以下に説明する最良の実施形態は、本発明を容易に理解するために用いられている。従って、当業者は、本発明が、以下に説明される実施形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
図1は、本発明に従う冷暖房室内端末の概略構成例及びその冷暖房室内端末に接続される冷暖房室外機の概略構成例を示すブロック図である。図1に示されるように、冷暖房室内端末100は、熱交換器103及び制御部107を備え、熱交換器103は、制御部107によって制御される弁101を有する管102を介して、冷暖房室外機300からの媒体を取り込み、その後に吐き出し可能である。
図1において、弁101は、例えば熱動弁であるが、これに限定されるものではなく、弁101は、1例として、弁本体(図示せず)と弁本体の開閉を管理可能なアクチュエータ(図示せず)とを有することができる。弁101又はアクチュエータは、例えばヒータ(図示せず)、熱動素子(図示せず)及び弾性部材(図示せず)を含み、制御部107は、ヒータに電流を流すことによってヒータを加熱し、熱動素子が膨張することによって弁101又弁本体は、開くことができる。ヒータの加熱が停止される時に、弾性部材の変形が元に戻り、弁101又弁本体は、閉じることができる。
管102を流れる媒体は、例えば液体、好ましくは不凍液であるが、これに限定されるものではない。また、図1において、管102からの媒体を熱交換器103内で循環させるために、管102に配置される循環ポンプ(図示せず)は、1例として、冷暖房室外機300側に設けることができる。管102又は管102に配置される循環ポンプによって、媒体は、冷暖房室内端末100と冷暖房室外機300との間を往き戻り可能であり、具体的には、弁101が開いている時に、例えば循環液である媒体が熱交換器103の内部に熱交換器103の入口(管102)から流れ込み、例えば循環液が熱交換器103の内部から熱交換器103の出口(管102)に流れ出る。なお、図1において、弁101は、1例として、熱交換器103の出口側(戻り側)の管102に設けられている。
媒体又は循環液が冷暖房室外機300の例えばヒートポンプ305及び熱交換器303によって加熱される時に、媒体又は循環液は、例えば温水として、熱交換器103に取り込まれる。言い換えれば、冷暖房室外機300が暖房運転を実施する時に、冷暖房室内端末100は、室内の空気と熱交換器103の温水との熱交換を熱交換器103で実行し、室内の空気を加熱可能である。次に、冷暖房室外機300が冷房運転を実施する時に、例えばヒートポンプ305が逆回転し、媒体又は循環液が冷却されて、例えば冷水として、熱交換器103に取り込まれる。この時に、冷暖房室内端末100は、室内の空気と熱交換器103の冷水との熱交換を熱交換器103で実行し、室内の空気を冷却可能である。
図1の冷暖房室内端末100は、1例として、ファンコイルユニットであり、従って、冷暖房室内端末100は、1例として、ファン105を備えることができる。制御部107は、ファン105の電源をONさせることができ、ファン105によって室内に送り出される空気は、冷気となる。図1において、図1の冷暖房室内端末100は、例えばファンコイルユニットであるが、冷暖房室内端末100は、ファン105を備えなくてもよく、言い換えれば、冷暖房室内端末100は、例えば冷温水パネル等の冷暖房パネルであってもよい。
図1に示されるように、冷暖房室内端末100は、検出部104を備え、検出部104は、熱交換器103に取り込まれる媒体(例えば循環液又は冷温水)の温度を検出することができる。検出部104は、例えば温度センサであり、図1において、検出部104は、1例として、熱交換器103の入口側(往き側)の管102に設けられている。なお、検出部104又は温度センサは、管102内の媒体の温度を直接的に検出してもよく、或いは、管102の温度を媒体の温度として間接的に検出してもよい。
冷暖房室内端末100が例えばファンコイルユニットである時に、冷暖房室内端末100又はファンコイルユニットは、典型的には、他の検出部(例えば温度センサ)を備えることができ、室温も検出してもよい。制御部107は、例えば室温に応じて、ファン105の回転数(回転速度)を調整してもよい。好ましくは、制御部107に設定温度が設定されて、制御部107は、例えば室温と設定温度との差に応じて、ファン105の回転数を調整することができる。
図1に示されるように、冷暖房室内端末100は、通信部108を備え、制御部107は、通信部108を介して、冷暖房室外機300の例えば制御部307への単方向通信(1方向通信)を行うことができる。通信部108は、例えばE−CON仕様の出力コネクタであり、図1において、通信部108は、1例として、3つの接点(出力端子)を有している。なお、通信部108に接続される配線109は、図1において、例えば3本の電線で構成されている。
図1の冷暖房室内端末100は、入力部を備えることができ、入力部は、例えば赤外線受信モジュールであるリモコン入力部(リモートコントローラ入力部)であるが、これに限定されるものではない。入力部がリモコン入力部である時に、ユーザは、図示されないリモコン(リモートコントローラ)を介して、冷房運転又は暖房運転の何れか一方を選択可能である。これに応じて、制御部107は、入力部又はリモコン入力部を介して、冷房運転又は暖房運転の何れか一方を設定可能である。具体的には、ユーザがリモコンの例えば冷房ボタン(図示せず)を押す時に、冷房運転の選択を表す信号がリモコンから送信され、リモコン入力部がその信号を受信し、制御部107は、冷房運転の選択を認識又は判定し、制御部107に冷房運転が設定される。
なお、制御部107は、例えばCPU、ROM、RAM等で構成されるマイコン(マイクロコンピュータ)であるが、これに限定されるものではない。制御部107がマイコンである時に、ROMは、CPUに所定の動作(誤配線検出方法を含む冷暖房室内端末運転方法)を実行させるプログラムを記憶し、RAMは、CPUのワーク領域を形成することができる。また、ROMは、制御部107に設定された運転及びその運転(誤配線検出を含む)を実行するために必要なデータを記憶することができる。
制御部107に冷房運転が設定される時に、制御部107は、冷房運転の開始を冷暖房室外機300に指示するとともに、弁101を開けることができる。その後、制御部107は、検出部104によって検出される温度、即ち熱交換器103に取り込まれる媒体(例えば循環液)の温度に基づき、冷暖房室内端末100と冷暖房室外機300との間の電気的な配線109に誤配線が存在するか否かを判定することができる。次に、制御部107に暖房運転が設定される時も、制御部107は、冷暖房室内端末100と冷暖房室外機300との間の電気的な配線109に誤配線が存在するか否かを判定することができる。
図1の冷暖房室内端末100は、報知部106を備えることができ、報知部106は、ユーザに所定の内容を報知可能である。所定の内容は、例えば、配線109に誤配線が存在することである。また、報知部106は、例えばLEDである表示部(光を出力可能な光出力部)であるが、これに限定されるものではない。報知部106がLEDである時に、制御部107は、LEDを点灯させることができる。これに応じて、ユーザは、配線109に誤配線が存在することを容易に認識することができる。なお、報知部106は、表示部の代わりに例えばブザー、スピーカ等である音出力部で構成されてもよく、或いは、報知部106は、光及び音を出力してもよい。
冷暖房室外機300は、図1に限定されるものではないが、1例として、熱交換器303、ヒートポンプ305及び制御部307を備えている。言い換えれば、冷暖房室外機300は、冷暖房運転を実施可能な周知の構成を採用することができる。但し、冷暖房室外機300又はその制御部307は、冷暖房室内端末100の制御部107からの単方向通信(受信)を行うことができる一方、制御部107への送信を行うことができない。言い換えれば、冷暖房室外機300又は制御部307は、制御部107からの運転の開始(又は終了)を指示されるだけであり、実際に実施されている運転の内容(冷房運転又は暖房運転)を制御部107に伝えることができない。このように、冷暖房室内端末100と冷暖房室外機300との間の通信は、双方向通信ではない。
図2は、図1の冷暖房室内端末100と冷暖房室外機300との間の電気的な配線109を説明する図である。図2において、配線109は、1本目の電線として、例えば出力コネクタの出力端子108aに接続される配線109aと、配線109aと配線109L1とを接続する例えば圧着端子である接続部と、配線109L1と、配線109L1と配線109Aとを接続する例えば圧着端子である接続部と、配線109Aと、を含んでいる。同様に、配線109は、2本目の電線として、配線109bと、配線109bと配線109L2とを接続する接続部と、配線109L2と、配線109L2と配線109Bとを接続する接続部と、配線109Bと、を含み、配線109は、3本目の電線として、配線109cと、配線109cと配線109L3とを接続する接続部と、配線109L3と、配線109L3と配線109Cとを接続する接続部と、配線109Cと、を含んでいる。
図2の配線109A,109B,109Cは、冷暖房室外機300の例えばE−CON仕様の入力コネクタ内の3つの接点(入力端子)に接続されている。図2において、配線109a,109A、配線109b,109B及び配線109c,109Cは、それぞれ、例えば赤色、白色及び黒色の被覆を有することができる。
1例として、制御部107に冷房運転が設定される時に、制御部107は、出力端子108c(黒)と出力端子108a(赤)との間を短絡させることができる。制御部307は、配線109Cに接続される入力端子(黒)と配線109Aに接続される入力端子(赤)との間の短絡を検出可能であり、制御部307は、冷暖房室外機300の冷房運転の開始を実施することができる。
次に、1例として、制御部107に暖房運転が設定される時に、制御部107は、出力端子108b(白)と出力端子108a(赤)との間を短絡させることができる。制御部307は、配線109Bに接続される入力端子(白)と配線109Aに接続される入力端子(赤)との間の短絡を検出可能であり、制御部307は、冷暖房室外機300の暖房運転の開始を実施することができる。
図3(A)、図3(B)及び図3(C)の各々は、誤配線を説明する図である。図3(A)において、出力端子108a(赤)は、配線109Aに接続される入力端子(赤)と正しく接続される一方、出力端子108c(黒)及び出力端子108b(白)は、それぞれ、配線109B及び配線109Cに接続される入力端子(白)及び入力端子(黒)に誤って接続されている。冷暖房室内端末100及び冷暖房室外機300を準備、特に初期設置する時に、このような誤配線も準備されることがある。特に、配線109L1,109L2,109L3のすべてが例えば同色の被覆を有する時に、誤配線が発生し得る。もちろん、配線109L1、配線109L2及び配線109L3がそれぞれ例えば赤色、白色及び黒色の被覆を有する時にも、例えば設置者であるユーザの不注意によって誤配線は発生し得る。
図3(A)に示す誤配線が存在する状態で、制御部107に冷房運転が設定される時に、制御部107は、出力端子108c(黒)と出力端子108a(赤)との間を短絡させることができる。これにより、配線109Bに接続される入力端子(白)と配線109Aに接続される入力端子(赤)との間の短絡が検出されるので、制御部307は、冷暖房室外機300の冷房運転と反対である暖房運転の開始を誤って実施してしまう。
次に、図3(A)に示す誤配線が存在する状態で、制御部107に暖房運転が設定される時に、制御部107は、出力端子108b(白)と出力端子108a(赤)との間を短絡させることができる。これにより、配線109Cに接続される入力端子(黒)と配線109Aに接続される入力端子(赤)との間の短絡が検出されるので、制御部307は、冷暖房室外機300の暖房運転と反対である冷房運転の開始を誤って実施してしまう。
図3(B)に示す誤配線が存在する状態で、制御部107に冷房運転が設定される時に、制御部107は、出力端子108c(黒)と出力端子108a(赤)との間を短絡させることができる。これにより、配線109Bに接続される入力端子(白)と配線109Cに接続される入力端子(黒)との間が短絡されるだけなので、制御部307は、冷暖房室外機300の冷房運転及び暖房運転の何れも実施することができない。
次に、図3(B)に示す誤配線が存在する状態で、制御部107に暖房運転が設定される時に、制御部107は、出力端子108b(白)と出力端子108a(赤)との間を短絡させることができる。これにより、配線109Aに接続される入力端子(赤)と配線109Cに接続される入力端子(黒)との間の短絡が検出されるので、制御部307は、冷暖房室外機300の暖房運転と反対である冷房運転の開始を誤って実施してしまう。
図3(C)に示す誤配線が存在する状態で、制御部107に冷房運転が設定される時に、制御部107は、出力端子108c(黒)と出力端子108a(赤)との間を短絡させることができる。これにより、配線109Aに接続される入力端子(赤)と配線109Bに接続される入力端子(白)との間の短絡が検出されるので、制御部307は、冷暖房室外機300の冷房運転と反対である暖房運転の開始を誤って実施してしまう。
次に、図3(C)に示す誤配線が存在する状態で、制御部107に暖房運転が設定される時に、制御部107は、出力端子108b(白)と出力端子108a(赤)との間を短絡させることができる。これにより、配線109Cに接続される入力端子(黒)と配線109Bに接続される入力端子(白)との間が短絡されるだけなので、制御部307は、冷暖房室外機300の冷房運転及び暖房運転の何れも実施することができない。
図3(A)、図3(B)及び図3(C)の何れかに示す誤配線が存在する状態で、冷暖房室外機300は、誤配線によって反対の運転を実施することがある。従って、冷暖房室内端末100の熱交換器103に取り込まれる媒体(例えば循環液)の温度は、冷暖房室外機300によって誤って実施されている反対の運転に基づく所望の温度になってしまう。言い換えれば、冷暖房室外機300が反対の運転を実施する時に、冷暖房室内端末100は、熱交換器103に取り込まれる媒体の温度に基づき、冷暖房室外機300での反対運転の実施を検出することによって、誤配線を検出することができる。
図4は、図1の冷暖房室内端末100の動作例を示すフローチャートである。冷暖房室内端末100の動作を説明する前に、その前提として、冷暖房室内端末100が準備又は設置され、冷暖房室外機300も準備又は設置され、冷暖房室内端末100と冷暖房室外機300との間の電気的な配線109も準備又は設置されている。冷暖房室内端末100の電源(本体電源)がONされ、冷暖房室外機300の電源(本体電源)もONされて、冷暖房室内端末100は、冷暖房室外機300に冷房運転又は暖房運転の開始を指示可能である。例えば設置者であるユーザが例えば冷暖房室内端末100の試運転として、例えばリモコンを操作することができる。
冷暖房室内端末100の電源がONされる時に、冷暖房室内端末100は、ユーザ(例えば設置者)からの操作又は選択を待つことができる。具体的には、冷暖房室内端末100の制御部107は、例えば入力部を介して冷房運転又は暖房運転の何れか一方の操作又は選択を待ち、その操作又は選択に従って冷暖房室内端末100内での運転を準備する。
次に、冷暖房室内端末100の制御部107は、冷房運転又は暖房運転の何れか一方の操作又は選択に基づき制御部107自身(例えばROM等のメモリ)に冷房運転又は暖房運転が設定されているか否か、即ち冷暖房室外機300に冷房運転又は暖房運転の開始を準備させる又は指示する状況にあるか否かを判定することができる(図4のステップST01)。制御部107に冷房運転又は暖房運転の何れか一方が実際に設定される時に、冷暖房室外機300に暖房運転の開始を指示すること、或いは、冷暖房室外機300に冷房運転の開始を指示することを判定することができる(図4のステップST02)。
冷暖房室内端末100が冷暖房室外機300に暖房運転の開始を指示しない時に、従って、冷暖房室内端末100が冷暖房室外機300に冷房運転の開始を指示する時に、冷暖房室内端末100の制御部107は、例えば図2の出力端子108c(黒)と出力端子108a(赤)との間を短絡させることができる。配線109に誤配線が存在しない時に、冷暖房室外機300は、冷房運転の実施を開始し、冷暖房室内端末100への媒体を冷却することができる。一方、配線109に誤配線が存在する時に、冷暖房室外機300は、暖房運転の実施を開始することがあり、冷暖房室内端末100への媒体を加熱してしまうことがある。
次に、冷暖房室外機300からの媒体を取り込むために、言い換えれば冷暖房室内端末100内での運転を開始するために、制御部107は、図1の弁101を開くことができる(図4のステップST03)。
その後、制御部107は、指示した冷房運転と反対の暖房運転が冷暖房室外機300によって実施されているか否か、即ち冷暖房室内端末100の熱交換器103に取り込まれる媒体の温度が高くなっているか否かを判定することができる(図4のステップST04)。1例として、冷暖房室外機300が暖房運転を誤って実施する状態で、冷暖房室内端末100が弁101を開いた後に、一定時間経過する時に、媒体の温度が例えば摂氏32[degree]以上になることが想定又は期待される。
冷暖房室内端末100が冷房運転の開始を冷暖房室外機300に指示する間であって、冷暖房室内端末100側で媒体の高温が検出される時に、冷暖房室内端末100内での運転を停止するために、制御部107は、図1の弁101を閉じることができる(図4のステップST05)。特に、気温が高い又は夏である時に、熱交換器303で室内の空気を加熱してしまうので、媒体の高温が検出される時に、弁101を閉じることは好ましい。例えばファンコイルユニットである冷暖房室内端末100が冷房運転の開始を冷暖房室外機300に指示する状態で、ファン105が駆動される時に、冷暖房室内端末100から送り出される温風の温度は、弁101が閉じることによって低減される。その後、制御部107は、制御部107自身に設定された冷房運転をリセットしてもよく、従って、例えば図2の出力端子108c(黒)と出力端子108a(赤)との間の短絡も停止させてもよい。
冷暖房室内端末100が冷房運転の開始を冷暖房室外機300に指示する間であって、冷暖房室内端末100側で媒体の高温が検出される時に、配線109に誤配線が存在することをユーザ(例えば冷暖房室内端末100を試運転する設置者)に報知するために、制御部107は、報知部106の動作として例えばお知らせランプを点灯させることができる(図4のステップST06)。
冷暖房室内端末100が冷房運転の開始を冷暖房室外機300に指示する間であって、冷暖房室内端末100側で媒体の高温が検出されない時に、制御部107は、冷房運転の選択又は操作の継続を確認し(図4のステップST01,ST02)、冷暖房室内端末100は冷房運転(熱交換器103の有効化)の制御及び高温検出の制御を継続することができる(ステップST03,ST04)。
冷房運転から暖房運転に制御部107上の設定が変更される時に、或いは、冷暖房室内端末100の最初の試運転で冷暖房室外機300に暖房運転の開始が指示される時に、冷暖房室内端末100は、冷暖房室外機300に暖房運転の開始を指示することができる(図4のステップST01,ST02)。冷暖房室内端末100が冷暖房室外機300に暖房運転の開始を指示する時に、冷暖房室内端末100の制御部107は、例えば図2の出力端子108b(白)と出力端子108a(赤)との間を短絡させることができる。配線109に誤配線が存在しない時に、冷暖房室外機300は、暖房運転の実施を開始し、冷暖房室内端末100への媒体を加熱することができる。一方、配線109に誤配線が存在する時に、冷暖房室外機300は、冷房運転の実施を開始することがあり、冷暖房室内端末100への媒体を冷却してしまうことがある。
次に、冷暖房室外機300からの媒体を取り込むために、言い換えれば冷暖房室内端末100内での運転を開始するために、制御部107は、図1の弁101を開くことができる(図4のステップST07)。
その後、制御部107は、指示した暖房運転と反対の冷房運転が冷暖房室外機300によって実施されているか否か、即ち冷暖房室内端末100の熱交換器103に取り込まれる媒体の温度が低くなっているか否かを判定することができる(図4のステップST08)。1例として、冷暖房室外機300が冷房運転を誤って実施する状態で、冷暖房室内端末100が弁101を開いた後に、一定時間経過する時に、媒体の温度が例えば摂氏20[degree]未満になることが想定又は期待される。
冷暖房室内端末100が暖房運転の開始を冷暖房室外機300に指示する間であって、冷暖房室内端末100側で媒体の低温が検出される時に、冷暖房室内端末100内での運転を停止するために、制御部107は、図1の弁101を閉じることができる(図4のステップST05)。特に、気温が低い又は冬である時に、熱交換器303及び冷暖房室内端末100の上に水滴(結露)が発生する可能性もあるので、媒体の低温が検出される時に、弁101を閉じることは好ましい。
冷暖房室内端末100が暖房運転の開始を冷暖房室外機300に指示する間であって、冷暖房室内端末100側で媒体の低温が検出される時に、制御部107は、ステップST05に加えて報知部106の動作として例えばお知らせランプを点灯させることができる(図4のステップST06)。
ところで、冷暖房室内端末100が暖房運転の開始を冷暖房室外機300に指示する時にお知らせランプが点灯するとともに、冷暖房室内端末100が冷房運転の開始を冷暖房室外機300に指示する時にもお知らせランプが点灯する時に、制御部107又はユーザは、例えば図3(A)で示される誤配線を検出又は認識することができる。
また、冷暖房室内端末100が暖房運転の開始を冷暖房室外機300に指示する時だけにお知らせランプが点灯する時に、制御部107又はユーザは、例えば図3(B)で示される誤配線を検出又は想定することができる。同様に、冷暖房室内端末100が冷房運転の開始を冷暖房室外機300に指示する時だけにお知らせランプが点灯する時に、制御部107又はユーザは、例えば図3(C)で示される誤配線を検出又は想定することができる。
図5は、図4のフローチャートの変形例を説明する図である。図5に示されるように、冷暖房室内端末100が冷房運転の開始を冷暖房室外機300に指示する間であって、冷暖房室内端末100側で媒体の高温が検出されて、お知らせランプを点灯させた後に(図5のステップST04,ST06)、制御部107は、冷房運転の選択又は操作の継続を前提として、冷暖房室内端末100内での運転を継続することができる。従って、冷暖房室内端末100は、冷房運転(熱交換器103の有効化)の制御及び高温検出の制御を継続することができる(ステップST09,ST10)。
図5のステップST09での熱交換器103の有効化は、例えば一定期間だけ実行される(ステップST10)。具体的には、ステップST04において媒体の高温が検出され、その後のステップST10で一定期間においても媒体の高温の検出が継続さる時に、冷暖房室内端末100は、冷房運転の制御を停止して、熱交換器103の無効化することができる(ステップST09,ST11)。
図5のST09での熱交換器103の有効化は、基本的には一定期間だけ実行されるが、その一定期間の途中で、ステップST10において媒体の高温が検出されない時に、制御部107は、ステップST11を実行しないで、熱交換器103の有効化を継続するとともに、制御部107は、報知部106の動作として例えばお知らせランプを消灯させることができる(ステップST12)。
実際には、冷暖房室内端末100と冷暖房室外機300との間の電気的な配線109に誤配線が存在しない時に、冷暖房室内端末100の制御部107は、誤配線を一時的に想定又は検出することがある(図5のステップST04)。具体的には、冷暖房室内端末100の初期温度又は室内の空気の初期温度が高い時に、ステップST04において媒体の高温が検出されることがある。1例として、冷暖房室内端末100の最初の試運転で冷暖房室外機300に暖房運転の開始が指示される時に、媒体の温度が高くなり、その後に、暖房運転から冷房運転に制御部107上の設定が変更されることがある。このような状況において、ステップST04では、媒体の温度が例えば摂氏32[degree]以上になることがある。
特に、冷暖房室内端末100と冷暖房室外機300との間の機械的な配管である管102が長い時に、冷暖房室外機300が暖房運転から冷房運転に切り替わったとしても、冷暖房室内端末100の熱交換器103に取り込まれる媒体の温度が図5のステップST04で高い温度を有した状態で、ステップST10で媒体の温度が低下するために要する時間が長いことがある。従って、冷暖房室内端末100は、ステップST11を実行した後に、媒体の高温が検出されるまで、ステップST09,ST10を繰り返すことができる。
また、図5に示されるように、冷暖房室内端末100が暖房運転の開始を冷暖房室外機300に指示する間であって、冷暖房室内端末100側で媒体の低温が検出されて、お知らせランプを点灯させた後に(図5のステップST08,ST13)、制御部107は、暖房運転の選択又は操作の継続を前提として、冷暖房室内端末100内での運転を継続することができる。従って、冷暖房室内端末100は、暖房運転(熱交換器103の有効化)の制御及び低温検出の制御を継続することができる(ステップST15,ST16)。
実際には、冷暖房室内端末100と冷暖房室外機300との間の電気的な配線109に誤配線が存在しない時に、冷暖房室内端末100の制御部107は、図5のステップST08で誤配線を一時的に想定又は検出することがあるからである。具体的には、冷暖房室内端末100の初期温度又は室内の空気の初期温度が低い時に、ステップST08では、媒体の温度が例えば摂氏20[degree]未満になることがある。
特に、冷暖房室内端末100と冷暖房室外機300との間の機械的な配管である管102が長い時に、冷暖房室外機300が冷房運転から暖房運転に切り替わったとしても、冷暖房室内端末100の熱交換器103に取り込まれる媒体の温度がステップST08で低い温度を有した状態で、ステップST16で媒体の温度が上昇するために要する時間が長いことがある。従って、冷暖房室内端末100は、ステップST17を実行した後に、媒体の低温が検出されるまで、ステップST15,ST16を繰り返すことができる。
図6(A)、図6(B)、図6(C)、図6(D)及び図6(E)は、図1の冷暖房室外機300が冷房運転を開始する間の冷暖房室内端末100の動作例を示すタイムチャートである。冷暖房室内端末100の動作を説明する前に、その前提として、例えば時刻t0でユーザがリモコンを操作し、これにより、冷暖房室内端末100が起動すると同時に、冷房運転が冷暖房室内端末100に設定されることになる。また、冷暖房室内端末100の初期温度は、高くなっている。
例えば時刻t0で冷房運転が冷暖房室内端末100に設定される時に、冷暖房室内端末100は、冷房運転の開始を冷暖房室外機300に指示するとともに(図6(A)参照)、弁101の開放を開始する(図6(B)参照)。図6(A)に示されるように、時刻t0以降、冷暖房室外機300への指示は、継続されている。
図6(B)に示されるように、時刻t0以降、弁101は、徐々に開き、その後、時刻t1まで、弁101の全開が継続されている。言い換えれば、図6(B)での弁101の動作は、冷暖房室内端末100内での通常の運転に基づき、弁101は、時刻t0から時刻t1まで冷房モードで開けられている。なお、冷暖房室内端末100に設定されている冷房モードは、図6(B)に限定されず、時刻t0で、弁101は、例えば瞬時に全開にされてもよい。
好ましくは、冷房モードは、冷暖房室内端末100の設置直後に実施される設置者による試運転だけでなく、その後に実施される典型的なユーザによる通常運転にも使用される通常の冷房モード(共用の冷房モード)である。冷房モードが通常の冷房モードである時に、冷暖房室内端末100の試運転(誤配線検出)だけに実行される弁101の動作に必要なデータは、冷暖房室内端末100に設定する必要がない。
図6(C)に示されるように、時刻t0で冷暖房室内端末100が起動する時に、冷暖房室内端末100に取り込まれる媒体の初期温度は、高くなっている。図6(C)において、時刻t0以降、冷暖房室内端末100は、常に媒体の温度を検出しているが、必要とされるタイミングだけ、媒体の温度を検出してもよい。図6(D)に示されるように、時刻t0で高温が検出される状態であるが、冷暖房室内端末100は、必要とされるタイミング、即ち時刻t1以降に、報知として例えばお知らせ表示を実行することができる。
図1の冷暖房室内端末100がファンコイルユニットである時に、冷暖房室内端末100内での運転として、弁101の動作だけでなく、ファン105の動作も実行される。好ましくは、ファン105は、通常の冷房モードで駆動され、1例として、ファン105の回転数は、室温と設定温度との差に応じて例えば5段階のうちの1つに設定される(図6(E)参照)。なお、ファン105の駆動を開始する時に、時刻t0以降、ファン105の回転数は、徐々に又は階段状に増加してもよい。言い換えれば、通常の冷房モードに臭い低減機能が付加されている時に、時刻t0付近でのファン105の回転数を制限してもよい。
図6(E)において、冷暖房室外機300への指示の継続に伴って、ファン105は、時刻t0以降常に駆動されているが、弁101の動作に伴って、ファン105の駆動は、停止されてもよい。好ましくは、時刻t1から時刻t3までの期間に、言い換えればお知らせ表示が実行されて、弁101が停止モードで閉じる時に、ファン105は、駆動されている(図6(E)参照)。特に、気温が高い又は夏である時に、熱交換器303で室内の空気が冷却されなくても、室内の空気がファン105の駆動で循環することによって、室内空間全体における温度を均一化することができるとともに(空調負荷の軽減)、室内にいるユーザは、気流によって涼しく感じることができる(サーキュレーション効果の取得)。
冷暖房室内端末100は、弁101を冷房モードで開けて、その後に例えば15[min]である所定時間(第1の所定時間)が経過する時刻t1(第1の時点)で、媒体の温度が例えば摂氏32[degree]である所定温度(第1の所定温度)以上であるか否かを判定することができる。時刻t1で媒体の温度が例えば摂氏32[degree]以上であるので、図6(C)に示されるように、媒体の高温が検出されることになる。従って、冷暖房室内端末100は、時刻t1で弁101を停止モードで閉じる(図6(B)参照)。なお、時刻t1で、弁101は、例えば瞬時に全閉にされてもよい。加えて、冷暖房室内端末100は、時刻t1でお知らせ表示を実行することができる(図6(D)参照)。
実際には、冷暖房室内端末100と冷暖房室外機300との間の電気的な配線109に誤配線が存在しない時に、弁101を閉じた時刻t1でお知らせ表示が実行されることがある。従って、冷暖房室内端末100は、例えば図5のステップST09,ST10,ST11を実行することができる。具体的には、時刻t1(弁101を閉じた第1の時点又はお知らせ表示を実行した第1の時点)から例えば15[min]である所定時間(第3の所定時間)が経過する時刻t3(第3の時点)で、冷暖房室内端末100は、弁101を冷房モードで開けて(図6(B)参照)、その後に例えば5[min]である所定時間(第4の所定時間)が経過する時刻t4(第4の時点)まで、弁101を冷房モードで開けることを継続する(ステップST11)。1例において、時刻t3から時刻t4までの期間(第1の期間)の終端である時刻t4で媒体の温度が摂氏32[degree]以上でないので、図6(C)に示されるように、媒体の高温が検出されないことになる。これに応じて、冷暖房室内端末100は、時刻t4でお知らせ表示を取り消すことができる(図6(D)参照)。
なお、冷暖房室内端末100は、時刻t1から時刻t3までの期間、例えば図5のステップST05に従って弁101を閉じることができる(図6(B)参照)。即ち、ステップST05からステップST09までの間は、冷暖房室内端末100内での熱交換器103を無効化することによって、熱交換器103に取り込まれる媒体の温度の低下を促進させることができる。従って、ステップST05を実行した後に、好ましくは、冷暖房室内端末100は、制御部107自身に設定された冷房運転をリセットしない、即ち、例えば図2の出力端子108c(黒)と出力端子108a(赤)との間の短絡を継続させて、時刻t1から時刻t3までの期間、冷暖房室外機300への指示は、継続されている(図6(A)参照)。
また、時刻t3から時刻t4までの期間(第1の期間)、冷暖房室内端末100は、常に、或いはリアルタイムに、高温検出の制御(図5のステップST10)を継続することができる。従って、仮に、時刻t3から時刻t4までの期間の途中のある時刻で、媒体の高温が検出されない時に、冷暖房室内端末100は、その途中のある時点でお知らせ表示を取り消すことができる。代替的に、誤判定を低減させるために、弁101を開けた時刻t3から例えば3[min]である一定時間を経過する次の時刻(t3+3[min])から時刻t4までの期間、冷暖房室内端末100は、常に、或いはリアルタイムに、高温検出の制御(図5のステップST10)を継続することができる。従って、仮に、次の時刻(t3+3[min])から時刻t4までの期間の途中のある時刻で、媒体の高温が検出されない時に、冷暖房室内端末100は、その途中のある時点でお知らせ表示を取り消すことができる。
他方、仮に、時刻t3から時刻t4までの期間(第1の期間)のすべてにおいて媒体の高温が検出される時に、時刻t4で弁101は閉じられ、時刻t4以降もお知らせ表示は継続されることになる。代替的に、時刻t3から次の時刻(t3+3[min])までの期間に高温検出の制御が停止される時に、仮に、次の時刻(t3+3[min])から時刻t4までの期間のすべてにおいて媒体の高温が検出される時に、時刻t4で弁101は閉じられ、時刻t4以降もお知らせ表示は継続されることになる。
1例として、図6(B)において、時刻t1で媒体の温度が摂氏32[degree]以上である時に、冷暖房室内端末100は、弁101を閉じているが、誤判定を低減させるために、以下のように冷暖房室内端末100の動作を変更することができる。具体的には、時刻t1で媒体の温度が摂氏32[degree]以上であり、且つ時刻t1から例えば1[min]である一定時間を経過する次の時刻(t1+1[min])までの間、媒体の温度が摂氏32[degree]以上であり続ける時に、冷暖房室内端末100は、弁101を閉じることができる。
図7(A)、図7(B)、図7(C)及び図7(D)は、図1の冷暖房室外機300が暖房運転を開始する間の冷暖房室内端末100の動作例を示すタイムチャートである。冷暖房室内端末100の動作を説明する前に、その前提として、例えば時刻t0'でユーザがリモコンを操作し、これにより、冷暖房室内端末100が起動すると同時に、暖房運転が冷暖房室内端末100に設定されることになる。また、冷暖房室内端末100の初期温度は、低くなっている。
例えば時刻t0'で暖房運転が冷暖房室内端末100に設定される時に、冷暖房室内端末100は、暖房運転の開始を冷暖房室外機300に指示するとともに(図7(A)参照)、弁101の開放を開始する(図7(B)参照)。図7(B)に示されるように、時刻t0'に遅延時間を付加し、時刻t0'から例えば3[min]である一定時間を経過する次の時刻(t0'+3[min])で、弁101が開かれる。但し、媒体の温度の上昇が促進されることを待たないで、冷暖房室内端末100は、時刻t0'で弁101を開いてもよい。
図7(B)に示されるように、次の時刻(t0'+3[min])以降、弁101は、徐々に開き、その後、弁101の全開が一定期間だけ継続されている。再び、弁101は、徐々に開き、その後、弁101の全開が一定期間だけ継続されている。言い換えれば、図7(B)での弁101の動作は、冷暖房室内端末100内での通常の運転に基づき、弁101は、次の時刻(t0'+3[min])から時刻t2まで、暖房モード(好ましくは通常の暖房モード)で開けられている。暖房モードでは、典型的には、弁101は、間欠的に開かれる。なお、図1の冷暖房室内端末100がファンコイルユニットである時に、冷暖房室内端末100内での運転として、ファン105の動作は、典型的には、実行されない。
図7(C)に示されるように、時刻t0'で冷暖房室内端末100が起動する時に、冷暖房室内端末100に取り込まれる媒体の初期温度は、低くなっている。図7(C)において、時刻t0'以降、冷暖房室内端末100は、常に媒体の温度を検出しているが、必要とされるタイミングだけ、媒体の温度を検出してもよい。図7(D)に示されるように、時刻t0'で高温が検出される状態であるが、冷暖房室内端末100は、必要とされるタイミング、即ち時刻t2以降に、報知として例えばお知らせ表示を実行することができる。
冷暖房室内端末100は、弁101を暖房モードで開けて、その後に例えば10[min]である所定時間(第2の所定時間)が経過する時刻t2(第2の時点)で、媒体の温度が例えば摂氏20[degree]である所定温度(第2の所定温度)未満であるか否かを判定することができる。時刻t2で媒体の温度が例えば摂氏20[degree]未満であるので、図7(C)に示されるように、媒体の低温が検出されることになる。従って、冷暖房室内端末100は、時刻t2で弁101を停止モードで閉じる(図7(B)参照)。加えて、冷暖房室内端末100は、時刻t2でお知らせ表示を実行することができる(図7(D)参照)。
弁101が間欠的に開かれる時に、弁101を閉じるか否かを判定するための時刻t2、言い換えれば、お知らせ表示を実行するか否かを判定するための時刻t2は、弁101が実際に開いている時刻に設定されることが好ましい。更に好ましくは、時刻t2は、弁101が十分に開いている状態、例えば、弁101の全開の継続が終了する一定期間の終端である時刻である。図7(B)において、時刻t2は、弁101の2回目の全開の継続が終了する一定期間の終端である時刻である。
実際には、冷暖房室内端末100と冷暖房室外機300との間の電気的な配線109に誤配線が存在しない時に、弁101を閉じた時刻t2でお知らせ表示が実行されることがある。従って、冷暖房室内端末100は、例えば図5のステップST15,ST16,ST17を実行することができる。具体的には、時刻t2(弁101を閉じた第2の時点又はお知らせ表示を実行した第2の時点)から例えば15[min]である所定時間(第5の所定時間)が経過する時刻t5(第5の時点)で、冷暖房室内端末100は、弁101を暖房モードで開けて(図7(B)参照)、その後に例えば5[min]である所定時間(第6の所定時間)が経過する時刻t6(第6の時点)まで、弁101を暖房モードで開けることを継続する(ステップST17)。1例において、時刻t5から時刻t6までの期間(第2の期間)の終端である時刻t6で媒体の温度が摂氏20[degree]未満でないので、図7(C)に示されるように、媒体の高温が検出されないことになる。これに応じて、冷暖房室内端末100は、時刻t6でお知らせ表示を取り消すことができる(図7(D)参照)。
なお、冷暖房室内端末100は、時刻t2から時刻t5までの期間、例えば図5のステップST13に従って弁101を閉じることができる(図7(B)参照)。即ち、ステップST13からステップST15までの間は、冷暖房室内端末100内での熱交換器103を無効化することによって、熱交換器103に取り込まれる媒体の温度の上昇を促進させることができる。従って、ステップST13を実行した後に、好ましくは、冷暖房室内端末100は、制御部107自身に設定された暖房運転をリセットしない、即ち、例えば図2の出力端子108b(白)と出力端子108a(赤)との間の短絡を継続させて、時刻t2から時刻t5までの期間、冷暖房室外機300への指示は、継続されている(図7(A)参照)。
また、時刻t5から時刻t6までの期間(第2の期間)、冷暖房室内端末100は、常に、或いはリアルタイムに、低温検出の制御(図5のステップST16)を継続することができる。代替的に、誤判定を低減させるために、弁101を開けた時刻t5から例えば3[min]である一定時間を経過する次の時刻(t5+3[min])から時刻t6までの期間、冷暖房室内端末100は、常に、或いはリアルタイムに、低温検出の制御(図5のステップST16)を継続することができる。
仮に、時刻t5から時刻t6までの期間(第2の期間)のすべてにおいて媒体の低温が検出される時に、時刻t6で弁101は閉じられ、時刻t6以降もお知らせ表示は継続されることになる。代替的に、時刻t5から次の時刻(t5+3[min])までの期間に高温検出の制御が停止される時に、仮に、次の時刻(t5+3[min])から時刻t6までの期間のすべてにおいて媒体の高温が検出される時に、時刻t6で弁101は閉じられ、時刻t6以降もお知らせ表示は継続されることになる。
1例として、図7(B)において、時刻t2で媒体の温度が摂氏20[degree]未満である時に、冷暖房室内端末100は、弁101を閉じているが、誤判定を低減させるために、以下のように冷暖房室内端末100の動作を変更することができる。具体的には、時刻t2で媒体の温度が摂氏20[degree]未満であり、且つ時刻t2から例えば1[min]である一定時間を経過する次の時刻(t2+1[min])までの間、媒体の温度が摂氏20[degree]未満であり続ける時に、冷暖房室内端末100は、弁101を閉じることができる。
図8は、図1のブロック図の変形例を説明する図である。図1では、冷暖房システムは、1つの冷暖房室内端末100と1つの冷暖房室外機300とを備えているが、図8に示されるように、冷暖房システム又は冷暖房室外機300には、複数の端末100,110,120が接続されてもよい。図8において、端末100は、1例として、図1の冷暖房室内端末100である。言い換えれば、図8に示される冷暖房室内端末100は、熱交換器103及び制御部107並びに報知部106を備え、他の構成である検出部104、ファン105、通信部108等の図示は、省略されている。もちろん、図8に示される冷暖房室内端末100は、図1のファン105を備えないで、例えば冷温水パネルで構成されてもよい。
図8において、端末110は、1例として、図1の冷暖房室内端末100である。言い換えれば、図8に示される冷暖房システムは、例えば2つの冷暖房室内端末又は2つのファンコイルユニットを有することができる。もちろん、図8に示される冷暖房システムは、1つの冷暖房室内端末だけを備え、端末110は、例えば床暖房パネルである暖房室内端末(暖房専用室内端末)であってもよい。図8において、端末120は、1例として、図1の冷暖房室内端末100である。言い換えれば、図8に示される冷暖房システムは、例えば3つの冷暖房室内端末を有することができる。もちろん、端末120は、暖房室内端末であってもよい。
図8において、端末100,110,120の報知部106,116,126は、1例として、例えば黄色の光を発光可能なLEDランプの点灯によるお知らせ表示106a,116a,126a及び、例えば緑色の光を発光可能なLEDランプの点灯による運転表示106b,116b,126bを有することができる。また、端末100,110,120は、運転を実施可能な周知の構成を採用することができる。
図8において、冷暖房室外機300は、例えばハイブリッド冷温水室外機である複合冷暖房室外機であるが、これに限定されるものではない。図8に示される冷暖房室外機300又は複合冷暖房室外機は、例えば2つの室外機300a及び300b(2つのヒートポンプ装置)を有することができる。図8において、冷暖房室外機300は、1例として、図1の冷暖房室外機300である。言い換えれば、図1の熱交換器303、ヒートポンプ305及び制御部307は、それぞれ、1例として、図8の熱交換器303a1,303a2,303b1,303b2、ヒートポンプ305a,305b及び制御部307a,307bで構成することができる。なお、1例として、制御部307aだけが端末100,110,120からの指示を受信可能であり、受信した指示に基づく運転を室外機300aが実施するとともに、その指示は、制御部307aから制御部307bに送信されて、その指示に基づく運転を室外機300bも実施することができる。
図8において、室外機300a及び室外機300bは、それぞれ、例えば地中熱ヒートポンプ装置及び空気熱ヒートポンプ装置であるが、これに限定されるものではない。図8の室外機300a及び室外機300bは、1例として、直列に連結されたヒートポンプサイクルを有している。例えば暖房運転を開始する時に、室外機300a又は地中熱ヒートポンプ装置は、地中側の熱交換器303a2を利用して端末100,110,120側の媒体又は循環液を熱交換器303a1及びヒートポンプ305aで加熱可能である。その後に、室外機300b又は空気熱ヒートポンプ装置は、空気側の熱交換器303b2を利用して端末100,110,120側の媒体又は循環液を熱交換器303b1で更に加熱可能である。なお、ヒートポンプ305a及びヒートポンプ305bの各々は、例えば図示されない凝縮器、膨張弁、蒸発器及び圧縮機等を有している。
図8において、端末100,110,120の熱交換器103,113,123の出口側(戻り側)の管102,112,122は、例えば混合ヘッダ(戻り側ヘッダ)に接続され、端末100,110,120側の媒体が室外機300aの熱交換器303a1に取り込まれ、その媒体は、熱交換器303a1から吐き出されて、室外機300bの熱交換器303b1に取り込まれる。その後、その媒体は、熱交換器303b1から吐き出されて、例えば分配ヘッダ(往き側ヘッダ)に接続される熱交換器103,113,123の入口側(往き側)の管102,112,122を介して、端末100,110,120に入る。
図8において、冷暖房室外機300又は室外機300aには、例えばメインリモコンである制御部407が接続され、ユーザがリモコンの電源ボタン(図示せず)を押す時に、室外機300a及び室外機300bの電源(本体電源)がONされる。端末100,110,120の何れか1つが例えば暖房専用の床暖房パネル、暖房専用のロードヒーティング等の暖房端末である時に、制御部407(メインリモコン)で、暖房端末の動作を制御してもよい。図8において、例えば空気熱ヒートポンプ装置である室外機300bは、1例として、ファン309を備えることができる。冷暖房室外機300又は室外機300a,300bは、冷暖房運転を実施可能な周知の構成を採用することができ、例えば図示されない他の検出部(例えば温度センサ)を備え、それによって検出される外気温に基づき、室外機300a及び室外機300bの一方の運転を優先させることができる。
以下に、冷暖房システムの設置、並びに、その後の試運転及び通常運転について、簡単に説明する。1例として、まず、設置者は、冷暖房室外機300(室外機300a及び室外機300b)を所定の場所に配置するとともに、地中と熱交換器303a2との間の機械的な配管及び制御部307aと制御部307bとの間の電気的な配線を所定の場所に配置する。次に、設置者は、端末100,110,120を所定の場所に配置するとともに、管102,112,122を端末100,110,120及び冷暖房室外機300に機械的に接続し、配線109,119,129を端末100,110,120及び冷暖房室外機300に電気的に接続する。このように、冷暖房システムは、設置者によって準備されて、冷暖房システムの設置が完了される。
次に、設置者は、端末100,110,120を順次に試運転する。設置者は、端末100,110,120の中から1つの端末を選択し、その1つの端末において、単方向通信を配線109,119,129のうちの対応する配線で実行する。具体的には、例えば、冷暖房室内端末100だけに例えば冷房運転が設定され、冷暖房室内端末100(制御部107)のみから冷暖房室外機300(制御部307a)に冷房運転の開始が指示される。この時に、冷暖房室内端末100は、例えば運転表示106bを実行することができ(例えば緑色LEDの点灯)、例えばお知らせ表示106aを実行していない(例えば黄色LEDの非点灯)。
配線109に誤配線が存在しない時に、冷暖房室外機300は、冷房運転の実施を開始する。一方、配線109に誤配線が存在する時に、冷暖房室外機300は、暖房運転の実施を開始することがあり、冷暖房室内端末100への媒体を加熱してしまうことがある。従って、熱交換器103に取り込まれる媒体の温度が、指示された冷房運転とは異なる暖房運転に基づく所望の温度に合致することがある。媒体の温度が例えば摂氏32[degree]以上である時に、冷暖房室内端末100は、例えばお知らせ表示106aを実行する(例えば黄色LEDの点灯)。設置者は、お知らせ表示106aの実行に基づき、冷暖房室内端末100及び冷暖房室外機300の電源をOFFし、誤配線を正すことができる。
設置者が配線109に誤配線が最初から存在しないこと又は誤配線を正したことを確認した後に、例えば、冷暖房室内端末110だけに例えば冷房運転が設定され、冷暖房室内端末110のみから冷暖房室外機300に冷房運転の開始が指示される。配線119に誤配線が存在する時に、冷暖房室内端末110は、例えばお知らせ表示116aを実行することができる(例えば黄色LEDの点灯)。
設置者が配線119に誤配線が最初から存在しないこと又は誤配線を正したことを確認した後に、例えば、冷暖房室内端末120だけに例えば冷房運転が設定され、冷暖房室内端末120のみから冷暖房室外機300に冷房運転の開始が指示される。配線129に誤配線が存在する時に、冷暖房室内端末120は、例えばお知らせ表示126aを実行することができる。
配線109,119,129のすべてに誤配線が存在しない時に、設置者は、冷暖房システムの試運転を終了させることができる。その後、例えば所有者又は購入者であるユーザは、端末100,110,120を通常運転することができる。ところで、端末100,110,120と冷暖房室外機300との間の通信は、双方向通信ではないので、例えば冷暖房室内端末100は、他の端末110,120から冷暖房室外機300への指示を冷暖房室外機300から受信することができない。従って、例えば端末120から冷暖房室外機300へ例えば暖房運転の開始が指示されて、冷暖房室外機300が暖房運転を実施している時に、冷暖房室内端末100は、既に実施されている暖房運転とは異なる冷房運転を開始する指示が冷暖房室外機300に送信することがある。典型的には、1人のユーザの誤操作によって、このような指示が送信される。或いは、複数のユーザが互いに異なる運転を希望する時に、このような指示が送信される。
冷暖房室外機300は、複数の指示を受信可能であるので、最初の指示だけに基づき、その指示に基づく運転を実施することができる。即ち、例えば端末120から冷暖房室外機300へ例えば暖房運転の開始が指示されて、冷暖房室外機300が暖房運転を実施している時に、冷暖房室外機300は、暖房運転の指示が解除されない限り、例えば冷暖房室内端末100からの冷房運転の指示を無視することができる。
このような状況において、熱交換器103に取り込まれる媒体の温度が、指示された冷房運転とは異なる暖房運転に基づく所望の温度に合致することがある。媒体の温度が例えば摂氏32[degree]以上である時に、冷暖房室内端末100は、例えばお知らせ表示106aを実行する(例えば黄色LEDの点灯)。所有者又は購入者は、お知らせ表示106aの実行に基づき、冷暖房室内端末100の指示する運転を暖房運転に切り替えることができる。或いは、例えば端末120の指示する運転を冷房運転に切り替えることによって又は例えば端末120の指示する運転を停止することによって、例えば端末120の指示を解除することができる。
従って、誤配線検出方法は、試運転だけでなく、通常運転にも有効である。言い換えれば、誤配線検出方法は、好ましくは、端末100,110,120の通常運転にも実行されて、誤指示検出方法と呼ぶことができる。或いは、誤指示が存在する時に、例えば冷暖房室内端末100において熱交換器103への媒体の取り込みを停止させるために、冷暖房室内端末100は、弁101を停止モードで閉じて、停止モードに対応する例えば図6(B)の時刻t1から時刻t3までの間、待機することができる。このように、試運転だけでなく、通常運転にも実行される冷暖房室内端末運転方法は、誤配線検出方法(誤配線及び誤指示の両者を検出可能な誤配線兼誤指示検出方法)を常に含んで、常にそれを実行することが好ましい。
本発明は、上述の例示的な実施形態に限定されず、また、当業者は、上述の例示的な実施形態を特許請求の範囲に含まれる範囲まで、容易に変更することができるであろう。