JPH10314869A - アルミニウム又はアルミニウム合金構造体及びその組立方法 - Google Patents

アルミニウム又はアルミニウム合金構造体及びその組立方法

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JPH10314869A
JPH10314869A JP9127244A JP12724497A JPH10314869A JP H10314869 A JPH10314869 A JP H10314869A JP 9127244 A JP9127244 A JP 9127244A JP 12724497 A JP12724497 A JP 12724497A JP H10314869 A JPH10314869 A JP H10314869A
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frame
aluminum
aluminum alloy
hole
forming
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Yoshihaya Imamura
美速 今村
Seiji Sasabe
誠二 笹部
Kazuo Yonezawa
和男 米澤
Toru Hashimura
徹 橋村
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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    • B21D39/00Application of procedures in order to connect objects or parts, e.g. coating with sheet metal otherwise than by plating; Tube expanders
    • B21D39/06Application of procedures in order to connect objects or parts, e.g. coating with sheet metal otherwise than by plating; Tube expanders of tubes in openings, e.g. rolling-in
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶接による変形の発生を防止して寸法精度を
向上させることができると共に、構造体の組立時におけ
る複雑な位置決め工程を省略して、組立時間を短縮し、
低コストで組み立てることができるアルミニウム又はア
ルミニウム合金構造体及びその組立方法を提供する。 【解決手段】 先ず、第1フレーム1の両端部近傍にお
ける対向壁部に、所定の寸法に膨出させた突起部1s
と、所定の寸法及び形状の首部1bを有する孔とを形成
し、第1フレーム1の孔側から突起部の内側に第2フレ
ーム2を挿入する。次に、第1フレーム1に形成された
突起部1sの周囲から電磁力を与えることによって突起
部1sをかしめて、第1フレーム1と第2フレーム2と
を仮付けする。その後、首部1bの端面と第2フレーム
2とをすみ肉溶接することにより、第1フレームと第2
フレームとを溶接接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車及び輸送機
等の車体フレーム等として使用されるアルミニウム又は
アルミニウム合金構造体及びその組立方法に関し、特
に、溶接による変形の発生を防止することができると共
に、部材間の複雑な位置決め工程を省略して、構造体の
組立時間を短縮することができるアルミニウム又はアル
ミニウム合金構造体及びその組立方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車及び輸送機等の分野においては、
アルミニウム合金からなる中空のパイプ状フレーム構造
体によって車体等を支持することにより、車体の軽量化
を図っている。このようなフレーム構造体の製造工程に
おいては、従来より、筒状の形材(フレーム)同士を接
合して構造体を組み立てる種々の方法が提案されてい
る。
【0003】図10は従来のフレーム構造体の組立方法
を示す斜視図である。フレーム構造体を組み立てる場
合、図10に示すように、先ず、定盤12の上に、複数
のフレーム11を所望の形状で配置し、これらのフレー
ム11を定盤12と共にクランプ13によって固定す
る。そして、全てのフレーム11同士をその接合面11
aで高精度に密着させた後、各接合面11a上の一点を
アークスポット溶接することにより構造体全体の仮付け
を実施する。そして、全てのフレーム11同士の仮付け
が完了した後、アーク溶接によって各仮付け部分を本溶
接する。
【0004】図11は従来のフレーム構造体の他の組立
方法を示す斜視図である。要求されるフレーム構造体が
平面の定盤12の上に固定することができない形状であ
る場合は、以下に示す方法でフレーム構造体を組み立て
ることができる。先ず、要求されるフレーム構造体の形
状に対応する形状の支持台14を準備する。但し、この
支持台14はフレーム構造体の形状に厳密に対応してい
るものではないので、支持台14の適切な位置には、各
フレーム11を支持する高さを調整することができる複
数の支持具14aが取り付けられている。
【0005】次に、支持具14aの高さを調整して、製
造するフレーム構造体の形状に整合させる。その後、図
10に示す方法と同様に、各フレーム11を支持具14
aと共にクランプ16によって固定する。そして、全て
のフレーム11同士をその接合面11aで高精度に密着
させた後、各接合面11a上の一点をアークスポット溶
接することにより全体の仮付けを実施する。そして、全
てのフレーム11同士の仮付けが完了した後、アーク溶
接によって各仮付け部分を本溶接する。このようにし
て、複数本のフレーム11により構成されるフレーム構
造体を組み立てることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
組立方法によって構造体を組み立てると、以下に示す問
題点が発生する。即ち、アークスポット溶接によって、
順次フレーム11同士の仮付けが実施されるが、この仮
付け時の溶接面積が極めて僅かであっても、溶融部分の
冷却時において、その溶融部分が収縮してしまう。その
結果、フレーム11自体が変形したり、得られるフレー
ム構造体の寸法が所望の寸法と異なったものになる。
【0007】そこで、従来より、構造体全体における溶
接の仮付け順序及びスポット溶接の位置等を溶接作業者
が経験によって適切に選択して、構造体全体における寸
法のずれの量を総合的に低減する方法が使用されてい
る。具体的には、図12に示すように、フレーム11同
士を仮付けする場合に、先ず接合面11a上の一点17
aをスポット溶接する。次いで、仮付けされた複数本の
フレーム11を一旦支持台から取り外し、スポット溶接
した面を下側に配置して、再びフレーム11を支持台に
固定する。その後、スポット溶接された一点17aに対
して対称な点17bをスポット溶接する。このようにす
ることにより、1回目のスポット溶接による収縮が、そ
の対称な位置における2回目のスポット溶接による収縮
によって緩和され、構造的に変形の大きさを平衡させる
ことができる。
【0008】しかし、この方法によっても、接合される
フレーム11自体の局所的な寸法のずれ及び変形の発生
を防止することはできない。また、溶接の仮付け順序及
び仮付け位置等は、溶接作業者の経験によって決定され
ているので、溶接方法及び溶接条件の選択が複雑であ
る。更に、仮付けの順序を規定することによって、フレ
ーム11を定盤12又は支持台14に固定したり、取り
外すための作業回数が増加して、組立作業に必要な時間
が増加する。従って、従来の組立方法は、フレーム構造
体を大量に製造する方法として不適であると共に、種々
の品種の形材間の溶接に対して適用させることが困難で
ある。
【0009】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、溶接による変形の発生を防止して寸法精度
を向上させることができると共に、構造体の組立時にお
ける複雑な位置決め工程を省略して、組立時間を短縮
し、低コストで組み立てることができるアルミニウム又
はアルミニウム合金構造体及びその組立方法を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係るアルミニウ
ム又はアルミニウム合金構造体は、アルミニウム又はア
ルミニウム合金押出形材からなる複数のフレームが、一
方のフレームに設けた孔又は外側に膨出する突起部の内
側に他方のフレームを挿入し、電磁成形により仮付けし
た後、溶接接合により組み立てられたものであることを
特徴とする。
【0011】本発明に係る他のアルミニウム又はアルミ
ニウム合金構造体は、アルミニウム又はアルミニウム合
金押出形材からなる筒状の複数のフレームが、一方のフ
レームの開口端部に他方のフレームの片端部を挿入し、
前記開口端部で電磁成型により仮付けした後、溶接接合
により組み立てられたものであることを特徴とする。
【0012】本発明に係るアルミニウム又はアルミニウ
ム合金構造体の組立方法は、アルミニウム又はアルミニ
ウム合金押出形材からなる第1フレームの対向壁部の一
方に孔を形成し、他方に前記第1フレームの外側に膨出
する突起部を形成する工程と、他のアルミニウム又はア
ルミニウム合金押出形材からなる第2フレームを前記孔
側から前記突起部の内側に挿入し、前記第1フレームと
第2フレームを前記突起部の部分で電磁成形により仮付
けする工程と、前記孔の部分で前記第1フレーム及び第
2フレームとを溶接接合する工程とを有することを特徴
とする。
【0013】本発明に係る他のアルミニウム又はアルミ
ニウム合金構造体の組立方法は、アルミニウム又はアル
ミニウム合金押出形材からなる第1フレームに孔を設け
る工程と、前記孔に他のアルミニウム又はアルミニウム
合金押出形材からなる第2フレームを挿入し、前記第1
フレーム及び第2フレームを前記孔の部分で電磁成形に
より仮付けする工程と、前記孔の部分で前記第1フレー
ムと第2フレームとを溶接接合する工程と、を有するこ
とを特徴とする。
【0014】本発明に係る更に他のアルミニウム又はア
ルミニウム合金構造体の組立方法は、アルミニウム又は
アルミニウム合金からなる第1部材及び第2部材により
構造体を組み立てる組立方法において、前記第1部材
に、前記第2部材を挿入することができ、この第2部材
に沿う形状の首部を有する孔を形成する工程と、前記孔
に前記第2部材を挿入した後、電磁成形により前記首部
を縮管してかしめて前記第1部材と第2部材とを仮付け
する工程と、前記首部と前記第2部材とを溶接接合する
工程と、を有することを特徴とする。
【0015】本発明に係る更に他のアルミニウム又はア
ルミニウム合金構造体の組立方法は、アルミニウム又は
アルミニウム合金からなる第1部材及び第2部材により
構造体を組み立てる組立方法において、前記第1部材
に、前記第2部材を挿入することができ、この第2部材
に沿う形状の首部を有する孔を形成する工程と、前記孔
に前記第2部材を挿入した後、電磁成形により前記第2
部材を拡管してかしめて前記第1部材と第2部材とを仮
付けする工程と、前記首部と前記第2部材とを溶接接合
する工程と、を有することを特徴とする。
【0016】本発明に係る更に他のアルミニウム又はア
ルミニウム合金構造体の組み立て方法は、アルミニウム
又はアルミニウム合金押出形材からなる筒状の第1フレ
ームの開口端部に、他のアルミニウム又はアルミニウム
合金押出形材からなる第2フレームを挿入し、前記第1
フレーム及び第2フレームを前記第1フレームの開口端
部で電磁成形により仮付けする工程と、前記開口端部で
前記第1フレームと第2フレームとを溶接接合する工程
と、を有することを特徴とする。
【0017】なお、本発明において、孔又は突起部を形
成する工程は、張り出し成形によって前記第1フレーム
又は第1部材の所定の領域を膨出させて突起部を形成す
る工程と、この突起部の先端を切断する工程とを有する
ものとすることができる。
【0018】本発明においては、フレーム同士又は部材
同士を突起部又は孔の部分で電磁成形により仮付けす
る。電磁成形による仮付けは容易であると共に、フレー
ム又は部材の所望の部分を全体的に縮管してかしめる
か、又は拡管してかしめることができるので、アーク溶
接により仮付けした場合と比較して、局所的な溶融によ
る収縮、即ち溶接変形が発生することを防止することが
できる。従って、仮付けの位置精度を向上させることが
できると共に、組み立てられるアルミニウム又はアルミ
ニウム合金構造体の寸法精度を向上させることができ
る。また、本発明においては、複雑な位置決め工程がな
いと共に、仮付けにかかる時間を高速にすることがで
き、これにより、構造体の全体の組立時間を短縮するこ
とができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例に係るアル
ミニウム合金構造体及びその組立方法について、添付の
図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の第1
の実施例に係るアルミニウム合金構造体を示す斜視図で
あり、図2はその製造方法を工程順に示す断面図であ
る。本実施例においては、2本の第1フレーム1と2本
の第2フレーム2とを、枠形状に組み立てる方法につい
て説明する。本実施例に係るアルミニウム合金構造体
(フレーム構造体)は、平行に配置された2本の第1フ
レーム1の両端部付近に、この第1フレームに直交する
方向に配置された2本の第2フレーム2が接合されるこ
とにより構成されたものである。なお、第1フレーム1
及び第2フレーム2はアルミニウム合金からなり、断面
形状が口型である筒状の押出形材である。
【0020】このように構成されたアルミニウム合金構
造体の組立方法について、以下に説明する。先ず、図1
及び図2(a)に示すように、第1フレーム1の両端部
近傍において、対向する壁部を所定の寸法に外側に膨出
させた突起部1s及び1tを形成する。この突起部1s
及び1tの形状は、第2フレーム2の断面形状に沿う形
状とし、その内径は第2フレーム2の外径よりも若干大
きいものとする。これらの突起部1s及び1tの形成方
法については、後に説明する。
【0021】次に、図2(b)に示すように、一方の突
起部1tの先端部1nを、突起部1tが形成された壁面
に平行な方向で切断する。これにより、第1フレーム1
の一方の壁部に、所定の寸法及び形状の首部1bを有す
る孔3を形成することができる。従って、第1フレーム
1は、その両端部近傍において、対向壁部の一方に首部
1bを有する孔3が形成され、他方に突起部1sが形成
された形状となる。
【0022】このようにして、2本の第1フレーム1の
両端部近傍の所定の位置に突起部1s及び孔3を形成し
た後、図2(c)に示すように、各第1フレーム1の孔
3側から突起部1sの内側に第2フレーム2を挿入す
る。その後、第1フレーム1に形成された突起部1sの
周囲に電磁成形用コイル4を配置する。図3(a)及び
(b)は突起部1sの部分を拡大してフレーム同士の仮
付け方法を示す断面図であり、(c)は図3(a)の一
部拡大断面図である。図3(a)に示すように、突起部
1sの周囲には、突起部1sを巻回する形状で電磁成形
用コイル4が配置されており、このコイル4は、突起部
1sとの間に磁束集中器4aを有していると共に、電源
を有する配線6に接続されている。
【0023】このように配置されたコイル4に対して電
源から電流を流すと、図3(a)及び(c)に示すよう
に、コイル4から電磁力5aが発生すると共に、第1フ
レーム1の突起部1s側からも電磁力5bが発生し、コ
イル4と突起部1sとの間に反発力が生じる。このと
き、図3(a)及び(c)に示すように、突起部1sに
おける磁束集中器4aが接近している部分において、前
記反発力、即ち、磁束集中器4aと突起部1sとの間の
空隙部20を広げる力5cが突起部1s側に与えられ
る。磁束集中器4aはかしめたい部分のみが突起部1s
に近接するような形状に加工されたものであるので、突
起部1sの磁束集中器4aとの近接部1uと第2フレー
ム2とが、図3(a)中の矢印で示す力5cの方向にか
しめられて変形し、第1フレーム1と第2フレーム2と
が仮付けされる。
【0024】その後、同様にして、第1フレーム1と第
2フレーム2との全ての接合部分を仮付けする。これに
より、フレーム構造体全体の仮組みを完成させる。その
後、図2(c)に示すように、首部1bの端面と第2フ
レーム2とをすみ肉溶接することによって、溶接金属8
を形成する。これにより、第1フレームと第2フレーム
とが溶接接合されて、アルミニウム合金構造体が組み立
てられる。
【0025】なお、本実施例においては、第1フレーム
1の突起部1s及び1tは、例えば、張り出し成形によ
って成形することができる。図4は張り出し成形により
第1フレーム1に突起部1s及び1tを形成する方法を
示す断面図である。先ず、図4(a)に示すように、第
1フレーム1と同一の寸法及び形状の空隙部7aを有す
ると共に、この空隙部に直交する方向で2カ所に突起部
形成孔7bが設けられた金型7を準備する。次に、この
金型7の空隙部7aに第1フレーム1を配置して、この
第1フレーム1の内部に液体9を流入する。
【0026】その後、図4(b)に示すように、突起部
形成孔7bにマンドレル10を挿入すると共に、第1フ
レーム9の内部の液体9に圧力を与える。そうすると、
液体9の液圧によって第1フレーム1の内面が均等に圧
力を受けるが、突起部形成孔7bが設けられた領域以外
の部分は金型7によって固定されているので、突起部形
成孔7bが設けられた領域のみが、孔7b及びマンドレ
ル10により形成された空間形状に沿って膨出する。こ
のようにして、第1フレーム1に所望の形状及び寸法を
有する突起部1s及び1tを形成することができる。
【0027】本実施例においては、突起部1sの周囲を
電磁成形により縮管してかしめることによって、第1フ
レーム1と第2フレーム2とを仮付けする。電磁成形に
より突起部1sの周囲に電磁力を与えると、突起部1s
の磁束集中器4aが接近している部分が全体的に縮管さ
れてかしめられるので、アーク溶接により仮付けした場
合と比較して、局所的な溶融による収縮、即ち溶接変形
が発生することを防止することができる。従って、仮付
けの位置精度を向上させることができると共に、作製さ
れるフレーム構造体の寸法精度を向上させることができ
る。また、本実施例においては、アーク溶接による仮付
け作業と比較して、複雑な位置決め工程がないと共に、
首部1aを縮管によりかしめる工程を電磁成形により実
施しているので、仮付けにかかる時間を高速にすること
ができ、これにより、構造体の全体の製造時間を短縮す
ることができる。
【0028】図5は本実施例に係るアルミニウム合金構
造体の寸法例を示す断面図である。本実施例において
は、例えば、第1フレーム1は、1辺が50mm、他辺
が100mmであって、角部が湾曲した口型の断面形状
を有し、その肉厚は3mmである。また、湾曲部におけ
る外面側の曲率半径R1は13mmであり、内面側の曲
率半径R2は10mmである。そして、第2フレーム2
は、1辺が43.5mmであって角部が湾曲した口型の
断面形状を有し、その肉厚は3mmである。従って、第
1フレーム1には、例えば、外面側の1辺が50mm、
内面側の1辺が44mmである突起部1sを形成した。
【0029】なお、本実施例において、第2フレーム2
についても、第1フレーム1と同様に、角部が湾曲した
断面形状を有するものとしたが、この角部の曲率半径は
大きい方が好ましい。図6(a)は第2フレーム2が円
管である場合に電磁力によって発生する力の方向を示す
模式図であり、(b)は第2フレーム2が角管である場
合に電磁力によって発生する力の方向を示す模式図であ
る。突起部1sの周囲に配置されたコイル4は、突起部
1s及び第2フレーム2に対して法線方向に力5cが作
用する。従って、図6(a)に示すように、突起部1s
及び第2フレーム2の断面形状が円形に近いほど、突起
部1sの外周を均等にかしめることができる。
【0030】一方、図6(b)に示すように、突起部1
s及び第2フレーム2の断面形状が角部を有するもので
あると、その角部には力5cが作用されにくくなり、2
点鎖線で示すように、第2フレーム2及び突起部1sが
変形する。従って、第2フレーム2の断面の角部の曲率
半径を大きくすることにより、突起部1s及び第2フレ
ーム2の断面形状を円形に近い形状にすることができ、
これにより、かしめた後の形状を良好にすると共に、縮
管の効率を向上させることができる。但し、断面形状が
正円になると、第2フレーム2の側面に平面部がなくな
るので、第2フレーム2を突起部1sに挿入した場合
に、両者の位置の設定が困難になると共に、構造体用の
フレームとしての扱いが困難になるので好ましくない。
【0031】図7(a)は本発明の第2の実施例に係る
アルミニウム合金構造体の一部を示す斜視図であり、図
7(b)はその断面図である。図7に示す第2の実施例
において、第1の実施例と同一物には同一符号を付し
て、その詳細な説明は省略する。本実施例においては、
第1フレーム1と、第1フレームよりも断面における1
辺が小さい第2フレーム2とを、両者が直交する形状で
組み立てられた構造体について説明する。なお、第1フ
レーム1及び第2フレーム2はアルミニウム合金からな
り、断面形状が口型である筒状の押出形材である。
【0032】図7(a)及び(b)に示すように、第1
フレーム1は対向壁部に一対の孔3が設けられており、
この孔3の周縁部には、第2フレーム2の断面形状に沿
う形状に立ち上がった首部1a及び1bが形成されてい
る。これらの首部1a及び1bは、図2及び4に示すよ
うに、張り出し成形を使用して、突起部1s及び1tを
形成した後、これらの突起部1s及び1tの先端部を切
断することにより形成することができる。
【0033】このような第1フレーム1及び第2フレー
ム2により構造体を組み立てる場合、先ず、この第1フ
レーム1の対向壁部に設けられた孔3に第2フレーム2
を挿入する。次に、図7(b)に示すように、第1フレ
ーム1に形成された首部1aの周囲に電磁成形用コイル
4を配置し、コイル4から首部1aに電磁力を与えるこ
とによって首部1aを縮管してかしめ、第1フレーム1
と第2フレーム2とを仮付けする。なお、第1フレーム
1又は第2フレーム2が他のフレームと接合される場合
は、同様にして全ての溶接部に対して仮付けを実施す
る。これにより、構造体全体の仮組みを完成させる。次
いで、首部1a及び1bの先端面と第2フレーム2の表
面との間に形成された隅部をすみ肉溶接することによ
り、第1フレーム1と第2フレーム2とを溶接接合す
る。このようにして、アルミニウム合金構造体が組み立
てられる。
【0034】このように、本実施例においては、首部1
aを電磁成形により縮管してかしめることによって、第
1フレーム1と第2フレーム2とを仮付けする。従っ
て、突起部1sを縮管してかしめる第1の実施例と同様
に、構造物の製造時における仮付けの位置精度及び寸法
精度を向上させることができると共に、構造体の全体の
製造時間を短縮することができる。
【0035】なお、本実施例においては、首部1aのみ
を電磁成形によって縮管してかしめ、第1フレーム1と
第2フレーム2とを仮付けしたが、本発明においては、
首部1a及び1bの双方の周囲に電磁成形用コイル4を
配置して、これらの首部1a及び1bを縮管してかしめ
ることにより、第1フレーム1と第2フレーム2とを仮
付けしてもよい。このようにすると、仮付け時の位置精
度をより一層向上させることができる。
【0036】図8は本発明の第3の実施例に係るアルミ
ニウム合金構造体の組立方法を示す断面図である。本実
施例が第2の実施例と異なる点は、電磁成形用コイル4
の配置位置のみであるので、図8において、図7に示す
ものと同一物には同一符号を付して、その詳細な説明は
省略する。
【0037】第3の実施例においては、先ず、第2の実
施例と同様に、第1フレーム1の首部1a及び1bに第
2フレーム2を挿入する。次に、第2フレーム2の内部
における首部1aが整合する位置に電磁成形用コイル4
を配置し、コイル4から第2フレーム2に電磁力を与え
ることによって第2フレーム2の所望の位置を拡管して
かしめる。これにより、第2フレーム2の一部が第1フ
レーム1の首部1aに押し付けられて、第1フレーム1
と第2フレーム2とが仮付けされる。その後の工程は第
2の実施例と同様である。
【0038】このように、第3の実施例においても、第
2の実施例と同様に、仮付けの位置精度及び寸法精度を
向上させることができると共に、構造体の全体の製造時
間を短縮する効果を得ることができる。
【0039】また、第3の実施例においても、首部1a
の部分を第2フレーム2の内部から拡管してかしめるだ
けでなく、首部1bの部分についても、第2フレーム2
の内部から拡管してかしめると、仮付け時の位置精度を
より一層向上させることができる。その場合、図9に示
すように、首部1aの部分を拡管してかしめた後、第2
フレーム2の内部における首部1bが整合する位置まで
コイル4を移動させ、首部1bの部分を拡管してかしめ
ればよい。
【0040】なお、第1乃至第3の実施例においては、
一方のフレームに他方のフレームを挿入するための孔又
は突起部を形成したが、本発明においては、これらのフ
レームは前述の形状に限定されるものではない。例え
ば、筒状の第1フレームの開口端部に第2フレームの片
端部を挿入し、この開口端部の周囲又はこの開口端部に
整合する位置における第2フレームの内側に電磁成形用
コイルを配置して、縮管又は拡管してかしめることによ
り第1フレームと第2フレームとを仮付けしてもよい。
【0041】また、本発明方法を適用することによっ
て、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる板状部
材と棒状部材とを高精度に溶接接合することもできる。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
電磁成形により第1フレームと第2フレーム又は第1部
材と第2部材を仮付けし、両者を溶接接合しているの
で、仮付け工程において、溶接による変形の発生を防止
して寸法精度を向上させることができると共に、構造体
の組立時における複雑な位置決め工程を省略して、組立
時間を短縮し、低コストで組み立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るアルミニウム合金
構造体を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係るアルミニウム合金
構造体の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図3】(a)及び(b)は突起部1sの部分を拡大し
てフレーム同士の仮付け方法を示す断面図であり、
(c)は図3(a)の一部拡大断面図である。
【図4】張り出し成形によりフレームに突起部を形成す
る方法を示す断面図である。
【図5】本実施例に係るアルミニウム合金構造体の寸法
例を示す断面図である。
【図6】(a)は第2フレーム2が円管である場合に電
磁力によって発生する力の方向を示す模式図であり、
(b)は第2フレーム2が角管である場合に電磁力によ
って発生する力の方向を示す模式図である。
【図7】(a)は本発明の第2の実施例に係るアルミニ
ウム合金構造体の一部を示す斜視図であり、(b)はそ
の断面図である。
【図8】本発明の第3の実施例に係るアルミニウム合金
構造体の組立方法を示す断面図である。
【図9】本発明の第3の実施例に係るアルミニウム合金
構造体の組立方法における追加工程を示す断面図であ
る。
【図10】従来のフレーム構造体の組立方法を示す斜視
図である。
【図11】従来のフレーム構造体の他の組立方法を示す
斜視図である。
【図12】(a)は溶接による変形防止を図ったスポッ
ト溶接の位置を示す斜視図であり、(b)はその接合面
に沿う断面図である。
【符号の説明】
1、2、11;フレーム 1a、1b;首部 1s、1t;突起部 3;孔 4;コイル 7;金型 8;溶接金属 12;定盤 13、16;クランプ 14;支持台 14a;支持具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B62D 21/00 B62D 21/00 Z B23K 103:10 (72)発明者 橋村 徹 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム又はアルミニウム合金押出
    形材からなる複数のフレームが、一方のフレームに設け
    た孔又は外側に膨出する突起部の内側に他方のフレーム
    を挿入し、電磁成形により仮付けした後、溶接接合によ
    り組み立てられたものであることを特徴とするアルミニ
    ウム又はアルミニウム合金構造体。
  2. 【請求項2】 アルミニウム又はアルミニウム合金押出
    形材からなる筒状の複数のフレームが、一方のフレーム
    の開口端部に他方のフレームの片端部を挿入し、前記開
    口端部で電磁成型により仮付けした後、溶接接合により
    組み立てられたものであることを特徴とするアルミニウ
    ム又はアルミニウム合金構造体。
  3. 【請求項3】 アルミニウム又はアルミニウム合金押出
    形材からなる第1フレームの対向壁部の一方に孔を形成
    し、他方に前記第1フレームの外側に膨出する突起部を
    形成する工程と、他のアルミニウム又はアルミニウム合
    金押出形材からなる第2フレームを前記孔側から前記突
    起部の内側に挿入し、前記第1フレームと第2フレーム
    を前記突起部の部分で電磁成形により仮付けする工程
    と、前記孔の部分で前記第1フレーム及び第2フレーム
    とを溶接接合する工程とを有することを特徴とするアル
    ミニウム又はアルミニウム合金構造体の組立方法。
  4. 【請求項4】 前記孔及び突起部を形成する工程は、張
    出し成形によって前記第1フレームの対向壁部を外側に
    膨出させて突起部を形成する工程と、一方の突起部の先
    端を切断して孔を形成する工程と、を有することを特徴
    とする請求項3に記載のアルミニウム又はアルミニウム
    合金構造体の組立方法。
  5. 【請求項5】 アルミニウム又はアルミニウム合金押出
    形材からなる第1フレームに孔を設ける工程と、前記孔
    に他のアルミニウム又はアルミニウム合金押出形材から
    なる第2フレームを挿入し、前記第1フレーム及び第2
    フレームを前記孔の部分で電磁成形により仮付けする工
    程と、前記孔の部分で前記第1フレームと第2フレーム
    とを溶接接合する工程と、を有することを特徴とするア
    ルミニウム又はアルミニウム合金構造体の組立方法。
  6. 【請求項6】 アルミニウム又はアルミニウム合金から
    なる第1部材及び第2部材により構造体を組み立てる組
    立方法において、前記第1部材に、前記第2部材を挿入
    することができ、この第2部材に沿う形状の首部を有す
    る孔を形成する工程と、前記孔に前記第2部材を挿入し
    た後、電磁成形により前記首部を縮管してかしめて前記
    第1部材と第2部材とを仮付けする工程と、前記首部と
    前記第2部材とを溶接接合する工程と、を有することを
    特徴とするアルミニウム又はアルミニウム合金構造体の
    組立方法。
  7. 【請求項7】 アルミニウム又はアルミニウム合金から
    なる第1部材及び第2部材により構造体を組み立てる組
    立方法において、前記第1部材に、前記第2部材を挿入
    することができ、この第2部材に沿う形状の首部を有す
    る孔を形成する工程と、前記孔に前記第2部材を挿入し
    た後、電磁成形により前記第2部材を拡管してかしめて
    前記第1部材と第2部材とを仮付けする工程と、前記首
    部と前記第2部材とを溶接接合する工程と、を有するこ
    とを特徴とするアルミニウム又はアルミニウム合金構造
    体の組立方法。
  8. 【請求項8】 前記孔を形成する工程は、張出し成形に
    よって前記第1部材の所定の領域を膨出させて突起部を
    形成する工程と、前記突起部の先端を切断することによ
    り首部を有する孔を形成する工程と、を有することを特
    徴とする請求項6又は7に記載のアルミニウム又はアル
    ミニウム合金構造体の組立方法。
  9. 【請求項9】 アルミニウム又はアルミニウム合金押出
    形材からなる筒状の第1フレームの開口端部に、他のア
    ルミニウム又はアルミニウム合金押出形材からなる第2
    フレームを挿入し、前記第1フレーム及び第2フレーム
    を前記第1フレームの開口端部で電磁成形により仮付け
    する工程と、前記開口端部で前記第1フレームと第2フ
    レームとを溶接接合する工程と、を有することを特徴と
    するアルミニウム又はアルミニウム合金構造体の組立方
    法。
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