JP5347912B2 - 厚鋼板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、厚鋼板を製造する方法に関するものであって、特に板幅方向へのエッジャ圧延と、板厚方向への水平圧延とを組み合わせて圧延制御を行う厚鋼板の製造方法に関する。
従来において厚鋼板の製造は、概ね次のように行われる。すなわち、加熱炉で所定温度に加熱されたスラブに対して、粗圧延機や仕上圧延機により、必要に応じて複数パスの水平圧延である、成形圧延、幅出し圧延、及び仕上圧延が行われ、この時点で、スラブは所定の板厚を有する厚鋼板(以下、この時点の厚鋼板を「圧延終了厚鋼板」という。)に仕上げられる。さらに当該圧延終了厚鋼板は、その端部の形状不良部分が切断されることにより、最終的な所定の寸法を有する厚鋼板とされる。
ここで、「水平圧延」とは被圧延材を板厚方向に圧下することを目的とした圧延でこれを単に「圧延」と呼ぶことが多い。本明細書では後述する「エッジャ圧延」と区別するために「水平圧延」と記載する。このような水平圧延は通常、水平ロールを有する圧延機でおこなわれる。水平圧延には「成形圧延」、「幅出し圧延」、及び「仕上げ圧延」が含まれ、それぞれ次のような圧延である。
水平圧延のうち「成形圧延」とは、加熱されたスラブを軽く圧下して、後工程である幅出し圧延、仕上げ圧延が適切に行われる形状に整える圧延である。
水平圧延のうち「幅出し圧延」とは、最終製品である厚鋼板の目標幅を確保することができるように、被圧延材を製品の幅方向に延ばす水平圧延を意味し、切断代を含んだ製品幅以上とする圧延である。
水平圧延のうち「仕上圧延」は、被圧延材を製品の長さ方向に延ばし、目標板厚にする水平圧延である。従って、仕上げ圧延は幅出し圧延に対してその圧延方向が90°ずれていることがわかる。
一方、厚鋼板の製造では、形状不良を抑制する目的で、幅出し圧延の前又は途中、及び仕上圧延の前または途中に、エッジャ圧延が行われる。「エッジャ圧延」とは、被圧延材を板幅方向に圧下することを目的とした圧延である。従って、エッジャ圧延は、通常、竪ロールを有する圧延機(以下、「エッジャ圧延機」と記載することがある。)でおこなわれる。なお、エッジャ圧延がおこなわれる位置により、上記した幅出し圧延の前又は途中におこなわれるエッジャ圧延を「幅出しエッジャ圧延」、仕上圧延の前又は途中におけるエッジャ圧延を「仕上エッジャ圧延」と記載して区別する。
このような厚鋼板の製造に関して特許文献1、2のような技術が開示されている。特許文献1には、水平ロールと竪ロールを用いた厚鋼板の圧延において、成形品の先後端部と幅端部の両方の端部面積を最小化し、歩留まりを向上するため、成形品の先後端及び両幅端のクロップ形状を予測し、先後端の面積と両端部の面積との和が最小となるように幅出しエッジャ圧延の圧下量と、仕上げエッジャ圧延の圧下パターンを決定する方法が開示されている。
特許文献2には、竪ロールと水平ロールを配置した厚板圧延設備を用いて、厚板圧延用の高温スラブを厚み圧延して、目標の平面矩形の仕上げサイズにする厚板圧延方法が開示されている。詳しくは、初めにスラブ厚、幅出し比と延ばし長さ比に基づいて、幅出し圧延時のエッジャ圧延のトータル量と仕上げ圧延時のエッジャ圧延のトータル量を算出する。次に圧延する際に、形状調整圧延を省略した水平圧延スケジュールを作成し、その幅出し圧延及び仕上げ圧延の上流パスから、エッジャ圧延反力、幅噛み込み及び鋼板座屈の制限内で、各パス可能な最大のエッジャ圧延量をエッジャ圧延する。そして、該当パスでのエッジャ圧延を当該パスまでの幅出し圧延時の全エッジャ圧延量及び仕上げ圧延時の全エッジャ圧延量が、前記算出したトータル量と等しくなるようにエッジャ圧延し、最小のエッジャ圧延回数を得る方法である。「幅出し比」および「延ばし長さ比」については後で説明する。
特許2964906号公報 特公平5−51361号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている方法では、成形品の歩留まりを向上することが目的であり、圧延能率については考慮されていないという問題がある。また、特許文献2に開示されている方法では、形状調整圧延を省略し、さらには最小のエッジャ圧延回数で平面形状を確保することで、圧延能率を向上できるが、厚鋼板の端面に生じるまくれ込みと呼ばれる欠陥の低減に関する指標が無く、幅端部での疵発生により歩留まりが低下するという問題がある。「まくれ込み」についても後で説明する。
本発明は、厚鋼板の需要状況等に応じて、圧延能率向上と歩留まり向上のいずれを優先するかで圧延パススケジュールを決定する厚鋼板の製造方法を提供する。より詳しくは、圧延能率の向上を優先する場合には、歩留まりの低下による損失が許容される範囲内で圧延能率を向上させ、歩留まり向上を優先する場合には、平面形状やまくれ込み(端面形状)を最適化する厚鋼板の製造方法を提供する。
本発明者らは、エッジャ圧延回数の増減も含め、エッジャ圧延条件を種々変更し、当該条件が成形品の平面形状や端面のまくれ込み形状に与える影響を鋭意検討した。その結果、十分にエッジャ圧延を行えば、歩留まり向上が可能なこと、また歩留まり低下をある程度許容すれば、幅出しエッジャ圧延を省略することが可能となり、圧延能率を向上できることを見いだして本発明を完成させた。以下、本発明について説明する。
請求項1に記載の発明は、エッジャ圧延及び水平圧延を行って所望の寸法の厚鋼板を得る圧延を行う厚鋼板の製造方法であって、設定圧延パススケジュールに対し、エッジャ圧延の回数を削減した変更圧延パススケジュールにて、設定圧延パススケジュールで製造する場合と同寸法の厚鋼板を製造する際に必要なスラブ寸法を計算し、計算後のスラブ寸法のスラブを用意し、変更圧延パススケジュールで圧延を行うことを特徴とする厚鋼板の製造方法を提供することにより前記課題を解決する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の厚鋼板の製造方法において、エッジャ圧延の回数を削減した変更圧延パススケジュールにて、設定圧延パススケジュールで製造する場合と同寸法の厚鋼板を製造する際に必要なスラブ長さL2を計算し、該スラブ長さL2のスラブを用意し、変更圧延パススケジュールで圧延を行うことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の厚鋼板の製造方法において、水平圧延は、鋼板の板幅方向を圧延方向とする幅出し圧延と鋼板の長さ方向を圧延方向とする仕上げ圧延とを含み、エッジャ圧延は、幅出し圧延の前又は途中におこなうエッジャ圧延である幅出しエッジャ圧延と、仕上げ圧延の前又は途中におこなうエッジャ圧延である仕上げエッジャ圧延と、を具備し、変更パススケジュールは、L2が短くなる方の幅出しエッジャ圧延及び仕上げエッジャ圧延のいずれかの回数を削減することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の厚鋼板の製造方法において、設定圧延パススケジュールで圧延を行う際に用いるスラブ長をL1としたとき、L2とL1との差であるΔL=L2−L1が一定値以下の場合にのみ、L1の長さのスラブに代えてL2の長さのスラブを用意することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、エッジャ圧延及び水平圧延を行って所望の寸法の厚鋼板を得る圧延を行う厚鋼板の製造方法であって、設定圧延パススケジュールに対し、エッジャ圧延の回数を増加した変更圧延パススケジュールにて、設定圧延パススケジュールで製造する場合と同寸法の厚鋼板を製造する際に必要なスラブ寸法を計算し、計算後のスラブ寸法のスラブを用意し、変更圧延パススケジュールで圧延を行うことを特徴とする厚鋼板の製造方法を提供することにより前記課題を解決する。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の厚鋼板の製造方法において、エッジャ圧延の回数を増加した変更圧延パススケジュールにて、設定圧延パススケジュールで製造する場合と同寸法の厚鋼板を製造する際に必要なスラブ長さL3を計算し、該スラブ長さL3のスラブを用意し、変更圧延パススケジュールで圧延を行うことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の厚鋼板の製造方法において、水平圧延は、鋼板の板幅方向を圧延方向とする幅出し圧延と鋼板の長さ方向を圧延方向とする仕上げ圧延とを含み、エッジャ圧延は、幅出し圧延の前又は途中におこなうエッジャ圧延である幅出しエッジャ圧延と、仕上げ圧延の前又は途中におこなうエッジャ圧延である仕上げエッジャ圧延と、を具備し、変更パススケジュールは、L3が短くなる方の幅出しエッジャ圧延及び仕上げエッジャ圧延のいずれかの回数を増加することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の厚鋼板の製造方法において、設定圧延パススケジュールで圧延を行う際に用いるスラブ長をL1としたとき、L3とL1との差であるΔL=L3−L1が一定値以下の場合にのみ、L1の長さのスラブに代えてL3の長さのスラブを用意することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、エッジャ圧延及び水平圧延を行って所望の寸法の厚鋼板を得る圧延を行う厚鋼板の製造方法であって、圧延能率向上と歩留まり向上とのうちいずれを優先して圧延するかを選択するに際し、
圧延能率向上を選択した場合には、設定圧延パススケジュールに対し、エッジャ圧延の回数を削減した変更圧延パススケジュールにて、設定圧延パススケジュールで製造する場合と同寸法の厚鋼板を製造する際に必要なスラブ寸法を計算し、計算後のスラブ寸法のスラブを用意し、変更圧延パススケジュールで圧延を行い、
歩留まり向上を選択した場合には、設定圧延パススケジュールに対し、エッジャ圧延の回数を増加した変更圧延パススケジュールにて、設定圧延パススケジュールで製造する場合と同寸法の厚鋼板を製造する際に必要なスラブ寸法を計算し、計算後のスラブ寸法のスラブを用意し、変更圧延パススケジュールで圧延を行う、ことを特徴とする厚鋼板の製造方法を提供することにより前記課題を解決する。
請求項1に記載の発明によれば、圧延能率の向上を目的とした圧延に対して、当初設定されていた圧延パススケジュールに対して圧延能率を向上させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、既存の設備で容易にスラブ寸法を変更することができる。
請求項3に記載の発明によれば、圧延能率を向上させつつも歩留まりの低下を抑制することが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、スラブ設計を変更することなくエッジャ圧延の回数を削減できる。
請求項5に記載の発明によれば、歩留まり向上を目的とした圧延に対して、当初設定されていた圧延パススケジュールに対してさらに歩留まりを向上させることができる。
請求項6に記載の発明によれば、既存の設備で容易にスラブ寸法を変更することができる。
請求項7に記載の発明によれば、さらに歩留まりを向上させることが可能となる。
請求項8に記載の発明によれば、スラブ設計を変更することなくエッジャ圧延の回数を削減できる。
請求項9に記載の発明によれば、厚鋼板の需要状況等に応じて、圧延能率優先又は歩留まり向上優先を切り替えて、それぞれのモードに対して、適正な圧延パススケジュール条件を決定することで、必要に応じた諸元の大幅な向上が可能となる。
厚鋼板の製造過程の流れを説明する図である。 まくれ込みを説明する図である。 水平圧延による平面形状を説明する図である。 水平圧延後のエッジャ−圧延による平面形状を説明する図である。 幅落ち量を説明する図である。 クロップを説明する図である。
本発明の上記した作用および利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
<厚鋼板の製造過程>
本実施形態における厚鋼板の製造は次のようなものである。図1にその流れ(S0)を概略的に示した。
加熱されたスラブは加熱炉から抽出された後(S1)、デスケーリング装置によりその表裏面のスケール等が除去される(S2)。次いで、粗圧延機によりスラブの形状の成形を目的とした成形圧延が行われ(S3)、被圧延材を90°回転し(S4)、エッジャ圧延機による幅出しエッジャ圧延(S5)、及び粗圧延機による幅出し圧延がおこなわれる(S6)。
幅出し圧延を完了した後には、被圧延材を再度90°回転させ(S7)、エッジャ圧延機による仕上げエッジャ圧延がされ(S8)、その後、仕上げ圧延が行われ(S9)、圧延終了厚鋼板とされる。なお、仕上げ圧延を終了した圧延終了厚鋼板は、この後、ホットレベラによる平坦度調整、クロップシャ、サイドシャー及びエンドシャーによる不要部分の切断、及び検査を経て、最終製品である厚鋼板として出荷される。
ここでは製造の流れを説明したが、各工程は、目標とする形状を得ることができるまで、複数回にわたっておこなわれる。かかる製造過程において、その製造の目的に応じて圧延のパススケジュールを決定することにより、目的に応じた適切な圧延を効率良くおこなうことができる。すなわち、圧延の能率向上、及び歩留まり向上のいずれを重視するかで、エッジャ圧延を含めた圧延パススケジュールを決定する。より詳しくは、短時間に多くの生産量を要する場合には、歩留まり低下を多少無視しても圧延能率を上げて生産量を多くした方が好ましく、短時間に多くの生産量を必要としない場合には、圧延能率が悪くても次に製造される厚鋼板への時間的な制約は小さいので、歩留まりを向上した方が好ましい。したがって、生産ラインの状況に応じてパススケジュールを設定することで、より経済性の高い厚鋼板の製造ができる。
<厚鋼板の形状>
具体的なパススケジュール変更について説明する前に、当該パススケジュールに影響を与える厚鋼板の形状について説明する。上記厚鋼板の圧延過程の各工程において、スラブが矩形のまま延ばされて変形されればよいが、実際には各工程で独特の変形を生じる。当該変形は当然好ましいものとはいえず、その変形の程度が歩留まりの高低となって表れる。ここでは、厚鋼板の圧延過程において生じるこのような変形について説明する。
厚鋼板の製造に際し、歩留まり低下の原因となる変形は主に端面形状の変形と、平面形状の変形と、に分けることができる。
端面形状の変形は、「まくれ込み」と称され、圧延終了厚鋼板の端面形状が図2のように凹状(ダブルバルジ形状)となることである。図2にDで示したまくれ込みの凹部深さが大きくなると、圧延終了厚鋼板の板幅方向の両端部を所定距離切断しても、当該凹部の一部が残存してしまい、形状不良品となってしまう。この「まくれ込み」の発生原因は、圧延機噛み込み中に起こる材料変形にて、板厚表層部と板厚中心部の材料流れ(メタルフロー)が異なることに起因する。
当該まくれ込みの低減には仕上げエッジャ圧延を行うことが有効である。
一方、平面形状における変形は、「ツノ」と称される。図3、図4に説明図を示した。ツノは、図4(b)にT、T、…で示したように鋼板の平面視で角部が突出する変形である。ツノは次のように発生する。すなわち、水平圧延において、延ばし長さ比が大きく、その総圧下量が大きいと先後端のタングは大きく成長し(タング成長量)、幅広がり量も大きくなる。図3にタング成長量及び幅広がり量を示した。ここでタングとは、鋼板の先後端部が図3に示すように、板幅方向の中央部が端部より長くなり、凸状の形状になっていることを意味する。また、「幅出し比」、「延ばし長さ比」は、圧延前の幅、又は長さに対する圧延後の幅、又は長さの割合を示し、すなわち、
幅出し比=(圧延後の板幅)/(スラブの幅)
延ばし長さ比=(圧延後の板長さ)/(スラブの長さ)
で表すことができる。
そして、水平圧延で図3のように形成された平面形状に対して、図4(a)に示すようにエッジャ圧延をおこなうと、図4(b)に示したように厚鋼板の角部にツノが形成された形状となる。このようにツノが形成された形状ではいわゆるフィッシュテール状(魚の尾びれ状)となる。そしてこのようなツノが大きく形成されると、圧延終了厚鋼板の両端部の切り落とし体積が大きくなり、製品長さが確保できず、不良品となってしまう。また、このような不良品が発生することを防ぐために、ツノが大きく形成されても製品長さを確保できるようにスラブ体積を大きくすると、歩留まりが悪化してしまう。
このような形状の不具合を改善して歩留まりを向上させるには、これに適した水平圧延、エッジャ圧延をおこなう圧延パススケジュールを構成しておくことが必要である。すなわち、十分なエッジャ圧延を施す等して平面形状を矩形にし、まくれ込みやツノを抑制できれば、歩留まりは向上する。しかしながら、このような圧延パススケジュールは、歩留まりを向上させることができるが、圧延能率の低下を招いてしまう。
一方、エッジャ圧延を省略して圧延時間の短縮による能率向上を図ると、まくれ込みやツノの程度が大きくなることが多く、切断代を大きめにとる必要があり、歩留まりを悪化させる。
上記のような問題に鑑みて、本発明ではその目的に応じて予め設定しておいた圧延パススケジュールに対してこれを変更することにより適切な圧延をおこなうこととした。以下、パススケジュールの変更について説明する。
<能率向上を選択した場合>
短時間に多くの生産量を要する場合には、エッジャ圧延の回数を少なくし、短時間に厚鋼板を生産できることが好ましい。従って、既に計算されて予定されている圧延パススケジュール(設定圧延パススケジュール)に対しエッジャ圧延の回数を削減した変更圧延パススケジュールを計算するとともに、設定圧延パススケジュールで製造する場合と同寸法の厚鋼板を製造する際に必要なスラブ長さL2を計算する。
ここで、特にスラブを連続鋳造機で製造する場合には、鋳型の寸法により、スラブ厚、スラブ幅が決まるので、スラブ寸法としてスラブ長を計算することになる。本実施形態では、スラブ長を変更するという前提で説明するが、スラブ製造時に、スラブ厚やスラブ幅が変更可能であれば、スラブ長ではなく、スラブ厚やスラブ幅を変更してもよい。
変更圧延パススケジュールは、設定圧延パススケジュールに対しエッジャ圧延の回数を削減した圧延パススケジュールである。削減させるエッジャ圧延は幅出しエッジャ圧延と仕上エッジャ圧延のどちらでもよい。幅出しエッジャ圧延の回数を削減した場合と、仕上エッジャ圧延を削減した場合の2つ場合にて、必要なスラブ長L2をそれぞれ計算し、L2が短くなる方のエッジャ圧延の回数を削減することが好ましい。
こうして計算したスラブ長L2を有するスラブを用意し、そのスラブを圧延することにより厚鋼板を製造する。ここで、変更圧延パススケジュールに従って当該スラブを圧延すればよいが、厚鋼板の製造状況、例えば、圧延ロールの摩耗によるロール径分布の変動やロール温度等により、予定した寸法の厚鋼板を得られない場合がある。このため、変更圧延パススケジュールに諸条件を加味して再計算した変更圧延パススケジュールを使用して圧延を行ってもよい。この場合、変更圧延パススケジュールの再計算は圧延直前に行うことになる。
スラブ長L2を計算した後は、設定圧延パススケジュールに必要なスラブ長L1との差であるΔL=L2−L1を計算し、ΔLの大きさに応じて変更圧延パススケジュールで圧延を行うか否かを決定することが好ましい。
ΔLがゼロであれば、スラブ設計を変更することなくエッジャ圧延の回数を削減できる。このようにエッジャ圧延の回数を削減しても、スラブ長L2とスラブ長L1とが同じになるのは、被圧延材が、以下のような変形挙動をする場合である。すなわち、幅出しエッジャ圧延は、主として、成形品先後端のツノを成長させる効果があるが、先後端部のタング成長量(図3参照)が小さい場合や、仕上げエッジャ圧延のみでツノを得ることが下記の2つの条件((1)、(2))を満足する場合に幅出しエッジャ圧延が省略可能である。ただし、幅出し比、延ばし長さ比、仕上エッジャ圧延の圧下量の値は一義的に決まるものではなく、スラブの材質・大きさなど要件が異なれば、これらの値は必然的に異なる。
(1)幅出し比が比較的大きく、延ばし長さ比が比較的小さい圧延条件
(2)仕上げエッジャ圧延にて大幅な圧下が可能な条件
上記(1)の圧延条件での平面形状挙動は以下の通りである。幅出し比が大きいと、幅出し圧延後の平面形状は、先後端の幅拡がり量が大きく、タング成長量も大きい。これを90°回転させて、仕上げ圧延をおこなうため、先後端の幅拡がり部は、成形品の長手方向先後端のツノとなる。仕上げ圧延では、先後端でタングが成長し、成形品の平面形状は、仕上げ圧延前に出ているツノとの重ね合わせになる。ここで、仕上げ圧延での延ばし長さ比が小さいと、仕上げ圧延でのタング成長量(図3参照)が小さいため、成形品にはツノが残存する。これに加えて、仕上げエッジャ圧延をおこなうことで、更にツノが出るため、幅出しエッジャ圧延を省略しても、所望のツノを有した成形品を得ることができる。
また幅落ちに関しては、幅出し圧延時の先後端タング成長が、成形品先後端の幅落ちとなって現れることになるが、仕上げ圧延前又は仕上げ圧延途中での仕上げエッジャ圧延を実施することで、幅変動を抑えることが可能となる。ここで、「幅落ち量」とは、図5に示したように、圧延後の鋼板を上から見たときに、先後端部から少し内側に入った部分の板幅と、板長さ方向中央部の板幅との差を意味する。すなわち、
幅落ち量=先後端部(最も狭い部分)板幅−板長さ方向中央部板幅
である。
このように、幅出し比が大きく、延ばし長さ比が小さい圧延条件では、幅出しエッジャ圧延を省略しても所望の平面形状を得ることができる。
さらに、上記(2)の圧延条件での平面形状挙動は以下の通りである。仕上げエッジャ圧延での幅圧下量を大きくとることができれば、先後端のツノは出やすくなる。また仕上げエッジャ圧延にて幅変動を大幅に抑制することができる。その後の水平圧延にて、先後端付近の幅が拡がり、幅落ちを抑制できる。このため、幅出しエッジャ圧延を省略しても、所望の平面形状を得ることができる。
上記したΔLがゼロでない場合で、該ΔLが一定値以下であれば、スラブ設計を変更してスラブ長L2のスラブを用意し、当該スラブを変更圧延パススケジュールに従って圧延を行うことが好ましい。この場合、ΔL分だけ歩留まりが低下することになるが、エッジャ圧延が省略できるため、能率のよい厚鋼板の製造が可能になる。
一方、ΔLが一定値より大きな値であれば、スラブ設計の変更をすることなくスラブ長L1のままのスラブで設定圧延パススケジュールに従って圧延を行う。ΔLが大きな場合までスラブ設計を変更すると、歩留まりが極めて低下するためである。
ここでいう「一定値」は、どれだけの歩留まり低下を考慮するかに基づく。通常、連続鋳造法で製造されるスラブのスラブ幅w、スラブ厚tは鋳型の寸法によるため一定であることから、この場合、w×t×ΔL(mm3)の歩留まり低下による損失が発生する。一定値は、歩留まり低下による製造コスト悪化よりも、圧延能率向上による増産での利益増が大きくなるように決定すればよく、例えば歩留まり低下による損失が1%まで許容できる状況であれば、一定値は0.01×L1となる。
<歩留まり向上を選択した場合>
短時間に多くの生産をする必要がない場合や、能率よりも歩留まり向上を優先する必要がある場合には、歩留まり向上を目的とした生産をおこなう。したがって、設定圧延パススケジュールに対しエッジャ圧延の回数を増加した変更圧延パススケジュールを計算するとともに、設定圧延パススケジュールで製造する場合と同寸法の厚鋼板を製造する際に必要なスラブ長さL3を計算する。具体的には次の通りである。
変更圧延パススケジュールは、設定圧延パススケジュールに対しエッジャ圧延の回数を増加した圧延パススケジュールである。増加させるエッジャ圧延は幅出しエッジャ圧延と仕上エッジャ圧延のどちらでも良い。幅出しエッジャ圧延の回数を増加させた場合と、仕上エッジャ圧延を増加させた場合の2つケースにて、必要なスラブ長L3をそれぞれ計算し、L3が短くなる方のエッジャ圧延の回数を増加することが好ましい。
こうして計算したスラブ長L3を有するスラブを用意し、そのスラブを圧延することにより厚鋼板を製造する。ここで、圧延は、上記と同様に変更圧延パススケジュールで行えばよい。
スラブ長L3を計算した後は、設定圧延パススケジュールの際に必要とされるスラブ長L1との差ΔL=L3−L1(ΔLは負の値)を計算し、ΔLの大きさに応じて変更圧延パススケジュール又は再変更圧延パススケジュールで圧延を行うか否かを決定することが好ましい。
ΔLが一定値以下であれば、スラブ設計を変更してスラブ長L3のスラブを用意することとし、当該スラブを変更圧延パススケジュールに従って圧延を行うことが好ましい。この場合、エッジャ圧延の回数が増加することになるが、歩留まりを向上させることができる。
以上のように、歩留まり低下を抑制する圧延条件と、圧延能率を向上させる圧延条件とは異なるため、経済状況などに応じて、歩留まり向上優先あるいは圧延能率優先(生産性優先)を柔軟に切り替えて、適正な圧延パススケジュールを導出し、圧延を行うことで、利益を大きく確保することが可能となる。
以下実施例によりさらに詳しく説明する。ただし本発明は当該実施例に限定さえるものではない。
実施例では、エッジャ圧延条件(エッジャ圧延条件を含めた圧延パススケジュール)をシミュレーションした。表1に、スラブの仕様及びそのスラブを用いて製造する厚鋼板の仕様(設定圧延パススケジュールで圧延したときに得られる目標の厚鋼板の仕様)を示す。
Figure 0005347912
各スラブ(A、B、C)に対し、設定圧延パススケジュールのスケジュールを変更し、その変更後の圧延パススケジュール(変更圧延パススケジュール)にて各スラブ(A、B、C)を圧延した場合のまくれ込み量及び幅落ち量を計算した。なお、エッジャ圧延の幅圧下量は、エッジャ圧延機の圧延荷重制約の範囲内で、材料が座屈することなく幅圧下可能な範囲内のものとして、変更圧延パススケジュールを設定した。表2に、各スラブ(A、B、C)について、エッジャ圧延条件、圧延後のまくれ込み量及び幅落ち量の計算値を示す。なお、表2中、「参考例」は、通常行っている圧延パススケジュール(設定圧延パススケジュール)で圧延したときの値、「設定例1」は、エッジャ圧延の回数を削減したときの値、及び「設定例2」は、エッジャ圧延の回数を増加したときの値である。また、「幅落ち量」は、定常部の板幅に対して狭くなる方向を負、広がる方向を正と定義した。「まくれ込み量」は正の値で定義し、上記説明したダブルバルジのみを対象として、端面に1つの凸が形成されるいわゆるシングルバルジ形状の場合には0とした。ここで、幅落ち量は、被圧延材の板幅、幅圧下量、板厚、エッジャー圧延機の竪ロールの径に基づいて算出した。
Figure 0005347912
(スラブAについて)
参考例として示す圧延パススケジュールは幅出しエッジャ圧延と1回の仕上エッジャ圧延からなるものに対し、設定例2として示す圧延パススケジュールは仕上エッジャ圧延を1回増加させたものである。スラブAの設定例2に示すように、仕上エッジャ圧延を2回行うことにより、まくれ込み量及び幅落ち量が小さくなっていることがわかる。このことから、圧延能率を考慮しなければ、より小さなスラブ長のスラブでもスラブAの参考例で示す圧延パススケジュールで製造したときと同じスペック(寸法)の厚鋼板を製造することができる。
実際に同寸法の厚鋼板を製造する場合に必要なスラブ長を再計算したところ、必要なスラブ長L3は2246mmであり(L1は2257mm)、ΔL(=L3−L1)は−11mmとなった。このため、鋳片からスラブ長さ2246mmのスラブを切り出して、変更後の圧延パススケジュールにて圧延を行えば、歩留まり低下の少ない厚鋼板の製造が可能である。ここで、ΔLの計算は次のようにおこなった。
・まくれ込み量の減少量:2.6−0.3=2.3mm
・幅落ち量の減少量:3.4−1.7=1.7mm
・上記を合わせ、圧延後の板幅は、4.0mm(=2.3mm+1.7mm)狭くなっても製品が採取できる。
・ツノ量について:参考例では、−127mmであり、幅方向端部が幅方向センタより短いいわゆるタング形状であるのに対し、設定例2では+116mmであり、幅方向端部が幅方向センタより長い、いわゆるフィッシュテール状である。
・製品を採取できる長さは、幅方向端部長さと幅方向センタ長さの短い方であり、設定例2とすることにより、製品採取可能な長さが127mm×2(先後端で2倍)だけ長くなる。
・このため、製品長さ換算で、127×2×0.4(クロップ代削減比率)だけ短くても製品が採取できる。このときのクロップ代削減比率は、先後端の平面形状の形に応じて、最適な値が求まるが、ここでは簡易的に(余裕を見て)0.4とした。ここで、「クロップ」とは、先後端の形状がタングやフィッシュテールの場合、先後端の一部(図6の斜線部)を切り落として製品厚鋼板を得るが、この切り落とし部分をクロップと言う。また、「クロップ代削減比率」とは次のことを意味する。すなわち、図6(a)に示すように、エッジャ圧延回数を増加させて、タング形状を完全に矩形にできた場合であっても、板幅端部の角が丸くなっているため、切り落とす体積は、タング量×板幅×板厚×α、ただし0<α<1となり、製品長さ換算でタング量よりも短い量しかクロップ代を削減できない。また、実際には、図6(b)に示すように、完全に矩形ではなく、フィッシュテール形状となるため、ツノ量として切り落とされる体積の分は、クロップ代を付与しておく必要があり、タング量の先後端の和に対して、ある一定比率、例えば40%程度しか、クロップ代は削減できない。この比率のことをクロップ代削減比率と呼ぶ。
・そして上記を合わせて、4.0/2549(仕上幅)+(127×2×0.4)/27995(仕上長)=0.52%だけスラブサイズを小さくできる。すなわち、ΔL=0.52%×2257=11mm狭くできる。
(スラブBについて)
参考例として示す圧延パススケジュールは幅出しエッジャ圧延と2回の仕上エッジャ圧延からなるものに対し、設定例1として示す圧延パススケジュールは幅出しエッジャ圧延及び1回の仕上エッジャ圧延を削除したものである。スラブBの設定例1に示すように、幅出しエッジャ圧延と仕上エッジャ圧延を省略することにより、まくれ込み量及び幅落ち量は大きくなっている。まくれ込み量および幅落ち量が大きい分、設定例1では、厚鋼板の幅方向における切断量が多くなり歩留まりが低下するだけでなく、厚鋼板の長さ方向の長さが不足し、スラブBの参考例で示す圧延パススケジュールで製造したときと同じスペック(寸法)の厚鋼板を製造できなくなる。実際に同寸法の厚鋼板を製造する場合に必要なスラブ長を再計算したところ、必要なスラブ長L2は2959mmであり(L1は2951mm)、ΔL(=L2−L1)は8mmとなった。実機の操業では、例えば、ΔLが14(=歩留まり低下による損失0.5%)mm以下となった場合、圧延能率を優先させる判断を行い、スラブ長を長くするようにスラブ設計を変更する。すなわち、鋳片からスラブ長さ2959mmのスラブを切り出して、変更後の圧延パススケジュールにて圧延を行えば、圧延能率よく厚鋼板の製造が可能である。
(スラブCについて)
参考例として示す圧延パススケジュールは幅出しエッジャ圧延と2回の仕上エッジャ圧延からなるものに対し、幅出しエッジャ圧延と1回の仕上エッジャ圧延を削除(設定例1(1))、及び幅出しエッジャ圧延のみを削除(設定例1(2))したものである。
ここで、設定例1(1)ではまくれ込み量が大きくなっている。まくれ込み量が大きい分、両設定例では厚鋼板の幅方向における切断量が多くなり歩留まりが低下するだけでなく、厚鋼板の長さ方向の長さが不足し、スラブCの参考例で示す圧延パススケジュールで製造したときと同じスペック(寸法)の厚鋼板を製造できなくなる。実際に同寸法の厚鋼板を製造する場合に必要なスラブ長を再計算したところ、仕上エッジャ圧延1回のみとする場合の必要なスラブ長L2は2963mmであり(L1は2951mm)、ΔL(=L2−L1)は12mmとなった。このため、鋳片からスラブ長さ2963mmのスラブを切り出して、変更後の圧延パススケジュールにて圧延を行えば、圧延能率よく厚鋼板の製造が可能である。
一方、設定例1(2)では幅落ち量が1.7mm大きくなるが、まくれ込み量が2.5mm小さくなるため、総合すると−1.7+2.5=0.8mmだけ圧延後の板幅を狭くできる。ただし実際には1mm以下は切り捨てるため、圧延後の板幅は変更しない。またツノ量は、参考例、設定例1(2)ともに正値であり、製品採取可能な長さは変わらないため、圧延後の板長も変更しなくて良い。このため、スラブ設計は変更せずに、当初予定通りのスラブを切り出して、変更後の圧延パススケジュールにて圧延を行えば、圧延能率よく厚鋼板の製造が可能である。
以上、現時点において実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更をともなう、厚鋼板の製造方法も本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。

Claims (9)

  1. エッジャ圧延及び水平圧延を行って所望の寸法の厚鋼板を得る圧延を行う厚鋼板の製造方法であって、
    設定圧延パススケジュールに対し、エッジャ圧延の回数を削減した変更圧延パススケジュールにて、前記設定圧延パススケジュールで製造する場合と同寸法の厚鋼板を製造する際に必要なスラブ寸法を計算し、
    前記計算後のスラブ寸法のスラブを用意し、
    前記変更圧延パススケジュールで圧延を行うことを特徴とする厚鋼板の製造方法。
  2. エッジャ圧延の回数を削減した前記変更圧延パススケジュールにて、前記設定圧延パススケジュールで製造する場合と同寸法の厚鋼板を製造する際に必要なスラブ長さL2を計算し、該スラブ長さL2のスラブを用意し、前記変更圧延パススケジュールで圧延を行うことを特徴とする請求項1に記載の厚鋼板の製造方法。
  3. 前記水平圧延は、鋼板の板幅方向を圧延方向とする幅出し圧延と前記鋼板の長さ方向を圧延方向とする仕上げ圧延とを含み、
    前記エッジャ圧延は、前記幅出し圧延の前又は途中におこなうエッジャ圧延である幅出しエッジャ圧延と、前記仕上げ圧延の前又は途中におこなうエッジャ圧延である仕上げエッジャ圧延と、を具備し、
    前記変更パススケジュールは、前記L2が短くなる方の幅出しエッジャ圧延及び仕上げエッジャ圧延のいずれかの回数を削減することを特徴とする請求項2に記載の厚鋼板の製造方法。
  4. 前記設定圧延パススケジュールで圧延を行う際に用いるスラブ長をL1としたとき、前記L2と前記L1との差であるΔL=L2−L1が一定値以下の場合にのみ、前記L1の長さのスラブに代えて前記L2の長さのスラブを用意することを特徴とする請求項2又は3に記載の厚鋼板の製造方法。
  5. エッジャ圧延及び水平圧延を行って所望の寸法の厚鋼板を得る圧延を行う厚鋼板の製造方法であって、
    設定圧延パススケジュールに対し、エッジャ圧延の回数を増加した変更圧延パススケジュールにて、前記設定圧延パススケジュールで製造する場合と同寸法の厚鋼板を製造する際に必要なスラブ寸法を計算し、
    前記計算後のスラブ寸法のスラブを用意し、
    前記変更圧延パススケジュールで圧延を行うことを特徴とする厚鋼板の製造方法。
  6. エッジャ圧延の回数を増加した前記変更圧延パススケジュールにて、前記設定圧延パススケジュールで製造する場合と同寸法の厚鋼板を製造する際に必要なスラブ長さL3を計算し、該スラブ長さL3のスラブを用意し、前記変更圧延パススケジュールで圧延を行うことを特徴とする請求項5に記載の厚鋼板の製造方法。
  7. 前記水平圧延は、鋼板の板幅方向を圧延方向とする幅出し圧延と前記鋼板の長さ方向を圧延方向とする仕上げ圧延とを含み、
    前記エッジャ圧延は、前記幅出し圧延の前又は途中におこなうエッジャ圧延である幅出しエッジャ圧延と、前記仕上げ圧延の前又は途中におこなうエッジャ圧延である仕上げエッジャ圧延と、を具備し、
    前記変更パススケジュールは、前記L3が短くなる方の幅出しエッジャ圧延及び仕上げエッジャ圧延のいずれかの回数を増加することを特徴とする請求項6に記載の厚鋼板の製造方法。
  8. 前記設定圧延パススケジュールで圧延を行う際に用いるスラブ長をL1としたとき、前記L3と前記L1との差であるΔL=L3−L1が一定値以下の場合にのみ、前記L1の長さのスラブに代えて前記L3の長さのスラブを用意することを特徴とする請求項6又は7に記載の厚鋼板の製造方法。
  9. エッジャ圧延及び水平圧延を行って所望の寸法の厚鋼板を得る圧延を行う厚鋼板の製造方法であって、
    圧延能率向上と歩留まり向上とのうちいずれを優先して圧延するかを選択するに際し、
    前記圧延能率向上を選択した場合には、設定圧延パススケジュールに対し、エッジャ圧延の回数を削減した変更圧延パススケジュールにて、前記設定圧延パススケジュールで製造する場合と同寸法の厚鋼板を製造する際に必要なスラブ寸法を計算し、前記計算後のスラブ寸法のスラブを用意し、前記変更圧延パススケジュールで圧延を行い、
    前記歩留まり向上を選択した場合には、設定圧延パススケジュールに対し、エッジャ圧延の回数を増加した変更圧延パススケジュールにて、前記設定圧延パススケジュールで製造する場合と同寸法の厚鋼板を製造する際に必要なスラブ寸法を計算し、前記計算後のスラブ寸法のスラブを用意し、前記変更圧延パススケジュールで圧延を行う、
    ことを特徴とする厚鋼板の製造方法。
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