JP2020134447A - 重量測定装置、重量測定システム、重量測定方法およびそのプログラム - Google Patents

重量測定装置、重量測定システム、重量測定方法およびそのプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】簡便かつ高精度で移動体の重量を測定する。【解決手段】変位量演算部は、水平方向に交差する方向に一定のピッチで繰り返される模様を含む繰り返し模様をそれぞれ表す2以上のマーカの画像を撮像部から取得し、前記マーカは、変位量の基準とする基準マーカと、測定対象とする測定マーカとを含み、前記マーカごとに前記繰り返し模様から生成されたモアレ画像の位相から当該マーカの鉛直方向の変位量を演算し、補正演算部は、前記測定マーカに係る変位量である測定変位量から、前記基準マーカに係る変位量である基準変位量に基づく補正量を差し引いて相対変位量を演算し、重量演算部は、少なくとも相対変位量と移動体の重量との予め設定された対応関係を示す校正データに基づいて、前記補正演算部が演算した相対変位量を用いて移動体の重量を演算する。【選択図】図3

Description

本発明は、画像変位測定による移動体の重量測定装置、重量測定システム、重量測定方法およびそのプログラムに関する。
道路上を通過する移動体の重量測定方法として、道路上に設置されたひずみ計や加速度センサ、または道路に埋め込まれた重量センサや軸重計を用いた測定方法などが知られている。
しかしながら、これらの方法は、ひずみ計など各種センサを用いる。一般に、センサには寿命があるため、点検や交換作業などの定期的なメンテナンスを要する。メンテナンスには時間や費用がかかるうえ、メンテナンス中には交通規制を要する場合がある。
上記の課題に対する対策として、道路に埋め込まれた軸重計などのセンサを用いずに、移動体の重量を測定することが期待される。例えば、車両の通過時における道路の変位を撮影された画像を解析して、求められた変位量から車両の重量を求めることが考えられる。
車両の通過により路面に生ずる変位は極めて微小である。例えば、貨物自動車などの凹型の車両が橋梁などのコンクリート構造物上の道路を通過する場合には、変位量はサブミリのオーダに過ぎない。一般的な画像解析では、このような剛性が高い物体の微小変位を確実にとらえるのは容易ではない。そこで、特許文献1、2に記載の変位計測技術を応用することが期待される。特許文献1、2に記載の変位測定方法は、周期的な模様を表す画像から得られたモアレ画像を用いてサブミリのオーダの変位も検出することができる手法である。
特許第4831703号公報 特許第6120459号公報
微小な変位を計測することができれば、計測された変位から車両の重量を推定できるはずである。しかしながら、カメラの設置場所に対する制約のため、必ずしも所望の場所に設置できるとは限らない。また、設置されたカメラには測定中に風などの外乱を受けて動揺することがある。その場合には、著しい誤差が発生するため、正確に変位を測定できず、ひいては正確な重量が測定できないおそれがある。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、簡便かつ高精度で移動体の重量を測定することができる重量測定装置、重量測定システム、重量測定方法およびそのプログラムを提供することを課題とする。
(1)本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、水平方向に交差する方向に一定のピッチで繰り返される模様を含む繰り返し模様をそれぞれ表す2以上のマーカの画像を撮像部から取得し、前記マーカは、変位量の基準とする基準マーカと、測定対象とする測定マーカとを含み、前記マーカごとに前記繰り返し模様から生成されたモアレ画像の位相から当該マーカの鉛直方向の変位量を演算する変位量演算部と、前記測定マーカに係る変位量である測定変位量から、前記基準マーカに係る変位量である基準変位量に基づく補正量を差し引いて相対変位量を演算する補正演算部と、少なくとも相対変位量と移動体の重量との予め設定された対応関係を示す校正データに基づいて、前記補正演算部が演算した相対変位量を用いて移動体の重量を演算する重量演算部と、を備える重量測定装置である。
(2)本発明の一態様は、(1)の重量測定装置であって、前記変位量演算部は、前記移動体が存在していないときの前記マーカごとの前記モアレ画像の位相を基準位相として設定しておき、前記マーカごとに、前記繰り返し模様から生成されたモアレ画像の位相と前記基準位相との位相差から前記変位量を演算し、前記補正演算部は、前記移動体が前記測定マーカと前記基準マーカの少なくとも1つを通過する通過期間における前記相対変位量の最大値を特定してもよい。
(3)本発明の一態様は、(1)または(2)に記載の重量測定装置であって、前記補正演算部は、前記撮像部から前記基準マーカまでの基準距離に対する前記撮像部から前記測定マーカまでの測定距離の距離比を前記基準変位量に乗じて前記補正量を演算してもよい。
(4)本発明の一態様は、(1)から(3)までのいずれかの重量測定装置であって、前記測定マーカの個数は2以上であり、前記測定マーカごとに予め設定した重み係数に基づいて、前記測定マーカごとの相対変位量の重み付き平均値を演算し、前記重み係数は、既知の移動体の重量に対する相対変位量の比が大きい測定マーカほど大きいことを特徴としてもよい。
(5)本発明の一態様は、(1)から(4)までのいずれかの重量測定装置であって、前記繰り返し模様の繰り返し方向は、水平方向と鉛直方向のいずれにも交差する斜め方向であり、前記撮像部は、前記斜め方向にさらに交差する方向である解析方向に画素が配列された一次元のラインセンサまたは二次元の面内に画素が配列されたエリアセンサであり、前記変位量演算部は、前記モアレ画像の位相から前記マーカの前記解析方向の変位量を演算し、前記解析方向の変位量を前記鉛直方向の変位量に変換してもよい。
(6)本発明の一態様は、(1)から(5)までのいずれかの重量測定装置であって、前記校正データは、速度ならびに相対変位量と移動体の重量との対応関係を示し、前記重量演算部は、前記校正データに基づいて、速度計測部から取得した前記移動体の速度と前記補正演算部が算出した相対変位量を用いて移動体の重量を演算してもよい。
(7)本発明の一態様は、撮像部と重量測定装置を備える重量測定システムであって、前記重量測定装置は、水平方向に交差する方向に一定のピッチで繰り返される模様を含む繰り返し模様をそれぞれ表す2以上のマーカの画像を前記撮像部から取得し、前記マーカは、変位量の基準とする基準マーカと、測定対象とする測定マーカとを含み、前記マーカごとに前記繰り返し模様から生成されたモアレ画像の位相から当該マーカの鉛直方向の変位量を演算する変位量演算部と、前記測定マーカに係る変位量である測定変位量から、前記基準マーカに係る変位量である基準変位量に基づく補正量を差し引いて相対変位量を演算する補正演算部と、少なくとも相対変位量と移動体の重量との予め設定された対応関係を示す校正データに基づいて、前記補正演算部が演算した相対変位量を用いて移動体の重量を演算する重量演算部と、を備える重量測定システムであってもよい。
(8)本発明の一態様は、重量測定装置における重量測定方法であって、水平方向に交差する方向に一定のピッチで繰り返される模様を含む繰り返し模様をそれぞれ表す2以上のマーカの画像を撮像部から取得し、前記マーカは、変位量の基準とする基準マーカと、測定対象とする測定マーカとを含み、前記マーカごとに前記繰り返し模様から生成されたモアレ画像の位相から当該マーカの鉛直方向の変位量を演算する第1ステップと、前記測定マーカに係る変位量である測定変位量から、前記基準マーカに係る変位量である基準変位量に基づく補正量を差し引いて相対変位量を演算する第2ステップと、少なくとも相対変位量と移動体の重量との予め設定された対応関係を示す校正データに基づいて、前記第2ステップにおいて演算された相対変位量を用いて移動体の重量を演算する第3ステップと、を有する重量測定方法であってもよい。
(9)本発明の一態様は、重量測定装置のコンピュータに、水平方向に交差する方向に一定のピッチで繰り返される模様を含む繰り返し模様をそれぞれ表す2以上のマーカの画像を撮像部から取得し、前記マーカは、変位量の基準とする基準マーカと、測定対象とする測定マーカとを含み、前記マーカごとに前記繰り返し模様から生成されたモアレ画像の位相から当該マーカの鉛直方向の変位量を演算する第1手順と、前記測定マーカに係る変位量である測定変位量から、前記基準マーカに係る変位量である基準変位量に基づく補正量を差し引いて相対変位量を演算する第2手順と、少なくとも相対変位量と移動体の重量との予め設定された対応関係を示す校正データに基づいて、前記第2手順において演算された相対変位量を用いて移動体の重量を演算する第3手順と、を実行させるためのプログラムであってもよい。
本発明によれば、簡便かつ高精度で移動体の重量を測定することができる。
本実施形態に係る重量測定システムの概要を説明するための側面図である。 本実施形態に係る重量測定システムの概要を説明するための正面図である。 本実施形態に係る重量測定システムの機能構成例を示す概略ブロック図である。 本実施形態に係る重量測定処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る繰り返し模様の例を示す図である。 本実施形態に係る繰り返し模様の他の例を示す図である。 本実施形態に係るマーカとラインセンサの配置例を示す図である。 本実施形態に係るマーカの撮像部の配置例を示す図である。 本実施形態の一実施例を示す図である。 本実施形態に係る撮像部が撮像した画像の一例を示す。 本実施形態に係る変位量演算部が算出した変位量の第1例を示す図である。 本実施形態に係る変位量演算部が算出した変位量の第2例を示す図である。 本実施形態に係る補正演算部が算出した相対変位量の第1例を示す図である。 本実施形態に係る補正演算部が算出した相対変位量の第2例を示す図である。 本実施形態に係る相対変位量と重量の対応関係の第1例を示す図である。 本実施形態に係る相対変位量と重量の対応関係の第2例を示す図である。 本実施形態に係る補正演算部が算出した相対変位量の第3例を示す図である。 本実施形態に係る補正演算部が算出した相対変位量の第4例を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1、図2は、本実施形態に係る重量測定システム1の概要を説明するための側面図、正面図である。重量測定システム1は、重量測定装置10と、撮像部20とを含んで構成される。重量測定システム1は、路面Rs上を道路に沿って移動する移動体Moである車両の重量を測定する。図1は、移動体Moの移動方向を左方に示す。図2は、移動体Moの正面を示す。図1、図2に示す例では、2個のマーカMk、Mk(以下、基準マーカMk、測定マーカMk)が、それぞれ車線の側方に設置される。基準マーカMkは、測定マーカMkよりも移動体Moの進行方向に離れて設置される。移動体Moの進行方向は、ほぼ車線の方向に相当する。基準マーカMk、測定マーカMkには、それぞれ垂直方向に所定のピッチで繰り返される周期的な模様(以下、繰り返し模様)が表される。模様が表される面の法線方向は、移動体Moの進行方向に向けられている。但し、図2では、測定マーカMkが基準マーカMkの背面に隠れている。この配置のもとで、移動体Moが基準マーカMk、測定マーカMkの近傍を通過すると、移動体Moの重量のために基準マーカMk、測定マーカMkを支持する路面Rsが鉛直方向に変位する。重量測定装置10は、撮像部20が撮像した画像を用いて基準マーカMk、測定マーカMkの変位量を測定する。
撮像部20は、基準マーカMkよりも移動体Moの進行方向に離れた位置に設置される。撮像部20の撮像方向は、基準マーカMk、測定マーカMkの繰り返し模様に対面する方向となる。撮像部20は、被写体として基準マーカMk、測定マーカMkをそれぞれ含む画像を撮像し、撮像した画像を示す画像データを重量測定装置10に無線または有線で出力する。重量測定装置10は、撮像部20から入力される画像データが示す画像のうち、基準マーカMk、測定マーカMkのそれぞれに表された繰り返し模様p、pに対して間引き処理を行ってモアレ画像を生成する。間引き処理は、鉛直方向のダウンサンプリングに相当する。重量測定装置10は、繰り返し模様p、pのそれぞれについてモアレ画像の位相を算出し、移動体Moの通過時における位相と移動体Moが通過していないときの位相との位相差から鉛直方向の変位量y、y(以下、基準変位量y、測定変位量y)を算出する。重量測定装置10は、測定変位量yから基準変位量yに補正係数を乗じて得られる補正量δy’を差し引いて相対変位量y’を算出する。補正係数は、撮像部20から基準マーカMk、測定マーカMkのそれぞれまでの距離d、dの違いによる繰り返し模様の間隔を補正するための係数である。重量測定装置10には、予め移動体Moの重量wと相対変位量y’との対応関係を示す変位重量対応データを設定しておく。重量測定装置10は、変位重量対応データを用いて、算出した相対変位量y’から移動体Moの重量wを求めることができる。
次に、本実施形態に係る重量測定システムの機能構成例について説明する。但し、以下の説明では、マーカの数が2個である場合を例にする。
図3は、本実施形態に係る重量測定システム1の機能構成例を示す概略ブロック図である。図3に示す例では、重量測定システム1は、重量測定装置10、撮像部20および速度計測部30を含んで構成される。
重量測定装置10は、パラメータ入力部11、演算処理部12および表示部13を含んで構成される。
パラメータ入力部11には、マーカMk、Mkの変位や移動体Moの重量の算出に用いられる各種のパラメータが入力される。パラメータ入力部11は、データ入力インタフェースを含んで構成されてもよいし、ユーザの操作に応じて各種の情報を入力するマウス、タッチセンサ、キーボードなどの入力デバイスを含んで構成されてもよい。変位や重量の算出に用いられるパラメータについては、演算処理部12の機能とともに説明する。
演算処理部12は、撮像部20から有線または無線で入力される画像データに基づいて測定対象物上の測定点毎の変位量を算出する。演算処理部12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと記憶媒体を含んで構成される。プロセッサは、記憶媒体に予め記憶された所定の制御プログラムを読み出し、読み出した制御プログラムに記述された命令で指示される処理を実行することによって、各機能部の機能を実現してもよい。演算処理部12は、機能部として変位量演算部122、補正演算部124、校正部126および重量演算部128を含んで構成される。
変位量演算部122は、入力される画像データが示す各1フレームの画像からマーカごとに繰り返し模様が表された部分画像を特定する。変位量演算部122は、部分画像を構成する画素ごとの輝度値を所定の間引き間隔で空間的に間引いて間引き画像を生成する。変位量演算部122は、間引き画像を空間的に補間してモアレ画像の位相を算出する。変位量演算部122は、生成したモアレ画像の位相をマーカごとに算出する。変位量演算部122は、移動体Moが通過する時点におけるモアレ画像の位相から所定の基準時刻におけるモアレ画像の位相の位相差を、マーカごとに算出する。基準時刻は、路面Rsに荷重がかかっていない時点、つまり、いかなる移動体Moも通過していない時点であればよい。変位量演算部122は、算出した位相差から鉛直方向の変位量を算出する。変位量演算部122は、算出した変位量を補正演算部124に出力する。
補正演算部124は、変位量演算部122から入力される各マーカに係る変位量のうち、測定マーカMkに係る変位量(以下、測定変位量y)から基準マーカMkに係る変位量(以下、基準変位量y)に基づく補正量δyを差し引いて相対変位量y’を算出する。補正演算部124は、例えば、撮像部20から基準マーカMkまでの距離(以下、基準距離d)に対する撮像部20から測定マーカMkまでの距離(以下、測定距離d)に対する距離比d/dを補正係数として基準変位量yに乗じて補正量δyを求めることができる。その場合、相対変位量y’は、式(1)で与えられる。従って、基準マーカMkと測定マーカMkに共通に生ずる外乱、例えば、撮像部20の振動などによる影響を除去または低減することができる。
補正演算部124は、移動体Moの重量を測定する際(測定モード)、算出した相対変位量y’を重量演算部128に出力する。他方、補正演算部124は、校正データ(後述)を生成する際(校正モード)、相対変位量y’を重量演算部128に出力せずに校正部126に出力する。補正演算部124は、入力デバイスから入力される操作信号で指示された動作モードに応じて相対変位量y’の出力先を選択してもよい。補正演算部124は、指示された動作モードが校正モードである場合には校正部126を選択し、指示された動作モードが測定モードである場合には重量演算部128を選択すればよい。
校正部126は、補正演算部124から入力される相対変位量y’と路面Rsを通過する移動体Moの重量wに基づいて、相対変位量y’と重量wとの対応関係を示す校正データを予めオフラインで生成する(校正:キャリブレーション)。校正部126は、それぞれ相対変位量y’と既知の重量wからなる組み合わせを複数個用いて、相対変位量y’から重量wを算出するための所定の関数の係数aを校正データとして算出する。所定の関数は、例えば、一次関数である。校正部126は、生成した校正データを自装置の記憶部(図示せず)に記憶する。
なお、校正部126は、さらに速度計測部30から入力される移動体Moの速度vを用いて校正データを生成してもよい。校正部126は、速度v、相対変位量y’および既知の重量wからなる組み合わせを複数個用いて、速度vと相対変位量y’から重量wを算出するための所定の関数の係数を校正データとして算出してもよい。これにより、重量wに対する相対変位量y’の速度依存性が考慮される。
校正部126が、相対変位量y’と重量wとの対応関係、または速度vと相対変位量y’の組み合わせと重量wとの対応関係を示す所定の関数の係数を求める際、公知の回帰分析法(例えば、最小二乗法)を用いることができる。
重量演算部128は、記憶部から校正部126が生成した校正データを読み出し、読み出した校正データを参照して、補正演算部124から入力される相対変位量y’を用いて移動体Moの重量wを演算する。校正データが相対変位量y’と既知の重量wからなる組み合わせを用いて生成されている場合には、重量演算部128は、例えば、相対変位量y’の校正データが示す係数aを用いて得られる所定の関数の関数値を重量wとして算出する。
なお、校正データがさらに速度vを用いて生成されている場合には、重量演算部128は、補正演算部124から入力される相対変位量y’と速度計測部30から入力されるその時点における移動体Moの速度vの所定の関数の関数値を重量wとして算出する。重量演算部128は、演算により得られた重量wを表示部13に出力する。
表示部13は、重量演算部128から入力される重量wを示す情報を表示する。表示部13は、重量wをいかなる態様で表示してもよい。表示部13は、例えば、重量wを数値で表されてもよいし、その大きさを所定の図形で表示してもよい。また、表示部13は、重量wの演算に用いた相対変位量y’を重量演算部128から取得し、取得した相対変位量y’とともに重量wを表示してもよい。表示部13は、例えば、液晶ディスプレイ、文字盤、などのいずれであってもよい。
撮像部20は、撮像方向を中心とする所定の視野内の被写体を表す画像を撮像する。撮像部20は、図1に例示される位置に設置されることで、マーカMk、Mkそれぞれの繰り返し模様の画像を撮像することができる。撮像部20は、所定時間(例えば、1/960〜1/15秒)ごとに1フレームの画像を逐次に撮像するデジタルビデオカメラである。通常のデジタルビデオカメラは、二次元の撮像面内に画素が配列され、二次元画像を撮像することができるエリアセンサとみなすこともできる。逐次に撮像された複数の静止画像は、動画像を構成する。撮像部20は、撮像した画像を示す画像データを重量測定装置10に無線または有線で出力する出力データインタフェースを備える。なお、移動体Moの通行を妨げなければ、路面Rs上に設置されてもよい。撮像部20の高さは、移動体Moの高さよりも高くてもよい。高所に設置することで、あるマーカが他のマーカに遮られずに、各マーカの繰り返し模様がいずれも撮像部20に向けて表れる。
速度計測部30は、測定対象物の移動速度を計測する。速度計測部30は、例えば、道路または道路の近傍に設置されることで、移動体Moの速度を計測することができる。速度計測部30は、レーダ式速度計測器、ループコイル式速度計測器など、いかなる計測原理を採用したものであってもよい。レーダ式速度計測器は、道路に向けてマイクロ波を発信する発信器と、移動体Moの表面上で反射した反射波を受信するアンテナと、反射波の周波数と照射したマイクロ波の周波数との差から移動体Moの速度を算出する速度演算部を備える。ループコイル式速度計測器は、交流電源と、複数のループコイルと、各ループコイルを計測するインダクタンス計と、速度演算部を備える。交流電源は、各ループコイルに交流電力を供給する。複数のループコイルのそれぞれを、車線の中央部において、その長手方向に沿って路面Rsに埋設しておく。金属などの導体を有する移動体Moの通過するとき、ループコイルのインダクタンスが通過しないときよりも低下する。インダクタンス計は、ループコイルごとに計測したインダクタンスを速度演算部に通知する。速度演算部は、インダクタンス計から通知された各ループコイルのインダクタンスを観測し、予め設定したインダクタンスの基準値よりも低下した時点を、移動体Moが通過した通過時点として特定する。速度演算部は、少なくとも2つのループコイル間における通過時点の時間差(通過時間)を、そのループコイル間の距離で除算して移動体Moの速度を算出する。速度計測部30は、計測した速度を示す速度データを重量測定装置10に無線または有線で出力する出力データインタフェースを備える。
なお、速度計測部30は、自動速度違反取締装置(いわゆる、オービス(登録商標))との一部として構成されてもよい。自動速度違反取締装置は、道路を走行する車両の速度を記録および管理する。また、撮像部20は、レーダ式速度計測器として構成された速度計測部30と一体化した単一の撮像部20の一部または自動速度違反取締装置の一部として構成されてもよい。
(重量測定)
次に、本実施形態に係る重量測定処理の一例について説明する。
図4は、本実施形態に係る重量測定処理の一例を示すフローチャートである。
(ステップS102)撮像部20は、移動体Moが路面Rsを走行し、マーカMk、Mkの側方を通過している期間において、それぞれ繰り返し模様を表すマーカMk、Mkの画像を撮像し、撮像した画像を示す画像データを重量測定装置10に出力する。重量測定装置10の演算処理部12は、撮像部20から入力される画像データを自部の記憶部に記録する。その後、ステップS104の処理に進む。
(ステップS104)変位量演算部122は、撮像部20から入力される画像データを記憶部から読み出す。変位量演算部122は、読み出した画像データが示すマーカごとの繰り返し模様から間引き画像を生成し、生成した間引き画像を補間して得られるモアレ画像の位相を算出する。変位量演算部122は、マーカごとに演算によって得られたモアレ画像の位相と、基準時刻におけるモアレ画像の位相との位相差を演算し、位相差から鉛直方向の変位量を算出する。その後、ステップS106の処理に進む。
(ステップS106)補正演算部124は、撮像部20から基準マーカMkまでの基準距離dに対する撮像部20から測定マーカMkまでの測定距離dに対する距離比d/dを基準変位量yに乗じて補正量δyを求める。補正演算部124は、測定マーカMkに係る測定変位量yから補正量δyを差し引いて相対変位量y’を算出する。その後、ステップS108の処理に進む。
(ステップS108)重量演算部128は、校正部126が生成した校正データを参照して、補正演算部124から入力される相対変位量y’と速度計測部30から入力される速度vを用いて移動体Moの重量wを演算する。重量演算部128は、演算により得られた重量wを表示部13に出力する。その後、図4に示す処理を終了する。
(モアレ画像の位相の算出例)
次に、変位量演算部122がモアレ画像の位相を算出する手法の具体例について説明する。変位量演算部122は、例えば、特許文献1に記載のサンプリングモアレ法を用いることができる。この手法を用いることで、繰り返し模様に含まれる単一周波数成分を用いて測定対象物の変位分布を解析することができる。繰り返し模様として、例えば、図5(b)に示す縞格子、図5(c)、(d)に示す2次元格子が利用可能である。Qは、繰り返し模様の中心点を示す。図5(b)に示す縞格子は、垂直方向にピッチPで輝度が変化する。図5(c)、(d)に示す縞格子は、それぞれ垂直方向と水平方向に、それぞれ一定のピッチで輝度が変化する。但し、図5(a)に示す縞格子は、次に説明する手法を適用するはできない。図5(a)に示す縞格子は、模様の繰り返し方向が水平方向であり、垂直方向に変位が生じてもモアレ画像の移動が変動しないために変位量を観測できないためである。なお、鉛直方向とは、重力方向を意味し、垂直方向の一方に相当する。
次に、特許文献1に記載のサンプリングモアレ法について説明する。変位量演算部122が取得した画像データが示す1つのマーカに表される繰り返し模様の輝度分布f(i,j)は、式(2)で表される。
式(1)において、f(i,j)は、座標(i,j)における輝度値を示す。i、jは、それぞれ水平方向、垂直方向の座標値を示す。a、b、φ、φは、それぞれ繰り返し模様の振幅、背景輝度、繰り返し模様の初期位相、繰り返し模様の位相である。Pは、画像上のピッチ間隔である。
変位量演算部122には、パラメータとして所定の間引き間隔Tを設定しておく。Tは、2以上の整数であればよい。Tの単位は画素数である。Tは、Pと等しくてもよいし、異なっていてもよい。変位量演算部122は、間引きの開始点kとして0からT−1までのそれぞれについて、垂直方向に間引きを行って、T個の間引き画像を生成する。間引きは、空間的なダウンサンプリングに相当する。変位量演算部122は、T個の間引き画像のそれぞれについて、互いに隣接する間引き後の画素の輝度値を補間して、間引き前と同様の間隔で配置された画素毎の輝度値を有するモアレ画像を生成する。間引き画像を生成する手法、モアレ画像を生成する手法は、それぞれ引用文献1に記載されている。生成されたモアレ画像の輝度値f(i,j;k)は、式(3)で表される。
変位量演算部122は、T個のモアレ画像のそれぞれについて、離散フーリエ変換を行い任意の空間周波数ωの成分における位相分布φ(i,j;ω)と振幅分布a(i,j;ω)を算出する。位相分布φ(i,j;ω)は、式(4)で表される。
振幅分布a(i,j;ω)は、式(5)で表される。
変位量演算部122は、各フレームについてマーカごとに同様な処理を行って、モアレ画像の位相分布φ(i,j;ω)と振幅分布a(i,j;ω)を算出する。この位相分布φ(i,j;ω)が、上記のモアレ画像の位相に相当する。なお、変位量演算部122には、基準時刻のフレームについて、マーカごとに予めモアレ画像の位相分布φ(i,j;ω)と振幅分布a(i,j;ω)を取得し、設定しておく。
変位量演算部122は、各フレーム(時刻)における位相分布φ’(i,j;ω)から基準時刻における位相分布φ(i,j;ω)の差である位相差Δφ(i,j;ω)を算出する。そして、変位量演算部122は、式(6)に示すように位相差Δφ(i,j;ω)と繰り返し模様のピッチpに基づいて変位分布Δy(i,j;ω)を算出する。
式(6)において、pは測定対象物に表された模様のピッチの現実の長さを表す。pの単位は、mm、m等である。変位量演算部122には、変位量の算出に用いられるパラメータの一部として予め設定しておく。なお、上述のピッチ間隔Pは、画像上における模様のピッチ(単位:画素数)である点で、現実のピッチpとは別個のパラメータである。
そして、変位量演算部122は、算出した変位分布Δy(i,j;ω)に振幅分布a(i,j;ω)もしくは、そのパワーに比例する重み係数を乗算して得られた乗算値を周波数間で合成して、周波数間で平均された変位分布Δy(i,j)を算出する。
次に、特許文献2に記載のサンプリングモアレ法について説明する。この手法を用いることで、繰り返し模様に含まれる複数の周波数成分を用いて測定対象物の変位分布を解析することができる。従って、図5(b)−(d)に例示される繰り返し模様以外にも、垂直方向への輝度の変動に規則性を有する繰り返し模様であれば利用することができる。
変位量演算部122が取得した画像データが示す1つのマーカに表される繰り返し模様の輝度分布g(i,j)は、式(7)で表される。
式(7)において、g(i,j)は、座標(i,j)における輝度値を示す。w、a、φ、bは、それぞれ周波数成分の次数、w次の周波数成分の振幅、w次の周波数成分の初期位相である。wは、1以上であってW以下の整数である。Wは、周波数成分の最大次数を示す。Wは、サンプリング定理によりP/2よりも小さく、かつ2以上の整数であればよい。Pは、画像に表された規則性模様のピッチ(単位:画素数)を示す。変位量演算部122には、最大次数Wを予め設定しておく。
変位量演算部122は、取得した規則性模様の画像を間引き間隔Tで垂直方向に対して間引いて間引き画像を生成する。変位量演算部122は、間引きの開始点kとして0からT−1までのそれぞれについて、T個の間引き画像を生成する。変位量演算部122は、T個の間引き画像のそれぞれについて、互いに隣接する間引き後の画素の輝度値を補間して、間引き前と同様の間隔で配置された画素毎の輝度値を有する位相がシフトしたモアレ画像を生成する。それぞれのモアレ画像の輝度値g(i,j;m)は、式(8)で表される。
変位量演算部122は、T個のモアレ画像のそれぞれについて、離散フーリエ変換を行い任意の周波数ωの成分における位相分布φ(i,j;ω)を算出する。変位量演算部122は、式(3)が示す輝度値f(i,j;m)に代えて、各次数の輝度値の周波数成分gw,M(i,j;m)を代入して各次数の位相分布φw,M(i,j;w,ω)を算出する。
変位量演算部122は、各フレーム(時刻)における位相分布φ’w,M(i,j;w,ω)から基準時刻における位相分布φ(i,j;w,ω)を差し引いて得られる位相差Δφw,M(i,j;w,ω)を式(6)の位相差Δφ(i,j;ω)に、第w次のピッチP/wを式(6)のピッチpに代入して変位分布Δy(i,j;w,ω)を算出することができる。
変位量演算部122は、算出した変位分布Δy(i,j;w,ω)に次数ならびに周波数毎の振幅分布a(i,j;w,ω)もしくは、そのパワーに比例する重み係数を乗算して得られた乗算値を次数ならびに周波数間で合成して、次数ならびに周波数間で平均した変位分布Δy(i,j)を算出してもよい。
なお、変位量演算部122は、算出した変位分布Δx(i,j)のうち、各マーカの代表点(例えば、中心点Q、Q、Q(後述))における変位量もしくは各マーカ内もしくはマーカ内の各領域内の変位量の画素間の平均値を、各マーカに係る変位量として採用してもよい。
その他、撮像部20から取得した画像からモアレ画像の位相を算出する手法として、2段モアレ法が利用可能である。2段モアレ法は、2段階のモアレ解析処理を有する手法である。第1段階の処理は、取得した画像に対してサンプリングモアレ法を用いて第1段階のモアレ画像の位相分布を生成する処理である。第2段階の処理は、第2段階の繰り返し模様として第1段階のモアレ画像の位相分布に対してサンプリングモアレ法を用いて第2段階のモアレ画像の位相分布を生成する処理である。変位量演算部122は、第2段階のモアレ画像の位相分布から各マーカの変位分布を生成し、生成した変位分布に基づく変位量を得ることができる。
繰り返し模様の変化方向は、水平方向に交差する方向であれば、垂直方向に限られず、斜め方向であってもよい。斜め方向は、垂直方向と水平方向のいずれにも交差する方向である。図6(a)に例示される繰り返し模様では、図面に対して左上方向に輝度が一定ピッチで繰り返される。図6(b)、(c)に例示される繰り返し模様は、それぞれ2つの領域を有し、領域ごとに輝度の繰り返し方向が異なる。図6(b)に例示される繰り返し模様は、垂直方向に2つの領域に区分され、図面に対して上方の領域の中心点、下方の領域の中心点が、それぞれQ、Qとなる。図面に対して上方の領域の模様の繰り返し方向は、左上方向であるのに対して、下方の領域の模様の繰り返し方向は、右上方向である。図6(c)に例示される繰り返し模様は、水平方向に2つの領域に区分され、図面に対して左方の領域の中心点、右方の領域の中心点が、それぞれQ、Qとなる。図面に対して左方の領域の模様の繰り返し方向は、右上方向であるのに対して、右方の領域の模様の繰り返し方向は、左上方向である。図6(d)に例示される繰り返し模様は、図面に対して左上方向と右上方向のいずれにも輝度が一定ピッチで繰り返される2次元格子である。
従って、繰り返し方向が斜め方向である繰り返し模様であっても、変位量演算部122は、垂直方向のピッチpが、p/cosθとなる繰り返し模様として、変位量を算出することができる。ここで、pは、繰り返し方向への繰り返し模様のピッチを示し、θは、垂直方向と繰り返し方向とのなす角度を示す。
また、繰り返し方向が斜め方向である繰り返し模様を用いることで、一方向の大きさが長手方向よりも小さい細長い試料であっても、変位量演算部122は、長手方向のモアレ画像の位相差に基づいて測定精度を犠牲にせずに一方向の変位量を求めることができる。そのため、各マーカの形状や設置場所の自由度を高くすることができる。例えば、マーカの垂直方向の高さは、水平方向の幅に比べて小さくてもよい。マーカの形状は平型であってもよいし、柱状であってもよい。そのため、マーカの設置場所に対する条件が緩和される。但し、繰り返し方向は、水平方向から十分に離れた角度(例えば、θは、−75°〜75°)であることが望ましい。
また、演算処理部12が移動体Moの重量の測定に用いる画像は、撮像部20としてエリアセンサが撮像した二次元画像に限られず、一次元画像であってもよい。つまり、変位量演算部122は、一次元画像を構成する垂直方向の輝度分布を用いて各マーカの鉛直方向の変位量を演算することができる。これにより、演算量を格段に低減することができる。変位量演算部122は、撮像部20が撮像した二次元画像から所定の列の輝度分布を一次元画像として用いてもよいし、撮像部20として垂直方向に画素が配置されたラインセンサから入力された一次元画像を用いてもよい。
一次元画像には、複数のマーカのそれぞれについて輝度が周期的に変動する部分が含まれるように撮像部20と各マーカが配置されれば、撮像部20とマーカの配置の自由度を高くすることができる。繰り返し方向が斜め方向である繰り返し模様を用いる場合には、一次元画像として用いる輝度分布の方向(以下、解析方向)は、斜め方向にさらに交差する方向であれば、垂直方向に限られず、例えば、水平方向でもよい。例えば、変位量演算部122は、撮像部20が撮像した二次元画像から所定の行(ライン)の輝度分布を一次元画像として用いてもよいし、図7に例示するように撮像部20の一例として水平方向に画素が配置されたラインセンサ20aから入力された一次元画像を用いてもよい。図7に示す例では、水平方向に細長い基準マーカMk、測定マーカMkが水平方向に配置され、中心点Q01、Q02、Q11、Q12をそれぞれ通過するように水平方向に画素が配置されたラインセンサ20aの視野が設定されていることを示す。ここで、中心点Q01、Q02は、それぞれ基準マーカMkの図面に対して左方の領域、右方の領域の中心点である。中心点Q11、Q12は、それぞれ測定マーカMkの図面に対して左方の領域、右方の領域の中心点である。基準マーカMk、測定マーカMkそれぞれの左方の領域に表れる繰り返し模様の繰り返し方向は、左上方向である。基準マーカMk、測定マーカMkそれぞれの右方の領域に表れる繰り返し模様の繰り返し方向は、右上方向である。図7において、基準マーカMkよりも測定マーカMkが表れている領域の方が小さいのは、ラインセンサ20aから基準マーカMkまでの距離dの方が、ラインセンサ20aから測定マーカMkから基準マーカMkまでの距離dの方が大きいためである。
そして、変位量演算部122は、上述した手法を用いて基準マーカMk、測定マーカMkそれぞれについて解析方向の変位量y0a、y1aを演算し、得られた変位量y0a、y1aから鉛直方向の変位量y、yに変換することができる。鉛直方向の変位量y、yに変換するには、y=tanθ・y0a、y=tanθ・y1a、という関係を用いればよい。
なお、上記の説明では、主に測定マーカの個数が1個である場合を例にしたが、これには限らない。測定マーカの個数Nは、2個以上であってもよい。図8に示す例では、1個の基準マーカMkと、N個の測定マーカMk〜Mkが、それぞれ路側帯において道路の方向に沿って繰り返し模様が付された面を撮像部20に向けて配置される。撮像部20から基準マーカMk、N個の測定マーカMk〜Mkのそれぞれまでの距離d、d〜dは、その順に大きくなる。道路は、地表面を舗装して構成される場合の他、橋脚と、橋脚に支持される橋梁からなる構造物上に設けられる場合もある。構造物上に道路が設けられる場合には、路面Rsの位置によって一定の移動体Moの重量に対して生ずる変位量の大きさが異なる。基準マーカMkの位置は、比較的変位量が小さい位置、例えば、橋脚の真上が望ましい。これに対し、測定マーカMk〜Mkの位置は、比較的変位量が大きい地、例えば、橋脚から離れた位置が望ましい。これにより、マーカに共通の外乱が低減するので、測定マーカMk〜Mkのそれぞれに対する相対変位量y’〜y’の測定精度を向上させることができる。
測定マーカの個数が複数である場合には、補正演算部124は、測定マーカMkごとの相対変位量y’に対する重み付き平均値y’を算出してもよい。補正演算部124は、測定マーカMkの相対変位量y’と、予め定めた当該測定マーカMkの重み係数uとの乗算値の測定マーカMk間の総和を重み付き平均値y’として算出することができる。校正部126は、相対変位量y’に代えて重み付き平均値y’を用いて、校正データを生成すればよい。重量演算部128は、相対変位量y’に代えて重み付き平均値y’を用いて、移動体Moの重量wを演算すればよい。
重み係数uは、例えば、既知の移動体Moの重量に対する変位量yの比が大きくなる実数を、補正演算部124に設定しておけばよい。より具体的には、重み係数uは、既知の移動体Moの通過期間における相対変位量y’の最大値に比例する実数であればよい。これにより、ノイズ等の誤差の影響を相対的に受けにくい相対変位量y’が大きい測定マーカMkほど重視され、誤差の影響を受けやすい相対変位量y’が小さい測定マーカMkほど軽視される。そのため、重量測定システム1全体として、重み付き平均値から得られる移動体Moの重量の測定精度を向上させることができる。
速度計測部30は、基準マーカMkと測定マーカMk〜Mkの少なくともいずれかを通過する期間を通過期間として検出し、検出した通過期間を示す通過期間情報を重量測定装置10に出力してもよい。変位量演算部122は、速度計測部30から入力された通過期間情報が示す通過期間内の各時刻における変位量y、y〜yのうち、それぞれの最大値を補正演算に用いる変位量y、y〜yとして採用し、採用した変位量y、y〜yを補正演算部124に出力する。
図8は、速度計測部30がN+1個のループコイル30〜30を備えるループコイル式速度計測器である場合を例にする。個々のループコイル30は、道路の中央部のうち、道路とは直交する方向を対応するマーカMkの方向とする位置に設置される。速度計測部30は、個々のループコイル30のインダクタンスを観測し、観測したインダクタンスが予め設定したインダクタンスの基準値よりも初めて低下したループコイル(例えば、ループコイル30)とそのインダクタンスが低下した時点を特定する。速度計測部30は、その時点を通過開始時として定める。速度計測部30は、観測したインダクタンスが予め設定したインダクタンスの基準値よりも最後に低下したループコイル(例えば、ループコイル30)とそのインダクタンスが低下した時点を特定する。
なお、速度計測部30がレーダ式速度計測器である場合には、自器が放射するマイクロ波と移動体Moの表面で反射する反射波との位相差に基づいて、移動体Moまでの道路方向の距離を計測することができる。速度計測部30は、計測した距離が個々のマーカMkまでの距離と等しくなる時点を観測し、計測した距離が最初に等しくなるマーカ(例えば、基準マーカMk)とその距離が等しくなる時点を特定する。速度計測部30は、その時点を通過開始時として定める。速度計測部30は、計測した距離が最後に等しくなるマーカ(例えば、測定マーカMk)とその距離が等しくなる時点を特定する。速度計測部30は、その時点を通過終了時として定める。
速度計測部30は、その時点を通過終了時として定める。速度計測部30は、特定した通過開始時と通過終了時を示す通過期間情報を重量測定装置10に出力する。
(実施例)
次に、本実施形態の実施例について説明する。
図9は、本実施形態の一実施例を示す図である。本実施例では、高速道路の料金所の近傍の路側帯において、1個の基準マーカMkと、2個の測定マーカMk、Mkを移動体Moの走行経路の方向に設置した場合を例にする。基準マーカMk、測定マーカMk、Mkのそれぞれから撮像部20までの距離d、d、dは、それぞれ3.0、6.0、9.0mである。即ち、撮像部20に最も近いマーカを基準マーカとした。撮像部20として、シネマカメラを用いて、図10に示すように基準マーカMk、測定マーカMk、Mkのいずれも被写体として含む画像を撮像させた。撮像において、フレームレートを24fps、画像サイズを水平方向1920画素×垂直方向1080画素とした。
個々のマーカに表される繰り返し模様は、全体として垂直方向よりも水平方向の寸法の方が大きい横長の形状を有する。繰り返し模様は、垂直方向に区分された1組の2つの領域を有する。個々の領域には、輝度が一定のピッチ(10mm)で斜め方向に変化する繰り返し模様が表示されている。図面に対して上方の領域の繰り返し方向は、垂直方向に対して−45度の方向であり、下方の領域の繰り返し方向は、垂直方向に対して45度の方向である。
移動体Moとして、重量が10トンまたは15トンである貨物自動車を用いた。移動体Moを、基準マーカMkと2個の測定マーカMk、Mkが設置されている区間を通過するように往復させた。
そして、撮像部20に、移動体Moが移動している期間において動画像を撮像し、撮像した動画像を示す画像データを記録させた。変位量演算部122には、記録させた画像データが示す動画像をなす静止画像の各フレームについてサンプリングモアレ法を用いて各マーカMk〜Mkの変位量y〜yを算出させた。補正演算部124には、式(1)を用いて測定マーカごとに相対変位量y’、y’を算出させた。但し、相対変位量y’を算出させる際、測定変位量yに代えて、測定変位量yを式(1)に代入した。校正部126には、マーカごとの相対変位量と移動体Moの速度、重量の組を複数個用いて、校正データを生成させた。重量演算部128には、校正部126が生成した校正データと、補正演算部124が算出した相対変位量y’、y’を用いて、移動体Moの重量を算出させた。
図11は、マーカMk〜Mkのそれぞれについて変位量演算部122が算出した変位量y〜yの時間変化を例示する。この例では、マーカMk〜Mkが設置された区間において移動体Moを逐次に3往復させた。図11は、縦軸に変位量を示し、横軸に時刻を示す。図11に示す負値の変位量が小さいほど鉛直方向の変位量が大きいことを意味する。図11は、移動体Moの前進時、後退時のそれぞれについて、変位量y〜yに各1個の谷を示す。それぞれの谷は、この区間の移動体Moの通過中における変位量y〜yの最大値を示す。この例では、変位量y〜yの最大値をとる時刻は、ほぼ同時である。このことは、マーカMk〜Mkが共通の橋梁上に設置されているために、移動体Moの通過により剛体からなる橋梁全体に同相の鉛直方向への変位が生ずることが一因と推定される。また、移動体Moの重量を一定としたにも関わらず、移動体Moが移動を繰り返すごとに、変位量y〜yの最大値が徐々に大きくなる傾向がある。この傾向は、移動体Moの移動による振動により撮像部20と各マーカMk〜Mkの位置関係が変動することが一因と推定される。仮に、算出された変位量y〜yをそのまま用いて、重量演算部128に移動体Moの重量を算出させると、算出された重量には誤差が生じてしまうおそれがある。
図12は、マーカMk、Mkのそれぞれについて、図11に示す変位量y〜yを用いて補正演算部124が算出した相対変位量y’、y’の時間変化を例示する。この例も、移動体Moの前進時、後退時のそれぞれについて、相対変位量y’、y’に各1個の谷を有する。図11に示す変位量y〜yとは異なり、移動体Moの前進時、後退時のそれぞれに対して、相対変位量y’、y’の最大値は、ほぼ一定となる。図12は、補正演算により外乱の影響を除去して、移動体Moの重量を精度よく測定できることを示す。また、図11に例示される変位量y〜yは、撮像部20からの距離が大きいマーカほど大きくなる傾向がある。これは、各1フレームの画像に表れる繰り返し模様のピッチがマーカの距離に応じて異なるためである。補正演算部124において、距離dに対する距離dの比d/dを補正係数として変位量に乗じて得られる補正量を差し引くことで、見かけ上のピッチの差が考慮される。
図13、図14は、相対変位量y’、y’の時間変化の他の例を示す。図13、図14は、移動体Moとして重量が14トンである車両をマーカMk〜Mkが設置された区間において逐次に2往復させて得られた相対変位量y’、y’を示す。図13、図14のいずれも、移動体Moの前進時、後退時のそれぞれについて、相対変位量y’、y’の最大値ymaxが得られる。但し、図13、図14に示す例では、移動体Moの移動速度をそれぞれ10km/h、20km/hとした。移動速度が高いほど、相対変位量が減少する傾向が認められる。なお、移動体Moの重量が異なる場合(例えば、10トン)であっても同様の傾向が認められた。
図15、図16は、測定マーカMk,Mkのそれぞれについて、移動体Moの重量ごとの相対変位量の例を示す。図15、図16の縦軸は、相対変位量を示し、横軸は重量を示す。図15、図16の各点は、相対変位量、重量および速度の組を示す。これらの点の分布は、校正部126により重量が相対変位量と速度の一次関数で近似できることを示す。但し、図15、図16に示す例では、速度ごとに相対変位量が重量の一次関数で近似されている。
図15に示す例によれば、相対変位量y’[mm]と重量w[t]との関係は、移動速度が10km/hであるときy’=0.0158w、移動速度が20km/hであるときy’=0.0129wとなる。
図16に示す例によれば、相対変位量y’[mm]と重量w[t]との関係は、移動速度が10km/hであるときy’=0.0336w、移動速度が20km/hであるときy’=0.0217wとなる。
図17、図18は、相対変位量y’、y’の時間変化のさらに他の例を示す。図17、図18は、移動体Moとして重量が、それぞれ12.2トン、11.4トンである車両を移動速度10km/h、20km/hで、マーカMk〜Mkが設置された区間を通過させて相対変位量y’、y’を示す。相対変位量y’、y’の最大値は、それぞれ0.18mm、0.45mmとなった。重量演算部128は、図15、図16に示す例より得られた係数を用いて、移動体Moの重量をそれぞれ13.7トン、13.5トンと算出することができる。
以上に説明したように、本実施形態に係る重量測定装置10は、水平方向に交差する方向に一定のピッチで繰り返される模様を含む繰り返し模様をそれぞれ表す2以上のマーカの画像を撮像部20から取得し、2以上のマーカは、変位量の基準とする基準マーカと、測定対象とする測定マーカとを含み、マーカごとに繰り返し模様から生成されたモアレ画像の位相から当該マーカの鉛直方向の変位量を演算する変位量演算部122を備える。重量測定装置10は、測定マーカに係る変位量である測定変位量から、基準マーカに係る変位量である基準変位量に基づく補正量を差し引いて相対変位量を演算する補正演算部124を備える。また、重量測定装置10は、少なくとも相対変位量と移動体の重量との予め設定された対応関係を示す校正データに基づいて、補正演算部124が演算した相対変位量を用いて移動体の重量を演算する重量演算部128と、を備える。
この構成によれば、複数のマーカのそれぞれに表された繰り返し模様の画像からモアレ画像の位相から鉛直方向の変位量が算出され、基準変位量に基づく補正量を測定変位量から差し引いて得られる相対変位量から移動体の重量が算出される。測定変位量から基準変位量に基づく補正量を差し引くことで、複数のマーカに共通な外乱の影響が除去される。そのため、路面に重量を検出するための各種のセンサを必ずしも設置しなくても、路面上を移動する移動体の重量を非接触かつ高精度で測定することができる。また、撮像部20として汎用の撮像装置もしくは自動速度違反取締装置に内蔵の撮像装置を利用できるので、経済的な実現が可能となる。
また、変位量演算部122は、移動体が存在していないときのマーカごとのモアレ画像の位相を基準位相として設定しておき、マーカごとに繰り返し模様から生成されたモアレ画像の位相と基準位相との位相差から変位量を演算する。また、補正演算部124は、移動体が測定マーカと基準マーカの少なくとも1つを通過する通過期間における相対変位量の最大値を特定してもよい。
移動により路面に生ずる変位量は常に変動するが、この構成によれば、移動体の荷重による変位の影響が最も大きい時点における相対変位量の最大値を重量の算出に用いることで、変位量の変動による誤差を低減することができる。
また、補正演算部124は、撮像部20から基準マーカまでの基準距離に対する撮像部20から測定マーカまでの測定距離の距離比を基準変位量に乗じて補正量を演算してもよい。
この構成によれば、基準マーカと測定マーカとの距離の差異により変位量に対する影響を除去して、基準マーカと測定マーカに共通の外乱の影響が相対変位量から除去または低減する。そのため、相対変位量に基づいて算出される重量が精度よく測定される。
また、測定マーカの個数は2以上であり、補正演算部124は、前記測定マーカごとに予め設定した重み係数に基づいて、前記測定マーカごとの相対変位量の重み付き平均値を演算し、前記重み係数は、既知の移動体の重量に対する相対変位量の比が大きい測定マーカほど大きいことを特徴としてもよい。
この構成によれば、ノイズの影響を相対的に受けにくい移動体の重量に対する相対変位量の大きい測定マーカほど重視し、ノイズの影響を相対的に受けやすい移動体の重量に対する相対変位量の小さい測定マーカほど軽視して重み付き平均値が算出される。そのため、重量測定システム全体として重み付き平均値から得られる移動体の重量の測定精度が向上する。
また、繰り返し模様の繰り返し方向は、水平方向と鉛直方向のいずれにも交差する斜め方向であり、前記撮像部は、前記斜め方向にさらに交差する方向である解析方向に画素が配列された一次元のラインセンサまたは二次元の面内に画素が配列されたエリアセンサであり、前記変位量演算部は、前記モアレ画像の位相から前記マーカの前記解析方向の変位量を演算し、前記解析方向の変位量を前記鉛直方向の変位量に変換してもよい。
この構成によれば、演算処理部12は、少なくとも画素が解析方向に一次元配列された画素間の輝度分布を示す画像を用いて移動体の重量を算出することができる。そのため、測定精度を低下させずに2次元画像に対する処理量よりも著しく低下させることができる。また、繰り返し方向が斜め方向の繰り返し模様を用いることで、斜め方向に交差する解析方向、例えば、水平方向に画素が配列されたラインセンサを撮像部20として採用することができる。そのため、撮像部20の配置に対する自由度を高くすることができる。
また、校正データは、速度ならびに相対変位量と移動体の重量との対応関係を示し、重量演算部128は、校正データに基づいて、速度計測部30から取得した移動体の速度と補正演算部124が算出した相対変位量を用いて移動体の重量を演算してもよい。
この構成によれば、重量に対する変位量の依存性を考慮して移動体の重量が算出される。一般に、移動体の速度に応じて一定の重量に対する変位量が減少する傾向が生じるが、移動体の速度による精度の低下を回避または低減することができる。
上述した実施形態に係る重量測定システム1は、次のように変形して実施されてもよい。撮像部20と重量測定装置10とは有線または無線のネットワークで接続されてもよい。 重量測定装置10は、必ずしもパラメータ入力部11と表示部13と一体化されていなくてもよい。重量測定装置10において、パラメータ入力部11と表示部13の一方または両方が省略されてもよい。
重量測定装置10は、撮像部20と速度計測部30の一方または両方を含み、単一の重量測定装置10として構成されてもよい。
上述した実施形態において、変位量演算部122が、画素毎の信号値として輝度値を用いる場合を例にしたが、これには限られない。変位量演算部122は、画素毎の信号値として色信号値、例えば、赤、緑、青など各色の信号値もしくは、それらの信号値の組を用いてもよい。
また、上述した実施形態では、各マーカに表された繰り返し模様のピッチがマーカ間で共通である場合を前提にしていたが、マーカ毎に異なっていてもよい。例えば、撮像部20からの距離が遠い測定点ほど、ピッチが大きくてもよい。その場合には、撮像部20からの距離が遠くなっても画像上に表される模様の周期が小さくならないので、撮像部20からの距離による測定精度の劣化を防止または緩和することができる。
なお、上述した実施形態における重量測定装置10の一部、例えば、演算処理部12をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、重量測定装置10に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
また、上述した実施形態における重量測定装置10の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。重量測定装置10の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
1…重量測定システム、10…重量測定装置、11…パラメータ入力部、12…演算処理部、122…変位量演算部、124…補正演算部、126…校正部、128…重量演算部、13…表示部、20…撮像部、30…速度計測部

Claims (9)

  1. 水平方向に交差する方向に一定のピッチで繰り返される模様を含む繰り返し模様をそれぞれ表す2以上のマーカの画像を撮像部から取得し、前記マーカは、変位量の基準とする基準マーカと、測定対象とする測定マーカとを含み、
    前記マーカごとに前記繰り返し模様から生成されたモアレ画像の位相から当該マーカの鉛直方向の変位量を演算する変位量演算部と、
    前記測定マーカに係る変位量である測定変位量から、前記基準マーカに係る変位量である基準変位量に基づく補正量を差し引いて相対変位量を演算する補正演算部と、
    少なくとも相対変位量と移動体の重量との予め設定された対応関係を示す校正データに基づいて、前記補正演算部が演算した相対変位量を用いて移動体の重量を演算する重量演算部と、を備える
    重量測定装置。
  2. 前記変位量演算部は、
    前記移動体が存在していないときの前記マーカごとの前記モアレ画像の位相を基準位相として設定しておき、
    前記マーカごとに、前記繰り返し模様から生成されたモアレ画像の位相と前記基準位相との位相差から前記変位量を演算し、
    前記補正演算部は、
    前記移動体が前記測定マーカと前記基準マーカの少なくとも1つを通過する通過期間における前記相対変位量の最大値を特定する
    請求項1に記載の重量測定装置。
  3. 前記補正演算部は、
    前記撮像部から前記基準マーカまでの基準距離に対する前記撮像部から前記測定マーカまでの測定距離の距離比を前記基準変位量に乗じて前記補正量を演算する
    請求項1または請求項2に記載の重量測定装置。
  4. 前記測定マーカの個数は2以上であり、
    前記補正演算部は、
    前記測定マーカごとに予め設定した重み係数に基づいて、前記測定マーカごとの相対変位量の重み付き平均値を演算し、
    前記重み係数は、既知の移動体の重量に対する相対変位量の比が大きい測定マーカほど大きいことを特徴とする
    請求項1から請求項3のいずれかに記載の重量測定装置。
  5. 前記繰り返し模様の繰り返し方向は、水平方向と鉛直方向のいずれにも交差する斜め方向であり、
    前記撮像部は、前記斜め方向にさらに交差する方向である解析方向に画素が配列された一次元のラインセンサまたは二次元の面内に画素が配列されたエリアセンサであり、
    前記変位量演算部は、
    前記モアレ画像の位相から前記マーカの前記解析方向の変位量を演算し、
    前記解析方向の変位量を前記鉛直方向の変位量に変換する
    請求項1から請求項4のいずれかに記載の重量測定装置。
  6. 前記校正データは、速度ならびに相対変位量と移動体の重量との対応関係を示し、
    前記重量演算部は、
    前記校正データに基づいて、速度計測部から取得した前記移動体の速度と前記補正演算部が算出した相対変位量を用いて移動体の重量を演算する
    請求項1から請求項5のいずれかに記載の重量測定装置。
  7. 撮像部と重量測定装置を備える重量測定システムであって、
    前記重量測定装置は、
    水平方向に交差する方向に一定のピッチで繰り返される模様を含む繰り返し模様をそれぞれ表す2以上のマーカの画像を前記撮像部から取得し、前記マーカは、変位量の基準とする基準マーカと、測定対象とする測定マーカとを含み、
    前記マーカごとに前記繰り返し模様から生成されたモアレ画像の位相から当該マーカの鉛直方向の変位量を演算する変位量演算部と、
    前記測定マーカに係る変位量である測定変位量から、前記基準マーカに係る変位量である基準変位量に基づく補正量を差し引いて相対変位量を演算する補正演算部と、
    少なくとも相対変位量と移動体の重量との予め設定された対応関係を示す校正データに基づいて、前記補正演算部が演算した相対変位量を用いて移動体の重量を演算する重量演算部と、を備える
    重量測定システム。
  8. 重量測定装置における重量測定方法であって、
    水平方向に交差する方向に一定のピッチで繰り返される模様を含む繰り返し模様をそれぞれ表す2以上のマーカの画像を撮像部から取得し、前記マーカは、変位量の基準とする基準マーカと、測定対象とする測定マーカとを含み、
    前記マーカごとに前記繰り返し模様から生成されたモアレ画像の位相から当該マーカの鉛直方向の変位量を演算する第1ステップと、
    前記測定マーカに係る変位量である測定変位量から、前記基準マーカに係る変位量である基準変位量に基づく補正量を差し引いて相対変位量を演算する第2ステップと、
    少なくとも相対変位量と移動体の重量との予め設定された対応関係を示す校正データに基づいて、前記第2ステップにおいて演算された相対変位量を用いて移動体の重量を演算する第3ステップと、を有する
    重量測定方法。
  9. 重量測定装置のコンピュータに、
    水平方向に交差する方向に一定のピッチで繰り返される模様を含む繰り返し模様をそれぞれ表す2以上のマーカの画像を撮像部から取得し、前記マーカは、変位量の基準とする基準マーカと、測定対象とする測定マーカとを含み、
    前記マーカごとに前記繰り返し模様から生成されたモアレ画像の位相から当該マーカの鉛直方向の変位量を演算する第1手順と、
    前記測定マーカに係る変位量である測定変位量から、前記基準マーカに係る変位量である基準変位量に基づく補正量を差し引いて相対変位量を演算する第2手順と、
    少なくとも相対変位量と移動体の重量との予め設定された対応関係を示す校正データに基づいて、前記第2手順において演算された相対変位量を用いて移動体の重量を演算する第3手順と、を実行させるための
    プログラム。
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