JP3743920B2 - 異形棒鋼よりなるアークスタッド溶接用スタッドのキャップの製造方法およびキャップ - Google Patents
異形棒鋼よりなるアークスタッド溶接用スタッドのキャップの製造方法およびキャップ Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、所望長さに切断された異形棒鋼の先端部に被嵌して固定するのみで、アークスタッド溶接用スタッドを形成することができるキャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
母材をコンクリートに埋設する際、その母材とコンクリート部分の結合力を強くするため、母材の表面に異形棒鋼をアークスタッド溶接により植設することが行われている。このような異形棒鋼のアークスタッド溶接用スタッドは、図10に示す如く形成されていた。即ち、所望の長さに切断されたスタッド3の先端部外周及び端面を旋盤等で切削して切削部11を形成する。次いで、その先端面に孔を穿設し、その孔に電極兼用のフラックス2が圧入されていた。
このようなスタッドを図示しないアークスタッド溶接機のチャックに把持し、切削部11の外周にアークシールド5を被嵌させると共に、それを溶接機のアークシールド支持体6に保持させる。そしてスタッドの先端部を型鋼よりなる母材8の表面にアークスタッド溶接により固定し、次いで母材8とスタッド3とをコンクリートに埋設していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような従来型のアークスタッド溶接用スタッドは必要とするスタッドの長さごとに、その先端部の切削及び孔開け並びにフラックス2の圧入が必要であった。このスタッド3は比較的重量があるともに、その外周に突条部3aが形成されているため、先端部の切削及び孔開け作業が比較的面倒である欠点があった。また、このような重量のある所望長さごとに完成されたスタッドを工場から現場まで運ぶ必要があり、特に遠距離の運送に費用がかかり過ぎる欠点があった。しかも、その生産性が悪くスタッド自体の価格が高価にならざるを得なかった。
そこで、本発明者は製造が容易であると共に、軽量で且つ各種長さの異形スタッドに適用できる汎用性の高いアークスタッド溶接用スタッドのキャップを提供することを課題とし、その課題を解決するために次の構成をとる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、金属板を深絞り加工して一定の厚みに形成し、筒状部1aの一端のみに閉塞面1bを一体的に設け、その閉塞面1bの中心部に孔1cを形成してキャップ本体1を形成する工程と、
次いで、前記孔1cにフラックス材を嵌着して、金型により先端側を球面に形成すると共に、その孔1cの孔縁に抜け止め固定して、前記キャップ本体1の外面に電極兼用のフラックス2を突設させる工程と、を具備し、
異形棒鋼よりなるスタッド3の先端部に前記筒状部1aを嵌着して、外周がカシメにより固定される異形棒鋼よりなるアークスタッド溶接用スタッドのキャップの製造方法である。
請求項2に記載の本発明は、請求項1において、
前記キャップ本体1の孔1cの孔縁部を予め外面側に突出するバーリング加工を施し、前記フラックス2を前記閉塞面1bの内面より実質的に突出しないようにした異形棒鋼よりなるアークスタッド溶接用スタッドのキャップの製造方法である。
請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2の製造方法により製造されたキャップである。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、図面に基づいて本発明のキャップの実施の形態につき説明する。
図1は本発明の第1のキャップの実施の形態を示す斜視図であり、図2はそれをスタッド3に取り付けた状態を示す斜視図、図3はその縦断面図であり、図4は図3のIV部拡大図、図5は本キャップを用いたスタッドが溶接された状態を示す。
この例のキャップは、金属板を深絞り加工または鋳造や切削加工により一端が閉塞された筒状体に形成したものである。そして、その閉塞面1bの中心に図4に示す孔1cが穿設され、その孔1cに電極兼用のフラックス2が固定されたものである。この固定方法は、一例として図8の如く行う。すなわち、一端にフランジ部を有する極めて短い柱状のフラックス2を閉塞面1bの孔1cに挿入し、そのフラックス2の下面を固定金型12に支持させる。そして、下端が半球状をなす可動金型13をフラックス2の上端に押圧し、そのフラックス2の先端部をカシメて同図(b)のように形成すればよい。なお、このフラックス自体の材質等は公知であるのでその説明は省略する。
【0006】
次に、図8ではフラックス2の端部にフランジ部が形成されていたが、これに代えて図9の如く、短い柱状のフラックス2を閉塞面1bの孔1cに挿入し、図8同様にフラックス2の下面を固定金型12に支持させると共に可動金型13を柱状のフラックス2の上端に押圧することにより、そのフラックス2を図9(b)のように形成してもよい。この場合、孔1cの孔縁部を外側にバーリング加工しておくことが好ましい。
この図9(b)のようにフラックス2を形成すると、閉塞面1bの内面側にフラックス2がほとんど突出することが無い。そのため、閉塞面1bとスタッド3先端面との接触性がよい。
【0007】
このようにしてなる本発明のキャップは、図1に示す如く所望の長さに切断されたスタッド3の先端部に被嵌される。そして、比較的簡単な工具又はプレス機械によりキャップ本体1の筒状部外周がカシメられて、そこにカシメ部4が形成される。このとき図3に示す如く、フラックス2の内面側端面はスタッド3の端面に接触する。このようにして完成されたスタッドは、その先端部外周にアークシールド5が被嵌され、それが図示しないアークスタッド溶接機のアークシールド支持体6に保持される。そして、図示しないスタッド溶接機のチャックにスタッド3の上端が着脱自在に把持され、次いで図3においてスタッド溶接される母材8の表面に本キャップのフラックス2の先端が接触される。この状態でスタッド溶接機を起動すると、フラックス2と母材8との間が通電され、次いでスタッド3は自動的にわずかに上昇し、フラックス2の先端と母材8との間にアーク放電が発生する。そして、アーク放電の継続によりキャップ本体1の先端部及びスタッド3の先端部が溶融し、母材8上には溶融池が形成される。次いで、スタッド3を下降させてそれを母材8の溶融池に押圧することにより、スタッド3と母材8との間に図5に示す溶接部9が形成される。
【0008】
なお、スタッド3の上下動の際にアークシールド5の軸方向先端面は母材8に接触状態を維持する。したがって、スタッド3の上下動に伴ってアークシールド5とスタッド3との間には相対移動がある。この例の異形のスタッド3の外周にはキャップ本体1が被着されているから、アークシールド5の開口部内周とキャップ本体1の外周との隙間はほぼ均一に維持される。そのため、アーク放電に伴って発生するガスはキャップ本体1の外周とアークシールド5の内周との隙間を通り均一に放出され、安定した放電が行われる。
次に、図6及び図7は本発明の第2の実施の形態を示し、この例が前記第1の例と異なる点は、キャップ本体1の筒状部1aの軸方向長さを可及的に短くしたことである。それにより、キャップ本体1の量産性を向上させ得る。何故ならば板材から深絞り加工して、キャップ本体1を形成することが容易となるからである。
【0009】
【発明の作用・効果】
本発明の異形棒鋼よりなるアークスタッド溶接用スタッドのキャップの製造方法およびキャップは、異形棒鋼を任意の長さに切断し、その先端部に本キャップを被嵌するのみで所望の長さのアークスタッド溶接用スタッドを得ることができる。しかも、本キャップを異形棒鋼の先端に被嵌することによって、溶接の際、アークシールドとの隙間を略均一に維持し、アーク放電に伴って発生するガスの放出を安定して行い、信頼性の高い溶接をすることができる。
また、そのキャップの製造方法は、キャップ本体が金属板を深絞り加工して一定の厚みに形成し、その閉塞面1bの中心部に孔1cを形成し、次いで、その孔1cにフラックス材を嵌着して、金型により先端側を球面に形成すると共に、その孔1cの孔縁にフラックスを抜け止め固定すれば足りる。そのため、構造が簡単で、製造し易く量産性が高く安価にそれを提供できる。従って、従来型異形棒鋼のアークスタッド溶接用スタッドの如く、その先端部外周及び先端面を切削する必要がないと共に、その端面に孔を穿設したりその孔にフラックスを圧入する等の作業を不要とし、所望の長さのスタッドを現場等において極めて容易に作ることができる。したがって、軽量な本キャップを作業現場又はその近傍にある工場まで搬送し、簡単な工具で異形棒鋼外周に本キャップを取付けることができる。それにより、重量が大で、各種長さの従来の完成されたスタッドを工場から現場まで長距離に渡って輸送する必要がなくなる。
さらに本発明のキャップ自体はその構造が簡単で製造し易く、それを安価に提供できる。
また、キャップ本体1の孔1cの孔縁部を予め外面側に突出するバーリング加工を施し、フラックス2を閉塞面1bの内面より実質的に突出しないようにした場合には、閉塞面1bとスタッド3の先端面との接触性がよく、両者の一体性を確保できるので、安定したスタッド溶接が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1のキャップの実施の形態を示す斜視図。
【図2】図1のキャップをスタッド3に取り付けた状態を示す斜視図。
【図3】図2の縦断面図。
【図4】図3のIV部拡大図。
【図5】本キャップを用いたスタッドが溶接された状態を示す縦断面図。
【図6】本発明の第2の例を示すキャップの斜視図。
【図7】図6のキャップをスタッド3に取り付けた状態を示す縦断面図。
【図8】キャップ本体1にフラックス2を取付るための取付説明図。
【図9】同他の例を示す説明図。
【図10】従来型異形棒鋼よりなるアークスタッド溶接用のスタッドの正面図。
【符号の説明】
1 キャップ本体
1a 筒状部
1b 閉塞面
1c 孔
2 フラックス
3 スタッド
3a 突条部
4 カシメ部
5 アークシールド
6 アークシールド支持体
8 母材
9 溶接部
10 コンクリート
11 切削部
12 固定金型
13 可動金型
Claims (3)
- 金属板を深絞り加工して一定の厚みに形成し、筒状部1aの一端のみに閉塞面1bを一体的に設け、その閉塞面1bの中心部に孔1cを形成してキャップ本体1を形成する工程と、
次いで、前記孔1cにフラックス材を嵌着して、金型により先端側を球面に形成すると共に、その孔1cの孔縁に抜け止め固定して、前記キャップ本体1の外面に電極兼用のフラックス2を突設させる工程と、を具備し、
異形棒鋼よりなるスタッド3の先端部に前記筒状部1aを嵌着して、外周がカシメにより固定される異形棒鋼よりなるアークスタッド溶接用スタッドのキャップの製造方法。 - 請求項1において、
前記キャップ本体1の孔1cの孔縁部を予め外面側に突出するバーリング加工を施し、前記フラックス2を前記閉塞面1bの内面より実質的に突出しないようにした異形棒鋼よりなるアークスタッド溶接用スタッドのキャップの製造方法。 - 請求項1または請求項2の製造方法により製造されたキャップ。
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JP04822996A JP3743920B2 (ja) | 1996-02-08 | 1996-02-08 | 異形棒鋼よりなるアークスタッド溶接用スタッドのキャップの製造方法およびキャップ |
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JPH09216064A JPH09216064A (ja) | 1997-08-19 |
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