JP2017124478A - アシスト器具 - Google Patents
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Abstract
Description
これにより、アシスト器具を装着した状態において、作業者はハンド部により荷物を保持するのであり、この状態で荷物はハンド部に支持される。作業者はハンド部を手で持つことにより、荷物の位置を安定させる(荷物が振ら付かないようにする)。
本体部に備えられた駆動装置によりワイヤを巻き取ることによって、ハンド部(荷物)を上昇させることができるのであり、駆動装置によりワイヤを繰り出すことによって、ハンド部(荷物)を下降させることができる。
本発明は、ハンド部により荷物を保持した状態及びハンド部により荷物を保持していない状態において、ハンド部を適切に下降させることができるように構成することを目的としている。
(構成)
本発明の第1特徴は、アシスト器具において次のように構成することにある。
作業者に取り付けられる本体部と、前記本体部から前側に延出されたアーム部と、
前記アーム部から下側に延出されたワイヤと、作業者が手で持つことにより荷物を保持するもので前記ワイヤに連結されたハンド部とを備え、
前記ワイヤを巻き取ることにより前記ハンド部を上昇させ且つ前記ワイヤを繰り出すことにより前記ハンド部を下降させる回転体と、前記回転体を巻き取り側及び繰り出し側に回転駆動する電動モータと、前記回転体の回転速度を検出する回転速度センサーと、
人為的に操作される手動操作部と、前記手動操作部の操作信号に基づいて前記電動モータを巻き取り側及び繰り出し側に作動させる制御装置とを備えて、
前記電動モータが繰り出し側に作動する状態において、前記回転速度センサーの検出値が所定値を高速側に超えると、前記制御装置は、前記電動モータに巻き取り側の小さな駆動力を発生させて、前記回転体の繰り出し側への回転に抵抗を与える。
[I]−1
ハンド部に荷物を保持していない状態や、ハンド部に軽い荷物を保持している状態であると、ハンド部に掛かる重量は小さなものである。
本発明の第1特徴によると、作業者が手動操作部を操作して、電動モータにより回転体が繰り出し側に回転駆動され始めた場合、ハンド部に荷物を保持していない状態や、ハンド部に軽い荷物を保持している状態であると、ハンド部に掛かる重量が小さなものであることにより、ハンド部の下降速度(回転体の繰り出し側の回転速度)は高速にはならないので、電動モータによる回転体の繰り出し側の回転駆動が続行される。
前項[I]−1に記載の状態に対して、ハンド部に重い荷物を保持している状態であると、ハンド部に掛かる重量は大きなものとなる。
これにより、作業者が手動操作部を操作して、電動モータにより回転体が繰り出し側に回転駆動され始めた場合、ハンド部に重い荷物を保持している状態であると、ハンド部に掛かる大きな重量により、ハンド部が高速で下降しようとする。
本発明の第1特徴によると、前項[I]−2に記載の状態において、回転体の回転速度が所定値を高速側に超えると、電動モータに繰り出し側とは逆の巻き取り側の小さな駆動力が発生するのであり、回転体の繰り出し側への回転に対して電動モータから抵抗が掛かる。
これにより、ハンド部に重い荷物を保持している状態であっても、ハンド部(荷物)が適切な速度で下降するので、荷物を保持したハンド部を下降させて荷物を目的の位置に置くような作業が、正確に且つ楽に行えるようになる。
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴のアシスト器具において次のように構成することにある。
前記電動モータが繰り出し側に作動する状態において、前記回転速度センサーの検出値が所定値を高速側に超えると、
前記制御装置は、
前記回転体が予め設定された設定回転速度で繰り出し側に回転するように、前記電動モータに巻き取り側の小さな駆動力を発生させて、前記回転体の繰り出し側への回転に抵抗を与える。
前項[I]−3に記載の状態において、本発明の第2特徴によると、電動モータの巻き取り側の小さな駆動力が制御されて、回転体が予め設定された設定回転速度で繰り出し側に回転する。これにより、ハンド部が一定の速度で下降する状態となるので、荷物を保持したハンド部を下降させて荷物を目的の位置に置くような作業が、正確に且つ楽に行えるようになる。
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第1又は第2特徴のアシスト器具において次のように構成することにある。
前記電動モータに掛かる負荷を検出する負荷検出部を備えて、
制御装置は、前記負荷検出部の検出値が急減すると、前記電動モータを停止させる。
荷物を保持したハンド部を下降させて荷物を目的の位置に置く場合、本発明の第3特徴によると、荷物を目的の位置に置くと、荷物の重量が電動モータに掛からなくなり、電動モータに掛かる負荷が急減するので、これに伴って電動モータが停止する。
これにより、荷物を置いた(離した)ハンド部が停止しているのに、回転体がワイヤを繰り出して、ワイヤが弛んで絡まるとういう状態を避けることができる。
先ず、アシスト器具の全体構成及び本体部1について説明する。
図1,2,3に示すように、作業者の背中部に取り付けられる本体部1、本体部1の上部から上側に延出された右及び左のアーム部2、本体部1の下部に備えられた右及び左の脚作用部3が備えられており、作業者への装着用の取付ベルト4、右及び左の肩ベルト5が備えられて、アシスト器具が構成されている。
次に、右及び左の脚作用部3について説明する。
図1,2,3に示すように、右及び左の脚作用部3は、基部10、伝動ケース11、操作アーム12及び脚ベルト13等を備えている。横フレーム9に左右方向にスライド自在に基部10が支持されており、基部10の外端部に伝動ケース11が前向きに連結されている。
これにより、取付ベルト4の腰部への巻き付け具合により、作業者の体格に合わせるように右及び左の脚作用部3の間隔が決まるのであり、取付ベルト4により右及び左の脚作用部3の位置が決められた状態となる。
次に、右及び左のアーム部2について説明する。
図1,2,3に示すように、右及び左の縦フレーム6の上部が、作業者の右及び左の肩部を越えて斜め前側の斜め上側に延出されて、右及び左のアーム部2が構成されており、右及び左のアーム部2の上端部に、案内プーリー33が回転自在に支持されている。
前述の状態において、作業者は右手及び左手の親指により上昇及び下降操作スイッチ23,24を押し操作する。この場合、上昇及び下降操作スイッチ23,24は復帰型に構成されており、作業者が上昇及び下降操作スイッチ23,24を押し操作していると、上昇及び下降操作スイッチ23,24から操作信号が出力されるのであり、作業者が上昇及び下降操作スイッチ23,24の押し操作を止めると、上昇及び下降操作スイッチ23,24の操作信号は停止する。
次に、駆動装置17について説明する。
図4及び図5に示すように、駆動装置17は、左右方向の回転軸芯P2周りに回転自在に左右方向に配置された4個の回転体25,26,27,28と、4個の回転体25〜28の下側に左右方向に配置された電動モータ29と、電動モータ29の出力軸29a側の端部と回転体25〜28の左の端部(電動モータ29の出力軸29a側の端部)とに亘って上下方向に配置された伝動機構30とを備えている。
伝動ケース31と蓋部32の上部に、伝動軸34が回転自在に支持されており、伝動軸34が伝動ケース31と蓋部32から右及び左側に突出している。伝動軸34に第3ギヤ43が固定されており、第3ギヤ43が第2ギヤ42と咬合している。
電動モータ29に電磁ブレーキ(図示せず)が備えられている。電動モータ29の作動時に電磁ブレーキは解除状態となり、電動モータ29の停止時及び非通電時に電磁ブレーキは制動状態となる。
次に、駆動装置17とワイヤ18,19との接続について説明する。
図4及び図5に示すように、回転体25〜28は合成樹脂により円柱状に構成されており、回転体25〜28の外周面を複数周に亘って螺旋状(雄ネジ状)に回りながら、回転体25〜28の外周面の全幅に亘って連続した1本の溝部が、回転体25〜28の外周面に備えられている。
例えば、床に置かれた荷物を高い棚やトラックの荷台に置くような場合、作業者がしゃがんで床の荷物を手で持ち、次に手を下に延ばした状態で荷物を持ちながら立ち上がり、次に手で荷物を持ち上げて、荷物を高い棚やトラックの荷台に置くような状態が想定される。
前述の状態において、上昇及び下降操作スイッチ23,24の押し操作に基づいて、制御装置14により右及び左の脚作用部3、駆動装置17(電動モータ29)が作動する状態について説明する。
これにより、作業者が歩行する場合や、作業者が膝部を曲げて腰部を落とす場合(しゃがむ場合)、作業者の太腿に追従するように操作アーム12が揺動するのであり、作業者の動作が妨げられることはない。
これにより、電動モータ29が停止した状態において、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが繰り出されることはなく、後述するように右及び左のハンド部20に荷物の重量が掛かっても、右及び左のハンド部20が下降することはない。
前述のように作業者が立ち上がる際において、前述の電動モータ29のブレーキ機能により、右及び左のハンド部20(荷物)が下降することはない。
以上のようにして、荷物を高い棚やトラックの荷台等に置くと、最初の状態に戻り、次の荷物に対して同様な操作を行う。
前項[6]に記載の状態において、作業者が下降操作スイッチ24を押し操作した状態(角度センサー35及び負荷検出部44の検出に基づいて、制御装置14が電動モータ29を制御する状態)について説明する。
図6に示すように、作業者が下降操作スイッチ24を押し操作して、回転体25〜28が繰り出し側に回転駆動された場合(時点T1参照)、右及び左のハンド部20に荷物を掛けていない状態又は右及び左のハンド部20に軽い荷物を掛けている状態であれば、回転体25〜28の繰り出し側の回転速度(右及び左のハンド部20の下降速度)は高速にはならない。
次に作業者が下降操作スイッチ24を押し操作を止めると(時点T2参照)、電動モータ29が停止する。
図6に示すように、作業者が下降操作スイッチ24を押し操作して、回転体25〜28が繰り出し側に回転駆動された場合(時点T3参照)、右及び左のハンド部20に重い荷物を掛けている状態であれば、回転体25〜28の繰り出し側の回転速度(右及び左のハンド部20の下降速度)は高速側に加速される。
前述の[発明を実施するための形態]において、図6に示すように、回転体25〜28の繰り出し側の回転速度(右及び左のハンド部20の下降速度)が設定回転速度V3に維持されるように、電動モータ29の巻き取り側の小さな駆動力を制御するのではなく、回転体25〜28の繰り出し側の回転速度(右及び左のハンド部20の下降速度)が所定値V2を高速側に越えると(時点T4参照)、電動モータ29に巻き取り側の一定の小さな駆動力(一定の抵抗)(一定の制動)が発生する状態となるように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための形態]において、図6に示す所定値V2と設定回転速度V3とを同じ値に設定してもよい。
前述の[発明を実施するための形態]において、人為的に操作可能な操作スイッチ等により、所定値V2及び設定回転速度V3を高速側及び低速側に、人為的に調節することができるように構成してもよい。
前述の[発明の実施の第1別形態]において、人為的に操作可能な操作スイッチ等により、所定値V2を高速側及び低速側に、人為的に調節することができるように構成してもよい。
前述の[発明の実施の第2別形態]において、人為的に操作可能な操作スイッチ等により、設定回転速度V3(所定値)を高速側及び低速側に、人為的に調節することができるように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第3別形態]において、図1,2,3に示す右及び左のハンド部20に荷物が掛けられているか否かを検出する存否センサー(図示せず)を、右及び左のハンド部20に備えて、右及び左のハンド部20に荷物が掛けられていないと、電動モータ29の電磁ブレーキが解除状態(又は軽い制動状態)に操作されるように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第4別形態]において、図1,2,3に示す右のハンド部20に対して、1本のワイヤ18及び1個の回転体25を備え、左のハンド部20に対して、1本のワイヤ18及び1個の回転体28を備えるように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第5別形態]において、右及び左のアーム部2を廃止して、1本のアーム部2を備えてもよい。
前述のように構成した場合、1本のアーム部2から2本のワイヤ18を延出して、2本のワイヤ18の一方に右のハンド部20を備え、2本のワイヤ18の他方に左のハンド部20を備える。
又は、1本のアーム部2から1本のワイヤ18を延出し、1本のワイヤ18の端部を二股状に分岐させて、分岐部分の一方に右のハンド部20を備え、分岐部分の他方に左のハンド部20を備える。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第6別形態]において、右及び左の脚作用部3を備えないように構成してもよい。バッテリー16を、支持板15ではなく横フレーム9の後面に取り付けるように構成してもよい。
2 アーム部
14 制御装置
18,19 ワイヤ
20 ハンド部
23,24 手動操作部
25〜28 回転体
29 電動モータ
35 回転速度センサー
44 負荷検出部
V2 所定値
V3 設定回転速度
Claims (3)
- 作業者に取り付けられる本体部と、前記本体部から前側に延出されたアーム部と、
前記アーム部から下側に延出されたワイヤと、作業者が手で持つことにより荷物を保持するもので前記ワイヤに連結されたハンド部とを備え、
前記ワイヤを巻き取ることにより前記ハンド部を上昇させ且つ前記ワイヤを繰り出すことにより前記ハンド部を下降させる回転体と、前記回転体を巻き取り側及び繰り出し側に回転駆動する電動モータと、前記回転体の回転速度を検出する回転速度センサーと、
人為的に操作される手動操作部と、前記手動操作部の操作信号に基づいて前記電動モータを巻き取り側及び繰り出し側に作動させる制御装置とを備えて、
前記電動モータが繰り出し側に作動する状態において、前記回転速度センサーの検出値が所定値を高速側に超えると、前記制御装置は、前記電動モータに巻き取り側の小さな駆動力を発生させて、前記回転体の繰り出し側への回転に抵抗を与えるアシスト器具。 - 前記電動モータが繰り出し側に作動する状態において、前記回転速度センサーの検出値が所定値を高速側に超えると、
前記制御装置は、
前記回転体が予め設定された設定回転速度で繰り出し側に回転するように、前記電動モータに巻き取り側の小さな駆動力を発生させて、前記回転体の繰り出し側への回転に抵抗を与える請求項1に記載のアシスト器具。 - 前記電動モータに掛かる負荷を検出する負荷検出部を備えて、
制御装置は、前記負荷検出部の検出値が急減すると、前記電動モータを停止させる請求項1又は2に記載のアシスト器具。
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