JP6614105B2 - スラブの分塊圧延方法 - Google Patents

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本発明は、スラブから中間製品へ分塊圧延するスラブの分塊圧延方法に関する。
一般に、素材にスラブを用いて分塊圧延する場合、圧延後の中間製品に圧延方向と平行な線状疵(以下、シワ疵という)が発生することが多く、圧延後のシワ疵の手入れをする工程にかかる作業負荷が大きい。このため、従来においては、シワ疵の発生を防ぐために、例えば、特許文献1及び2に示す方法が提案されている。
特許文献1に示す鋼材の加熱圧延方法は、圧延素材を連続的に加熱圧延する方法において、加熱工程を1次加熱と2次加熱に分け、1次加熱は、加熱温度を粒界酸化量が増大を開始する粒界酸化臨界温度よりも少なくとも低い温度として加熱炉を用いて行い、続いて1次加熱された圧延素材を加熱炉より圧延ラインに抽出し、続いて圧延ラインに設置された傾斜圧延機の前方において、誘導加熱装置を用いて、1次加熱された圧延素材を圧延先端側から後端側にかけて高温になるように2次加熱を行うことによって、圧延待機中の圧延素材の温度低下を補償して傾斜圧延機の圧延温度を略一定に保持して圧延するものである。
この特許文献1に示す加熱圧延方法によれば、通常の圧延(粗圧延、中間圧延、仕上圧延)を実施する前に、傾斜圧延を実施するので、圧延素材の表層部が再結晶され、それによって圧延後の製品の表面疵(シワ疵など)を大幅に低減することができる。
また、特許文献2に示す高純度フェライト系ステンレス鋼の分塊圧延方法は、質量%で、C≦0.01%、N≦0.01%、Cr:17〜20%、Ni≦0.5%の高純度フェライト系ステンレス鋼製の横断面が円形でない鋳片を、孔型圧延により熱間加工し、横断面が円形のビレットに分塊圧延する際、圧下前の鋳片の横断面の高さhと幅bの比h/bを2.0以下、鋳片の加熱温度を1000℃〜1200℃とし、下記式を満たす圧下率で分塊圧延するものである。
圧下率≦−10.619×(圧下前の鋳片の横断面の高さhと幅bの比h/b)+23.298
この特許文献2に示す高純度フェライト系ステンレス鋼の分塊圧延方法によれば、高純度フェライト系ステンレス鋼を、丸ビレットに分塊圧延する時に、捩れや倒れが発生せず、かつ、シワ疵が発生しないようにすることができる。
特開平5−329519号公報 特開2012−81510号公報
しかしながら、これら従来の特許文献1及び2に示す方法にあっては、以下の問題点があった。
即ち、特許文献1に示す加熱圧延方法の場合、加熱炉による1次加熱の他に誘導加熱装置を用いて2次加熱を行うため、誘導加熱装置などの専用の設備が必要となるので、コストが高くなるとともに、その専用の設備の設置場所が必要になるという制約を受ける不都合があった。
また、特許文献2に示す高純度フェライト系ステンレス鋼の分塊圧延方法の場合、圧下前の鋳片の横断面の高さhと幅bの比h/bを2.0以下とするため、アスペクト比(この比h/b)の大きい素材を圧延する場合に適用できないという問題があった。
従って、本発明はこれら従来の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、アスペクト比を2以上とした素材としてのスラブを中間製品に分塊圧延する際に、加熱炉以外の誘導加熱機などの専用の設備を要せずに、中間製品に発生するシワ疵を低減することができる、スラブの分塊圧延方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るスラブの分塊圧延方法は、幅bと厚みhとの比であるアスペクト比(b/h)が2以上のスラブを素材として、前記スラブの幅を減ずる幅圧下パスと前記スラブの厚みを減ずる厚み圧下パスとを交互に繰り返して、前記アスペクト比がほぼ1の矩形断面の中間製品へ分塊圧延するスラブの分塊圧延方法であって、所定回の厚み圧下パス後の素材の厚みをh、前記所定回よりも前である前回の厚み圧下パス後の素材の厚みをhとした場合に、前記前回の厚み圧下パスと前記所定回の厚み圧下パスとの間に行う当該回の幅圧下パスにおける幅圧下量Δbを、当該回の幅圧下パスの圧延前の素材の幅b’と厚みhとの比であるアスペクト比(b’/h)が1.5以上であるとき、(1)式に示す関係を満たすように調整することを要旨とする。
(h−h)+a・Δb≧c・h …(1)
ここで、a=0.25、c=0.10である。
本発明に係るスラブの分塊圧延方法によれば、アスペクト比を2以上とした素材としてのスラブを中間製品に分塊圧延する際に、加熱炉以外の誘導加熱機などの専用の設備を要せずに、中間製品に発生するシワ疵を低減することができる、スラブの分塊圧延方法を提供できる。
本発明の一実施形態に係るスラブの分塊圧延方法に用いられる分塊圧延設備の一例を示す図である。 図1に示される分塊圧延機の孔型ロール間に形成される孔型を示す図である。 本発明の一実施形態に係るスラブの分塊圧延方法を説明するための図である。 分塊圧延において、前々回の厚み圧下パス直後から所定回の厚み圧下パス直後までの素材としてのスラブの横断面を示し、(a)は前々回の厚み圧下パス直後のスラブの横断面、(b)は前回の幅圧下パス直後のスラブの横断面、(c)は前回の厚み圧下パス直後のスラブの横断面、(d)は当該回の幅圧下パス直後のスラブの横断面、(e)は所定回の厚み圧下パス直後のスラブの横断面を示している。 本発明例及び比較例によるパススケジュールにてスラブを中間製品としてのブルームに分塊圧延したときのブルームのシワ疵個数を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
本発明の一実施形態に係るスラブの分塊圧延方法は、図1に示される分塊圧延設備、すなわち素材としてのスラブS(図3参照)を加熱する加熱炉1と、加熱炉1で加熱処理されたスラブSを中間製品としてのブルームB(図3参照)に分塊圧延する分塊圧延機2とを備えた分塊圧延設備を用いてスラブを分塊圧延する方法である。
ここで、素材となるスラブSは、図3に示す幅bと厚みhとの比であるアスペクト比(b/h)が2以上のスラブを対象としている。また、分塊圧延機2は、図2に示すように、上側孔型ロール3と下側孔型ロール4との間に、幅圧下パス用第1孔型5と、幅圧下パス用第2孔型6と、厚み圧下パス用孔型7とを有している。
分塊圧延機2による分塊圧延では、図3に示すように、前述のアスペクト比(b/h)が2以上のスラブSを素材として、幅圧下パス用第1孔型5又は幅圧下パス用第2孔型6で行うスラブSの幅bを減ずる幅圧下パスと厚み圧下パス用孔型7で行うスラブSの厚みを減ずる厚み圧下パスとを交互に繰り返して、前述のアスペクト比(b/h)がほぼ1の矩形断面のブルームBへ分塊圧延する。
ここで、このスラブSの分塊圧延においては、図3に示すように、幅圧下パス用第1孔型5又は幅圧下パス用第2孔型6で行うスラブSの幅bを減ずる幅圧下パスにおいて、圧延方向(図3において紙面に対して直交する方向)に延びるシワ疵S1が上側孔型ロール3及び下側孔型ロール4に接触していないスラブSの両面の幅方向中央部において発生する。シワ疵S1が発生するのは、上側孔型ロール3及び下側孔型ロール4によってスラブSの幅圧下を行うことで、スラブSがドックボーン形状となり、上側孔型ロール3及び下側孔型ロール4に接触していないスラブSの両面の幅方向中央部に圧縮歪が発生するからである。
スラブSの両面の幅方向中央部において発生したシワ疵S1は、幅圧下パス後に行う厚み圧下パスの際に、スラブSの厚み方向における厚み圧下量が十分大きければ、その厚み圧下により均され延伸される。しかし、厚み圧下量を確保できない場合には、厚み未圧下部が残り、シワ疵が残存することになる。
本実施形態に係るスラブの分塊圧延方法にあっては、スラブSの厚み圧下パスにおいてシワ疵を十分に圧下してシワ疵を均すために、スラブSの加熱条件を変更するのではなく分塊圧延のパススケジュールを工夫することで、シワ疵を低減するようにしている。分塊圧延のパススケジュールは、分塊圧延機2に接続された図示しないパススケジュール制御装置によって制御される。
即ち、本実施形態に係るスラブの分塊圧延方法にあっては、所定回の厚み圧下パス後の素材の厚みをh(図4(e)参照)、所定回よりも前である前回の厚み圧下パス後の素材の厚みをh(図4(c)参照)とした場合に、前回の厚み圧下パスと所定回の厚み圧下パスとの間に行う当該回の幅圧下パスにおける幅圧下量Δbを、当該幅圧下パスの圧延前の素材の幅b’(図4(c)参照)と厚みh(図4(c)参照)との比であるアスペクト比(b’/h)が1.5以上であるとき、(1)式に示す関係を満たすように調整している。
(h−h)+a・Δb≧c・h …(1)
即ち、Δb≧c/a・h−(h−h)/a …(2)
ここで、a=0.25、c=0.10である。
なお、前回の厚み圧下パスと所定回の厚み圧下パスとの間に行う当該回の幅圧下パスにおける幅圧下量Δbは、前回の幅圧下パス直後の素材の幅b(図4(b)参照)と当該回の幅圧下パス直後の素材の幅b(図4(d)参照)との差であり、Δb=b−bで表せる。ここで、当該回の幅圧下パスの前に幅圧下パス及び厚み圧下パスがない場合には、bは圧延開始前の素材の幅となる。
また、アスペクト比(b’/h)について、b’は当該回の幅圧下パスの前の素材の幅であり(図4(c)参照)、当該回よりも前の前回の幅圧下パス及び前回の厚み圧下パスがある場合には、b’=前回の幅圧下パス直後の素材の幅b(図4(b)参照)+0.3×(前回の厚み圧下パスの前の素材の厚みh−1’(図4(b)参照)−前回の厚み圧下パス直後の素材の厚みh(図4(c)参照))で表せる。
また、当該回の幅圧下パスの前の素材の幅b’につき、当該回よりも前に幅圧下パスがなく、前回の厚み圧下パスのみがある場合には、b’=圧延開始前の素材の幅+0.3×(圧延開始前の素材の厚み−前回の厚み圧下パス直後の素材の厚みh(図4(c)参照))で表せる。
また、当該回の幅圧下パスの前の素材の幅b’につき、当該回よりも前に幅圧下パス及び厚み圧下パスがない場合には、b’は圧延開始前の素材の幅となる。
次に、前回の厚み圧下パスの前の素材の厚みh−1’につき、前回の厚み圧下パスのさらに前に幅圧下パスのみがある場合には、h−1’=圧延開始前の素材の厚み+0.25×(圧延開始前の素材の幅−前回の幅圧下パス直後の素材の幅b)で表せる。
また、前回の厚み圧下パスの前の素材の厚みh−1’につき、前回の厚み圧下パスのさらに前に幅圧下パス及び厚み圧下パスがある場合には、h−1’=前々回の厚み圧下パス直後の素材の厚さh−1(図4(a)参照)+0.25×(前々回の厚み圧下パス直後の素材の幅b−1’(図4(a)参照)−前回の幅圧下パス直後の素材の幅b)で表せる。
また、前回の厚み圧下パスの前の素材の厚みh−1’につき、前回の厚み圧下パスのさらに前に幅圧下パス及び厚み圧下パスがない場合には、h−1’は圧延開始前の素材の厚みとなる。
一方、前回の厚み圧下パス直後の素材の厚みhは、前回の厚み圧下パスがある場合にはその直後の素材の厚みh、前回の厚み圧下パスがない場合(圧延開始前の場合)には、圧延開始前の素材の厚みで表される。
このように、本実施形態に係るスラブの分塊圧延方法によれば、所定回の厚み圧下パス後の素材の厚みをh、所定回よりも前である前回の厚み圧下パス後の素材の厚みをhとした場合に、前回の厚み圧下パスと所定回の厚み圧下パスとの間に行う当該回の幅圧下パスにおける幅圧下量Δbを、(1)式に示す関係を満たすように調整している。
(h−h)+a・Δb≧c・h …(1)
ここで、a=0.25、c=0.10である。
このため、前回の厚み圧下パスと所定回の厚み圧下パスとの間に行う当該回の幅圧下パスにおける幅圧下量Δbを十分に大きくとれるため、この当該回の幅圧下パスによる素材の厚みの増厚量(a・Δb=0.25×Δb=h’(図4(d)参照−h(図4(c)参照))も大きくなり、これにより、所定回の厚み圧下パスにおける厚み圧下量(h’(図4(d)参照)−h(図4(e)参照)を大きくすることができる。このため、当該回の幅圧下パスの際に素材(スラブS)の両面の幅方向中央部において発生したシワ疵S1(図3参照)を、所定回の厚み圧下パスの際に、その厚み圧下により均し延伸し、低減することができる。このため、アスペクト比(b/h)を2以上とした素材としてのスラブSを中間製品としてのブルームBに分塊圧延する際に、加熱炉以外の誘導加熱機などの専用の設備を要せずに、ブルームBに発生するシワ疵を低減することができる。
なお、本実施形態に係るスラブの分塊圧延方法にあっては、分塊圧延のパススケジュールにおいて、前述の(1)式を適用するのは、当該回の幅圧下パスの圧延前の素材の幅b’(図4(c)参照)と厚みh(図4(c)参照)との比であるアスペクト比(b’/h)が1.5以上であるときである。この理由は、次のとおりである。
当該回の幅圧下パスの圧延前の素材のアスペクト比(b’/h)が1.5未満の場合は、当該回の幅圧下パスにおいて両幅端からの圧下による変形が、素材の幅方向中央部まで生じやすくなるため、当該回の幅圧下パス後に図1に示したようなドックボーン形状になりにくくなる。当該アスペクト比が1に近くなると、幅圧下パス後の形状がむしろ樽型に近くなるので、本発明で問題としている、素材の幅中央部で発生したシワ疵を、後続する厚み圧下パスで減ずるという問題が生じない。このため、本実施形態に係るスラブの分塊圧延方法にあっては、分塊圧延のパススケジュールにおいて、前述の(1)式を適用するのは、当該回の幅圧下パスの圧延前の素材のアスペクト比が1.5以上であるときとし、当該アスペクト比が1.5未満の場合は前述の(1)式を満足させる必要はないとしている。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、スラブSから分塊圧延によって製造されるのは、アスペクト比(b/h)がほぼ1の矩形断面のブルームBに限らず、アスペクト比(b/h)がほぼ1の矩形断面の中間製品としての角ビレットであってもよい。
本発明の効果を検証すべく、素材スラブ(厚み275mm×幅760mm)からブルーム(中間断面240mm角)を本発明例によるパススケジュールと比較例によるパススケジュールとによって分塊圧延した。本発明例によるパススケジュールを表1に、比較例によるパススケジュールを表2にそれぞれ示す。表1及び表2において、幅bは当該パスが幅圧下パスである場合の幅圧下後の素材の幅、厚hは当該パスが厚み圧下パスである場合の厚み圧下後の素材の厚みである。幅b’は当該パスが幅圧下パスである場合は幅圧下後の素材の幅、当該パスが厚み圧下パスである場合は厚み圧下後の素材の幅であり、厚h’は当該パスが幅圧下パスである場合は幅圧下後の素材の厚み、当該パスが厚み圧下パスである場合は厚み圧下後の素材の厚みである。また、Δbは、前回の厚み圧下パスと所定回の厚み圧下パスとの間に行う当該回の幅圧下パスにおける幅圧下量、すなわち、前回の幅圧下パス直後の素材の幅と当該回の幅圧下パス直後の素材の幅との差である。また、アスペクト比は、幅b’と厚h’との比である。
なお、アスペクト比(b’/h’)における幅b’と厚h’の算出に際しては、前述のアスペクト比(b’/h)における幅b’と厚hの算出と同様に行う。
Figure 0006614105
Figure 0006614105
表1を参照すると、本発明例によるパススケジュールで素材スラブを分塊圧延した場合、当該回の幅圧下パスの圧延前の素材の幅b’と厚みh’との比であるアスペクト比(b’/h’)が1.5以上のとき、前回の厚み圧下パスと所定回の厚み圧下パスとの間に行う当該回の幅圧下パスにおける幅圧下量Δbについては、前述の(1)式をすべて満たしている。
即ち、パス数1回目と2回目の合計の幅圧下パスの幅圧下量Δbは120mmであり、その際の(1)式を変形した(h−h)+0.25・Δb−0.10・hの値はh:275mm、h:270mmで8となり(1)式を満足している。このときの前述のアスペクト比(b’/h’)は幅b’が760mm、厚h’が275mmで2.8である。
同様に、パス数4回目の幅圧下パスの幅圧下量Δbは120mmであり、その際の(1)式を変形した(h−h)+0.25・Δb−0.10・hの値はh:270mm、h:270mmで3となり(1)式を満足している。このときの前述のアスペクト比(b’/h’)は幅b’が651mm、厚h’が270mmで2.4である。
同様に、パス数6回目の幅圧下パスの幅圧下量Δbは110mmであり、その際の(1)式を変形した(h−h)+0.25・Δb−0.10・hの値はh:270mm、h:270mmで0.5となり(1)式を満足している。このときの前述のアスペクト比(b’/h’)は幅b’が530mm、厚h’が270mmで2.0である。
同様に、パス数8回目の幅圧下パスの幅圧下量Δbは100mmであり、その際の(1)式を変形した(h−h)+0.25・Δb−0.10・hの値はh:270mm、h:240mmで31となり(1)式を満足している。このときの前述のアスペクト比(b’/h’)は幅b’が419mm、厚h’が270mmで1.6である。
なお、パス数10回目の幅圧下パスの幅圧下量Δbは70mmであり、その際の(1)式を変形した(h−h)+0.25・Δb−0.10・hの値はh:240mm、h:240mmで−6.5となり(1)式を満足していないが、このときの前述のアスペクト比(b’/h’)は幅b’が327mm、厚h’が240mmで1.4であり、本発明における(1)式を適用する必要のないパスである。
一方、この本発明例によるパススケジュールで素材スラブを分塊圧延した場合に対し、比較例によるパススケジュールで素材スラブを分塊圧延した場合には、表2を参照すると、当該回の幅圧下パスの圧延前の素材の幅b’と厚みh’との比であるアスペクト比(b’/h’)が1.5以上のとき、前回の厚み圧下パスと所定回の厚み圧下パスとの間に行う当該回の幅圧下パスにおける幅圧下量Δbについては、パス数6回目の幅圧下パスの幅圧下量Δbにつき(1)式を満足していない。
即ち、パス数6回目の幅圧下パスの幅圧下量Δbは100mmであり、その際の(1)式を変形した(h−h)+0.25・Δb−0.10・hの値はh:270mm、h:270mmで−2となり(1)式を満足していない。このときの前述のアスペクト比(b’/h’)は幅b’が529mm、厚h’が270mmで2.0である。
なお、当該回の幅圧下パスの圧延前の素材の幅b’と厚みh’との比であるアスペクト比(b’/h’)が1.5以上であるパス数2回目、4回目、8回目の幅圧下パスの幅圧下量Δbについては(1)式を満足している。
図5に、本発明例及び比較例によるパススケジュールにてスラブを中間製品としてのブルームに分塊圧延したときのブルームに形成されるシワ疵個数を示す。ここでいうシワ疵個数とは、漏洩磁束探傷により欠陥深さ0.7mm以上の欠陥もしくは欠陥深さ0.4mm以上かつ欠陥長さ30mm以上の欠陥と判定された疵の1m当たりの個数である。
本発明例によるパススケジュールにてスラブを分塊圧延したときのブルームに形成されるシワ疵個数が、比較例によるパススケジュールにてスラブを分塊圧延したときのブルームに形成されるシワ疵個数よりも少なくなっていることがわかる。本発明例では、前回の厚み圧下パスと所定回の厚み圧下パスとの間に行う当該回の幅圧下パスにおける幅圧下量Δbを十分に大きくとれるため、この当該回の幅圧下パスによる素材の厚みの増厚量も大きくなり、これにより、所定回の厚み圧下パスにおける厚み圧下量を大きくすることができる。このため、当該回の幅圧下パスの際に素材の両面の幅方向中央部において発生したシワ疵S1を、所定回の厚み圧下パスの際に、その厚み圧下により均し延伸し、低減することができる。この結果、本発明例では、比較例に対し、シワ疵個数が44%程度低減することが確認された。これにより、中間製品の手入れ負荷が低減し、処理能率が8.5%向上した。
1 加熱炉
2 分塊圧延機
3 上側孔型ロール
4 下側孔型ロール
5 幅圧下パス用第1孔型
6 幅圧下パス用第2孔型
7 厚み圧下パス用孔型
B ブルーム
S スラブ
S1 シワ疵

Claims (1)

  1. 幅bと厚みhとの比であるアスペクト比(b/h)が2以上のスラブを素材として、前記スラブの幅を減ずる幅圧下パスと前記スラブの厚みを減ずる厚み圧下パスとを交互に繰り返して、前記アスペクト比がほぼ1の矩形断面の中間製品へ分塊圧延するスラブの分塊圧延方法であって、
    所定回の厚み圧下パス後の素材の厚みをh、前記所定回よりも前である前回の厚み圧下パス後の素材の厚みをhとした場合に、前記前回の厚み圧下パスと前記所定回の厚み圧下パスとの間に行う当該回の幅圧下パスにおける幅圧下量Δbを、当該回の幅圧下パスの圧延前の素材の幅b’と厚みhとの比であるアスペクト比(b’/h)が1.5以上であるとき、(1)式に示す関係を満たすように調整することを特徴とするスラブの分塊圧延方法。
    (h−h)+a・Δb≧c・h …(1)
    ここで、a=0.25、c=0.10である。
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