JP2017152705A - ナノインプリントリソグラフィーにおける充填時間を短縮するための基板の前処理 - Google Patents

ナノインプリントリソグラフィーにおける充填時間を短縮するための基板の前処理 Download PDF

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Abstract

【課題】ナノインプリントリソグラフィープロセスにおけるスループットを促進することを目的とする。【解決手段】本発明のナノインプリントリソグラフィー方法は、前処理組成物を基板上に配置して前記基板上に前処理コーティングを形成する工程と、前記前処理コーティング上に、インプリントレジストの不連続部分を配置する工程と、前記インプリントレジストの各不連続部分がその標的域を超えて広がることで、前記前処理組成物と前記インプリントレジストとの混合物を含む複合重合性コーティングを前記基板上に形成する工程と、前記複合重合性コーティングをテンプレートと接触させる工程と、前記複合重合性コーティングを重合させ前記基板上に複合重合層を得る工程と、を有し、前記前処理組成物と空気との間の界面エネルギーが、前記インプリントレジストと空気との間の界面エネルギーよりも大きいことを特徴とする。【選択図】図4

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2015年9月8日付けで出願された「ナノインプリントリソグラフィーにおける充填時間を短縮するための基板の前処理(SUBSTRATE PRETREATMENT FOR REDUCING FILL TIME IN NANOIMPRINT LITHOGRAPHY)」と題される米国特許出願第62/215,316号に対する優先権を主張するものであり、その出願の全体が引用することにより本明細書の一部をなす。
本発明は、基板(ナノインプリントリソグラフィー基板)を処理して、基板上でのインプリントレジストの広がりを促すことによるナノインプリントリソグラフィープロセスにおけるスループットの促進に関する。
半導体加工産業では単位面積当たりの回路数を増やしつつ生産効率を増大することに尽力していることから、信頼性のある高解像度のパターニング技法の進展に注目が集まっている。今日用いられているこのような技法の一つは一般に、インプリントリソグラフィーと呼ばれている。インプリントリソグラフィープロセスは、特許文献1、特許文献2及び特許文献3(いずれも引用することにより本明細書の一部をなす)等の多くの公報において詳細に記載されている。インプリントリソグラフィーが利用されている他の開発分野としては、バイオテクノロジー、光学技術及び機械系が挙げられる。
上述の特許文献のそれぞれに開示されているインプリントリソグラフィー技法は、インプリントレジストにおけるレリーフパターンの形成及びレリーフパターンに対応するパターンの下地基板への転写を含むものである。パターニングプロセスでは、基板から離間したテンプレート及びテンプレートと基板との間に配置された重合性組成物(「インプリントレジスト」)が使用される。場合によっては、インプリントレジストが離間した不連続な滴の形で基板上に配置されることもある。滴を広げた後、インプリントレジストをテンプレートと接触させる。インプリントレジストをテンプレートと接触させた後、基板とテンプレートとの間の空間にレジストが均一に充填され、次いでインプリントレジストを固化することで、テンプレートの表面の形状に適合するパターンを有する層が形成される。固化後、テンプレートと基板とが離間するように、テンプレートはパターニングされた層から分離される。
インプリントリソグラフィープロセスにおけるスループットは一般に、多様な因子に左右される。インプリントレジストが離間した不連続な滴の形で基板上に配置される場合、スループットの少なくとも一部は基板上での滴の広がりの効率性及び均一性に左右される。インプリントレジストの広がりは滴同士の間のガス空隙及び滴による基板及び/又はテンプレートの不完全な濡れ等の因子により阻害され得る。
米国特許出願公開第2004/0065252号 米国特許第6,936,194号 米国特許第8,349,241号
第1の一般的態様では、ナノインプリントリソグラフィー方法は、前処理組成物を基板上に配置して、前処理コーティングを基板上に形成する工程を含む。前処理組成物は重合性成分を含む。インプリントレジストの不連続部分が前処理コーティング上に配置され、各々の不連続部分は基板の標的域を覆う。インプリントレジストは重合性組成物である。インプリントレジストの各不連続部分がその標的域を超えて広がることで、複合重合性コーティングを基板上に形成する。複合重合性コーティングは前処理組成物とインプリントレジストとの混合物を含む。複合重合性コーティングをナノインプリントリソグラフィーテンプレートと接触させ、重合させることで、基板上に複合重合層を得る。前処理組成物と空気との間の界面エネルギーがインプリントレジストと空気との、又はインプリントレジストの少なくとも1つの成分と空気との間の界面エネルギーより大きい。
第1の一般的態様の実施態様には下記特徴の1つ又は複数が含まれ得る。
場合によっては、前処理組成物と空気との間の界面エネルギーと、インプリントレジストと空気との間の界面エネルギーとの差、又は前処理組成物と空気との間の界面エネルギーと、インプリントレジストの成分と空気との間の界面エネルギーとの差が、1mN/m〜25mN/m、1mN/m〜15mN/m、又は1mN/m〜7mN/mである。いくつかの場合、前処理組成物と空気との間の界面エネルギーは、インプリントレジストと空気との間の界面エネルギーより大きい。
前処理組成物は単一の単量体を含んでいても、単一の単量体から実質的になるものであっても、又は単一の単量体であってもよい。場合によっては、前処理組成物は2つ以上の単量体を含む。いくつかの場合、前処理組成物は一官能性、二官能性、又は多官能性アクリレート単量体を含む。いくつかの例では、前処理組成物は、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシレートトリアクリレート、1,12−ドデカンジオールジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、1,3−アダマンタンジオールジアクリレート、ノナンジオールジアクリレート、m−キシリレンジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、又はそれらの任意の組合せを含む。一例では、前処理組成物は、20重量%〜40重量%の1,12−ドデカンジオールジアクリレート及び60重量%〜80重量%のトリシクロデカンジメタノールジアクリレート、又は約30重量%の1,12−ドデカンジオールジアクリレート及び約70重量%のトリシクロデカンジメタノールジアクリレートを含む。
場合によっては、インプリントレジストは、0重量%〜80重量%、20重量%〜80重量%、又は40重量%〜80重量%の1つ又は複数の単官能性アクリレートと、20重量%〜98重量%の1つ又は複数の二官能性又は多官能性アクリレートと、1重量%〜10重量%の1つ又は複数の光重合開始剤と、1重量%〜10重量%の1つ又は複数の界面活性剤と、を含む。他の場合、インプリントレジストは90重量%〜98重量%の1つ又は複数の二官能性又は多官能性アクリレートを含み、単官能性アクリレートを実質的に含まない。いくつかの場合、インプリントレジストは1つ又は複数の単官能性アクリレートと、20重量%〜75重量%の1つ又は複数の二官能性又は多官能性アクリレートとを含む。
前処理組成物の重合性成分とインプリントレジストの重合性成分とを反応させ、複合重合性コーティングの重合中に共有結合を形成することができる。一例では、複合重合性コーティングを重合する工程は、前処理組成物の成分とインプリントレジストの成分とを共有結合することを含む。場合によっては、前処理組成物とインプリントレジストとがそれぞれ、共通する官能基を有する単量体を含む。いくつかの場合、共通する官能基はアクリレート基である。
基板上に前処理組成物を配置する工程は、基板上に前処理組成物をスピンコートすることを含み得る。場合によっては、基板は密着層を備え、基板上に前処理組成物を配置する工程は密着層上に前処理組成物を配置することを含む。場合によっては、前処理コーティング上にインプリントレジストの不連続部分を配置する工程は、前処理コーティング上にインプリントレジスト滴を吐出することを含む。
複合重合性コーティングをナノインプリントリソグラフィーテンプレートと接触させる前に、インプリントレジストの不連続部分をインプリントレジストの少なくとも1つの他の不連続部分と接触させ、2つの不連続部分間に境界を形成することができる。場合によっては、複合重合性コーティングをナノインプリントリソグラフィーテンプレートと接触させる際に、インプリントレジストの不連続部分のそれぞれが、前処理組成物によりインプリントレジストの少なくとも1つの他の不連続部分と隔てられている。
複合重合性コーティングは前処理組成物とインプリントレジストとの均質混合物であってもよい。場合によっては、複合重合層の化学組成は不均一である。
ナノインプリントリソグラフィー積層体を、第1の一般的態様の方法及び該第1の一般的態様に関する上記の実施態様の1つ又は複数により形成することができる。
第2の一般的態様では、ナノインプリントリソグラフィー積層体は基板と該基板の表面上に形成される複合重合層とを含む。複合重合層は化学組成が不均一であり、境界によって隔てられた複数の中央領域を含み、該境界での複合重合層の化学組成は中央領域の内部の複合重合層の化学組成とは異なる。
第2の一般的態様の実施態様には下記特徴の1つ又は複数が含まれ得る。
基板は通例、密着層を含み、複合重合層は密着層の表面上に形成される。場合によっては、重合層の中央領域及び境界が前処理組成物とインプリントレジストとの不均質混合物により形成され、インプリントレジストの重合性成分と前処理組成物の重合性成分とを反応させることで、複合重合層の形成中に共有結合が形成される。いくつかの場合、インプリントレジストの重合性成分及び前処理組成物の重合性成分は共通する官能基、例えばアクリレート基を有する。
本明細書に記載の主題の1つ又は複数の実施態様の詳細は、添付の図面及び下記明細書に記載される。主題の他の特徴、態様及び有利な点は本明細書、図面及び特許請求の範囲から明らかとなる。
リソグラフィーシステムの簡略化した側面図である。 基板上にパターニングされた層が形成された、図1に示される基板の簡略化した側面図である。 第1液層上での第1液と第2液の滴との広がり相互作用を示す図である。 第1液層上での第1液と第2液の滴との広がり相互作用を示す図である。 第1液層上での第1液と第2液の滴との広がり相互作用を示す図である。 第1液層上での第1液と第2液の滴との広がり相互作用を示す図である。 ナノインプリントリソグラフィースループットを促進するプロセスを示すフローチャート図である。 基板を示す図である。 基板上に配置された前処理コーティングを示す図である。 前処理コーティングを備える基板上に配置されたインプリントレジスト滴からの複合コーティングの形成を示す図である。 前処理コーティングを備える基板上に配置されたインプリントレジスト滴からの複合コーティングの形成を示す図である。 前処理コーティングを備える基板上に配置されたインプリントレジスト滴からの複合コーティングの形成を示す図である。 前処理コーティングを備える基板上に配置されたインプリントレジスト滴からの複合コーティングの形成を示す図である。 図6Aのw−w線に沿った断面図である。 図6Bのx−x線に沿った断面図である。 図6Cのy−y線に沿った断面図である。 図6Dのz−z線に沿った断面図である。 基板上の滴に置き換えられた前処理コーティングの断面図である。 基板上の滴に置き換えられた前処理コーティングの断面図である。 均質複合コーティングと接触するテンプレートの断面図である。 均質複合コーティングと接触するテンプレートの断面図である。 得られるナノインプリントリソグラフィー積層体の断面図である。 不均質な複合コーティングと接触するテンプレートの断面図である。 不均質な複合コーティングと接触するテンプレートの断面図である。 得られるナノインプリントリソグラフィー積層体の断面図である。 比較例1に対応する、前処理コーティングのない基板の密着層上に広げた後のインプリントレジスト滴の画像を示す図である。 実施例1に記載の前処理コーティング上に広げた後のインプリントレジスト滴の画像を示す図である。 実施例2に記載の前処理コーティング上に広げた後のインプリントレジスト滴の画像を示す図である。 実施例3に記載の前処理コーティング上に広げた後のインプリントレジスト滴の画像を示す図である。 実施例2のインプリントレジスト及び前処理組成物についての前広がり時間に応じた欠陥密度を示す図である。 前処理組成物の広がる時間に対する滴径を示す図である。 二成分前処理組成物における1つの成分の部分組成に応じた粘度を示す図である。 二成分前処理組成物における様々な比率の成分についての時間に対する滴径を示す図である。 二成分前処理組成物における1つの成分の画分に対する二成分前処理組成物の表面張力を示す図である。
図1は基板102上のレリーフパターンに用いられる種類のインプリントリソグラフィーシステム100を示すものである。基板102には、基層と基層に密着する密着層とが含まれ得る。基板102は基板チャック104に連結することができる。図示されるように、基板チャック104は真空チャックである。しかしながら、基板チャック104は、真空、ピン型、グルーブ型、電磁型等を含み得るが、これらに限定されない。チャックの例は、米国特許第6,873,087号(引用することにより本明細書の一部をなす)に記載されている。基板102及び基板チャック104はステージ106によって更に支持することができる。ステージ106により、x軸、y軸及びz軸に対する動きが与えられ得る。ステージ106、基板102及び基板チャック104が基層上に置かれていてもよい。
テンプレート108は基板102と離間している。テンプレート108は一般にテンプレートの表面から基板102に向かって、いくらか離れた矩形又は方形のメサ110を備える。以降、モールドを含めてテンプレートと称することもある。メサ110の表面はパターニングすることができる。場合によっては、メサ110はモールド110又はマスク110と称されることもある。テンプレート108、モールド110又はその両方は、溶融石英、石英、ケイ素、窒化ケイ素、有機ポリマー、シロキサンポリマー、ホウケイ酸ガラス、フッ化炭素ポリマー、金属(例えばクロム、タンタル)、硬化サファイア等、又はそれらの組合せを含み得るが、これらに限定されない。図示されるように、表面112のパターニングは複数の離間した凹部114及び凸部116により規定された特徴を含むが、実施形態はこのような配置に限定されない。表面112のパターニングは基板102上に形成されるパターンの基となる任意のオリジナルパターンを規定し得る。
テンプレート108はチャック118に連結している。チャック118は通例、限定するものではないが、真空、ピン型、グルーブ型、電磁型、又は他の同様のチャック型として構成されている。チャックの例は米国特許第6,873,087号(引用することにより本明細書の一部をなす)に更に記載されている。さらに、チャック118はインプリントヘッド120に連結することができ、このようにしてチャック118及び/又はインプリントヘッド120がテンプレート108の動きを円滑にするように構成され得る。
システム100には流体ディスペンスシステム122が更に含まれ得る。流体ディスペンスシステム122を用いることで、インプリントレジスト124を基板102上に堆積させることができる。インプリントレジスト124は、ドロップディスペンス、スピンコート法、ディップコート法、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、薄膜堆積、厚膜堆積等の技法を用いて基板102上に吐出することができる。ドロップディスペンス法では、図1に示されるように、インプリントレジスト124は離間した不連続な滴の形で基板102上に配置される。
システム100にはパス128に沿ってエネルギーを指向させるように連結されたエネルギー源126が更に含まれ得る。インプリントヘッド120及びステージ106は、テンプレート108と基板102とがパス128と重なって位置付けられるように構成され得る。システム100は、ステージ106、インプリントヘッド120、流体ディスペンスシステム122、及び/又はエネルギー源126に連通しているプロセッサ130により制御することができ、メモリ132に保存されたコンピュータ可読プログラムにて動作させることができる。
インプリントヘッド120は、モールド110がインプリントレジスト124と接触するようにテンプレート108に力を加えることができる。インプリントレジスト124が所望の量充填された後に、エネルギー源126からエネルギー(例えば、電磁放射エネルギー又は熱エネルギー)を生じさせ、インプリントレジスト124が固化(例えば、重合及び/又は架橋)することで、基板102の表面134及びパターニング表面112の形状に適合する。インプリントレジスト124を固化して、基板102上に重合層を得た後に、重合層からモールド110を分離する。
図2は、インプリントレジスト124を固化して、基板102上にパターニングした重合層202を得ることにより形成されるナノインプリントリソグラフィー積層体200を示すものである。パターニングした重合層202には、残膜204と凸部206及び凹部208として示される複数の特徴が含まれ得る。凸部206の厚さはtであり、残膜204の厚さはtである。ナノインプリントリソグラフィーでは、基板102に対して平行な1つ又は複数の凸部206、凹部208又はその両方の長さは、100nm未満、50nm未満、又は25nm未満である。場合によっては、1つ又は複数の凸部206、凹部208又はその両方の長さは、1nm〜25nm又は1nm〜10nmである。
上記のシステム及びプロセスは、米国特許第6,932,934号、同第7,077,992号、同第7,197,396号及び同第7,396,475号(それらは全て引用することにより本明細書の一部をなす)に言及されるようなインプリントリソグラフィープロセス及びシステムにて更に実行することができる。
図1に示されるようなインプリントレジスト124が不連続部分(「滴」)として基板102上に配置されるドロップオンデマンド又はドロップディスペンスナノインプリントリソグラフィープロセスでは、インプリントレジスト滴は通例、モールド110がインプリントレジストと接触する前後にて、基板102上に広がる。インプリントレジスト124の滴の広がりが基板102を覆う又はモールド110の凹部114を満たすのに不十分である場合、重合層202は空隙という形で欠陥を伴って形成される可能性がある。そのため、ドロップオンデマンドナノインプリントリソグラフィープロセスは通例、インプリントレジスト124の滴の吐出を開始することと、基板102上のインプリントレジストに向けたモールド110の移動を開始することで基板とテンプレートとの間の空間を埋めることとの間に遅れを含むものである。そのことから、自動ナノインプリントリソグラフィープロセスのスループットは一般に、基板上でのインプリントレジストの広がり及びテンプレートの充填の速度により制限される。したがって、ドロップオンデマンド又はドロップディスペンスナノインプリントリソグラフィープロセスのスループットは、「充填時間」(すなわち、テンプレートと基板との間の空間を空隙なく完全に埋めるのに要する時間)を短縮することで改善することができる。充填時間を短縮する方法の一つは、基板に向けたモールドの移動を開始する前に、インプリントレジスト滴の広がり速度及びインプリントレジストによる基板の被覆を増大させることである。本明細書に記載されるように、インプリントレジストの広がり速度及び基板の被覆の均一性は、インプリントレジストの不連続部分の迅速かつ均等な広がりを促し、パターニングされた層の形成中にインプリントレジストと重合する液体にて基板を前処理することにより改善することができる。
第1液上での第2液の不連続部分の広がりは、図3A〜図3Dを参照して理解することができる。図3A〜図3Dは、基板304上にあり、ガス306(例えば、空気、ヘリウム若しくは窒素等の不活性ガス、又は不活性ガスの組合せ)に接している第1液300及び第2液302を示している。第1液300は本明細書にて区別なく使用されるコーティング又は層の形で基板304上に存在する。場合によっては、第1液300は数ナノメートル(例えば、1nm〜15nm又は5nm〜10nm)の厚さの層として存在する。第2液302は不連続部分(「滴」)の形で存在する。第1液300及び第2液302の特性は互いに対して変化し得る。例えば場合によっては、第1液300は第2液302よりも粘性かつ高密度であることもある。
第2液302と第1液300との界面エネルギー又は表面張力をγL1L2と表す。第1液300とガス306との界面エネルギーをγL1Gと表す。第2液302とガス306との界面エネルギーをγL2Gと表す。第1液300と基板304との界面エネルギーをγSL1と表す。第2液302と基板304との界面エネルギーをγSL2と表す。
図3Aは、第1液300上に配置された滴として第2液302を示している。第2液302は第1液300を変形させておらず、基板304には触れていない。示されているように、第1液300と第2液302とは混ざり合っておらず、第1液と第2液との界面は平らに描かれている。平衡状態では、第1液300上の第2液302の接触角はθであり、接触角はヤングの式:
γL1G=γL1L2+γL2G・cos(θ) (1)
により界面エネルギーγL1G、γL2G及びγL1L2と関連付けられている。
γL1G≧γL1L2+γL2G (2)
であり、θ=0度である場合、第2液302は第1液300上に完全に広がる。これらの液を混ぜ合わせることができる場合、或る程度時間が経過すると、
γL1L2=0 (3)
となる。この場合、第1液300上に第2液302が完全に広がる条件は、
γL1G≧γL2G (4)
である。第1液300の薄膜及び第2液302の小滴については、混ざり合いは拡散現象により制限され得る。そのため、第2液302が滴の形で第1液300上に配置されている場合に第2液302を第1液300上に広げるには、不等式(2)を広がりの初期段階にてより適用可能である。
図3Bは、第1液300の下地層が厚い場合の第2液302の滴についての接触角形成を示している。この場合、滴は基板304には触れていない。第2液302の滴と第1液300の層とが角度α、β及びθにて交差し、
α+β+θ=2π (5)
である。各界面に即した力平衡には、3つの条件がある:
γL2G+γL1L2・cos(θ)+γL1G・cos(α)=0 (6)
γL2G・cos(θ)+γL1L2+γL1G・cos(β)=0 (7)
γL2G・cos(α)+γL1L2・cos(β)+γL1G=0 (8)
第1液300と第2液302とを混ぜ合わせることができる場合、
γL1L2=0 (9)
となり、式(6)〜(8)は、
γL2G+γL1G・cos(α)=0 (10)
γL2G・cos(θ)+γL1G・cos(β)=0 (11)
γL2G・cos(α)+γL1G=0 (12)
となる。式(10)及び(12)により、
cos(α)=1 (13)
及び
α=0、π (14)
が与えられる。第2液302が第1液300を湿らせる場合、
α=π (15)
γL2G=γL1G (16)
及び式(11)により、
cos(θ)+cos(β)=0 (17)
が与えられる。この結果を式(5)及び(15)と組み合わせることで、
θ=0 (18)
β=π (19)
が与えられる。このようにして、式(15)、(18)及び(19)により、角度α、β及びθについて解法が得られる。
γL1G≧γL2G (20)
である場合、界面間での平衡は起こらない。式(12)はα=πであっても不等式となり、第2液302は第1液300上に広がり続ける。
図3Cは、基板304に触れながら、第1液300との界面も保持している第2液302の滴についてのより複雑な幾何学配置を示している。第1液300と第2液302とガス306との界面領域(角度α、β及びθにより規定される)及び第1液300と第2液302と基板304との界面領域(θにより規定される)を、第1液上での第2液の広がり挙動を求めるのに考慮しなければならない。
第1液300と第2液302とガス306との界面領域は式(6)〜(8)に支配される。第1液300と第2液302とを混ぜ合わせることができるため、
γL1L2=0 (21)
となる。角度αについての解法は式(14)により得られる。この場合、
α=0 (22)
及び
θ=π (23)
β=π (24)
となる。
γL1G≧γL2G (25)
である場合、第2液302の滴と第1液300との間に平衡は起こらず、他の物理的制限(例えば、体積保存及び混ぜ合わせ)により制限されるまで、第2液とガスとの間の界面に沿って滴が広がり続ける。
第1液300と第2液302と基板304との界面領域については、式(1)と同様の式:
γSL1=γSL2+γL1L2・cos(θ) (26)
を考える。
γSL1≧γSL2+γL1L2 (27)
である場合、滴は完全に広がり、θ=0となる。さらに、混ぜ合わせることができる液については、第2項γL1L2=0であり、不等式(27)は、
γSL1≧γSL2 (28)
へと単純化される。液の広がりについての複合条件は、広がりの前後のエネルギーを考慮すると、
γL1G+γSL1≧γL2G+γSL2 (29)
と表される。エネルギー的に優位な遷移(すなわち、システムのエネルギーを最小限に抑える遷移)が起こるものとする。
不等式(29)における4つの項間の異なる関係性から、滴の広がり特性が求められる。不等式(25)が有効であり、不等式(28)が有効でない場合、第2液302の滴は初めに第1液300の表面に沿って広がることができる。代替的には不等式(28)が保持され、不等式(25)が保持されない場合、滴が液固界面に沿って広がり始める場合がある。最終的に第1液300と第2液302とが混ぜ合わされることにより、より大きな複雑性が導入される。
図3Dは、基板304に触れながら、第1液300との界面も保持している第2液302の滴についての幾何学配置を示している。図3Dに示されるように、第2液302の滴の各側に対象となる界面領域が2つ存在する。第1界面領域は角度α、β及びθで示される、第1液300と第2液302とガス306とが接触する場所である。対象となる第2界面領域は角度θで示される、第1液300と第2液302と基板304とが接触する場所である。ここで、第2液302と基板304との界面の表面張力が第1液300と基板との界面の表面張力より大きい(γSL2≧γSL1)場合、滴が広がるにつれて、θが0度に近づき、θが180度に近付く。すなわち、第2液302の滴が第1液300と第2液との界面に沿って広がり、第2液と基板304との界面に沿っては広がらない。
第1液300と第2液302とガス306との界面については、式(6)〜(8)が適用可能である。第1液300と第2液302とを混ぜ合わせることができることから、
γL1L2=0 (30)
となる。角度αについての解法は式(14)により得られる。
α=π (31)
であれば、式(11)により、
cos(θ)+cos(β)=0 (32)
及び
θ=0 (33)
β=π (34)
が与えられる。
γL1G≧γL2G (35)
である場合、第2液302の滴と液300との間に平衡は起こらず、他の物理的制限(例えば、体積保存及び混ぜ合わせ)により制限されるまで、第2液とガスとの間の界面に沿って滴が広がり続ける。
第2液302と基板304との界面領域では、
γSL1=γSL2+γL1L2・cos(θ) (36)
cos(θ)=(γSL1−γSL2)/γL1L2 (37)
となる。
γSL1≦γSL2 (38)
であり、液を混ぜ合わせることができる場合、すなわち、
γL1L2→0 (39)
−∞≦cos(θ)≦−1 (40)
である場合、角度θは180度に近付いた後、未定となる。すなわち、第2液302は基板界面に沿って縮小し、第1液300とガス306との界面に沿って広がる傾向がある。
第1液300上での第2液302の広がりは、完全な広がりに関する表面エネルギーの関係性に併せて3つの異なる事例にまとめることができる。第1の事例では、第2液302の滴が第1液300の層上に配置され、第2液の滴は基板304と接触していない。第1液300の層は厚くても又は薄くてもよく、第1液300と第2液302とを混ぜ合わせることができる。理想的な条件下において、ガス306中の第1液300の表面エネルギーがガス306中の第2液302の表面エネルギー以上である場合(γL1G≧γL2G)、第2液302の滴の完全な広がりが第1液300の層上で起こる。第2の事例では、第2液302の滴が第1液300の層上に配置されると同時に、基板304上にも触れており、広がっている。第1液300と第2液302とを混ぜ合わせることができる。理想的な条件下において、(i)ガス中の第1液300の表面エネルギーがガス中の第2液302の表面エネルギー以上であり(γL1G≧γL2G)、(ii)第1液と基板304との界面の表面エネルギーが第2液と基板との界面の表面エネルギーより大きい(γSL1≧γSL2)場合に完全な広がりが起こる。第3の事例では、第2液302の滴が、基板304に触れながら、第1液300の層上に配置される。広がりは第2液302と第1液300との界面又は第2液と基板304との界面に沿って起こり得る。第1液と第2液302とを混ぜ合わせることができる。理想的な条件下において、ガス中の第1液300の表面エネルギーと第1液と基板304との界面の表面エネルギーとの合計が、ガス中の第2液302の表面エネルギーと第2液302と基板との界面の表面エネルギーとの合計以上であり(γL1G+γSL1≧γL2G+γSL2)、ガス中の第1液300の表面エネルギーがガス中の第2液302の表面エネルギー以上であるか(γL1G≧γL2G)、又は(ii)第1液と基板304との界面の表面エネルギーが第2液と基板との界面の表面エネルギーより大きい(γSL1≧γSL2)場合に完全な広がりが起こる。
周囲雰囲気(例えば、空気又は不活性ガス)において表面エネルギーがインプリントレジストの表面エネルギーより大きくなるように選択された液を用いてナノインプリントリソグラフィー基板を前処理することにより、ドロップオンデマンドナノインプリントリソグラフィープロセスにおいてインプリントレジストが基板上に広がる速度を増大させることができ、インプリントレジストをテンプレートと接触させる前に、基板上でのインプリントレジストのより均一な厚さを確保することができ、それによりナノインプリントリソグラフィープロセスにおけるスループットが促進される。前処理組成物がインプリントレジストと混ぜ合わせることが可能な重合性成分を含んでいる場合、このことが不要な成分を添加することなく得られる重合層の形成に有益に寄与し、より均一な硬化がもたらされることにより、より均一な機械特性及びエッチング特性を得ることができる。
図4はドロップオンデマンドナノインプリントリソグラフィーにおけるスループットを促進するプロセス400を示すフローチャート図である。プロセス400は操作402〜410を含む。操作402では、前処理組成物をナノインプリントリソグラフィー基板上に配置し、基板上に前処理コーティングを形成する。操作404では、インプリントレジストの不連続部分(「滴」)を前処理コーティング上に配置し、各滴で基板の標的域を覆う。前処理組成物と空気との界面エネルギーがインプリントレジストと空気との界面エネルギーより大きくなるように、前処理組成物及びインプリントレジストを選択する。
操作406では、インプリントレジストの各滴がその標的域を超えて広がることで、複合重合性コーティング(「複合コーティング」)を基板上に形成する。複合コーティングには前処理組成物とインプリントレジストとの均質又は不均質混合物が含まれる。操作408では、複合コーティングをナノインプリントリソグラフィーテンプレート(「テンプレート」)と接触させ、広げて、テンプレートと基板との間の全体積に充填させる。操作410では、複合コーティングを重合して、基板上に重合層を得る。複合コーティングの重合後、テンプレートを重合層から分離し、ナノインプリントリソグラフィー積層体とする。本明細書で使用される場合、「ナノインプリントリソグラフィー積層体」は概して、基板及び基板に密着する重合層を表し、それらのそれぞれ又は両方が、1つ又は複数の更なる(例えば、介在)層を含んでいてもよい。一例では、基板には、基層と基層に密着する密着層とが含まれ得る。
プロセス400では、前処理組成物及びインプリントレジストは、例えば米国特許第7,157,036号及び米国特許第8,076,386号、並びにChou et al. 1995, Imprint of sub-25 nm vias and trenches in polymers. Applied Physics Letters 67(21):3114-3116、Chou et al. 1996, Nanoimprint lithography. Journal of Vacuum Science Technology B 14(6): 4129-4133、及びLong et al. 2007, Materials for step and flash imprint lithography (S-FIL(商標)). Journal of Materials Chemistry 17:3575-3580(それらは全て引用することにより本明細書の一部をなす)に記載される成分の混合物を含んでいてもよい。好適な組成物としては、重合性単量体(「単量体」)、架橋剤、樹脂、光重合開始剤、界面活性剤、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。単量体の種類としては、アクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル及びエポキシド、並びにそれらの多官能性誘導体が挙げられる。場合によっては、前処理組成物、インプリントレジスト又はその両方は実質的にケイ素を含まない。他の場合、前処理組成物、インプリントレジスト、又はその両方はケイ素を含有している。ケイ素含有単量体としては例えば、シロキサン及びジシロキサンが挙げられる。樹脂はケイ素含有(例えば、シルセスキオキサン)及びケイ素非含有(例えば、ノボラック樹脂)とすることができる。前処理組成物、インプリントレジスト又はその両方は1つ又は複数の重合開始剤又はフリーラジカル発生剤を含んでいてもよい。重合開始剤の種類としては例えば、光重合開始剤(例えば、アシロイン、キサントン及びフェノン)、光酸発生剤(例えば、スルホン酸塩及びオニウム塩)、及び光塩基発生剤(例えば、オルト−ニトロベンジルカルバメート、オキシムウレタン及びO−アシルオキシム)が挙げられる。
好適な単量体としては、単官能性、二官能性又は多官能性アクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル及びエポキシドが挙げられ、ここで単−、二−及び多−はそれぞれ指定の官能基が1つ、2つ及び3つ以上であることを指す。単量体の一部又は全てがフッ素化(例えば、全フッ素化)されていてもよい。アクリレートの場合、例えば前処理組成物、インプリントレジスト又はその両方は1つ若しくは複数の単官能性アクリレート、1つ若しくは複数の二官能性アクリレート、1つ若しくは複数の多官能性アクリレート、又はそれらの組合せを含み得る。
好適な単官能性アクリレートの例としては、イソボルニルアクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ベンジルアクリレート、1−ナフチルアクリレート、4−シアノベンジルアクリレート、ペンタフルオロベンジルアクリレート、2−フェニルエチルアクリレート、フェニルアクリレート、(2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシルアクリレート、メトキシポリエチレングリコール(350)モノアクリレート、及びメトキシポリエチレングリコール(550)モノアクリレートが挙げられる。
好適なジアクリレートの例としては、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート(例えば、平均Mn=575)、1,2−プロパンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、2−ブテン−1,4−ジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、3−メチル−1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1H,1H,6H,6H−ペルフルオロ−1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、1,12−ドデカンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジアクリレート、m−キシリレンジアクリレート、エトキシル化(3)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリレート、エトキシル化(10)ビスフェノールAジアクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、1,2−アダマンタンジオールジアクリレート、2,4−ジエチルペンタン−1,5−ジオールジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)(400)ジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)(300)ジアクリレート、1,6−ヘキサンジオール(EO)ジアクリレート、1,6−ヘキサンジオール(EO)ジアクリレート及びアルコキシル化脂肪族ジアクリレートエステルが挙げられる。
好適な多官能性アクリレートの例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート(例えば、プロポキシル化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシル化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート)、トリメチロールプロパンエトキシレートトリアクリレート(例えば、n〜約1.3、3、5)、ジ(トリメチロールプロパン)テトラアクリレート、プロポキシル化グリセリルトリアクリレート(例えば、プロポキシル化(3)グリセリルトリアクリレート)、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、トリペンタエリスリトールオクタアクリレートが挙げられる。
好適な架橋剤の例としては、本明細書に記載されるような二官能性アクリレート及び多官能性アクリレートが挙げられる。
光重合開始剤としては、ラジカル発生剤が好ましく、ラジカル発生剤としては、例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−又はp−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の置換基を有してもよい2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン等のα―アミノ芳香族ケトン誘導体;2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−t−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナンタラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル誘導体;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン、プロピルベンゾイン等のベンゾイン誘導体;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;N−フェニルグリシン等のN−フェニルグリシン誘導体;アセトフェノン、3−メチルアセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体;チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン誘導体;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド誘導体;1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル誘導体;キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられるが、これらに限定はされない。
上記ラジカル発生剤の市販品として、Irgacure184、369、651、500、819、907、784、2959、CGI−1700、−1750、−1850、CG24−61、Darocur 1116、1173、Lucirin TPO、LR8893、LR8970(以上、BASF製)、ユベクリルP36(UCB製)等が挙げられるが、これらに限定はされない。
アシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤またはアルキルフェノン系重合開始剤であることが好ましい。上記の例のうち、アシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤は、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイドなどのアシルフォスフィンオキサイド化合物である。また、上記の例のうち、アルキルフェノン系重合開始剤は、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル誘導体;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン、プロピルベンゾイン等のベンゾイン誘導体;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;アセトフェノン、3−メチルアセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等のα−アミノ芳香族ケトン誘導体である。
光重合開始剤の配合割合は、溶剤成分を除く全成分の合計重量に対して、0.1重量%以上50重量%以下であり、好ましくは0.1重量%以上20重量%以下であり、さらに好ましくは10重量%より大きく20質量%以下である。
前処理組成物及びインプリントレジストは、硬化性の組成物である。以降、前処理組成物及びインプリントレジストを硬化性組成物と呼ぶ。
溶剤成分を除く合計重量に対して0.1重量%以上とすることにより、硬化性組成物の硬化速度を速くすることができる。その結果、反応効率を良くすることができる。また、溶剤成分を除く合計重量に対して50重量%以下とすることにより、得られる硬化物をある程度の機械的強度を有する硬化物とすることができる。
好適な光重合開始剤の例としては、IRGACURE 907、IRGACURE 4265、651、1173、819、TPO及びTPO−Lが挙げられる。
界面活性剤は、インプリントリソグラフィーテンプレートのパターニングされた表面に塗布するか、インプリントリソグラフィーレジストに加えるか、又はその両方により、固化レジストとテンプレートとの間の分離力を低減することで、インプリントリソグラフィープロセスにおいて形成されたインプリントパターンの分離欠陥を減らし、インプリントリソグラフィーテンプレートを用いて作製することができる連続インプリントの数を増やすことができる。インプリントレジスト用の剥離剤を選択する際の要素としては例えば、表面との親和性、処理表面の所望の表面特性及びインプリントレジストにおける剥離剤の寿命が挙げられる。いくつかの剥離剤はテンプレートと共有結合を形成するが、非イオン性のフッ素化界面活性剤は水素結合及びファンデルワールス相互作用等の非共有結合的相互作用を介してテンプレート表面と相互作用する。
好適な界面活性剤の例としては、フッ素化界面活性剤及び非フッ素化界面活性剤が挙げられる。フッ素化界面活性剤及び非フッ素化界面活性剤はイオン性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤であってもよい。好適な非イオン性のフッ素化界面活性剤としては、フルオロ脂肪族ポリマーエステル、ペルフルオロエーテル界面活性剤、ポリオキシエチレンのフッ素系界面活性剤、ポリアルキルエーテルのフッ素系界面活性剤、フルオロアルキルポリエーテル等が挙げられる。好適な非イオン性の非フッ素化界面活性剤としては、エトキシル化アルコール、エトキシル化アルキルフェノール及びポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドブロックコポリマーが挙げられる。
例示的な市販の界面活性剤成分としては、デラウェア州ウィルミントン所在のE.I. du Pont de Nemours and Company製のZONYL(商標) FSO及びZONYL(商標) FS−300;ミネソタ州メープルウッド所在の3M製のFC−4432及びFC−4430;オハイオ州シンシナティ所在のPilot Chemical Company製のMASURF(商標) FS−1700、FS−2000及びFS−2800;テキサス州マンスフィールド所在のChemguard製のS−107B;株式会社ネオス(日本国神戸市中央区)製のFTERGENT 222F、FTERGENT 250、FTERGENT 251;オハイオ州アクロン所在のOMNOVA Solutions Inc.製のPolyFox PF−656;ニュージャージー州フローラムパーク所在のBASF製のPluronic L35、L42、L43、L44、L63、L64等;ニュージャージー州エジソン所在のCroda Inc.製のBrij 35、58、78等が挙げられるが、これらに限定されない。
(その他の成分)
また、前処理組成物とインプリントレジストは前述した成分の他に、種々の目的に応じ、本発明の効果を損なわない範囲で、非重合性化合物を含有していてもよい。このような成分としては、増感剤、水素供与体、酸化防止剤、ポリマー成分、その他添加剤等が挙げられる。
増感剤は、重合反応促進や反応転化率の向上を目的として、適宜添加される化合物である。増感剤として、例えば、増感色素等が挙げられる。
増感色素は、特定の波長の光を吸収することにより励起され、成分(B)である光重合開始剤と相互作用する化合物である。なお、ここで記載する相互作用とは、励起状態の増感色素から成分(B)である光重合開始剤へのエネルギー移動や電子移動等を指す。
増感色素の具体例としては、アントラセン誘導体、アントラキノン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、カルバゾール誘導体、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体、キサントン誘導体、クマリン誘導体、フェノチアジン誘導体、カンファキノン誘導体、アクリジン系色素、チオピリリウム塩系色素、メロシアニン系色素、キノリン系色素、スチリルキノリン系色素、ケトクマリン系色素、チオキサンテン系色素、キサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム塩系色素等が挙げられるが、これらに限定されない。
増感剤は、一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を混合して用いてもよい。
水素供与体は、成分(B)である光重合開始剤から発生した開始ラジカルや、重合生長末端のラジカルと反応し、より反応性が高いラジカルを発生する化合物である。水素供与体は、成分(B)が光ラジカル発生剤である場合に添加することが好ましい。
このような水素供与体の具体例としては、n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、アリルチオ尿素、s−ベンジルイソチウロニウム−p−トルエンスルフィネート、トリエチルアミン、ジエチルアミノエチルメタクリレート、トリエチレンテトラミン、4,4’−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエタノールアミン、N−フェニルグリシン等のアミン化合物、2−メルカプト−N−フェニルベンゾイミダゾール、メルカプトプロピオン酸エステル等のメルカプト化合物、等が挙げられるが、これらに限定されない。
水素供与体は、一種類を単独で用いてもよいし二種類以上を混合して用いてもよい。また、水素供与体は、増感剤としての機能を有してもよい。
上記の非重合化合物である成分の硬化性組成物における配合割合は、溶剤成分を除く全成分の合計重量に対して、0重量%以上50重量%以下であり、好ましくは0.1重量%以上50重量%以下であり、さらに好ましくは0.1重量%以上20質量%以下である。
(溶剤について)
また、前処理組成物とインプリントレジストは成分として溶媒を含有していてもよい。特に限定されないが、好ましい溶媒としては、常圧における沸点が80℃以上200℃以下の溶媒である。さらに好ましくは、水酸基、エーテル構造、エステル構造、ケトン構造のいずれかを少なくとも1つ有する溶媒である。
溶媒としては、具体的には、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル系溶剤;ブチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤;メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、乳酸エチルなどのケトン系溶剤から選ばれる単独、あるいはこれらの混合溶媒が好ましい。
特に、前処理組成物は、溶媒を含有することが好ましい。後述するように、基板上への塗布方法としてスピンコート法が好ましいためである。
この場合、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、乳酸エチルから選ばれる単独、あるいはまたはその混合溶液が塗布性の観点で特に好ましい。
溶媒成分の前処理組成物における配合割合は、粘度や塗布性、形成した硬化層の膜厚などによって適宜調整することができるが、前処理組成物の全量に対して70質量%以上が好ましい。より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。溶媒成分が多いほど形成される硬化層の膜厚を薄くできる。なお、溶媒成分の前処理組成物における配合割合が70質量%未満である場合には十分な塗布性が得られない場合がある。
また、インプリントレジストには溶剤を用いることもできるが、インプリントレジストは実質的に溶媒を含まない方が好ましい。ここで、「実質的に溶剤を含まない」とは、不純物等、意図せずに含まれてしまう溶媒以外の溶媒を含まないことを言う。すなわち、例えば、本形態に係るインプリントレジストの溶剤の含有量は、インプリントレジスト全体に対して3重量%以下であることが好ましく、1重量%以下であることがさらに好ましい。なお、ここで言う溶媒とは、硬化性組成物やフォトレジストで一般的に用いられている溶媒あるいは溶剤を指す。すなわち溶媒の種類は、本発明で用いる化合物を溶解および均一分散させるもので、かつ該化合物と反応しないものであれば特に限定はされない。
いくつかの例では、インプリントレジストは、0重量%〜80重量%(例えば、20重量%〜80重量%又は40重量%〜80重量%)の1つ若しくは複数の単官能性アクリレートと、20重量%〜98重量%の1つ若しくは複数の二官能性若しくは多官能性アクリレート(例えば、インプリントレジストは単官能性アクリレートを実質的に含んでいなくてもよい)又は20重量%〜75重量%の1つ若しくは複数の二官能性若しくは多官能性アクリレート(例えば、1つ又は複数の単官能性アクリレートが存在する場合)と、1重量%〜10重量%の1つ若しくは複数の光重合開始剤と、1重量%〜10重量%の1つ若しくは複数の界面活性剤とを含む。一例では、インプリントレジストは、約40重量%〜約50重量%の1つ又は複数の単官能性アクリレートと、約45重量%〜約55重量%の1つ又は複数二官能性アクリレートと、約4重量%〜約6重量%の1つ又は複数の光重合開始剤と、約3重量%の界面活性剤とを含む。別の例では、インプリントレジストは、約44重量%の1つ又は複数の単官能性アクリレートと、約48重量%の1つ又は複数の二官能性アクリレートと、約5重量%の1つ又は複数の光重合開始剤と、約3重量%の界面活性剤とを含む。更に別の例では、インプリントレジストは、約10重量%の第1の単官能性アクリレート(例えば、イソボルニルアクリレート)と、約34重量%の第2の単官能性アクリレート(例えば、ベンジルアクリレート)と、約48重量%の二官能性アクリレート(例えば、ネオペンチルグリコールジアクリレート)と、約2重量%の第1の光重合開始剤(例えば、IRGACURE TPO)と、約3重量%の第2の光重合開始剤(例えば、DAROCUR 4265)と、約3重量%の界面活性剤とを含む。好適な界面活性剤の例としては、X−R−(OCHCHOH(式中、R=アルキル、アリール又はポリ(プロピレングリコール)であり、X=H又は−(OCHCHOHであり、nは整数(例えば、2〜20、5〜15又は10〜12)である(例えば、X=−(OCHCHOHであり、R=ポリ(プロピレングリコール)であり、n=10〜12である))、フッ素系界面活性剤(ここではX=全フッ素化アルキル又は全フッ素化エーテルである)、又はそれらの組合せが挙げられる。インプリントレジストの粘度は通例、23℃で0.1cP〜25cP又は5cP〜15cPである。インプリントレジストと空気との界面エネルギーは通例、20mN/m〜36mN/mである。
一例では、前処理組成物は、0重量%〜80重量%(例えば、20重量%〜80重量%又は40重量%〜80重量%)の1つ若しくは複数の単官能性アクリレートと、90重量%〜100重量%の1つ若しくは複数の二官能性若しくは多官能性アクリレート(例えば、前処理組成物は単官能性アクリレートを実質的に含まない)又は20重量%〜75重量%の1つ若しくは複数の二官能性若しくは多官能性アクリレート(例えば、1つ又は複数の単官能性アクリレートが存在する場合)と、0重量%〜10重量%の1つ若しくは複数の光重合開始剤と、0重量%〜10重量%の1つ若しくは複数の界面活性剤とを含む。
前処理組成物は通例、インプリントレジストと相溶性である。前処理組成物は通例、蒸気圧が低く、そのため複合コーティングが重合されるまで、基板上に薄膜として残存する。一例では、前処理組成物の蒸気圧は25℃で1×10−4mmHg未満である。前処理組成物は通例、粘度も低く、基板上での前処理組成物の急速な広がりを促進する。一例では、前処理組成物の粘度は25℃で90cP未満である。前処理組成物と空気との界面エネルギーは通例、30mN/m〜45mN/mである。前処理組成物は通例、使用中に分解が起こらず化学的に安定するように選択される。
(硬化性組成物に混入している不純物)
前処理組成物及びインプリントレジストは、できる限り不純物を含まないことが好ましい。ここで記載する不純物とは、前述した成分以外のものを意味する。したがって、前処理組成物及びインプリントレジストは、精製工程を経て得られたものであることが好ましい。このような精製工程としては、フィルタを用いた濾過等が好ましい。フィルタを用いた濾過を行う際には、具体的には、前述した成分および必要に応じて添加する添加成分を混合した後、例えば、孔径0.001μm以上5.0μm以下のフィルタで濾過することが好ましい。フィルタを用いた濾過を行う際には、多段階で行ったり、多数回繰り返したりすることがさらに好ましい。また、濾過した液を再度濾過してもよい。孔径の異なるフィルタを複数用いて濾過してもよい。濾過に使用するフィルタとしては、ポリエチレン樹脂製、ポリプロピレン樹脂製、フッ素樹脂製、ナイロン樹脂製等のフィルタを使用することができるが、特に限定されるものではない。このような精製工程を経ることで、組成物に混入したパーティクル等の不純物を取り除くことができる。これにより、パーティクル等の不純物によって、硬化性組成物を硬化した後に得られる硬化膜に不用意に凹凸が生じてパターンの欠陥が発生することを防止することができる。
なお、前処理組成物及びインプリントレジストを、半導体集積回路を製造するために使用する場合、製品の動作を阻害しないようにするため、硬化性組成物中に金属原子を含有する不純物(金属不純物)が混入することを極力避けることが好ましい。このような場合、硬化性組成物に含まれる金属不純物の濃度としては、10ppm以下が好ましく、100ppb以下にすることがさらに好ましい。
前処理組成物は、単一の重合性成分(例えば、単官能性アクリレート、二官能性アクリレート又は多官能性アクリレート等の単量体)、2つ以上の重合性成分の混合物(例えば、2つ以上の単量体の混合物)、又は1つ若しくは複数の重合性成分と1つ若しくは複数の他の成分との混合物(例えば、単量体の混合物;2つ以上の単量体と界面活性剤、光重合開始剤又はその両方との混合物等)とすることができる。いくつかの例では、前処理組成物としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシレートトリアクリレート、1,12−ドデカンジオールジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、1,3−アダマンタンジオールジアクリレート、ノナンジオールジアクリレート、m−キシリレンジアクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート又はそれらの任意の組合せが挙げられる。
重合性成分の混合物が相乗効果を生み、単一の重合性成分を含む前処理組成物よりも有益に特性(例えば、低粘度、良好なエッチング耐性及び膜安定性)を兼ね備えた前処理組成物が得られる可能性がある。一例では、前処理組成物は1,12−ドデカンジオールジアクリレートとトリシクロデカンジメタノールジアクリレートとの混合物である。別の例では、前処理組成物はトリシクロデカンジメタノールジアクリレートとテトラエチレングリコールジアクリレートとの混合物である。前処理組成物は概して、複合重合性コーティングの重合中に、前処理組成物の1つ又は複数の成分がインプリントレジストの1つ又は複数の成分と重合する(例えば、共有結合する)ように選択される。場合によっては、前処理組成物はインプリントレジストと同じ重合性成分又はインプリントレジストの1つ又は複数の重合性成分と共通する官能基(例えば、アクリレート基)を有する重合性成分を含む。前処理組成物の好適な例としては、プロポキシル化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートを含む、本明細書に記載されるような多官能性アクリレートが挙げられる。
前処理組成物は、エッチング耐性がインプリントレジストのエッチング耐性とほぼ同程度になることで、エッチング均一性が促されるように選択され得る。いくつかの場合、前処理組成物は、前処理組成物と空気との間の界面での界面エネルギーが前処理組成物とともに用いられるインプリントレジストと空気との間の界面エネルギーより大きくすることで、液体前処理組成物上での液体インプリントレジストの急速な広がりを促し、複合コーティングをテンプレートと接触させる前に基板上に均一な複合コーティングを形成するように選択される。前処理組成物と空気との間の界面エネルギーは通例、インプリントレジストと空気との間又はインプリントレジストの少なくとも1つの成分と空気との間の界面エネルギーよりも1mN/m〜25mN/m、1mN/m〜15mN/m又は1mN/m〜7mN/m大きいが、これらの範囲は、前処理組成物及びインプリントレジストの化学的特性及び物理的特性、並びにこれら2つの液体間で得られる相互作用に基づき変動し得る。表面エネルギーの差が小さすぎると、インプリントレジストの広がりが制限され、滴が球冠状の形状を保持し、前処理組成物により隔てられたままとなる。表面エネルギー間の差が大きすぎると、インプリントレジストが過度に広がり、インプリントレジストのほとんどが隣接滴に向かって移動し、滴の中心が空となり、それにより複合コーティングが滴の中心の上に凸領域を備えることとなる。そのため、表面エネルギー間の差が小さすぎたり又は大きすぎたりすると、得られる複合コーティングは顕著な凸凹領域のある不均一なものとなる。表面エネルギーの差を適切に選択することで、インプリントレジストが急速に広がり、実質的に均一な複合コーティングが得られる。前処理組成物及びインプリントレジストの有益な選択により、充填時間を50%〜90%短縮することが可能となり、そうすることで充填を僅か1秒ほどで又は場合によっては僅か0.1秒足らずで達成することができる。
プロセス400の操作402を参照して、図5Aは基層500と密着層502とを備える基板102を示している。基層500は通例シリコンウエハである。基層500に適した他の材料としては、溶融石英、石英、シリコンゲルマニウム、ガリウムヒ素及びリン化インジウムが挙げられる。密着層502は、重合層と基層500との密着性を向上させることにより、複合コーティングの重合後、テンプレートを重合層から分離する際の重合層の欠陥の形成を低減する働きがある。密着層502の厚さは通例、1nm〜10nmである。密着層502に適した材料の例としては、米国特許第7,759,407号、同第8,361,546号、同第8,557,351号、同第8,808,808号、及び同第8,846,195号(それらは全て引用することにより本明細書の一部をなす)に開示されるものが挙げられる。一例では、密着層は、ISORAD 501、CYMEL 303ULF、CYCAT 4040又はTAG 2678(第四級アンモニウムによってブロックされたトリフルオロメタンスルホン酸)と、PMアセテート(テネシー州キングスポートのEastman Chemical Company製の2−(1−メトキシ)プロピルアセテートからなる溶媒)とを含む組成物から形成される。場合によっては、基板102は、基層500と密着層502との間に1つ又は複数の更なる層を備える。いくつかの場合では、基板102は密着層502上に1つ又は複数の更なる層を備える。簡略化のために、基板102は基層500及び密着層502のみを備えるものとして示している。
図5Bは、前処理組成物を基板102上に配置し、前処理コーティング506を形成した後の前処理組成物504を示している。図5Bに示されるように、前処理コーティング506は基板102の密着層502上に直接形成される。場合によっては、前処理コーティング506は基板102の別の表面上に(例えば、基層500上に直接)形成される。前処理コーティング506は、スピンコート法、ディップコート法、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)等の技法を用いて基板102上に形成される。例えば、スピンコート法又はディップコート法等の場合、前処理組成物を1つ又は複数の溶媒(例えば、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)等)に溶解して、基板に塗布した後、溶媒を蒸発させることで、前処理コーティングを残すことができる。前処理コーティング506の厚さtは通例、1nm〜100nm(例えば、1nm〜50nm、1nm〜25nm又は1nm〜10nm)である。
さらに図4を参照して、プロセス400の操作404は、インプリントレジストの各滴が基板の標的域を覆うように、インプリントレジスト滴を前処理コーティング上に配置することを含む。インプリントレジスト滴の体積は通例、0.6pL〜30pLであり、滴の中心間の距離は通例、35μm〜350μmである。場合によっては、インプリントレジストと前処理コーティングとの体積比は1:1〜15:1である。操作406では、インプリントレジストの各滴がその標的域を超えて広がることで、複合コーティングが形成されるように、複合コーティングを基板上に形成する。本明細書で使用される場合、「前広がり(prespreading)」は滴が初めに前処理コーティングと接触し、標的域を超えて広がる時点と、テンプレートが複合コーティングと接触する時点との間に起こるインプリントレジスト滴の自然な広がりを指す。
図6A〜図6Dは、滴を標的域上に配置した時点での前処理コーティング上でのインプリントレジスト滴、並びに滴が広がる前、広がっている最中、及び広がりきった後での複合コーティングを上から見た図を示している。滴は正方格子に示されているが、滴パターンは正方又は幾何学パターンに限定されない。
図6Aに、滴が標的域602を覆うが、標的域602を超えて広がらないような、滴を初めに前処理コーティング上に配置した時点での前処理コーティング506上の滴600を上から見た図を示す。滴600を前処理コーティング506上に配置した後、標的域よりも大きい基板の表面積を覆うように、滴が自然に広がることにより、基板上に複合コーティングが形成される。図6Bに、前広がり中(標的域602を超えて滴600がいくらか広がった後)、通例インプリントレジストと前処理コーティングとがいくらか混ぜ合わされた後の複合コーティング604を上から見た図を示す。図示されるように、複合コーティング604は液体前処理組成物と液体インプリントレジストとの混合物であり、領域606はインプリントレジストの大部分を含み(インプリントレジストに「富んでおり」)、領域608は前処理組成物の大部分を含んでいる(前処理組成物に「富んでいる」)。前広がりが進行するにつれて、複合コーティング604は前処理組成物とインプリントレジストとのより均質な混合物を形成することができる。
1つ又は複数の領域606が1つ又は複数の隣接する領域606と接触するまで、広がりを進行させることができる。図6C及び図6Dに、広がりきった後の複合コーティング604を示す。図6Cに示されるように、領域606のそれぞれが互いに隣接する領域606に境界610で接触するように広がっており、領域608は領域606間の不連続(非連続)部分まで縮小している。他の場合、図6Dに示されるように、領域608が識別不能となるように、領域606が広がり、連続層を形成している。図6Dでは、複合コーティング604は前処理組成物とインプリントレジストとの均質混合物とすることができる。
図7A〜図7Dは図6A〜図6Dのw−w、x−x、y−y及びz−z線それぞれに沿った断面図である。図7Aは、標的域602に対応する基板102の表面積を覆うインプリントレジストの滴600を示す、図6Aのw−w線に沿った断面図である。各標的域(及び初めに配置された各滴)にはc−c線に示されるように中心があり、b−b線は2つの標的域602の中心から等しく離れた位置を示す。簡略化のために、滴600は基板102の密着層502に接するように示されており、インプリントレジストと前処理組成物との混ざり合いは示されていない。図7Bは、領域606が標的域602を超えて広がった後の領域606が領域608間に露出している複合コーティング604を示す、図6Bのx−x線に沿った断面図である。図7Cは、前処理組成物とインプリントレジストとの均質混合物として複合コーティング604を示す、前広がり終了時の図6Cのy−y線に沿った断面図である。図示されるように、領域606は図7Bより広い基板表面を覆うように広がっており、それに応じて領域608は縮小している。滴600を基とする領域606は凸部として示されているが、複合コーティング604は略平板であるか、又は凹部領域を含み得る。いくつかの場合、前広がりが図7Cに示されるものを超えて続いて、インプリントレジストが前処理コーティング上に連続層を形成することがある(混ざり合わないか、又は完全に若しくは部分的に混ざり合う)。図7Dは、広がりきった後の前処理組成物とインプリントレジストとの均質混合物として複合コーティング604を示す、図6Dのz−z線に沿った断面図であり、滴の中心c−cについての複合コーティングの凹部領域同士が境界610で接しており、そのため滴境界での重合コーティングの厚さは滴の中心の複合コーティングの厚さより大きい。図7C及び図7Dに示されるように、複合コーティングをナノインプリントリソグラフィーテンプレートと接触させる際、2つの標的域の中心から等しく離れた位置にある複合コーティング604の厚さは2つの標的域の一方の中心の複合コーティングの厚さとは異なり得る。
さらに図4を参照して、プロセス400の操作408及び410は、ナノインプリントリソグラフィー基板上に複合重合層を備えるナノインプリントリソグラフィー積層体を得るために、複合コーティングをテンプレートと接触させること及び複合コーティングを重合することをそれぞれ含む。
場合によっては、図7C及び図7Dに示されるように、複合コーティング604は、前広がり終了時の(すなわち、複合コーティングをテンプレートと接触させる直前の)均質混合物又は実質的に均質な混合物(例えば、空気−複合コーティング界面での)である。このようにして、テンプレートは均質混合物と接触して、混合物の大部分は通例、インプリントレジストに由来したものとなる。そのため、インプリントレジストの剥離特性は概して、複合コーティングとテンプレートとの相互作用と、テンプレートと重合層との間の分離力に起因する欠陥の形成(又は欠陥がないこと)を含むテンプレートからの重合層の分離とに影響を及ぼすことになる。
しかしながら、図8A及び図8Bに示されるように、複合コーティング604は、テンプレート110が物理的特性及び化学的特性が異なる複合コーティング604の領域と接触するように、それぞれ前処理組成物に富む領域608とインプリントレジストに富む領域606とを備えていてもよい。簡略化のために、領域606におけるインプリントレジストは前処理コーティングに置き換えて示されており、そのため領域606は基板と直接接しており、混ざり合いは示されていない。したがって、領域608における前処理組成物は厚さが不均一である。図8Aでは、テンプレート110が主に領域606と接するように、領域606の最大高さpは前処理組成物の最大高さiよりも大きい。図8Bでは、テンプレート110が主に領域608と接するように、領域608の最大高さiはインプリントレジストの最大高さpよりも大きい。したがって、得られた複合重合層からのテンプレート110の分離及びそれに伴う欠陥密度は不均一であり、これはテンプレートとインプリントレジストとの相互作用とテンプレートと前処理組成物との相互作用とが異なることに基づいている。そのため、いくつかの前処理組成物(例えば、単一の単量体又は2つ以上の単量体の混合物を含むが、界面活性剤は含まない前処理組成物)では、複合コーティングによって、テンプレートが複合コーティングと接する気液界面にて均質混合物又は少なくとも実質的に均質な混合物が形成されることが有益な場合がある。
図9A〜図9C及び図10A〜図10Cは、複合コーティングをテンプレートと接触させる前、接触させている最中、及び複合重合層からテンプレートを分離し、ナノインプリントリソグラフィー積層体を得た後の基層500と密着層502とを備える基板102上にあるテンプレート110及び複合コーティングを示す断面図である。図9A〜図9Cでは、複合コーティング900は前処理組成物とインプリントレジストとの均質混合物として示されている。図10A〜図10Cでは、複合コーティング1000は前処理組成物とインプリントレジストとの不均質混合物として示されている。
図9Aに基板102上でのテンプレート110と均質複合コーティング900との初期接触の断面図を示す。図9Bでは、テンプレート110は、複合コーティング900がテンプレート110の凹部に充填されるように基板102に向かって前進している。複合コーティング900を重合して、基板102上に均質な重合層を得た後、重合層からテンプレート110を分離する。図9Cに均質な複合重合層904を備えるナノインプリントリソグラフィー積層体902の断面図を示す。
図10Aに、基板102上でのテンプレート110と複合コーティング1000との初期接触の断面図を示す。不均質な複合コーティング1000は領域606と領域608とを備える。図示されるように、領域606のインプリントレジストと領域608の前処理組成物との間で混ざり合いはほとんど又は全く起こっていない。図10Bでは、テンプレート110は、複合コーティング1000がテンプレート110の凹部に充填されるように基板102に向かって前進している。複合コーティング1000を重合して、基板102上に不均質な重合層を得た後、重合層からテンプレート110を分離する。図10Cに、不均一な複合コーティング1000の領域606及び領域608にそれぞれ対応する領域1006及び領域1008を含む不均質な重合層1004を備えるナノインプリントリソグラフィー積層体1002の断面図を示す。そのため、ナノインプリントリソグラフィー積層体1002は化学組成が不均質又は不均一であり、インプリントレジストに富んだ混合物に由来する組成を有する領域1006と、前処理組成物に富む混合物に由来する組成を有する領域1008とを備える。領域1006及び領域1008の相対サイズ(例えば、露出する表面積、覆われるテンプレートの表面積、又は体積)は、複合コーティングとテンプレートとの接触前の前広がり又はテンプレートとの接触に起因する広がりの程度に少なくとも一部応じて変動し得る。場合によっては、複合重合層が境界によって隔てられた複数の中央領域を備えるように、領域1006は領域1008と隔てられていても又は結合していてもよく、境界での複合重合層1004の化学組成は中央領域の内部での複合重合層の化学組成とは異なる。
(凝縮性ガスの使用)
前述のテンプレート110と複合コーティングとの接触は、凝縮性ガスを含む雰囲気(以下、「凝縮性ガス雰囲気」と称する)下で行ってもよい。本明細書において凝縮性ガスとは、テンプレート110上に形成された微細パターンの凹部、およびモールドと基板との間隙に、前処理組成物およびインプリントレジストと一緒に雰囲気中のガスが充填されたとき、充填時に発生する毛細管圧力で凝縮して液化するガスのことを指す。なお凝縮性ガスは、複合コーティングとテンプレートとの接触において前処理組成物およびインプリントレジストとテンプレート110とが接触する前は雰囲気中に気体として存在する。
凝縮性ガス雰囲気下で複合コーティングとテンプレートとの接触を行うと、微細パターンの凹部に充填されたガスが液化することで気泡が消滅するため、充填性が優れる。凝縮性ガスは、前処理組成物および/またはインプリントレジストに溶解してもよい。
凝縮性ガスの沸点は、型接触工程(複合コーティングとテンプレートとの接触)の雰囲気温度以下であれば限定はされないが、−10℃〜23℃が好ましく、さらに好ましくは10℃〜23℃である。この範囲であれば、充填性がさらに優れる。
凝縮性ガスの型接触工程の雰囲気温度での蒸気圧は、型接触工程で押印するときのモールド圧力以下であれば制限がないが、0.1〜0.4MPaが好ましい。この範囲であれば、充填性がさらに優れる。雰囲気温度での蒸気圧が0.4MPaより大きいと、気泡の消滅の効果を十分に得ることができない傾向がある。一方、雰囲気温度での蒸気圧が0.1MPaよりも小さいと、減圧が必要となり、装置が複雑になる傾向がある。
型接触工程(複合コーティングとテンプレートとの接触)の雰囲気温度は、特に制限がないが、20℃〜25℃が好ましい。
凝縮性ガスとして、具体的には、トリクロロフルオロメタン等のクロロフルオロカーボン(CFC)、フルオロカーボン(FC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(CHFCHCF、HFC−245fa、PFP)等のハイドロフルオロカーボン(HFC)、ペンタフルオロエチルメチルエーテル(CFCFOCH、HFE−245mc)等のハイドロフルオロエーテル(HFE)等のフロン類が挙げられる。これらのうち、型接触工程の雰囲気温度が20℃〜25℃での充填性が優れるという観点から、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(23℃での蒸気圧0.14MPa、沸点15℃)、トリクロロフルオロメタン(23℃での蒸気圧0.1056MPa、沸点24℃)、およびペンタフルオロエチルメチルエーテルが好ましい。さらに、安全性が優れるという観点から、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンが特に好ましい。凝縮性ガスは、一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を混合して用いてもよい。
またこれら凝縮性ガスは、空気、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン等の非凝縮性ガスと混合して用いてもよい。凝縮性ガスと混合する非凝縮性ガスとしては、充填性の観点から、ヘリウムが好ましい。ヘリウムはモールド205を透過することができる。そのため、型接触工程でモールド205上に形成された微細パターンの凹部に前処理組成物および/またはインプリントレジストと一緒に雰囲気中のガス(凝縮性ガスおよびヘリウム)が充填されたとき、凝縮性ガスが液化するとともにヘリウムはモールドを透過する。
(さらなる製造プロセスの詳細)
<残膜の除去>
複合重合層からのテンプレートの分離(離型工程)により得られるポリマー化層は、特定のパターン形状を有するものの、このパターン形状が形成される領域以外の領域においても、図2に示すように、残膜204が残る場合がある。そのような場合は、得られたパターン形状を有する硬化膜(重合層)202のうちの除去すべき領域にある残膜204をエッチングガスAなどにより除去する。これにより、所望の凹凸パターン形状(例えば、テンプレート110の凹凸形状に因むパターン形状)を有する残膜のない(基板102の表面の所望の部分が露出した)硬化膜パターンを得ることができる。
ここで、残膜204を除去する方法としては、例えば、パターン形状を有する硬化膜202の凹部である硬化膜(残膜204)をエッチングなどの方法により取り除き、パターン形状を有する硬化膜202が有するパターンの凹部において基板102の表面を露出させる方法が挙げられる。
パターン形状を有する硬化膜202の凹部にある残膜204をエッチングにより除去する場合、その具体的な方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法、例えば、エッチングガスAを用いたドライエッチングを用いることができる。ドライエッチングには、従来公知のドライエッチング装置を用いることができる。そして、エッチングガスAは、エッチングに供される硬化膜の元素組成によって適宜選択されるが、CF、C、C、CCl、CCl、CBrF、BCl、PCl、SF、Cl等のハロゲン系ガス、O、CO、CO等の酸素原子を含むガス、He、N、Ar等の不活性ガス、H、NHのガス等を使用することができる。なお、これらのガスは混合して用いることもできる。
なお、使用される基板102(被加工基板)が、シランカップリング処理、シラザン処理、有機薄膜の成膜、等の表面処理により硬化膜202との密着性を向上させた基板の場合には、パターン形状を有する硬化膜202の凹部にある硬化膜(残膜)のエッチングに引き続いて、前記の表面処理層もエッチングにより除去することができる。
以上の製造プロセスによって、所望の凹凸パターン形状(テンプレート110の凹凸形状に因むパターン形状)を、所望の位置に有する残膜のない硬化膜パターンを得ることができ、硬化膜パターンを有する物品を得ることができる。更に、得られた硬化膜パターンを利用して基板102を加工する場合は、後述する基板の加工工程を行う。
一方、得られた硬化膜パターンは、例えば、後述の半導体加工用途のほか、回折格子や偏光板などの光学部材(光学部材の一部材として用いる場合を含む)として利用し、光学部品を得ることもできる。このような場合、少なくとも、基板102と、この基板102の上に配置された硬化膜パターンと、を有する光学部品とすることができる。
<基板102の加工>
残膜の除去後、残膜のない硬化膜パターン202をレジスト膜として利用して、表面が露出した基板102の一部分に対してドライエッチングを行う。ドライエッチングには、従来公知のドライエッチング装置を用いることができる。そして、エッチングガスは、エッチングに供される硬化膜の元素組成及び基板102の元素組成によって適宜選択されるが、CF、C、C、CCl、CCl、CBrF、BCl、PCl、SF、Cl等のハロゲン系ガス、O、CO、CO等の酸素原子を含むガス、He、N、Ar等の不活性ガス、H、NHのガス等を使用することができる。なお、これらのガスは混合して用いることもできる。上述の残膜除去におけるエッチングガスAと基板加工におけるエッチングガスBは、同一であっても異なっていても良い。
パターン形状を有する硬化膜202において前処理組成物およびインプリントレジストの混合の不均一性が生じる可能性があることは既に述べた。
前処理組成物は、インプリントレジストと同等以上のドライエッチング耐性を有していることが好ましい。これにより、前処理組成物の濃度の高い領域においても基板102を良好に加工することができ、結果として、基板102を均一に加工することができる。
上述した一連の工程(製造プロセス)に加えて電子部品を形成することにより、テンプレート110の凹凸形状に因むパターン形状に基づく回路構造を基板102上に形成することができる。これにより、半導体素子等で利用される回路基板を製造することができる。ここでいう半導体素子とは、例えば、LSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAM、NANDフラッシュ等が挙げられる。また、この回路基板と回路基板の回路制御機構などとを接続することにより、ディスプレイ、カメラ、医療装置などの電子機器を形成することもできる。
また、同様に、残膜のない硬化膜パターンをレジスト膜として利用してドライエッチングにより基板を加工し、光学部品を得ることもできる。
また、基板102として石英基板を用い、硬化膜パターン202をレジスト膜として利用して石英をドライエッチングで加工して、石英インプリントモールドのレプリカ(レプリカモールド)を作製することもできる。なお、基板の材質としては石英の他に、溶融石英、ケイ素、窒化ケイ素、有機ポリマー、シロキサンポリマー、ホウケイ酸ガラス、フッ化炭素ポリマー、金属(例えばクロム、タンタル)、硬化サファイア等、又はそれらの組合せを含み得るが、これらに限定されない。
なお、回路付基板や電子部品を作製する場合、最終的には、加工された基板から硬化膜パターン202を除去してもよいが、素子を構成する部材として残す構成としてもよい。
(前処理コーティング材料、およびインプリントレジストのセット)
上述した本発明の別の側面は、基板上に前処理コーティングとなる液膜を形成し、液膜に対し液滴を付与することで液滴成分の基板面方向の広がりを促進するインプリント前処理コーティング材料を提供するものである。
前処理コーティング材料は重合性成分を有し、且つ付与される液滴と空気との間の界面エネルギーが、前処理コーティング材料と空気との間の界面エネルギーよりも小さいことを特徴とする。これにより、液膜に対し液滴を付与することで液滴成分の基板面方向の広がりが促進され、好適なインプリントを実現することができる。
特に、インプリントレジストと、前処理コーティング材料とを組み合わせたセットとして提供されることが好ましい。すなわち、付与される液滴であるインプリントレジストと空気との間の界面エネルギーが、前処理コーティング材料と空気との間の界面エネルギーよりも小さい、という関係で組み合わせたセットとして提供することで、好適なインプリントを実現する。
さらに前記したように、前処理コーティング材料と空気との間の界面エネルギーと、インプリントレジストと空気との間の界面エネルギーの差が、1mN/m〜25mN/mである組み合わせのセットであるとより好ましい。
また、本発明の別の側面は、前処理コーティング材料を基板上にコーティングすることで、インプリントを行うための好適な基板の前処理方法をも提供するものである。
加えて本発明は、基板上にパターンを形成するためのパターン形成方法をも包含するものである。前処理コーティング材料がコーティングされた基板上にレジストを不連続に滴下する工程を有することで、レジスト成分の基板面方向の広がりが促進され、インプリントに要する時間を短縮することができる。
下記実施例において、インプリントレジストと空気との界面にて報告された界面エネルギーを最大泡圧法により測定した。測定はドイツのハンブルグにあるKruess GmbH製のBP2泡圧張力計を用いて行った。最大泡圧法では、毛細管を用いて液中に形成される気泡の最大内圧を測定する。径が既知の毛細管を用いて、表面張力をヤング−ラプラスの式から算出することができる。前処理組成物のいくつかには、前処理組成物と空気との界面での界面エネルギーについて製造業者からの報告値が与えられる。
粘度は23℃に設定した温度制御浴を用いて小型サンプルアダプタを備えるBrookfieldのDV−II+ Proを使用して測定した。報告される粘度値は5つの測定値の平均である。
密着層は、約77gのISORAD 501と、約22gのCYMEL 303ULFと、約1gのTAG 2678とを合わせて、この混合物をおよそ1900グラムのPMアセテートに入れることにより作製された密着組成物を硬化することで形成し、基板上に調製した。厚さが均一な平板層とはいかないまでも、実質的に平滑となるように、密着組成物を毎分500回転〜4000回転の回転速度にて基板(例えば、シリコンウエハ)上にスピンオンした。スピンオン組成物を160℃の熱化学線エネルギーにおよそ2分間曝した。得られた密着層は約3nm〜約4nmの厚さであった。
比較例1及び実施例1〜実施例3では、空気/インプリントレジスト界面での表面張力が33mN/mであるインプリントレジストを用いて、様々な表面上でのインプリントレジストの広がりを明らかにした。インプリントレジストは、約45重量%の単官能性アクリレート(例えば、イソボルニルアクリレート及びベンジルアクリレート)と、約48重量%の二官能性アクリレート(例えば、ネオペンチルグリコールジアクリレート)と、約5重量%の光重合開始剤(例えば、TPO及び4265)と、約3重量%の界面活性剤(例えば、X−R−(OCHCHOH(式中、R=アルキル、アリール又はポリ(プロピレングリコール)であり、X=H又は−(OCHCHOHであり、nは整数(例えば、2〜20、5〜15又は10〜12)である(例えば、X=−(OCHCHOHであり、R=ポリ(プロピレングリコール)であり、n=10〜12である)の混合物)と、フッ素系界面活性剤(ここでX=全フッ素化アルキル)とを含む重合性組成物とした。
比較例1では、インプリントレジストをナノインプリントリソグラフィー基板の密着層上に直接配置した。図11は、格子パターンでの滴の吐出を開始して1.7秒後における基板の密着層1102上でのインプリントレジスト滴1100の画像である。画像に見られるように、滴1100は基板上の標的域から外側に向かって広がっている。しかしながら、標的域を超えた広がりは制限され、露出密着層1102の面積は滴1100の面積を超えていた。この及び他の画像に見ることができるリング、例えばリング1104はニュートン干渉リングであり、ニュートン干渉リングは滴の様々な領域における厚さの差を示すものである。レジスト滴のサイズはおよそ2.5pLであった。図11では、滴の2×7(ピッチ)インターリーブ格子(例えば、水平方向に2単位、ライン間3.5単位)である。次のラインをそれぞれ水平方向に1単位動かした。
実施例1〜実施例3では、前処理組成物A〜前処理組成物Cをそれぞれナノインプリントリソグラフィー基板上に配置し、前処理コーティングを形成した。インプリントレジスト滴を前処理コーティング上に配置した。図12〜図14は、インプリントレジスト滴の吐出を開始した後の複合コーティングの画像を示している。これらの実施例では前処理組成物とインプリントレジストとの間で混ざり合いが起こるが、簡略化のために、混ざり合いは全く考慮せずにインプリントレジスト滴及び前処理コーティングを以下に記載する。前処理組成物はスピンオンコーティングを介してウエハ基板上に配置した。より具体的には、前処理組成物はPGMEA(0.3重量%の前処理組成物/99.7重量%のPGMEA)に溶解し、ウエハ基板上にスピンオンした。溶媒を蒸発させるにあたり、基板上で得られる前処理コーティングの典型厚さは5nm〜10nm(例えば、8nm)の範囲であった。レジスト滴のサイズは図12〜図14でおよそ2.5pLであった。図12及び図14は滴の2×7(ピッチ)インターリーブ格子(例えば、水平方向に2単位、ライン間3.5単位)である。次のラインをそれぞれ水平方向に1単位動かした。図13は2×6(ピッチ)インターリーブ格子を示している。ピッチ値は84.5μmであった。レジストの体積と前処理層との比は1〜15(例えば、6〜7)の範囲であった。
表1に実施例1〜実施例3に用いられる前処理組成物A〜前処理組成物C及びインプリントレジストについての表面張力(気液界面)を挙げている。
実施例1では、インプリントレジスト滴を前処理組成物A(Sartomer 492又は「SR492」)のコーティングを備える基板上に配置した。Sartomer, Inc.(米国、ペンシルバニア州)製のSR492はプロポキシル化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート(多官能性アクリレート)である。図12は、インターリーブ格子パターンでの不連続部分の吐出を開始して1.7秒後における前処理コーティング1202及び得られた複合コーティング1204上でのインプリントレジスト滴1200の画像を示している。本実施例では、滴が球冠状の形状を保持し、インプリントレジストの広がりは制限される。図12に見られるように、滴1200は比較例1での密着層上でのインプリントレジストを超えて広がるが、滴は前処理コーティング1202により隔てられたままとなり、滴周りに境界1206を形成する。インプリントレジストのいくつかの成分が滴の中心を越えて広がり、滴1200周りに領域1208を形成する。領域1208は前処理コーティング1202により隔てられている。広がりの制限は前処理組成物Aとインプリントレジストとの間の表面張力の差が小さいこと(1mN/m)に少なくとも一部寄与するものであり、そのため滴の広がりには顕著なエネルギーの利点はない。摩擦等の他の因子も広がりの程度に影響を及ぼすことが理解される。
実施例2では、インプリントレジスト滴を前処理組成物B(Sartomer 351HP又は「SR351HP」)のコーティングを備える基板上に配置した。Sartomer, Inc.(米国、ペンシルバニア州)製のSR351HPはトリメチロールプロパントリアクリレート(多官能性アクリレート)である。図13は、正方格子パターンでの滴の吐出を開始して1.7秒後における前処理コーティング1302及び得られた複合コーティング1304上でのインプリントレジスト滴1300の画像を示している。1.7秒後、滴1300が基板の表面積の大部分を覆い、前処理コーティング1302により隔てられ、滴周りに境界1306を形成する。滴1300は実施例1の滴1200よりも均一であるため、実施例1の広がりに対する顕著な改善が観察される。より大きい広がりの程度は実施例1の前処理組成物Aとインプリントレジストとの間の表面張力の差よりも前処理組成物Bとインプリントレジストとの間の表面張力の差が大きいこと(3.4mN/m)に少なくとも一部寄与する。
実施例3では、インプリントレジスト滴を前処理組成物C(Sartomer 399LV又は「SR399LV」)のコーティングを備える基板上に配置した。Sartomer, Inc.(米国、ペンシルバニア州)製のSR399LVはジペンタエリスリトールペンタアクリレート(多官能性アクリレート)である。図14は、三角格子パターンでの滴の吐出を開始して1.7秒後における前処理コーティング1402及び得られた複合コーティング1404上でのインプリントレジスト滴1400の画像を示している。図14に見られるように、滴1400は前処理コーティング1402により境界1406にて隔てられている。しかしながら、インプリントレジストのほとんどが滴境界に集積し、そのため重合性材料のほとんどが滴境界にあり、滴の中心は実質的に空となる。広がりの程度は前処理組成物Cとインプリントレジストとの間の表面張力の差が大きいこと(6.9mN/m)に少なくとも一部寄与する。
欠陥密度は実施例1〜実施例3のインプリントレジスト及び実施例2の前処理組成物Bについての前広がり時間に応じて測定した。図15はテンプレートの非充填に起因する欠陥密度(空隙)を示している。プロット1500にて28nmのライン/スペースパターン領域(line/space pattern regions)についての広がり時間(秒)に応じた欠陥密度(1cm当たりの欠陥数)を示す。欠陥密度は0.9秒で0.1/cm近くになる。プロット1502にて特徴のサイズが或る範囲にあるフィールド全体に亘る広がり時間(秒)に応じた欠陥密度(1cm当たりの欠陥数)を示す。欠陥密度は1秒で0.1/cm近くになる。比較として、前処理を行わないと、通例0.1/cmに近い欠陥密度は、2.5秒〜3.0秒の広がり時間にてフィールド全体で達成される。
前処理組成物PC1〜PC9の特性を表2に示す。PC1〜PC9の重要な特性を以下に示す。粘度は23℃の温度にて本明細書に記載のように測定した。表2に示されるように500msでの直径比(Diam.Ratio)を算出するために、インプリントレジスト滴(滴サイズ約25pL)を、密着層の最上部に前処理組成物(約8nm〜10nmの厚さ)がコートされた基板上に広げ、滴径を500msの経過時間にて記録した。500msにて各前処理組成物を用いたインプリントレジスト滴径を、前処理組成物を用いない密着層上でのインプリントレジスト滴径で除算した。表2に示されるように、500msにおけるPC1上でのインプリントレジスト滴径は前処理コーティングを用いない密着層上でのインプリントレジスト滴径よりも60%大きかった。図16は前処理組成物PC1〜PC9についての時間(ms)に応じた滴径(μm)を示すものである。相対エッチング耐性は各前処理組成物の大西パラメータをインプリントレジストの大西パラメータで除算したものである。PC1〜PC9の相対エッチング耐性(前処理組成物のエッチング耐性とインプリントレジストのエッチング耐性との比)を表2に示す。
PC1:トリメチロールプロパントリアクリレート(Sartomer)
PC2:トリメチロールプロパンエトキシレートトリアクリレート、n 約1.3(大阪有機化学工業株式会社)
PC3:1,12−ドデカンジオールジアクリレート
PC4:ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、平均Mn=575(Sigma-Aldrich)
PC5:テトラエチレングリコールジアクリレート(Sartomer)
PC6:1,3−アダマンタンジオールジアクリレート
PC7:ノナンジオールジアクリレート
PC8:m−キシリレンジアクリレート
PC9:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(Sartomer)
前処理組成物PC3と前処理組成物PC9とを様々な重量比にて合わせて、表3に示される重量比の前処理組成物PC10〜前処理組成物PC13を得た。PC3及びPC9とそれらから形成される混合物との特性の比較から相乗効果が明らかとなった。例えば、PC3は粘度が比較的低く、比較的早いテンプレートの充填が可能であるが、エッチング耐性が比較的低い。これに対して、PC9はエッチング耐性及び膜安定性が比較的良好である(蒸発損失が低い)が、比較的粘性であり、比較的遅いテンプレートの充填を呈する。しかしながら、PC3とPC9とを合わせることで、比較的低い粘性、比較的早いテンプレートの充填及び比較的良好なエッチング耐性を含む有益な特性を兼ね備えた前処理組成物が得られた。例えば、30重量%のPC3と70重量%のPC9とを含む前処理組成物は表面張力が37.2mN/mであり、直径比が1.61であり、大西パラメータが3.5であることが見出された。
図17Aに様々な比のPC3及びPC9(すなわち、100重量%のPC3から100重量%のPC9まで)を含む前処理組成物についての粘度のプロットを示している。図17BにPC3、PC13、PC12、PC11、PC10及びPC9についての滴径(表2に関して記載されているように測定)を示す。図17CにPC3及びPC9の画分に対する表面張力(mN/m)を示す。
多くの実施形態が記載されている。それでも、様々な変更を本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく行うことができることが理解される。したがって、他の実施形態も添付の特許請求の範囲内である。

Claims (45)

  1. ナノインプリントリソグラフィー方法であって、
    重合性成分を含む前処理組成物を基板上に配置して、前記基板上に前処理コーティングを形成する工程と、
    前記前処理コーティング上に、前記基板の標的域を各々が覆う、重合性組成物であるインプリントレジストの不連続部分を配置する工程と、
    前記インプリントレジストの各不連続部分がその標的域を超えて広がることで、前記前処理組成物と前記インプリントレジストとの混合物を含む複合重合性コーティングを前記基板上に形成する工程と、
    前記複合重合性コーティングをテンプレートと接触させる工程と、
    前記複合重合性コーティングを重合させ、前記基板上に複合重合層を得る工程と、
    を有し、
    前記前処理組成物と空気との間の界面エネルギーが、前記インプリントレジストと空気との間の界面エネルギーよりも大きいことを特徴とする、ナノインプリントリソグラフィー方法。
  2. 前記前処理組成物と空気との間の界面エネルギーと、前記インプリントレジストと空気との間の界面エネルギーとの差が、1mN/m〜25mN/m、1mN/m〜15mN/m、又は1mN/m〜7mN/mである、請求項1に記載のナノインプリントリソグラフィー方法。
  3. 前記前処理組成物が単一の単量体を含む、請求項1又は2に記載のナノインプリントリソグラフィー方法。
  4. 前記前処理組成物が実質的に単一の単量体からなる、請求項1又は2に記載のナノインプリントリソグラフィー方法。
  5. 前記前処理組成物が単一の単量体である、請求項1又は2に記載のナノインプリントリソグラフィー方法。
  6. 前記前処理組成物が2つ以上の単量体を含む、請求項1又は2に記載のナノインプリントリソグラフィー方法。
  7. 前記前処理組成物が一官能性、二官能性、又は多官能性アクリレート単量体を含む、請求項1又は2に記載のナノインプリントリソグラフィー方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のナノインプリントリソグラフィー方法に使用するインプリントレジストであって、前記インプリントレジストが、
    0重量%〜80重量%、20重量%〜80重量%、又は40重量%〜80重量%の1つ又は複数の単官能性アクリレートと、
    20重量%〜98重量%の1つ又は複数の二官能性又は多官能性アクリレートと、
    1重量%〜10重量%の1つ又は複数の光重合開始剤と、
    1重量%〜10重量%の1つ又は複数の界面活性剤と、
    を含むことを特徴とするインプリントレジスト。
  9. 前記インプリントレジストが20重量%〜98重量%の1つ又は複数の二官能性又は多官能性アクリレートを含み、単官能性アクリレートを実質的に含まない、請求項8に記載のインプリントレジスト。
  10. 前記インプリントレジストが1つ又は複数の単官能性アクリレートと、20重量%〜75重量%の1つ又は複数の二官能性又は多官能性アクリレートとを含む、請求項8に記載のインプリントレジスト。
  11. 前記前処理組成物の重合性成分と前記インプリントレジストの重合性成分とを反応させ、前記複合重合性コーティングの重合中に共有結合を形成する、請求項1又は2に記載のナノインプリントリソグラフィー方法。
  12. 前記前処理組成物と前記インプリントレジストとがそれぞれ、共通する官能基を有する単量体を含む、請求項1又は2に記載のナノインプリントリソグラフィー方法。
  13. 前記共通する官能基がアクリレート基である、請求項12に記載のナノインプリントリソグラフィー方法。
  14. 前記基板上に前記前処理組成物を配置する工程が、前記基板上に前記前処理組成物をスピンコートすることを含む、請求項1〜7及び11〜13のいずれか一項に記載のナノインプリントリソグラフィー方法。
  15. 前記基板が密着層を備え、基板上に前処理組成物を配置することが該密着層上に該前処理組成物を配置することを含む、請求項1〜7及び11〜14のいずれか一項に記載のナノインプリントリソグラフィー方法。
  16. 前記前処理コーティング上に前記インプリントレジストの不連続部分を配置する工程が、前記前処理コーティング上にインプリントレジスト滴を吐出することを含む、請求項1〜7及び11〜15のいずれか一項に記載のナノインプリントリソグラフィー方法。
  17. 前記複合重合性コーティングを前記テンプレートと接触させる前に、前記インプリントレジストの不連続部分を前記インプリントレジストの少なくとも1つの他の不連続部分と接触させ、2つの不連続部分間に境界を形成する、請求項1〜7及び11〜16のいずれか一項に記載のナノインプリントリソグラフィー方法。
  18. 前記複合重合性コーティングを前記テンプレートと接触させる際に、前記インプリントレジストの不連続部分のそれぞれが、前記前処理組成物により前記インプリントレジストの少なくとも1つの他の不連続部分と隔てられている、請求項1〜7及び11〜17のいずれか一項に記載のナノインプリントリソグラフィー方法。
  19. 前記複合重合性コーティングが前記前処理組成物と前記インプリントレジストとの均質混合物である、請求項1〜7及び11〜18のいずれか一項に記載のナノインプリントリソグラフィー方法。
  20. 前記複合重合性コーティングを重合させる工程が、前記前処理組成物の成分と前記インプリントレジストの成分とを共有結合することを含む、請求項1〜7及び11〜19のいずれか一項に記載のナノインプリントリソグラフィー方法。
  21. 前記複合重合層の化学組成が不均一である、請求項1〜7及び11〜20のいずれか一項に記載のナノインプリントリソグラフィー方法。
  22. 前記前処理組成物が、プロポキシル化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシレートトリアクリレート、1,12−ドデカンジオールジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、1,3−アダマンタンジオールジアクリレート、ノナンジオールジアクリレート、m−キシリレンジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、又はそれらの任意の組合せを含む、請求項1〜21のいずれか一項に記載のナノインプリントリソグラフィー方法。
  23. 前記前処理組成物が、1,12−ドデカンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、又はそれらの組合せを含む、請求項22に記載のナノインプリントリソグラフィー方法。
  24. 前記前処理組成物が、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、又はそれらの組合せを含む、請求項22に記載のナノインプリントリソグラフィー方法。
  25. 前記前処理組成物が、20重量%〜40重量%の1,12−ドデカンジオールジアクリレートと、60重量%〜80重量%のトリシクロデカンジメタノールジアクリレートとを含む、請求項23に記載のナノインプリントリソグラフィー方法。
  26. 前記前処理組成物が、30重量%の1,12−ドデカンジオールジアクリレートと、70重量%のトリシクロデカンジメタノールジアクリレートとを含む、請求項23に記載のナノインプリントリソグラフィー方法。
  27. ナノインプリントリソグラフィー方法であって、
    重合性成分を含む前処理組成物を基板上に配置して、前記基板上に前処理コーティングを形成する工程と、
    前記前処理コーティング上に、前記基板の標的域を各々が覆うインプリントレジストの不連続部分を配置する工程と、
    前記インプリントレジストの各不連続部分がその標的域を超えて広がることで、前記前処理組成物と前記インプリントレジストとの混合物を含む複合重合性コーティングを前記基板上に形成する工程と、
    前記複合重合性コーティングをテンプレートと接触させる工程と、
    前記複合重合性コーティングを重合させ、前記基板上に複合重合層を得る工程と、
    を有し、
    前記前処理組成物と空気との間の界面エネルギーが、前記インプリントレジストの少なくとも1つの成分と空気との間の界面エネルギーよりも大きいことを特徴とする、ナノインプリントリソグラフィー方法。
  28. ナノインプリントリソグラフィー積層体であって、
    基板と、
    前記基板の表面上に形成される複合重合層と、
    を備え、
    前記複合重合層は化学組成が不均一であり、境界によって隔てられた複数の中央領域を含み、前記境界での前記複合重合層の化学組成は前記中央領域の内部の前記複合重合層の化学組成とは異なることを特徴とする、ナノインプリントリソグラフィー積層体。
  29. 前記基板が密着層を備え、前記複合重合層が前記密着層の表面上に形成される、請求項28に記載のナノインプリントリソグラフィー積層体。
  30. 前記複合重合層の前記中央領域及び前記境界が前処理組成物とインプリントレジストとの不均質混合物から形成され、前記インプリントレジストの重合性成分と前記前処理組成物の重合性成分とを反応させ、前記複合重合層の形成中に共有結合を形成する、請求項28又は29に記載のナノインプリントリソグラフィー積層体。
  31. 前記インプリントレジストの前記重合性成分と前記前処理組成物の前記重合性成分とが共通する官能基を有する、請求項30に記載のナノインプリントリソグラフィー積層体。
  32. 前記共通する官能基がアクリレート基である、請求項31に記載のナノインプリントリソグラフィー積層体。
  33. 請求項1〜7及び11〜27のいずれか一項に記載のナノインプリントリソグラフィー方法を有することを特徴とする加工基板の製造方法。
  34. 請求項1〜7及び11〜27のいずれか一項に記載のナノインプリントリソグラフィー方法を有することを特徴とする光学部品の製造方法。
  35. 請求項1〜7及び11〜27のいずれか一項に記載のナノインプリントリソグラフィー方法を有することを特徴とするレプリカモールドの製造方法。
  36. パターン形成方法であって、
    基板上に、重合性成分を含む前処理組成物の前処理コーティングを配置する工程と、
    前記前処理コーティング上に、重合性成分を含むインプリントレジストからなる部分を不連続に配置する工程と、
    前記インプリントレジストがそれぞれ広がり、前記前処理組成物と前記インプリントレジストとの混合物を含む複合重合性コーティングを基板上に形成する工程と、
    表面に凹凸のパターンを有するモールドを前記複合重合性コーティングと接触させる工程と、
    前記複合重合性コーティングを重合させ、前記基板上に複合重合層を得る工程と、
    前記モールドを硬化後の前記複合重合層から引き離す工程と、
    を順に有し、
    前記前処理組成物と空気との間の界面エネルギーが、前記インプリントレジストと空気との間の界面エネルギーよりも大きい、
    ことを特徴とするパターン形成方法。
  37. 請求項36に記載のパターン形成方法を有することを特徴とする加工基板の製造方法。
  38. 請求項36に記載のパターン形成方法を有することを特徴とする光学部品の製造方法。
  39. 請求項36に記載のパターン形成方法を有することを特徴とするレプリカモールドの製造方法。
  40. 基板上に前処理コーティングとなる液膜を形成し、前記液膜に対し液滴を付与することで液滴成分の基板面方向の広がりを促進するインプリント前処理コーティング材料であって、
    前記インプリント前処理コーティング材料は重合性成分を有し、且つ前記液滴と空気との間の界面エネルギーが、前記インプリント前処理コーティング材料と空気との間の界面エネルギーよりも小さいことを特徴とするインプリント前処理コーティング材料。
  41. 請求項40に記載のインプリント前処理コーティング材料と、前記インプリント前処理コーティング材料でコーティングされた基板に滴下するためのインプリントレジストと、を有するセット。
  42. 前記インプリント前処理コーティング材料と空気との間の界面エネルギーと、前記インプリントレジストと空気との間の界面エネルギーの差が、1mN/m〜25mN/mである請求項41に記載のセット。
  43. 請求項41に記載のセットに用いるインプリントレジスト。
  44. 基板上に硬化性組成物を配置してインプリントを行うための前処理方法であって、請求項40に記載のインプリント前処理コーティング材料を基板上にコーティングすることを特徴とする基板の前処理方法。
  45. 基板上にパターンを形成するためのパターン形成方法であって、請求項40に記載のインプリント前処理コーティング材料がコーティングされた基板上にレジストを不連続に滴下する工程を有することを特徴とするパターン形成方法。
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