JP2017142185A - 変位測定装置、変位測定方法およびそのプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一定のピッチを有する模様が空間的に繰り返される2つ以上の繰り返し模様の画像を取得し、位相演算部は、繰り返し模様について、所定の間引き間隔で間引きして生成される間引き画像を補間して得られるモアレ画像の位相を算出する。変位量演算部は、一時点における位相から他の時点における位相との差に基づいて繰り返し模様の変位量を算出する。補正演算処理部は一つの繰り返し模様の変位量から、他の繰り返し模様のピッチの一つの繰り返し模様のピッチに対するピッチ比を乗じた他の繰り返し模様の変位量を補正量として差し引く。
【選択図】図5
Description
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について説明する。
図3は、本実施形態に係る変位測定システム1における測定対象物と撮像部20の配置例を示す図である。図3に示す例では、変位測定システム1は、測定対象物である橋梁Br2の複数の測定点の変位を測定する。各測定点には、マーカMk21〜Mk24が設置される。マーカMk21〜Mk24は、それぞれ鉛直方向に所定のピッチで繰り返される横縞の模様を表す。また、マーカMk21〜Mk24は、いずれもその法線方向が橋梁Br2の長手方向である橋軸方向に平行な方向に向けられている。撮像部20は、橋梁Br2の一端を支持する橋脚上に設置され、その視野内にマーカMk21〜Mk24が表される。撮像される画像においてマーカMk21〜Mk24に表される模様が繰り返される方向は垂直方向となる。これらの模様が、マーカMk21〜Mk24が設置された測定点における鉛直方向への変位量の測定に用いられる。撮像部20の位置は、橋梁Br2の中央部を起点として橋軸方向よりも下方に傾いた方向にある。橋梁Br2は、河川Rvを横切るように設けられているので、橋梁Br2の側面に垂直な方向に撮像部20を設置できない。
次に、本実施形態に係る変位測定システム1の構成について説明する。
図5は、本実施形態に係る変位測定システム1の機能構成を示すブロック図である。変位測定システム1は、変位測定装置10と撮像部20を含んで構成される。
パラメータ入力部11には、変位の算出に用いられる各種のパラメータが入力される。パラメータ入力部11は、データインタフェースを含んで構成されてもよいし、ユーザの操作に応じて各種の情報を入力するマウス、タッチセンサ、キーボードなどの入力デバイスを含んで構成されてもよい。変位の算出に用いられるパラメータについては、演算処理部12の機能とともに説明する。
次に、モアレ画像の位相の算出方法の例について説明する。
位相演算部121は、モアレ画像の位相を算出する手法としてサンプリングモアレ法を用いることができる。サンプリングモアレ法には、単一周波数成分を用いた任意の解析ピッチによる変位分布解析方法と、複数周波数成分を用いた任意の規則性模様による変位分布解析方法とがある。単一周波数成分を用いた任意の解析ピッチによる変位分布解析方法は、従来のサンプリングモアレ法に相当し、複数周波数成分を用いた任意の規則性模様による変位分布解析方法の特殊なケースとみなすことができる。単一周波数成分を用いた任意の解析ピッチによる変位分布解析方法は、測定対象物の表面に所定の方向に等間隔で繰り返される規則性模様に適用可能である。規則性模様として、例えば、輝度値が一定のピッチで水平方向または垂直方向に繰り返される正弦波または矩形波の縞格子が利用可能である。図3、4に示すマーカMk21−Mk24に表される模様は矩形波の縞格子である。解析ピッチは、間引き画像を生成する際の間引き間隔に相当する。以下の説明では、縞格子を表す画像を縞格子画像と呼ぶことがある。複数周波数成分を用いた任意の規則性模様による変位分布解析方法は、測定対象物の表面に所定の方向に、等間隔で2周期以上の繰り返しを有する規則性模様に適用可能である。この規則性模様は、その所定の方向への変位量の測定に用いられる。規則性模様として、正弦波または矩形波の縞格子に限らず、周期毎に繰り返される模様として任意の形状の模様、例えば、文字であっても適用可能である。
位相演算部121には、パラメータとして所定の間引き間隔Tを設定しておく。Tは、2以上の整数である。Tの単位はPixel(画素数)である。Tは、Pと等しくてもよいし、異なっていてもよい。ここで、位相演算部121は、間引きの開始点kとして0からT−1までのそれぞれについて、T個の間引き画像を生成する。位相演算部121は、T個の間引き画像のそれぞれについて、互いに隣接する間引き後の画素の輝度値を補間して、間引き前と同様の間隔で配置された画素毎の輝度値を有するモアレ画像を生成する。間引き画像を生成する手法、モアレ画像を生成する手法として、例えば、特許4831703号公報に記載の手法が利用可能である。生成されたモアレ画像の輝度値fM(i,j;k)は、式(2)で表される。
そして、変位量演算部122は、算出した変位分布Δx(i,j;ω)に振幅分布aM(i,j;ω)もしくは、そのパワーに比例する重み係数を乗算して得られた乗算値を周波数間で合成して、周波数間で平均された変位分布Δx(i,j)を算出する。
位相演算部121は、取得した規則性模様の画像を間引き間隔Tで水平方向に対して間引いて間引き画像を生成する。位相演算部121は、間引きの開始点kとして0からT−1までのそれぞれについて、T個の間引き画像を生成する。位相演算部121は、M個の間引き画像のそれぞれについて、互いに隣接する間引き後の画素の輝度値を補間して、間引き前と同様の間隔で配置された画素毎の輝度値を有する位相がシフトしたモアレ画像を生成する。それぞれのモアレ画像の輝度値gM(i,j;m)は、式(7)で表される。
なお、変位量演算部122は、算出した変位分布Δx(i,j)のうち、各マーカの代表点(例えば、中心点)における変位もしくは各マーカ内の変位の平均値を、各マーカが設置された測定点における変位量として定めてもよい。
また、上記の説明では水平方向の処理を例にしたが、位相演算部121、変位量演算部122は、上述した水平方向の処理を垂直方向に適用した垂直方向の処理を行ってもよいし、水平方向の処理と垂直方向の処理を併用してもよい。
次に、ピッチ演算部123がピッチを算出する手法について説明する。
ピッチ演算部123は、位相演算部121が算出した周波数成分毎のモアレ画像の水平方向の位相勾配gx(φM(i,j;ω))を、例えば、式(9)を用いて算出する。
ピッチ演算部123は、算出した位相勾配gx(φM(i,j;ω))と間引き間隔Tに基づいて測定対象物に表された水平方向のピッチ分布Px(i,j;ω)を、例えば、式(10)を用いて算出する。
なお、変位量演算部122は、算出したピッチ分布Px(i,j)、Py(i,j)のうち、各マーカの代表点(例えば、中心点)におけるピッチもしくは各マーカ内のピッチの平均値を、各マーカが設置された測定点におけるピッチPx、Pyとして定めてもよい。
次に、補正演算処理部124が測定点毎のピッチに基づいて、変位量を補正する手法について説明する。補正演算処理部124は、各測定点におけるピッチPxに対する所定の基準測定点におけるピッチPx,0の比であるピッチ比Px,0/Pxを算出する。補正演算処理部124は、式(12)に示すように、各測定点における水平方向の変位Δxから、ピッチ比Px,0/Pxに基準測定点における変位Δx0を乗算して得られる補正量を差し引くことによって補正後の水平方向の変位Δx’を算出する。
なお、補正演算処理部124は、各測定点における垂直方向の変位Δyについても、同様な手法によって補正することができる。その場合、補正演算処理部124は、垂直方向の変位Δyからピッチ比Py,0/Pyに基準測定点における変位Δy0を乗算して得られる補正量を差し引いて補正毎の垂直方向の変位Δy’を算出する。
次に、本実施形態に係る変位測定処理について説明する。図6は、本実施形態に係る変位測定処理を示すフローチャートである。
(ステップS101)撮像部20は、所定のピッチで繰り返される繰り返し模様を表すマーカが測定点毎に設置された測定対象物の画像を撮像し、撮像した画像を示す画像データを記録する。その後、ステップS102に進む。
(ステップS102)パラメータ入力部11には、変位の解析に用いられる各種のパラメータが入力され、演算処理部12は、入力されたパラメータを設定する。その後、ステップS103に進む。
(ステップS105)表示部13は、各マーカについて算出された補正後の変位量を変位計測結果として表示する。その後、図6に示す処理を終了する。
次に、本実施形態の実施例1として、橋梁の変位量の一測定例について説明する。図7は、本実施例に係る撮像画像の例を示す図である。
図7に示す例では、橋梁Br3の壁高欄に6個のマーカMk31〜Mk36を橋軸方向に一定間隔に設置しておく。橋梁Br3は、PRC(Prestressed Reinforced Concrete)箱桁橋とPRC3径間連続2主版桁橋とから構成される。各マーカMk31〜Mk36には、いずれも鉛直方向に所定のピッチで繰り返される繰り返し模様として横縞が表されている。各マーカMk31〜Mk36の主面は、橋軸方向に向けられている。本実施例では、マーカMk31〜Mk36それぞれの中心点を測定点として、図7(a)に示す散水車の通過前の撮像画像と、図7(b)に示す2台の散水車Vc1、Vc2の通過中の撮像画像とを用いて変位量を測定した。撮像部20は、マーカMk31〜Mk36の全てが表れるように、マーカMk31〜Mk36とほぼ同じ高さであって、橋脚の側面よりも橋軸に近い方向に設置させた。
図8(a)、(b)ともに散水車Vc1、Vc2の通過に伴い、橋梁Br3がたわむために鉛直方向の変位量Δyが大きくなることを表す。時刻13s、16s付近において、散水車Vc1、Vc2の通過に伴う変位量Δyのピークが表れる。但し、図8(a)に示す例では、散水車Vc2の通過後において変位量Δyが急激に上向きに変位する。このことは、散水車Vc2の通過前よりも橋梁Br3が浮き上がることを意味する。変位量Δyの谷は、時刻18s、21s付近に表れ、時刻22s以降にならないと変位量Δyが0に収束しない。このような変位量Δyの挙動は、主に散水車Vc1の通過直後に生じる風の風圧を受けることによって撮像部20の位置や向きが変化すること(ぶれ)が主因と考えられる。これに対し、図8(b)に示す例では、散水車Vc2の通過後における変位量Δyの急激な変化は現れず、変位量Δyは直ちにほぼ0に収束する。この結果は、撮像部20からの距離によって観測されるピッチの差異に基づいて、撮像部20の位置や向きの変化による誤差が解消されることを示す。
次に、本実施形態の実施例2として、橋梁の変位量の他の測定例について説明する。
図10は、本実施形態の実施例2に係る撮像部20と各マーカの設置例を示す図である。図10(a)は、撮像部20の配置を示す。撮像部20は橋台の頭頂部に設置される。また、撮像部20の撮像方向は、水平方向よりも上向きの方向であって、その撮像方向を平面視した方向は橋軸の方向に平行である。図10(b)は、橋梁Br4に設置された5個のマーカMk41〜Mk45の配置を示す。マーカMk41〜Mk44は、互いに同じ高さであって、橋軸の方向に異なる位置に設置される。マーカMk41〜Mk44それぞれの位置は、1つの橋スパンの一端から1/4点、1/2点(中央)、3/4点、1点(他端)である。マーカMk45は、撮像部20が設置された橋台に隣接する橋脚の頂点に固定点として設置されている。マーカMk45の高さは、他のマーカMk41〜Mk44の高さよりも低い位置に設置されている。マーカMk45の中心点は、基準測定点として用いられる。マーカMk45が設けられる橋脚には、橋梁Br4の振動が直に伝達しないので、この基準測定点は固定点として用いられる。この配置により、マーカMk41〜Mk45を表す画像は、いずれも撮像部20が撮像した画像に含まれる。
この構成により、撮像部20から各測定点までの距離が異なる場合であっても、各測定点に設置された繰り返し模様のピッチに基づいて、他の繰り返し模様が設置された測定点における変位量を基準として、一つの繰り返し模様が設置された変位量が補正される。撮像された画像に基づいて一度に複数の測定点の変位量を高い精度で測定するために、各測定点までの距離が等しいと近似できる位置に撮像部20を設置する必要がなくなる点で設置条件の制約が緩和される。
この構成により、撮像部20と各測定点に設置された繰り返し模様との位置関係に応じて異なる繰り返し模様のピッチを、撮像された画像から取得することができる。そのため、測定点毎のピッチを予め別個の手段で取得ならびに設定する必要がなくなる。
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について説明する。上述した実施形態と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を援用する。
図12は、本実施形態に係る変位測定システム1Aにおける測定対象物と撮像部20の配置例を示す図である。図12に示す例では、変位測定システム1Aは、測定対象物である橋梁Br5の複数の測定点の変位を測定する。各測定点には、マーカMk51〜Mk55が設置される。マーカは、それぞれ鉛直方向に所定のピッチで繰り返される横縞の模様を表す。また、マーカMk51〜Mk53は、いずれも橋梁Br5の側面に表示または貼付されている。マーカMk54、Mk55は、橋脚の側面に表示または貼付されている。撮像部20は、橋梁Br5の側面に対して交差する方向であって、橋梁Br5が横切る河川Rvの河岸の一方に設置される。
次に、本実施形態に係る変位測定システム1Aの構成について説明する。
図14は、本実施形態に係る変位測定システム1Aの機能構成を示すブロック図である。変位測定システム1Aは、変位測定装置10Aと撮像部20を含んで構成される。
演算処理部12Aは、撮像部20から有線または無線で入力される画像データに基づいて測定対象物上の測定点毎の変位量を算出する。演算処理部12Aは、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの制御デバイスを含んで構成される。制御デバイスは、所定の制御プログラムで指示される処理を実行することによって、その機能を実現してもよい。演算処理部12Aは、位相演算部121、変位量演算部122、射影変換部125、補間処理部126、および補正演算処理部127を含んで構成される。
次に、射影変換部125が行う射影変換の処理について説明する。図15は、射影変換の一例を示す図である。射影変換を行う前における、変換前の座標(i,j)と射影変換によって与えられる対応点の座標(I,J)との関係を式(13)に示す。
図15(b)は、変換後の対応点の座標の配置例を示す。変換後の対応点は、互いに直交する直線からなる直交格子の各格子点上に配置される。各格子点の座標は、水平方向ならびに垂直方向に等間隔に分布する対応点の座標に相当する。この例では、被写体である橋梁やビルディングなどのインフラ構造物の形状が長方体であること、または、被写体の表面に表れている特徴点が一定の空間周期で繰り返されていることを利用している。すなわち、一般的な射影変換では、変換前後の2枚の画像を必要とするのに対して、本実施形態は、変換前の1枚の画像のみを用いて射影変換を行う点に特徴がある。
式(14)−(16)は、式(13)を展開して得られる式(17)に基づいて得られる。
通例、射影変換パラメータa1,a2,…,a8の算出に用いられる画像は、射影変換の対象となる画像とは異なる時刻において撮像される。撮像部20と測定対象物の位置関係が変化しなければ、射影変換部125は、射影変換パラメータa1,a2,…,a8を算出し、画像データを構成する各座標(i,j)と変換後の対応点の座標(I,J)との関係を示す変換テーブルを予め生成しておいてもよい。その場合、射影変換部125は、変換テーブルを参照して、画像データを構成する各座標(i,j)に対応する変換テーブルを参照して対応点の座標(I,J)を定める。
次に、本実施形態に係る変位測定処理について説明する。図17は、本実施形態に係る変位測定処理を示すフローチャートである。図17に示す処理は、ステップS101、S106、S102、S103およびS105を有する。図17に示す処理では、ステップS101の後、ステップS106の処理に進む。
(ステップS106)射影変換部125は、記録した画像データが示す画像を射影変換する。補間処理部126は、射影変換により得られた変換後の座標毎の輝度値を線形補間して、所定の座標毎の輝度値を算出する。その後、ステップS102、S103およびS105の処理を行う。
この構成により、撮像部20から各測定点までの距離が異なる場合であっても、撮像された画像に表される各測定点に設置された繰り返し模様のピッチが等しくなる。従来、画像に表されたピッチの差異によって、他の繰り返し模様が設置された測定点における変位量を基準として補正された一つの繰り返し模様が設置された変位量の誤差が生じていたが、この誤差が解消される。そのため、撮像された画像に基づいて一度に複数の測定点の変位量を高い精度で測定するために、各測定点までの距離が等しいと近似できる位置に撮像部20を設置する必要がなくなる点で撮像部20の設置条件の制約が緩和される。加えて、従来法では、各測定点に設置されたマーカ毎に異なる解析パラメータで変位を解析していたが、本実施形態では1つの解析パラメータで変位を解析することができる。そのため、解析時間が大幅に短縮し、解析パラメータの設定に係る作業が軽減される。
変位測定装置10、10Aは、必ずしもパラメータ入力部11と表示部13と一体化されていなくてもよい。変位測定装置10、10Aにおいて、パラメータ入力部11と表示部13の一方または両方は省略されてもよい。
また、ピッチ演算部123がモアレ画像の位相勾配に基づいて繰り返し模様のピッチを算出する場合を例にしたが、これには限られない。ピッチ演算部123は、例えば、モアレ画像の画素毎の輝度値と、所定の方向に変位させたモアレ画像の画素毎の輝度値に基づいて自己相関を算出し、自己相関が最大となる変位量を、ピッチとして定めてもよい。また、ピッチ演算部123は、モアレ画像の画素毎の輝度値を画素間でフーリエ変換して得られる空間周波数毎のパワーが最大となる空間周波数に対応する波長をピッチとして定めてもよい。
その場合、補正演算処理部124は、各測定点における水平方向の変位Δxから、正規化ピッチ比Px,0・Px’/Px・Px,0’に基準測定点における変位Δx0を乗算して得られる補正量を差し引くことによって補正後の水平方向の変位Δx’を算出する。正規化ピッチ比は、式(12)に示すピッチ比Px,0/Pxに、さらに被写体上の基準観測点に表された模様のピッチPx,0’に対する被写体上の各測定点に表された模様のピッチPx’の比Px,0’/Px’で除算して算出される。基準観測点に表された模様のピッチPx,0’と各測定点に表された模様のピッチPx’は、予め補正演算処理部124に設定しておけばよい。これにより、被写体上に表された模様の測定間におけるピッチの差異が補償される。
また、補正演算処理部124、127から出力される測定点毎の変位量は、ある時点で撮像された画像に基づくその時点の変位量だけでもよいし、逐次に撮像された画像に基づく、それぞれの時点の変位量からなる時系列であってもよい。変位量の時系列は、各観測点における振動を表す。
また、上述した実施形態における変位測定装置10、10Aの一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。変位測定装置10または変位測定装置10Aの各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
Claims (6)
- 一定のピッチを有する模様が空間的に繰り返される2つ以上の繰り返し模様の画像を取得し、
前記繰り返し模様について、所定の間引き間隔で間引きして生成される間引き画像を補間して得られるモアレ画像の位相を算出する位相演算部と、
一時点における前記位相から他の時点における前記位相との差に基づいて前記繰り返し模様の変位量を算出する変位量演算部と、
一つの繰り返し模様の変位量から、他の繰り返し模様のピッチの前記一つの繰り返し模様のピッチに対するピッチ比を乗じた前記他の繰り返し模様の変位量を補正量として差し引く補正演算処理部と、
を備える変位測定装置。 - 前記位相の勾配に基づいて前記繰り返し模様のピッチを算出するピッチ演算部、をさらに備える請求項1に記載の変位測定装置。
- 前記位相に基づく前記他の繰り返し模様のピッチの前記位相に基づく前記一つの繰り返し模様のピッチに対するピッチ比を、被写体に表された前記他の繰り返し模様のピッチの前記被写体に表された前記一つの繰り返し模様のピッチに対するピッチ比で正規化した正規化ピッチ比を前記他の繰り返し模様の変位量に乗じて前記補正量を算出する請求項1または請求項2に記載の変位測定装置。
- 一定のピッチを有する模様が空間的に繰り返される2つ以上の繰り返し模様を表す画像を取得し、
前記画像を射影変換する射影変換部と、
前記繰り返し模様について、所定の間引き間隔で間引きして生成される間引き画像を補間して得られるモアレ画像の位相を算出する位相演算部と、
一時点における前記位相から他の時点における前記位相との差に基づいて前記繰り返し模様における変位量を算出する変位量演算部と、
一つの繰り返し模様における変位量から、他の繰り返し模様の変位量を補正量として差し引く補正演算処理部と、
を備える変位測定装置。 - 変位測定装置における変位測定方法であって、
一定のピッチを有する模様が空間的に繰り返される2つ以上の繰り返し模様の画像を取得する画像取得ステップと、
前記繰り返し模様について、所定の間引き間隔で間引きして生成される間引き画像を補間して得られるモアレ画像の位相を算出する位相演算ステップと、
一時点における前記位相から他の時点における前記位相との差に基づいて前記繰り返し模様の変位量を算出する変位量演算ステップと、
一つの繰り返し模様の変位量から、他の繰り返し模様のピッチの前記一つの繰り返し模様のピッチに対するピッチ比を乗じた前記他の繰り返し模様の変位量を補正量として差し引く補正演算処理ステップと、
を有する変位測定方法。 - 変位測定装置のコンピュータに、
一定のピッチを有する模様が空間的に繰り返される2つ以上の繰り返し模様の画像を取得する画像取得手順、
前記繰り返し模様について、所定の間引き間隔で間引きして生成される間引き画像を補間して得られるモアレ画像の位相を算出する位相演算手順、
一つの時点における前記位相から他の時点における前記位相との差に基づいて前記繰り返し模様の変位量を算出する変位量演算手順、
一つの繰り返し模様の変位量から、他の繰り返し模様のピッチの前記一つの繰り返し模様のピッチに対するピッチ比を乗じた前記他の繰り返し模様の変位量を補正量として差し引く補正演算処理手順、
を実行させるためのプログラム。
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