本実施態様におけるモールドモータの
拡大部分断面図である。
【0128】本実施態様は、モールド部62を形成する
モールド材に、充填材69として脂肪族ポリエステルが
含有されている場合である。図6に示すように、モール
ドステータ61は、鉄芯64、鉄芯64の少なくとも一
部を覆う絶縁体67、鉄芯64および絶縁体67に巻装
された巻線63、ならびに、鉄芯64、絶縁体67、お
よび巻線63と一体成形されたモールド材からなり、そ
の最外部がモールドステータ61の最外部を規定するモ
ールド部62を有する。モールド部62には、充填材6
9が分散している。
【0129】充填材としての脂肪族ポリエステルは、モ
ールド材中の各成分に対して溶解性の低いものが好まし
い。この充填材は、針状、繊維状、あるいは粒状であっ
てもよい。
【0130】このような構成を有する本実施態様のモー
ルドステータは、モールド部62中の脂肪族ポリエステ
ルからなる充填材部分が、分解時に優先的に分解され、
モールド部に多数の空隙が形成される。そのため、モー
ルド部の機械的強度が十分に低下し、かつ、空隙部分か
らクラックが発生しやすくなる。従って、打撃などによ
り、巻線63や鉄芯64の分離が極めて容易である。
【0131】本発明のモールド構造体の一例であるモー
ルドモータは、ブラシレス直流モータ、交流モータ、リ
ニアモータなどに適用され得る。
【0132】本発明のモールド構造体の一例であるモー
ルドモータは、上述の好適な実施態様の構成を適宜組み
合わせることにより、より容易に分解され得る。
【0133】モールドモータ以外のモールド構造体につ
いても、上述のモールドモータに対する好適な実施態様
の構成を適宜組み合わせることにより、同様の効果が得
られる。
【0134】本発明の熱硬化性組成物、モールド材、お
よびモールド構造体の分解処理方法は、上述の、塩基
と、水、メタノール、エタノール、およびエチレングリ
コールでなる群から選択される少なくとも1種の溶剤と
を含有する分解溶液に浸漬する工程を包含する。
【0135】浸漬時間は、温度に依存して変化し得る。
例えば、60℃の分解溶液に浸漬する場合には、分解処
理に要する時間は、室温の分解溶液に浸漬する場合の約
6分の1まで短縮される。ただし、上記溶剤の揮発を避
けるため、分解溶液の温度は上記溶剤の沸点未満である
ことが望ましい。
【0136】本発明のモールド構造体の他の分解処理方
法は、切削または開孔により該内部モールド部の少なく
とも一部を表出させる工程、および、該モールド構造体
を、脂肪族ポリエステルに対する良溶剤、または、塩基
と、水、メタノール、エタノール、およびエチレングリ
コールでなる群から選択される少なくとも1種の溶剤と
を含有する分解溶液に浸漬する工程を包含する。
【0137】上記内部モールド部の表出は、ノコギリ、
ノミなどによるキズつけ、あるいは、ドリルによる開口
などにより行われる。
【0138】良溶剤としては、トルエン、キシレンのよ
うな芳香族炭化水素;メチルエチルケトン、アセトンの
ようなケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエス
テル類;トリクレンなどが挙げられる。
【0139】上記良溶剤を用いる場合の浸漬時間は、温
度および分解溶液の種類に依存して変化し得る。例え
ば、室温でトルエンに浸漬する場合には、24時間で脂
肪族ポリエステルがほぼ分解される。
【0140】脂肪族ポリエステルは、一般に、生分解性
を有する。従って、脂肪族ポリエステルを表出させた場
合には、脂肪族ポリエステルの分解酵素であるリパーゼ
を含有する水溶液、あるいは土または海水に浸漬するこ
とにより脂肪族ポリエステル部分の分解も可能である。
ただし、分解には非常に長時間を要する。
【0141】本発明の第一の熱硬化性組成物は、上記の
ように、熱硬化性樹脂および脂肪族ポリエステルを含有
する。この熱硬化性組成物の硬化後においては、脂肪族
ポリエステルが硬化物の3次元網目構造中に分散してい
る。脂肪族ポリエステルのエステル結合は、熱硬化性樹
脂の縮合性結合よりもはるかに塩基により分解されやす
い。すなわち、脂肪族ポリエステルの存在により、分解
溶液が硬化物の3次元網目構造全体に容易に浸透し、浸
透した分解溶液によって脂肪族ポリエステルが分解され
ることにより、分解溶液の浸透がさらに促進される。そ
の結果、熱硬化性樹脂の縮合性結合と分解溶液との反応
機会が増大し、熱硬化性組成物の分解が促進される。
【0142】本発明の第二の熱硬化性組成物は、不飽和
ポリエステル、付加重合性モノマー、脂肪族ポリエステ
ル以外の低収縮剤、および脂肪族ポリエステルを含有す
る。この熱硬化性組成物の硬化後においては、脂肪族ポ
リエステルが硬化物の3次元網目構造中に分散してい
る。従って、硬化後の本発明の熱硬化性組成物は、以下
の理由で、塩基と、水、メタノール、エタノール、およ
びエチレングリコールでなる群から選択される少なくと
も1種の溶剤とを含有する分解溶液により容易に分解さ
れるような分解性を有する。
【0143】上記脂肪族ポリエステルは、上記分解溶液
に対する溶解性に優れている。従って、この分解溶液
と、上記3次元網目構造中の脂肪族ポリエステルとの間
に、引き合う相互作用が生じる。上述のように、脂肪族
ポリエステルは3次元網目構造中に分散しているので、
分解溶液は、硬化物の3次元網目構造全体に容易に浸透
する。このように浸透した分解溶液は、塩基の作用によ
り、脂肪族ポリエステルおよび不飽和ポリエステルのエ
ステル結合を分解する。このようにして、硬化物の3次
元網目構造は、分解溶液の沸点以下の温度で、迅速に、
硬化物としての形態を維持できないほどに分解される。
【0144】さらに、この熱硬化性組成物は、従来の熱
硬化性組成物と同等の成形性および硬化後の機械的強度
を有している。
【0145】上記熱硬化性組成物において、付加重合性
モノマーが付加重合性末端を有する脂肪族ポリエステル
である場合には、付加重合性モノマーの脂肪族ポリエス
テル部分が、硬化物の3次元網目構造の一部を形成し、
かつ、上記脂肪族ポリエステルが、3次元網目構造中に
均一に分散している。従って、これら両方の脂肪族ポリ
エステルの効果により、上記メカニズムの分解がより促
進されるため、硬化物の分解が、より容易に行われる。
さらに、付加重合性モノマーと脂肪族ポリエステルとの
相溶性がより優れているので、熱硬化性組成物の液状安
定性もより優れたものとなる。
【0146】さらに、分解溶液中に、アセトン、2−ブ
タノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテ
ル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノ
エステル、ジエチレングリコールジエステル、ジカルボ
ン酸ジエステル、酢酸メチル、酢酸エチル、ベンゼン、
トルエン、フェノールでなる群から選択される少なくと
も1種を補助溶剤として含有させることにより、分解溶
液の硬化物に対する浸透性、および硬化物の分解生成物
の分解溶液に対する溶解性が増加する。その結果、硬化
物の分解がより促進される。
【0147】本発明の第三の熱硬化性組成物は、不飽和
ポリエステル、付加重合性モノマー、ポリカプロラクト
ン、そして好ましくは脂肪族ポリエステルを含有する。
この熱硬化性組成物においては、ポリカプロラクトンは
低収縮剤としても機能する。さらに、ポリカプロラクト
ンは脂肪族ポリエステルであるので、ポリカプロラクト
ン以外の脂肪族ポリエステルとの相溶性に非常に優れて
いる。従って、熱硬化性組成物の調製がより容易であ
り、熱硬化性組成物の液状安定性により優れている。
【0148】この熱硬化性組成物は、ポリカプロラクト
ンが脂肪族ポリエステルの1種であるため、分解溶液に
よる分解性がより優れている。さらに、ポリカプロラク
トンを含有させることにより、熱硬化性組成物の優れた
成形性および硬化後の優れた機械的強度が維持される。
【0149】本発明の第四の熱硬化性組成物は、脂肪族
ポリエステル、ならびにフェノール樹脂またはエポキシ
樹脂を含有する。この熱硬化性組成物においても、脂肪
族ポリエステルの効果により、上述と同様のメカニズム
で、硬化後のフェノール樹脂またはエポキシ樹脂の3次
元網目構造が容易に分解される。
【0150】本発明のモールド材は、上記熱硬化性組成
物をバインダー材として含有する。バインダー材に含有
される脂肪族ポリエステルの効果により、上述と同様の
メカニズムで、バインダー材の3次元網目構造が容易に
分解される。従って、本発明のモールド材は、塩基と、
水、メタノール、エタノール、およびエチレングリコー
ルでなる群から選択される少なくとも1種の溶剤とを含
有する分解溶液により容易に分解される。
【0151】本発明のモールド構造体は、上記モールド
材からなるモールド部を有するので、モールド材のバイ
ンダー材に含有される脂肪族ポリエステルの効果によ
り、上述と同様のメカニズムで、バインダー材の3次元
網目構造が容易に分解される。従って、本発明のモール
ド構造体は、塩基と、水、メタノール、エタノール、お
よびエチレングリコールでなる群から選択される少なく
とも1種の溶剤とを含有する分解溶液により容易に分解
されるので、金属類の分離が容易であり、有価物のリサ
イクルの観点から極めて有効である。
【0152】さらに、本発明のモールド構造体が、外部
モールド部と内部モールド部とを有するモールド部を備
え、かつ、内部モールド部がより分解しやすいモールド
材からなる場合には、内部モールド部が短時間で分解す
るため、モールド構造体内部が空洞状態となる。従っ
て、金属類の分離がより容易になる。
【0153】以上のように、本発明の熱硬化性組成物、
該組成物を含むモールド材および該モールド材を用いた
モールド構造体は、これらに含有される脂肪族ポリエス
テルが、塩基と、水、メタノール、エタノール、および
エチレングリコールでなる群から選択される少なくとも
1種の溶剤とを含有する分解溶液に対して優れた分解性
を有するので、該分解溶液により容易に(すなわち、分
解溶液の沸点以下の温度で、迅速に)分解される。さら
に、上記脂肪族ポリエステルは、該組成物の硬化による
3次元網目構造の形成を妨害しないので、従来と同様の
優れた成形性および機械的強度が維持される。
【0154】
【実施例】
(実施例1)不飽和ポリエステルとして、30重量%の
スチレンを含有するマレイン酸/フタル酸/プロピレン
グリコールのモル比1/1/2の共重合体(日本触媒社
製、エポラック)56重量部、付加重合性モノマーとし
てスチレン38重量部、低収縮剤としてポリスチレン5
重量部、およびポリカプロラクトン(分子量4万、ダイ
セル化学社製、プラクセル)6重量部を混合した。硬化
剤としてt−ブチルパーオキシベンゾエイト(日本油脂
社製、パーブチルZ)を、この混合物100重量部に対
して1重量部の割合で加え、熱硬化性組成物を得た。次
いで、この組成物を厚さ1mmの箱状型に流し込み、1
20℃で30分間加熱することにより、この組成物を硬
化させた。硬化後の組成物を10×20×1mmの板状
に切り出し、分解処理試験用試料とした。
【0155】次いで、水酸化ナトリウム1gとエタノー
ル30gとを混合し、分解溶液を調製した。上記試料を
この分解溶液に室温で浸漬し、時間変化に伴う重量減少
を観察した。結果を表1に示す。
【0156】(比較例1)ポリカプロラクトンを含まな
かったこと以外は実施例1と同様にして試料を作成し、
実施例1と同様の試験を行った。結果を表1に示す。
【0157】
【表1】
【0158】表1から明らかなように、ポリカプロラク
トンを含まない比較例1の熱硬化性組成物から得られた
試料は、浸漬から500時間経過してもわずか1%しか
重量が減少しないのに対して、ポリカプロラクトンを含
む実施例1の熱硬化性組成物から得られた試料は、浸漬
から50時間で重量が17%減少した。この減少量は、
実施例1の熱硬化性組成物中のポリカプロラクトン含有
量(約5.7重量%)を大きく上回るものであり、ポリ
カプロラクトン以外の成分も多量に分解されていること
を示している。分解処理試験後の分解溶液のNMR測定
によれば、不飽和ポリエステルに含有されるフタル酸の
存在が確認されており、ポリカプロラクトンのエステル
結合だけでなく、不飽和ポリエステルのエステル結合の
50%以上が分解されていることがわかる。このよう
に、脂肪族ポリエステルの1種であるポリカプロラクト
ンを含有することにより、熱硬化性組成物の分解性が顕
著に向上する。
【0159】浸漬から50時間後の実施例1の試料の状
態を目視で観察したところ、いくつもの断片に分解さ
れ、硬化物としての形状を維持していなかった。
【0160】さらに、実施例1の熱硬化性組成物の硬化
性(ゲル化時間および硬化時間)ならびに射出成形性お
よびトランスファー成形性(スパイラルフロー長さ)
は、実用上全く問題なかった。さらに、硬化後の組成物
の外観および機械的強度も、実用上全く問題なかった。
【0161】以上のように、実施例1の熱硬化性組成物
は、従来の熱硬化性組成物の優れた特性を維持しつつ、
塩基とエタノールとを含む分解溶液により、室温で容易
に分解処理される。
【0162】(実施例2)不飽和ポリエステル(日本触
媒社製、エポラック)56重量部、付加重合性モノマー
としてスチレン38重量部、低収縮剤としてポリスチレ
ン6重量部、および脂肪族ポリエステルとしてポリカプ
ロラクトンジオール(分子量2000、ダイセル化学社
製、プラクセル200)6重量部を混合した。硬化剤と
してt−ブチルパーオキシベンゾエイト(日本油脂社
製、パーブチルZ)を、この混合物100重量部に対し
て1重量部の割合で加え、熱硬化性組成物を得た。次い
で、この組成物を厚さ1mmの箱状型に流し込み、12
0℃で30分間加熱することにより、この組成物を硬化
させた。硬化後の組成物を10×20×1mmの板状に
切り出し、分解処理試験用試料とした。
【0163】次いで、水酸化ナトリウム1g、メタノー
ル15g、および水15gを混合し、分解溶液を調製し
た。上記試料をこの分解溶液に室温で浸漬し、時間変化
に伴う重量減少を観察した。結果を表2に示す。
【0164】(実施例3)ポリカプロラクトンジオール
の代わりにポリ乳酸6重量部を使用したこと以外は実施
例2と同様にして試料を作成し、実施例2と同様の試験
を行った。結果を表2に示す。
【0165】(実施例4)ポリカプロラクトンジオール
の代わりにポリカプロラクトントリオール(分子量30
00、ダイセル化学社製、プラクセル300)6重量部
を使用したこと以外は実施例2と全く同様にして試料を
作成し、実施例2と同様の試験を行った。結果を表2に
示す。
【0166】(実施例5)実施例2と同様にして試料を
作成した。メタノールを含まない分解溶液(水酸化ナト
リウム1gと水30gとを混合して調製したもの)を使
用したこと、および分解溶液の温度を80℃としたこと
以外は実施例2と同様の試験を行った。結果を表2に示
す。
【0167】(実施例6)実施例2と同様にして試料を
作成した。水の代わりにエチレングリコールを含む分解
溶液(水酸化ナトリウム1g、メタノール15g、およ
びエチレングリコール15gとを混合して調製したも
の)を使用したこと以外は実施例2と同様の試験を行っ
た。結果を表2に示す。
【0168】
【表2】
【0169】表2から明らかなように、実施例2〜6に
おいて、塩基と、水、メタノール、またはエチレングリ
コールとを含む分解溶液で処理された試料は、浸漬から
200時間で、重量が最小でも17%減少し、優れた分
解性を示した。実施例2と実施例5とを比較すると、水
酸化ナトリウムおよび水からなる分解溶液は、80℃ま
で加熱することにより、水酸化ナトリウム、メタノール
および水からなる分解溶液と同等の分解性を有した。実
施例2と実施例6とを比較すると、溶剤としてメタノー
ルと水とを用いた分解溶液の方が、溶剤としてメタノー
ルとエチレングリコールとを用いた分解溶液よりも分解
能力に優れていた。
【0170】さらに、浸漬から200時間後の試料の状
態を目視で観察したところ、粉砕、変形などの処理が容
易に行えるような柔らかいゴム状であった。
【0171】以上のように、実施例2〜6の熱硬化性組
成物は、従来の熱硬化性組成物の優れた特性を維持しつ
つ、塩基と、水、メタノール、またはエチレングリコー
ルとを含む分解溶液により、室温で、または分解溶液の
沸点以下の温度で容易に分解処理される。
【0172】(実施例7)不飽和ポリエステル(日本触
媒社製、エポラック)56重量部、付加重合性モノマー
としてスチレン38重量部、低収縮剤としてポリスチレ
ン6重量部、およびポリカプロラクトン(分子量4万、
ダイセル化学社製、プラクセル)6重量部を混合した。
硬化剤としてt−ブチルパーオキシラウレート(日本油
脂社製、パーブチルZ)を、この混合物100重量部に
対して1重量部の割合で加え、熱硬化性組成物を得た。
次いで、この組成物を厚さ1mmの箱状型に流し込み、
120℃で30分間加熱することにより、この組成物を
硬化させた。硬化後の組成物を10×20×1mmの板
状に切り出し、分解処理試験用試料とした。
【0173】次いで、水酸化ナトリウム1g、メタノー
ル27g、および水3gを混合し、分解溶液を調製し
た。上記試料をこの分解溶液に室温で浸漬し、時間変化
に伴う重量減少を観察した。結果を表3に示す。
【0174】(実施例8)低収縮剤であるポリスチレン
使用しなかったこと以外は実施例7と同様にして試料を
作成し、実施例7と同様の試験を行った。結果を表3に
示す。
【0175】(実施例9)ポリカプロラクトンの代わり
にポリカプロラクトンジオール(分子量2000、ダイ
セル化学社製、プラクセル200)6重量部を使用した
こと以外は実施例7と同様にして試料を作成し、実施例
7と同様の試験を行った。結果を表3に示す。
【0176】(実施例10)ポリカプロラクトンジオー
ル(分子量2000、ダイセル化学社製、プラクセル2
00)6重量部をさらに追加使用したこと、および低収
縮剤であるポリスチレン使用しなかったこと以外は実施
例7と同様にして試料を作成し、実施例7と同様の試験
を行った。結果を表3に示す。
【0177】(比較例2)ポリカプロラクトンを含まな
かったこと以外は実施例7と同様にして試料を作成し、
実施例7と同様の試験を行った。結果を表3に示す。
【0178】
【表3】
【0179】表3から明らかなように、実施例7〜10
および比較例2において、比較例5の熱硬化性組成物か
ら得られた試料は、浸漬から500時間経過してもわず
か1%しか重量が減少しないのに対して、実施例7〜1
0の熱硬化性組成物から得られた試料は、浸漬から50
0時間で、重量が最小でも24%減少した。
【0180】低収縮剤を含まない実施例8および10の
熱硬化性組成物から得られた試料は、実施例7および9
の熱硬化性組成物から得られた試料よりも、重量減少が
若干大きかった。これは、低収縮剤であるポリスチレン
が親水性ではないため、分解溶液の硬化物への浸透性が
若干低下するためと考えられる。
【0181】硬化時の収縮率については、実施例7〜1
0および比較例2において0.1%以下であった。この
ように、低収縮剤を含まない実施例10の熱硬化性組成
物から得られた試料では、収縮性が若干低下した。ポリ
カプロラクトンを含む熱硬化性組成物が、低収縮剤を含
む比較例2の熱硬化性組成物と同様の収縮性を示すこと
から、ポリカプロラクトンが収縮剤としても機能し得る
脂肪族ポリエステルであることがわかる。
【0182】浸漬から500時間後の実施例7〜10の
試料の状態を目視で観察したところ、粉砕、変形などの
処理が容易に行えるような柔らかいゴム状であった。
【0183】さらに、実施例7〜10の熱硬化性組成物
の硬化性(ゲル化時間および硬化時間)ならびに射出成
形性およびトランスファー成形性(スパイラルフロー長
さ)は、実用上全く問題なかった。さらに、硬化後の組
成物の外観および機械的強度も、実用上全く問題なかっ
た。
【0184】以上のように、本実施例の熱硬化性組成物
は、従来の熱硬化性組成物の優れた特性を維持しつつ、
塩基と、メタノールおよび水とを含む分解溶液により、
室温で容易に分解処理される。
【0185】(実施例11)不飽和ポリエステル(日本
触媒社製、エポラック)35重量部、スチレン15重量
部、およびポリカプロラクトンを含む側鎖を有するラク
トン変性ヒドロキシエチルアクリレートモノマー(ダイ
セル化学社製)50重量部を混合した。この混合物10
0重量部に対して、低収縮剤としてポリメチルメタクリ
レート5重量部、脂肪族ポリエステルとしてポリカプロ
ラクトン6重量部、および硬化剤としてt−ブチルパー
オキシベンゾエイト(日本油脂社製、パーブチルZ)1
重量部を加え、熱硬化性組成物を調製した。次いで、こ
の組成物を厚さ1mmの箱状型に流し込み、120℃で
30分間加熱することにより、この組成物を硬化させ
た。硬化後の組成物を10×20×1mmの板状に切り
出し、分解処理試験用試料とした。
【0186】次いで、水酸化ナトリウム1g、およびメ
タノール30gを混合し、分解溶液を調製した。上記試
料をこの分解溶液に室温で浸漬し、時間変化に伴う重量
減少を観察した。結果を表4に示す。
【0187】(実施例12)実施例11と同様にして試
料を作成した。水酸化ナトリウム1g、エタノール27
g、および水3gを混合して調製した分解溶液を使用し
たこと以外は実施例11と同様の試験を行った。結果を
表4に示す。
【0188】(比較例3)実施例11と同様にして試料
を作成した。塩基を含まない分解溶液(エタノール27
gと水3gとを混合して調製したもの)を使用したこと
以外は実施例11と同様の試験を行った。結果を表4に
示す。
【0189】(実施例13)不飽和ポリエステル(日本
触媒社製、エポラック)65重量部、スチレン35重量
部、およびアクリル酸エチル15重量部を混合した。こ
の混合物57.5重量部に対して、低収縮剤としてポリ
メチルメタクリレート5重量部、ポリカプロラクトン6
重量部、および硬化剤としてt−ブチルパーオキシベン
ゾエイト(日本油脂社製、パーブチルZ)1重量部を加
え、熱硬化性組成物を得た。次いで、この組成物を厚さ
1mmの箱状型に流し込み、120℃で30分間加熱す
ることにより、この組成物を硬化させた。硬化後の組成
物を10×20×1mmの板状に切り出し、分解処理試
験用試料とした。
【0190】次いで、水酸化ナトリウム1g、およびメ
タノール30gを混合し、分解溶液を調製した。上記試
料をこの分解溶液に室温で浸漬し、時間変化に伴う重量
減少を観察した。結果を表4に示す。
【0191】(実施例14)実施例13と同様にして試
料を作成した。水酸化ナトリウム1g、エタノール27
g、および水3gを混合して調製した分解溶液を使用し
たこと以外は実施例13と同様の試験を行った。結果を
表4に示す。
【0192】(比較例4)実施例13と同様にして試料
を作成した。塩基を含まない分解溶液(エタノール27
gと水3gとを混合して調製したもの)を使用したこと
以外は実施例13と同様の試験を行った。結果を表4に
示す。
【0193】
【表4】
【0194】表4から明らかなように、実施例11〜1
4ならびに比較例3および4において、水酸化ナトリウ
ムまたはエタノールを含まない分解溶液で処理された比
較例3および4の試料は、浸漬から500時間経過して
も重量が減少しないのに対して、水酸化ナトリウムおよ
びエタノールを含む分解溶液で処理された実施例11〜
14の試料は、浸漬から500時間で、重量が最小でも
21%減少した。実施例11と12とを、そして実施例
13と14とを比較すると明らかなように、適量の水を
含む分解溶液を用いる場合の方が、硬化物の分解性に優
れる。実施例11と13とを、そして実施例12と14
とを比較すると明らかなように、付加重合性モノマーと
して付加重合性末端を有する脂肪族ポリエステルを用い
る熱硬化性組成物の方が、分解性に優れる。
【0195】分解処理試験後の分解溶液のNMR測定に
よれば、不飽和ポリエステルに含有されるフタル酸の存
在が確認されており、脂肪族ポリエステルのエステル結
合だけでなく、不飽和ポリエステルのエステル結合も分
解されている。
【0196】浸漬から500時間後の実施例11〜14
の試料の状態を目視で観察したところ、粉砕、変形など
の処理が容易に行えるような柔らかいゴム状であった。
【0197】以上のように、実施例11〜14のの熱硬
化性組成物は、従来の熱硬化性組成物の優れた特性を維
持しつつ、塩基と、水、エタノール、またはメタノール
とを含む分解溶液により、室温で容易に分解処理され
る。
【0198】(実施例15)脂肪族ポリエステルを含む
側鎖を有するポリマーとして、ビスフェノール−エピク
ロロヒドリン樹脂の第2級水酸基をラクトン変性したラ
クトン変性エポキシ樹脂(ダイセル化学社製、プラクセ
ルG)を用いた。この樹脂10重量部に、硬化剤として
ベンジルジメチルアミンを1重量部を混合し、熱硬化性
組成物を得た。次いで、この組成物を厚さ1mmの箱状
型に流し込み、100℃で30分間加熱することによ
り、この組成物を硬化させた。硬化後の組成物を10×
20×1mmの板状に切り出し、分解処理試験用試料と
した。
【0199】硬化後の組成物の機械的強度は、実用上全
く問題なかった。
【0200】次いで、水酸化ナトリウム1g、メタノー
ル24g、および水6gを混合し、分解溶液を調製し
た。上記試料をこの分解溶液に室温で浸漬し、150時
間後の重量減少を測定した結果、重量が約22%減少し
た。この時点での試料の状態を目視で観察したところ、
いくつもの断片に分解され、硬化物としての形状を維持
していなかった。
【0201】以上のように、本実施例の熱硬化性組成物
は、従来の熱硬化性組成物の優れた特性を維持しつつ、
塩基と、メタノールおよび水とを含む分解溶液により、
室温で容易に分解処理される。
【0202】(実施例16)フェノール樹脂(日立化成
工業社製、スタンドライトCP;または、フドー社製、
フドウライト)38重量部、ポリカプロラクトン(分子
量4万、ダイセル化学社製、プラクセル)2重量部、粒
径約5μmの炭酸カルシウム50重量部、直径約0.5
mm、長さ20mmのガラス繊維10重量部を混合し
た。硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを、この混
合物の樹脂重量に対して10重量%の割合で加え、熱硬
化性組成物を得た。次いで、この組成物を厚さ1mmの
箱状型に流し込み、140℃で約30分間加熱すること
により、この組成物を硬化させた。硬化後の組成物を1
0×20×1mmの板状に切り出し、分解処理試験用試
料とした。
【0203】次いで、水酸化ナトリウム1g、メタノー
ル24g、および水6gを混合し、分解溶液を調製し
た。上記試料をこの分解溶液に室温で浸漬し、時間変化
に伴う重量減少を観察した。結果を表5に示す。
【0204】(実施例17)エポキシ樹脂(日立化成工
業社製、スタンドライドCEL;または、大日本インキ
化学工業社製、エピクロン)38重量部、ポリカプロラ
クトン(分子量4万、ダイセル化学社製、プラクセル)
2重量部、粒径約5μmの炭酸カルシウム50重量部、
直径約0.5mm、長さ20mmのガラス繊維10重量
部を混合した。硬化剤としてヘキサメチレンテトラミン
を、この混合物の樹脂重量に対して10重量%の割合で
加え、熱硬化性組成物を得た。次いで、この組成物を厚
さ1mmの箱状型に流し込み、100℃で約30分間加
熱することにより、この組成物を硬化させた。硬化後の
組成物を10×20×1mmの板状に切り出し、分解処
理試験用試料とした。
【0205】次いで、水酸化ナトリウム1g、メタノー
ル24g、および水6gを混合し、分解溶液を調製し
た。上記試料をこの分解溶液に室温で浸漬し、時間変化
に伴う重量減少を観察した。結果を表5に示す。
【0206】
【表5】
【0207】表5から明らかなように、浸漬から500
時間後の実施例16および17の試料は、共に重量が1
0%近く減少した。
【0208】試料の状態を目視で観察したところ、粉
砕、変形などの処理が容易に行えるような非常にもろい
状態であった。
【0209】実施例16および17の熱硬化性組成物の
硬化性および成形性は、実用上全く問題なかった。さら
に、硬化後の組成物の外観および機械的強度も、実用上
全く問題なかった。
【0210】以上のように、実施例16および17の熱
硬化性組成物は、従来の熱硬化性組成物の優れた特性を
維持しつつ、塩基と、メタノールおよび水とを含む分解
溶液により、室温で容易に分解処理される。
【0211】(実施例18)不飽和ポリエステル(日本
触媒社製、エポラック)24重量部、ポリカプロラクト
ン(分子量4万、ダイセル化学社製、プラクセル)の3
0重量%スチレン溶液6重量部、低収縮剤としてポリス
チレン4重量部、および硬化剤としてt−ブチルパーオ
キシベンゾエイト(日本油脂社製、パーブチルZ)0.
5重量部を混合し、熱硬化性組成物を得た。この組成物
をバインダー材とした。
【0212】フィラーとして炭酸カルシウム57重量
部、離型剤としてステアリン酸亜鉛2重量部、および増
粘剤として酸化マグネシウム1重量部を、ニーダを用い
て約5分間乾式混合した。この混合物に、上記バインダ
ー材30重量部を混練しながら徐々に加え、均一なペー
ストを得た。次いで、このペーストに、ガラス繊維10
重量部を均一に分散させるよう混練しながら極力短時間
で加えた。ガラス繊維が均一に分散した時点で混練を終
了しBMCを得、これをモールド材とした。
【0213】このモールド材を、金型温度150℃、注
入圧力150kg/cm2でトランスファー成形し、板状の成
形体を得た。
【0214】このモールド材の硬化性(ゲル化時間およ
び硬化時間)およびスパイラルフロー長さは、実用上全
く問題なかった。さらに、成形体の寸法安定性は、従来
のFRPよりも優れており、外観および機械的強度も、
実用上全く問題なかった。
【0215】水酸化ナトリウム2g、エタノール10
g、およびメタノール20gを混合し、分解溶液を調製
した。上記成形体をこの分解溶液に室温で浸漬し、20
0時間後の状態を目視で観察したところ、いくつもの断
片に分解され、成形体としての形状を維持していなかっ
た。
【0216】以上のように、本実施例のモールド材は、
従来のFRPの優れた特性を維持しつつ、塩基と、エタ
ノールおよびメタノールとを含む分解溶液により、室温
で容易に分解処理される。
【0217】(実施例19)不飽和ポリエステル(昭和
高分子社製、リゴラック)12重量部、スチレン7重量
部、ポリカプロラクトン(分子量4万、ダイセル化学社
製、プラクセル)1重量部、低収縮剤としてポリ酢酸ビ
ニル1重量部、および硬化剤としてt−ブチルパーオキ
シベンゾエイト(日本油脂社製、パーブチルZ)0.4
重量部を混合し、熱硬化性組成物を得た。この組成物を
バインダー材とした。
【0218】フィラーとして粒径4〜6μmの炭酸カル
シウム57重量部、離型剤としてステアリン酸亜鉛1.
2重量部、および増粘剤として水酸化カルシウム1重量
部を、ニーダを用いて乾式混合した。この混合物に、上
記バインダー材30重量部を混練しながら徐々に加え、
均一なペーストを得た。次いで、このペーストに、ポリ
エチレン繊維10重量部を均一に分散させるよう混練し
ながら極力短時間で加えた。ガラス繊維が均一に分散し
た時点で混練を終了し、BMCを得、これをモールド材
とした。
【0219】このモールド材を、プランジャー/スクリ
ュー併用式射出成型機のホッパー部に圧入し、金型温度
150℃、スクリュー回転数50rpm、射出圧力14
0kg/cm2、射出時間5秒、および保圧時間30秒の条件
で射出成形し、直径20mm、高さ15mmの円柱状成
形体を得た。
【0220】この成形体は、軽量で、かつ、加工性に優
れていた。
【0221】水酸化ナトリウム2g、エタノール20
g、および水10gを混合し、分解溶液を調製した。上
記成形体をこの分解溶液に室温で浸漬し、200時間後
の状態を目視で観察したところ、粉砕、変形などの処理
が容易に行えるような非常にもろい状態であった。成形
体の機械的強度は、浸漬前の約1/8まで低下した。
【0222】以上のように、本実施例のモールド材は、
塩基と、エタノールおよび水とを含む分解溶液により、
室温で容易に強度が劣化する。
【0223】(実施例20)不飽和ポリエステル(日本
触媒社製、エポラック)28重量部、ポリカプロラクト
ンジオール2.5重量部、スチレン20重量部、低収縮
剤としてポリスチレン2重量部、および硬化剤としてt
−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本
油脂社製、パーブチルO)0.4重量部を混合し、熱硬
化性組成物を得た。この組成物をバインダー材とした。
【0224】フィラーとして炭酸カルシウム58重量
部、離型剤としてステアリン酸亜鉛1.5重量部、およ
び増粘剤として酸化マグネシウム0.5重量部を、ニー
ダを用いて乾式混合した。この混合物に、上記バインダ
ー材40重量部を混練しながら徐々に加え、均一なペー
ストを得た。
【0225】次いで、ガラス繊維をカッターで切断した
チョップストランドを、ポリエチレンフィルム上に一面
に散布し、上記ペーストを含浸させた。これを必要な長
さだけ巻取り、熟成させることにより必要な粘度まで増
粘させることによってSMCを得、これをモールド材と
した。
【0226】このモールド材を、金型温度65℃、圧力
100kg/cm2で圧縮成形し、成形体を得た。
【0227】このモールド材の硬化性および成形性は、
実用上全く問題なかった。さらに、成形体の外観および
機械的強度も、実用上全く問題なかった。
【0228】水酸化ナトリウム1g、メタノール25
g、および水5gを混合し、分解溶液を調製した。上記
成形体をこの分解溶液に室温で浸漬し、時間変化に伴う
状態変化を観察したところ、重量は減少し、強度は低下
した。
【0229】以上のように、本実施例のモールド材は、
塩基と、メタノールおよび水とを含む分解溶液により、
室温で容易に分解処理される。
【0230】(実施例21)不飽和ポリエステル(日本
触媒社製、エポラック)52重量部に、スチレン28重
量部、ポリカプロラクトン(分子量4万、ダイセル化学
社製、プラクセル)6重量部/スチレン14重量部溶液
を混合し、さらに低収縮剤としてポリ酢酸ビニル6重量
部、硬化剤としてt−ブチルパーオキシベンゾエイト
(日本油脂社製、パーブチルZ)1重量部を混合し、熱
硬化性組成物を得た。この組成物をモールド材とした。
【0231】このモールド材を、絶縁体を介して巻線が
巻装された鉄芯と一体成形し、図1に示すようなモール
ドモータを作成した。このモールドモータを、分解溶液
(水酸化ナトリウム1.25g、エタノール24g、お
よび水6gを混合して調製したもの)に24時間浸漬し
た後モールド材の除去を試みたところ、素手でモールド
材を除去し、巻線および鉄芯を分離することができた。
【0232】さらに、20時間浸漬することにより、巻
線に一部残留していたモールド材を、完全に除去するこ
とができた。
【0233】(実施例22)不飽和ポリエステル(日本
触媒社製、エポラック)52重量部に、スチレン28重
量部、ポリカプロラクトンジオール(分子量2000、
ダイセル化学社製、プラクセル200)6重量部/スチ
レン14重量部溶液を混合し、さらに低収縮剤としてポ
リスチレン6重量部、硬化剤としてt−ブチルパーオキ
シベンゾエイト(日本油脂社製、パーブチルZ)1重量
部を混合し、熱硬化性組成物を得た。この組成物をモー
ルド材とした。
【0234】このモールド材を用いて、実施例21と同
様にして図1に示すようなモールドモータを作成した。
このモールドステータを、分解溶液(水酸化ナトリウム
1.25g、エタノール6g、およびジメチルスルホキ
シド24gを混合して調製したもの)に24時間浸漬し
た後モールド材の除去を試みたところ、素手でモールド
材を除去し、巻線および鉄芯を分離することができた。
【0235】さらに、20時間浸漬することにより、巻
線に一部残留していたモールド材を、完全に除去するこ
とができた。
【0236】(実施例23)不飽和ポリエステル(日本
触媒社製、エポラック)52重量部に、スチレン42重
量部、250〜500μmの粒径を有する粒子状のポリ
乳酸(島津製作所社製)6重量部を混合し、さらに低収
縮剤としてポリスチレン6重量部、硬化剤としてt−ブ
チルパーオキシベンゾエイト(日本油脂社製、パーブチ
ルZ)1重量部を混合し、熱硬化性組成物を得た。この
組成物をモールド材とした。
【0237】このモールド材を用いて、実施例21と同
様にして図1に示すようなモールドモータを作成した。
このモールドモータを、分解溶液(水酸化ナトリウム
1.25g、エタノール24g、および水6gを混合し
て調製したもの)に24時間浸漬した後モールド材の除
去を試みたところ、素手でモールド材を除去し、巻線お
よび鉄芯を分離することができた。
【0238】さらに、20時間浸漬することにより、巻
線に一部残留していたモールド材を、完全に除去するこ
とができた。
【0239】なお、ポリ乳酸は、粒子状ではなく、針状
または繊維状であってもよい。
【0240】(実施例24)不飽和ポリエステル(日本
触媒社製、エポラック)52重量部、スチレン42重量
部、ポリブチレンスクシネート(昭和高分子社製、ビオ
ノーレ)6重量部、低収縮剤としてポリスチレン6重量
部、および硬化剤としてt−ブチルパーオキシベンゾエ
イト(日本油脂社製、パーブチルZ)1重量部を一括で
混合し、熱硬化性組成物を得た。この組成物をモールド
材とした。
【0241】このモールド材を用いて、実施例21と同
様にして図1に示すようなモールドモータを作成した。
このモールドモータを、分解溶液(水酸化ナトリウム
1.25g、エタノール24g、および水6gを混合し
て調製したもの)に24時間浸漬した後モールド材の除
去を試みたところ、素手でモールド材を除去し、巻線お
よび鉄芯を分離することができた。
【0242】さらに、20時間浸漬することにより、巻
線に一部残留していたモールド材を、完全に除去するこ
とができた。
【0243】(実施例25)不飽和ポリエステル(日本
触媒社製、エポラック)52重量部に、スチレン28重
量部、ポリカプロラクトン(分子量4万、ダイセル化学
社製、プラクセル)7重量部/スチレン13重量部溶液
を混合し、さらに低収縮剤としてポリスチレン6重量
部、硬化剤としてt−ブチルパーオキシベンゾエイト
(日本油脂社製、パーブチルZ)1重量部を混合し、熱
硬化性組成物を得た。この組成物をバインダー材とし
た。
【0244】このバインダー材に、平均粒径20μmの
重質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製)を100重
量部加え、モールド材を得た。
【0245】このモールド材を用いて、実施例21と同
様にして図1に示すようなモールドモータを作成した。
このモールドモータを、分解溶液(水酸化ナトリウム
1.25g、エタノール24g、および水6gを混合し
て調製したもの)に24時間浸漬した後モールド材の除
去を試みたところ、金槌で軽く叩くだけでモールド材が
容易に崩壊し、巻線および鉄芯を分離することができ
た。
【0246】さらに、20時間浸漬することにより、巻
線に一部残留していたモールド材を、完全に除去するこ
とができた。
【0247】(実施例26)不飽和ポリエステル(日本
触媒社製、エポラック)52重量部に、スチレン28重
量部、ポリカプロラクトン(分子量4万、ダイセル化学
社製、プラクセル)8重量部/スチレン12重量部溶液
を混合し、さらに低収縮剤としてポリスチレン6重量
部、硬化剤としてt−ブチルパーオキシベンゾエイト
(日本油脂社製、パーブチルZ)1重量部を混合し、熱
硬化性組成物を得た。この組成物をバインダー材とし
た。
【0248】このバインダー材に、平均粒径20μmの
重質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製)100重量
部、および長さ20mmのガラス繊維を加え、モールド
材を得た。
【0249】このモールド材を用いて、実施例21と同
様にして図1に示すようなモールドモータを作成した。
このモールドモータを、分解溶液(水酸化ナトリウム
1.25g、エタノール24g、および水6gを混合し
て調製したもの)に24時間浸漬した後モールド材の除
去を試みたところ、金槌で軽く叩くだけでモールド材が
容易に崩壊し、巻線および鉄芯を分離することができ
た。
【0250】さらに、20時間浸漬することにより、巻
線に一部残留していたモールド材を、完全に除去するこ
とができた。
【0251】(比較例5)不飽和ポリエステル(日本触
媒社製、エポラック)52重量部、スチレン42重量
部、低収縮剤としてポリスチレン6重量部、および硬化
剤としてt−ブチルパーオキシベンゾエイト(日本油脂
社製、パーブチルZ)1重量部を一括で混合し、熱硬化
性組成物を得た。この組成物をバインダー材とした。
【0252】このモールド材を用いて、実施例21と同
様にして図1に示すようなモールドモータを作成した。
このモールドモータを、分解溶液(水酸化ナトリウム
1.25g、エタノール24g、および水6gを混合し
て調製したもの)に24時間浸漬した後モールド材の除
去を試みたが、容易に除去することはできなかった。
【0253】(実施例27)式(VII)で表され、融点が
114℃の脂肪族ポリエステルである共重合樹脂(昭和
高分子社製、ビオノーレ)を介して巻線が巻装された鉄
芯に、巻線を覆うようにこのポリエステルをモールド
し、さらに実施例26のモールド材と一体成形し、内部
モールド部と外部モールド部とを有する、図2に示すよ
うなモールドモータを作成した。外部モールド部の厚み
は、約6mmであった。
【0254】
【化6】
【0255】このモールドモータを、分解溶液(水酸化
ナトリウム1.25g、エタノール24g、および水6
gを混合して調製したもの)に24時間浸漬した後モー
ルド材の除去を試みたところ、金槌で数回叩くことによ
り外部モールド部が除去され、内部モールド部が表出し
た。さらに、同一の分解溶液に24時間浸漬することに
より、内部モールド部および絶縁体を完全に除去でき
た。
【0256】(実施例28)分解溶液に浸漬する前に、
外部モールド部をノミでキズつけて、内部モールド部を
一部表出させたこと以外は実施例27と同様にして、実
施例27の分解溶液に24時間浸漬した。浸漬後、内部
モールド部および絶縁体は、完全に分解溶液に溶解しモ
ールドステータ内部は空洞状態であった。このモールド
ステータを金槌で数回叩くことにより、外部モールド材
が容易に除去され、巻線および鉄芯を分離することがで
きた。
【0257】このように、内部モールド部を表出させる
ことにより、分解がより促進された。
【0258】(実施例29)絶縁体として熱変形温度2
40℃のポリエチレンテレフタレートを使用したこと、
および外部モールド部の厚みを約8mmとしたこと以外
は実施例27と同様にして、図2に示すようなモールド
モータを作成し、実施例27の分解溶液に24時間浸漬
した。浸漬後、内部モールド部は、完全に分解溶液に溶
解しモールドステータ内部は空洞状態であった。このモ
ールドステータを金槌で数回叩くことにより、外部モー
ルド材が容易に除去され、絶縁体に配置された状態で巻
線および鉄芯を分離することができた。
【0259】(実施例30)分解溶液に浸漬する前に、
外部モールド部をノミでキズつけて、内部モールド部を
一部表出させたこと以外は実施例29と同様にして、実
施例29の分解溶液に24時間浸漬した。
【0260】内部モールド部を一部表出させることによ
り、分解がより促進された。
【0261】(実施例31)分解溶液に浸漬する前に、
外部モールド部をノミでキズつけて、内部モールド部を
一部表出させたこと、および、分解溶液としてトルエン
を使用したこと以外は実施例27と同様にして、分解溶
液に24時間浸漬した。浸漬後、内部モールド部の多く
の部分が分解溶液に溶解し、モールドステータ内部は空
洞状態であった。このモールドステータを金槌で数回叩
くことにより、外部モールド材が除去され、巻線および
鉄芯を分離することができた。
【0262】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、(1)
硬度、強度、耐熱性、難燃性、耐薬品性などの従来の優
れた特性を損なわず、かつ、廃棄時の分解処理が容易な
熱硬化性組成物;(2)硬度、強度、耐熱性、難燃性、
耐薬品性などの従来の優れた特性を損なわず、かつ、廃
棄時の分解処理が容易な熱硬化性組成物を用いたモール
ド材;(3)熱硬化性組成物を用いたモールド材を有
し、廃棄時の分解処理が容易なモールド構造体;(4)
熱硬化性組成物およびモールド材、さらにそれを用いた
モールド構造体の簡便容易な分解処理方法;および
(5)このモールド構造体のリサイクル方法、が提供さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のモールド構造体の一例であるモールド
モータの一実施態様を示す断面図である。
【図2】本発明のモールド構造体の一例であるモールド
モータの別の実施態様を示す拡大部分断面図である。
【図3】図2のモールドモータの他の態様を示す拡大部
分断面図である。
【図4】本発明のモールド構造体の一例であるモールド
モータのさらに別の実施態様を示す拡大部分断面図であ
る。
【図5】図4のモールドモータの他の態様を示す拡大部
分断面図である。
【図6】本発明のモールド構造体の一例であるモールド
モータのさらに別の実施態様を示す拡大部分断面図であ
る。
【図7】従来のモールドモータの外観を示す斜視図であ
る。
【図8】従来のモールドモータのステータ部の外観を示
す斜視図である。
【符号の説明】
1、21、31、41、51、61 モールドステータ 2、22、32、42、52、62 モールド部 3、23、33、43、53、63 巻線 4、24、34、44、54、64 鉄芯 7、27、37、47、57、67 絶縁体
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01B 3/40 H01B 3/40 E H01F 27/32 H01F 27/32 A // C08J 11/10 CFE C08J 11/10 CFE

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和ポリエステル、付加重合性モノマ
    ー、低収縮剤、および脂肪族ポリエステルを含有する熱
    硬化性組成物であって、 該脂肪族ポリエステルが、ポリプロピオラクトン、ポリ
    グリコール酸、ポリ乳酸、ポリエチレンアジペート、ポ
    リブチレンアジペート、ポリテトラメチレンアジペー
    ト、ポリエチレンスクシネート、ポリブチレンスクシネ
    ート、ポリカプロラクトンジオール、ポリカプロラクト
    ントリオール、およびポリ(3−ヒドロキシアルカノエ
    ート)から選択される少なくとも1種であり、 硬化後に、塩基と、水、メタノール、エタノール、およ
    びエチレングリコールでなる群から選択される少なくと
    も1種の溶剤とを含有する分解溶液により、該分解溶液
    の沸点より低い温度で容易に分解され得る、熱硬化性組
    成物。
  2. 【請求項2】 前記付加重合性モノマーの少なくとも一
    部が、付加重合性末端を有する脂肪族ポリエステルであ
    る、請求項1に記載の熱硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 不飽和ポリエステル、付加重合性モノマ
    ー、低収縮剤、および脂肪族ポリエステルを含有する熱
    硬化性組成物を、バインダー材として含有する、モール
    ド材であって、 該脂肪族ポリエステルが、ポリプロピオラクトン、ポリ
    グリコール酸、ポリ乳酸、ポリエチレンアジペート、ポ
    リブチレンアジペート、ポリテトラメチレンアジペー
    ト、ポリエチレンスクシネート、ポリブチレンスクシネ
    ート、ポリカプロラクトンジオール、ポリカプロラクト
    ントリオール、およびポリ(3−ヒドロキシアルカノエ
    ート)から選択される少なくとも1種であり、 該熱硬化性組成物は、硬化後に、塩基と、水、メタノー
    ル、エタノール、およびエチレングリコールでなる群か
    ら選択される少なくとも1種の溶剤とを含有する分解溶
    液により、該分解溶液の沸点より低い温度で容易に分解
    され得る、モールド材。
  4. 【請求項4】 前記付加重合性モノマーの少なくとも一
    部が、付加重合性末端を有する脂肪族ポリエステルであ
    る、請求項3に記載のモールド材。
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