JP2019011152A - アシスト器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワイヤによりハンド部を上昇及び下降させるアシスト器具において、アーム部の回転体やワイヤの摩耗を抑える。【解決手段】作業者の背中部に取り付けられる本体部と、本体部から前側に延出されたアーム部2と、本体部に設けられてワイヤ18,19を巻き取り及び繰り出す昇降装置とが備えられる。アーム部2の延出方向に沿った延出軸芯P2周りに自由に姿勢変更自在にアーム部2に支持された支持部材16と、延出軸芯P2と交差する横向き軸芯P3周りに回転自在に支持部材16に支持された回転体15とが備えられる。昇降装置から延出されたワイヤ18,19が、回転体15に巻き掛けられて下側に延出され、荷物を保持するハンド部が、ワイヤ18,19の延出端に接続される。【選択図】図4

Description

本発明は、作業者が装着して使用するもので、作業者の作業(動作)を補助するアシスト器具に関する。
前述のようなアシスト器具として、特許文献1に開示されているようなものがある。
特許文献1では、作業者の背中部に取り付けられる本体部、本体部から前側に延出された右及び左のアーム部が備えられている。本体部に昇降装置が設けられて、昇降装置から右及び左のワイヤが延出されている。ワイヤがアーム部に沿って延出され、アーム部の上部の回転体に巻き掛けられて下方に延出されており、ワイヤの延出端に右及び左のハンド部が接続されている。
ハンド部に荷物を保持した状態で、昇降装置によりワイヤを巻き取ることによりハンド部(荷物)を上昇させ、昇降装置によりワイヤを繰り出すことによりハンド部(荷物)を下降させる。
特許文献1では、右のハンド部により荷物の右側部を保持し、左のハンド部により荷物の左側部を保持することによって、荷物を保持する。この場合、ワイヤにより右及び左のハンド部が吊り下げられているので、右及び左のハンド部の左右方向の間隔を任意に設定することができ、横幅の異なる荷物であっても、右及び左のハンド部により荷物を保持することができる。
特開2016−129916号公報
特許文献1のアシスト器具において、右及び左のハンド部により横幅の異なる荷物を保持する場合、横幅の大きな荷物であると、右及び左のアーム部の回転体からワイヤが、右及び左の斜め外側に延出される状態となることがある。逆に横幅の小さな荷物であると、右及び左のアーム部の回転体からワイヤが、右及び左の斜め内側に延出される状態となることがある。
前述のような状態になると、アーム部の回転体の回転方向に沿って、ワイヤがアーム部の回転体から延出されるのではなく、アーム部の回転体の回転方向に対して、ワイヤがアーム部の回転体から斜めに交差するように延出される状態となる。
従って、この状態で昇降装置によりワイヤの巻き取り及び繰り出しが繰り返されると、アーム部の回転体やワイヤの摩耗に発展する可能性があるので、改善の余地がある。
本発明は、ワイヤによりハンド部を上昇及び下降させるアシスト器具において、アーム部の回転体やワイヤの摩耗を抑えることを目的としている。
本発明のアシスト器具は、
作業者の背中部に取り付けられる本体部と、前記本体部から前側に延出された右及び左のアーム部と、前記本体部に設けられてワイヤを巻き取り及び繰り出す昇降装置とが備えられて、
前記アーム部の延出方向に沿った延出軸芯周りに自由に姿勢変更自在に、前記アーム部に支持された右及び左の支持部材と、
前記延出軸芯と交差する横向き軸芯周りに回転自在に、前記支持部材に支持された右及び左の回転体とが備えられ、
前記昇降装置から延出された右及び左の前記ワイヤが、前記回転体に巻き掛けられて前記回転体から下側に延出され、荷物を保持する右及び左のハンド部が、前記ワイヤの延出端に接続されて、
前記昇降装置が前記ワイヤを巻き取ることにより前記ハンド部を上昇させ、前記昇降装置が前記ワイヤを繰り出すことにより前記ハンド部を下降させる。
本発明によると、右及び左のハンド部により横幅の大きな荷物を保持する際に、右及び左のワイヤが右及び左の斜め外側に延出される状態になると、回転体を支持する支持部材は、アーム部の延出方向に沿った延出軸芯周りに、ワイヤの姿勢変化に追従するように姿勢を変化させる。
同様に右及び左のハンド部により横幅の小さな荷物を保持する際に、右及び左のワイヤが右及び左の斜め内側に延出される状態になると、回転体を支持する支持部材は、アーム部の延出方向に沿った延出軸芯周りに、ワイヤの姿勢変化に追従するように姿勢を変化させる。
本発明によると、前述のように横幅の異なる荷物を保持する場合、荷物の横幅に応じて支持部材の姿勢が変化するのであり、支持部材の回転体の回転方向に沿って、ワイヤが支持部材の回転体から延出される状態を得ることができる。
これにより、昇降装置により右及び左のワイヤの巻き取り及び繰り出しが行われて、右及び左のハンド部が上昇及び下降した場合、右及び左の支持部材の回転体の回転方向に沿って、右及び左のワイヤが支持部材の回転体から延出される状態で、右及び左のワイヤの巻き取り及び繰り出しが行われるようになるのであり、支持部材の回転体やワイヤの摩耗を抑えて、耐久性の向上を図ることができる。
本発明において、
前記横向き軸芯が前記延出軸芯の下側に配置されていると好適である。
前述のように、右及び左のワイヤが右及び左の斜め外側(内側)に延出される状態となる際に、ワイヤの姿勢変化が回転体に伝わり、回転体から支持部材に伝わって、支持部材の姿勢が変化する。
本発明のように、回転体の横向き軸芯が支持部材の延出軸芯よりも下側に配置されていると、前述のように、ワイヤの姿勢変化が回転体に伝わり、回転体の姿勢が変化しようとすれば、支持部材の延出軸芯と回転体の横向き軸芯との間の長さに基づいて、比較的大きなモーメントが発生して、このモーメントにより支持部材の姿勢が無理なく変化する。
これにより、ワイヤの姿勢変化に対して、支持部材の姿勢が遅れることなく変化するのであり、支持部材の回転体の回転方向に沿ってワイヤが支持部材の回転体から延出される状態を、遅れることなく得ることができるようになって、支持部材の回転体やワイヤの摩耗を抑えて、耐久性の向上を図ることができる。
本発明において、
前記支持部材における前記回転体から前記ハンド部側の部分に、前記ワイヤを案内する案内部が備えられていると好適である。
本発明によると、前述のようにワイヤの姿勢が変化すると、ワイヤの姿勢変化に追従するように案内部が移動するので、支持部材の延出軸芯と案内部との間の長さに基づいて、比較的大きなモーメントが発生する。
この場合、支持部材の延出軸芯と案内部との間の長さが、前述の支持部材の延出軸芯と回転体の横向き軸芯との間の長さよりも長いものになるので、ワイヤの姿勢変化により、支持部材の延出軸芯と案内部との間の距離に基づいて、大きなモーメントが発生して、支持部材の姿勢が無理なく変化する。
これにより、ワイヤの姿勢変化に対して、支持部材の姿勢が遅れることなく変化するのであり、支持部材の回転体の回転方向に沿ってワイヤが支持部材の回転体から延出される状態を、遅れることなく得ることができるようになって、支持部材の回転体やワイヤの摩耗を抑えて、耐久性の向上を図ることができる。
本発明において、
前記支持部材における前記回転体から前記昇降装置側の部分に、前記ワイヤを支持するワイヤ支持部が備えられていると好適である。
本発明によると、支持部材の姿勢が変化すると、支持部材のワイヤ支持部の姿勢も変更される。
これにより、回転体から昇降装置側の部分においても、ワイヤを支持部材の回転体の回転方向に沿うようにすることができるのであり、支持部材の回転体やワイヤの摩耗を抑えて、耐久性の向上を図ることができる。
作業者がアシスト器具を装着した状態での右側面図である。 作業者がアシスト器具を装着した状態での背面図である。 アシスト器具の斜視図である。 支持部材の付近の縦断側面図である。 支持部材及びガイド部の縦断正面図である。 ガイド部の斜視図である。 横幅の大きな荷物を保持した状態での支持部材、プーリー及びワイヤの状態を示す正面図である。 横幅の小さな荷物を保持した状態での支持部材、プーリー及びワイヤの状態を示す正面図である。 発明の実施の第1別形態において、支持部材の縦断側面図である。 発明の実施の第2別形態において、支持部材の縦断側面図である。 発明の実施の第2別形態において、支持部材の縦断正面図である。
本発明の実施形態における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、以下のように記載している。作業者がアシスト器具を装着した状態において、作業者から視て前側が「前」であり、後側が「後」であり、右側が「右」であり、左側が「左」である。
(アシスト器具の全体構成及び本体部)
図1,2,3に示すように、アシスト器具には、作業者の背中部に取り付けられる本体部1、本体部1の上部から上側に延出され前側に延出された右及び左のアーム部2、本体部1の下部に設けられた右及び左の脚作用部3が備えられており、作業者への装着用の取付ベルト4、右及び左の肩ベルト5が備えられている。
図1,2,3に示すように、本体部1は、右及び左の縦フレーム6、右及び左の縦フレーム6に亘って連結された支持板7等を備えて、枠状となっている。脚作用部3に取付ベルト4が取り付けられ、支持板7の前面の上部に肩ベルト5が取り付けられている。支持板7の後面の上下中間部に制御装置8が取り付けられており、支持板7の後面の下部にバッテリー9が取り付けられている。
図1及び図2に示すように、肩ベルト5に作業者の腕部(肩部)を入れ、取付ベルト4を作業者の腰部に巻き付けて固定することにより、作業者の背中部に本体部1が取り付けられる。
図1及び図2に示すように、アシスト器具及び荷物B(図7及び図8参照)の重量が取付ベルト4を介して主に作業者の腰部に掛かるのであり、アシスト器具及び荷物Bの重量が作業者の腰部により安定して支持される。右及び左の肩ベルト5は、主に本体部1が作業者の背中部から後方に離れようとする状態を止める機能を発揮する。
(右及び左の脚作用部)
図1,2,3に示すように、脚作用部3は、基部10、伝動ケース11、操作アーム12及び脚ベルト13等を備えている。支持板7の下部に左右方向にスライド自在に基部10が支持されており、基部10の外端部に伝動ケース11が前向きに連結されている。
図1,2,3に示すように、伝動ケース11の前部の左右方向の横軸芯P1周りに、操作アーム12が揺動自在に支持されており、幅広のベルト状の脚ベルト13が操作アーム12に取り付けられている。複数の平ギヤにより構成された伝動機構(図示せず)が伝動ケース11の内部に備えられて、電動モータ(図示せず)が基部10の内部に備えられており、電動モータにより伝動機構を介して操作アーム12が横軸芯P1周りに揺動駆動される。
作業者の背中部に本体部1を取り付ける場合において、作業者が取付ベルト4を腰部に巻き付けて固定する際、取付ベルト4と一緒に、右及び左の脚作用部3(基部10)が支持板7に沿って左右方向に移動可能である。
これにより、取付ベルト4の腰部への巻き付け具合によって、作業者の体格に合わせるように右及び左の脚作用部3の間隔が決まるのであり、取付ベルト4により右及び左の脚作用部3の位置が決められた状態となる。
この後、図1及び図2に示すように、作業者は脚ベルト13を太腿部に巻き付けて、面ファスナ(図示せず)(マジックテープ(登録商標))により、脚ベルト13を太腿部に取り付ける。
作業者がアシスト器具を装着した状態において、作業者の腰部の右側に右の脚作用部3(伝動ケース11)が位置し、作業者の腰部の左側に左の脚作用部3(伝動ケース11)が位置する。
(右及び左のアーム部)
図1,2,3に示すように、右及び左の縦フレーム6の上部が、作業者の右及び左の肩部を越えて斜め上側に延出され斜め前側に延出されて、右及び左のアーム部2となっている。図4に示すように、アーム部2の延出端部2aに右及び左の支持部材16が支持されて、右及び左のプーリー15(回転体に相当)が支持部材16に回転自在に支持されている。
図1,2,3に示すように、支持板7の後面の上部に昇降装置17が取り付けられており、昇降装置17から、右の2本のワイヤ18,19、及び左の2本のワイヤ18,19が延出されている。支持板7の上部にアウター支持部21が連結され、支持部材16にアウター支持部16c(ワイヤ支持部に相当)が備えられている。ワイヤ18,19のアウター18b,19bの端部が、アウター支持部21及び支持部材16のアウター支持部16cに接続されて、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが昇降装置17に接続されている。
図1,2,3,4に示すように、右の2本のワイヤ18,19のインナー18a,19aが右のプーリー15に掛けられて下側に延出されており、右の2本のワイヤ18,19のインナー18a,19aの延出端に、右のハンド部20が接続されている。
左の2本のワイヤ18,19のインナー18a,19aが左のプーリー15に掛けられて下側に延出されており、左の2本のワイヤ18,19のインナー18a,19aの延出端に、左のハンド部20が接続されている。
(ハンド部)
図1及び図2に示すように、右及び左のハンド部20は、板材が折り曲げられてフック状に形成されており、左右対称の形状となっている。右のハンド部20に上昇操作スイッチ23が備えられ、左のハンド部20に下降操作スイッチ24が備えられている。
図1,2,3に示すように、制御装置8に接続されたハーネス14が、右及び左のアーム部2の上下中間部からアーム部2の内部に入り、アーム部2の内部を通ってアーム部2の延出端部2a(図4参照)に延出されている。右及び左のアーム部2の延出端部2aからハーネス14が出て下側に延出されており、ハーネス14が上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24に接続されている。
図1及び図2に示すように、作業者がアシスト器具を装着した状態において、作業者が右手で右のハンド部20を握るようにして持ち、左手で左のハンド部20を握るようにして持つ。この状態で、作業者は右手及び左手の親指により上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24を押し操作する。
図1及び図2に示すように、上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24は復帰型となっている。作業者が上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24を押し操作していると、上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24から操作信号が出力され、作業者が上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24の押し操作を止めると、上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24の操作信号が停止する。
(昇降装置)
図1及び図2に示すように、昇降装置17は支持板7に連結されている。伝動機構(図示せず)を内装する上下向きの伝動ケース25、伝動ケース25の上部に横向きに連結された支持ケース26、伝動ケース25の下部に横向きに連結された電動モータ27、支持ケース26の内部で横向きの軸芯周りに回転自在な4個の回転体(図示せず)が、昇降装置17に備えられている。
図1及び図2に示すように、右及び左のワイヤ18,19のアウター18b,19bの端部がアウター支持部21に接続され、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが、支持ケース26の内部の4個の回転体の各々に接続されている。
以上の構造により、図1及び図2に示すように、制御装置8により電動モータ27が作動する。電動モータ27の動力が伝動ケース25の内部の伝動機構を介して、支持ケース26の内部の回転体に伝達されるのであり、回転体が巻き取り側及び繰り出し側に回転駆動される。
図1,2,3に示すように、上昇操作スイッチ23を押し操作すると、電動モータ27により回転体が巻き取り側に回転駆動され、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが回転体に巻き取られて、ハンド部20が上昇する。
下降操作スイッチ24を押し操作すると、電動モータ27により回転体が繰り出し側に回転駆動され、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが回転体から繰り出されて、ハンド部20が下降する。
上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24の押し操作を止めると、電動モータ27が停止する。電動モータ27に電磁ブレーキ(図示せず)が備えられており、電動モータ27の作動時に電磁ブレーキは自動的に解除状態となり、電動モータ27の停止時及び非通電時に電磁ブレーキは自動的に制動状態となる。
(アーム部の延出端部における支持部材の構成)
図4に示すように、右及び左のアーム部2の延出端部2aに、右及び左の支持部材16が支持されている。
図4に示すように、アーム部2の延出端部2aに、軸部材28が挿入されて連結されている。軸部材28は、円筒状の大径部28aと、円筒状の小径部28bとを備えており、軸部材28の大径部28aが、アーム部2の延出端部2aに挿入されてボルト29により連結されている。
図4及び図5に示すように、支持部材16は、下側部分が開放された側面視で半円状の支持部16a、円筒状の取付部16b、アウター支持部16c、開口部16d、取付部16bにつながる通路16eを備えて、一体的に形成されている。
図4に示すように、軸部材28の小径部28bが支持部材16の取付部16bに挿入されており、支持部材16の取付部16bが、ベアリング30を介して自由回転自在に軸部材28の小径部28bに支持されている。これにより、アーム部2の延出端部2aの延出方向に沿った延出軸芯P2周りに、支持部材16が自由に姿勢変更できる状態となっている。
前項の(ハンド部)に記載のように、ハーネス14が、制御装置8から延出されてアーム部2の内部に入り、アーム部2の内部を通ってアーム部2の延出端部2aに延出されている。図4に示すように、ハーネス14が軸部材28の大径部28a及び小径部28bの内部を通り、支持部材16の通路16eを通って、支持部材16から下側に延出されており、ハーネス14が上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24に接続されている。
(支持部材に支持されるプーリー)
図4及び図5に示すように、支持部材16の支持部16aに、支持軸22が延出軸芯P2と交差(直交)するように横向きに支持されて、支持軸22の回転軸芯P3(横向き軸芯に相当)周りに、プーリー15が自由回転自在に支持されている。この場合、回転軸芯P3が延出軸芯P2の下側に配置されており、延出軸芯P2と回転軸芯P3との間の長さL1となっている。
図4及び図5に示すように、プーリー15は幅広に形成されており、2個の溝部15a,15bがプーリー15の外周部に円周方向に沿って形成され、溝部15a,15bが回転軸芯P3の方向に沿って並ぶように形成されている。
図1,2,3に示すように、右のワイヤ18,19が右のアーム部2に沿って延出されており、図4及び図5に示すように、右のワイヤ18,19のアウター18b,19bの端部が、ナット32により支持部材16のアウター支持部16cに接続されている。これにより、支持部材16におけるプーリー15から昇降装置17側の部分に、支持部材16のアウター支持部16cが備えられた状態となっている。
図4及び図5に示すように、右のワイヤ18,19のインナー18a,19aが、支持部材16の開口部16dを通って支持部材16の支持部16aの内部に入り込んでいる。右のワイヤ18のインナー18aがプーリー15の溝部15aに入り込み、右のワイヤ19のインナー19aがプーリー15の溝部15bに入り込んでおり、右のワイヤ18,19のインナー18a,19aが、プーリー15に巻き掛けられて下側に延出されている。
右のワイヤ18,19と同様に、左のワイヤ18,19も、左のアーム部2、支持部材16及びプーリー15に取り付けられて、下側に延出されている。
(支持部材に取り付けられるガイド部)
図4,5,6に示すように、右及び左の支持部材16の支持部16aの下側部分に、右及び左のガイド部33が取り付けられている。支持部材16の支持部16aによりプーリー15の上側が覆われ、ガイド部33によりプーリー15の下側が覆われて、支持部材16の支持部16a及びガイド部33により、プーリー15の全体が覆われた状態となっている。
図4,5,6に示すように、ガイド部33は、支持部材16の支持部16aの下側部分及びプーリー15の外周部に沿うように、側面視で円弧状に形成されている。ガイド部33に、2個の長孔33a,33bが開口されている。
図4及び図5に示すように、支持部材16の支持部16aの下側部分にガイド部33が取り付けられた状態において、プーリー15の溝部15aの下側に対向するように、ガイド部33の長孔33aが位置し、プーリー15の溝部15bの下側に対向するように、ガイド部33の長孔33bが位置している。
図4及び図5に示すように、ガイド部33の長孔33a,33bが、回転軸芯P3の方向に沿って並ぶようにガイド部33に設けられており、プーリー15の円周方向(プーリー15の溝部15a,15b)に沿って配置された状態となっている。
右及び左のガイド部33において、ワイヤ18のインナー18aが、ガイド部33の長孔33aを通っており、ワイヤ19のインナー19aが、ガイド部33の長孔33bを通っている。
(ハンド部による荷物の保持)
右のハンド部20により荷物Bの右側部を保持し、左のハンド部20により荷物Bの左側部を保持して、右及び左のハンド部20により荷物Bを保持する場合、図7及び図8に示すように、右及び左の支持部材16(プーリー15)の左右方向の間隔W1よりも、大きな横幅W2を備えた荷物Bや、小さな横幅W2を備えた荷物Bが存在したとする。
図7に示すように、大きな横幅W2を備えた荷物Bの場合、アシスト器具を装着した作業者は、荷物Bの横幅W2に合わせるように、右及び左のハンド部20を右及び左の外側に移動させて、右のハンド部20により荷物Bの右側部を保持し、左のハンド部20により荷物Bの左側部を保持する。
図8に示すように、小さな横幅W2を備えた荷物Bの場合、アシスト器具を装着した作業者は、荷物Bの横幅W2に合わせるように、右及び左のハンド部20を右及び左の内側に移動させて、右のハンド部20により荷物Bの右側部を保持し、左のハンド部20により荷物Bの左側部を保持する。
図7及び図8に示すように、右及び左のハンド部20を右及び左の外側(内側)に移動させると、これに伴って右及び左のワイヤ18,19のインナー18a,19aが、右及び左の外側(内側)に移動して右及び左の斜め外側(内側)に延出される状態となる。
これにより、図7及び図8に示すように、右及び左のワイヤ18,19のインナー18a,19aの姿勢変化が右及び左のプーリー15に伝わり、延出軸芯P2と回転軸芯P3の間の長さL1(図 参照)に基づいて、比較的大きなモーメントが発生する。
このモーメントにより、右及び左の支持部材16(プーリー15)の姿勢が、右及び左のワイヤ18,19のインナー18a,19aに追従するように、右及び左の斜め外側(内側)に変化する。
図7及び図8に示す状態において、前項の(昇降装置)に記載のように、電動モータ27により、右及び左のワイヤ18,19のインナー18a,19aの巻き取り及び繰り出しが行われて、右及び左のハンド部20が上昇及び下降した場合、右及び左のプーリー15の回転方向(回転軸芯P3と直交する方向)に沿って、右及び左のワイヤ18,19のインナー18a,19aがプーリー15から延出される状態で、右及び左のワイヤ18,19のインナー18a,19aの巻き取り及び繰り出しが行われる。
図7及び図8に示すように、右及び左のハンド部20により荷物Bを保持した状態において、前述のように右及び左のハンド部20の上昇及び下降が行われた場合、これに伴って右及び左のワイヤ18,19のインナー18a,19aが、右及び左の外側(内側)に少し移動する。
この状態においても、前述と同様に、右及び左の支持部材16(プーリー15)の姿勢が、右及び左のワイヤ18,19のインナー18a,19aに追従するように、右及び左の斜め外側(内側)に変化する。
以上のように、荷物Bの横幅W2の変化、右及び左のハンド部の上昇及び下降に対応して、右及び左のプーリー15の回転方向(回転軸芯P3と直交する方向)に沿って、右及び左のワイヤ18,19のインナー18a,19aが、プーリー15から延出される状態で、右及び左のワイヤ18,19のインナー18a,19aの巻き取り及び繰り出しが行われる。
(アシスト器具の作業形態)
例えば、パレットや床に置かれた荷物Bを高い棚やトラックの荷台に置くような場合、作業者がしゃがんでパレットや床の荷物Bを手で持ち、次に手を下に延ばした状態で荷物Bを持ちながら立ち上がり、次に手で荷物Bを持ち上げて、荷物Bを高い棚やトラックの荷台に置くような状態が想定される。
アシスト器具を装着した作業者が前述のような作業を行う状態において、上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24の押し操作に基づいて、制御装置8により右及び左の脚作用部3、昇降装置17が作動する状態について説明する。
図1及び図2に示すように、作業者がアシスト器具を装着した状態において、作業者が上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24の両方を押し操作していないと、昇降装置17の電動モータ27は停止して、右及び左の脚作用部3の電動モータは停止状態(自由回転状態)となる。
作業者が歩行する場合や、作業者が膝部を曲げて腰部を落とす場合(しゃがむ場合)、作業者の太腿部に追従するように操作アーム12が揺動するのであり、作業者の動作が妨げられることはない。
作業者がしゃがんでパレットや床の荷物Bを持つ場合、作業者が下降操作スイッチ24を押し操作すると、昇降装置17において、電動モータ27が繰り出し側に作動し、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが繰り出されて、ハンド部20が下降する。下降操作スイッチ24の押し操作を止めると、電動モータ27が停止して、ハンド部20が停止するので、作業者は、ハンド部20により荷物Bを保持する。
前項の(昇降装置)に記載のように、電動モータ27に電磁ブレーキ(図示せず)が備えられており、電動モータ27の停止時及び非通電時に、電磁ブレーキは自動的に制動状態となる。
電動モータ27が停止した状態において、昇降装置17からワイヤ18,19のインナー18a,19aが繰り出されることはなく、後述するようにハンド部20に荷物Bの重量が掛かっても、ハンド部20が下降することはない。
次に作業者は、ハンド部20により荷物Bを保持した状態で、立ち上がることによって荷物Bを持ち上げる。作業者が上昇操作スイッチ23を押し操作すると、脚作用部3において、操作アーム12が下側に駆動され、作業者の太腿部が下側に操作されて、作業者の立ち上がりが補助される。作業者が立ち上がる際において、電動モータ27のブレーキ機能により、ハンド部20が下降することはない。
作業者が上昇操作スイッチ23を押し操作した状態で立ち上がった後に、脚作用部3において、操作アーム12が略真下に向く位置に達したことが検出されると、作業者が完全に立ち上がったと判断されて、脚作用部3の電動モータは停止状態(自由回転状態)となる。
次に昇降装置17において、電動モータ27が巻き取り側に作動し、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが巻き取られて、ハンド部20が上昇する。所望の位置までハンド部20が上昇すると、上昇操作スイッチ23の押し操作を止めることにより、電動モータ27が停止してハンド部20が停止する。
次に作業者は、荷物Bを置くべき高い棚やトラックの荷台等へ歩いて移動する。作業者が高い棚やトラックの荷台等に到着して、作業者が下降操作スイッチ24を押し操作すると、昇降装置17において、電動モータ27が繰り出し側に作動し、ワイヤ18,19のインナー18a,19aが繰り出されて、ハンド部20が下降する。
作業者は、荷物Bを高い棚やトラックの荷台等に置いて、ハンド部20を荷物Bから取り外す。荷物Bを高い棚やトラックの荷台等に置くと、最初の状態に戻るのであり、次の荷物Bに対して同様な操作を行う。
(発明の実施の第1別形態)
前述の(発明を実施するための形態)の支持部材16に代えて、図9に示すような支持部材16を備えてもよい。
円筒状の軸部材31が、アーム部2の延出端部2aに挿入されており、支持軸34が、アーム部2の延出端部2aの延出方向に沿うように配置されて、軸部材31に挿入されている。ボルト29により、軸部材31がアーム部2の延出端部2aに連結され、支持軸34が軸部材31に連結されている。
支持部材16は、図4に示す支持部材16と同様に、下側部分が開放された側面視で半円状の支持部16a、取付部16b、アウター支持部16c及び開口部16dを備えており、取付部16bが支持軸34の外径と同径の内径を備えた細長い円筒状となっている。
支持軸34が支持部材16の取付部16bに挿入されており、支持部材16の取付部16bにビス35が取り付けられて、支持軸34の先端部の円周状の溝部34aに、ビス35が入り込んでいる。
支持部材16の取付部16bが、支持軸34に自由回転自在に支持されており、ビス35が支持軸34の溝部34aに入り込むことにより、支持部材16の抜け止めが行われる。これにより、アーム部2の延出端部2aの延出方向に沿った支持軸34の延出軸芯P2周りに、支持部材16が自由に姿勢変更できる状態となっている。
ハーネス14がアーム部2の内部、軸部材31の内部を通り、軸部材31の開口部31aから下側に延出されており、ハーネス14が上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24に接続されている。
支持部材16の支持部16aに、支持軸22が延出軸芯P2と交差(直交)するように横向きに支持されて、支持軸22の回転軸芯P3周りに、プーリー15が自由回転自在に支持されている。この場合、回転軸芯P3が延出軸芯P2の下側に配置されており、延出軸芯P2と回転軸芯P3の間の長さL1となっている。図4,5,6に示すガイド部33が、支持部材16に取り付けられている。
(発明の実施の第2別形態)
前述の(発明を実施するための形態)(発明の実施の第1別形態)のガイド部33に代えて、図10及び図11に示すような右及び左の案内プーリー36(案内部に相当)を備えてもよい。
支持部材16の支持部16aから下側(ハンド部20側)に延びる延出部16fが備えられており、延出部16fは断面がチャンネル状に形成されている。
支持部材16の延出部16fの横軸芯P4(回転軸芯P3と平行)周りに、案内プーリー36が自由回転自在に支持されている。この場合、横軸芯P4が回転軸芯P3の下側に配置されており、延出軸芯P2と横軸芯P4との間の長さL2が、延出軸芯P2と回転軸芯P3との間の長さL1よりも長いものとなっている。
案内プーリー36は幅広に形成されており、2個の溝部36a,36bが案内プーリー36の外周部に円周方向に沿って形成され、溝部36a,36bが横軸芯P4の方向に沿って並ぶように形成されている。
右のワイヤ18,19のインナー18a,19aが、右のプーリー15から下側に延出されている。右のワイヤ18のインナー18aが右の案内プーリー36の溝部36aに入り込み、右のワイヤ19のインナー19aが右の案内プーリー36の溝部36bに入り込んでおり、右のワイヤ18,19のインナー18a,19aが下側に延出されている。
左のワイヤ18,19も、前述と同様に、左の案内プーリー36を通って下側に延出されている。
前項の(ハンド部による荷物の保持)、図7及び図8に記載のように、右及び左のハンド部20を右及び左の外側(内側)に移動させると、右及び左のワイヤ18,19のインナー18a,19aの姿勢変化が右及び左の案内プーリー36に伝わり、延出軸芯P2と横軸芯P4の間の長さL2に基づいて、比較的大きなモーメントが発生する。
このモーメントにより、右及び左の支持部材16(プーリー15及び案内プーリー36)の姿勢が、右及び左のワイヤ18,19のインナー18a,19aに追従するように、右及び左の斜め外側(内側)に変化する。
(発明の実施の第3別形態)
上昇操作スイッチ23を左のハンド部20に備え、下降操作スイッチ24を右のハンド部20に備えてもよい。上昇操作スイッチ23及び下降操作スイッチ24の両方を、右又は左の一方のハンド部20に備えてもよい。
ハンド部20は、図1及び図2に示される構成以外に、荷物Bを掛けるフック状や、荷物Bを挟み込む一対のアーム状等のように、各種の形状が想定される。
アシスト器具において、右及び左の脚作用部3を備えないように構成してもよい。
本発明は、作業者が装着して使用するもので、作業者による荷物の上げ下げを補助するアシスト器具に適用できる。
1 本体部
2 アーム部
15 回転体
16 支持部材
16c ワイヤ支持部
17 昇降装置
18,19 ワイヤ
20 ハンド部
36 案内部
B 荷物
P2 延出軸芯
P3 横向き軸芯

Claims (4)

  1. 作業者の背中部に取り付けられる本体部と、前記本体部から前側に延出された右及び左のアーム部と、前記本体部に設けられてワイヤを巻き取り及び繰り出す昇降装置とが備えられて、
    前記アーム部の延出方向に沿った延出軸芯周りに自由に姿勢変更自在に、前記アーム部に支持された右及び左の支持部材と、
    前記延出軸芯と交差する横向き軸芯周りに回転自在に、前記支持部材に支持された右及び左の回転体とが備えられ、
    前記昇降装置から延出された右及び左の前記ワイヤが、前記回転体に巻き掛けられて前記回転体から下側に延出され、荷物を保持する右及び左のハンド部が、前記ワイヤの延出端に接続されて、
    前記昇降装置が前記ワイヤを巻き取ることにより前記ハンド部を上昇させ、前記昇降装置が前記ワイヤを繰り出すことにより前記ハンド部を下降させるアシスト器具。
  2. 前記横向き軸芯が前記延出軸芯の下側に配置されている請求項1に記載のアシスト器具。
  3. 前記支持部材における前記回転体から前記ハンド部側の部分に、前記ワイヤを案内する案内部が備えられている請求項1又は2に記載のアシスト器具。
  4. 前記支持部材における前記回転体から前記昇降装置側の部分に、前記ワイヤを支持するワイヤ支持部が備えられている請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のアシスト器具。
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