JP4935697B2 - 厚鋼板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、厚鋼板を製造する方法に関し、特に、竪ロールを有する圧延機(以下において「エッジャ圧延機」という。)を用いた板幅方向へのエッジング圧延(以下において「エッジャ圧延」ということがある。)と、水平ロールを有する圧延機(以下において「水平圧延機」又は「圧延機」ということがある。)を用いた板厚方向への水平圧延(以下において単に「圧延」ということがある。)とを組み合わせて、平面形状を制御する厚鋼板の製造方法に関する。
厚鋼板は、加熱炉で所定温度に加熱されたスラブに対して、粗圧延機及び/又は仕上圧延機を用いた複数パスの成形圧延を行った後に、幅出圧延や仕上圧延を行うことにより、所定の板厚へと仕上げられる(以下、この時点の厚鋼板を「圧延終了厚鋼板」という。)。かかる工程を経て製造される圧延終了厚鋼板は、圧延条件等の影響により、様々な平面形状(例えば、太鼓形や鼓形等)になる。そして、圧延終了厚鋼板の端部の形状不良部分を切断することにより、所定の寸法を有する厚鋼板とされる。
厚鋼板の製造時には、幅出圧延の途中、幅出圧延を経た被圧延材を90°転回した後の仕上圧延前、及び/又は、仕上圧延の途中に、エッジャ圧延機を用いたエッジャ圧延が行われることがある。このエッジャ圧延は、端部の形状不良部分を低減する等の目的で行われ、エッジャ圧延を通じて厚鋼板の平面形状を制御することにより、歩留りを向上させることが可能になる。
厚鋼板の平面形状の制御等を目的とした技術は、これまでにいくつか開示されてきている。例えば、特許文献1には、エッジャによるエッジングを1往復パス以上にわたって連続的に行い、その後、水平圧延を行う厚鋼板の圧延方法であって、必要なエッジング量、エッジング時における鋼板の寸法およびエッジング後の1パス目の水平圧延条件に基づいて、水平圧延後の厚鋼板のフィッシュテール長さが、圧延方向の先後端および両側で同一となるように、必要なエッジング量を各パスに配分することを特徴とする厚鋼板の圧延方法が開示されている。また、特許文献2には、厚鋼板の裏面に発生するヘゲ疵の位置をコントロールして、ヘゲ疵がクロップ切断後の厚鋼板に入り込むのを防止し、精整工程での作業負荷の低減と歩留り向上を図る厚板ヘゲ疵防止圧延方法に関する技術が開示されている。
特開平9−47803号公報 特開平9−38701号公報
特許文献1に開示されている技術によれば、フィッシュテールの長さを先後端で略同一とすることができるため、平面形状をより矩形に近づけることができる。それゆえ、製品化の際の切り捨てロスを低減することができ、大変有効な方法であると考えられる。しかし、特許文献1に開示されている技術を用いても、製造条件によっては、スラブの長手方向定常部の幅よりも長手方向先後端の幅が狭くなる、いわゆる「幅落ち」(以下において「幅落ち量」ということがある。)の先後端差が大きくなる虞がある(図9参照)。幅落ちの先後端差が大きくなると、製品幅を確保できずに格落ちになるほか、格落ちを防ぐ目的でスラブ設計時に余幅を大きく付与すると、歩留りが悪化しやすい。それゆえ、特許文献1に開示されている技術では、格落ちを防止しつつ歩留りを向上させることが困難であるという問題があった。
一方、特許文献2に開示されている技術によれば、厚鋼板の先後端コーナー近傍に発生する「ヘゲ疵」を切り捨て部分に逃がすことができ、クロップ切断後の製品に疵が存在する事態を回避できる、としている。しかし、圧延条件によっては、クロップ差を100mm以上確保しなくても疵の発生を抑制可能であるため、特許文献2に開示されている技術では、生産性の低下や歩留りの悪化等の悪影響を招きやすいという問題があった。逆にクロップ差が100mmでは疵の発生を回避することが困難な条件もあることが分かった。
そこで、本発明は、製品内に入り込む疵の発生を抑制しつつ歩留りを向上させることが可能な厚鋼板の製造方法を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするため、添付図面の参照符号を括弧書きにて適宜付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
第1の本発明は、幅出圧延、往復パスによるエッジング圧延、及び、仕上圧延を経て厚鋼板を製造する、厚鋼板の製造方法であって、仕上圧延の終了時における厚鋼板の長さをA、スラブの長さをB、とするとき、X=A/Bにより特定される伸ばし長さ比を用いて最低フィッシュテール成長量を算出する、成長量算出工程と、仕上圧延の終了時における厚鋼板のフィッシュテール成長量を上記最低フィッシュテール成長量以上にする、エッジング圧延における総幅圧下量、を算出する、総幅圧下量算出工程と、仕上圧延の終了時における厚鋼板の長手方向先端の幅落ち量と、仕上圧延の終了時における厚鋼板の長手方向後端の幅落ち量とが、略同一となるように、算出された上記総幅圧下量を、エッジング圧延における往パスの幅圧下量と、エッジング圧延における復パスの幅圧下量とに配分して、往パスの幅圧下量と復パスの幅圧下量とを特定する、幅圧下量特定工程と、上記往パスの幅圧下量、及び、上記復パスの幅圧下量の下でエッジング圧延を行う、エッジング圧延工程と、を備えることを特徴とする、厚鋼板の製造方法である。
ここに、第1の本発明、及び、以下に示す本発明(以下、これらをまとめて単に「本発明」ということがある。)において、「成長量算出工程」とは、圧延終了時(切断前)の厚鋼板の長さをA、スラブの長さをB、とするとき、X=A/Bにより特定される伸ばし長さ比Xを用いて、厚鋼板が有するべき最低フィッシュテール成長量を算出する工程、を意味する。さらに、第1の本発明において、「総幅圧下量算出工程」とは、仕上圧延終了時における厚鋼板のフィッシュテール成長量をC、成長量算出工程で算出された最低フィッシュテール成長量をY、とするとき、C≧Yとなるような、エッジング圧延における総幅圧下量、を算出する工程、を意味する。さらに、本発明において、「総幅圧下量」とは、往復パスによるエッジング圧延における幅圧下量の総和を意味する。さらに、第1の本発明において、「幅圧下量特定工程」とは、算出された総幅圧下量をD、エッジング圧延における往パスの幅圧下量をD1、エッジング圧延における復パスの幅圧下量をD2とするとき、仕上圧延の終了時における厚鋼板の長手方向先後端の幅落ち量が略同一となるように、且つ、D=D1+D2、0≦D1≦D、及び、0≦D2≦Dとなるように、DをD1及びD2へ配分して、D1及びD2を特定する工程、を意味する。なお、本発明において、「往パス」とは、一方から他方へと向かうエッジング圧延のパスを意味し、「復パス」とは、他方から一方へと戻るエッジング圧延のパスを意味する。
第2の本発明は、幅出圧延、複数回の往復パスによるエッジング圧延、及び、仕上圧延を経て厚鋼板を製造する、厚鋼板の製造方法であって、仕上圧延の終了時における厚鋼板の長さをA、スラブの長さをB、とするとき、X=A/Bにより特定される伸ばし長さ比を用いて最低フィッシュテール成長量を算出する、成長量算出工程と、仕上圧延の終了時における厚鋼板のフィッシュテール成長量を上記最低フィッシュテール成長量以上にする、エッジング圧延における全総幅圧下量、を算出する、全総幅圧下量算出工程と、複数回の往復パス各々における、総幅圧下量を決定する、総幅圧下量決定工程と、各々の往復パスの終了時における厚鋼板の長手方向先端の幅落ち量と、各々の往復パスの終了時における厚鋼板の長手方向後端の幅落ち量とが、略同一となるように、上記総幅圧下量を、各々の往復パスにおける往パスの幅圧下量と、各々の往復パスにおける復パスの幅圧下量とに配分して、往パスの幅圧下量と復パスの幅圧下量とを特定する、幅圧下量特定工程と、当該往パスの幅圧下量、及び、当該復パスの幅圧下量の下で前記エッジング圧延を行う、エッジング圧延工程と、を備えることを特徴とする、厚鋼板の製造方法である。
ここに、第2の本発明において、「全総幅圧下量算出工程」とは、仕上圧延終了時における厚鋼板のフィッシュテール成長量をE、成長量算出工程で算出された最低フィッシュテール成長量をY、とするとき、E≧Yとなるような、エッジング圧延における全総幅圧下量、を算出する工程、を意味する。さらに、第2の本発明において、「全総幅圧下量」とは、複数回の往復パスによるエッジング圧延における幅圧下量の総和を意味する。さらに、第2の本発明において、「幅圧下量特定工程」とは、決定された各回の往復パスによるエッジング圧延の総幅圧下量をGn(nは自然数。以下同じ。)、各々の往復パスによるエッジング圧延における往パスの幅圧下量をIn、各々の往復パスによるエッジング圧延における復パスの幅圧下量をJnとするとき、各回の往復パスによるエッジング圧延の終了時(往復パスによるエッジング圧延がn回備えられる場合には、n回目の往復パスによるエッジング圧延が終了した時。以下同じ。)における厚鋼板の長手方向先後端の幅落ち量が略同一となるように、且つ、Gn=In+Jn、0≦In≦Gn、0≦Jn≦Gn(G、I、Jの添え字nは同一。以下同じ。)、となるように、GnをIn及びJnへ配分して、各々の往復パスによるエッジング圧延の幅圧下量In及びJnを特定する工程、を意味する。
第1の本発明によれば、一定量以上のフィッシュテール成長量を確保し、かつ、厚鋼板の長手方向先後端における幅落ち量が略同一となるように制御しながら行うエッジング圧延工程が備えられるので、製品内に入り込む疵の発生を抑制しつつ歩留りを向上させることが可能な、厚鋼板の製造方法を提供することができる。
第2の本発明によれば、複数回の往復パスによるエッジング圧延が備えられる場合であっても、一定量以上のフィッシュテール成長量を確保し、かつ、厚鋼板の長手方向先後端における幅落ち量が略同一となるように制御しながら行うエッジング圧延工程が備えられるので、製品内に入り込む疵の発生を抑制しつつ歩留りを向上させることが可能な、厚鋼板の製造方法を提供することができる。
本発明者らは、鋭意検討の結果、圧延条件によっては、100mm以上のクロップ差を確保しなくても疵の発生を抑制可能であることを知見した。さらに、疵を抑制しつつ歩留りを向上させるためには、図1に示すような一定量のフィッシュテール形状を得た上で、幅落ちを極力小さくすることが重要であることを知見した。加えて、伸ばし長さ比及びフィッシュテール成長量と、疵の発生との関係を調査したところ、伸ばし長さ比が大きい条件ほど疵の発生位置が先端から離れるため、フィッシュテール成長量(図1参照)を一定値以上確保することで、製品内の疵の発生を防止することが可能であることを知見した(図2参照)。以上より、伸ばし長さ比の値に応じて、一定値以上のフィッシュテール成長量を確保することによって、疵の抑制及び歩留りの向上が可能になることを知見して、本発明を完成させた。
本発明者らは、適切なクロップ形状を確保しつつ、幅落ちを最小限にするエッジャ条件を検討するため、先後端の非対称性を考慮可能な厚鋼板の平面形状予測モデルを新たに作成した。従来から、厚鋼板の平面形状を予測するモデルは数多く報告されており、特にエッジャ圧延機が水平圧延機から離れているデタッチドエッジャを有する厚板圧延機によって、往復パスにてエッジャ圧延を行う場合の平面形状の予測方法に関しては、往復パスにおける往パス及び復パスのエッジャ圧延を区別しないで予測する方法が主流であった。しかし、このような方法で厚鋼板の平面形状を予測すると、厚鋼板の先端及び後端の平面形状を高精度に予測することが困難であり、特に、幅落ち量の変化量(以下「幅落ち変化量」ということがある。)を先後端独立に精度良く予測することが困難であった。そこで、本発明者らは、新たに熱間の圧延実験を実施することにより、厚鋼板の先端及び後端の平面形状を高精度に予測することが可能であり、特に、幅落ち変化量を先後端独立に精度良く予測することが可能な、厚鋼板の平面形状予測モデルを構築した。構築したモデルの要点を、以下に示す。
1−a.往パスのエッジャ圧延での幅落ち変化量を先後端独立に計算する。加えて、往パスのエッジャ圧延後におけるクロップ形状の成長量(以下において「クロップ形状の成長量」を「クロップ成長量」ということがある。)を先後端独立に計算する。
1−b.復パスのエッジャ圧延での幅落ち変化量を先後端独立に計算するとともに、復パスのエッジャ圧延後におけるクロップ成長量を先後端独立に計算し、計算した幅落ち変化量及びクロップ成長量を上記1−a.の結果に線形加算する。
2.エッジャ圧延で発生した幅端部近傍の盛上り部(以下において「ドッグボーン部」という。)のみを圧延する仮想圧延による幅落ち変化量を計算するとともに、当該仮想圧延後のクロップ量をx、当該仮想圧延前に行うエッジャ圧延後のクロップ量をyとするときにx−yで表されるクロップ成長量を計算し、上記1−b.の結果に線形加算する。
3.水平圧延での幅落ち変化量とクロップ成長量を計算し、上記2.の結果に線形加算する。
以下、構築したモデル(エッジャ圧延後に水平圧延を行った場合の平面形状を予測するモデル)の詳細について説明する。
1.要点1−a及び要点1−b
エッジャ圧延での幅落ち変化量ΔWEは、下記式1及び式2で計算することができる。
先端側:ΔWE=f1(W、ΔV、H、RE、ΔW0) (式1)
後端側:ΔWE=f2(ΔV、ΔW0) (式2)
ここで、Wは板幅、ΔVは幅圧下量(板幅方向への圧下量)、Hは板厚、REはエッジャ圧延機のロール径、ΔW0は初期幅落ち変化量、f1及びf2は関数である。
エッジャ圧延後のクロップ成長量ΔLEは、下記式3及び式4で計算することができる。
先端側:ΔLE=f3(ΔWE) (式3)
後端側:ΔLE=f4(ΔV) (式4)
ここで、f3及びf4は関数である。
また、2パス目以降(エッジング圧延が1回の往復パスによるものである場合には復パス、エッジング圧延が連続複数回の往復パスによるものである場合には1回目の往復パスの復パス以降のパス。以下同じ。)のエッジャ圧延時には、各パスのエッジャ圧延後の幅落ち変化量及びクロップ成長量から得られた平面形状を線形加算して、エッジャ圧延終了後の幅落ち量及びクロップ量を求める。なお、2パス目以降の幅落ち変化量の計算においては、前パスまでの計算で得られた幅落ち形状を初期形状(ΔW0)として計算する。
続いて、エッジャ圧延後の幅落ちプロフィルの変化量ΔWE(xL)は、下記式5で計算することができる。
ΔWE(xL)=f5(ΔWE、xL、RE) (式5)
ここで、xLは材料先端からの距離、f5は関数である。
また、エッジャ圧延後のクロッププロフィルの変化量ΔLE(xW)は、下記式6で計算することができる。
ΔLE(xW)=f6(ΔLE、xW、H、ΔV) (式6)
ここで、xWは板幅中心からの距離、f6は関数である。
2.要点2
エッジャ圧延後の平面形状変化は、エッジャ圧延で発生したドッグボーン部だけを圧延(以下において「HD圧延」ということがある。)した場合の平面形状変化(要点2)と、ドッグボーン部がない状態の鋼板を圧延した場合の平面形状変化(要点3)とを加算して計算する。
HD圧延で発生する幅落ち変化量ΔWDは、下記式7で計算することができる。
ΔWD=f7(CME、ΔV、ΔW0) (式7)
ここで、f7は、エッジャ圧延の方向及びHD圧延の方向を考慮して決定される関数である。また、CMEは、HD圧延での盛上り幅広がり係数であり、下記式8で計算することができる。
CME=f8(W、H、ΔV、RE、ΔW0) (式8)
ここで、f8は関数である。
HD圧延でのクロップ成長量ΔLDは、HD圧延での上記幅落ち変化量ΔWDを用いて、下記式9で計算することができる。
ΔLD=f9(ΔWD) (式9)
ここで、f9は関数である。
また、HD圧延での幅落ちプロフィル変化量ΔWD(xL)は、下記式10で計算することができ、HD圧延でのクロッププロフィル変化量ΔLD(xW)は、下記式11で計算することができる。
ΔWD(xL)=f10(ΔWD、xL、RE) (式10)
ΔLD(xW)=f11(ΔLD、xW、H、ΔV) (式11)
ここで、f10及びf11は関数である。
3.要点3
ドッグボーン部がない状態の被圧延材(鋼板)を水平圧延した場合における、平面形状変化量の予測式について、以下に説明する。
水平圧延時の被圧延材の先後端近傍の幅端部は、エッジャ圧延と異なり、板幅中心から外側へ向けて張り出す形態の変形が発生する。この外側へ向けて張り出す量ΔWRは、下記式12で計算することができる。
ΔWR=f12(R、ΔH、H) (式12)
ここで、Rは水平圧延機のロール径、ΔHは圧下量(板厚方向への圧下量)、f12は関数である。
一方、水平圧延では、幅方向中央部が前方へ張り出す形態の変形が生じ、クロップ形状は当該変形に対応した形状となる。上記前方へ張り出す形態の変形における、前方への張り出し量ΔLRは、下記式13で計算することができる。
ΔLR=f13(R、ΔH、H) (式13)
ここで、f13は関数である。
また、水平圧延における幅落ちプロフィル変化量ΔWR(xL)は、下記式14で計算することができ、水平圧延におけるクロッププロフィル変化量ΔLR(xW)は、下記式15で計算することができる。
ΔWR(xL)=f14(ΔWR、xL、R) (式14)
ΔLR(xW)=f15(ΔLR、xW) (式15)
ここで、f14及びf15は関数である。
水平圧延を行うと、被圧延材は長手方向へ延伸するため、その前パスまでに発生したクロップ形状も変化する。本モデルでは、前パスまでに成長したクロップ形状は圧下した分だけ成長すると仮定し、nパス後のクロップ成長量ΔL(xW)を下記式16で計算する。
ΔL(xW)=ΔLR(xW)+Ln−1(xW)×H/Hn−1 (式16)
ここで、ΔLR(xW)は、nパスの水平圧延で発生するクロッププロフィル変化量、Ln−1(xW)は、n−1パス完了後のクロッププロフィル、Hはnパスの水平圧延後の板厚、Hn−1はn−1パスの水平圧延後の板厚である。
以上説明したモデルを用いることで、エッジャ圧延を含む厚板圧延プロセスの全工程を対象とした厚鋼板の平面形状を、先後端独立に計算した結果に基づいて予測することができる。
次に、構築した上記モデルを用いてエッジャ圧延の条件とフィッシュテール成長量及び幅落ち変化量との関係を調査した結果について説明しつつ、本発明の実施形態について説明する。
図3及び図4は、幅出圧延中に行うエッジャ圧延(以下において「幅出エッジング」ということがある。)の往パスにおける幅圧下量を20mm、復パスにおける幅圧下量を20mmに固定して、幅出圧延完了後のターン直後に往パス及び復パスの幅圧下量が等しい条件下で幅出圧延完了後のエッジャ圧延(以下において「仕上エッジング」ということがある。)を行った場合における、仕上エッジングの総幅圧下量と幅落ち量との関係(図3)、及び、仕上エッジングの総幅圧下量とフィッシュテール成長量との関係(図4)の結果を示している。図3以降の図において、「Top」とは先端側の結果であることを意味し、「Bot」とは後端側の結果であることを意味する。また、表1に、幅圧下量以外のエッジャ圧延条件を示す。
Figure 0004935697
表1及び以下に示す表において、「ターン」は、厚鋼板を90°転回したことを意味し、「→」は、その後に表の右欄に記載の板厚まで圧延する工程を意味する。すなわち、表1は、板厚250mmのスラブに対して、幅出圧延及び仕上圧延を施す際の条件を示している。表1に記載の幅出圧延は、板厚250mmのスラブを90°転回した後、板厚が170mmとなるまで圧延を行い、次いで、幅出エッジングを行い、その後、板厚が150mmとなるまで圧延を行うことをその内容とし、表1に記載の仕上圧延は、上記工程による幅出圧延終了後の被圧延材を90°転回した後、仕上エッジングを行い、その後、板厚が130mmとなるまで圧延を行うことをその内容とする。
図3及び図4を見ると、往パス及び復パスの幅圧下量の和、すなわち、総幅圧下量の増加に伴って、幅落ち量が増加し、フィッシュテール成長量は単調に増加している。また、当該結果から、往パス及び復パスの幅圧下量が等しい条件下でエッジャ圧延を行うと、幅落ち量及びフィッシュテール成長量が先後端で非対称になることも分かる(図3及び図4中、Top、Botがそれぞれ先端、後端を意味する。)。
そこで、仕上エッジングの総幅圧下量を40mmに固定して、往パス及び復パスの幅圧下量の配分を変更したシミュレーションを行った。この結果を図5及び図6に示す。図5及び図6は、幅出エッジングの往パスにおける幅圧下量を20mm、復パスにおける幅圧下量を20mmに固定して、仕上エッジングの総幅圧下量を40mmに固定して、往パス及び復パスの幅圧下量の配分を種々変更した条件下で仕上エッジングを行った場合における、往パスの幅圧下量/総幅圧下量(以下において「往き幅圧下配分比」という。)と幅落ち量との関係(図5)、及び、往き幅圧下配分比とフィッシュテール成長量との関係(図6)の結果を示している。
図5より、幅落ち量の先後端差は、往き幅圧下配分比によって大きく変動し、図5によれば、往き幅圧下配分比が0.4弱の時に、先後端の幅落ち量が等しくなることが分かる。一方、図6より、フィッシュテール成長量も、幅落ち量と同様に、往き幅圧下配分比によって変動した。ただし、フィッシュテール成長量の小さい先端側では、往き幅圧下配分比が変わっても大きく変化することがなく、フィッシュテール成長量が大きい後端側では、往き幅圧下配分比が増大するにつれてフィッシュテール成長量が増加した。上述のように、製品内に入り込む疵を防止するには、先後端ともに所定量以上のフィッシュテール成長量を確保する必要がある。その点、フィッシュテール成長量の小さい先端側が問題になり得るが、図6より、先端側のフィッシュテール成長量は往き幅圧下配分比の影響をほとんど受けない。そのため、往き幅圧下配分比は、先後端側の幅落ち量の差を最小にするように決定すればよいと考えられる。
本発明の実施形態に関する上記説明では、主に、仕上エッジングの条件について言及してきたが、幅落ち量をより小さくするためには、幅出圧延中に行われる幅出エッジングの影響も考慮しておくとなお好ましい。
以上のシミュレーション結果に基づき、厚鋼板製品に侵入する疵を効果的に防止し、歩留りも向上させるための、最適なエッジャ条件の決定方法を具体化した。以下、本発明について、さらに具体的に説明する。
1.厚鋼板の製造方法
1.1.第1実施形態
図7は、第1実施形態にかかる本発明の厚鋼板の製造方法(以下において「第1の製造方法」ということがある。)に備えられる工程を示すフローチャートである。図7に示すように、第1の製造方法は、成長量算出工程(工程S11)と、総幅圧下量算出工程(工程S12)と、幅圧下量特定工程(工程S13)と、エッジング圧延工程(工程S14)と、を備え、工程S11乃至工程S14を経て、厚鋼板が製造される。
<工程S11>
工程S11は、圧延終了時(切断前)の厚鋼板の長さをA、スラブの長さをBとするとき、X=A/Bにより特定される伸ばし長さ比Xを用いて、厚鋼板が有するべき最低フィッシュテール成長量を算出する工程である。工程S11で算出される最低フィッシュテール成長量Yは、例えば、下記式17により、求めることができる。
Y=40×X0.4 (式17)
<工程S12>
工程S12は、仕上圧延終了時における厚鋼板のフィッシュテール成長量をC、成長量算出工程で算出された最低フィッシュテール成長量をY、とするとき、C≧Yとなるような、エッジング圧延における総幅圧下量、を算出する工程である。工程S12は、例えば、往復パスの幅圧下量が等しい設定で、式1〜式16に圧延条件を代入して平面形状を算出し、必要なフィッシュテール成長量が得られるエッジング圧延における総幅圧下量を算出する工程とすることができる。なお、ここで言うエッジング圧延における総幅圧下量は、仕上エッジングにおける総幅圧下量を意味する。
<工程S13>
工程S13は、上記工程S12で算出された総幅圧下量をD、エッジング圧延における往パスの幅圧下量をD1、エッジング圧延における復パスの幅圧下量をD2とするとき、仕上圧延の終了時における厚鋼板の長手方向先後端の幅落ち量が略同一となるように、且つ、D=D1+D2、0≦D1≦D、及び、0≦D2≦Dとなるように、DをD1及びD2へ配分して、D1及びD2を特定する工程である。工程S13は、例えば、式1〜式16に圧延条件を代入して、図5に示すような往き幅圧下配分比と幅落ち量の関係図を作成し、厚鋼板の長手方向先端における幅落ち量が厚鋼板の長手方向後端における幅落ち量と略同一となる往き幅圧下配分比を特定し、当該往き幅圧下配分比に基づいて、DをD1及びD2へ配分することにより、D1及びD2を特定する工程とすることができる。なお、D1=0あるいはD2=0となった場合は、往きあるいは復りの仕上エッジングを省略する。
<工程S14>
工程S14は、上記工程S13で特定された、往パスの幅圧下量D1及び復パスの幅圧下量D2の条件下で、エッジング圧延を行う工程である。
このように、工程S11乃至工程S14を経て厚鋼板を製造する第1の製造方法によれば、工程S11で最低フィッシュテール成長量Yが特定され、特定された最低フィッシュテール成長量Yを用いて特定された、往パスの幅圧下量をD1、復パスの幅圧下量をD2とする条件下でエッジング圧延が行われるので、疵の発生を抑制しつつ歩留りを向上させることが可能な厚鋼板を製造することができる。
次に、第2実施形態にかかる本発明の厚鋼板の製造方法について、具体的に説明する。
1.2.第2実施形態
図8は、第2実施形態にかかる本発明の厚鋼板の製造方法(以下において「第2の製造方法」ということがある。)に備えられる工程を示すフローチャートである。図8に示すように、第2の製造方法は、成長量算出工程(工程S21)と、全総幅圧下量算出工程(工程S22)と、総幅圧下量決定工程(工程S23)と、幅圧下量特定工程(工程S24)と、エッジング圧延工程(工程S25)と、を備え、工程S21乃至工程S25を経て、厚鋼板が製造される。
<工程S21>
工程S21は、圧延終了時(切断前)の厚鋼板の長さをA、スラブの長さをB、とするとき、X=A/Bにより特定される伸ばし長さ比Xを用いて、厚鋼板が有するべき最低フィッシュテール成長量を算出する工程である。最低フィッシュテール成長量Yは、例えば、下記式17により求めることができる。
Y=40×X0.4 (式17)
<工程S22>
工程S22は、仕上圧延終了時における厚鋼板のフィッシュテール成長量をE、成長量算出工程で算出された最低フィッシュテール成長量をY、とするとき、E≧Yとなるような、エッジング圧延における全総幅圧下量、を算出する工程である。工程S22は、例えば、各仕上エッジングの総幅圧下量ΔWが等しい設定で、式1〜式16に圧延条件を代入して平面形状を算出し、E≧Yになる全総幅圧下量を決定する工程とすることができる。なお、ここで言うエッジング圧延における全総幅圧下量とは、複数回の往復パスによる仕上エッジングにおける全総幅圧下量を意味する。なお、エッジングパス回数は多すぎると生産性を阻害するため、仕上エッジングは、通常2回にとどめることが望ましい。
<工程S23>
工程S23は、上記工程S22で算出した全総幅圧下量を、複数回の往復パスによるエッジング圧延を構成する、往復パスによる各エッジング圧延の総幅圧下量へと配分することにより、複数回の往復パスによるエッジング圧延を構成する各エッジング圧延の総幅圧下量を決定する工程である。複数回の往復パスによるエッジング圧延が、2回の往復パスによるエッジング圧延により構成される場合、工程S23は、往パスにおける幅圧下量と復パスにおける幅圧下量とを等分に設定した上で、上記工程S22で算出した全総幅圧下量を、1回目及び2回目の往復パスによるエッジング圧延の総幅圧下量へと配分して、1回目及び2回目の往復パスによるエッジング圧延の総幅圧下量を決定する工程とすることができる。
<工程S24>
工程S24は、上記工程S23で決定された各回の往復パスによるエッジング圧延の総幅圧下量をGn、各々の往復パスによるエッジング圧延における往パスの幅圧下量をIn、各々の往復パスによるエッジング圧延における復パスの幅圧下量をJnとするとき、各回の往復パスによるエッジング圧延の終了時における厚鋼板の長手方向先後端の幅落ち量が略同一となるように、且つ、Gn=In+Jn、0≦In≦Gn、0≦Jn≦Gn、となるように、GnをIn及びJnへ配分して、各々の往復パスによるエッジング圧延の幅圧下量In及びJnを特定する工程である。工程S23は、例えば、図5を用いて、厚鋼板の長手方向先端における幅落ち量が厚鋼板の長手方向後端における幅落ち量と略同一となる往き幅圧下配分比を特定し、当該往き幅圧下配分比に基づいて、GnをIn及びJnへ配分することにより、In及びJnを特定する工程とすることができる。
<工程S25>
工程S25は、上記工程S24で特定された、往パスの幅圧下量In及び復パスの幅圧下量Jnの条件下で、複数回の往復パスによるエッジング圧延を行う工程である。
このように、工程S21乃至工程S25を経て厚鋼板を製造する第2の製造方法によれば、工程S21で最低フィッシュテール成長量Yが特定され、特定された最低フィッシュテール成長量Yを用いて特定された、往パスの幅圧下量をIn及び復パスの幅圧下量をJnとする条件下でエッジング圧延が行われるので、疵の発生を抑制しつつ歩留りを向上させることが可能な厚鋼板を製造することができる。
1.平面形状に及ぼすエッジャ条件の影響評価試験
上述した平面形状予測モデルを用いて、下記表2に示すMark:F01乃至F03の条件の下、エッジャ条件を変更したシミュレーションを行い、平面形状の変化を調査した。下記表2において、「E1」とは幅出エッジングを意味し、「E2」とは仕上エッジングを意味する。
Figure 0004935697
表2に示す条件、及び、上記第1の製造方法に従って決定したエッジャ条件を適用した場合の、幅圧下量、フィッシュテール成長量、及び、幅落ち量の結果を、下記表3に本発明例1としてまとめた。一方、表2に示す条件、及び、上記第2の製造方法に従って決定したエッジャ条件を適用した場合の、幅圧下量、フィッシュテール成長量、及び、幅落ち量の結果を、下記表3に本発明例2としてまとめた。他方、比較例1として、伸ばし長さ比によらず最低フィッシュテール成長量を100mmに固定して、仕上エッジングの往パス及び復パスの幅圧下量を等しく設定した条件についても計算し、比較例2として、伸ばし長さ比によらず最低フィッシュテール成長量を100mmに固定して先後端のフィッシュテール成長量が同一となるように幅圧下量の配分を決定した条件についても計算した。表2に示すMark:F01乃至F03のそれぞれに対して行った、本発明例1、本発明例2、比較例1、及び、比較例2の圧延条件並びにエッジャ条件を表3に、結果を表4に、併せて示す。なお、表4の「FT成長量」とは「フィッシュテール成長量」を意味し、「最低FT成長量」とは「最低フィッシュテール成長量」を意味する。また、本発明例1、2における最低フィッシュテール成長量は、伸ばし長さ比Xを用いて、下記式17で計算した。
Y=40×X0.4 (式17)
Figure 0004935697
Figure 0004935697
2.結果
2.1.F01
F01は、厚鋼板の仕上厚が15.8mmで、幅出比及び伸ばし長さ比がともに比較的大きいエッジャ条件である。F01の場合、上記式17のXに8.86を代入して算出される最低フィッシュテール成長量Yは96mmであり、このフィッシュテール成長量を確保しつつ第1の製造方法に基づいてエッジャ条件を決定した本発明例1では、幅落ち量が先後端ともに8mmとなった。また、96mmのフィッシュテール成長量を確保しつつ第2の製造方法に基づいてエッジャ条件を決定した本発明例2では、幅落ち量が格段に小さくなり、先後端ともに3mmとなった。
これに対し、仕上エッジングの幅圧下量の配分を往パス及び復パスで等しくした比較例1では、後端の幅落ち量が11mmと大きくなった。また、先後端のフィッシュテール成長量が等しくなるように往パス及び復パスの幅圧下量の配分を決定した比較例2では、先端の幅落ち量が10mmと大きくなった。すなわち、本発明によらない比較例1及び比較例2では歩留りの悪化が予想され、本発明(本発明例1及び本発明例2)によれば、歩留りを向上させることが可能な結果となった。
2.2.F02
F02は、仕上厚が76mmの厚物材で、伸ばし長さ比が小さいエッジャ条件である。F02の場合、上記式17のXに2.17を代入して算出される最低フィッシュテール成長量Yは55mmであり、このフィッシュテール成長量を確保しつつ第1の製造方法に基づいてエッジャ条件を決定した本発明例1では、幅落ち量が先後端ともに8mmとなった。また、55mmのフィッシュテール成長量を確保しつつ第2の製造方法に基づいてエッジャ条件を決定した本発明例2では、幅落ち量が格段に小さくなり、先後端ともに5mmとなった。
これに対し、仕上エッジングの幅圧下量の配分を往パス及び復パスで等しくした比較例1では、後端の幅落ち量が15mmと大きくなった。また、フィッシュテール成長量も100mm以上と過大になった。また、先後端のフィッシュテール成長量が等しくなるように往パス及び復パスの幅圧下量の配分を決定した比較例2では、先端の幅落ち量が18mmと大きくなった。すなわち、本発明によらない比較例1及び比較例2では歩留りの悪化が予想され、本発明(本発明例1及び本発明例2)によれば、歩留りを向上させることが可能な結果となった。
2.3.F03
F03は、仕上厚が8mmの薄物材で、伸ばし長さ比が大きいエッジャ条件である。F03の場合、上記式17のXに18.75を代入して算出される最低フィッシュテール成長量Yは129mmであり、このフィッシュテール成長量を確保しつつ第1の製造方法に基づいてエッジャ条件を決定した本発明例1では、幅落ち量が先後端ともに8mmとなった。また、129mmのフィッシュテール成長量を確保しつつ第2の製造方法に基づいてエッジャ条件を決定した本発明例2では、幅落ち量が格段に小さくなり、先後端ともに3mmとなった。
これに対し、仕上エッジングの幅圧下量の配分を往パス及び復パスで等しくした比較例1では、本発明例1とほぼ同等の先端側8mm、後端側7mmとなった。しかし、フィッシュテール成長量は先端側100mmと、本発明の必要フィッシュテール成長量129mmに比べて小さくなっており、製品内への疵の発生が懸念される結果となった。また、先後端のフィッシュテール成長量が等しくなるように往パス及び復パスの幅圧下量の配分を決定した比較例2では、先端の幅落ち量が9mmとなり、歩留りの若干の悪化が予想され、また、フィッシュテール成長量も110mmのため製品内への疵の発生が懸念される結果となった。
フィッシュテール成長量(クロップ差)の定義を示す図である。 伸ばし長さ比及びフィッシュテール成長量と疵発生との関係を示す図である。 総幅圧下量と幅落ち量との関係を示す図である。 総幅圧下量とフィッシュテール成長量との関係を示す図である。 往き幅圧下配分比と幅落ち量との関係を示す図である。 往き幅圧下配分比とフィッシュテール成長量との関係を示す図である。 第1の製造方法の形態例を示すフローチャートである。 第2の製造方法の形態例を示すフローチャートである。 幅落ち量の定義を示す図である。

Claims (2)

  1. 幅出圧延、往復パスによるエッジング圧延、及び、仕上圧延を経て厚鋼板を製造する、厚鋼板の製造方法であって、
    前記仕上圧延の終了時における前記厚鋼板の長さをA、スラブの長さをB、とするとき、X=A/Bにより特定される伸ばし長さ比を用いて最低フィッシュテール成長量を算出する、成長量算出工程と、
    前記仕上圧延の終了時における前記厚鋼板のフィッシュテール成長量を前記最低フィッシュテール成長量以上にする、前記エッジング圧延における総幅圧下量、を算出する、総幅圧下量算出工程と、
    前記仕上圧延の終了時における前記厚鋼板の長手方向先端の幅落ち量と、前記仕上圧延の終了時における前記厚鋼板の長手方向後端の幅落ち量とが、略同一となるように、算出された前記総幅圧下量を、前記エッジング圧延における往パスの幅圧下量と、前記エッジング圧延における復パスの幅圧下量とに配分して、前記往パスの幅圧下量と前記復パスの幅圧下量とを特定する、幅圧下量特定工程と、
    前記往パスの幅圧下量、及び、前記復パスの幅圧下量の下で前記エッジング圧延を行う、エッジング圧延工程と、
    を備えることを特徴とする、厚鋼板の製造方法。
  2. 幅出圧延、複数回の往復パスによるエッジング圧延、及び、仕上圧延を経て厚鋼板を製造する、厚鋼板の製造方法であって、
    前記仕上圧延の終了時における前記厚鋼板の長さをA、スラブの長さをB、とするとき、X=A/Bにより特定される伸ばし長さ比を用いて最低フィッシュテール成長量を算出する、成長量算出工程と、
    前記仕上圧延の終了時における前記厚鋼板のフィッシュテール成長量を前記最低フィッシュテール成長量以上にする、前記エッジング圧延における全総幅圧下量、を算出する、全総幅圧下量算出工程と、
    複数回の前記往復パス各々における、総幅圧下量を決定する、総幅圧下量決定工程と、
    各々の前記往復パスの終了時における前記厚鋼板の長手方向先端の幅落ち量と、各々の前記往復パスの終了時における前記厚鋼板の長手方向後端の幅落ち量とが、略同一となるように、前記総幅圧下量を、各々の前記往復パスにおける往パスの幅圧下量と、各々の前記往復パスにおける復パスの幅圧下量とに配分して、前記往パスの幅圧下量と前記復パスの幅圧下量とを特定する、幅圧下量特定工程と、
    前記往パスの幅圧下量、及び、前記復パスの幅圧下量の下で前記エッジング圧延を行う、エッジング圧延工程と、
    を備えることを特徴とする、厚鋼板の製造方法。
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