JP2005238304A - 熱延鋼板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 鋼板長手方向全長にわたり、仕上圧延機出側での鋼板幅方向温度分布の温度差を解消して、鋼板の幅方向の温度分布をより均一化するように制御し、鋼板幅方向の材料機械特性や表面品質が幅方向に不均一になるのを防止できる熱延鋼板の製造方法を提供する。
【解決手段】 加熱炉で加熱後のスラブを粗圧延機で粗圧延して粗バーとした後、該粗バーを仕上圧延機で仕上圧延して熱延鋼板とする熱延鋼板の製造方法において、加熱炉内でのスラブの均熱度、および仕上圧延後の鋼板とスラブとの断面形状の変化を考慮して仕上圧延機出側での鋼板幅方向温度分布を予測し、この予測された鋼板幅方向温度分布に基づいて、仕上圧延機の圧延スタンド間に設けられた鋼板の幅方向端部からの特定位置を冷却する冷却手段により、前記温度分布を解消するように仕上圧延中の鋼板を冷却することを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】 加熱炉で加熱後のスラブを粗圧延機で粗圧延して粗バーとした後、該粗バーを仕上圧延機で仕上圧延して熱延鋼板とする熱延鋼板の製造方法において、加熱炉内でのスラブの均熱度、および仕上圧延後の鋼板とスラブとの断面形状の変化を考慮して仕上圧延機出側での鋼板幅方向温度分布を予測し、この予測された鋼板幅方向温度分布に基づいて、仕上圧延機の圧延スタンド間に設けられた鋼板の幅方向端部からの特定位置を冷却する冷却手段により、前記温度分布を解消するように仕上圧延中の鋼板を冷却することを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、仕上圧延機出側での鋼板幅方向温度分布の温度差を解消する熱延鋼板の製造方法に関するものである。
鉄鋼材料の熱間圧延では、材料温度の制御が重要である。それは、温度の時間変化が、結晶構造に影響を与え、これにより機械特性すなわち材料機能(品質)が大きく変化するからである。
したがって、その温度制御は被圧延材の長手方向はもとより幅方向でも行われる。すなわち、熱間圧延ラインの任意の場所にある鋼板の幅方向の温度分布を均一化するように制御され、これにより、鋼板幅方向の材料機械特性や表面品質が幅方向に不均一になるのを防止している。
一般に、材料端部では、上下面に加え側面の熱伝達が加わるため、中央部分よりも温度変化しやすい。つまり、加熱炉中では端部が過加熱になりやすく、加熱炉を出た後では逆に端部が冷えやすい。
このことから圧延機出側の鋼板幅方向の表面温度分布は、図3に示すごとく鋼板の端部が過冷却され中央部に比べて低温となる場合か、または図4に示すごとく、鋼板の端部では温度が低いが、端部から少し内側部分に温度極大値ができる場合の典型的な2つの分布となりやすい。特に図4に示すような、鋼板の端部では温度が低いが、端部から少し内側部分に温度極大値ができる場合を、鋼板幅方向M型温度分布という。
図3に示すような鋼板の幅方向端部が過冷却され中央部に比べて低温となる場合には、エッジヒーター等により鋼板の幅方向端部を加熱することによりこれを解消することが可能であるが、図4に示すような鋼板幅方向M型温度分布については、これを解消する手段がなかった。
また、上述した鋼板幅方向M型温度分布のような鋼板幅方向温度分布が生じると、特に温度が高いところでは材質が悪化して品質上の問題となることがあった。
そこで、このような鋼板幅方向M型温度分布の温度不均一を解消するため、熱間圧延材端部の加熱や保熱と、圧延材端部の圧延材幅方向位置移動に追従する手段の圧延材幅方向移動に連動して、圧延材幅方向に移動するようにされた圧延材端部冷却手段による冷却とを併用して、圧延材端部の温度極大部の発生を防止する熱間圧延材の幅方向温度制御方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平8−243627号公報
しかしながら、上記した従来技術には次のような問題がある。
特許文献1では、熱間圧延材端部の加熱や保熱と、圧延材幅方向に移動するようにされた圧延材端部冷却手段による冷却とを併用することによって、圧延材端部の温度極大部の発生を防止する熱間圧延材の幅方向温度制御を行おうとしている。そして、その具体的な方法として、幅方向の鋼板温度分布を測定する幅方向温度計を設け、その測定値によって鋼板端部の温度極大発生を判定し、フィードフォワード制御またはフィードバック制御により冷却スプレーの噴射を制御することが記載されている。
しかし、例えば仕上圧延機出側に設けられた温度計により仕上圧延スタンド間の冷却スプレーを制御する場合、圧延材先端が仕上圧延機出側温度計に到達するまでの間の制御を行うことができない。
一方、例えば仕上圧延機入側に設けられた温度計により仕上圧延スタンド間の冷却スプレーを制御する場合には、圧延材先端から冷却スプレーの制御を行うことができる。しかしながら、本発明者等の検討によれば、仕上圧延機入側において幅方向の温度分布がほぼ均一である場合であっても、仕上圧延後の鋼板に、前述した鋼板幅方向M型温度分布が生じる場合があった。このような場合には、仕上圧延機入側で温度計測したとしても、その後の仕上圧延中に生じる幅方向の温度変化を予測できなければ、精度の良いフィードフォワード制御を行うことができず、場合によっては幅方向温度分布をかえって悪化させてしまう場合すらあり得る。
したがって本発明の目的は、鋼板長手方向全長にわたり、仕上圧延機出側での鋼板幅方向温度分布の温度差を解消して、鋼板の幅方向の温度分布をより均一化するように制御し、これにより、鋼板幅方向の材料機械特性や表面品質が幅方向に不均一になるのを防止できる熱延鋼板の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、図4に示す熱間圧延ラインの鋼板幅方向M型温度分布発生の原因を検討した。
その結果、鋼板幅方向M型温度分布発生の傾向は、(1)圧延サイクルの後半での発生が多い。(2)鋼板仕上厚/スラブ厚が小さいほどM型温度分布の温度差が大きい。つまり、スラブの断面形状を固定して考えると鋼板の仕上厚が小さいほどM型温度分布の温度差が大きい。(3)鋼板仕上幅/スラブ幅が大きいほどM型温度分布の温度差が大きい。つまり、スラブの断面形状を固定して考えると鋼板の仕上幅が大きいほど、すなわち幅殺し量が小さいほどM型温度分布の温度差が大きい。(4)M型温度分布のピ−クは鋼板端部から平均約100〜150mmの位置に発生する。(5)仕上圧延機出側位置において、鋼板幅方向中央とM型温度分布のピ−ク位置との温度差は約15〜30℃となる。ことが判った。そして、これらの傾向を分析すると、熱間圧延ラインの鋼板幅方向M型温度分布発生の原因は、加熱炉における加熱段階でのスラブの均熱度による影響が最も大きいとの知見を得た。
つまり、圧延サイクルにおいては、サイクルの最初は一般的にロール組替等があるので、在炉時間が長くなり加熱炉内でのスラブの均熱度が上昇する。そこで鋼板幅方向M型温度分布は、スラブの均熱度が下降してくる圧延サイクルの後半での発生が多いことになる。
また、上記(2)の鋼板仕上厚/スラブ厚が小さいほどM型温度分布の温度差が大きいことは以下のメカニズムで説明できる。つまり、図5に示すように加熱炉でのスラブの均熱度(例えば断面中心温度/表層温度)が高ければ加熱後のスラブを圧延した後に、仕上圧延後の鋼板とスラブとの断面形状の変化によらずに鋼板幅方向M型温度分布は発生しにくい。しかし、図6に示すように加熱炉でのスラブの均熱度が低いと、スラブの周囲は温度が高いが中心部分は温度が低いため、加熱後のスラブを圧延した後に、鋼板仕上厚/スラブ厚が小さいほど低温部分の影響が鋼板の表層にまで及んで鋼板幅方向M型温度分布が発生大となる。
さらに、上記(3)の鋼板仕上幅/スラブ幅が大きいほどM型温度分布の温度差が大きいことは以下のメカニズムで説明できる。つまり、図7に示すように加熱炉でのスラブの均熱度が低いと、スラブの周囲は温度が高いが中心部分は温度が低いため、加熱後のスラブを圧延した後に、鋼板仕上幅/スラブ幅が大きいほど鋼板の幅端部に温度の高い部分が残り、鋼板幅方向M型温度分布が発生大となるが、幅殺し量が大きく鋼板仕上幅/スラブ幅が小さいほど鋼板の幅端部の温度の高い部分は狭くなり、高温部分が鋼板端部の過冷却される部分に含まれるので、鋼板幅方向M型温度分布が発生小となる。
そこで例えば、鋼板幅方向M型温度分布の温度差をΔTとすると、ΔTは以下の式で表すことができる。
ΔT=af1(F)+bf2(tp/ts)+cf3(bp/bs)…(1)
ここで、f1、f2、f3は関数、a、b、cは常数、F:均熱度(スラブの断面中心温度/表層温度)、ts:スラブ厚、bs:スラブ幅、tp:鋼板仕上厚、bp:鋼板仕上幅
上式(1)においては、スラブの均熱度Fが大きくなるとf1(F)は減少するし、tp/tsが小さいほどf2(tp/ts)は増加するし、bp/bsが大きいほどf3(bp/bs)が増加する。
ΔT=af1(F)+bf2(tp/ts)+cf3(bp/bs)…(1)
ここで、f1、f2、f3は関数、a、b、cは常数、F:均熱度(スラブの断面中心温度/表層温度)、ts:スラブ厚、bs:スラブ幅、tp:鋼板仕上厚、bp:鋼板仕上幅
上式(1)においては、スラブの均熱度Fが大きくなるとf1(F)は減少するし、tp/tsが小さいほどf2(tp/ts)は増加するし、bp/bsが大きいほどf3(bp/bs)が増加する。
よって、加熱炉内でのスラブの均熱度、および仕上圧延後の鋼板とスラブとの断面形状の変化を考慮して仕上圧延機出側での鋼板幅方向温度分布を予測し、この予測された鋼板幅方向温度分布に基づいて、仕上圧延機の圧延スタンド間に設けられた鋼板の幅方向端部からの特定位置を冷却する冷却手段により、この温度分布を解消するように冷却手段により仕上圧延中の鋼板を冷却すればよい。
さらに、M型温度分布のピ−クは鋼板端部から平均約100〜150mmの位置に発生するから、鋼板の幅方向端部からの特定位置を冷却する必要がある。そこで、熱延鋼板の板幅が変化しても、この板幅に追従して動いて冷却できるように、本冷却手段は、圧延スタンド間に設置されている仕上圧延中の熱延鋼板をセンタリングするためのサイドガイドに設置されることが好ましいことが判った。
また、このような冷却手段による鋼板の冷却を仕上圧延機の後段で行うと、熱延鋼板の冷却された部分はα域(フェライト域)になってしまい、当該部分のみが伸びて絞りを発生する懸念がある。そこで、このような冷却手段による鋼板の冷却は、仕上圧延機の第4圧延スタンドより上流側の圧延スタンド間において行うことが好ましいことが判った。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、その特徴は以下の通りである
(1)加熱炉で加熱後のスラブを粗圧延機で粗圧延して粗バーとした後、該粗バーを仕上圧延機で仕上圧延して熱延鋼板とする熱延鋼板の製造方法において、前記加熱炉内での前記スラブの均熱度、および仕上圧延後の鋼板とスラブとの断面形状の変化を考慮して仕上圧延機出側での鋼板幅方向温度分布を予測し、この予測された鋼板幅方向温度分布に基づいて、前記仕上圧延機の圧延スタンド間に設けられた鋼板の幅方向端部からの特定位置を冷却する冷却手段により、前記温度分布を解消するように仕上圧延中の鋼板を冷却することを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
(1)加熱炉で加熱後のスラブを粗圧延機で粗圧延して粗バーとした後、該粗バーを仕上圧延機で仕上圧延して熱延鋼板とする熱延鋼板の製造方法において、前記加熱炉内での前記スラブの均熱度、および仕上圧延後の鋼板とスラブとの断面形状の変化を考慮して仕上圧延機出側での鋼板幅方向温度分布を予測し、この予測された鋼板幅方向温度分布に基づいて、前記仕上圧延機の圧延スタンド間に設けられた鋼板の幅方向端部からの特定位置を冷却する冷却手段により、前記温度分布を解消するように仕上圧延中の鋼板を冷却することを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
(2)仕上圧延後の鋼板幅方向温度分布を予測する際、加熱炉内でのスラブの均熱度としてスラブ断面内の温度差を、仕上圧延後の鋼板とスラブとの断面形状の変化として鋼板の板厚/スラブ厚と鋼板の板幅/スラブ幅を、それぞれ考慮することを特徴とする上記(1)に記載の熱延鋼板の製造方法。
(3)圧延スタンド間に設けられた鋼板の幅方向端部からの特定位置を冷却する冷却手段による鋼板の冷却を、仕上圧延機の第4圧延スタンドより上流側の圧延スタンド間において行うことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の熱延鋼板の製造方法。
(4)圧延スタンド間に設けられた鋼板の幅方向端部からの特定位置を冷却する冷却手段が、仕上圧延中の鋼板をセンタリングするためのサイドガイドに設置されることを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の熱延鋼板の製造方法。
(5)仕上圧延される鋼板の先端が仕上圧延機出側に設置された鋼板の幅方向温度分布を測定する温度計に到達するまでの間は上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の熱延鋼板の製造方法により鋼板の仕上圧延を行ない、鋼板の先端が前記温度計に到達した後は該温度計による温度計測値に基づいて圧延スタンド間に設けられた鋼板の幅方向端部からの特定位置を冷却する冷却手段により仕上圧延中の鋼板を冷却することを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
本発明によれば、熱間圧延ラインの鋼板の幅方向の温度分布をより均一化するように制御することができて、鋼板幅方向の材料機械特性や表面品質が幅方向に不均一になるのを防止することができる。
図1および図2は、本発明の熱延鋼板の製造方法の実施に供する仕上圧延機の圧延スタンド間の冷却手段の一例を示す説明図で、図1は側面図、図2は正面図である。
図1に示すように、本実施形態の冷却手段は、第1〜第7圧延スタンド(図中F1〜F7と表示)から構成される仕上圧延機1の第4圧延スタンド(F4)より上流側の圧延スタンド間であるF1〜F2、F2〜F3およびF3〜F4の間に2列ずつ、且つ仕上圧延中の鋼板10の上下方向に設置されている。つまり、本実施形態の冷却手段は、鋼板10の上方に設置される上部冷却手段2を6列と鋼板10の下方に設置される下部冷却手段3を6列とを備えている。
また、図2に示すように、本実施形態の冷却手段は、F1〜F2、F2〜F3およびF3〜F4の間に、且つ鋼板の幅方向端部からの特定位置を冷却するために、冷却ノズル2a、2bが仕上圧延中の鋼板10をセンタリングするためのサイドガイド4a、4bにそれぞれ設置されている。図2には冷却ノズル2a、2bからなる上部冷却手段2の1列のみを示して、下部冷却手段3は省略してある。
また、仕上圧延機1出側には鋼板10の幅方向温度分布を測定する温度計5が設置されている。
前記冷却ノズル2a、2bは、サイドガイド4a、4bにそれぞれ設置されていることにより、鋼板の板幅が変化してもこの板幅に追従して動いて鋼板を冷却できるので、鋼板端部から平均約100〜150mmの幅方向端部からの特定位置に発生するM型温度分布のピ−クを解消できる。
本発明の熱延鋼板の製造方法は、加熱炉内でのスラブの均熱度、および仕上圧延後の鋼板とスラブとの断面形状の変化を考慮して仕上圧延機1出側での鋼板幅方向温度分布を予測し、この予測された鋼板幅方向温度分布に基づいて、この温度分布を解消するために必要な仕上圧延機1の圧延スタンド間(本実施形態ではF1〜F2、F2〜F3およびF3〜F4の間の鋼板10の上下方向)に設けられた鋼板の幅方向端部からの特定位置を冷却する冷却手段2および3による冷却量(冷却水量や使用する冷却手段の列数など)を求め、それに従って冷却手段2および3により仕上圧延中の鋼板10を冷却して熱延鋼板を製造する。
ここで、鋼板幅方向温度分布の予測や冷却手段による冷却量の設定は、例えば前述の(1)式を用いるなどしてその都度計算により求めてもよいし、均熱度や仕上圧延後の鋼板とスラブとの断面形状の変化と、使用する冷却手段の列数との関係を予めテーブル化しておいてもよい。
なお、上述した鋼板の冷却方法はいわゆるプリセット制御であり、鋼板全長にわたり上述した冷却方法を行ってもよい。しかし、仕上圧延される鋼板の先端が仕上圧延機1出側に設置された温度計5に到達するまでの間はこのプリセット制御方法により鋼板の仕上圧延を行ない、鋼板の先端が温度計5に到達した後はこの温度計5による温度計測値に基づいて圧延スタンド間(本実施形態ではF1〜F2、F2〜F3およびF3〜F4の間の鋼板10の上下方向)に設けられた鋼板の幅方向端部からの特定位置を冷却する冷却手段2および3により冷却量を制御するいわゆるフィードバック制御により仕上圧延中の鋼板10を冷却して熱延鋼板を製造してもよい。このようないわゆるフィードバック制御と組合せることにより、仕上圧延される鋼板の先端が仕上圧延機1出側の温度計5に到達した後の幅方向温度分布をより均一化することができる。
表1〜表6は、本発明の加熱炉内でのスラブの均熱度F、および仕上圧延後の鋼板とスラブとの断面形状の変化として鋼板の板厚(仕上厚)/スラブ厚と鋼板の板幅(仕上幅)/スラブ幅を考慮して仕上圧延機出側での鋼板幅方向温度分布を予測し、この予測された鋼板幅方向温度分布に基づいて、図1および図2に示した、仕上圧延機の圧延スタンド間F1〜F2、F2〜F3およびF3〜F4に設けられた鋼板の幅方向端部からの特定位置を冷却する上部冷却手段2の6列および下部冷却手段3の6列の合計12列のうち、鋼板幅方向M型温度分布を解消するために使用すべき冷却手段の個数(列数)を求めた一例を示している。
表1〜表6において、加熱炉内でのスラブの均熱度Fはスラブの断面中心温度/表層温度で、表1は0.98≦Fで最もスラブの均熱度が高く、表6はF<0.9で最もスラブの均熱度が低い。また、各表において仕上厚/スラブ厚(tps=tp/ts)は、0.03<tps、0.02<tps≦0.03、…、tps≦0.002の8種類とし、仕上幅/スラブ幅(bps=bp/bs)は、bps<0.8、0.8≦bps<0.9、0.9≦bpsの3種類とした。
表1〜表6において、加熱炉内でのスラブの均熱度Fが低くなる程、仕上厚/スラブ厚(tps)が小さくなる程、仕上幅/スラブ幅(bps)が大きくなる程、仕上圧延中の鋼板の冷却に用いる冷却手段の個数(列数)が多くなっている。
このような表1〜表6のテーブルを用い、加熱炉内でのスラブの均熱度、および仕上圧延後の鋼板とスラブとの断面形状の変化から、仕上げ圧延機1の圧延スタンド間に設けられた鋼板の幅方向端部からの特定位置を冷却する冷却手段2および3の使用列数を定め、それに従って鋼板幅方向温度分布を解消するように仕上圧延中の鋼板10を冷却して熱延鋼板を製造した。
図8は、仕上厚が1.2〜22.5mm、仕上幅が650〜1900mmの熱延鋼板を製造した際に、仕上圧延される鋼板の先端が仕上圧延機出側に設置された鋼板の幅方向温度分布を測定する温度計に到達するまでの間に圧延された領域の鋼板幅方向M型温度分布の温度差の平均値を示しており、前述の方法により冷却手段2および3を使用した本発明例と、このような冷却手段2および3のプリセットを行わない従来技術の比較例とを示している。
図8によれば、本発明例での鋼板幅方向M型温度分布の温度差の平均値は5℃であり、比較例でのその平均値は14℃で、本発明により鋼板幅方向M型温度分布の温度差は約1/3となり、鋼板幅方向の材料機械特性や表面品質を幅方向により均一化できた。
1 仕上圧延機
2 上部冷却手段
2a、2b 冷却ノズル
3 下部冷却手段
4a、4b サイドガイド
5 温度計
10 鋼板
2 上部冷却手段
2a、2b 冷却ノズル
3 下部冷却手段
4a、4b サイドガイド
5 温度計
10 鋼板
Claims (5)
- 加熱炉で加熱後のスラブを粗圧延機で粗圧延して粗バーとした後、該粗バーを仕上圧延機で仕上圧延して熱延鋼板とする熱延鋼板の製造方法において、前記加熱炉内での前記スラブの均熱度、および仕上圧延後の鋼板とスラブとの断面形状の変化を考慮して仕上圧延機出側での鋼板幅方向温度分布を予測し、この予測された鋼板幅方向温度分布に基づいて、前記仕上圧延機の圧延スタンド間に設けられた鋼板の幅方向端部からの特定位置を冷却する冷却手段により、前記温度分布を解消するように仕上圧延中の鋼板を冷却することを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
- 仕上圧延後の鋼板幅方向温度分布を予測する際、加熱炉内でのスラブの均熱度としてスラブ断面内の温度差を、仕上圧延後の鋼板とスラブとの断面形状の変化として鋼板の板厚/スラブ厚と鋼板の板幅/スラブ幅を、それぞれ考慮することを特徴とする請求項1に記載の熱延鋼板の製造方法。
- 圧延スタンド間に設けられた鋼板の幅方向端部からの特定位置を冷却する冷却手段による鋼板の冷却を、仕上圧延機の第4圧延スタンドより上流側の圧延スタンド間において行うことを特徴とする請求項1または2に記載の熱延鋼板の製造方法。
- 圧延スタンド間に設けられた鋼板の幅方向端部からの特定位置を冷却する冷却手段が、仕上圧延中の鋼板をセンタリングするためのサイドガイドに設置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の熱延鋼板の製造方法。
- 仕上圧延される鋼板の先端が仕上圧延機出側に設置された鋼板の幅方向温度分布を測定する温度計に到達するまでの間は請求項1乃至4のいずれかに記載の熱延鋼板の製造方法により鋼板の仕上圧延を行ない、鋼板の先端が前記温度計に到達した後は該温度計による温度計測値に基づいて圧延スタンド間に設けられた鋼板の幅方向端部からの特定位置を冷却する冷却手段により仕上圧延中の鋼板を冷却することを特徴とする熱延鋼板の製造方法。
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JP2010530807A (ja) * | 2007-06-22 | 2010-09-16 | エス・エム・エス・ジーマーク・アクチエンゲゼルシャフト | 鋼鉄製ストリップの熱間圧延及び熱処理法 |
JP2011527634A (ja) * | 2008-07-12 | 2011-11-04 | エス・エム・エス・ジーマーク・アクチエンゲゼルシャフト | 圧延製品、特に熱間圧延されたスチールストリップの長手方向をガイドするための方法と、この方法を実施するための熱間圧延機 |
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