JP7011093B1 - 変位計測装置および変位計測方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】マーカ、ひいては物体の変位を高分解能かつ容易に計測可能な変位計測装置および変位計測方法を提供する。【解決手段】マーカには、周期模様と幾何学模様とが記される。サンプリングモアレ部26は、各マーカ画像(29a,29b)内の各周期模様を対象に、サンプリングモアレ法を用いてモアレ縞の位相を検出し、各画像間でのモアレ縞の位相差を、モアレ縞の1周期の範囲で算出する。位相限定相関部27は、各マーカ画像(29a,29b)内の各幾何学模様を対象に、位相限定相関法を用いて各画像間の相関を算出することで、幾何学模様のシフト量を算出する。変位量算出部28は、この幾何学模様のシフト量に基づいて、サンプリングモアレ部で算出されたモアレ縞の位相差に加わる周期ズレの大きさを判別し、それを反映してマーカの変位量を算出する。【選択図】図4

Description

本発明は、変位計測装置および変位計測方法に関する。
特許文献1には、柱状構造物に付した所定のパターンを撮影した時系列画像データを入力し、当該時系列画像データから柱状構造物に発生している変位を求め、当該変位から柱状構造物の固有振動数を求め、当該固有振動数に基づいて柱状構造物の状態を判定する方法が示される。柱状構造物に発生している変位を求める際には、ディジタル画像相関法又はモアレ縞位相解析法が用いられる。
特許文献2には、サンプリングモアレ法を用いて対象表面における計測点の変位を計測する際に、対象面の傾き又は計測方向による誤差を低減可能にする方法が示される。また、特許文献3には、単一カメラから得た画像に基づき、サンプリングモアレ法を用いて物体の面内変位および面外変位を測定する方法が示される。
特開2018-141663号公報 特開2019-11984号公報 国際公開第2017/029905号
物体の変位を計測する方式として、特許文献1に示されるように、画像マッチングを利用したディジタル画像相関法や、モアレ縞を利用したモアレ縞位相解析法等が知られている。ディジタル画像相関法の一つとして、画像の位相情報に基づいて変位を計測する位相限定相関法が知られている。モアレ縞位相解析法の一つとして、特許文献2および特許文献3に示されるようなサンプリングモアレ法が知られている。
ここで、位相限定相関法を用いると、計測時点の間で物体が大きく変位した場合でも、それを検出することが可能である。ただし、位相限定相関法では、通常、画素単位の分解能でしか物体の変位を計測することができない。一方、サンプリングモアレ法を用いると、サブ画素単位の分解能で物体の変位を計測することが可能になる。ただし、サンプリングモアレ法では、計測時点の間で物体が大きく変位した場合、すなわち、モアレ縞に周期ズレが生じた場合に、それを検知することは困難となり得る。このように、各計測方式には、それぞれ、メリット/デメリットがあるため、一般的に、個々の計測方式毎にデメリットを低減するための技術開発が進められている。
本発明は、このようなことに鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、マーカ、ひいては物体の変位を高分解能かつ容易に計測可能な変位計測装置および変位計測方法を提供することにある。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
本発明の代表的な実施の形態による変位計測装置は、マーカを撮像することでマーカ画像を作成する撮像装置と、撮像装置によって作成されたマーカ画像に基づいてマーカの変位を計測する変位計測器と、を有する。マーカには、周期模様と幾何学模様とが記される。変位計測器は、サンプリングモアレ部と、位相限定相関部と、変位量算出部と、を有する。サンプリングモアレ部は、第1の時点で撮像された第1のマーカ画像内の周期模様と、その後の第2の時点で撮像された第2のマーカ画像内の周期模様とを対象に、サンプリングモアレ法を用いてモアレ縞の位相を検出し、第1のマーカ画像における位相と第2のマーカ画像における位相との位相差を、モアレ縞の1周期の範囲で算出する。位相限定相関部は、第1のマーカ画像内の幾何学模様と、第2のマーカ画像内の幾何学模様とを対象に、位相限定相関法を用いて第1のマーカ画像と第2のマーカ画像との相関を算出することで、第1の時点から第2の時点までの間で生じた幾何学模様のシフト量を算出する。変位量算出部は、位相限定相関部で算出された幾何学模様のシフト量に基づいて、サンプリングモアレ部で算出されたモアレ縞の位相差に加わる周期ズレの大きさを判別し、モアレ縞の位相差と周期ズレの大きさとに基づいて、マーカの変位量を算出する。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、マーカ、ひいては物体の変位を高分解能かつ容易に計測することが可能になる。
本発明の実施の形態1による変位計測システムの構成例を示す概略図である。 図1におけるマーカの構成例を示す概略図である。 図1における変位計測装置の概略構成例を示すブロック図である。 図3における変位計測器の主要部の概略構成例を示すブロック図である。 図4におけるサンプリングモアレ部の構成例を示すブロック図である。 図5における位相検出部の処理内容の一例を説明する模式図である。 図4における位相限定相関部の構成例を示すブロック図である。 図4における変位量算出部の処理内容の一例を説明する概念図である。 本発明の実施の形態2による変位計測システムにおいて、図1におけるマーカの構成例を示す概略図である。
以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまでも一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
(実施の形態1)
《変位計測システムの概略》
図1は、本発明の実施の形態1による変位計測システムの構成例を示す概略図である。図2は、図1におけるマーカの構成例を示す概略図である。図1に示す変位計測システムは、物体3に装着されたマーカ1と、カメラ等の撮像装置を含む変位計測装置2とを有する。物体3は、例えば、立坑工事等の建設現場において地盤上に設置された建造物や、または、地盤そのもの等である。
変位計測装置2は、物体3に装着されたマーカ1を撮像することでマーカ画像を作成し、当該マーカ画像に基づいてマーカ1の変位、ひいては、地盤の変位を計測する。これにより、地盤の変位状況を監視することができ、例えば、土砂崩れ等の事故発生の兆候を早期に検知できる。その結果、事故を未然に防止でき、作業者の安全を確保することが可能になる。
明細書では、図1に示されるように、変位計測装置2内のカメラの光軸方向をZ軸とし、Z軸に直交する面の面方向において、一方向(水平方向)をX軸とし、当該一方向に直交する方向(垂直方向)をY軸とする。変位計測装置2内のカメラは、マーカ1の面がXY面となるように設置される。マーカ1の面(XY面)には、例えば、図2に示されるような模様が記されている。
図2に示すマーカ1aには、幾何学模様1a1と周期模様1a2とが、互いに重複しないように、例えばX軸方向に並んで記されている。幾何学模様1a1は、位相限定相関法で用いられる。幾何学模様1a1は、この例では、6個の円を60°刻みで配置したものとなっている。ただし、これに限らず、幾何学模様1a1は、一般的に知られている様々な模様であってよく、特に、X軸方向およびY軸方向に周期的な成分を含まないような模様であればよい。
一方、周期模様1a2は、サンプリングモアレ法で用いられる。この例では、周期模様1a2は、格子模様となっており、X軸方向およびY軸方向において、黒レベルの四角が白レベルの四角を挟んで等間隔で配置されている。黒レベルまたは白レベルの四角のX軸方向のピッチはWx[mm]であり、Y軸方向のピッチはWy[mm]であり、ピッチWx,Wyは、例えば、数mm~数十mm等であってよい。
また、図2に示した格子模様は、実質的には、X軸方向またはY軸方向に並んだストライプ模様と等価であり、周期模様1a2は、格子模様に限らず、このようなストライプ模様であってもよい。すなわち、格子模様に対して画像処理、詳細にはY軸方向に沿った平均化処理を行うことでX軸方向に並んだストライプ模様に変換できる。同様に、格子模様に対して画像処理、詳細にはX軸方向に沿った平均化処理を行うことでY軸方向に並んだストライプ模様に変換できる。
《変位計測装置の概略》
図3は、図1における変位計測装置の概略構成例を示すブロック図である。図3に示す変位計測装置2は、マーカ1を撮像することでマーカ画像を作成する撮像装置10と、撮像装置10によって作成されたマーカ画像に基づいてマーカ1、ひいては物体3の変位を計測する変位計測器20とを備える。撮像装置10は、代表的には、デジタルカメラ等である。変位計測器20は、例えば、PC(Personal Computer)等の情報処理装置や、または、専用の画像処理装置等である。ただし、撮像装置10および変位計測器20は、例えば、カメラ付きの情報処理装置等の形態で同一の装置内に実装されてもよい。
撮像装置10は、レンズ11と、イメージセンサ12と、演算器13と、内部メモリ14と、通信インタフェース15とを備える。この内、演算器13、内部メモリ14および通信インタフェース15は、互いにバスで接続される。演算器13、内部メモリ14および通信インタフェース15は、例えば、1個のマイクロコントローラ等に実装されてもよい。
レンズ11は、マーカ1からの光をイメージセンサ12に集光する。イメージセンサ12は、代表的には、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサや、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等であり、アレイ状に配置された複数の画素を含む。イメージセンサ12の各画素は、レンズ11で集光された光の光量に応じた電気信号を生成する。イメージセンサ12は、各画素で生成された電気信号を演算器13へ送信する。
内部メモリ14は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリであり、マイクロコントローラ内の内蔵メモリや、または、メモリカード等の外付けメモリ等に該当する。演算器13は、イメージセンサ12からの電気信号に基づいてマーカ画像を作成し、作成したマーカ画像を内部メモリ14に格納する。この際に、演算器13は、マーカ画像を、撮像時刻の情報を付加した上で内部メモリ14に格納してもよい。
演算器13は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、またはDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサ13aと、RAM(Random Access Memory)13bとを備える。プロセッサ13aは、例えば、内部メモリ14からRAM13bへ展開された制御プログラムを実行することで、イメージセンサ12からの電気信号に応じたマーカ画像を作成する。
通信インタフェース15は、変位計測器20(その中の通信インタフェース21)との間でデータの送受信を行う。その一つとして、通信インタフェース15は、内部メモリ14に格納されたマーカ画像を変位計測器20へ送信する。通信インタフェース15と通信インタフェース21との間は、有線または無線で接続される。この際には、例えば、インターネット等の外部ネットワークを介して接続される形態を用いてもよい。
外部ネットワークを用いる場合には、例えば、無線通信用の通信インタフェース15を備えた撮像装置10を建設現場に固定的に設置し、変位計測器20を建設会社の社内サーバ装置等に実装するような形態が有益となる。この場合、撮像装置10は、撮像したマーカ画像を、逐次、外部ネットワークを介して社内サーバ装置へ送信し、社内サーバ装置は、当該マーカ画像に基づいて変位計測を行うことが可能である。
変位計測器20は、演算器22と、内部メモリ23と、通信インタフェース21とを備える。演算器22、内部メモリ23および通信インタフェース21は、互いにバスで接続される。例えば、変位計測器20を専用の画像処理装置等で構成する場合、演算器22、内部メモリ23および通信インタフェース21は、1個のマイクロコントローラに実装されてもよい。内部メモリ23は、例えばフラッシュメモリやハードディスクドライブ等の不揮発性メモリである。通信インタフェース21は、例えば、通信インタフェース15からのマーカ画像を受信し、それを内部メモリ23に格納する。
演算器22は、CPU、GPU、またはDSP等のプロセッサ22aと、RAM22bとを備える。演算器22は、例えば、内部メモリ23に格納されたマーカ画像に対して所定の画像処理を実行することで物体3の変位を計測する。この際に、プロセッサ22aは、例えば、内部メモリ23からRAM22bへ展開された変位計測プログラムを実行することで変位計測を行う。なお、演算器22は、プロセッサ22aに限らず、一部または全てがFPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアで構成されてもよい。すなわち、演算器22は、ソフトウェア方式、ハードウェア方式、あるいはその組み合わせによって適宜構成されればよい。これは、撮像装置10内の演算器13に関しても同様である。
《変位計測器の概略》
図4は、図3における変位計測器の主要部の概略構成例を示すブロック図である。図4に示す変位計測器20は、画素領域設定部25と、サンプリングモアレ部26と、位相限定相関部27と、変位量算出部28とを備える。これらの各部は、例えば、プロセッサ22aが変位計測プログラムを実行することで実現される。また、変位計測器20内の内部メモリ23には、基準時点で撮像装置10によって撮像および作成された基準用マーカ画像29aと、基準時点よりも後の計測時点で撮像装置10によって撮像および作成された計測用マーカ画像29bとが格納される。明細書では、基準用マーカ画像29aおよび計測用マーカ画像29bを総称して、マーカ画像29と呼ぶ。
画素領域設定部25は、マーカ画像29に含まれる周期模様1a2の領域情報30と、幾何学模様1a1の領域情報31とを生成する。具体的には、画素領域設定部25は、マーカ画像29において、幾何学模様1a1および周期模様1a2のそれぞれがどの画素領域に存在するかの情報を生成する。各領域情報30,31は、図1のシステムを構築した段階で固定的に定められる。
また、例えば、領域情報30が表す周期模様1a2の外枠は、図2に示した周期模様1a2の外枠よりもある程度内側に設定される。これは、マーカ1aがX軸方向またはY軸方向に変位した場合でも、周期模様1a2の画像の中に不要な画像が入り込まないようにするためである。幾何学模様1a1に関しても同様である。
サンプリングモアレ部26は、画素領域設定部25からの領域情報30に基づいて、基準用マーカ画像29a内の周期模様1a2と、計測用マーカ画像29b内の周期模様1a2とを対象に、サンプリングモアレ法を用いて画像処理を行う。概略的には、サンプリングモアレ部26は、サンプリングモアレ法を用いて、基準用マーカ画像29aおよび計測用マーカ画像29bから得られるモアレ縞の位相をそれぞれ検出する。そして、サンプリングモアレ部26は、基準用マーカ画像29aにおけるモアレ縞の位相と計測用マーカ画像29bにおけるモアレ縞の位相との位相差Δφx,Δφy[rad]をモアレ縞の1周期の範囲で算出する。位相差Δφxは、X軸方向の位相差であり、位相差Δφyは、Y軸方向の位相差である。
位相限定相関部27は、画素領域設定部25からの領域情報31に基づいて、基準用マーカ画像29a内の幾何学模様1a1と、計測用マーカ画像29b内の幾何学模様1a1とを対象に、位相限定相関法を用いて画像処理を行う。概略的には、位相限定相関部27は、位相限定相関法を用いて、基準用マーカ画像29aと計測用マーカ画像29bとの相関を算出することで、基準時点から計測時点までの間で生じた幾何学模様1a1のシフト量ΔPx,ΔPy[画素(px)]を算出する。シフト量ΔPxは、X軸方向のシフト量であり、シフト量ΔPyは、Y軸方向のシフト量である。
変位量算出部28は、位相限定相関部27で算出された幾何学模様1a1のシフト量ΔPx,ΔPy[px]に基づいて、サンプリングモアレ部26で算出されたモアレ縞の位相差Δφx,Δφy[rad]に加わる周期ズレの大きさを判別する。そして、変位量算出部28は、当該モアレ縞の位相差Δφx,Δφy[rad]と周期ズレの大きさとに基づいて、マーカ1aの変位量Dx,Dy[mm]を算出する。変位量Dxは、X軸方向の変位量であり、変位量Dyは、Y軸方向の変位量である。
このような方式を用いることで、マーカ1a、ひいては物体3の変位を高分解能かつ容易に計測することが可能になる。具体的に説明すると、まず、位相限定相関法を用いると、画像の輝度やコントラスト、軽微なノイズ等に影響されることなく、マーカ1aのシフト量ΔPx,ΔPyを容易に計測できる。さらに、位相限定相関法を用いると、マーカ1aが大きく変位した場合であっても、マーカ1aのシフト量ΔPx,ΔPyを問題無く計測できる。ただし、位相限定相関法によって得られる分解能は、通常、イメージセンサ12の画素単位となる。
一方、サンプリングモアレ法では、実質的に、イメージセンサ12で撮像した周期模様1a2を拡大したものであるモアレ縞を用いて、マーカ1aの変位を計測することができる。このため、サンプリングモアレ法では、画素単位よりも高分解能であるサブ画素単位の分解能を容易に実現できる。ただし、サンプリングモアレ法では、モアレ縞の周期ズレの有無を判別することが容易でない。このため、マーカ1aが大きく変位した場合、特に、連続する計測時点の間で図2のピッチWx,Wyよりも大きく変位した場合に、正しい計測結果が得られない恐れがある。
そこで、図4のように、サンプリングモアレ部26と位相限定相関部27とを併用し、位相限定相関部27からのシフト量ΔPx,ΔPyに基づいて、サンプリングモアレ部26におけるモアレ縞の周期ズレの有無およびその大きさを判別することが有益となる。その結果、サンプリングモアレ法によって高分解能を実現しつつ、そのデメリットとなる周期ズレの問題を位相限定相関法によって補うことが可能になる。なお、この際には、サンプリングモアレ部26と位相限定相関部27との間で生じる相対誤差を防止するため、図2に示した幾何学模様1a1および周期模様1a2を含むマーカ1a全体を1台の撮像装置10で一度に撮像するように構成することが望ましい。
《サンプリングモアレ部の詳細》
図5は、図4におけるサンプリングモアレ部の構成例を示すブロック図である。図6は、図5における位相検出部の処理内容の一例を説明する模式図である。図5に示すサンプリングモアレ部26は、位相検出部35と、位相差算出部36とを有する。位相検出部35は、基準用マーカ画像29a内の周期模様1a2を対象に、サンプリングモアレ法を用いてモアレ縞の基準位相RPx,RPyを検出する。同様に、位相検出部35は、計測用マーカ画像29b内の周期模様1a2を対象に、サンプリングモアレ法を用いてモアレ縞の計測位相MPx,MPyを検出する。
ここで、基準位相RPxおよび計測位相MPxは、X軸方向に並ぶ周期模様1a2から得られたモアレ縞の位相である。同様に、基準位相RPyおよび計測位相MPyは、Y軸方向に並ぶ周期模様1a2から得られたモアレ縞の位相である。図2で述べたように、位相検出部35は、基準位相RPxおよび計測位相MPxを検出する場合、その前処理として格子模様をX軸方向に並んだストライプ模様に変換する。同様に、位相検出部35は、基準位相RPyおよび計測位相MPyを検出する場合、その前処理として格子模様をY軸方向に並んだストライプ模様に変換する。
図6には、位相検出部35で用いられるサンプリングモアレ法の原理が示される。図6において、ピッチpで配置された複数の画素Pを有する撮像装置10は、マーカ1aを撮像することで周期模様1a2を含んだマーカ画像29を作成する。位相検出部35は、このマーカ画像29内の周期模様1a2を対象に、サンプリングモアレ法に基づき次のような処理を行うことで、モアレ縞の位相を検出する。
まず、位相検出部35は、マーカ画像29内の周期模様1a2を対象に、画素Pを所定の間隔で(代表的には4画素に1画素ずつ)サンプリングすることで、サンプリング画像を作成する。この際に、位相検出部35は、このサンプリングする画素位置を順にシフトすることで、4個のサンプリング画像40[0]~40[3]を作成する。
続いて、位相検出部35は、4個のサンプリング画像40[0]~40[3]を対象にそれぞれ内挿を行うことで、モアレ縞を含んだ4個のモアレ画像41[0]~41[3]を作成する。次いで、位相検出部35は、モアレ画像41[0]に含まれるモアレ縞の位相、詳細にはモアレ縞の輝度分布42における画素P毎の位相φを求めるため、複数の画素P毎に式(1)を演算する。式(1)において、I0,I1,I2,I3は、それぞれ、各画素Pにおけるモアレ画像40[0],40[1],40[2],40[3]の輝度値である。
tanφ=-(I3-I1)/(I2-I0) …(1)
ここで、モアレ画像41[n](n=0,1,2,3)における各画素Pの輝度値Inは、一般的に、輝度振幅A0、位相φ、背景輝度B0を用いて、式(2)で表すことができる。式(2)において、未知数であるA0,B0が判明すれば、位相φを求めることが可能である。そこで、サンプリングモアレ法では、例えば、図6のように、順に位相をπ/2ずつシフトさせた4個のモアレ画像41[0]~41[3]を作成することで、画素P毎に4個の輝度値I0~I3を取得できるようにする。4個の輝度値I0~I3を取得できると、式(2)に基づき、4個の連立方程式を作成できる。式(1)は、この4個の連立方程式から位相φを求めた式である。
In=A0×cos(φ+(n×π/2))+B0 …(2)
このようなサンプリングモアレ法を用いて、位相検出部35は、複数の画素P毎に、基準用マーカ画像29aを対象として基準位相RPx,RPyを検出し、計測用マーカ画像29bを対象として計測位相MPx,MPyを検出する。なお、図6のように、位相を順にシフトさせた複数の格子画像(ここではモアレ画像)を作成し、式(1)等によって格子(ここではモアレ縞)の位相φを求める方式は、位相シフト法とも呼ばれる。サンプリングモアレ法は、この位相シフト法を利用すると共に、格子画像として、画素Pのサンプリングによって作成したモアレ画像を適用したものである。
図5に戻り、位相差算出部36は、平均値算出部37を備える。位相差算出部36は、位相検出部35からの入力を受けて、基準位相RPxと計測位相MPxとのX軸方向の位相差(Δφx’とする)と、基準位相RPyと計測位相MPyとのY軸方向の位相差(Δφy’とする)とを算出する。詳細には、位相差算出部36は、このような位相差を、複数の画素P毎に式(1)を用いて算出する。
平均値算出部37は、複数の画素Pから得られるX軸方向の複数の位相差(Δφx’)の平均値を算出し、算出結果となる位相差Δφx[rad]を図4の変位量算出部28へ出力する。同様に、平均値算出部37は、複数の画素Pから得られるY軸方向の複数の位相差(Δφy’)の平均値を算出し、算出結果となる位相差Δφy[rad]を変位量算出部28へ出力する。
なお、サンプリングモアレ法は、一般的に、画素P毎の位相差に基づいて、マーカ1の装着領域における面内変位(言い換えればマーカ1が装着された物体3の変形)を計測する際に用いられる。一方、例えば、立坑工事等の建設現場では、地盤の変位を計測する際等で、マーカ1の装着領域における面内変位の情報は、特に必要とされず、マーカ1の全体として変位情報(ひいては、物体3自体の移動情報)が必要とされる場合が多い。このようにマーカ1の全体として変位を計測するため、この例では、平均値算出部37を用いて平均値の算出が行われる。
また、位相差Δφx,Δφyのそれぞれは、通常、-πから+πまでの範囲の値である。すなわち、サンプリングモアレ法では、取り扱う信号が周期信号であるため、モアレ縞の1周期を超える位相差Δφx,Δφyを算出すること、すなわち、周期ズレの有無およびその大きさを判別することは容易でない。言い換えれば、図2のマーカ1aにおいて、周期模様1a2のピッチWx,Wy[mm]を超える変位が生じた場合に、正しい変位計測を行うことが困難となり得る。
《位相限定相関部の詳細》
図7は、図4における位相限定相関部の構成例を示すブロック図である。複数の画像の一致度を、画像の周波数成分の相関によって求める方式が知られている。画像の周波数成分を求めた場合、画像内の像の形状に関する情報は、一般的に、振幅スペクトルではなく位相スペクトルによって保持される。これを利用して、位相限定相関法では、画像の相関を求める際に、画像の周波数成分の振幅スペクトルを例えば1に正規化した上で位相スペクトルを主体として相関が求められる。
図7に示す位相限定相関部27は、フーリエ変換部45と、合成関数算出部46と、相関関数算出部47とを備える。フーリエ変換部45には、基準用マーカ画像29a内の幾何学模様1a1の画像データf1(m,n)と、計測用マーカ画像29b内の幾何学模様1a1の画像データf2(m,n)とが入力される。ここで、幾何学模様1a1の画素領域をM×N画素として、mはM個の整数であり、nはN個の整数である。
フーリエ変換部45は、画像データf1(m,n),f2(m,n)を例えば二次元離散フーリエ変換することで、式(3)および式(4)に示されるフーリエ変換値F1(u,v),F2(u,v)をそれぞれ算出する。式(3)および式(4)において、uはM個の整数であり、vはN個の整数である。また、A(u,v),B(u,v)は、振幅スペクトルであり、ejθ1(u,v)およびejθ2(u,v)は、位相スペクトルである。
F1(u,v)=A(u,v)×ejθ1(u,v) …(3)
F2(u,v)=B(u,v)×ejθ2(u,v) …(4)
合成関数算出部46は、フーリエ変換値F1(u,v)の位相スペクトルと、フーリエ変換値F2(u,v)の位相スペクトルの複素共役とを乗算することで、式(5)に示される合成関数C12(u,v)を算出する。相関関数算出部47は、式(5)の合成関数C12(u,v)を二次元離散フーリエ逆変換することで、相関関数c12(m,n)を算出する。
C12(u,v)=ej(θ1(u,v)-θ2(u,v)) …(5)
ここで、例えば、画像データf1(m,n)と画像データf2(m,n)とで像の位置が同一である場合を想定する。この場合、画像データf1(m,n)と画像データf2(m,n)との相関関数c12(m,n)は、原点位置(0,0)にピーク値を持つデルタ関数に近いものとなる。一方、画像データf2(m,n)が、画像データf1(m,n)に対して像の位置をm方向にΔmだけシフトさせた画像データである場合を想定する。この場合、画像データf1(m,n)と画像データf2(m,n)(=f1(m-Δm,n))との相関関数c12(m,n)を算出すると、ピーク値の位置が原点位置からm方向にΔmだけシフトする。n方向についても同様である。
このように、このように位相限定相関部27を用いると、ピーク値が生じた位置に基づいて、基準時点の基準用マーカ画像29aと計測時点の計測用マーカ画像29bとの間で生じた、幾何学模様1a1のm方向およびn方向への各シフト量、すなわち、X軸方向およびY軸方向への各シフト量ΔPx,ΔPyを容易に算出できる。ただし、シフト量ΔPx,ΔPyは、画素(px)単位である。位相限定相関部27は、当該シフト量ΔPx,ΔPy[px]を図4の変位量算出部28へ出力する。
《変位量算出部の詳細》
前述したように、図7の位相限定相関部27は、シフト量ΔPx,ΔPyをイメージセンサ12上の画素単位の分解能で算出する。この画素単位で得られるシフト量ΔPx,ΔPy[px]は、マーカ1a上の長さの単位のシフト量に換算すると、それぞれ、Rx,Ry[mm]となる。Rxは、マーカ1a上のX軸方向のシフト量であり、Ryは、マーカ1a上のY軸方向のシフト量である。
すなわち、シフト量Rx,Ry[mm]は、位相限定相関部27が幾何学模様1a1のシフト量を算出する際のマーカ1a上の分解能を表す。シフト量(分解能)Rx,Ry[mm]は、主に、マーカ1aにおいて幾何学模様1a1が記された領域のサイズと、イメージセンサ12において当該領域に対応する撮像領域のサイズと、当該撮像領域に含まれる画素数との関係に基づいて固定的に定められる。
図4の変位量算出部28は、位相限定相関部27で得られるマーカ1a上の分解能Rx[mm]と、位相限定相関部27からのX軸方向のシフト量ΔPx[px]とに基づいて、式(6)を用いてマーカ1a上のX軸方向の概算変位量Dx’[mm]を算出する。同様に、変位量算出部28は、位相限定相関部27で得られるマーカ1a上の分解能Ry[mm]と、位相限定相関部27からのY軸方向のシフト量ΔPy[px]とに基づいて、式(7)を用いてマーカ1a上のY軸方向の概算変位量Dy’[mm]を算出する。
Dx’=ΔPx×Rx …(6)
Dy’=ΔPy×Ry …(7)
また、変位量算出部28は、図2に示した周期模様1a2のマーカ1a上のピッチWx[mm]と、図5のサンプリングモアレ部26からのX軸方向の位相差Δφx[rad](-π≦Δφx≦π)とに基づいて、式(8)を用いてマーカ1a上のX軸方向の拡大変位量ΔDx[mm]を算出する。同様に、変位量算出部28は、マーカ1a上のピッチWy[mm]と、サンプリングモアレ部26からのY軸方向の位相差Δφy[rad](-π≦Δφy≦π)とに基づいて、式(9)を用いてマーカ1a上のY軸方向の拡大変位量ΔDy[mm]を算出する。
ΔDx=(Δφx/2π)×Wx …(8)
ΔDy=(Δφy/2π)×Wy …(9)
ただし、前述したように、サンプリングモアレ部26では、モアレ縞の周期ズレを検出することは容易でない。このため、当該周期ズレを反映させると、マーカ1a上のX軸方向およびY軸方向の正しい変位量Dx[mm]およびDy[mm]は、それぞれ、式(10)および式(11)となる。式(10)および式(11)において、Nx,Nyは未知の整数である。
Dx=(Nx×Wx)+ΔDx …(10)
Dy=(Ny×Wy)+ΔDy …(11)
ここで、位相限定相関部27が幾何学模様1a1のシフト量を算出する際のマーカ1a上の分解能Rx,Ry[mm]と、周期模様1a2のマーカ1a上のピッチWx,Wy[mm]との関係は、例えば、Rx≦WxおよびRy≦Wyとなるように設計される。この場合、位相限定相関部27が式(6)および式(7)を算出することで、正しい変位量Dx,Dyが存在する範囲がピッチWx,Wy以下の分解能で得られる。
一方、式(10)を例とすると、サンプリングモアレ部26に基づく正しい変位量Dxとして、複数の候補値…,“-2Wx+ΔDx”,“-Wx+ΔDx”,“ΔDx”,“Wx+ΔDx”,“2Wx+ΔDx”,…が得られる。前述したようにRx≦Wxとなるように設計すると、このサンプリングモアレ部26で得られる複数の候補値の中から、位相限定相関部27で得られる範囲に含まれる値が、一つに定まる。この一つの値が最終的に正しい変位量Dxとなる。式(11)の場合も同様である。
このように、実施の形態1の方式を用いると、サンプリングモアレ部26で得られる複数の候補値の中から、どの候補値が正しい変位量Dx,Dyであるかを、位相限定相関部27を用いて判別することが可能になる。言い換えれば、サンプリングモアレ部26で算出されたモアレ縞の位相差に加わる周期ズレの大きさを、位相限定相関部27を用いて判別することが可能になる。
図8は、図4における変位量算出部の処理内容の一例を説明する概念図である。図8には、図5のサンプリングモアレ部26内の位相検出部35によって検出された、基準時点でのモアレ縞の輝度分布42[t1]の位相と、計測時点でのモアレ縞の輝度分布42[t2]の位相とが示される。サンプリングモアレ部26内の位相差算出部36は、輝度分布42[t1]の位相と、輝度分布42[t2]の位相との位相差Δφ[rad]を-πから+πまでの範囲で算出する。
このように、サンプリングモアレ部26は、モアレ縞の周期内での位相差Δφを算出できる。ただし、サンプリングモアレ部26は、当該位相差Δφに加わる周期ズレの有無およびその大きさを判別することは容易でなく、図8の例では、0か2πか4πの周期ズレが加わる可能性がある。変位量算出部28は、この周期ズレの有無およびその大きさを、位相限定相関部27からのシフト量ΔPx,ΔPyに基づいて判別する。
《実施の形態1の主要な効果》
以上、実施の形態1の方式を用いることで、代表的には、マーカ1、ひいては物体3の変位を高分解能かつ容易に計測することが可能になる。さらに、サンプリングモアレ法と位相限定相関法のそれぞれのメリットを活かしつつ、それぞれのデメリットを補い合った高品質な変位計測システムを構築することが可能になる。
具体的に説明すると、サンプリングモアレ法のメリットとして、高分解能や、分解能を調整する際の高自由度等が挙げられ、デメリットとして、大きい変位量への対応等が挙げられる。一方、位相限定相関法のメリットとして、大きい変位量への対応や、変位計測の容易性等が挙げられ、デメリットして、低分解能や、分解能を設定する際の低自由度等が挙げられる。サンプリングモアレ法と位相限定相関法とを併用すると、互いのメリット/デメリットを補完することができる。
特に、分解能を設定する際の自由度に関し、サンプリングモアレ法では、マーカ1a上の周期模様1a2のピッチによって分解能を高い自由度で調整できる。一方、位相限定相関法では、光学系やイメージセンサの構成等によって分解能が定まるため、分解能を定める際の自由度は低くなる。その結果として、位相限定相関法で高分解能化を図ることも困難となり得る。実施の形態1の方式を用いると、位相限定相関法は、低分解能であってよいため、変位計測システムを構築する際の光学系やイメージセンサの構成等に対する制約を緩和することができる。その上で、分解能や、分解能を設定する際の自由度を、サンプリングモアレ法を利用して高めることができる。
(実施の形態2)
《マーカの構成》
図9は、本発明の実施の形態2による変位計測システムにおいて、図1におけるマーカの構成例を示す概略図である。位相限定相関法を用いる場合、図7で述べた相関関数c12(m,n)の算出精度を高めるためには、マーカにおける幾何学模様の領域のサイズを大きくすることが望ましい。しかし、図2に示したようなマーカ1aを用いた場合、幾何学模様1a1の領域のサイズが、例えば、マーカ1aのサイズの半分程度となるため、幾何学模様の領域のサイズを大きくすると、マーカ1aが大型化し、マーカ1aの設置箇所等によっては望ましくない事態が生じ得る。
そこで、図9に示したようなマーカ1bを用いることが有益となる。図9に示すマーカ1bには、図2の場合と異なり、周期模様1b2と幾何学模様1b1とが重複して記されており、周期模様1b2が幾何学模様1b1の一部として記されている。図4等に示した位相限定相関部27は、例えば、周期模様1b2を幾何学模様1b1の一部とみなして、周期模様1b2を含んだ幾何学模様1b1を対象に前述したような処理を行ってもよい。一方、図4等に示したサンプリングモアレ部26は、周期模様1b2を対象に前述したような処理を行えばよい。
ここで、サンプリングモアレ法では、モアレ縞を利用することで周期模様1b2を拡大した上で変位を計測することができる。また、分解能を高めるため、周期模様1b2のピッチを小さくすると、これに応じて周期模様1b2の領域のサイズも小さくすることができる。このようなことから、周期模様1b2の領域のサイズは、幾何学模様1b1の領域のサイズに比べてある程度小さくてもよく、寧ろ、ある程度小さい方が望ましい場合もある。
《実施の形態2の主要な効果》
以上、実施の形態2の方式を用いることで、実施の形態1で述べた各種効果に加えて、マーカの小型化や、または、位相限定相関法による相関関数の算出精度を高めることが可能になる。すなわち、例えば、位相限定相関法による相関関数の算出精度が一定である場合、図9のマーカ1bのサイズは、図2のマーカ1aにおける幾何学模様1a1の領域のサイズと同等であってよい。また、図9のマーカ1bのサイズと図2のマーカ1aのサイズとが同等の場合、図9のマーカ1bを用いることで、相関関数の算出精度を高めることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
1,1a,1b…マーカ、1a1,1b1…幾何学模様、1a2,1b2…周期模様、2…変位計測装置、3…物体、10…撮像装置、20…変位計測器、26…サンプリングモアレ部、27…位相限定相関部、28…変位量算出部、29…マーカ画像、29a…基準用マーカ画像、29b…計測用マーカ画像、35…位相検出部、36…位相差算出部、37…平均値算出部、45…フーリエ変換部、46…合成関数算出部、47…相関関数算出部、Dx,Dy…変位量、Wx,Wy…ピッチ、p…ピッチ、ΔPx,ΔPy…シフト量、Δφx,Δφy…位相差

Claims (6)

  1. 物体に装着されたマーカを撮像することでマーカ画像を作成し、固定的に設置される撮像装置と、
    前記撮像装置によって作成された前記マーカ画像に基づいて前記マーカの変位を計測する変位計測器と、
    を有する変位計測装置であって、
    前記マーカには、周期模様と幾何学模様とが記され、
    前記変位計測器は、
    第1の時点で撮像された第1のマーカ画像内の前記周期模様と、前記第1の時点よりも後の第2の時点で撮像された第2のマーカ画像内の前記周期模様とを対象に、サンプリングモアレ法を用いてモアレ縞の位相を検出し、前記第1のマーカ画像における前記モアレ縞の位相と前記第2のマーカ画像における前記モアレ縞の位相との位相差を、前記モアレ縞の1周期の範囲で算出するサンプリングモアレ部と、
    前記第1のマーカ画像内の前記幾何学模様と、前記第2のマーカ画像内の前記幾何学模様とを対象に、位相限定相関法を用いて前記第1のマーカ画像と前記第2のマーカ画像との相関を算出することで、前記第1の時点から前記第2の時点までの間で生じた前記幾何学模様のシフト量を算出する位相限定相関部と、
    前記位相限定相関部で算出された前記幾何学模様のシフト量に基づいて、前記サンプリングモアレ部で算出された前記モアレ縞の位相差に加わる周期ズレの大きさを判別し、前記モアレ縞の位相差と前記周期ズレの大きさとに基づいて、前記物体に装着された前記マーカの全体としての変位量を算出する変位量算出部と、
    を有する、
    変位計測装置。
  2. 請求項1記載の変位計測装置において、
    前記マーカには、前記周期模様が前記幾何学模様の一部として記されている、
    変位計測装置。
  3. 請求項1記載の変位計測装置において、
    前記マーカには、前記周期模様と前記幾何学模様とが重複しないように記されている、
    変位計測装置。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の変位計測装置において、
    前記位相限定相関部が前記幾何学模様のシフト量を算出する際の前記マーカ上の分解能をRとし、前記周期模様の前記マーカ上のピッチをWとすると、R≦Wとなるように設計されている、
    変位計測装置。
  5. 請求項1~3のいずれか1項に記載の変位計測装置において、
    前記周期模様と前記幾何学模様とが記された前記マーカを、1台の前記撮像装置で撮像するように構成されている、
    変位計測装置。
  6. 物体に装着されたマーカを撮像することでマーカ画像を作成し、固定的に設置される撮像装置と、
    前記撮像装置によって作成された前記マーカ画像に基づいて前記マーカの変位を計測する変位計測器と、
    を用いて前記マーカの変位を計測する変位計測方法であって、
    前記マーカには、周期模様と幾何学模様とが記され、
    前記変位計測器が、第1の時点で撮像された第1のマーカ画像内の前記周期模様と、前記第1の時点よりも後の第2の時点で撮像された第2のマーカ画像内の前記周期模様とを対象に、サンプリングモアレ法を用いてモアレ縞の位相を検出し、前記第1のマーカ画像における前記モアレ縞の位相と前記第2のマーカ画像における前記モアレ縞の位相との位相差を、前記モアレ縞の1周期の範囲で算出する第1のステップと、
    前記変位計測器が、前記第1のマーカ画像内の前記幾何学模様と、前記第2のマーカ画像内の前記幾何学模様とを対象に、位相限定相関法を用いて前記第1のマーカ画像と前記第2のマーカ画像との相関を算出することで、前記第1の時点から前記第2の時点までの間に生じた前記幾何学模様のシフト量を算出する第2のステップと、
    前記変位計測器が、前記第2のステップで算出された前記幾何学模様のシフト量に基づいて、前記第1のステップで算出された前記モアレ縞の位相差に加わる周期ズレの大きさを判別し、前記モアレ縞の位相差と前記周期ズレの大きさとに基づいて、前記物体に装着された前記マーカの全体としての変位量を算出する第3のステップと、
    を有する、
    変位計測方法。
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