JP2017131959A - 構造体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブラケット部材3に形成された取付孔3aにビーム部材2を挿通させてビーム部材2の所定位置にブラケット部材3を配置する部材配置工程と、支持棒22にコイル21が設けられたコイルユニット20のコイル21をビーム部材2の端部から内部に挿し込む挿入工程と、コイルユニット20を軸方向へ移動させてコイル21を所定位置に対応する位置に配置させるコイル配置工程と、ビーム部材2の外部に延在する支持棒22を固定することでコイル21の軸方向の移動を規制するコイル固定工程と、コイル21に通電することで発生する電磁力によりビーム部材2を拡管させ、ビーム部材2にブラケット部材3を固着させる固着工程と、を含み、コイル配置工程、コイル固定工程及び固着工程を、それぞれの所定位置において順に行う。
【選択図】図9
Description
このため、特許文献1,2の技術では、例えば、車両のインストルメントパネル内に設けられるレインフォースなどの長尺の管状部材の軸方向の中間部分における複数箇所を個別に拡管させてブラケット部材などを固着させることは困難であった。
金属管からなる管状部材の軸方向の複数の所定位置に他の部材がそれぞれ取り付けられた構造体の製造方法であって、
前記他の部材に形成された取付孔に前記管状部材を挿通させて前記管状部材の前記所定位置に前記他の部材を配置する部材配置工程と、
支持棒にコイルが連結されたコイルユニットの前記コイルを前記管状部材の端部から内部に挿し込む挿入工程と、
前記コイルユニットを軸方向へ移動させて前記コイルを前記所定位置に対応する位置に配置させるコイル配置工程と、
前記管状部材の外部に延在する前記支持棒を固定することで前記コイルの軸方向の移動を規制するコイル固定工程と、
前記コイルに通電することで発生する電磁力により前記管状部材を拡管させ、前記管状部材に前記他の部材を固着させる固着工程と、
を含み、
前記コイル配置工程、前記コイル固定工程及び前記固着工程を、それぞれの前記所定位置において順に行う
ことを特徴とする構造体の製造方法。
また、本発明は下記構成からなる。
金属管からなる管状部材の軸方向の複数の所定位置に他の部材がそれぞれ取り付けられた構造体の製造方法であって、
前記他の部材に形成された取付孔に前記管状部材を挿通させて前記管状部材の前記所定位置に前記他の部材を配置する部材配置工程と、
複数のコイルが支持棒で軸方向に連結されたコイルユニットを前記管状部材の端部から内部に挿し込む挿入工程と、
前記コイルユニットを移動させ、それぞれの前記コイルを前記所定位置に対応する位置に配置させるコイル配置工程と、
前記管状部材の外部に延在する前記支持棒を固定することでそれぞれの前記コイルの軸方向の移動を規制するコイル固定工程と、
それぞれの前記コイルに通電することで発生する電磁力により前記管状部材のそれぞれの所定位置を同時に拡管させ、前記管状部材に複数の前記他の部材を固着させる固着工程と、
を含む
ことを特徴とする構造体の製造方法。
また、前記コイル配置工程、前記コイル固定工程及び前記固着工程を繰り返すことであってもよい。
また、前記挿入工程、前記コイル配置工程、前記コイル固定工程及び前記固着工程を、前記管状部材の両端側から行うことであってもよい。
まず、第1の構造体の製造方法について説明する。
図1は、構造体の一例であるレインフォースの斜視図である。
図2は、部材配置工程を説明する工程説明図で、ビーム部材の軸方向に沿う概略断面図である。
図2に示すように、拡径部6を成形する前のビーム部材2を用意し、このビーム部材2をブラケット部材3に形成された取付孔3aに挿通させる。そして、ビーム部材2の外周における軸方向の所定位置にブラケット部材3を配置する。そして、このビーム部材2の第一拡径部2A及び第二拡径部2Bの外周の所定位置にブラケット部材3を配置する。
図3は挿入工程を説明する工程説明図で、ビーム部材の軸方向に沿う概略断面図である。
図3に示すように、ビーム部材2の内部に、ビーム部材2の端部からコイル21を挿し込む。このコイル21は、ボビン部21aと導体素線21bとを備えている。ボビン部21aは絶縁性樹脂を棒状に形成したもので、このボビン部21aの周囲に導体素線21bが巻回されている。導体素線21bは、矩形または正方形の断面形状を有しており、その周囲は、絶縁性物質21cで覆われている。コイル21は、支持棒22の端部に固着されている。支持棒22は、剛性を有する棒体からなるもので、例えば、合成樹脂からなるパイプが用いられる。そして、このコイル21と支持棒22とから、コイルユニット20が構成されている。
図4は、コイル配置工程を説明する工程説明図で、ビーム部材の軸方向に沿う概略断面図である。
図4に示すように、コイルユニット20を軸方向へ移動させ、ビーム部材2の内部に挿入したコイル21を、ブラケット部材3を固着させる所定位置に対応する位置に配置させる。具体的には、コイル21を挿入したビーム部材2の端部に近い第一拡径部2Aにおける所定位置に対応する位置に配置させる。
図5は、コイル固定工程を説明する工程説明図で、ビーム部材の軸方向に沿う概略断面図である。
図5に示すように、ビーム部材2の外部に延在するコイルユニット20の支持棒22を、ビーム部材2の外部で固定具30によって締結する。固定具30は、ビーム部材2を固定するテーブル(図示略)に固定される固定台31と、支持棒22を締結する締結部32とを有している。そして、この固定具30によって支持棒22を締結することで、コイル21は、ビーム部材2の内部における所定位置に対応した位置に配置された状態で固定され、軸方向への移動が規制される。
図6は、固着工程を説明する工程説明図で、ビーム部材の軸方向に沿う概略断面図である。
図6に示すように、コイルユニット20のコイル21に通電することで、このコイル21に瞬間的に大電流を流して電磁力を発生させる。これにより、この電磁力によってビーム部材2におけるコイル21の配置箇所を径方向外方へ拡管させて拡径部6を形成する。これにより、このビーム部材2の第一拡径部2Aにおける外周をブラケット部材3にかしめて固着する。
図7は、コイル配置工程を説明する工程説明図で、ビーム部材の軸方向に沿う概略断面図である。
図7に示すように、固定具30による支持棒22の締結を解除し、コイルユニット20を軸方向へ移動させる。そして、ビーム部材2の内部のコイル21を、ブラケット部材3を固着させる次の所定位置である第二拡径部2Bにおける所定位置に対応する位置に配置させる。
図8は、コイル固定工程を説明する工程説明図で、ビーム部材の軸方向に沿う概略断面図である。
図8に示すように、ビーム部材2の外部に延在するコイルユニット20の支持棒22を、ビーム部材2の外部で固定具30によって締結してコイル21を固定し、コイル21の軸方向への移動を規制させる。
図9は、固着工程を説明する工程説明図で、ビーム部材の軸方向に沿う概略断面図である。
図9に示すように、コイルユニット20のコイル21に通電することで、このコイル21に瞬間的に大電流を流して電磁力を発生させる。これにより、この電磁力によってビーム部材2におけるコイル21の配置箇所を径方向外方へ拡管させて拡径部6を形成する。これにより、このビーム部材2の第二拡径部2Bにおける外周にブラケット部材3をかしめて固着する。
次に、第2の構造体の製造方法ついて説明する。なお、上記第1の構造体の製造方法と同一構成部分は同一符号を付して説明を省略する。
拡径部6を成形する前のビーム部材2を用意し、このビーム部材2をブラケット部材3に形成された取付孔3aに挿通させる。そして、ビーム部材2の外周における軸方向の所定位置にブラケット部材3を配置する。これにより、このビーム部材2の第一拡径部2A及び第二拡径部2Bの外周の所定位置にブラケット部材3を配置する(図2参照)。
図10は、挿入工程を説明する工程説明図で、ビーム部材の軸方向に沿う概略断面図である。
図10に示すように、ビーム部材2の内部に、ビーム部材2の端部から複数のコイル21を挿し込む。これらのコイル21は、支持棒22によって軸方向に連結されている。そして、これらのコイル21と支持棒22とから、コイルユニット20Aが構成されている。
図11は、コイル配置工程を説明する工程説明図で、ビーム部材の軸方向に沿う概略断面図である。
図11に示すように、コイルユニット20Aを軸方向へ移動させ、ビーム部材2の内部に挿入した各コイル21を、ブラケット部材3を固着させる所定位置に対応する位置にそれぞれ配置させる。具体的には、第一拡径部2Aにおける所定位置に対応する位置及び第二拡径部2Bにおける所定位置に対応する位置にそれぞれコイル21を配置させる。
図12は、コイル固定工程を説明する工程説明図で、ビーム部材の軸方向に沿う概略断面図である。
図12に示すように、ビーム部材2の外部に延在するコイルユニット20Aの支持棒22を、ビーム部材2の外部で固定具30によって締結してコイル21を固定し、コイル21の軸方向への移動を規制させる。
図13は、製造方法の固着工程を説明する工程説明図で、ビーム部材の軸方向に沿う概略断面図である。
図13に示すように、コイルユニット20Aのそれぞれのコイル21に通電することで、これらのコイル21に瞬間的に大電流を流して電磁力を発生させる。これにより、この電磁力によってビーム部材2におけるコイル21の配置箇所をそれぞれ径方向外方へ拡管させて拡径部6を形成する。これにより、このビーム部材2の第一拡径部2A及び第二拡径部2Bにおける外周をブラケット部材3にそれぞれかしめて固着する。これにより、ビーム部材2の個別に拡管させた複数の所定位置にブラケット部材3がそれぞれ固着されたレインフォース1が得られる。
(1) 金属管からなる管状部材の軸方向の複数の所定位置に他の部材がそれぞれ取り付けられた構造体の製造方法であって、
前記他の部材に形成された取付孔に前記管状部材を挿通させて前記管状部材の前記所定位置に前記他の部材を配置する部材配置工程と、
支持棒にコイルが連結されたコイルユニットの前記コイルを前記管状部材の端部から内部に挿し込む挿入工程と、
前記コイルユニットを軸方向へ移動させて前記コイルを前記所定位置に対応する位置に配置させるコイル配置工程と、
前記管状部材の外部に延在する前記支持棒を固定することで前記コイルの軸方向の移動を規制するコイル固定工程と、
前記コイルに通電することで発生する電磁力により前記管状部材を拡管させ、前記管状部材に前記他の部材を固着させる固着工程と、
を含み、
前記コイル配置工程、前記コイル固定工程及び前記固着工程を、それぞれの前記所定位置において順に行う
ことを特徴とする構造体の製造方法。
この構造体の製造方法によれば、管状部材に挿入したコイルユニットのコイルを軸方向に移動させて各所定位置で電磁成形によって管状部材を拡管させることで、管状部材の軸方向の複数箇所に他の部材を固着することができる。これにより、例えば、車両用のレインフォースなどのような長尺の管状部材に対して、その軸方向の中間部分における複数箇所に他の部材を容易に固着させることができる。
また、コイルに通電して電磁成形する前に支持棒を管状部材の外部で固定してコイルの軸方向への移動を規制させるので、位置ずれなく円滑に管状部材を拡管させて他の部材をかしめて固着させることができる。
(2) 金属管からなる管状部材の軸方向の複数の所定位置に他の部材がそれぞれ取り付けられた構造体の製造方法であって、
前記他の部材に形成された取付孔に前記管状部材を挿通させて前記管状部材の前記所定位置に前記他の部材を配置する部材配置工程と、
複数のコイルが支持棒で軸方向に連結されたコイルユニットを前記管状部材の端部から内部に挿し込む挿入工程と、
前記コイルユニットを移動させ、それぞれの前記コイルを前記所定位置に対応する位置に配置させるコイル配置工程と、
前記管状部材の外部に延在する前記支持棒を固定することでそれぞれの前記コイルの軸方向の移動を規制するコイル固定工程と、
それぞれの前記コイルに通電することで発生する電磁力により前記管状部材のそれぞれの所定位置を同時に拡管させ、前記管状部材に複数の前記他の部材を固着させる固着工程と、
を含む
ことを特徴とする構造体の製造方法。
この構造体の製造方法によれば、管状部材に挿入したコイルユニットの複数のコイルをそれぞれ所定位置に配置させて電磁成形によって管状部材を同時に拡管させることで、管状部材の軸方向の複数箇所に他の部材を同時に固着することができる。これにより、例えば、車両用のレインフォースなどのような長尺の管状部材に対して、その軸方向の中間部分における複数箇所に他の部材を容易に固着させることができる。
また、コイルに通電して電磁成形する前に支持棒を管状部材の外部で固定してコイルの軸方向への移動を規制させるので、位置ずれなく円滑に管状部材を拡管させて位置ずれなく他の部材をかしめて固着させることができる。
(3) 前記コイル配置工程、前記コイル固定工程及び前記固着工程を繰り返す
ことを特徴とする(2)に記載の構造体の製造方法。
この構造体の製造方法によれば、管状部材に挿入したコイルユニットの複数のコイルで管状部材の複数の所定位置を同時に拡管させ、さらに、コイルユニットを軸方向に移動させて複数のコイルで管状部材の他の複数の所定位置を同時に拡管させることで、管状部材の軸方向の複数箇所に他の部材を極めて容易にかつ短時間で固着することができる。
(4) 前記挿入工程、前記コイル配置工程、前記コイル固定工程及び前記固着工程を、前記管状部材の両端側から行う
ことを特徴とする(1)から(3)のいずれか一項に記載の構造体の製造方法。
この構造体の製造方法によれば、管状部材の両端側から挿入工程、コイル配置工程、コイル固定工程及び固着工程を行うことで、管状部材の軸方向の複数箇所に他の部材を極めて容易にかつさらに短時間で固着することができる。
2 ビーム部材(管状部材)
3 ブラケット部材(他の部材)
3a 取付孔
20,20A コイルユニット
21 コイル
22 支持棒
Claims (4)
- 金属管からなる管状部材の軸方向の複数の所定位置に他の部材がそれぞれ取り付けられた構造体の製造方法であって、
前記他の部材に形成された取付孔に前記管状部材を挿通させて前記管状部材の前記所定位置に前記他の部材を配置する部材配置工程と、
支持棒にコイルが連結されたコイルユニットの前記コイルを前記管状部材の端部から内部に挿し込む挿入工程と、
前記コイルユニットを軸方向へ移動させて前記コイルを前記所定位置に対応する位置に配置させるコイル配置工程と、
前記管状部材の外部に延在する前記支持棒を固定することで前記コイルの軸方向の移動を規制するコイル固定工程と、
前記コイルに通電することで発生する電磁力により前記管状部材を拡管させ、前記管状部材に前記他の部材を固着させる固着工程と、
を含み、
前記コイル配置工程、前記コイル固定工程及び前記固着工程を、それぞれの前記所定位置において順に行う
ことを特徴とする構造体の製造方法。 - 金属管からなる管状部材の軸方向の複数の所定位置に他の部材がそれぞれ取り付けられた構造体の製造方法であって、
前記他の部材に形成された取付孔に前記管状部材を挿通させて前記管状部材の前記所定位置に前記他の部材を配置する部材配置工程と、
複数のコイルが支持棒で軸方向に連結されたコイルユニットを前記管状部材の端部から内部に挿し込む挿入工程と、
前記コイルユニットを移動させ、それぞれの前記コイルを前記所定位置に対応する位置に配置させるコイル配置工程と、
前記管状部材の外部に延在する前記支持棒を固定することでそれぞれの前記コイルの軸方向の移動を規制するコイル固定工程と、
それぞれの前記コイルに通電することで発生する電磁力により前記管状部材のそれぞれの所定位置を同時に拡管させ、前記管状部材に複数の前記他の部材を固着させる固着工程と、
を含む
ことを特徴とする構造体の製造方法。 - 前記コイル配置工程、前記コイル固定工程及び前記固着工程を繰り返す
ことを特徴とする請求項2に記載の構造体の製造方法。 - 前記挿入工程、前記コイル配置工程、前記コイル固定工程及び前記固着工程を、前記管状部材の両端側から行う
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の構造体の製造方法。
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