JP2017124476A - アシスト器具 - Google Patents
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Abstract
Description
これにより、アシスト器具を装着した状態において、作業者はハンド部により荷物を保持するのであり、この状態で荷物はハンド部に支持される。作業者はハンド部を手で持つことにより、荷物の位置を安定させる(荷物が振ら付かないようにする)。
本体部に備えられた駆動装置によりワイヤを巻き取ることによって、ハンド部(荷物)を上昇させることができるのであり、駆動装置によりワイヤを繰り出すことによって、ハンド部(荷物)を下降させることができる。
本発明は、ハンド部により荷物を保持した状態及びハンド部により荷物を保持していない状態において、ハンド部を適切に上昇させることができるように構成することを目的としている。
(構成)
本発明の第1特徴は、アシスト器具において次のように構成することにある。
作業者に取り付けられる本体部と、前記本体部から前側に延出されたアーム部と、
前記アーム部から下側に延出されたワイヤと、作業者が手で持つことにより荷物を保持するもので前記ワイヤに連結されたハンド部とを備え、
前記ワイヤを巻き取ることにより前記ハンド部を上昇させ且つ前記ワイヤを繰り出すことにより前記ハンド部を下降させる回転体と、前記回転体を巻き取り側及び繰り出し側に回転駆動する電動モータと、前記回転体の回転速度を検出する回転速度センサーと、
人為的に操作される手動操作部と、前記手動操作部の操作信号に基づいて前記電動モータを巻き取り側及び繰り出し側に作動させる制御装置とを備えて、
前記制御装置は、
前記回転速度センサーの検出値に基づいて、前記回転体が予め設定された設定回転速度で巻き取り側に回転するように、前記電動モータを巻き取り側に作動させる。
ハンド部に荷物を保持していない状態や、ハンド部に軽い荷物を保持している状態であると、ハンド部に掛かる重量は小さなものである。逆にハンド部に重い荷物を保持している状態であると、ハンド部に掛かる重量は大きなものとなる。
本発明の第1特徴によると、回転体の回転速度を検出する回転速度センサーの検出値に基づいて、回転体が予め設定された設定回転速度で巻き取り側に回転するように、電動モータが巻き取り側に作動するので、前述のようにハンド部に掛かる重量が小さな状態でも大きな状態でも、ハンド部(荷物)が一定の速度(設定値)で上昇することになり、ハンド部(荷物)を目的に位置(高さ)に上昇させる作業が、正確に行えるようになる。
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴のアシスト器具において次のように構成することにある。
人為的に操作されるもので前記設定回転速度を高速側及び低速側に変更する設定値変更部を備えている。
前項[I]に記載のように、ハンド部(荷物)が一定の速度(設定回転速度)で上昇する状態において、作業者が設定値変更部を操作することにより、回転体(電動モータ)の回転速度である設定回転速度を高速側及び低速側に変更することができる。
これにより、作業者の技量や作業状況に応じて、ハンド部の適切な上昇速度を設定することができるようになり、作業能率の向上を図ることができる。
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第2特徴のアシスト器具において次のように構成することにある。
前記本体部から作業者の腰部の右側又は左側に支持部材を延出して、前記設定値変更部を前記支持部材に備えている。
アシスト器具を装着した作業者が設定値変更部を操作する場合、設定値変更部が作業者の腰部の右側(左側)に位置しているので、作業者は右手(左手)で設定値変更部を容易に操作することができる。
この場合、設定値変更部が作業者の前側に位置していないので、ハンド部に保持した荷物が作業者の前側に位置したとしても、荷物が設定値変更部に接触することはなく、荷物との接触により設定値変更部が破損するというようなことがない。
(構成)
本発明の第4特徴は、本発明の第3特徴のアシスト器具において次のように構成することにある。
前記本体部に支持されて作業者の右の大腿部に作用する右の脚作用部と、前記本体部に支持されて作業者の左の大腿部に作用する左の脚作用部とを備えて、
前記制御装置は、作業者の右及び左の大腿部を下げて作業者の立ち上がりを補助するように、前記右及び左の脚作用部を下側に作動させるのであり、
前記右又は左の脚作用部が、前記支持部材である。
[IV]−1
本発明の第4特徴によると、右及び左の脚作用部を下側に作動させて、作業者の右及び左の大腿部を下側に操作することにより、作業者の立ち上がりを補助することができる。これにより、作業者がしゃがみ、荷物を手で持ち、立ち上がるという状態において、作業者が楽に立ち上がることができるようになって、作業の能率向上を図ることができる。
前項[IV]−1に記載のような右及び左の脚作用部は、作業者の右及び左の大腿部に作用するので、作業者の腰部の右側及び左側(作業者の腰部の右側又は左側に近い位置)に位置する。
これにより、設定値変更部を右又は左の脚作用部に備えることにより、右又は左の脚作用部を設定変更部の支持部材に兼用することができて、構造の簡素化の面で有利なものとなる。
先ず、アシスト器具の全体構成及び本体部1について説明する。
図1,2,3に示すように、作業者の背中部に取り付けられる本体部1、本体部1の上部から上側に延出された右及び左のアーム部2、本体部1の下部に備えられた右及び左の脚作用部3が備えられており、作業者への装着用の取付ベルト4、右及び左の肩ベルト5が備えられて、アシスト器具が構成されている。
次に、右及び左の脚作用部3について説明する。
図1,2,3に示すように、右及び左の脚作用部3は、基部10、伝動ケース11、操作アーム12及び脚ベルト13等を備えている。横フレーム9に左右方向にスライド自在に基部10が支持されており、基部10の外端部に伝動ケース11が前向きに連結されている。
これにより、取付ベルト4の腰部への巻き付け具合により、作業者の体格に合わせるように右及び左の脚作用部3の間隔が決まるのであり、取付ベルト4により右及び左の脚作用部3の位置が決められた状態となる。
作業者がアシスト器具を装着した状態において、作業者の腰部の右側に右の脚作用部3(伝動ケース11)が位置し、作業者の腰部の左側に左の脚作用部3(伝動ケース11)が位置する。
次に、右及び左のアーム部2について説明する。
図1,2,3に示すように、右及び左の縦フレーム6の上部が、作業者の右及び左の肩部を越えて斜め前側の斜め上側に延出されて、右及び左のアーム部2が構成されており、右及び左のアーム部2の上端部に、案内プーリー33が回転自在に支持されている。
前述の状態において、作業者は右手及び左手の親指により上昇及び下降操作スイッチ23,24を押し操作する。この場合、上昇及び下降操作スイッチ23,24は復帰型に構成されており、作業者が上昇及び下降操作スイッチ23,24を押し操作していると、上昇及び下降操作スイッチ23,24から操作信号が出力されるのであり、作業者が上昇及び下降操作スイッチ23,24の押し操作を止めると、上昇及び下降操作スイッチ23,24の操作信号は停止する。
次に、駆動装置17について説明する。
図4及び図5に示すように、駆動装置17は、左右方向の回転軸芯P2周りに回転自在に左右方向に配置された4個の回転体25,26,27,28と、4個の回転体25〜28の下側に左右方向に配置された電動モータ29と、電動モータ29の出力軸29a側の端部と回転体25〜28の左の端部(電動モータ29の出力軸29a側の端部)とに亘って上下方向に配置された伝動機構30とを備えている。
伝動ケース31と蓋部32の上部に、伝動軸34が回転自在に支持されており、伝動軸34が伝動ケース31と蓋部32から右及び左側に突出している。伝動軸34に第3ギヤ43が固定されており、第3ギヤ43が第2ギヤ42と咬合している。
電動モータ29に電磁ブレーキ(図示せず)が備えられている。電動モータ29の作動時に電磁ブレーキは解除状態となり、電動モータ29の停止時及び非通電時に電磁ブレーキは制動状態となる。
次に、駆動装置17とワイヤ18,19との接続について説明する。
図4及び図5に示すように、回転体25〜28は合成樹脂により円柱状に構成されており、回転体25〜28の外周面を複数周に亘って螺旋状(雄ネジ状)に回りながら、回転体25〜28の外周面の全幅に亘って連続した1本の溝部が、回転体25〜28の外周面に備えられている。
例えば、床に置かれた荷物を高い棚やトラックの荷台に置くような場合、作業者がしゃがんで床の荷物を手で持ち、次に手を下に延ばした状態で荷物を持ちながら立ち上がり、次に手で荷物を持ち上げて、荷物を高い棚やトラックの荷台に置くような状態が想定される。
前述の状態において、上昇及び下降操作スイッチ23,24の押し操作に基づいて、制御装置14により右及び左の脚作用部3、駆動装置17(電動モータ29)が作動する状態について説明する。
これにより、作業者が歩行する場合や、作業者が膝部を曲げて腰部を落とす場合(しゃがむ場合)、作業者の太腿部に追従するように操作アーム12が揺動するのであり、作業者の動作が妨げられることはない。
これにより、電動モータ29が停止した状態において、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが繰り出されることはなく、後述するように右及び左のハンド部20に荷物の重量が掛かっても、右及び左のハンド部20が下降することはない。
前述のように作業者が立ち上がる際において、前述の電動モータ29のブレーキ機能により、右及び左のハンド部20(荷物)が下降することはない。
以上のようにして、荷物を高い棚やトラックの荷台等に置くと、最初の状態に戻り、次の荷物に対して同様な操作を行う。
前項[6]に記載の状態において、作業者が上昇操作スイッチ23を押し操作した状態(角度センサー35の検出に基づいて、制御装置14が電動モータ29を制御する状態)について説明する(その1)。
図6に示すように、回転体25〜28の巻き取り側の回転速度に基づいて、回転体25〜28の巻き取り側の回転速度が停止状態から徐々に増加するように、電動モータ29が巻き取り側に作動する(電動モータ29の駆動力(駆動トルク)が制御される)(時点T1参照)。
これにより、作業者が設定値変更スイッチ46を操作することによって、図6に示す設定回転速度VU1を少し低速側の設定回転速度VU2に変更したり、少し高速側の設定回転速度VU3に変更したりすることができる。
前項[6]に記載の状態において、作業者が上昇操作スイッチ23を押し操作した状態(角度センサー35の検出に基づいて、制御装置14が電動モータ29を制御する状態)について説明する(その2)。
この場合、作業者が上昇操作スイッチ23の押し操作を止めた瞬間に電動モータ29が停止するのではなく、作業者が上昇操作スイッチ23の押し操作を止めてから(時点T3参照)、回転体25〜28の巻き取り側の回転速度が設定回転速度VU1(VU2,VU3)から徐々に低下して、電動モータ29が停止する(時点T4参照)。
これにより、作業者が上昇操作スイッチ23の押し操作を止めた際、電動モータ29の停止時のショックが抑えられながら、電動モータ29の停止があまり遅くならないものとなる。
前述の[発明を実施するための形態]において、前項[6]に記載のように、作業者が立ち上がることにより荷物を床から持ち上げる際に、右及び左の脚作用部3(操作アーム12)が下側に駆動され、作業者の太腿部が下側に操作されて、作業者の立ち上がりが補助される場合、以下の説明のように前項[7][8]に記載の電動モータ29と同様に、右及び左の脚作用部3の電動モータの駆動力(駆動トルク)が制御されるように構成してもよい。
これにより、作業者が立ち上がる際、右及び左の脚作用部3(操作アーム12)が停止状態から下側に駆動される場合、右及び左の脚作用部3の電動モータの回転速度(右及び左の脚作用部3(操作アーム12)の揺動速度)が、停止状態から徐々に増加し、この後に設定回転速度に維持される。
この場合、右の脚作用部3の電動モータ(右の脚作用部3(操作アーム12))の設定回転速度、及び、左の脚作用部3の電動モータ(左の脚作用部3(操作アーム12))の設定回転速度を、別々に独立して高速側及び低速側に変更できるように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]において、図7に示すように、設定値変更スイッチ46を右の脚作用部3(伝動ケース11)の横側面に横向きに備えるように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態][発明の実施の第2別形態]において、設定値変更スイッチ46を左の脚作用部3(伝動ケース11)に備えてもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第3別形態]において、右及び左の脚作用部3を備えないように構成してもよい。
前述のように右及び左の脚作用部3を備えない場合、アーム状の支持部材(図示せず)を本体部1から作業者の腰部の右側(左側)の位置に延出して、この支持部材に設定値変更スイッチ46を備えてもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第4別形態]において、図1,2,3に示す右のハンド部20に対して、1本のワイヤ18及び1個の回転体25を備え、左のハンド部20に対して、1本のワイヤ18及び1個の回転体28を備えるように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第5別形態]において、右及び左のアーム部2を廃止して、1本のアーム部2を備えてもよい。
前述のように構成した場合、1本のアーム部2から2本のワイヤ18を延出して、2本のワイヤ18の一方に右のハンド部20を備え、2本のワイヤ18の他方に左のハンド部20を備える。
又は、1本のアーム部2から1本のワイヤ18を延出し、1本のワイヤ18の端部を二股状に分岐させて、分岐部分の一方に右のハンド部20を備え、分岐部分の他方に左のハンド部20を備える。
2 アーム部
3 脚作用部、支持部材
14 制御装置
18,19 ワイヤ
20 ハンド部
23,24 手動操作部
25〜28 回転体
29 電動モータ
35 回転速度センサー
46 設定値変更部
VU1,VU2,VU3 設定回転速度
Claims (4)
- 作業者に取り付けられる本体部と、前記本体部から前側に延出されたアーム部と、
前記アーム部から下側に延出されたワイヤと、作業者が手で持つことにより荷物を保持するもので前記ワイヤに連結されたハンド部とを備え、
前記ワイヤを巻き取ることにより前記ハンド部を上昇させ且つ前記ワイヤを繰り出すことにより前記ハンド部を下降させる回転体と、前記回転体を巻き取り側及び繰り出し側に回転駆動する電動モータと、前記回転体の回転速度を検出する回転速度センサーと、
人為的に操作される手動操作部と、前記手動操作部の操作信号に基づいて前記電動モータを巻き取り側及び繰り出し側に作動させる制御装置とを備えて、
前記制御装置は、
前記回転速度センサーの検出値に基づいて、前記回転体が予め設定された設定回転速度で巻き取り側に回転するように、前記電動モータを巻き取り側に作動させるアシスト器具。 - 人為的に操作されるもので前記設定回転速度を高速側及び低速側に変更する設定値変更部を備えている請求項1に記載のアシスト器具。
- 前記本体部から作業者の腰部の右側又は左側に支持部材を延出して、前記設定値変更部を前記支持部材に備えている請求項2に記載のアシスト器具。
- 前記本体部に支持されて作業者の右の大腿部に作用する右の脚作用部と、前記本体部に支持されて作業者の左の大腿部に作用する左の脚作用部とを備えて、
前記制御装置は、作業者の右及び左の大腿部を下げて作業者の立ち上がりを補助するように、前記右及び左の脚作用部を下側に作動させるのであり、
前記右又は左の脚作用部が、前記支持部材である請求項3に記載のアシスト器具。
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