JP4470742B2 - 鋼片の圧延方法 - Google Patents

鋼片の圧延方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4470742B2
JP4470742B2 JP2005008755A JP2005008755A JP4470742B2 JP 4470742 B2 JP4470742 B2 JP 4470742B2 JP 2005008755 A JP2005008755 A JP 2005008755A JP 2005008755 A JP2005008755 A JP 2005008755A JP 4470742 B2 JP4470742 B2 JP 4470742B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rolling
pass
steel slab
length
width
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005008755A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006192490A (ja
Inventor
伸行 紫垣
由紀雄 高嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2005008755A priority Critical patent/JP4470742B2/ja
Publication of JP2006192490A publication Critical patent/JP2006192490A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4470742B2 publication Critical patent/JP4470742B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Metal Rolling (AREA)

Description

本発明は、鋼片の圧延方法、特に、スラブ等の幅/厚さ比が比較的大きい鋼片の幅圧下を行う際、先後端に発生するクロップ(図4の(a)参照)を低減するための鋼片の圧延方法に関する。
図6は、圧延機における鋼片の圧延状況を示す模式図であって、(a)は圧延中、(b)は圧延終了直後である。
図6の(a)において、スラブのように幅/厚さ比(以下B/H比)が1より大きい鋼片を、圧延機(図示しない)において複数パスの幅圧下圧延(鋼片の矩形断面における長辺を圧延すること)を行う際、通常、圧下される鋼片幅に比べて圧延ロール10のロール径は同程度ないし鋼片幅より小さくなる場合が多く、特に圧延前段パスで鋼片の幅が広い際に、幅圧下圧延時の圧延ロール10と鋼片との接触部の投影接触弧長ldと、該接触部における平均幅bm(=(Bin+2Bout)/3)との比α(=ld/bm)が小さくなる。
なお、圧延前および圧延後における鋼片をそれぞれ鋼片8および鋼片9と、圧延前の鋼片8の後端(尻抜け端)を8bと、圧延後における鋼片8の先端(噛み込み端)および後端(尻抜け端)を、それぞれ9tおよび9bと記載している。
図6の(b)において、特に、摩擦係数の大きい熱間圧延においてこのような圧延を行う場合には、先端9tおよび、特に後端部側において後端9bが図示するようにフィッシュテール状の非定常変形を起こす傾向があるため、クロップによる歩留ロスが非常に大きくなる。
このクロップは鋼片圧延における歩留ロスにおいて非常に大きい割合を占めており、歩留向上を考える上でこのクロップを低減することが重要な課題となっている。
このようなクロップを低減するための方策として、例えば以下の発明が開示されている。
(i)鋼片の先端(噛み込み端)から後端(尻抜け端)にかけて圧下量を減少させ、後端において圧下しない、すなわち、圧延後端を形成しないようにした分塊圧延方法(例えば、特許文献1参照)。
(ii)造塊スラブの底部に四角錐台状または楕円錐台状の凸部(ウエル)を形成して、スラブの折れ込み疵を防止する分塊圧延スラブの折れ込み疵生成防止方法(例えば、特許文献2参照)。
(iii)圧延後端を形成しないように分塊圧延をするに先立って、鋼片の先後端を圧延ロールによりプレス予成形することにより特別なプレス予成形機を設けることなく、クロップ損失を低減する分塊圧延方法(例えば、特許文献3参照)。
(iv)圧延初期に、複数回の噛み戻し圧延(長手方向の途中まで圧延する)によって先端および後端の所定範囲に所定厚さの凹部を形成し、その後、該凹部とほぼ同じ厚さになるまで圧延することにより、実質的に圧延後端を形成しないようにしてクロップを低減すると共に、圧延能率の向上を図る分塊圧延におけるクロップ減少方法(例えば、特許文献4参照)。
特公昭51−35383号公報(2頁、図2) 特開昭58−81502号公報(4−6頁、図2) 特開昭60−238004号公報(10−11頁、図7) 特開昭57−39001号公報(2−3頁、図2)
以上のような方法によりクロップ低減が図れることは、既に実験的にも確認されており、実際のプロセスにおいても適用されている。しかしながら、以下のような問題があった。すなわち、
(イ)例えばスラブ長さが短い場合や、設備面、能率面での制約で十分な予成形が取れない場合、予成形による非定常変形抑制効果を十分に得ることが出来ない可能性がある。
図7は、予成形長さとクロップ成長挙動との関係を説明する模式図である。図7において、鋼片端部で非定常変形を起こす領域は、板厚、幅に応じてある長さを有しており、その長さよりも短い長さで予成形を行った場合(図7の(a)参照)、顕著な非定常変形を起こす鋼片最端部(端部を含み、端部から所定の範囲)については十分な効果が得られるが、一方、それ以外の未成形の部分(前記鋼片最端部よりも鋼片の中央よりの範囲)においては、図7の(b)のように、予成形後の逆転圧延時に非定常変形を起こしている。
一方、非定常変形を起こす長さよりも長い長さで予成形を行った場合(図7の(c)参照)、顕著な非定常変形を起こす鋼片最端部およびそれ以外の未成形の部分の両方において、十分な効果が得られるものである(図7の(d)参照)。
(ロ)この予成形長さをどの程度与えれば十分な効果が得られるかについて、従来技術では必ずしも明確化されていなかった。このため、制御モデル上で予め決められた予成形長さを与えたり、あるいは手動操作で予成形長さを任意に与えていたりしているのが現状であった。
(ハ)このように、予成形長さと、それに伴う非定常変形抑制効果との関係が明確になっていない場合、多様な形状を有する鋼片に対して前記予成形圧延を行う際、鋼片形状によっては十分な予成形効果が得られないものもあるため、クロップ低減効果が限定的となる可能性がある。
(ニ)さらに、大口ツト材のように同一サイズの鋼片を続けて圧延する場合には、実際に発生したクロップ形状を見ながら予成形部形状を修正することも可能であるが、異なるサイズの鋼片を続けて圧延する場合には、かかる修正をすることができなかった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、異なるサイズの鋼片を圧延する場合をも想定し、鋼片形状に応じて、所定の圧延パスにおけるクロップ生成に影響を及ぼす影響部長さ(Ln)が算出され、Lnに基づいた予成形長さを与える鋼片の圧延方法を提供することを目的にする。
(1)本発明に係る鋼片の圧延方法は、複数パスの幅圧下圧延によって鋼片を圧延するに際し、特定の圧延パス(nパス)の前に、当該圧延パスの後端を予め予成形してクロップを低減するものであって、
前記鋼片における鋼片端部クロップの生成に影響する影響部長さ(Ln)を予め求め、該影響部長さ(Ln)よりも長い範囲を有する予成形部形状を与えると共に、
前記予成形部形状が圧延ロールによって与えられ、該予成形部形状が前記影響部長さ(Ln)よりも長い平行部を有することを特徴とする
(2)また、前記特定の圧延パス(nパス)における圧下率がrn、該圧延パス(nパス)の前の前記鋼片の幅がBn、該鋼片の厚さがHnであって、該鋼片の幅と厚さとの比(B/H比)が1以上のとき、前記影響部長さ(Ln)を前記圧下率と前記鋼片の幅と該鋼片の厚さとの関数
Ln=f(Bn、Hn、rn)
として求めることを特徴とする。
(3)さらに、前記関数が、Ln=−2Bn(α2−α)であって、このとき、α=ld/bm、ldは圧延ロールと前記鋼片との投影接触長さ、bmは接触部における平均幅であることを特徴とする。
したがって、多様な形状を有する鋼片に対し幅圧下圧延を行う際、その形状に応じた最適な予成形部形状、すなわち、所定の圧延パス(nパス)における最小限必要な影響部長さ(Ln)が、合理的に算出され、該影響部長さ(Ln)よりも長い範囲を有する予成形部形状を与えることが可能となるため、異なるサイズの鋼片を圧延する場合であっても、先後端クロップによる歩留ロスを最小化する事が可能となる。
図1は本発明の実施形態に係る鋼片の圧延方法を説明する模式図である。
前述のように、鋼片1を圧延する際、圧延方向の先端(図示しない)近傍及び後端部1bの近傍を除く範囲1c(いわゆる中央部)は定常変形となり、クロップ生成には影響を及ぼさない。これは、定常変形部では鋼片の先行部及び後行部による拘束力により、非定常変形の発生が抑えられるからである。
一方、鋼片の先端近傍及び後端部1bの近傍は、非定常変形を起こし、該非定常変形がクロップ生成に影響を及ぼす。これは、定常変形部から後端部1bに近づくにつれて後行部の拘束力が十分に確保出来なくなり、後進力の大きいロール接触位置近傍のメタルフローによりクロップ生成が助長されるためである(図1の(a)参照)。
このようなクロップ生成に影響を及ぼす非定常変形部の長さは、各圧延パス前の鋼片形状により変化するため、本発明では、図1の(a)に示すように、特定の圧延パス(以下「圧延nパス目」と称す)において、クロップ生成に影響を及ぼす影響領域の長さLn(本発明において「影響部長さLn」と称す)として予め求めておく。
そして、影響部長さLnは、圧延nパス目の前における鋼片寸法(幅Bn、厚さHn)および圧延nパス目の圧下率rn(以下「nパス目圧下率rn」と称す)と相関があるため、予め、幅Bnと、厚さHnと、nパス目圧下率rnとの関数として
Ln=f(Bn、Hn、rn)・・・・関係式1
の形で与えておけばよい。
また、上記関係式1を適用する対象材が多品種にわたる場合などは、材質によって材料の先進・後進特性が大きく異なる事も規定されるため、上記関係式1を材料影響項を含む関数として与えてもよい。
なお、影響部長さLnと、幅Bnや厚さHnやnパス目圧下率rnとの関係は、例えば実験によりクロップ生成量を実測する方法や数値解析を用いる方法により求められ、それらにより前記関係式1を導出することが可能である。
さらに、前記関係式1を以下の仮定に基づいて整理することも可能である。
仮定1:影響部長さLnに対する、厚さHnの影響は少ない。
仮定2:影響部長さLnに対する、ロールと鋼片との接触長さ(投影接触弧長ld)と接触部の平均幅bmとの比α(=ld/bm)の影響が大きい。
仮定3:実験的傾向から判断して、前記比α(=ld/bm)が0.5の時に、非定常変形によるクロップ成長が最も起こりやすく、その際のLnは0.5Bnである。
以上より、
Ln=−2Bn(α2−α) ・・・・関係式2
α =ld/bm ・・・・・・・・関係式3
ld/bm=√(R・rn・Bn)/((1−2・rn/3)・Bn)・・・関係式4
ここで、Rは圧延ロールの半径であって、近似的に扁平ロール半径R’と等しいとしている。
なお、平均幅bmは、 圧延nパス目の前における鋼片の幅Bn(Bnに同じ)と、2倍の圧延nパス後における鋼片の幅Bn+1との和を3で除したもの、すなわち、
bm=(Bn+2・Bn+1)/3=(Bin+2・Bout)/3 である。
したがって、例えば、予成形部形状を圧延ロールで与える場合、予成形平行部長さ(Mn、図1の(b)参照)を、関係式2によって算出される影響部長さLnよりも大きな値にして、予成形することによりクロップ低減効果を十分に与えることが出来る。すなわち、圧延後端(尻抜け側に同じ)と圧延先端(噛み込み側に同じ)とにおけるそれぞれのフィッシュテールの長さ増分の差が小さくなるためである。
よって、本発明によれば、複数パス圧延において、予め特定の圧延パス(1または2以上の適宜選択した圧延パス)について影響部長さLnを求めておき、それぞれ前記方法を実行することによって、該複数パス圧延が終了した後のクロップ(集積クロップに同じ)の低減効果を得ることができる。すなわち、予成形部形状を圧延ロールで与える場合、必要最小限の予成形平行部長さ(Mn)を与えることで操業上の目標値が明確になり、確実に前記効果を発現できるということである。
図2は本発明の実施形態に係る鋼片の圧延方法における予成形平行部長さ(Mn)を説明する模式図である。図2に示すように、予成形部形状を圧延ロールで与える場合、特定の圧延パス(nパス)の直前において、圧延後端に生じている非定常域が小さい場合は、予成形平行部長さ(Mn)は、近似的に後端1bの圧延ロールに当接する角部1rから傾斜部1eを除く上下に平行な部分の距離と定義できる。
なお、本発明における各用語は、以下に定義されるものである。
(i)影響部長さ(Ln):あるnパス目において、クロップ生成に影響を及ぼす影響領域長さ。
(ii)予成形平行部長さ(Mn):あるnパス目において圧延ロールで予成形する際、予成形部における平行部の長さ(図2参照)。
(iii)予成形長さ(Mn’):あるnパス目において予成形する際の、変形部全長(予成形部形状の長さ、図2参照)
図3は本発明の実施形態に係る鋼片の圧延方法における予成形部の圧下量を説明する模式図であって、(a)は予成形状態、(b)は予成形後の圧延状態(以下「再圧延状態」と称す)である。
図3の(a)において、本発明のポイントは、Mn’>MnまたはMn’=Mnとし、且つ、Mn>LnまたはMn=Lnとすることにある。
このとき、Mn’>MnまたはMn’=Mnの関係は、予成形を行う工具(ロール等))形状により幾何学的に決定される。また、Mn>LnまたはMn>Lnの関係は制御にて与えられる。
図3の(b)において、予成形部の圧下量が再圧延時の圧下量よりも小さい場合、すなわち、再圧延時において予成形部が圧延される場合、図示するように、ldおよびbm(=(Bin+2・Bout)/3)が傾斜部の位置によって変動するものの、クロップ成長に及ぼすld/bmの影響は変わらないと考える。
なお、予成形部の圧下量が再圧延時の圧下量よりも大きい場合、すなわち、再圧延時において予成形部が圧延されない場合は、実質的な圧延後端が存在しないため、当該再圧延において非定常変形が発生することがない。
Figure 0004470742
表1は、本発明における圧延スケジュールの一例であって、初期スラブは、厚さ265(mm)、幅750(mm)である。表1において、1、2、4、5、7、8パスが両トップ圧延パスで、最初に予成形を行った後にギャップをパス途中で開放して「空通し」にし、次の逆転パスで残り部分を圧延する。
すなわち、当該圧延の前工程側を「BまたはBottom」、次工程側を「TまたはTop」として、1パス目でロールを正転して、1パス目のT部予成形をした後、ロールギャップを拡大してパス途中で空通しにし、次に、ロールを逆転して、2パス目で全長の(正確には1パス目のT部予成形範囲を除いた残り初期スラブ厚さの範囲)を幅圧延する。
そして、3パス目は、鋼片を90°回転した後、ロールを正転して、幅圧下の際に生じる厚み方向の自由変形部を軽く圧下する圧延パスである。このとき、表1の厚み圧下量は「0mm」であるが、実際には自由変形部の厚さ増分だけの圧下量となる。
さらに、再び鋼片を90°回転した後、ロールを逆転して、4パス目でB部予成形をした後、ロールギャップを拡大してパス途中で空通しにし、次に、ロールを正転して、5パス目で全長(正確には4パス目のB部予成形範囲を除いた、2パス目の圧延厚さ範囲)を圧延する。以下同様に幅圧延を繰り返す。そして、B/H比がある値以下になった圧延パスの後期では、予成形によるクロップ低減効果が小さいため、予成形をしていない。
なお、表1に示す圧延スケジュールは一例であって、予成形を圧延パスの前期において実行しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、予成形のクロップ低減効果が大きいB/H比の範囲、あるいは、圧延能率を考慮したり、圧下率の小さい圧延パス(たとえば、初期スラブのスケール除去のための1パス目等)を除いたりして、予成形を実行する圧延パスは、適宜選定されるものである。
(実験例)
次に、本発明の予成形のクロップ低減効果を確認した実験例について簡単に説明する。
図4および図5は、本発明の実施形態に係る鋼片の圧延方法における実験例を説明するものであって、図4は圧延状況を示す模式図、図5は圧延結果を示す棒グラフである。
図4の(a)において、鋼片1は、厚さ34.4mm、幅88.8mm、長さ300mmの純鉛を用い、圧延ロール10はロール径170mmである。そして、圧延ロール10を回転駆動するモデル圧延機(図示しない)によって、圧延ロール10を逆転(図中、図中、鋼片1が右へ進む方向)して、それぞれ予成形平行部長さを変化させて後端1bに予成形を行い、その後、予成形平行部長さが相違するそれぞれの鋼片1について圧延ロール10を正転(図中、鋼片1が左へ進む方向)した圧延を行い、圧延後のクロップ長さを実測して比較を行っている。
このとき、予成形の平行部長さ2は、20mm、100mm、および比較のための予成形をしないもの(仮に、0mmと記載する)であり、予成形および圧延における圧下はいずれも、幅(長辺)88.8mmを16mm圧下(片側圧下量は8mm)するギャップ設定である。
図4の(b)において、圧延後の鋼片1(以下「鋼片3」と称す)には、後端3bに後端クロップ4bが、先端3t(噛み込み端)に先端クロップ4tが形成されている。
図5において、縦軸はクロップ長さ、横軸は予成形の平行部長さ(予成形なしを含む)である。予成形をしない場合(平行部0mm)は、後端クロップ4bの成長が大きいのに対し、平行部長さ100mmの予成形を与えた場合は、先端クロップ4tと後端クロップ4bとは同程度であり、十分な後端クロップ低減効果が得られている(本発明において、後端クロップが先端クロップと同程度に抑えらることを「十分なクロップ低減効果」と称している)。したがって、影響部長さLnは、100mm以下の「ある値」に決定される。
一方、平行部長さが20mmの場合には、若干後端クロップ4bの成長が見られる。これは、平行部長さが20mmでは先端からの圧延時に、後端3b側に非定常変形域が残存するためである。
これら実験からも、本実験における寸法の鉛板については、影響部長さLnは、「20mm<Ln<100mm」の範囲内にある「ある値」として決定されるはずである。よって、このような実験を鉛板寸法や圧下率を変更して行いLnを求めることも可能である。
さらに、前述の関係式2を用いてLnを計算すると、「Ln=44mm」となる。すなわち、予成形時に計算値である44mmより大きい平行部長さ100mmを与えて圧延した前記実験結果が、十分なクロップ低減効果を示しているのに対し、計算値である44mmより小さな平行部長さ20mmを与えた前記実験結果では、クロップ低減効果が不十分であることが示されているから、前述の関係式2は、図5に示す実験結果と一致するため、前記仮定および関係式2の妥当性が検証されている。
前記関係式2は一例であるが、このような関係式で「影響部長さLn」を与える事により、各サイズの鋼片、特定の圧延パスにおいて最小限必要な予成形長さが容易に算出される。よって、複数パス圧延において、そのうちの所定の圧延パス(1または2以上)について、それぞれ前記方法を繰り返し実行すれば、該複数パス圧延終了後の被鋼片のクロップ(集積クロップ)を低減することが可能になる。
本発明は以上の構成であるから、クロップを低減するための鋼片の圧延方法として広く利用することができる。
本発明の実施形態に係る鋼片の圧延方法を説明する模式図。 本発明の実施形態に係る鋼片の圧延方法における予成形平行部長さ(Mn)を説明する模式図。 本発明の実施形態に係る鋼片の圧延方法における予成形部の圧下量を説明する模式図。 本発明の実施形態に係る鋼片の圧延方法における実験例を説明する圧延状況を示す模式図。 図4に示する実験例の圧延結果を示す棒グラフ。 圧延機における鋼片の圧延状況を示す模式図。 予成形長さとクロップ成長挙動との関係を説明する模式図。
符号の説明
1 鋼片
1b 後端
2 予成形平行部長さ(Mn)
3 鋼片
3b 後端
3t 先端
4b 後端クロップ
4t 先端クロップ
8 鋼片
9 鋼片
9b 後端
9t 先端
10 圧延ロール

Claims (3)

  1. 複数パスの幅圧下圧延によって鋼片を圧延するに際し、特定の圧延パス(nパス)の前に、当該圧延パスの尾端を予め予成形してクロップを低減する鋼片の圧延方法であって、
    前記鋼片における鋼片端部クロップの生成に影響する影響部長さ(Ln)を予め求め、該影響部長さ(Ln)よりも長い範囲を有する予成形部形状を与えると共に、
    前記予成形部形状が圧延ロールによって与えられ、該予成形部形状が前記影響部長さ(Ln)よりも長い平行部を有することを特徴とする鋼片の圧延方法。
  2. 前記特定の圧延パス(nパス)における圧下率がrn、該圧延パス(nパス)の前の前記鋼片の幅がBn、該鋼片の厚さがHnであって、該鋼片の幅と厚さとの比(B/H比)が1以上のとき、前記影響部長さ(Ln)を前記圧下率と前記鋼片の幅と該鋼片の厚さとの関数
    Ln=f(Bn、Hn、rn)
    として求めることを特徴とする請求項1記載の鋼片の圧延方法。
  3. 前記関数が、Ln=−2Bn(α 2 −α)であって、このとき、α=ld/bm、ldは圧延ロールと前記鋼片との投影接触長さ、bmは接触部における平均幅であることを特徴とする請求項2記載の鋼片の圧延方法。
JP2005008755A 2005-01-17 2005-01-17 鋼片の圧延方法 Expired - Fee Related JP4470742B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005008755A JP4470742B2 (ja) 2005-01-17 2005-01-17 鋼片の圧延方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005008755A JP4470742B2 (ja) 2005-01-17 2005-01-17 鋼片の圧延方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006192490A JP2006192490A (ja) 2006-07-27
JP4470742B2 true JP4470742B2 (ja) 2010-06-02

Family

ID=36798952

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005008755A Expired - Fee Related JP4470742B2 (ja) 2005-01-17 2005-01-17 鋼片の圧延方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4470742B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5217498B2 (ja) * 2008-02-27 2013-06-19 Jfeスチール株式会社 可逆式圧延機による圧延方法および熱延鋼帯の製造方法
JP5716575B2 (ja) * 2011-06-30 2015-05-13 Jfeスチール株式会社 鋼片の圧延方法
CN103203358B (zh) * 2012-01-13 2015-05-20 宝山钢铁股份有限公司 改善可逆轧机轧制过程中咬入条件的轧制方法
CN110191768B (zh) 2017-01-27 2020-05-22 日本制铁株式会社 钢板桩的制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006192490A (ja) 2006-07-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6590087B2 (ja) 鋼矢板の製造方法
JP4470742B2 (ja) 鋼片の圧延方法
JPS58188501A (ja) H形鋼用粗形鋼片の製造方法
KR910000974B1 (ko) 슬라브의 폭압하방법
JP5347912B2 (ja) 厚鋼板の製造方法
JP2727943B2 (ja) 粗形鋼片の製造方法
JP5884753B2 (ja) 熱延鋼板の製造方法
JP2010075977A (ja) サイジングプレスによるスラブの成形方法
JP6365626B2 (ja) スラブの形状調整方法
JP3958959B2 (ja) 粗h形材の製造方法
JP5716575B2 (ja) 鋼片の圧延方法
JP4767434B2 (ja) フランジを有する形鋼の圧延方法および圧延装置列
JP7235014B2 (ja) ハット形鋼矢板の製造方法及び製造設備
JP4325414B2 (ja) 金属スラブの製造方法
JP4555790B2 (ja) 非対称h形粗形鋼片の圧延方法
JP3224047B2 (ja) プレスによる幅圧下方法
JP3848462B2 (ja) H形鋼の圧延方法
JP4109443B2 (ja) フランジを有する形鋼の圧延方法
JPH04367308A (ja) 冷間圧延方法
JP2010064123A (ja) サイジングプレスによるスラブの成形方法
JP6669044B2 (ja) H形鋼の製造方法
JP2002361301A (ja) 熱間粗圧延工程における板幅制御方法
JP2005230904A (ja) 異形鋼板の製造方法
JP2023113155A (ja) ハット形鋼矢板の製造方法
JP6299654B2 (ja) 鋼帯の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071025

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091020

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100209

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100222

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4470742

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140312

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees