JP3332712B2 - 平面形状制御方法及び平面形状制御装置 - Google Patents

平面形状制御方法及び平面形状制御装置

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JP3332712B2 JP07370396A JP7370396A JP3332712B2 JP 3332712 B2 JP3332712 B2 JP 3332712B2 JP 07370396 A JP07370396 A JP 07370396A JP 7370396 A JP7370396 A JP 7370396A JP 3332712 B2 JP3332712 B2 JP 3332712B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、厚板圧延の平面形
状制御方法及び厚板圧延の平面形状制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に厚板圧延機は、仕上圧延機一台、
または粗圧延機および仕上圧延機の組合せで構成されて
いる。近年歩留り向上を目的とし厚板成品を極力矩形に
近づけるため幅圧下圧延機の設置が活発となっている。
【0003】厚板形状不良の例を図4に基づいて説明す
る。一般に圧延後の最終厚板成品の形状は幅出し比(成
品幅/スラブ幅)が小さいと、図4(a)に示すように
舌状のクロップとつづみ状の先後端幅精度不良を生じ、
逆に、幅出し比が大きいと、図4(b)に示すようにフ
ィッシュテール状のクロップとたいこ状の先後端幅精度
不良を生ずる。また、図4(c)に示すような板幅精度
不良が、加熱炉・焼けムラ(スキッドマーク)などを原
因として発生することも知られている。更に、水平圧延
時のスラブ側面は板厚方向に幅広がり差があるため図4
(d)に示すようなまくれ込みを生じることもある。
【0004】このような成品の平面形状不良は歩留りの
著しい低下をもたらすので成品の平面形状を矩形に近づ
ける種々の対策が考えられている。これらのうちの有力
な手段として、幅圧延機を用いる方法がある。
【0005】図5に基づいて幅圧延機による厚板先後端
の平面形状の制御例を示す。スラブ1は、第1段階とし
て板厚の均一化を主目的とした成形圧延を経た後、水平
面内で90度回転されられて幅圧延機3a,3′aで長
さ方向に幅圧延されながら水平幅出し圧延される(図5
ではスラブ1を90度回転させる代わりに圧延方向を9
0度回転して図示してある)。これをさらに水平面内で
90度転回させ、幅圧延機3b,3′bで幅方向に幅圧
延を行なった後仕上圧延される。
【0006】図5で示した平面形状制御例は、幅圧下量
を変えることで先後端の平面形状を制御するものであ
る。
【0007】図6、図7には板先後端の平面形状の変形
の模式状態を示してある。図6はエッジングの工程がな
い場合、即ち水平圧延のみの場合で、図7はエッジング
を付与した場合である。
【0008】図6、図7中の横軸は、板先後端のクロッ
プ長(ΔL)の和(ΔLTop +ΔL Bottm )で、図6、
図7中の縦軸は、板先後端と中央部の板幅偏差(ΔW)
の和(ΔωTop +ΔωBottm )である。図中Vはエッジ
ング圧延のパスを、Hは水平圧延のパスを、DBTは成
形圧延工程を、DWは幅出し圧延工程を、DATは仕上
げ圧延の前段を、DFは仕上げ工程をそれぞれ示してあ
る。
【0009】エッジングの工程がない場合、即ち水平圧
延のみの場合、板先後端では変形に対する拘束が小さい
ため板幅中央部の圧延方向伸びが板幅端部より大きくま
た板長手方向中央部より幅広がり量が大きくなる。一方
エッジングを付与した場合、板先後端では図中第3象限
に示したように、板幅中央部の圧延方向伸びが板幅端部
の圧延方向伸びより小さく、かつ、板長手方向中央と比
較して幅落ちが生じる傾向となる。実生産工程において
は、上述の変形量を考慮し板先後端が矩形となるような
最適なエッジング量を選定する必要がある。
【0010】図8には現在の代表的な厚板ミルのライン
構成を示してある。加熱炉から搬出されたスラブ1は、
粗圧延工程(エッジャ3a,3′a、水平圧延機2a)
及び仕上げ圧延工程(エッジャ3a,3′b、水平圧延
機2b)での加工を受けて所定の形状寸法に作り出さ
れ、加速冷却機30により材料の作り込みが行われる。
そして、ホットレベラ31により形状が矯正され、自動
板形状測定器(ASM)32により板先後端のクロップ
及び板幅などの所定データが測定された後、クーリング
ベット33へと搬入される。自動板形状測定器32によ
り得られた板先後端のクロップの情報は後工程のシャー
ラインでの板切りのために用いられ、また平面形状を制
御、即ち、エッジング量の調整のために用いられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ASM
32からのデータはすでに圧延が終了した板のデータで
あること、また、クロップ長、幅異形量を得るためには
煩雑なデータ処理が必要であり、精度もさほど良くない
というのが実情である。
【0012】本発明は上記状況に鑑みてなされたもの
で、効率的かつ高精度に平面形状の制御が行え、圧延中
の板へのフィードバック制御も可能な厚板圧延の平面形
状制御方法及び平面形状制御装置を提供することを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の厚板圧延の平面形状制御方法は、エッジング
ロールを用いて板先後端を矩形化する厚板圧延における
平面形状制御方法であって、圧延後の板幅を計測し、計
測値から板先後端の幅異形量を演算し、幅異形量と予め
計算で求めたパススケジュール毎の設定幅異形量とを比
較演算し、比較演算結果に基づいて次パススケジュール
のエッジングロールの圧下量を制御することを特徴とす
る。
【0014】また、パススケジュール毎の設定幅異形量
Δωを下式により演算し、最終パススケジュール後の設
定幅異形量Δωを0とすることを特徴とする。 Δω=(ΔωTop +ΔωBottm )/2 但し ΔωTop :板先端部と板中央部との板幅偏差 ΔωBottm :板後端部と板中央部との板幅偏差
【0015】また、パススケジュール毎の設定幅異形量
Δωを下式により演算し、最終パススケジュール後の設
定幅異形量Δωを0とすることを特徴とする。 Δω= ΣΔωi /N 但し Δωi :圧延方向にN分割し、その各分割点と板
中央部との板幅偏差
【0016】また、パススケジュール毎の設定幅異形量
Δωは、圧延材の圧延方向をN分割し、各分割点の板幅
の標準偏差が最小となるよう設定し、最終パススケジュ
ールの標準偏差を0とすることを特徴とする。
【0017】上記目的を達成するための本発明の厚板圧
延の平面形状制御装置の構成は、エッジングロールを備
えた厚板圧延の平面形状制御装置であって、水平圧延ロ
ールの下流に配置した板幅検出手段と、板幅検出手段か
らの信号に基づき板幅を測定する測定手段と、測定手段
からの信号に基づき板先後端の幅異形量を演算する演算
手段と、予め設定されたパススケジュール毎の設定幅異
形量と前記幅異形量とを比較演算する比較演算手段と、
比較演算手段による演算結果に基づきエッジングロール
の圧下量を制御する制御手段とをからなることを特徴と
する。
【0018】
【発明の実施の形態】図1には本発明の一実施形態に係
る厚板圧延の平面形状制御装置の概略構成、図2にはエ
ッジング圧下量と幅異形量及びクロップ長及び歩留りと
の関係を説明するグラフを示してある。
【0019】図1において、11は鋼板、12は水平圧
延ロール、13,13′はエッジングロール、14a,
14bは圧延機近傍に設置された板幅検出器(例えばレ
ーザ変位計)、15は板幅測定部、16は圧延全長の板
幅から算出する板先後端の幅異形量演算部、17はエッ
ジャギャップ設定値の演算部である。板幅検出器14の
鋼板11の全長に亘る板幅の実測値から幅異形量演算部
16により、板先後端の幅異形量を求める。
【0020】各パス終了後、上記幅異形量ΔωTop i
ΔωBottom i を測定する。予め計算で求められたパスス
ケジュールの設定演算(演算部17にデータとして記
憶)時の幅異形量ΔωTop Pi,ΔωBottom Pcと、測定さ
れた幅異形量ΔωTop i ,Δω Bottom i との比較を行
う。
【数1】 上記の実測値と計算値の差δから、次エッジパスでのエ
ッジッグ圧下量の補正量δhEを、 δhE=a1 ・δ ・・・(2) にて求める。ここで、a1 は調整のパラメータである。
【0021】上述のように各パス後の幅異形量を実測
し、設定値からのずれ量を次エッジングパスにて補正
し、仕上げ圧延出側において (ΔωTop +ΔωBottom)・(1/2)=0 ・・・(3) となるように制御する。
【0022】図2には所定のパススケジュールにて圧延
した際のエッジング圧下率と板先後端の平均の幅異形量
(a)及び板先後端の平均のクロップ長(b)及び歩留
りとの関係(c)を示してある。図に示したように、エ
ッジング圧下率を略14%とすることで、板先後端の平
均の幅異形量は0となり、その時の歩留りは略最大値を
とる。従って、クロップ形状を測定しなくても板幅検出
器14により幅異形量を測定することで、実用上歩留り
を最大とする最適なエッジング圧下量を求めることがで
きる。
【0023】また(3)式のかわりに、(4)式によ
り、板の全長の板幅偏差の平均が0となるように、即
ち、鋼板11が矩形となるように制御してもよい。圧延
方向板中央部の板幅をωC とすると、ΔωC =ωi −ω
C となり、ωi はi分割点の板幅であり、このΔωi
平均値が、 Δω= ΣΔωi /N ・・・(4) となる。但しΔωi は、圧延方向にN分割し、その各分
割点と板中央部との板幅偏差である。
【0024】また、(5)式により、板の全長の板幅偏
差の標準偏差が最小となるように、即ち、鋼板11が矩
形となるように制御してもよい。板幅の標準偏差につい
て、圧延方向にN分割した時の板幅をω1 ・・ωi ・・
ωN とする。
【数2】
【0025】図3には圧延前の板幅を測定する板幅検出
器21a,21bを追設した実施形態例を示してある。
図3に示した平面形状制御装置により、圧延前の鋼板1
1の板幅を実測して前述同様の制御を実施することで、
エッジャーロール3,3′での圧下量の設定精度が向上
する。この結果、図1で示した実施形態例と同様に高精
度な平面形状の制御が可能となる。
【0026】
【発明の効果】以上実施形態例と共に具体的に説明した
ように、本発明によれば板幅の実測データのみから平面
形状制御のための最適なエッジング圧下量の設定ができ
クロップの形状を測定する必要がなく、効率的かつ精度
良く平面形状を制御でき大幅な歩留り向上を計ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る厚板圧延の平面形状
制御装置の概略構成図。
【図2】エッジング圧下量と幅異形量及びクロップ長及
び歩留りとの関係を説明するグラフ。
【図3】本発明の他実施形態に係る厚板圧延の平面形状
制御装置の概略構成図。
【図4】厚板圧延における形状不良状態を表す概念図。
【図5】厚板圧延の圧延状況を表す説明図。
【図6】板先後端の平面形状の変形を表す説明図。
【図7】板先後端の平面形状の変形を表す説明図。
【図8】厚板圧延のライン構成図。
【符号の説明】
11 鋼板 12 水平圧延ロール 13,13′ エッジングロール 14a,14b,21a,21b 板幅検出器 15 板幅測定部 16 幅異形量演算部 17 演算部
フロントページの続き 審査官 國方 康伸 (56)参考文献 特開 平8−267112(JP,A) 特開 平5−185105(JP,A) 特開 平1−224106(JP,A) 特開 昭58−122106(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 37/00 - 37/78

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エッジングロールを用いて板先後端を矩
    形化する厚板圧延における平面形状制御方法であって、
    圧延後の板幅を計測し、計測値から板先後端の幅異形量
    を演算し、幅異形量と予め計算で求めたパススケジュー
    ル毎の設定幅異形量とを比較演算し、比較演算結果に基
    づいて次パススケジュールのエッジングロールの圧下量
    を制御することを特徴とする厚板圧延の平面形状制御方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、パススケジュール毎
    の設定幅異形量Δωを下式により演算し、最終パススケ
    ジュール後の設定幅異形量Δωを0とすることを特徴と
    する厚板圧延の平面形状制御方法。 Δω=(ΔωTop +ΔωBottm )/2 但し ΔωTop :板先端部と板中央部との板幅偏差 ΔωBottm :板後端部と板中央部との板幅偏差
  3. 【請求項3】 請求項1において、パススケジュール毎
    の設定幅異形量Δωを下式により演算し、最終パススケ
    ジュール後の設定幅異形量Δωを0とすることを特徴と
    する厚板圧延の平面形状制御方法。 Δω= ΣΔωi /N 但し Δωi :圧延方向にN分割し、その各分割点と板
    中央部との板幅偏差
  4. 【請求項4】 請求項1において、パススケジュール毎
    の設定幅異形量Δωは、圧延材の圧延方向をN分割し、
    各分割点の板幅の標準偏差が最小となるよう設定し、最
    終パススケジュールの標準偏差を0とすることを特徴と
    する厚板圧延の平面形状制御方法。
  5. 【請求項5】 エッジングロールを備えた厚板圧延の平
    面形状制御装置であって、水平圧延ロールの下流に配置
    した板幅検出手段と、板幅検出手段からの信号に基づき
    板幅を測定する測定手段と、測定手段からの信号に基づ
    き板先後端の幅異形量を演算する演算手段と、予め設定
    されたパススケジュール毎の設定幅異形量と前記幅異形
    量とを比較演算する比較演算手段と、比較演算手段によ
    る演算結果に基づきエッジングロールの圧下量を制御す
    る制御手段とをからなることを特徴とする厚板圧延の平
    面形状制御装置。
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