JP2017127896A - 冷却方法及び鋼板の製造方法 - Google Patents

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【課題】本発明は、鋼板の形状や材質悪化を抑制する冷却方法を提供することを目的とする。【解決手段】熱間圧延された複数の鋼板12を所定の処理単位ごとに冷却する際の冷却水温度を制御する冷却方法であって、処理単位のうちの個別の鋼板12に用いる最適冷却水温度を過去の冷却実績より定めた第1評価指標に基づいて求め、鋼板12毎に求められた最適冷却水温度を第2評価指標に適用し処理単位を通じて用いる冷却水の目標温度を求め、処理単位で冷却する際の冷却水温度が目標温度となるように制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、鋼板を冷却する冷却方法及び鋼板の製造方法に関する。
熱間で圧延された鋼板は、冷却工程において冷却される(特許文献1〜特許文献6参照)。この冷却工程では、遷移沸騰領域での不安定な冷却により生ずる鋼板の板内温度偏差によって、冷却後の鋼板の形状、材質が悪化することに苦慮してきた。
この際、鋼板の冷却に使用する水温が沸騰現象(特に極小熱流束点)に影響を及ぼすことは知られているが、冷却に使用する冷却水を瞬時に温度調整することは困難である。このため、例えば特許文献1には、冷却に使用する水温を制御して遷移沸騰領域を避けるのではなく、水量密度を制御する方法について示されている。
また、特許文献2には、冷却に使用する水温を調整することで、膜沸騰の持続時間を長くしてクエンチ点を下げ、遷移沸騰領域を避ける方法について示されているが、予め定められた鋼板のみを対象とする。このため、水温の積極的な制御により膜沸騰と核沸騰とを使い分けるという考え方はなかった。
特開2012−082484公報 特開平06−256858号公報 特開平11−309507号公報 特開昭61−266524号公報 特開2011−173153公報 特開2004−331992公報
このように、これらの冷却方法にあっては、冷却に使用する水温を積極的に制御することで、連続して冷却される複数の鋼板に対して、例えば遷移沸騰領域での冷却を回避することは実施されていなかった。
本発明は、鋼板の形状や材質悪化を抑制する冷却方法を提供することを目的とする。
本発明の第一態様によれば、熱間圧延された複数の鋼板を所定の処理単位ごとに冷却する際の冷却水温度を制御する冷却方法であって、前記処理単位のうちの個別の鋼板に用いる最適冷却水温度を過去の冷却実績より定めた第1評価指標に基づいて求め、鋼板毎に求められた最適冷却水温度を第2評価指標に適用し前記処理単位を通じて用いる冷却水の目標温度を求め、前記処理単位で冷却する際の冷却水温度が前記目標温度となるように制御する冷却方法が提供される。
本発明の第二態様によれば、第一態様において、前記第1評価指標より定まる冷却水温度を用いて第1温度設定テーブルを形成し該第1温度設定テーブルから前記最適冷却水温度を求めるとともに、前記第2評価指標を用いて第2温度設定テーブルを形成し該第2温度設定テーブルから前記目標温度を求める。
本発明の第三態様によれば、第一態様又は第二態様において、前記第1評価指標が、再矯正率、最大波高さ、最大歪量、材質合格率、又は再矯正時間のいずれか一つである。
本発明の第四態様によれば、第一態様から第三態様のいずれか一つの態様において、前記第2評価指標が、前記処理単位で冷却される鋼板全体の再矯正率、再矯正本数、最大波高さの平均値、最大歪量の平均値、材質合格率、材質合格本数、又は再矯正時間の平均値のいずれか一つである。
本発明の第五態様によれば、第一態様から第四態様のいずれか一つの態様において、前記処理単位を、冷却する鋼板の数、一定の処理時間、又は任意の処理時間で定め、当該処理単位毎に前記目標温度を求めて更新する。
本発明の第六態様によれば、鋼片を加熱する加熱工程と、該加熱工程で加熱された鋼片を圧延して鋼板とする圧延工程と、該圧延工程で圧延された鋼板を、第一態様から第五態様のいずれか一つの態様の冷却方法で冷却する冷却工程と、を備える鋼板の製造方法が提供される。
本発明により、複数種の鋼板を所定の処理単位で冷却する場合に鋼板の形状や材質悪化を抑制する技術が提供される。
本実施形態に係る冷却装置を含む設備を示す平面図である。 鋼板表面温度と熱流束との関係を示す線図である。 本実施形態の動作を示すフローチャートである。 本実施形態で用いる板厚と冷却停止温度との関係により求められる第1冷却水温度T1を示す第1温度設定テーブルであり、一部は冷却水温度と再矯正率との対応を示している。 本実施形態で用いる30分間で処理される各鋼板の第1冷却水温度T1及び冷却適用本数と各目標温度候補で冷却した際の再矯正率本数(平均値)との関係により求められる第2冷却水温度T2を示す第2温度設定テーブルである。 冷却水温度が変更される状態を経過時間と冷却水温との関係で示す線図である。 他の実施形態で用いる30分間で処理される各鋼板の第1冷却水温度T1及び冷却本数と各目標温度候補で冷却した際の減点数との関係により求められる第2冷却水温度T2を示す第2温度設定テーブルである。 本実施形態と比較例との再矯正率を示す棒グラフである。
以下、本発明の一実施形態を図面に従って説明する。図1は、本実施形態に係る冷却方法を実施する設備を示す平面図であり、上流側にはデパイラー10で搬送された鋼板12を加熱する加熱工程を実行する為の加熱装置14が設けられている。
加熱装置14の下流には、スケール除去装置(HSB)16が設けられており、スケール除去装置16の下流には、圧延工程を実行する圧延装置18が設けられている。圧延装置18には、粗圧延機(RM)20と、仕上げ圧延機(FM)22と、ホットレベラー(HL)24が上流側よりこの順に設けられている。これにより、スケール除去装置16から送られた鋼板12を、搬送路26に沿って搬送することで、粗圧延機20及び仕上げ圧延機22で熱間圧延した後、ホットレベラー24で矯正できるように構成されている。
ホットレベラー24の下流には、冷却工程を実行する加速冷却装置(ACC)30が設けられており、熱間圧延された鋼板12を加速冷却装置30で冷却できるよう構成されている。加速冷却装置30は、鋼板12に冷却水を噴射して冷却する装置であり、この加速冷却装置30には、冷却水供給路32を介して貯留槽34からの冷却水が供給されるように構成されている。また、加速冷却装置30は、鋼板12の冷却に使用した冷却水を、冷却水帰還路36を介して貯留槽34に戻せるよう構成されており、冷却水を加速冷却装置30と貯留槽34との間で循環できるように構成されている。
冷却水供給路32には、水温計38が設けられており、加速冷却装置30に供給する冷却水の温度を計測できるように構成されている。水温計38で計測した水温値は、プロセスコンピュータの制御盤40に入力されるよう構成されている。制御盤40には、貯留槽34との間で冷却水を循環させて冷却する冷却水冷却装置42が接続されている。制御盤40は、水温計38で計測した水温値がプロセスコンピュータを構成する演算部44から入力される目標温度となるように冷却水冷却装置42をオンオフ制御する。
演算部44には加熱装置14で加熱される鋼板12の情報が鋼板情報として入力されるように構成されている。この鋼板情報としては、加熱する鋼板12の厚み寸法(以下板厚)や、冷却水による冷却終了温度を示す冷却停止温度などが挙げられる。ここで、冷却停止温度とは、鋼板12が加速冷却装置30を通過して冷却水による冷却が終了する時点での鋼板12の温度を示す。演算部44は、この鋼板情報に基づいて、冷却時の目標温度を算出し、この目標温度を冷却水冷却装置42の制御指令として制御盤40に出力するように構成されている。
このような加速冷却装置30で鋼板12を冷却する場合、図2に示すように、鋼板12の冷却に使用する冷却水の温度が沸騰現象(特に極小熱流束点)に影響を及ぼすことが知られている。具体的に遷移沸騰領域での不安定な冷却では、鋼板12内に生ずる温度偏差により冷却後の鋼板12の形状、材質が悪化する。このため、冷却水の温度を瞬時に調整して鋼板12を核沸騰領域又は膜沸騰領域のみで冷却することが望ましい。
しかし、このような設備において、冷却水の温度を瞬時に調整することは困難であることから、冷却水の温度を積極的に制御して遷移沸騰領域を避けることは実施されず、常に一定の水温で鋼板12を冷却していた。
ここで、板厚が厚く冷却停止温度が低い鋼板12の場合は、低水温で冷却することにより、速く核沸騰に到達させることができる。また、板厚が薄く冷却停止温度が高い鋼板12の場合は、高水温で冷却することにより、膜沸騰のみで冷却できる。すなわち、板厚が厚く冷却停止温度の低い鋼板12は低水温で冷却し、板厚が薄く冷却停止温度が高い鋼板12は高水温で冷却することで、遷移沸騰領域での冷却を極力回避できることに着目した。
そして、発明者らは誠意検討し、複数の鋼板12を連続して冷却する冷却水の目標温度を次のように求め、冷却水温度が目標温度となるように制御することを見出した。これにより、冷却水を瞬時に温度調整する制御をしなくても、遷移沸騰領域での冷却を抑制し、冷却後の鋼板12の形状、材質を向上することができる。
すなわち、個別の鋼板12に用いる最適冷却水温度を過去の冷却実績より定めた第1評価指標に基づいて第1冷却水温度T1として求める。次に、鋼板12毎に求められた第1冷却水温度T1を第2評価指標に適用して第2冷却水温度T2を求める。そして、この第2冷却水温度T2を目標温度として冷却水冷却装置42を制御し、目標温度とした冷却水で前記鋼板12を連続的に冷却する。
第1評価指標としては、冷却後に矯正を要した割合を示す再矯正率が一例として挙げられる。この再矯正率は冷却後の鋼板12の寸法変化が許容値を超えて矯正を必要とする鋼板数の割合である。鋼板12の板厚及び冷却停止温度毎に再矯正率の最も低かった冷却水温度が過去の冷却実績から定められ、この冷却水温度がデータテーブル化され用いられる(図4参照)。また、第2評価指標としては、冷却後に矯正が予想される鋼板12の本数を示す再矯正本数が一例として挙げられ、詳細は以下に示す。
図3は、本実施形態の動作を示すフローチャートであり、プロセスコンピュータが予め記憶されたプログラムに従って動作を開始すると、演算部44は加熱装置14から鋼板情報を取得する(S1)。これにより、演算部44は、加熱装置14で加熱する鋼板12の板厚や冷却停止温度を把握する。次に、演算部44は、各鋼板12を冷却する際に適した冷却水温度を、取得した板厚及び冷却停止温度に基づいて、予め記憶された図4の第1温度設定テーブル50から求める(S2)。
第1温度設定テーブル50は、図4に示したように、冷却に適した冷却水温度が鋼板12の板厚と冷却停止温度との関係で記憶されたデータ群であり、過去の冷却実績に基づいて冷却に適した冷却水温度が板厚及び冷却停止温度毎に設定されている。
この第1温度設定テーブル50の設定手順としては、例えば、板厚が50mm以上60mm未満、冷却停止温度が500℃以上600℃未満の複数の鋼板12をそれぞれ異なる冷却水温度(図4では、右側の棒グラフで示すように30℃〜38℃)で冷却した場合の冷却後に必要な再矯正率を記録する。その結果、図4の右側の棒グラフに示されるように、矯正を要する再矯正率が36℃の冷却水で冷却した鋼板12が最も低い(12%)。このため、第1温度設定テーブル50の板厚が50mm以上60mm未満、冷却停止温度が500℃以上600℃未満の欄に、冷却水温度「36℃」を設定する。このような手順を繰り返して、図4に示されるように各鋼板12と冷却停止温度における第1温度設定テーブル50を作成する。このとき、第1冷却水温度T1を求める対象となる鋼板12は、30分を単位として冷却処理される数の鋼板12とする。
この第1温度設定テーブル50を用いることによって、各鋼板12を冷却する際に最適となる冷却水温度が、第1冷却水温度T1として鋼板12の板厚と冷却停止温度ごとに求められる。
これにより、30分の処理単位で対象となる複数の鋼板12を、単にその板厚や冷却停止温度だけではなく、再矯正率を加味して冷却に適した冷却水温度によって分類することができる。この分類は、過去の冷却実績において再矯正率が低かった冷却水温度とされており、再矯正率が最も低かったことから、遷移沸騰領域での冷却を回避できる冷却水温度と考えられる。このため、この第1冷却水温度T1を以降の処理で用いることで、遷移沸騰領域での冷却の回避を優先させた冷却水温度の算出が可能となる。
なお、本実施形態では、各鋼板12の冷却水温度を求める為の第1評価指標として、再矯正率を用いたが、これに限定されるものではない。この第1評価指標としては、冷却した鋼板12の現れた最大波高さや、最大歪量や、材質合格率や、再矯正時間などを用いることができる。
次に、演算部44は、ステップ(S2)で求めた第1冷却水温度T1から、30分間冷却処理する間に継続して使用する冷却水温度を求める為の第2評価指標が最適となるような第2冷却水温度T2を算出する(S3)。
すなわち、演算部44には、第1冷却水温度T1の鋼板12を複数の冷却水温度で冷却した場合の1本当たりの再矯正本数が再矯正率Pとして図4で示される第1冷却水温度T1毎に予め記憶されている。例えば第1冷却水温度T1が30℃の鋼板12を30℃の冷却水で冷却した場合の再矯正率Pが「0.1」、32℃の場合が「0.12」、34℃の場合が「0.16」、36℃の場合が「0.17」、38℃の場合が「0.18」として記憶されている。
そして、演算部44では、図5に示すように、鋼板情報毎に各目標温度候補Tiでの再矯正本数Eが次式で算出され、第2温度設定テーブル52が形成される。なお、目標温度候補Tiは、第2冷却水温度T2を選択するための候補温度である。
再矯正本数E=再矯正率P×鋼板の本数N
第1温度設定テーブル50に基づいて分類された結果、第1冷却水温度T1が「30℃」とされた鋼板12の本数Nが「10」の場合、前述したように演算部44には、第1冷却水温度T1が「30℃」の鋼板12を「30℃」の冷却水で冷却した際の再矯正率Pが「0.1」と記憶されている。そして、第1冷却水温度T1が「30℃」とされた鋼板12の本数Nは「10」なので、再矯正本数Eは「1」(P(0.1)×N(10))として第2温度設定テーブル52に設定される。同様に、第1冷却水温度T1が「30℃」の鋼板12を「32℃」の冷却水で冷却した際の再矯正率Pは「0.12」と記憶されており、第1冷却水温度T1が「30℃」とされた鋼板12の本数Nは「10」である。このため、再矯正本数Eは「1.2」(P(0.12)×N(10))として第2温度設定テーブル52に設定される。以下同じように図5の再矯正本数Eが定められる。
この第2温度設定テーブル52では、目標温度候補Ti毎に再矯正本数Eの合計値(
再矯正本数合計)が算出されており、各目標温度候補Tiのうち合計値が最も少ない目標温度候補Tiが第2冷却水温度T2として選択され、この第2冷却水温度T2が目標温度として制御盤40に送信される。これにより、30分の処理単位で対象となる鋼板12において、冷却後の再矯正率が全体として最も低くなる冷却水温度を目標温度として選択し、制御盤40に送信することができる。
なお、本実施形態では、30分間で冷却処理する間に継続して使用される冷却水温度を求める為の第2評価指標として、再矯正本数Eを用いたが、これに限定されるものではない。この第2評価指標としては、処理単位で冷却される鋼板12の最大波高さの平均値や、最大歪量の平均値や、材質合格率や、材質合格本数や、再矯正時間(再矯正にかかる負荷)の平均値や、生じた歪の急峻度や、歪量を用いることができる。つまり、低減したい指標(例えば、材質の不合格率の低減を図りたい場合には材質不合率)を第2評価指標として用いることで、目的とした効果を高めることができる。
そして、演算部44は、第2冷却水温度T2を目標温度として制御盤40に出力し(S4)、制御盤40は、水温計38で計測した水温値が目標温度となるように冷却水冷却装置42をオンオフ制御する(S5)。これにより、貯留槽34に貯留された冷却水は目標温度となり、この冷却水によって鋼板12が冷却される。
この状態で対象となる鋼板12を目標温度の冷却水で連続的に冷却する。そして、冷却水温度が目標温度となるように冷却水冷却装置42の制御を開始してから30分経過し、処理単位の鋼板12の冷却が終了する又は終了に近づいた際には(S6)、次の30分間で冷却される鋼板12の冷却水温度を再計算し、目標温度を更新する(S1〜S4)。
これにより、加速冷却装置30で使用する冷却水の温度を、経過時間で変化させることができる。図6には、加速冷却装置30で使用する冷却水の温度を30分毎に変更した際の経過時間と冷却水温度との関係が示されている。このように、同一の加速冷却装置30において、経過時間に応じて異なる冷却水温度で鋼板12を冷却することができる。
そして、冷却水温度が34度未満の低水温による冷却時には、核沸騰領域優位の冷却を行うことができる。また、冷却水温度が34度以上の高水温による冷却時には、膜沸騰領域優位の冷却を行うことができる。このように、30分毎に冷却される鋼板12に応じて、遷移沸騰領域での冷却を極力回避した適切な冷却を行うことができる。
なお、本実施形態では、処理単位を一定の処理時間である30分と定め、30分毎に第2冷却水温度T2を求めて更新する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、処理単位を冷却する鋼板12の数や任意の処理時間で定め、この処理単位毎に第2冷却水温度T2を求めて更新しても良い。
図8には、板厚や冷却停止温度が異なる複数の鋼板12を同じ冷却水温度で冷却した比較例での再矯正率と、冷却する複数の鋼板12の情報に応じて冷却水温度を設定する本実施形態の冷却方法で冷却した場合の再矯正率とが示されている。この図から本実施形態の冷却方法で冷却した鋼板12では、比較例で冷却した鋼板12と比較して、再矯正率が2%改善されたことがわかる。
このように、本実施形態では、冷却水を瞬時に温度調整する制御を避けつつ、30分間で処理される鋼板12全体として遷移沸騰領域での冷却を抑制することで、板内温度偏差の発生を抑制し、冷却後の鋼板12の形状を安定化させることができる。これにより、冷却後の鋼板12の形状、材質の向上を図ることができる。
(他の実施形態)
図7は、他の実施形態を示す図であり、図3のフローチャートのステップS3で用いられる第2温度設定テーブル52のみが異なため、変更された第2温度設定テーブル52Bと関連する部分についてのみ説明する。
すなわち、演算部44では、鋼板情報毎に各目標温度候補Tiでの減点数Eが、次式で算出され、第2温度設定テーブル52Bが形成される。
減点数E=|目標温度Ti−第1冷却水温度T1|×鋼板12の本数N
例えば第1冷却水温度T1が「30℃」の鋼板12において、その本数Nが「10」の場合、目標温度候補Tiが30℃の欄には「0」、32℃の欄には「20」、34℃の欄には「40」、36℃の欄には「60」、38℃の欄には「80」が設定されている。以下同じように図7の減点数Eが定められる。
この第2温度設定テーブル52Bでは、目標温度候補Ti毎に減点数Eの合計値(減点数合計)が算出されており、この合計値が最も少ない目標温度候補Tiが第2冷却水温度T2として選択され、制御盤40に出力される。なお、本実施形態では、目標温度Tiと第1冷却水温度T1との温度差に鋼板12の本数Nを乗算して得た減点数Eが第1評価指標として用いられている。
この第2温度設定テーブル52Bを用いて各鋼板12を冷却した場合にも、図8と同様の効果が得られ、本実施形態の冷却方法で冷却した鋼板12では、比較例で冷却した鋼板12と比較して、再矯正率が2%改善されることを確認できた。
12 鋼板
14 加熱装置
18 圧延装置
30 加速冷却装置
40 制御盤
42 冷却水冷却装置
44 演算部
50 第2温度設定テーブル
52 第2温度設定テーブル
52B 第2温度設定テーブル

Claims (6)

  1. 熱間圧延された複数の鋼板を所定の処理単位ごとに冷却する際の冷却水温度を制御する冷却方法であって、
    前記処理単位のうちの個別の鋼板に用いる最適冷却水温度を過去の冷却実績より定めた第1評価指標に基づいて求め、
    鋼板毎に求められた最適冷却水温度を第2評価指標に適用し前記処理単位を通じて用いる冷却水の目標温度を求め、
    前記処理単位で冷却する際の冷却水温度が前記目標温度となるように制御する冷却方法。
  2. 前記第1評価指標より定まる冷却水温度を用いて第1温度設定テーブルを形成し該第1温度設定テーブルから前記最適冷却水温度を求めるとともに、前記第2評価指標を用いて第2温度設定テーブルを形成し該第2温度設定テーブルから前記目標温度を求める請求項1に記載の冷却方法。
  3. 前記第1評価指標が、再矯正率、最大波高さ、最大歪量、材質合格率、又は再矯正時間のいずれか一つである請求項1又は請求項2に記載の冷却方法。
  4. 前記第2評価指標が、前記処理単位で冷却される鋼板全体の再矯正率、再矯正本数、最大波高さの平均値、最大歪量の平均値、材質合格率、材質合格本数、又は再矯正時間の平均値のいずれか一つである請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の冷却方法。
  5. 前記処理単位を、冷却する鋼板の数、一定の処理時間、又は任意の処理時間で定め、当該処理単位毎に前記目標温度を求めて更新する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の冷却方法。
  6. 鋼片を加熱する加熱工程と、
    該加熱工程で加熱された鋼片を圧延して鋼板とする圧延工程と、
    該圧延工程で圧延された鋼板を、請求項1から5にいずれか記載の冷却方法で冷却する冷却工程と、
    を備える鋼板の製造方法。
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