以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。参照する図面は、本発明が採用し得る技術的特徴を説明するために用いられるものである。図面に記載されている装置の構成等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
図1〜図3を参照し、本実施形態に係る情報入力装置1について説明する。以下の説明では、図2の上側、下側、左上側、右下側、右上側、左下側を、夫々、情報入力装置1の前側、後側、左側、右側、上側、下側と定義する。情報入力装置1の構成要素である外装カバー4と検出装置2L,2Rの方向は、便宜上、情報入力装置1が組み立てられた状態を基準に、情報入力装置1の方向に倣って定義する。同様に、情報入力装置1に装着するノート5の方向は、便宜上、ノート5が情報入力装置1に装着された状態を基準に、情報入力装置1の方向に倣って定義する。図1は、情報入力装置1が開閉される途中の状態を示す。図2は、情報入力装置1が開かれた状態を示す。
図1に示す情報入力装置1は、ユーザが携行可能なタブレット型の手書き入力装置である。情報入力装置1は、外装カバー4に、二つの板状の検出装置2L,2Rが組み付けられた状態で提供される。外装カバー4は、前側を見開き面側として左右方向に折り畳み(即ち、二つ折り)可能に構成され、左カバー部4L及び右カバー部4Rを含む。検出装置2Lは左カバー部4Lに配置され、検出装置2Rは右カバー部4Rに配置される。ユーザは、冊子状の記録媒体、例えばノート5を検出装置2L,2Rに装着し、電子ペン6でノート5に情報を記入する。情報入力装置1は、検出装置2L,2Rを用いて、ノート5に記入された情報を読み取ることができる。電子ペン6は、ノート5にインクで情報(文字、記号、図形、数字等)を記入可能、且つ、記入された情報を検出装置2L,2Rに入力可能な筆記具である。本実施形態の電子ペン6は、内部に、周知の共振(同調)回路を構成する可変容量コンデンサ、コイル等(図示略)を備える。後述するが、検出装置2L,2Rは、公知の電磁誘導方式で、電子ペン6が近接した時、電子ペン6の位置を検出可能である。
図1、図2に示すように、検出装置2L,2Rは、前面にノート5を固定可能に構成されている。具体的には、検出装置2L,2Rは、前面に、ノート5の左右の表紙5L,5Rを固定する際の位置決めを担う凹状の位置決め部21L,21Rを夫々有する。位置決め部21Lは、上方、左方及び下方に段差を有し、右方には段差を有しない。位置決め部21Lの上方、左方及び下方の段差は、ノート5の左表紙5Lの上方、左方及び下方の縁部に接触することで、ノート5を検出装置2Lに対して位置決めする。位置決め部21Lは、凹部内で右辺近傍位置に、微粘着性の接着部22L(図1参照)を有する。接着部22Lは、ノート5の左表紙5Lを、容易に剥離可能な状態で、位置決め部21Lに接着固定する。位置決め部21Rは、上方、右方及び下方に段差を有し、左方には段差を有しない。位置決め部21Rの上方、右方及び下方の段差は、ノート5の右表紙5Rの上方、右方及び下方の縁部に接触することで、ノート5を検出装置2Rに対して位置決めする。位置決め部21Rは、凹部内で左辺近傍位置に微粘着性の接着部22R(図1参照)を有する。接着部22Rは、ノート5の右表紙5Rを、容易に剥離可能な状態で、位置決め部21Rに接着固定する。
図3に示すように、外装カバー4は、折り曲げられていない状態では、左右方向に長い矩形状の板状体である。外装カバー4は、検出装置2Lを保持する左カバー部4Lと、検出装置2Rを固定する右カバー部4Rと、左カバー部4Lと右カバー部4Rとを左右中央で連結する折曲部4Cとを含む。外装カバー4は、外力に応じて変形可能な柔軟性を有する素材(例えば合成皮革又はナイロン)で作製されている。折曲部4Cは、上下方向に延びる軸線AX(図1参照)に沿って、前面を内側にして折り曲げることができる。即ち、外装カバー4は、折曲部4Cを折り曲げることで、検出装置2Lと検出装置2Rとが対向する向きに折り畳むことができる。
外装カバー4は、右カバー部4Rに、検出装置2Rを固定するための固定シート41Rを有する。固定シート41Rは、上辺、右辺及び下辺の三辺が外装カバー4の縁部45に織り込まれ、左辺が折曲部4Cに織り込まれることで、外装カバー4に固定される。検出装置2Rは、例えば両面粘着テープ等で後面26R(図4参照)が固定シート41Rに接着されることで、外装カバー4に固定される。固定シート41Rは中央部に開口42を有する。検出装置2Rの後面26Rは、電池の装着部(図示略)を有する。電池の装着部は、開口42内に配置される。図示しないが、外装カバー4は後面に、面ファスナーを用いて開閉可能なカバー体(図示略)を備える。ユーザは、カバー体を開くことで、検出装置2Rを外装カバー4から取り外さなくてもバッテリ(図示略)交換が可能である。
外装カバー4は、左カバー部4Lに、検出装置2Lを保持する保持シート41Lを有する。保持シート41Lは、例えば透明の軟質塩化ビニールシートである。保持シート41Lは、上辺、左辺及び下辺の三辺が外装カバー4の縁部45に織り込まれ、右辺は開放されている。検出装置2Lは、保持シート41Lの右辺側から保持シート41Lと外装カバー4の本体部との間に挿入される。検出装置2Lは、右端部が保持シート41Lの右辺から右方に突出した状態で、保持シート41Lに保持される。詳細は後述するが、検出装置2Lは、後面26L(図4参照)側にホルダ60を備える。ホルダ60は、検出装置2Lの本体部に対して左右方向にスライド可能に構成されている。外装カバー4の左カバー部4Lは、ホルダ60を固定する固定部43を備える。本実施形態において、固定部43は、左右方向に並んで配置された二つの鳩目43A,43Bを含む。鳩目43A,43Bは、同一の開口径D1を有する。固定部43にホルダ60が固定されると、検出装置2Lは、外装カバー4の左カバー部4Lに対して左右方向にスライド可能な状態で、保持シート41Lに保持される。
外装カバー4は、折曲部4Cの前面側に、上下方向に延び、折曲部4Cを覆う太幅の帯状体44を備える。帯状体44は、上下に張られた状態で上下両端が外装カバー4の上下の縁部45に夫々織り込まれている。帯状体44は、折曲部4Cの前面との間に隙間を有する。後述するが、検出装置2L,2Rを接続するハーネス50は、帯状体44と折曲部4Cの前面との間に通される。外装カバー4が開いた状態の時、帯状体44はハーネス50を覆い隠す。また、外装カバー4が折り畳まれる時、帯状体44は、ハーネス50が折曲部4Cの前面に沿って軸線AX(図1参照)周りで曲がるようにハーネス50を前方から押さえることで、曲げの向きを案内する。図示しないが、外装カバー4は、バッテリのカバー体を閉じた状態に支え、栞等の用途にも使用可能なバンド、電子ペン6のホルダ、資料等を収納可能なポケット等を備える。
図4〜図8を参照し、検出装置2L,2Rの構造について説明する。検出装置2L,2Rは、公知の電磁誘導方式で、電子ペン6が近接した時に、その位置を検出することが可能な装置である。検出装置2L,2Rは、正面視で上下方向に長い矩形状であり、且つ前後方向の厚みが小さい箱状体である。
図4に示すように、検出装置2Rは、前カバー8R及び後カバー9Rを備える。前カバー8R及び後カバー9Rは、上下方向に長い略矩形状の樹脂板である。前述の位置決め部21Rは、前カバー8Rの前面に設けられている。後述するセンサ基板7Rによる電子ペン6の近接位置の検出は、前カバー8Rの前面側にて行われる。前カバー8Rの前面を、便宜上、検出装置2Rの検出面とよぶ。前カバー8R及び後カバー9Rを組み合わせると、内部に収容空間を有する箱状体が形成される。
検出装置2Rは、前カバー8R及び後カバー9Rの間に、センサ基板7Rと、センサ制御基板29と、メイン基板20とを収容する。センサ基板7Rは、電子ペン6の近接位置を検出するよう構成されている。センサ制御基板29は、センサ基板7Rに流す電流を制御するよう構成されている。メイン基板20には、情報入力装置1の制御を司るCPU21(図13参照)が搭載されている。メイン基板20は、電源スイッチ、発光素子、通信部等、各種スイッチ、コネクタ等の部品(図示略)を備える。これらの部品は、前カバー8Rの右上端部に設けられた収容部79に収容される。メイン基板20のCPU21は、通信部により、PC、スマートフォン等の外部端末(図示略)と有線又は無線での通信が可能である。メイン基板20は、センサ制御基板29と電気的に接続する。センサ制御基板29は、センサ基板7R後面の下端部に、センサ基板7Rと一体に設けられている。センサ基板7Rは、X軸方向(具体的には左右方向)及びY軸方向(具体的には上下方向)の各々に細長いループコイルが多数配列された基板である。センサ基板7Rは、後述するように、電子ペン6の近接位置を検出するよう構成されている。
検出装置2Lは、検出装置2Rと同様に、前カバー8L及び後カバー9Lを備える。前カバー8L及び後カバー9Lは、上下方向に長い略矩形状の樹脂板である。前述の位置決め部21Lは、前カバー8Lの前面に設けられている。センサ基板7Lによる電子ペン6の近接位置の検出は、前カバー8Lの前面側にて行われる。前カバー8Lの前面を、便宜上、検出装置2Lの検出面とよぶ。詳細は図示しないが、前カバー8Lの左端部を除く上下両端部は、夫々、後面側に折り返した状態に形成されている。後カバー9Lは、左端部を除く上下両端部に沿って形成された切欠き部を有する。切欠き部は、検出装置2Lの組み立て時に、前カバー8Lのうち後面側に折り返された部分に係合する。前カバー8L及び後カバー9Lを組み合わせると、内部に収容空間を有する箱状体が形成される。
検出装置2Lは、前カバー8R及び後カバー9Rの間に、センサ基板7Lと、センサ制御基板28とを収容する。センサ基板7Lも、X軸方向(具体的には左右方向)及びY軸方向(具体的には上下方向)の各々に細長いループコイルが多数配列された基板である。センサ基板7Lも、後述するように、電子ペン6の近接位置を検出するよう構成されている。センサ制御基板28は、センサ基板7Lに流す電流を制御するよう構成されている。センサ制御基板28は、センサ基板7Lの後面の下端部に、センサ基板7Lと一体に設けられている。センサ基板7Lの右縁部、左上の角部及び左下の角部には、静電気等からセンサ基板7Lを保護する絶縁部材72が設けられている。
センサ制御基板29とセンサ制御基板28とは、ハーネス50によって接続される。ハーネス50は、センサ制御基板29とセンサ制御基板28とを電気的に接続するためのパターンが形成されたフレキシブル基板(FPC:Flexible printed circuits)である。つまり、ハーネス50は、複数の導電路が形成された可撓性を有する絶縁フィルムである。ハーネス50の一端側の端子部51Aはセンサ制御基板29に接続し、他端側の端子部54Aはセンサ制御基板28に接続する。端子部51Aと端子部54Aの間の一部分は、前後方向に折り返して二段に隙間を介して重ねられた状態で配線される。ハーネス50が折り畳まれた部分には、ハーネス50を保護するホルダ60が設けられている。ハーネス50及びホルダ60の詳細については後述する。
上述のように、左カバー部4L(図1参照)は、検出装置2Lを左右方向にスライド可能に保持する。右カバー部4R(図1参照)は、検出装置2Rを固定する。即ち、外装カバー4は、開かれた状態において、検出装置2Lを、検出装置2Rに対して近接する方向及び離間する方向に移動可能に保持する。言い換えると、検出装置2L及び検出装置2Rは、対向辺25Lと対向辺25Rとが互いに平行であり、且つ、対向辺25Rに対し対向辺25Lが近接する方向及び離間する方向に移動可能な状態で、夫々、外装カバー4に保持及び固定される。対向辺25Lは、検出装置2Lの検出面(前面)の外縁を取り囲む辺のうち、検出装置2R側に位置する辺である。対向辺25Rは、検出装置2Rの検出面(前面)の外縁を取り囲む辺のうち、検出装置2L側に位置する辺である。図3に示すように、対向辺25Lが対向辺25Rに対して近づき、検出装置2Lが検出装置2Rに対して近接した位置(図中二点鎖線で示す。)にある状態を、近接状態とよぶ。対向辺25Lが対向辺25Rから遠のき、検出装置2Lが検出装置2Rに対して離間した位置(図中一点鎖線で示す。)にある状態を、離間状態とよぶ。
センサ制御基板29とセンサ制御基板28とを接続するハーネス50及びホルダ60は、検出装置2Lを検出装置2Rに対して近接状態及び離間状態の間で移動可能な構成とするため、以下のように構成されている。図4に示すように、後カバー9Lは、上下方向の中央よりも下方、且つ、左右方向の中央よりも右方に、前後方向に貫通する開口部91を備える。図5〜図7に示すように、開口部91は左右方向に長い略矩形状である。後カバー9Lは、前面に、開口部91の周囲に形成された凹部96(図5参照)を有する。凹部96内の上端部及び下端部近傍に、夫々左右方向に延びる一対の突起部92,93が形成されている。突起部92,93は、後述するホルダ60の鍔部65,66に係合する。突起部92,93は、ホルダ60を左右方向(検出装置2Lの対向辺25Lと直交する方向)にスライド可能に支持する。
ホルダ60は、壁部61、3つの側壁62,63,64、鍔部65,66を含む。壁部61は、夫々左右方向に長い矩形状の第一壁部61Aと第二壁部61Bを含む。第一壁部61Aと第二壁部61Bは、左右方向に接続する。側壁62,63,64は、夫々、壁部61の左縁部、上縁部、下縁部から前方へ突出する。壁部61の右方には側壁が形成されていない。第一壁部61Aと第二壁部61Bの厚みは互いに異なる。右側に配置される第二壁部61Bは、左側に配置される第一壁部61Aよりも厚い。ホルダ60は、前面がセンサ基板7Lの後面に対向配置される。図7に示すように、第一壁部61Aとセンサ基板7Lとの間の前後方向の距離D4は、第二壁部61Bとセンサ基板7Lとの間の前後方向の距離D5よりも大きい。即ち、ホルダ60は、壁部61とセンサ基板7Lの後面との間に形成される内部空間の前後方向の大きさが、左右方向において、側壁が形成されていない側(即ち、第二壁部61B側)よりも、側壁62が形成された側(即ち、第一壁部61A側)の方が大きくなるように形成されている。
図7に示すように、壁部61の前面側には、第一壁部61Aと第二壁部61Bとを接続する部分に斜面69が形成されている。壁部61の上下方向の長さは、開口部91の上下方向の長さより若干小さい。壁部61の左右方向の長さは、開口部91の左右方向の長さより小さい。側壁62,63,64の前後方向の長さは、後カバー9Lの厚みと略同じである。ホルダ60が開口部91内に配置された時、壁部61の後面は後カバー9Lの後面と略同一位置にある。ホルダ60は、開口部91の上縁と下縁によって、上下方向への移動が規制される。ホルダ60は、左右方向において、壁部61と開口部91との長さの差異分、移動可能である。
図5に示すように、鍔部65は、側壁63の前端部から上方へ向けて鍔状に突出する。鍔部66は、側壁64の前端部から下方へ向けて鍔状に突出する。鍔部65の突出端(上端)から鍔部66の突出端(下端)までの上下方向の長さは、開口部91の周囲に形成された凹部96の上下方向の長さと略同じである。ホルダ60が開口部91に配置された時、鍔部65の後面は、凹部96の上端部に設けられた突起部92に接触する。鍔部66の後面は、凹部96の下端部に設けられた突起部93に接触する。鍔部65,66の前面には、夫々2カ所ずつ、前方へ向けて球面状に突起する突起部65A,66Aが設けられている。突起部65A,66Aは、センサ基板7Lの後面に接触し、センサ基板7Lの後面と鍔部65,66の前面との間に隙間を維持することで、レール状の突起部92,93に沿ったホルダ60の円滑なスライドを容易にする。ホルダ60は、開口部91の左縁部に第一壁部61Aの左端が接触する位置から開口部91の右縁部に第二壁部61Bの右端が接触する位置までの範囲内で、左右方向にスライドすることができる。
壁部61の後面には、後方へ向けて円筒状に突起する二つの突部67,68が設けられている。突部67は第一壁部61Aの左端部に設けられる。突部68は、第二壁部61Bの右端部に設けられる。突部68は、突出端に、径方向外向きに突起する二つの突起部68Aを有する。突部67は、外装カバー4に設けられた鳩目43A(図3参照)に係合する。突部68は、鳩目43Bに係合する。突部68の外径D3は、突部67の外径D2よりも大きい。外径D3は、鳩目43Bの開口径D1と略同じ大きさである。突起部68Aは、鳩目43Bに突部68を係合した時、抜け止めとして機能する。突部67の外径D2は、鳩目43Aの開口径D1よりも小さい。従って、突部67は、鳩目43Aに係合した状態で、鳩目43A内で移動することができる。ホルダ60は、突部68が鳩目43Bに固定した状態で、突部68を支点に、突部67が鳩目43A内で移動できる範囲内で回動することができる。この構成によって、検出装置2Lは、突部67を軸にして、検出装置2Rに対して回動することができる。例えば、検出装置2L,2Rに取り付けられたノート5が開閉された時、左表紙5Lと右表紙5Rとの位置関係に、左右方向とは異なる向きの捻りが生じる可能性がある。このような場合でも、検出装置2Rに対する検出装置2Lの向きを回動によって調整することができる。従って、ノート5の左表紙5L及び右表紙5Rに負荷がかかりにくい。その結果、情報入力装置1は、ノート5が折れたり曲がったりすることを防止できる。
図3に示すように、固定部43は、検出装置2Lが検出装置2Rに対して離間状態(図3の一点鎖線参照)にある時、検出装置2Lの右端部が外装カバー4の帯状体44の左端部に重なる位置に形成される。上述のように、ホルダ60は、開口部91に壁部61が接触する範囲内に移動範囲が規制されている。故に、検出装置2Lは、離間状態において右端部が帯状体44に重なる位置にあれば、近接状態においても右端部が帯状体44に重なる。ハーネス50は、帯状体44と折曲部4Cの前面の間を通る。帯状体44の左右の縁部と折曲部4Cとの間には隙間が存在する。検出装置2Lは、離間状態においても近接状態においても常に帯状体44に重なる位置にある。従って、情報入力装置1は、離間状態と近接状態との間の移動中に帯状体44の縁部に引っかかって、抵抗を生ずることを防ぐことができる。
固定部43にホルダ60を固定することによって、ホルダ60は、鍔部65,66で検出装置2Lを外装カバー4に支持する。鍔部65,66は夫々側壁63,64に支持されている。側壁63,64は、壁部61に支持されている。従って、検出装置2Lの重みがホルダ60に加わると、壁部61は、側壁63,64を介して、鍔部65,66間の距離が縮まる方向に力を受ける。上述のように、ホルダ60は、側壁63,64に対して直交する側壁62を有する。側壁62は、側壁63,64を夫々支持するリブとして機能するので、ホルダ60の強度を確保することができる。
図5〜図7に示すように、ハーネス50は、右側接続部51、左側接続部54、連結部52、折り畳み部53を含む。右側接続部51は、ハーネス50の一端に設けられた端子部51Aを含む。端子部51Aは、センサ制御基板29のコネクタ部(図示略)に、左側から差し込んで接続する。右側接続部51は、端子部51Aから左方へ延びた位置で上方側へ向けて折れ曲がり、検出装置2Rの後面26Rに沿って、検出装置2Rの上下方向における端部よりも中央に近い位置へ向けて上方へ延びる部位である。
連結部52は、右側接続部51の端子部51Aとは反対側の端部から左方へ向けて延びる部位である。連結部52は、検出装置2Rと検出装置2Lとの間を左右方向に繋ぐ部位である。連結部52は、上下方向において対向辺25L,25Rの端部よりも中央に近い位置で、検出装置2Rと検出装置2Lとの間を繋ぎ、ホルダ60へ向けて延びる。例えば、外装カバー4の開閉時などに、左カバー部4Lと右カバー部4Rに対して、左右方向を軸に前後方向に捻りが加わる場合がある。この時、検出装置2Rと検出装置2Lの上端部と下端部は、捻りによる引っ張り等の影響を受けやすい。そこで、上端部又は下端部ではなく、上下方向において端部よりも中央に近い位置に連結部52を配置することで、ハーネス50に負荷をかけにくくすることができる。
折り畳み部53は、連結部52の端部から左方へ延び、前方へ向け段状に曲がり、壁部61と3つの側壁62,63,64に囲まれたホルダ60内に進入する。折り畳み部53は、ホルダ60内で上下方向を軸に前方側へ曲がって180度折返し、右方へ向けて延びる。折り畳み部53のうち、上下方向を軸に前方側へ曲がって180度折返す部位を、折り返し部53Aという。折り畳み部53のうち、連結部52の端部から折り返し部53Aまで左方へ延びる、壁部61側に配置される部分を第一層部53Bという。折り畳み部53のうち、折り返し部53Aから左側接続部54まで右方へ延びる、センサ基板7Lの後面側に配置される部分を第二層部53Cという。折り畳み部53は、折り返し部53Aが円弧状に維持された状態で、前後方向に隙間を空けて二層に折り畳まれた状態で、ホルダ60内に配置される。折り返し部53Aは、折り畳み部53においてハーネス50の延びる方向が変化する部位であって、ホルダ60が左右方向へ移動することに伴い無限軌道(履帯)ベルトのような変形を生ずる部位である。前述したように、ホルダ60の内部空間は、第一壁部61A側の方が第二壁部61B側よりも前後方向において大きく形成されている。折り畳み部53は、折り返し部53Aがホルダ60内で第一壁部61A側に位置するようにホルダ60内に配置されている。従って、折り畳み部53は、折り返し部53Aの円弧状の維持において加わる負荷が小さい。
図7、図8に示すように、本実施形態では、第一層部53Bは、ホルダ60の第二壁部61Bに、例えば両面粘着テープ57で接着されている。第二層部53Cは、センサ基板7Lの後面に、例えば両面粘着テープ58で接着されている。両面粘着テープ57,58は、夫々が、無限軌道ベルト状の回動に伴って変形を生ずる折り返し部53Aの両端に固定されている。両面粘着テープ57,58は、折り返し部53Aの両端の近傍位置に接着されてもよい。つまり、両面粘着テープ57,58と折り返し部53Aとの間には、間隔が設けられてもよい。
図5〜図7に示すように、ハーネス50は、折り畳み部53において検出装置2Lの外部側から後カバー9Lの開口部91を通り、内部側に進入する。左側接続部54は、折り畳み部53の第二層部53Cがホルダ60から右方に露出する位置から右方へ延びた先で下方へ向けて折れ曲がり、下方へ延びた先でさらに左方へ折れ曲がる部位である。左側接続部54は、折り畳み部53と接続するのと反対側の端部に設けられた端子部54Aを含む。
上述の構成のハーネス50及びホルダ60は、検出装置2Lが検出装置2Rに対して近接状態及び離間状態の間で移動する時、以下のように動作する。検出装置2Lが検出装置2Rに対して離間状態から近接状態(図3の二点鎖線参照)に移行する時、外装カバー4が開いた状態であれば、検出装置2Lは右方向に移動する。図7に示すように、外装カバー4に固定されたホルダ60は、検出装置2Lの本体に対して相対的に、開口部91内を左方に移動する。ハーネス50は端子部54A(図5参照)を含む左側接続部54が検出装置2Lの本体に対して位置決めされている。又はハーネス50は、端子部51Aを含む右側接続部51と、右側接続部51に接続する連結部52が、検出装置2Rに対して位置決めされている。検出装置2Lが検出装置2Rに対して近接するため、右側接続部51及び連結部52は相対的に左方へ移動し、左側接続部54は相対的に右方へ移動する。ホルダ60内で二層に重なる折り畳み部53のうち、連結部52に接続し、後側に位置する第一層部53Bは、相対的に左方へ押圧される。左側接続部54に接続し、前側に位置する第二層部53Cは、相対的に右方へ引っ張られる。折り畳み部53は、第一層部53Bと第二層部53Cとが左右方向において生ずるずれに伴い、無限軌道ベルトのように、折り返し部53Aにおける円弧状を維持したまま、下方から見て時計回りに回動する。これにより、ハーネス50には、折れ曲がり等の負荷がかからない。折り返し部53Aは、ホルダ60内で内部空間の前後方向の大きさがより大きい、第一壁部61A側に位置する状態を維持する。折り返し部53Aを第二壁部61B側に位置させないことで、折り返し部53Aが形成する円弧の内接円の半径をより大きくできる。従って、折り返し部53Aにかかる折れ曲がり等の負荷を軽減することができる。
検出装置2Lが検出装置2Rに対して近接状態から離間状態(図3の一点鎖線参照)に移行する時、外装カバー4が開いた状態であれば、検出装置2Lは左方向に移動する。図8に示すように、外装カバー4に固定されたホルダ60は、検出装置2Lの本体に対して相対的に、開口部91内を右方に移動する。検出装置2Lが検出装置2Rに対して離間するため、右側接続部51及び連結部52が相対的に右方へ移動し、左側接続部54が相対的に左方へ移動する。ホルダ60内で二層に重なる折り畳み部53のうち、第一層部53Bは相対的に右方へ引っ張られる。第二層部53Cは、相対的に左方へ押圧される。折り畳み部53は、第一層部53Bと第二層部53Cとが左右方向において生ずるずれに合わせ、無限軌道ベルトのように、折り返し部53Aにおける円弧状を維持したまま、下方から見て反時計回りに回動する。これにより、ハーネス50には、折れ曲がり等の負荷がかからない。折り返し部53Aは、ホルダ60内で、内部空間の前後方向の大きさがより大きい、第一壁部61A側に位置する状態を維持する。
このように、ハーネス50が折り畳み部53を有することで、無限軌道ベルトのように、ハーネス50が折り返された状態を維持したまま、検出装置2Lを検出装置2Rに対して近接又は離間させることができる。従って、情報入力装置1では、ハーネス50が引き伸ばされたり押し縮められたりすることがなく、ハーネス50にかかる負荷を軽減することができる。
ハーネス50の折り畳み部53をホルダ60で覆うことで、検出装置2Lが検出装置2Rに対して近接又は離間する時、ハーネス50の折り畳み部53に押圧あるいは引っ張りの外力が加わった場合に生じ得るハーネス50の位置ずれを規制することができる。従って、ハーネス50が折り畳まれた状態を確実に維持することができる。ホルダ60が突起部92,93によって左右方向に移動可能に支持されることで、ホルダ60は、ハーネス50の折り畳み部53に対する押圧あるいは引っ張りに合わせて移動することができる。従って、ハーネス50の折り畳み部53が押圧によってホルダ60内で圧縮されたり、引っ張りによってホルダ60から外れてしまったりすることを防止できる。
折り畳み部53では、無限軌道ベルト状の回動において変形を生ずる折り返し部53Aの両端が、夫々、両面粘着テープ57,58によって、ホルダ60及びセンサ基板7L、即ち、検出装置2Lの本体に固定される。検出装置2Lが検出装置2Rに対して近接又は離間する時、ハーネス50に押圧あるいは引っ張り等の外力が加わっても、両面粘着テープ57,58が折り返し部53Aの両端を押さえる。従って、折り返し部53Aにおける無限軌道ベルト状の回動に伴う変形に、変動が生じにくい。故に、ハーネス50の折り畳み部53における回動を、安定して円滑に行うことができる。
このような構成のハーネス50及びホルダ60を設けることで、情報入力装置1は、検出装置2Rを検出装置2Lに対して近接する方向又は離間する方向に移動することができる。ユーザは、情報入力装置1にノート5を装着する時、ノート5の左表紙5Lを、保持シート41Lの右辺側から挿入し、検出装置2Lの位置決め部21Lに配置する。接着部22Lにより、ノート5の左表紙5Lが位置決め部21Lに固定される。次にユーザは、ノート5の右表紙5Rを検出装置2Rの位置決め部21Rに配置する。この時、ユーザは、検出装置2Lをノート5と共に左右方向に移動することができる。さらに、ユーザは、ホルダ60の突部67を軸として、検出装置2Lを検出装置2Rに対して回動することができる。左表紙5Lが先に検出装置2Lに固定されたことで、ノート5の移動範囲には制約が生じる。しかし、情報入力装置1では、上記のように、検出装置2Rに対する検出装置2Lの位置決めの自由度が確保されている。従って、ユーザは、ノート5の右表紙5Rを容易に位置決め部21Rに配置することができる。接着部22Rにより、ノート5の右表紙5Rが位置決め部21Rに固定されることで、ノート5の装着が完了する。
ところで、本実施形態の情報入力装置1では、検出装置2Lと2Rを開閉することによっても、検出装置2Lの対向辺25Lと、検出装置2Rの対向辺25Rの位置関係が変化する。それ故、ハーネス50の折り畳み部53において、上述のように、第一層部53Bと第二層部53Cの位置関係が変化し、左右方向において相対的なずれを生じる。そこで、本実施形態は、ノート5の開閉に伴い、ハーネス50の折り畳み部53における第一層部53Bと第二層部53Cの相対的な移動量を検出することで、検出装置2Rと2Lの開閉、及び開閉角度等を検出する。
図9,図10を参照し、第一層部53Bと第二層部53Cの相対的な移動量を検出する為の構成を説明する。第一層部53Bの上面と、第二層部53Cの下面は、前後方向に隙間を空けて互いに対向する。第一層部53Bの上面には、フォトセンサ70が固定されている。フォトセンサ70は、例えば、検出物に光を反射させることにより、物体の有無を検出する周知の反射型フォトセンサである。フォトセンサ70は、ハーネス50の電線から供給される電流で駆動する。第二層部53Cの下面で、且つフォトセンサ70と対向する位置には、パターン表示部80が貼付されている。
図10に示すように、パターン表示部80は、第二層部53Cの長手方向において規則的に黒領域と白領域が交互に配列されたゼブラパターンである。フォトセンサ70は、パターン表示部80に向けて光を照射し、その反射光を受光することによって、自身と対向する領域の色を検出する。パターン表示部80は、例えば、左から順に、黒領域81、白領域82、黒領域83、白領域84、黒領域85を備える。黒領域81は、情報入力装置1を所定角度(例えば、180°)まで開いたときにフォトセンサ70が対向する領域である。黒領域85は、情報入力装置1を閉じたときにフォトセンサ70が対向する領域である。フォトセンサ70が黒領域85を検出するときのフォトセンサ70の位置を閉位置とする。閉位置はパターン表示部80の基準位置である。フォトセンサ70が黒領域81を検出するときのフォトセンサ70の位置を位置Aとする。フォトセンサ70が白領域82を検出するときのフォトセンサ70の位置を位置Bとする。フォトセンサ70が黒領域83を検出するときのフォトセンサ70の位置を位置Cとする。フォトセンサ70が白領域84を検出するときのフォトセンサ70の位置を位置Dとする。フォトセンサ70の閉位置、位置A〜Dは、検出装置2Lと2Rの開き角度に夫々対応する。例えば、位置Aの開き角度は180°、位置Bの開き角度は135°、位置Cの開き角度は90°、位置Dの開き角度は45°である。
図9(A),(B)に示すように、情報入力装置1の開閉に応じて、パターン表示部80は、フォトセンサ70の上方を左右方向に移動する。例えば、情報入力装置1を閉じた状態から、検出装置2L側を2Rに対して左方に回動させて開く場合、検出装置2Lの対向辺25Lは、検出装置2Rの対向辺25Rに近接する。このとき、図9(A)に示すように、パターン表示部80は、フォトセンサ70の上方を右方に移動する。これに対して、情報入力装置1を開いた状態から、検出装置2L側を2Rに対して右方に180°回動させて閉じる場合、検出装置2Lの対向辺25Lは、180°反転して検出装置2Rの対向辺25Rの上方にやや離間して配置される。このとき、ハーネス50は、連結部52において内側に折れ曲がり、検出装置2Lの厚みにより、検出装置2Lの対向辺25Lは、検出装置2Rの対向辺25Rから離れる方向に移動する。それ故、図9(B)に示すように、パターン表示部80は、フォトセンサ70の上方を開いたときとは反対方向に移動する。そして、検出装置2Lが2Rに対して重ねて閉じられたときに、フォトセンサ70の上方に黒領域85が位置するようになっている。なお、情報入力装置1を閉じた状態では、ハーネス50の折り畳み部53は、開いた状態に対して180°反転するが、図9(B)では、分かり易くする為、図9(A)の向きに揃えて図示している。
情報入力装置1は、検出装置2Lが2Rに対して閉じられた状態で、フォトセンサ70が黒領域85を検出するときの位置を、閉位置(基準位置)として、例えばフラッシュROM22に予め記憶する。情報入力装置1を閉じた状態から開く場合、フォトセンサ70上をパターン表示部80が右方に移動する。例えば、フォトセンサ70が閉位置から白と黒を一回ずつ検出した場合、白領域84、黒領域83を順に検出しているので、情報入力装置1は、フォトセンサ70が位置Cに在ることがわかる。それ故、情報入力装置1は開状態であると判断できる。
例えば、フォトセンサ70が閉位置から白、黒、白、黒の順に検出した場合、白領域84、黒領域83、白領域82、黒領域81を順に検出しているので、情報入力装置1は、フォトセンサ70が位置Aに在ることがわかる。それ故、情報入力装置1は、位置Aに対応する角度まで開いた状態であると判断できる。これとは逆に、例えば、フォトセンサ70が位置Aから白、黒、白、黒の順に検出した場合、白領域82、黒領域83、白領域84、黒領域85を順に検出しているので、情報入力装置1は、フォトセンサ70が閉位置に在ることがわかる。それ故、情報入力装置1は閉状態であると判断できる。
このように、情報入力装置1は、検出装置2Lと2Rの開閉に応じて、フォトセンサ70によって検出されるパターン表示部80の白領域と黒領域の数を計数することによって、情報入力装置1が閉状態か開状態であるかを認識できる。さらに、情報入力装置1は、パターン表示部80におけるフォトセンサ70の位置を検出することにより、検出装置2Lと2Rの開閉角度を検出することもできる。なお、情報入力装置1の開閉、及び開閉角度を検出し、その結果に基づいて動作を制御する方法については後述する。
図11,図12を参照し、パターン表示部80の変形例を説明する。本実施形態は、図10に示すパターン表示部80の代わりに、例えば、図11,図12に示すパターン表示部180,280を用いることもできる。図11に示すパターン表示部180は、ハーネス50における第二層部53Cの長手方向において規則的に濃度の異なる領域を配列したパターンの一例である。領域181〜185は、図10に示すパターン表示部80の領域81〜85に夫々対応する。情報入力装置1は、フォトセンサ70により、パターン表示部180の夫々の領域の濃度を検出することで、パターン表示部180におけるフォトセンサ70の位置を検出できる。情報入力装置1は、フォトセンサ70の検出位置に基づき、検出装置2Lと2Rの開閉、及び開閉角度を検出できる。
図12に示すパターン表示部280は、ハーネス50における第二層部53Cの長手方向において一方から他方に徐々に濃度の異なる領域をグラデーション状に配列したパターンの一例である。領域281〜285は、図10に示すパターン表示部80の領域81〜85に夫々対応する。情報入力装置1は、フォトセンサ70により、パターン表示部280の夫々の領域の濃度を検出することで、パターン表示部280におけるフォトセンサ70の位置を検出できる。情報入力装置1は、フォトセンサ70の検出位置に基づき、検出装置2Lと2Rの開閉、及び開閉角度を検出できる。なお、パターン表示部280では、第二層部53Cの長手方向においてグラデーション状に濃度が異なるので、フォトセンサ70の位置をより細かく検出できる。それ故、情報入力装置1は、検出装置2Lと2Rの開閉角度をより精度良く検出できる。
図13を参照し、情報入力装置1の電気的構成を説明する。図13では、太線は電気の接続線を示し、細線は信号の流れを示している。情報入力装置1は、センサ基板7R、7L、メイン基板20、センサ制御基板28、29、入力部25、及びフォトセンサ70を備える。センサ基板7R、7Lは夫々、検出装置2R、2Lの内部に設けられる。入力部25は、検出装置2Rに設けられる。
メイン基板20は、CPU21、フラッシュROM22、RAM23、トランジスタ31、レギュレータ32、及び通信部(図示略)を備える。フラッシュROM22、RAM23、トランジスタ31、及び通信部は、CPU21に電気的に接続されている。CPU21は情報入力装置1の制御を行う。RAM23は、演算データ等の各種データを一時的に記憶する。
フラッシュROM22は、CPU21が情報入力装置1を制御する為に実行する各種プログラムを記憶する。フラッシュROM22は、電子ペン6の軌跡を示すストロークデータを記憶する。フラッシュROM22は、後述の位置特定テーブルを記憶する。フラッシュROM22は、情報入力装置1に関する情報(以下、内部情報という。)を記憶する。内部情報は、例えば、情報入力装置1のファームウェアのバージョン情報、ストロークデータの保存回数、電源ONの回数、エラー発生の回数、情報入力装置1に装着された紙媒体100の種類、日付、時刻、各種設定値等を含む。フラッシュROM22は、内部情報を数値データで記憶する。通信部は、外部の電子機器と近距離無線通信を実行するためのコントローラである。外部の電子機器とは、例えばディスプレイを備えたPC、携帯端末、タブレット端末、スマートフォン等である。
トランジスタ31のベース側には、CPU21が電気的に接続されている。トランジスタ31のエミッタ側には、センサ制御基板29の後述するASIC29Aが電気的に接続されている。トランジスタ31のコレクタ側には、レギュレータ32が電気的に接続されている。レギュレータ32は、電池33からメイン基板20、センサ制御基板29,28、フォトセンサ70等に供給される電圧を調整する。
入力部25は、CPU21に電気的に接続されている。入力部25は、情報入力装置1に対する指示を入力するためのスイッチを含む。詳細には、入力部25は、電源スイッチを含む。電源スイッチは、情報入力装置1に対して、電源のオンオフの指示を入力する為のスイッチである。ハーネス50に固定されたフォトセンサ70は、ハーネス50の導電路を介してCPU21に電気的に接続されている。
センサ基板7L、7Rには、左右方向(X軸方向)及び上下方向(Y軸方向)の各々に、細長いループコイルが多数配列されている。センサ基板7Lは、センサ制御基板28のASIC28Aに電気的に接続されている。ASIC28Aは、電子ペン6による記入動作がセンサ基板7L上で行われた場合に、電子ペン6の位置を座標情報として検出する。センサ基板7Rは、センサ制御基板29のASIC29Aに電気的に接続されている。ASIC29Aは、電子ペン6による記入動作がセンサ基板7R上で行われた場合に、電子ペン6の位置を座標情報として検出する。ASIC28A、29Aのうち、マスター側のASIC29AはCPU21に直接接続され、スレーブ側のASIC28AはASIC29Aを介してCPU21に接続されている。
ノート5が情報入力装置1に適正位置で装着されると、センサ基板7L,7Rの夫々の検出領域上に、ノート5の用紙が載置される。検出領域は、センサ基板7L、7Rの夫々において、ループコイルが配列されている部分に対応する領域である。従って、紙媒体100が情報入力装置1に適正位置で装着されると、検出領域上に、紙媒体100が載置される。センサ基板7Lの検出領域及びセンサ基板7Rの検出領域は、同一の構成を有する。
線画データを取得する原理を説明する。CPU21はASIC28A、29Aを制御して、センサ基板7L、7Rの各々のループコイルに、一本ずつ特定の周波数の電流(励磁用送信電流)を流す。これにより、センサ基板7L、7Rの各々のループコイルから磁界が発生する。この状態で、例えばユーザが電子ペン6を用いて、ノート5の用紙121(図2参照)に線画を記入する動作を行うと、電子ペン6は、センサ基板7L、7Rの検出領域に近接する。それ故、電子ペン6の共振回路は電磁誘導によって共振し、誘導磁界を生じる。
次に、CPU21はASIC28A、29Aを制御して、センサ基板7L、7Rの各々のループコイルからの磁界の発生を停止させる。センサ基板7L、7Rの各々のループコイルは、電子ペン6の共振回路から発せられる誘導磁界を受信する。CPU21はASIC28A、29Aを制御して、センサ基板7L、7Rの各々のループコイルに流れる信号電流(受信電流)を検出させる。ASIC28A、29Aがこの動作を全てのループコイルについて一本ずつ実行することで、受信電流に基づいて電子ペン6の位置が座標情報として検出される。
位置特定テーブルは、情報入力装置1で検出可能な電子ペン6の全ての座標点と、情報入力装置1に固定された用紙120における座標点との対応を定めるテーブルである。CPU21は、位置特定テーブルを参照することで、検出した電子ペン6の座標点に基づき、ノート5における線画の記入位置を特定できる。
本実施形態では、CPU21は、検出した電子ペン6の座標点に基づき、ノート5の用紙121における記入領域122及びチェックボックス130(図2参照)の何れに線画が記入されているかを判断できる。記入領域122に線画が記入されている場合、CPU21は、一の連続する線画毎に線画データを取得し、RAM23に一時記憶する。線画データは、電子ペン6が用紙121に接触してから離れるまでの一回の記入動作における、電子ペン6の軌跡を示す複数の座標情報を含む。座標情報は、絶対座標及び相対座標の何れを示してもよい。
チェックボックス130に線画が記入された場合、CPU21は、RAM23に一時記憶されている線画データに基づき、ストロークデータを生成してフラッシュROM22に記憶する。ストロークデータは、記入領域122に記入されている線画の一部又は全体を示す座標情報と、ストローク間の順序関係を示す時間情報等を含む。
CPU21はフラッシュROM22に記憶したストロークデータを、通信部を介して、例えばスマートフォンに送信できる。スマートフォンは、情報入力装置1から受信したストロークデータを記憶する。スマートフォンは、記憶したストロークデータに基づき、テキストデータ又は画像データを生成し、ディスプレイに表示する。それ故、ユーザは、ノート5の用紙121に筆記した文章等を、情報入力装置1で読み取らせ、スマートフォンのディスプレイ上で確認することができる。
上記の通り、本実施形態の情報入力装置1は、ハーネス50に設けられたフォトセンサ70及びパターン表示部80を用いることによって、検出装置2Lと2Rの開閉、若しくは開閉角度を検出し、その開閉、若しくは開閉角度に基づき、情報入力装置1の動作を制御できる。本実施形態は、その制御方法について、六つの実施例を挙げて順に説明する。
[第一実施例]
図14を参照し、電源オフ制御処理を説明する。電源オフ制御処理は、例えば、ユーザが情報入力装置1を開いた状態で使用した後、検出装置2Lと2Rを閉じた場合に、情報入力装置1の電源を自動的にオフする処理である。CPU21は、電源がオン状態で且つ情報入力装置1が開状態であるとき、定期的に電源オフ制御プログラムをフラッシュROM22から読出し、本処理を実行する。なお、第一実施例は、図10に示すパターン表示部80を用いた例で説明するが、パターン表示部180,280を用いてもよい。
CPU21は、フォトセンサ70によってパターン表示部80における位置を検出する(S1)。上述したように、フォトセンサ70は、パターン表示部80のうち自身の上方に対向する領域を検出する。CPU21は、フォトセンサ70の検出位置が閉位置まで移動したか否か判断する(S2)。フォトセンサ70が閉位置ではなく、位置A〜D(図10参照)を検出した場合(S2:NO)、CPU21はS1に戻って、フォトセンサ70の位置検出を継続する。フォトセンサ70の検出位置が閉位置まで移動した場合(S2:YES)、検出装置2Lは2Rに対して閉じられた状態である。情報入力装置1の使用は終了しているので、CPU21は情報入力装置1の電源をオフし(S3)、本処理を終了する。
これにより、仮にユーザが検出装置2Lを2Rに対して閉じたときに、電源をオフする操作を忘れてしまった場合でも、自動でオフさせることができるので、情報入力装置1の電池寿命を延ばすことができる。なお、本実施形態では、CPU21は、フォトセンサ70の検出位置が閉位置まで移動した場合(S2:YES)、速やかに電源をオフ(S3)するが、例えば、所定時間後(例えば10秒後)に電源をオフするようにしてもよい。これにより、閉じた後すぐに使用する場合は、電源がオン状態のままであるので、情報入力装置1を起動させる時間を省略できる。
[第二実施例]
図15を参照し、電源オン制御処理を説明する。電源オン制御処理は、閉状態の情報入力装置1の電源がオフ状態で、閉状態から開状態になった場合に、情報入力装置1の電源を自動的にオンさせる処理である。なお、情報入力装置1の電源オフ状態とは、待機電力のみでCPU21が駆動できる状態をいう。CPU21は、電源がオフ状態で、且つ検出装置2Lと2Rが閉状態であるとき、定期的に電源オン制御プログラムをフラッシュROM22から読出し、本処理を実行する。なお、第二実施例も、図10に示すパターン表示部80を用いた例で説明するが、パターン表示部180,280を用いてもよい。
CPU21は、フォトセンサ70によってパターン表示部80における位置を検出する(S11)。CPU21は、フォトセンサ70が閉位置の黒領域85から白領域と黒領域の変化を二つ以上検出したか否か判断する(S12)。例えば、フォトセンサ70が白領域と黒領域の変化を一つだけ検出した場合(S12:NO)、フォトセンサ70は閉位置から位置Dに移動したことになるが、検出装置2Lと2Rは少し開いただけで、完全には開いていない状態である。その状態では、ユーザが情報入力装置1を使用するかどうかは判断できず、場合によってはすぐに閉じてしまうことも想定される。また、少し開いただけでは、ノート5に筆記することもできない。それ故、CPU21はS11に戻り、電源をオンすることなく引き続き、フォトセンサ70の位置を検出する。フォトセンサ70が閉位置から白領域と黒領域の変化を二つ以上検出した場合(S12:YES)、フォトセンサ70は位置A、B、Cの何れかに移動したので、検出装置2Lと2Rは開かれた状態である。それ故、CPU21は情報入力装置1の電源をオンし(S13)、本処理を終了する。
これにより、ユーザは、情報入力装置1を開くだけで、電源をオンできるので、入力部25における電源スイッチをオンする動作を不要にできる。また、第一実施例と第二実施例を組み合せることで、情報入力装置1を開閉するだけで、電源のオンオフが可能となる。これにより、情報入力装置1は、操作性を向上できると共に、電池寿命を延ばすことができる。
[第三実施例]
ユーザは情報入力装置1を机上に置いて使用する場合がある。この場合、検出装置2Lと2Rは互いに略水平に置かれた状態となるので、開閉角度は約180°である。この他に、ユーザは、情報入力装置1を手に持った状態で使用する場合がある。この場合、情報入力装置1は半分開いた状態となるので、完全に水平に開いた状態からはノート5の紙面の位置が綴じ側とは反対側(自由端側)に少しずれる。即ち、ノート5の開閉角度によって、ノート5の紙面への記入位置と、センサ基板7L,7Rが読み取る位置とがずれる可能性がある。また、本実施形態では、情報入力装置1を半分に開いた状態では、チェックボックス130(図2参照)に記入したチェックを正確に認識できないことも想定される。
そこで、第三実施例では、CPU21は、情報入力装置1の開閉角度に応じて、RAM23に記憶した線画データの位置の補正を行うことができる。CPU21は、電源がオン状態で、線画データの記憶を検出した場合、第一データ補正プログラムをフラッシュROM22から読出し、図16に示す第一データ補正処理を実行する。
図16に示すように、CPU21は、フォトセンサ70によってパターン表示部80における位置を検出する(S21)。CPU21は、上述のように、フォトセンサ70が検出する黒領域と白領域の数を数えることによって、パターン表示部80上のフォトセンサ70の位置を検出する。CPU21はフォトセンサ70の検出位置が位置Aに在るか否か判断する(S22)。位置Aに在る場合(S22:YES)、情報入力装置1は完全に水平に開いた状態であり、この状態を基準状態とするため、CPU21は取得した線画データの位置を補正せずに、本処理を終了する。位置Aに無い場合(S22:NO)、CPU21はフォトセンサ70が位置Bに在るか否か判断する(S23)。位置Bに在る場合(S23:YES)、情報入力装置1の開閉角度は135°であるので、完全に水平に開いた状態からは自由端側に例えば0.5mm程ずれている。それ故、CPU21は、取得してRAM23に記憶した線画データを0.5mm綴じ側にずらして補正する(S26)。
フォトセンサ70が位置Bにも無い場合(S23:NO)、CPU21はフォトセンサ70が位置Cに在るか否か判断する(S24)。位置Cに在る場合(S24:YES)、情報入力装置1の開閉角度は90°であるので、完全に水平に開いた状態からは自由端側に例えば1mm程ずれている。それ故、CPU21は、取得してRAM23に記憶した線画データを1mm綴じ側にずらして補正する(S27)。
フォトセンサ70が位置Cにも無い場合(S24:NO)、CPU21はフォトセンサ70が位置Dに在るか否か判断する(S25)。位置Dに在る場合(S25:YES)、情報入力装置1の開閉角度は45°であるので、完全に水平に開いた状態からは自由端側に例えば1.5mm程ずれている。それ故、CPU21は、取得してRAM23に記憶した線画データを、1.5mm綴じ側にずらして補正する(S28)。RAM23における線画データの補正後、CPU21は本処理を終了する。なお、フォトセンサ70が位置Dにも無い場合(S25:NO)、CPU21は何もせずに本処理を終了する。
このように、第三実施例では、情報入力装置1の開閉角度に応じて、RAM23に記憶した線画データの位置を、180°に開いた位置を基準に補正できる。それ故、例えば情報入力装置1を机上に開いた状態で、ノート5の用紙121に筆記中、情報入力装置1を手に持ち替えて開閉角度が変わった場合でも、線画データをずれることなく適切に記憶できる。線画データを適切に記憶できるので、ストロークデータを良好に生成できる。また、情報入力装置1を半分開いた状態で、用紙121のチェックボックス130(図2参照)にチェックを入れた場合でも、チェックボックス130に記入したチェックの線画データは、適切な位置に補正されるので、CPU21は、チェックボックス130に記入したチェックを正確に認識できる。それ故、ユーザの指示に応じて、ノート5の用紙121上の筆記を確定させ、ストロークデータを生成できる。
[第四実施例]
上述のように、本実施形態では、電子ペン6の位置を検出する為に、センサ基板7L、7Rの各々のループコイルに、一本ずつ特定の周波数の電流(励磁用送信電流)を流し、センサ基板7L、7Rの各々のループコイルから磁界を発生させる。センサ基板7L、7Rの各々のループコイルに流す電流は、少なくとも電子ペン6まで磁界が届く為に必要となる電流を流せばよい。ここで、センサ基板7L、7Rから電子ペン6までの距離は、ノート5の厚さによって異なる。例えば、ノート5が薄い場合、ノート5が厚い場合と比較して電子ペン6の取り得る高さの範囲は狭くなる。この場合、電子ペン6まで磁界が届く為に必要な電流を小さい範囲にできる。
図17は、ノート5の厚さ(mm)と、ノート5の用紙121上に筆記する電子ペン6まで磁界が届く為に必要となる電流との関係をグラフで示したものである。このグラフに示すように、ノート5の厚さが厚くなればなるほど、センサ基板7L、7Rから電子ペン6までの距離が大きくなるので、磁界を発生させる為に必要となる電流は大きくなる。その反対に、ノート5の厚さが薄くなればなるほど、センサ基板7L、7Rから電子ペン6までの距離が小さくなるので、磁界を発生させる為に必要となる電流は小さくなる。つまり、ノート5の厚さに応じて、電子ペン6まで磁界が届く為に必要となる電流は異なることがわかる。
ノート5の厚さによって、情報入力装置1を閉じたときのハーネス50の位置、即ち、第一層部53Bと第二層部53Cの相対的な移動量は若干変化する。そこで、第四実施例では、ノート5を閉じたときのフォトセンサ70によって検出されるハーネス50の位置に基づき、ノート5の厚さを三段階で推定する。CPU21は推定したノート5の厚さに応じて、センサ基板7L、7Rの各々のループコイルに流す電流を制御することで、消費電力を節約できる。
図18を参照し、第四実施例で用いるパターン表示部280と、その使用方法を説明する。パターン表示部280は、図12に示すものと同一である。情報入力装置1を閉じたとき、同じ黒領域261内において、フォトセンサ70の位置はノート5の厚さに応じて変化する。本実施例は、閉位置に対応する黒領域261を左右方向に三つの範囲に分割し、左側から順に、P1位置、P2位置、P3位置を夫々設定する。本実施例は、P1位置をノート5の厚さ:40〜60mm、P2位置をノート5の厚さ:20〜40mm、P3位置はノート5の厚さ:0〜20mmに設定する。なお、これらのノート5の厚さ、設定方法は一例であり、自由に変更可能である。情報入力装置1のCPU21は、情報入力装置1を閉じたときのフォトセンサ70の位置が、P1〜P3位置の何れに属するかによって、ノート5の厚みを推定できる。
図19を参照し、センサ基板7Rのループコイルに流す電流を三段階で調整する為の電気的構成を説明する。なお、センサ基板7Lにおいても同様の構造であるので、ここでは、センサ基板7Rにおける電流の調整について説明する。図19は、CPU21、センサ制御基板29のASIC29A、及びセンサ基板7Rの電気的接続部分の要部を示している。ASIC29Aと、センサ基板7Rとの間には、3本の接続線L1〜L3が互いに並列に接続されている。接続線L1には、トランジスタT1と抵抗141が設けられている。抵抗141の抵抗値は、例えば30Ωである。接続線L2には、トランジスタT2と抵抗142が設けられている。抵抗142の抵抗値は、例えば47Ωである。接続線L3には、トランジスタT3と抵抗143が設けられている。抵抗143の抵抗値は、例えば68Ωである。
例えば、トランジスタT3をオンしたときにセンサ基板7Rに流れ電流の大きさは、トランジスタT1をオンしたときにセンサ基板7Rに流れ電流の大きさよりも小さくなる。このような電気的構成を備えることによって、ASIC29Aは、センサ基板7Rの磁界発生時にオンするトランジスタを、T1,T2,T3の中から設定する。これにより、センサ基板7Rに流れる電流の大きさが変わるので、磁界の強さを変えることができる。なお、本実施例では、電流を三段階で調整する為の電気的構成を説明したが、電流を調整する段階数に合わせて、接続線、トランジスタ、抵抗等の数を変更してもよい。
図20を参照し、トランジスタ設定処理を説明する。本処理は、情報入力装置1の開閉角度に応じて、センサ基板7L,7Rの磁界発生時にオンするトランジスタを設定する処理である。CPU21は、電源がオン状態の場合、トランジスタ設定プログラムをフラッシュROM22から定期的に読出し、本処理を実行する。
CPU21は、フォトセンサ70によってパターン表示部280(図18参照)における位置を検出する(S31)。CPU21はフォトセンサ70の検出位置は閉位置か否か判断する(S32)。閉位置で無ければ(S32:NO)、CPU21はS31に戻り、引き続きフォトセンサ70によって位置を検出する。ノート5を装着した状態で、情報入力装置1が閉じられた場合、フォトセンサ70の検出位置は閉位置となるので(S32:YES)、CPU21は、フォトセンサ70の検出位置がP1位置か否か判断する(S33)。P1位置である場合(S33:YES)、ノート5の厚さは40〜60mmと推定できる。この場合、ノート5は厚く、センサ基板7L、7Rから電子ペン6までの距離が大きいので、CPU21は、磁界発生時にオンするトランジスタをT1に設定する(S35)。
フォトセンサ70の検出位置がP1位置で無い場合(S33:NO)、CPU21は、フォトセンサ70の検出位置がP2位置か否か判断する(S34)。P2位置である場合(S34:YES)、ノート5の厚さは20〜40mmと推定できるので、CPU21は磁界発生時にオンするトランジスタをT2に設定する(S36)。フォトセンサ70の検出位置がP2位置でも無い場合(S34:NO)、フォトセンサ70の検出位置はP3位置であるから、ノート5の厚さは0〜20mmと推定できる。この場合、ノート5は薄く、センサ基板7L、7Rから電子ペン6までの距離が小さいので、CPU21は、磁界発生時にオンするトランジスタをT3に設定する(S37)。CPU21は、設定したトランジスタ
の情報(以下、トランジスタ情報と呼ぶ)をASIC29Aに送信し(S38)、本処理を終了する。
図21を参照し、トランジスタ情報受信処理を説明する。本処理はASIC29A,28Aが実行するが、本実施例では、ASIC29Aが実行する場合を説明する。ASIC29Aは、情報入力装置1の電源がオン状態の場合、トランジスタ情報受信プログラムをメモリ(図示略)から定期的に読出し、本処理を実行する。ASIC29Aは、CPU21からトランジスタ情報を受信したか否か判断する(S41)。トランジスタ情報を受信していない場合(S41:NO)、ASIC29AはS41に戻って待機する。トランジスタ情報を受信した場合(S41:YES)、ASIC29Aは、トランジスタ情報を記憶し(S42)、本処理を終了する。
例えば、ノート5の厚さが40〜60mmであった場合、CPU21は磁界発生時にオンするトランジスタをT1に設定する。CPU21は、トランジスタをT1に設定するトランジスタ情報を、ASIC29Aに送信する。ASIC29Aは、受信したトランジスタ情報を記憶する。ASIC29Aは、CPU21からセンサ基板7Rの駆動信号を受信した場合、先に記憶したトランジスタ情報に基づき、トランジスタT1をオンする。これにより、センサ基板7R上に発生する磁界は、厚さ40〜60mmのノート5上に筆記する電子ペン6まで届くように調整できる。
このように、第四実施例では、推定したノート5の厚さに応じて、センサ基板7L、7Rに流す電流を三段階で調整できる。それ故、情報入力装置1は、例えば、薄いノート5を使う場合は消費電力を抑えることができるので、電池寿命を延ばすことができる。また、ノート5の厚さに応じて、センサ基板7L、7Rに流す電流を調整できるので、センサ基板7L,7R上に発生する磁界を、電子ペン6の高さ位置まで確実に届かせることができる。それ故、電子ペン6の筆記位置を確実に検出できるので、正確な線画データを取得でき、正確なストロークデータを生成できる。
[第五実施例]
センサ基板7R、7Lが電子ペン6から受信する信号の強さは、電子ペン6の高さによって変化する。つまり、ユーザが筆記するノート5のページの厚さによって、電子ペン6から受信する信号の強さは変化する。従って、電子ペン6から受信する信号の強さを計測することによって、現在筆記しているページを推定できる。例えば、図22に示すように、ノート5を開いたときには、ノート5の厚さによるずれが生じる。そのずれは、ページの上の方ほど綴じ側(左側)へずれる。そこで、第五実施例では、電子ペン6から受信する信号の強さから現在筆記しているページを推定し、その推定したページによって生じるずれ量を、線画データを記憶するRAM23上で補正する。
図23は、ノート5のページに対応する三つの高さ範囲と、電子ペン6から受信する信号の強度との関係をグラフで示したものである。三つの高さ範囲とは、第1高さ範囲、第2高さ範囲、第3高さ範囲である。第1高さ範囲は、机上に載置されたときのノート5の下層であり、最下部から1〜10目ページを指す。第2高さ範囲は、机上に載置されたときのノート5の中間層であり、最下部から11〜20ページ目を指す。第3高さ範囲は、机上に載置されたときのノート5の上層であり、最下部から21〜30ページ目を指す。なお、これらのノート5の高さ範囲、ページ数等は一例であり、自由に変更可能である。
このグラフに示すように、ノート5の下層にいけばいくほど、センサ基板7R,7Lと電子ペン6との距離は小さくなるので、電子ペン6から受信する信号は強くなる。これとは逆に、ノート5の上層にいけばいくほど、センサ基板7R,7Lと電子ペン6との距離は大きくなるので、電子ペン6から受信する信号は弱くなる。電子ペン6から受信する信号強さに基づき、電子ペン6の高さ範囲を推定できる。電子ペン6の高さ範囲を推定できれば、推定した高さ範囲において生じるページのずれ量を、線画データを記憶するRAM23上で補正できる。
図24を参照し、ペン高さ算出処理を説明する。本処理はASIC29A,28Aが実行するが、本実施例では、ASIC29Aが実行する場合を説明する。ASIC29Aは、電子ペン6から信号を受信したか否か判断する(S51)。電子ペン6から信号を受信しない場合(S51:NO)、ASIC29AはS51に戻って待機する。電子ペン6から信号を受信した場合(S51:YES)、ASIC29Aは、受信した信号の強度に基づき、電子ペン6の高さ範囲を推定する(S52)。ASIC29Aは、例えば、図23に対応するテーブル情報を予め記憶し、該テーブル情報を参照して高さ範囲を推定してもよい。ASIC29Aは、推定した高さ範囲を高さ情報としてCPU21に送信し(S53)、本処理を終了する。
図25を参照し、第二データ補正処理を説明する。CPU21は、電源がオン状態で、線画データの記憶を検出した場合、第二データ補正プログラムをフラッシュROM22から読出し、第二データ補正処理を実行する。
CPU21は、ASIC29Aから電子ペン6の高さ情報を受信したか否か判断する(S61)。高さ情報を受信しない場合(S61:NO)、CPU21はS61に戻って待機する。高さ情報を受信した場合(S61:YES)、CPU21は受信した高さ情報を参照し、電子ペン6の高さが第1高さ範囲か否か判断する(S62)。第1高さ範囲である場合(S62:YES)、電子ペン6が筆記するページは、ノート5の下層である1〜10ページ目であり、センサ基板7R,7Lから近い位置である。それ故、ノート5におけるページのずれは殆ど無いので、CPU21は何もせずに本処理を終了する。
電子ペン6の高さが第1高さ範囲で無い場合(S62:NO)、CPU21は第2高さ範囲か否か判断する(S63)。第2高さ範囲である場合(S63:YES)、電子ペン6が筆記するページは、ノート5の中間層である11〜20ページ目であり、センサ基板7R,7Lから少し離れる位置である。それ故、CPU21は、取得してRAM23に記憶した線画データの座標情報を、例えば0.5mm自由端側(右側)にずらして補正する(S65)。RAM23における線画データの補正後、CPU21は本処理を終了する。
電子ペン6の高さが第2高さ範囲でも無い場合(S62:NO)、CPU21は第3高さ範囲か否か判断する(S64)。第3高さ範囲である場合(S64:YES)、電子ペン6が筆記するページは、ノート5の上層である21〜30ページ目であり、センサ基板7R,7Lから大きく離れる位置である。それ故、CPU21は、取得してRAM23に記憶した線画データの座標情報を、例えば1mm自由端側(右側)にずらして補正する(S66)。RAM23における線画データの補正後、CPU21は本処理を終了する。なお、電子ペン6の高さが第3高さ範囲でも無い場合(S64:NO)、CPU21は何もせずに本処理を終了する。
このように、第五実施例では、ページによってずれた分を、線画データを記憶するRAM23上で補正できる。これにより、情報入力装置1は、ページによって生じるずれが補正された線画データを元に、ストロークデータを生成できる。それ故、情報入力装置1は生成したストロークデータを、スマートフォン等の外部端末に送信することによって、ノート5の筆跡をディスプレイに精度良く表示できる。さらに、情報入力装置1は、第三実施例と第五実施例を組み合わせて実行することにより、ノート5の開く角度によるずれと、ページの厚さによるずれの両方を補正できるので、スマートフォン等の外部端末において、ノート5の筆跡をディスプレイにさらに精度良く表示できる。
[第六実施例]
上記の通り、ハーネス50は、複数の導電路が形成された可撓性を有する絶縁フィルムであるので、長期間の使用で何度も繰り返して折り曲げられることによって劣化を生じる。劣化によってハーネス50の導電路が断線する可能性もある。それ故、ハーネス50の折り曲げ回数には、耐久回数が設定される。ハーネス50の折り曲げ回数は、情報入力装置1の開閉回数に相当する。そこで、第六実施例では、情報入力装置1は、検出装置2R,2Lの開閉回数を計数し、その開閉回数がハーネス50の耐久回数に近づいている場合に、ユーザへの報知を行う。
例えば、ユーザが情報入力装置1の入力部25において、ハーネス50の開閉回数のリセット操作(初期化)を行った場合、CPU21はフラッシュROM22から耐久回数報知プログラムを読出し、耐久回数報知処理を実行する。
図26に示すように、CPU21は、開閉回数kを0に初期化する(S61)。開閉回数kは、例えばRAM23に予め記憶する。CPU21は、フォトセンサ70によってパターン表示部80(図10参照)における位置を検出する(S62)。CPU21は、情報入力装置1が閉状態から開状態、若しくは開状態から閉状態に切り替わったか否か判断する(S63)。情報入力装置1は開状態のまま、若しくは閉状態のままで状態が変わらなければ(S63:NO)、CPU21はS62に戻り、引き続き情報入力装置1の開閉を監視する。
情報入力装置1が閉状態から開状態、若しくは開状態から閉状態に切り替わった場合(S63:YES)、ハーネス50は一回折り曲げられたので、CPU21は開閉回数kに1加算する(S64)。CPU21は、開閉回数kは所定回数以上か否か判断する(S65)。所定回数は、例えば耐久回数よりも少なく、且つ耐久回数に近い回数にするとよい。開閉回数kが所定回数未満である場合(S65:NO)、ハーネス50の開閉回数は耐久回数に近づいていないので、CPU21はS62に戻って、引き続き情報入力装置1の開閉を監視する。
開閉回数kが所定回数以上である場合(S65:YES)、ハーネス50の開閉回数は耐久回数に近づいているので、CPU21は報知処理を実行する(S66)。報知処理では、ハーネス50の折り曲げ回数が耐久回数に近づいていることを報知する為に、例えば、前カバー8Rの右上端部に設けられた収容部79に設けられた発光部79A(図1,図2参照)を点灯又は点滅させてもよい。または、アラーム等の音声を出力するようにしてもよい。または、スマートフォン等の外部端末にエラー信号を送信し、スマートフォンのディスプレイ上にエラーメッセージを表示するようにしてもよい。ユーザは、発光部79Aの点灯又は点滅等を確認することで、ハーネス50の耐久回数が近づいていることに気付くことができる。それ故、ユーザは、例えば、ハーネス50が損傷して断線する前に、ハーネス50の交換、修理等を行うことができる。CPU21は報知処理を実行した後、本処理を終了する。
なお、本実施形態の情報入力装置1は、上記第一〜第六実施例を夫々実行してもよく、二つ以上を組み合わせて実行するようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態の情報入力装置1は、冊子状のノート5の用紙121上で、電子ペン6によって筆記したデータを線画データとして取得し、取得した線画データに基づき、ストロークデータを生成して記憶する。情報入力装置1は、一対の見開き状の検出装置2R,2L、外装カバー4、ハーネス50を備える。検出装置2Rは、センサ基板7Rを有し、センサ基板7Rに近接する電子ペン6の位置を検出可能な板状体であって、ノート5の表紙5Rと対向配置可能である。検出装置2Lは、センサ基板7Lを有し、センサ基板7Lに近接する電子ペン6の位置を検出可能な板状体であって、ノート5の表紙5Lと対向配置可能である。外装カバー4は、右カバー部4R、左カバー部4L、及び折曲部4Cを備える。右カバー部4Rは、検出装置2Rを固定する。左カバー部4Lは、検出装置2Lを検出装置2Rに対して近接する方向および離間する方向に移動可能に保持する。折曲部4Cは、左カバー部4Lと右カバー部4Rを左右中央で連結する。外装カバー4は、折曲部4Cを折り曲げることで、検出装置2Lと検出装置2Rとが対向する向きに折り畳むことができる。
ハーネス50は、検出装置2Rと検出装置2Lの間に接続される。ハーネス50は、右側接続部51、左側接続部54、連結部52、折り畳み部53を含む。右側接続部51は、検出装置2Rと接続する。左側接続部54は、検出装置2Lと接続する。連結部52と折り畳み部53は、右側接続部51と左側接続部54の間に設けられる。折り畳み部53は、折り返し部53A、第一層部53B、第二層部53Cを備える。折り返し部53Aは、上下方向を軸に前方側へ曲がって180度折返す部位である。第一層部53B及び第二層部53Cは、折り返し部53Aによって、検出装置2Lと外装カバー4の左カバー部4Lとが向き合う方向に互いに対向する。
このような情報入力装置1では、ノート5の開閉に伴い、検出装置2Lの対向辺25Lと、検出装置2Rの対向辺25Rとが互いに近接又は離間する方向に移動する。それ故、ハーネス50の折り畳み部53においても、ノート5の開閉に合わせ、第一層部53Bと第二層部53Cの位置関係が変化し、左右方向においてずれを生じる。第一層部53Bの上面には、フォトセンサ70が固定されている。第二層部53Cの下面で、且つフォトセンサ70と対向する位置には、パターン表示部80が貼付されている。パターン表示部80は、第二層部53Cの長手方向において規則的に黒領域と白領域が交互に配列されたゼブラパターンである。フォトセンサ70は、パターン表示部80に向けて光を照射し、その反射光を受光することによって、自身と対向する領域の色を検出する。情報入力装置1の開閉に応じて、パターン表示部80は、フォトセンサ70の上方を左右方向に移動する。
情報入力装置1は、検出装置2Lと2Rの開閉に応じて、フォトセンサ70によって検出されるパターン表示部80の白領域と黒領域の数を計数することによって、情報入力装置1が閉状態か開状態であるかを認識できる。さらに、情報入力装置1は、パターン表示部80におけるフォトセンサ70の位置を検出することにより、検出装置2Lと2Rの開閉角度を検出することもできる。それ故、情報入力装置1は、検出装置2Lと2Rの開閉に応じて動作を制御できる。
以上説明において、検出装置2Rが本発明の「第一検出装置」の一例である。検出装置2Lが本発明の「第二検出装置」の一例である。ノート5が本発明の「記録媒体」の一例である。外装カバー4が本発明の「連結部材」の一例である。右カバー部4Rが本発明の「固定部」の一例である。左カバー部4Lが本発明の「保持部」の一例である。折曲部4Cが本発明の「折曲部」の一例である。ハーネス50が本発明の「接続部材」の一例である。右側接続部51が本発明の「第一接続部」の一例である。左側接続部54が本発明の「第二接続部」の一例である。連結部52、折り畳み部53が本発明の「中間部」の一例である。折り返し部53Aが本発明の「折り返し部」の一例である。第一層部53Bが本発明の「第一対向部」の一例である。第二層部53Cが本発明の「第二対向部」の一例である。図14に示すS1、図15に示すS11、図16に示すS21、図20に示すS31、図26のS62の処理を実行するCPU21が本発明の「検出手段」の一例である。CPU21、ASIC28A,29Aが本発明の「制御手段」の一例である。センサ基板7Rが本発明の「第一回路部」の一例である。センサ基板7Lが本発明の「第二回路部」の一例である。
図14に示すS2、図15に示すS12の処理を実行するCPU21が本発明の「開閉判断手段」の一例である。ストロークデータが本発明の「筆記データ」の一例である。フラッシュROM22が本発明の「記憶手段」の一例である。図16に示すS26〜S28の処理を実行するCPU21が本発明の「第一補正手段」の一例である。図24のS51、S52の処理を実行するASIC28A,29Aが本発明の「頁数推定手段」の一例である。図25のデータ補正処理を実行するCPU21が本発明の「第二補正手段」の一例である。図26に示すS63、64の処理を実行するCPU21が本発明の「計数手段」の一例である。S66の処理を実行するCPU21が本発明の「報知処理」の一例である。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、パターン表示部80を用いているが、これ以外のパターンでもよく、白黒のパターンではなく、パターン表示部180(図11参照),280(図12参照)のように、濃度の異なるパターンを並べる、又は徐々に濃度を変えるでもよい。少なくとも、折り畳み部53の長手方向において規則的に色又は濃度が異なるパターンであるのが好ましい。
また、上記実施形態では、情報入力装置1の開閉時に生じるハーネス50の第一層部53Bと第二層部53Cの相対的な移動量を、フォトセンサ70を用いて検出したが、これ以外の方法で相対的な移動量を検出してもよく、例えば、メカ的な機構で移動量を検出するようにしてもよい。例えば、ホルダ60にギアを回転可能に取り付け、該ギアに噛合する平歯ギアを外装カバー4側に取り付け、ホルダ60の移動に伴ってギアが回転するようにする。ギアの軸は上下方向に向ける。平歯ギアは、ホルダ60の移動方向に沿って設ける。そして、このギアの軸の回転角度を角度検出器等(例えばエンコーダ等)で検出することで、情報入力装置1の開閉、及び開閉角度を検出することができる。
また、上記実施形態では、ハーネス50を収納して保持するホルダ60を備えているが、ホルダ60を無くして、例えば外装カバー4にハーネス50を直接貼り付けてもよい。
また、上記実施形態では、フォトセンサ70はハーネス50上に設けて電源を供給しているが、電源は別のハーネスで供給すれば、必ずしもフォトセンサ70を置く位置がハーネス50上とならなくてもよい。
また、図9に示すフォトセンサ70とパターン表示部80の上下の位置関係は逆でもよい。例えば、フォトセンサ70を第二層部53Cの下面に固定し、パターン表示部80を第一層部53Bの上面に貼付してもよい。
また、上記実施形態は、パターン表示部80の領域を反射型のフォトセンサ70を用いて検出しているが、これ以外のフォトセンサを用いてもよい。
また、上記実施形態の第三実施例と第五実施例では、線画データの座標情報を補正しているが、フラッシュROM22に記憶されたストロークデータの座標情報を補正するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、折り畳み部53を備えたハーネス50に、フォトセンサ70及びパターン表示部80を設けているが、検出装置2Rと2Lを接続する部材であって、ハーネス50と同様の折り畳み部を備える部材であれば、そのような接続部材に、フォトセンサ70及びパターン表示部80を設けてもよい。
また、上記実施形態の第三実施例と第五実施例では、情報入力装置1において、線画データの補正を行っているが、例えば、ストロークデータを受信した外部端末においてストロークデータの補正を行ってもよい。その場合、CPU21は、フォトセンサ70による検出結果を送信するとよい。
また、上記実施形態のCPU21が実行する処理は、夫々、CPU21以外の電子部品(例えば、ASIC)によって実行されてもよい。各処理は夫々、複数の電子機器(つまり、複数のCPU)によって分散処理されてもよい。