JP3814741B2 - アークスタッド溶接機による溶接方法 - Google Patents
アークスタッド溶接機による溶接方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、母材の表面に被溶接材を溶接する方法において、アークスタッド溶接機を用いて、瞬時にそれを行うことができる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
本来アークスタッド溶接機は、図4に示す如く使われるものである。すなわち、その図4の(a)に示す如く溶接ガンのスタッド把持部4bにスタッド3を支持すると共に、アークシールド保持体4aにアークシールド5を支持し、アークシールド5の先端およびスタッド3の先端を母材1表面にスプリングを介して押し当てる。そして、溶接ガンの引き金を引くことにより、(b)の如く自動的にスタッド3を上方に引き上げスタッド3と母材1との間にアークを発生させ、(C)の如く母材1表面に溶融池を形成する。次いで、通電を停止し、スタッド3を急速に母材1の溶融池に押し込み、スタッド3を母材1上に(d)の如く立設固定するものである。このような溶接ガン4は、その本体とシャフト4cとが連結され、その長さを伸縮自在に調整し得るものである。通常、シャフト4cの突出長さは、図3においてそのアークシールド保持体4aにアークシールド5を支持し且つ、スタッド把持部4bにスタッド3を支持したとき、スタッド3の先端がアークシールド5の先端よりも3〜5mm程度突出するように設定されるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなアークスタッド溶接機による溶接は、被溶接材を母材表面に溶接するためのものではなく、スタッド自体を母材表面に溶接固定することを主目的とするものである。
なお、被溶接材に孔を穿設し、アークスタッド溶接機によりスタッドを孔内に立設し、そのスタッドの下部にフランジを設けることにより、被溶接材を母材に固定する方法も考えられる。しかしながら、そのような場合、スタッドの中間部より上方が被溶接材の表面から突出することになり、それが邪魔になる場合が存在する。
それを避けるために、突出部の一部にくびれを形成し、そのくびれから突出部分を取り去ることも考えられる。しかしながら、その場合であってもその取り除き作業が必要となり、面倒である。
そこで、本発明はアークスタッド溶接機により被溶接材と母材とを迅速に溶接固定すると共に、溶接後に被溶接材の表面から突出部が存在しないようにする溶接方法を提供することを課題とし、その課題解決のために次の構成をとる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明のアークスタッド溶接機による溶接方法は、母材1の表面に被溶接材2を溶接する方法において、被溶接材2に貫通孔2aを予め形成し、
先端部3aがその貫通孔2aの内直径より小なる外直径を有し且つ、その貫通孔2a内の容積に略等しく、その先端部3aの後縁に横断面を著しく縮小した、くびれ部3bを介して把持用軸部3cが延在する、スタッド3を予め用意し、
アークスタッド溶接機の溶接ガン4として、その先端にアークシールド保持体4aがその位置を軸線方向に調節可能に設けられ、引金を引いて通電することにより自動的にそのスタッド把持部4bが前記アークシールド保持体4aに対して僅かに一旦後退し、次いでそれが放電終了直後に一定長さ前進するものを用い、アークシルド5を前記アークシールド保持体4aに支持させると共に、前記スタッド3の前記把持用軸部3cを前記スタッド把持部4bに支持させ、このときそのスタッド3の先端と前記アークシールド5の先端との軸方向長さを前記貫通孔2aの軸方向長さに実質的に等しく調整し、
前記被溶接材2を前記母材1表面に接触させた状態で、前記スタッド3を前記貫通孔2aに挿入してその先端を前記母材1表面に接触させると共に、前記アークシールド5の先端を前記被溶接材2表面に接触させ、次いでスタッド3に通電してそのスタッド3の前記くびれ部3bより先端部分を前記貫通孔2a内に溶射し、次いでその通電の停止直後に前記スタッド保持部4bが前記一定長さ前進するとき、前記くびれ部3bが前記被溶接材2の前記貫通孔2a内には入らない程度に調整した、
ことを特徴とするものである。
したがって、本溶接方法によれば、アークスタッド溶接機により自動的に且つ迅速に被溶接材を母材表面に溶接できると共に、溶接後には被溶接材の表面から突出部が存在しないように形成でき体裁がよく、且つ溶接部に邪魔なものが存在しない。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、図面に基づいて本発明の溶接方法につき説明する。
図1はこの溶接方法における溶接ガン4とスタッド3とアークシールド5並びに被溶接材2,母材1との相互関係を示したものである。これは、従来のアークスタッド溶接機を示す図3に対比されるものである。
この溶接方法において、溶接ガン4,アークシールド5は公知のものである。すなわち、溶接ガン4はその先端にスタッド把持部4bを有し、それによりスタッド3の上端部を着脱自在に支持する。また、溶接ガン4にはスタッド把持部4bの軸線に平行にシャフト4cがアーム4eを介して保持され、締結ボルト4dによりその長さが伸縮自在に調整できる。そのシャフト4cの先端にはアークシールド保持体4aが設けられ、そのアークシールド保持体4aによりアークシールド5の上端部が着脱自在に支持される。
【0006】
次に、スタッド3はその先端から先端部3a,くびれ部3b,把持用軸部3cの順に一体的に形成されている。先端部3aの先端には電極兼用のフラックス3dが埋設され、そのフラックス3dの半分程度が先端部3aの端面から突出する。先端部3aと把持用軸部3cとは同一直径に形成され、それらの間にくびれ部3bが図において下方側に半径を次第に縮小する円錐台形状に形成されている。そして、先端部3aの外直径は被溶接材2に穿設される貫通孔2aの内直径よりも小に形成されている。それと共に、先端部3aの容積は貫通孔2aの内容積にほぼ等しい。
【0007】
【溶接方法】
このようにしてなるスタッド3の把持用軸部3cを溶接ガン4のスタッド把持部4bで支持すると共に、アークシールド保持体4aにアークシールド5を図1の如く支持する。そして、先端部3aの先端とアークシールド5の先端との軸方向距離が被溶接材2の厚みに等しくなるようにシャフト4cの長さを調節する。すなわち、アーム4eの締結ボルト4dを緩めてその長さを図1の状態に設定し、その締結ボルト4dを締結固定すればよい。
このような状態に準備されたスタッド3により本発明の溶接を行うには、図2(a)の状態において図示しない溶接ガンの引き金を引く。すると、スタッド3が矢印方向に引き上げられ、スタッド3と母材1とがフラックス3dを介して通電されると共に、(b)の如く先端部3aと母材1との間に放電が開始され、フラックス3dおよび母材1並びに被溶接材2の貫通孔2aが溶融し、そこに(c)の如く溶融池6が形成される。
【0008】
次いで、スタッド3と母材1への通電が停止されると、スタッド3は矢印方向に移動して(d)の状態で停止する。このとき、スタッド3のくびれ部3bは溶融池6の上面以上に位置されている。そのため、溶融池6とスタッド3の残部とが接合されることはない。そして溶融池6が硬化することにより、それを介して被溶接材2と母材1とが溶接固定される。次いで、被溶接材2に穿設された他の貫通孔2aにおいても同様にスタッド溶接機により溶接することで、被溶接材2と母材1とが確実に溶接固定される。
なお、このアークスタッド溶接機による溶接方法は、一箇所の溶接においてアークスタッド溶接が引き金を引いて終了するまで1秒以内で自動的に完了する。そして、その完了によりスタッド3の把持用軸部3cを取り除き、新たなスタッド3を支持させて前記同様に順次多数のアークスタッド溶接を行うものである。
【0009】
【発明の作用・効果】
(1) スタッド3の先端部3aの容積が被溶接材2の貫通孔2a内の容積に略等しく形成され、且つその先端部3aの後縁にくびれ部3bが形成されているため、アークスタッド溶接によりそのスタッド3の先端部を実質的に全て溶射して貫通孔内を満たし、その部分を固化することができる。それにより溶接強度の強い信頼性の高い溶接が可能となる。
(2) また溶接ガン4は、その通電の停止直後に自動的にスタッド保持部4bが一定長さ前進するとき、スタッド3のくびれ部3bが被溶接材2の貫通孔2a内には入らない程度に調整されるから、その溶射後の溶融池にスタッド3の残部が接合されることがない。そのため、アークスタッド溶接機を用いて自動的に且つ迅速に溶接を行いつつ、溶接後には溶接部から邪魔になるスタッドが突出することなく、体裁のよい溶接方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶接方法の準備段階を示す立面図。
【図2】本溶接方法の各工程を順に示す説明図。
【図3】従来のアークスタッド溶接機における溶接方法の準備段階を示す説明図。
【図4】同アークスタッド溶接機による溶接工程を順に示す説明図。
【符号の説明】
1 母材
2 被溶接材
2a 貫通孔
3 スタッド
3a 先端部
3b くびれ部
3c 把持用軸部
3d フラックス
4 溶接ガン
4a アークシールド保持体
4b スタッド把持部
4c シャフト
4d 締結ボルト
4e アーム
4f スプリング
5 アークシールド
5a 溝部
6 溶融池
Claims (1)
- 母材1の表面に被溶接材2を溶接する方法において、被溶接材2に貫通孔2aを予め形成し、
先端部3aがその貫通孔2aの内直径より小なる外直径を有し且つ、その貫通孔2a内の容積に略等しく、その先端部3aの後縁に横断面を著しく縮小した、くびれ部3bを介して把持用軸部3cが延在する、スタッド3を予め用意し、
アークスタッド溶接機の溶接ガン4として、その先端にアークシールド保持体4aがその位置を軸線方向に調節可能に設けられ、引金を引いて通電することにより自動的にそのスタッド把持部4bが前記アークシールド保持体4aに対して僅かに一旦後退し、次いでそれが放電終了直後に一定長さ前進するものを用い、アークシルド5を前記アークシールド保持体4aに支持させると共に、前記スタッド3の前記把持用軸部3cを前記スタッド把持部4bに支持させ、このときそのスタッド3の先端と前記アークシールド5の先端との軸方向長さを前記貫通孔2aの軸方向長さに実質的に等しく調整し、
前記被溶接材2を前記母材1表面に接触させた状態で、前記スタッド3を前記貫通孔2aに挿入してその先端を前記母材1表面に接触させると共に、前記アークシールド5の先端を前記被溶接材2の表面に接触させ、次いでスタッド3に通電してそのスタッド3の前記くびれ部3bより先端部分を前記貫通孔2a内に溶射し、次いでその通電の停止直後に前記スタッド保持部4bが前記一定長さ前進するとき、前記くびれ部3bが前記被溶接材2の前記貫通孔2a内には入らない程度に調整した、
ことを特徴とするアークスタッド溶接機による溶接方法。
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