JP2006116553A - ハイドロフォーム加工方法とハイドロフォーム加工品及び構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】
成形が容易で,素管や補強材のサイズ・材質・形状等の自由度の大きいハイドロフォーム加工方法を提供する。
【解決手段】
管軸と直角又は斜め方向に移動自在な穿孔手段を有する分割金型の穿孔手段を後退させ,金属管より管軸方向長さの短い金属板を金属管の外側に配置し金属管と同時に分割金型に挿入し,金属管をハイドロフォーム加工し,金属管と金属板を同時に分割金型の内面に沿う形状まで変形させた後に,穿孔手段を前進させ金属板と金属管の一部を同時に穿孔後,穿孔した金属板及び金属管の穴の周囲を金属管の内面側にバーリング加工し,当該バーリング加工部によって金属板を金属管に固定する。
【選択図】
図4

Description

本発明は,自動車用の排気系部品,サスペンション系部品,ボディ系部品等の製造に用いられるもので,金属管を金型に入れ,当該金型を型締めした後,管内に内圧と管軸方向の押し力を負荷することにより所定形状に成形するハイドロフォーム加工の方法に関し,更にハイドロフォーム加工品及び構造体に関する。
近年ハイドロフォーム技術は,部品数削減によるコスト削減や軽量化等の手段の一つとして自動車分野で注目を浴びており,国内でも1999年から実車への適用を開始した。それ以降,ハイドロフォーム加工の適用部品は年々増加し,その市場規模は大幅に拡大してきた。
一方,軽量化の観点からは,強度や剛性的に必要な箇所を厚くし,そうでない箇所は薄肉にすることが望ましい。しかし,一般にハイドロフォームは1本の金属管から成形されるため,成形品の板厚は,ほぼ全体的に均一である。拡管や軸押しによって板厚は変化するが,上述のような,適正な板厚分布を故意に造り込むことは困難である。そこで,それらの問題を解決する一つの手段として最近検討されているのが,特許文献1や特許文献2のようなテーラードチューブを用いたハイドロフォームである。テーラードチューブとは,板厚や材料の異なる複数の金属管を予め結合した金属管であり,これを用いると比較的適正な板厚分布が得られる。
テーラードチューブの製造方法には,板厚や材質の異なる金属管同士を管軸方向に結合する方法と,板厚や材質の異なる金属板を予め結合した金属板(いわゆるテーラードブランク)を丸めて管状にする方法の2種類がある。しかし,いずれの方法でも構成される材料の種類は2〜3種類程度である。その理由としては,多種類になるほど溶接等の結合時の精度や熱変形等の問題が発生し,またコスト的にも高くなるからである。
そこで上記課題に対して有効な方法としては,特許文献1(前述)や特許文献3のように予め補強したい箇所に補強用管材6を嵌めてハイドロフォーム加工する方法が挙げられる(図1参照,(特許文献3の図1に同じ))。当該方法により,強度配置を細分化した部品を得ることができる。また必要な箇所を局部的に強化する方法としては,図2(特許文献3の図2に同じ)に示されるように,外側からパッチ2を溶接する方法もある。なお,図1,2において,1はハイドロフォーム成形品,2は金属板,3は溶接部,4はハイドロフォーム金型(4aはハイドロフォーム上金型,4bはハイドロフォーム下金型),5は金属管,5aはハイドロフォーム後の金属管,6は補強用管材,7は軸押しパンチ(7aは軸押しパンチ(左側),7bは軸押しパンチ(右側)),8は水充填口である。
特開2001−321843号公報 特開2002−53069号公報 特開2001−334316号公報
上述のテーラードチューブのハイドロフォームや補強用管材を嵌めたハイドロフォームも成形時の加工条件の探索が非常に難しいという問題がある。そもそもハイドロフォームの成形において最も難しいのは管内部の内圧(以後,内圧と称す)と管軸方向の押し込み量(以後,軸押し量と称す)のバランスである。通常の一様板厚・一様材料の管(以後,単管と称す)におけるハイドロフォーム時の負荷経路例を図3に示す。このように単管でも複雑な負荷経路を示し,最終の内圧と軸押し量だけでなく,その途中の経路も非常に重要となる。例えば,途中の内圧が高すぎると(同図(a))成形途中で管が破裂したり,また,途中の圧力が低過ぎると(同図(c))破裂するまで高圧に負荷してもしわが残る場合もある。この適正な負荷経路は,当然,管の板厚や材料特性によって異なる。従って,異なる板厚や材料を有しているテーラードチューブの場合,その負荷経路は更に難しくなる。例えば,高強度側の材料に適した負荷経路で成形すると低強度側の材料にとっては高圧過ぎるため途中で破裂し易くなる。反対に低強度側の材料に適した負荷経路で成形すると途中の破裂は防止できるが,高強度側の材料はほとんど膨らまない状態で軸押しするため座屈が起き易くなる。そのため,テーラードチューブのハイドロフォーム加工条件を導くのは非常に難しく高度な熟練技術が必要とされる。また熟練技術を要しても成形不可能な場合は,製品の拡管率を下げたり,材料間の強度差を小さくするなどの変更が必要となる。しかし,それでは本来のテーラードチューブやハイドロフォームのメリットが活かしきれず,軽量化の効果も薄れてしまう。また,補強用管材がある場合も,素管と同時に補強用管材も拡管する必要があるため,上記テーラードチューブにおける課題と同じ問題が発生する。
また,パッチを溶接する方法は,好きな箇所を補強できるという意味では自由度はあるが,溶接工程が必要になるため,設備的にも能率的にも負荷が重く,高コストになる。また疲労特性が必要とされる部品の場合は溶接箇所が極力少ない方が製品の信頼性上も望ましい。従って,溶接もせずに好きな箇所だけに補強材を取り付けることが最も望ましいが,図2の例のように,ハイドロフォーム加工品断面の一部に補強材を取り付ける場合には,溶接なしでは補強材をハイドロフォーム加工品に固定することができない。
また,ハイドロフォームの成形品を自動車部品に適用する際に問題となるのが,他部材との接合である。通常よく使用されるスポット溶接が,閉断面のハイドロフォーム加工品では適用が難しいからである。そのため,レーザー溶接等で接合することが望まれるが,その際には新しい設備投資が必要になるという問題も発生する。また,ボルト締結を行う場合にも,ハイドロフォーム品に直接,ねじ加工することが難しいため,別部品を溶接してからねじ加工する必要が生じる。
本発明は,上述のように,ハイドロフォームの軽量化効果を最大限発揮するために適当な箇所のみに適当な補強を可能にしたハイドロフォーム加工方法及び当該加工方法にて成形したハイドロフォーム加工品を提供することを目的とする。また,それを応用して,従来困難であったスポット溶接やボルト締結を可能にしたハイドロフォーム部品の加工方法と,その当該ハイドロフォーム部品及びその構造体を提供することを目的とする。
係る課題を解決するため,本発明の要旨とするところは次の通りである。即ち本発明によれば,管軸と直角又は斜め方向に移動自在な穿孔手段を有する分割金型に金属管を挿入する際に,前記穿孔手段を後退させて,前記金属管より管軸方向長さの短い金属板を前記金属管の外部に配置して前記金属管とともに前記分割金型に挿入し,前記金属管に内圧と管軸方向の押し力,又は内圧を負荷してハイドロフォーム加工を行い,前記金属管と前記金属板を前記分割金型の内面に沿う形状まで変形させた後に,前記穿孔手段を前進させて前記金属板と前記金属管の一部を穿孔し,その後,前記穿孔手段の周囲に配置された肩部により,穿孔した前記金属板及び前記金属管の穴の周囲を前記金属管の内面側に押し込んでバーリング加工を施し,当該バーリング加工部によって前記金属板が前記金属管に対して固定されることを特徴とする,ハイドロフォーム加工方法が提供される。
このハイドロフォーム加工方法において,前記金属管側の外表面と向い合う前記金属板の内表面の周縁角部及び/又は前記金属板の周面にあらわれるコーナー部を,鈍角に形成しておくことが好ましい。また,前記金属管の外表面と向い合う前記金属板の内表面の周縁角部及び/又は前記金属板の外周面にあらわれるコーナー部を,曲面に形成しておいても良い。また,フランジ部の付いた金属板又は加工後フランジ部を形成するように曲げ加工した金属板を金属管の外部に配置しても良い。
また本発明によれば,金属管に内圧と管軸方向の押し力,又は内圧を負荷してハイドロフォーム加工を行い,前記金属管の一部を拡管させたハイドロフォーム加工品であって,前記金属管の拡管部の外表面に金属板が前記金属管の内側に向かって成形されたバーリング加工部によって固定されていることを特徴とする,ハイドロフォーム加工品が提供される。
バーリング加工部の内周面がねじ切り加工されていても良い。その場合,かかるハイドロフォーム加工品のバーリング加工部に締結したボルトを介して他部品を固定したことを特徴とする,構造体があわせて提供される。
また,前記金属板にフランジ部が形成されていても良い。その場合は,かかるハイドロフォーム加工品のフランジ部を介して他部品を固定したことを特徴とする,構造体があわせて提供される。なお,前記フランジ部に他部品を溶接で固定しても良い。
本発明により,従来のテーラードチューブのハイドロフォームや閉断面の補強用管材を用いたハイドロフォームでは成形できなかった,より適正な強度・板厚分布を有した部品が成形可能になる。また,ハイドロフォーム加工においては溶接工程が不要なため,従来のパッチ溶接方法よりも低コストで高信頼性を有する部品が得られる。更に,従来困難であった他部品との溶接,特にスポット溶接や,ボルト締結も可能になる。これらの効果により,自動車の軽量化が更に進み,地球温暖化防止に貢献できる。
以下,本発明の好ましい実施の形態を,図面を参照に説明する。図4は,本発明の実施の形態にかかるハイドロフォーム加工の説明図であり,金属管5と金属板2を,ハイドロフォーム上下金型(分割金型)4a,4bを用いて長方形断面に拡管する場合を示している。
まず金属管5と金属板2を準備する。金属板2は,予め金属管5の外径よりも大きい幅のコの字型に曲げ加工しておく。準備した金属管5と金属板2を,図4(a)のように金属管5の外側にコの字型金属板2を配置した状態で,ハイドロフォーム下金型4b内に装着する。その際,金属板2の管軸方向及び周方向の位置は,成形後の部品における補強したい箇所に配置しておく。次いで,ハイドロフォーム上金型4aを下降させて蓋を閉め,ハイドロフォーム加工の準備が完了する。なお後述するように,下金型4bには,穿孔手段である穿孔用第一ピアスパンチ10と,バーリング加工を行うためのバーリング用第二ピアスパンチ11を有しているが,上記の金属管5及び金属板2を下金型4bに装着する際には,予めこれらのピアスパンチ10,11は後退させておく。
ハイドロフォーム加工中の変形状態を,図4(b)〜(e)の縦断面図の推移で説明する。まず,金属管5の内面に圧力媒体として例えば水9を充填して圧力を上昇させ,同時に両管端から軸押しパンチ7a,7bを押し込み,いわゆるハイドロフォーム加工を実施する(図4(c))。本ハイドロフォームにより金属管5は金型4a,4bの内面に沿った形状1に成形されると同時に,金属板2も金属管5と金型4a,4bに挟まれて成形される。金属板2は開断面であるため,ほとんど周方向には伸びることがなく,板厚方向の曲げ変形だけで成形される。従って金属管5と比較すると,変形に要する内圧は少なくて済む。すなわち,金属管5のみの場合のハイドロフォーム加工条件とほとんど同じ加工条件で成形可能となる。この点が,従来法よりも優れた利点であり,従来の閉断面の補強用管材6を用いた方法では,その閉断面の補強用管材6自身も周方向に伸ばす必要があるため,その分,大きな内圧が必要となる。すると単管のハイドロフォーム加工条件がそのまま使用できないことになり,場合によっては適正なハイドロフォーム加工条件が得られないこともある。
また本実施の形態では,ハイドロフォーム下金型4bには,穿孔用の第一ピアスパンチ10とバーリング用の第二ピアスパンチ11が組み込まれている。第二ピアスパンチ11は第一ピアスパンチ10よりも大きな外径を有した円筒形状をしており,その内側に第一ピアスパンチ10が摺動する構造となっている。ハイドロフォーム加工品1が成形されるまでは,両ピアスパンチ10,11ともハイドロフォーム下金型の中に入った状態(後退した状態)になっている。尚,両ピアスパンチ10,11ともハイドロフォーム成形中にはハイドロフォーム加工品1を介して圧力媒体9の圧力が負荷されるため,金型内部方向に動かないようなメカロック18,19が必要となる。
次に,図4(d)に示されるように,圧力媒体9による内圧は維持したまま,穿孔用の第一ピアスパンチ10を金型空洞方向に押出す(前進させる)。第一ピアスパンチ10はハイドロフォーム加工品1及び金属板2の両方を切断加工するのに十分な材質とし,第一ピアスパンチ10の周囲となる先端肩部14も切断加工するのに十分鋭利である必要がある。この工程によりハイドロフォーム加工品1と金属板2は同時に穿孔され,それぞれの金属片12,13が打ち抜かれる。一般にハイドロフォームによる穿孔加工では,穿孔後もその打ち抜き端面でシールが継続されるため,圧力媒体9はほとんど漏れることがない。従って,この(d)の工程でも圧力降下はほとんど生じない。
次に,図4(e)に示されるように,更に第一ピアスパンチ10を金型空洞方向に押し込むと,第一ピアスパンチ10より高さの低い円筒状の第二ピアスパンチ11も同時に同方向に押し込まれる。但し,第二ピアスパンチ11の先端肩部15は外縁部が凸状の形状を有しており,ハイドロフォーム加工品1や金属板2を切断加工しない。図4(d)に示した工程で発生したハイドロフォーム加工品1の穴と金属板2の穴は同時に押し広げられ,バーリング加工が施されるので,ハイドロフォーム加工品1の内部方向に向かってバーリング加工部16,17がそれぞれ成形される。こうして最終的に内径が第二ピアスパンチ11の外径と等しい内径を有する内側バーリング加工部16,17が得られる。
以上の一連の加工をハイドロフォーム金型4a,4b内で実施した後に,ハイドロフォーム上金型4aを開き,ハイドロフォーム加工品1を金型4a,4bから取り出すと図4(f)のようなハイドロフォーム加工品1が得られる。図4(f)における中央横断面を図4(g)に示す。これより,コの字型の金属板2の一部がバーリング加工部16,17によってハイドロフォーム加工品1の外側から内部方向に入り込んでいるため,金属板2がハイドロフォーム加工品1から外れないように固定されている。
以上が図4を参照にした本発明の形態の一例の説明である。以上に示した形態では,バーリング加工部は円形断面でハイドロフォーム加工面に対して垂直な場合であるが,次に各種のバーリング形状を紹介する。
まず,バーリング断面形状は円形である必要はなく,図5に示すように,楕円形(a)や多角形(b)でも良い。但し,角部が鋭利だと穿孔時やバーリング時に端面で亀裂が発生する危険性があるため,角部には十分なRを設ける必要がある。また,穿孔時とバーリング時の断面中心が偏心していても良く(c),更に言えば,同種の断面形状でなくても良い(d)。これらの場合,バーリング高さは場所によって変わるため,ある特定の位置だけバーリング高さを変えたい場合には有効な方法である。
また,バーリング箇所は複数個でも良く,例えば図6の(a)のようなL字型の金属板2の場合は,底面側と側面側の2ヶ所をバーリング加工すると金属板2がハイドロフォーミング成形品1に固定できる。その他,図6の(b)の例のように補強のために複数個のバーリング加工部を設けても良い。これらの例からも分かるように,穿孔やバーリング用ピアスパンチ10,11は下金型4bだけでなく,上金型4aや上下金型4a,4bの境界面に設置することもあり得る。
また,バーリング加工する方向もハイドロフォーミングの成形面に対して垂直である必要もなく,斜めにすることも可能である。この斜め方向のバーリングを応用すると,図6の(c)のようにL字型の金属板2も1ヶ所のバーリングで固定可能となる。また,同図(d)のように平坦な金属板2の固定も可能になる。
また,バーリングを施す位置は,ハイドロフォーム加工品1の平面部に限る必要もなく,図6(e)のように曲面部でも可能である。
また,図7(a)〜(c)のように管の内側に向かって設けた金属板のバーリング加工部17の内周面にねじ切り加工20を施すと(b),そのまま他部品21と一体にボルト22で締結することができる(c)。一般的にハイドロフォーム加工品は閉断面構造のため内側にナットを組み付けられないので,従来はボルト締結が不可能であったが,本発明によれば,ハイドロフォーム加工品1のバーリング加工部17に締結したボルト22を介して他部品21を固定した構造体を得ることができる。
次に金属板2の各種の形状例を紹介する。まず,金属板2の板厚が厚い場合,図8の(a)のように,金属板の内表面の周縁角部23に当たる箇所24でハイドロフォーム加工品1の減肉が顕著になり,ハイドロフォーム中に割れる危険性がある。そのような場合は,金属管側の外表面と向い合う金属板2の内表面の周縁角部23を,(b−1)のように鈍角に形成するか,あるいは(b−2)のように曲面に形成する等の端面加工を予め施しておくことが望ましい。また,(c−1)のように金属板2の外周面にあらわれるコーナー部25にも曲面に形成する等の端面加工を予め施しておくと,当該箇所のハイドロフォーム加工時の割れ防止に有効である。
次に,金属板2の全体形状に関して述べる。前述の図4や図6で説明した形態のように,コの字型・L字型・平面型・円弧型等,様々な形状の金属板2でも本発明は適用可能である。また図9に示すように長手方向に幅が変っていたり(a),一部に穴26が空いていたり(b),あるいは板厚や材質の異なるテーラードブランク27(c)でも構わない。この利点を最大限に活用すると,部品の軽量化メリットに対しても最大限効果が発揮できる。
また,金属板2は一箇所だけでなく,複数箇所に適用しても良い。図10の(a)は同一断面内の円周方向2ヶ所に適用した例であり,(b)は管軸方向に3ヶ所適用した例である。それぞれの金属板2は同一材料,同一板厚,同一形状である必要はなく,必要な箇所に,それぞれ適正な金属板2を採用することができ,軽量化の観点から非常に有効である。同様の効果をテーラードチューブで達成しようとすると,細かく細分化されたテーラードチューブが必要となるが,当然,そのテーラードチューブの製造や,ハイドロフォーム加工が非常に困難になる。また図10(b)に示されるように,適用する箇所も,ハイドロフォーム加工品1の直線部分だけでなく,曲線部分にも容易に適用できるという点も本発明の利点である。
次に,フランジ用構造材28を用いてフランジ29を設けたハイドロフォーム部品を成形する例を述べる。図11の(a−1)のように,金属管5とフランジ用構造材28を下金型4bに挿入する。その際,フランジに相当する箇所29を金型の隙間に置き,そのまま,上金型4aを閉める(a−2)。その後,ハイドロフォーム加工し(a−3),バーリング加工を付加してフランジ構造材28をハイドロフォーム加工品1に固定すると,フランジ部29を有するハイドロフォーム部品が得られる(a−4)。
図11の(a−1)〜(a−4)では,フランジ用構造材28を用いた形態を示したが,図11の(b−1)のように,金属板2を曲げ加工した材料を用いて,型締め時に当該金属板2の一部を潰すことによってフランジ部30を設けても良い(b−2)。その後は,同様にハイドロフォーム加工し(b−3),バーリング加工を行えば,同様のフランジ付きハイドロフォーム部品を得ることができる(b−4)。このようにして得られたフランジ付きハイドロフォーム部品は,周辺部の溶接,スポット溶接の電極31によってスポット溶接部32を接合させるスポット溶接等によって他部材21と容易に接合することにより,ハイドロフォーム加工品1のフランジ部30を介して他部品21を固定した構造体を容易に得ることができる。
以上のように本発明では,従来法と比べて補強する金属板2や適用される金属管5の自由度が高く,軽量化効果を最大限に発揮することができる。また,本発明を応用すれば,従来のハイドロフォーム部品では困難であったボルト締結による他部品21の固定やスポット溶接による他部品21の固定も容易に適用可能となる。
以下に本発明の実施例を示す。
金属管には外径63.5mm,肉厚2.3mm,全長490mmの鋼管を用い,鋼種は機械構造用炭素鋼鋼管のSTKM11Aを採用した。金属板には,幅80mm,長さ200mm,板厚1.0mmのサイズで,材質はSTKM11Aの鋼板をコの字型に曲げ加工した材料を用いた。ハイドロフォームに用いた金型は図12に示すような長方形断面に拡管する形状である。ピアスパンチは下金型の中心に組み込まれ,穿孔用第一ピアスパンチ10及びバーリング用第二ピアスパンチ11の外径は,それぞれ10mm及び20mmとした。また,第一ピアスパンチ10の先端肩部のR(曲率半径)は,ほぼ0とし,第二ピアスパンチ11の先端肩部のRは,2mmとした。これらのピアスパンチ10,11を後退させたまま,金属板を金型に挿入した。また,ハイドロフォーム加工条件は,図12(b)に示すとおりであり,本加工条件は,単管の場合の成形条件と同一条件である。
まず,上述のような条件でハイドロフォーム成形を行い,引き続きその最終圧力(150MPa)を保持したまま,第一ピアスパンチ10を金型空洞方向に8mm押し出した(前進させた)。その結果,ハイドロフォーム加工品及び金属板にφ10mmの穴が穿孔された。次に,第一ピアスパンチと同時に第二ピアスパンチも押し込み,更に17mm前進させた。その結果,φ10mmの穴が押し広げられながらバーリング加工され,最終的には第二ピアスパンチが完全に打ち抜かれる状態となった。その結果,内径がφ20mmで内側に高さ5mmのバーリング加工部を設けることができ,当該バーリング加工部によって1mmの金属板がハイドロフォーム加工品に対し確実に固定することができた。
本発明は,例えば自動車部品の製造等,金属加工の分野において適用できる。
従来の閉断面の補強用管材を嵌めた場合のハイドロフォーム加工方法の説明図を示す(特許文献3の図1に同じ)。 従来のパッチを溶接することにより補強する方法の説明図を示す(特許文献3の図2に同じ)。 ハイドロフォームの負荷経路によって発生する加工不良の種類を示すグラフである。 本発明の実施の形態にかかるハイドロフォーム加工の説明図である。 バーリング加工部の形状例を示す説明図である。 バーリング加工による金属板固定方法の説明図である。 ハイドロフォーム加工品と他部品とのボルト締結の説明図である。 金属板端部の説明図である。 金属板形状の種類の説明図である。 金属板の取付け位置を示す説明図である。 フランジ付きハイドロフォーム加工品の加工方法を示す説明図である。 本発明の実施例の説明図である。
符号の説明
1………ハイドロフォーム加工品
2………金属板
3………溶接部
4………ハイドロフォーム金型
4a……ハイドロフォーム上金型
4b……ハイドロフォーム下金型
5………金属管
5a……ハイドロフォーム後の金属管
6………補強用管材
7………軸押しパンチ
7a……軸押しパンチ(左側)
7b……軸押しパンチ(右側)
9………圧力媒体(例えば水)
10……穿孔用第一ピアスパンチ
11……バーリング用第二ピアスパンチ
12……ピアシングにより金属管を打ち抜いた金属片
13……ピアシングにより金属板を打ち抜いた金属片
14……穿孔用第一ピアスパンチの先端肩部
15……バーリング用第二ピアスパンチの先端肩部
16……金属管におけるバーリング加工部
17……金属板におけるバーリング加工部
18……穿孔用第一ピアスパンチのメカロック
19……バーリング用第二ピアスパンチのメカロック
20……ねじ切り加工部
21……他部材
22……ボルト
23……金属板の内表面の周縁角部
24……ハイドロフォーム後に金属板の内表面の周縁角部に当たるハイドロフォーム加工品の箇所
25……金属板のコーナー部
26……金属板に設けられた穴
27……テーラードブランク
28……フランジ用構造材
29……フランジ用構造材のフランジ部
30……金型で挟み込むことで成形されたフランジ部
31……スポット溶接の電極
32……スポット溶接部

Claims (10)

  1. 管軸と直角又は斜め方向に移動自在な穿孔手段を有する分割金型に金属管を挿入する際に,前記穿孔手段を後退させて,前記金属管より管軸方向長さの短い金属板を前記金属管の外部に配置して前記金属管とともに前記分割金型に挿入し,前記金属管に内圧と管軸方向の押し力,又は内圧を負荷してハイドロフォーム加工を行い,前記金属管と前記金属板を前記分割金型の内面に沿う形状まで変形させた後に,前記穿孔手段を前進させて前記金属板と前記金属管の一部を穿孔し,その後,前記穿孔手段の周囲に配置された肩部により,穿孔した前記金属板及び前記金属管の穴の周囲を前記金属管の内面側に押し込んでバーリング加工を施し,当該バーリング加工部によって前記金属板が前記金属管に対して固定されることを特徴とする,ハイドロフォーム加工方法。
  2. 前記金属管側の外表面と向い合う前記金属板の内表面の周縁角部及び/又は前記金属板の周面にあらわれるコーナー部を,鈍角に形成しておくことを特徴とする,請求項1記載のハイドロフォーム加工方法。
  3. 前記金属管の外表面と向い合う前記金属板の内表面の周縁角部及び/又は前記金属板の外周面にあらわれるコーナー部を,曲面に形成しておくことを特徴とする,請求項1記載のハイドロフォーム加工方法。
  4. フランジ部の付いた金属板又は加工後フランジ部を形成するように曲げ加工した金属板を金属管の外部に配置することを特徴とする,請求項1,2または3記載のハイドロフォーム加工方法。
  5. 金属管に内圧と管軸方向の押し力,又は内圧を負荷してハイドロフォーム加工を行い,前記金属管の一部を拡管させたハイドロフォーム加工品であって,前記金属管の拡管部の外表面に金属板が前記金属管の内側に向かって成形されたバーリング加工部によって固定されていることを特徴とする,ハイドロフォーム加工品。
  6. バーリング加工部の内周面がねじ切り加工されていることを特徴とする,請求項5記載のハイドロフォーム加工品。
  7. 請求項6記載のハイドロフォーム加工品のバーリング加工部に締結したボルトを介して他部品を固定したことを特徴とする,構造体。
  8. 前記金属板にフランジ部が形成されていることを特徴とする,請求項5記載のハイドロフォーム加工品。
  9. 請求項8記載のハイドロフォーム加工品のフランジ部を介して他部品を固定したことを特徴とする,構造体。
  10. 前記フランジ部に他部品を溶接で固定したことを特徴とする,請求項9記載の構造体。
JP2004304632A 2004-10-19 2004-10-19 ハイドロフォーム加工方法とハイドロフォーム加工品及び構造体 Active JP4456459B2 (ja)

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