以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必要構成要件であるとは限らない。
1.構成
図1は、本実施形態のネットワークシステム(ゲームシステム)を示す。本実施形態では、複数の端末10とサーバ20(サーバシステム)とによって構成される。つまり、図1に示すように、本実施形態のネットワークシステムは、サービスを提供するサーバ20と、端末10とが、ネットワークに接続可能に構成される。
サーバ20は、複数のユーザ(プレーヤ)間でコミュニケーションを提供することが可能なサービスを提供する情報処理装置であり、本実施形態ではSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)と呼ばれるコミュニティ型のサービスを提供するサーバである。つまり、サーバ20は、ユーザの情報(ユーザ名、日記、掲示情報、ゲームフィールドの状況など)をログインしたユーザだけでなく、当該ユーザとフレンド関係にある他のユーザにも送信し、ユーザ間でコミュニケーションを図るようにしている。サーバ20は、会員登録を行ったユーザに限定してサービスを提供するようにしてもよい。サーバ20は、1又は複数のサーバ(認証サーバ、ゲーム処理サーバ、通信サーバ、課金サーバ、データベースサーバ等)により構成することができる。
また、本実施形態のサーバ20は、端末10からの要求に応じて、オンラインゲームサービス(ソーシャルゲーム)を提供する。本実施形態では、端末10においてゲームプログラムが実行され、サーバ20では、プレーヤのアカウント情報や、端末10で実行されるゲームのゲーム結果、当該ゲームで使用可能なゲーム要素(キャラクタ、アイテム等)
、当該ゲームで使用可能なゲーム内通貨などの情報、当該ゲームを構成するステージに関する情報等が管理される。
端末10は、携帯端末(スマートフォン、携帯電話、携帯型ゲーム機等)、パーソナルコンピュータ(PC)、ゲーム装置、画像生成装置などの情報処理装置であり、インターネット(WAN)、LANなどのネットワークを介してサーバ20に接続可能な装置である。なお、端末10とサーバ20との通信回線は、有線でもよいし無線でもよい。
図2に本実施形態のゲーム装置(端末10)の機能ブロック図の一例を示す。なお本実施形態のゲーム装置は図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
入力部150は、プレーヤからの入力情報を入力(検出)するための機器であり、プレーヤの入力情報(操作入力)を処理部100に出力する。入力部150の機能は、タッチパネル、タッチパッド、マウス、方向キーやボタン、キーボード等の入力機器により実現することができる。
記憶部170は、処理部100の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するとともに、処理部100のワーク領域として機能し、その機能はハードディスク、RAMなどにより実現できる。また、記憶部170は、プレーヤが保有する(プレーヤが使用可能な)キャラクタに関する情報(種類、パラメータ、属性、レベル等)、デッキを構成するキャラクタ(対戦用キャラクタとして設定されたキャラクタ)の設定情報、プレーヤが保有するアイテムに関する情報、対戦相手のデッキに関する情報(キャラクタの種類、パラメータ、属性、レベル等)、ゲームを構成するゲームシーン(ゲームステージ)に関する情報等の各種データを記憶する。ここで、対戦相手は、オンラインゲームに参加する他のプレーヤであってもよいし、NPC(ノンプレーヤキャラクタ)であってもよい。対戦相手が他のプレーヤである場合、サーバ20は、各プレーヤのデッキ(対戦用キャラクタ)に関する設定情報を管理し、プレーヤ(端末10)からの配信要求に応じて、要求された他のプレーヤのデッキに関する設定情報を当該プレーヤの端末10に配信する。
表示部190は、処理部100で生成されたゲーム画像を出力するものであり、その機能は、タッチパネル、LCD或いはCRTなどのディスプレイにより実現できる。
音出力部192は、処理部100で生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
通信部196はサーバ20との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
なお、サーバ20が有する情報記憶媒体や記憶部に記憶されている処理部100の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを、ネットワークを介して受信し、受信したプログラムやデータを記憶部170に記憶してもよい。このようにプログラムや各種データを受信して端末を機能させる場合も本発明の範囲内に含む。
処理部100(プロセッサ)は、入力部150からの入力情報(操作入力)、プログラム、通信部196を介して受信したデータなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、音生成処理、などの処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
処理部100は、デッキ設定部110、ゲームシーン設定部112、ゲーム処理部114、勝敗判定部116、パラメータ更新部118、画像生成部120、音生成部130を含む。
デッキ設定部110は、入力部150からの操作入力(プレーヤの操作入力)に基づいて、プレーヤのデッキを構成する複数のキャラクタとデッキの属性とを設定する(プレーヤのデッキの設定情報を更新する)。デッキの属性とは、当該デッキを構成する複数のキャラクタのフォーメーション(配置隊形)を特定するための属性である。
ゲームシーン設定部112は、プレーヤのデッキを構成する複数のキャラクタのパラメータに基づく値と、対戦相手のデッキを構成する複数のキャラクタのパラメータに基づく値とを比較し、比較結果に基づいて、所定数のゲームシーンにおける第1のゲームシーンと第2のゲームシーンとの割合を決定する。
また、ゲームシーン設定部112は、前記デッキに設定された属性と前記デッキの内容とに基づいて、ゲーム(第1のゲームシーン、第2のゲームシーン)において選択されるキャラクタ(及び、選択されるキャラクタの数)と比較するパラメータの種類とを決定する。
ゲーム処理部114は、ゲームシーン設定部112で設定された内容に従って、プレーヤのデッキを構成する複数のキャラクタから選択されたキャラクタのパラメータに基づく値と、対戦相手のデッキを構成する複数のキャラクタから選択されたキャラクタのパラメータに基づく値とを比較し、比較結果に応じてゲーム(第1のゲームシーン、第2のゲームシーン)を進行する。ここで、ゲーム処理部114は、第1のゲームシーンでは、前記比較結果が所定条件を満たす場合にプレーヤのスコアを加算して終了し、前記比較結果が前記所定条件を満たさない場合にプレーヤのスコアを加算せずに終了し、第2のゲームシーンでは、前記比較結果が前記所定条件を満たす場合に対戦相手のスコアを加算せずに終了し、前記比較結果が前記所定条件を満たさない場合に対戦相手のスコアを加算して終了する。また、ゲーム処理部114は、プレーヤのデッキを構成する複数のキャラクタから選択された1番目のキャラクタのパラメータに基づく値と、対戦相手のデッキを構成する複数のキャラクタから選択された1番目のキャラクタのパラメータに基づく値とを比較した第1の比較結果が所定条件を満たす場合に、プレーヤのデッキを構成する複数のキャラクタから選択された2番目のキャラクタのパラメータに前記第1の比較結果を反映させた値と、対戦相手のデッキを構成する複数のキャラクタから選択された2番目のキャラクタのパラメータに基づく値とを比較してもよい。
勝敗判定部116は、前記所定数のゲームシーンが終了したときのプレーヤのスコアと対戦相手のスコアを比較して勝敗を判定する。パラメータ更新部118は、ゲームの結果(勝敗等)に応じて前記キャラクタのパラメータを更新する。また、パラメータ更新部118は、プレーヤの操作入力に基づき前記キャラクタのパラメータを更新する。
画像生成部120は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて描画処理を行い、これによりゲーム画像(キャラクタ、設定画面等を含むゲーム画像)を生成し、表示部190に出力する。画像生成部120は、オブジェクト空間(ゲーム空間)内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像(いわゆる3次元画像)を生成してもよい。
音生成部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。
また処理部100は、ゲームを開始した場合には、ゲームを開始したことを通知するための情報をサーバ20に送信し、ゲームが終了した場合には、ゲーム結果や各種ゲームパラメータに関するゲーム結果情報をサーバ20に送信する。サーバ20は、ゲーム装置(端末10)から送信された、ゲーム結果情報に基づいて、各プレーヤに対応付けられた各種データの更新処理を行う。また、処理部100は、プレーヤのデッキの設定情報が変更された場合に、当該設定情報をサーバ20に送信してもよい。
また、本実施形態のゲームシステムをサーバシステム(ゲームシステム)として構成してもよい。サーバシステムは、1又は複数のサーバ(認証サーバ、ゲーム処理サーバ、通信サーバ、課金サーバ、データベースサーバ等)により構成することができる。この場合には、サーバシステムは、ネットワークを介して接続された1又は複数の端末(例えば、スマートフォン、携帯電話、携帯型ゲーム機等)から送信された操作入力(端末の入力部に入力されたデータ)に基づいて、デッキ設定部110、ゲームシーン設定部112、ゲーム処理部114、勝敗判定部116及びパラメータ更新部118の処理を行って、画像を生成するための画像生成用データを生成し、生成した画像生成用データを各端末に対して送信する。ここで、画像生成用データとは、本実施形態の手法により生成された画像を各端末において表示するためのデータであり、画像データそのものでもよいし、各端末が画像を生成するために用いる各種データ(オブジェクトデータ、ゲーム処理結果データ等)であってもよい。また、処理部100の各部の処理を、サーバと端末で分散して実行するようにゲームシステムを構成してもよい。
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について図面を用いて説明する。
本実施形態のゲームシステムは、プレーヤが複数のキャラクタ(カード)からなるデッキを構成して、対戦相手のキャラクタ(他のプレーヤのデッキを構成するキャラクタ、又はNPCのデッキを構成するキャラクタ)とサッカーの対戦を行うゲームを実行するように構成されている。
図3は、本実施形態のデッキの構成の一例を模式的に示す図である。プレーヤは、ゲーム開始時に、自身が保有する複数のキャラクタから11人のキャラクタを選択し、選択したキャラクタにそれぞれポジションを割り当て、キャラクタPC1〜PC11として設定することでデッキDKを構成する。図3に示す例では、キャラクタPC1は、ゴールキーパーのポジションに配置され、キャラクタPC2〜PC5は、ディフェンダーのポジションに配置され、キャラクタPC6〜PC9は、ミッドフィールダーのポジションに配置され、キャラクタPC10、PC11は、フォワードのポジションに配置されている。また、プレーヤは、デッキを設定する際にフォーメーションの種類(属性の一例)を選択することができる。図3に示す例では「4−4−2」のフォーメーションが選択されているが、その他のフォーメーション(例えば、「3−5−2」等)を選択することもできる。なお、対戦相手のデッキもプレーヤのデッキと同様に構成される。各キャラクタには、攻撃用パラメータ(シュート、ヘディング、パス、ドリブル、コーナーキック等の各能力値)と、守備用パラメータ(パスカット、スライディング、クリア、キャッチング等の各能力値)が設定されている。
本実施形態のゲームでは、プレーヤのデッキを構成するキャラクタ(以下、プレーヤキャラクタとも呼称する)のパラメータと対戦相手のデッキを構成するキャラクタ(以下、敵キャラクタとも呼称する)のパラメータとが比較され、比較結果に応じてゲームが進行する。ここで、ゲームには、プレーヤ側が攻撃を行いプレーヤ側が得点可能なチャンスシーン(第1のゲームシーン)と、プレーヤ側が守備を行い対戦相手側が得点可能なピンチシーンの2つのゲームシーン(第2のゲームシーン)がある。
チャンスシーンでは、プレーヤキャラクタの攻撃用パラメータが敵キャラクタの守備用パラメータ以上である場合(所定の条件を満たす場合)に、プレーヤのスコアが加算されて終了し、プレーヤキャラクタの攻撃用パラメータが敵キャラクタの守備用パラメータよりも小さい場合(所定の条件を満たさない場合)に、プレーヤのスコアが加算されずに終了する。一方、ピンチシーンでは、プレーヤキャラクタの守備用パラメータが敵キャラクタの攻撃用パラメータよりも小さい場合(所定の条件を満たさない場合)に対戦相手のスコアが加算されて終了し、プレーヤキャラクタの守備用パラメータが敵キャラクタの攻撃用パラメータ以上である場合(所定の条件を満たす場合)に対戦相手のスコアが加算されずに終了する。そして、第1及び第2のゲームシーンの少なくとも一方を含む所定数のゲームシーンが終了したときのプレーヤ側のスコアと対戦相手のスコアにより勝敗が決定される。
ここで、本実施形態では、複数(ここでは、11人)のプレーヤキャラクタのパラメータの合計値(或いは、平均値)と、複数の敵キャラクタのパラメータの合計値(或いは、平均値)とを比較し、比較結果に応じて所定数のゲームシーンに占めるチャンスシーン及びピンチシーンのそれぞれの割合を決定する。なお、攻撃的なポジションに配置された各キャラクタ(図3に示す例では、キャラクタPC7〜PC11)の攻撃用パラメータと、守備的なポジションに配置された各キャラクタ(図3に示す例では、キャラクタPC1〜PC6)の守備用パラメータとを合計することで、複数のキャラクタ(プレーヤキャラクタ、敵キャラクタ)のパラメータの合計値を求めてもよい。なお、複数のキャラクタのパラメータの合計値に、デッキ自体に設定されたパラメータ(連携力、チーム力など)を反映させた値に基づいて、比較を行ってもよい。
複数のプレーヤキャラクタのパラメータの合計値DPが複数の敵キャラクタのパラメータの合計値DEよりも大きい場合には、その差が大きいほど、所定数のゲームシーンに占めるチャンスシーンの割合が大きくなる(ピンチシーンの割合が小さくなる)ようにし、合計値DPが合計値DEよりも小さい場合には、その差が大きいほど、所定数のゲームシーンに占めるチャンスシーンの割合が小さくなる(ピンチシーンの割合が大きくなる)ようにする。例えば、6回(所定数の一例)のゲームシーンのうち、チャンスシーンを2回実行し、ピンチシーンを4回実行することが決定された場合、プレーヤは、6回のゲームシーンを通じて、最大2得点できる可能性があり、最大4失点する可能性があることになる。なお、合計値DPと合計値DEの差によっては、所定数のゲームシーンの全てがチャンスシーン又はピンチシーンとなる場合もある。なお、チャンスシーン及びピンチシーンの実行順序はランダムに(抽選により)決定される。
このように本実施形態によれば、所定数のゲームシーンにおけるチャンスシーン(プレーヤのスコアが加算され得るゲームシーン)とピンチシーン(対戦相手のスコアが加算され得るゲームシーン)との割合が、プレーヤのデッキの内容(デッキを構成するキャラクタのパラメータの合計値)と対戦相手のデッキの内容とに応じて変動するため、デッキを構築して対戦相手と対戦するゲームのゲーム性を向上させることができる。なお、各プレーヤキャラクタのパラメータは、ゲーム結果(勝敗、スコア等)に応じて、或いはキャラクタを強化する(例えば、プレーヤの操作入力に基づき選択されたキャラクタを合成のベースとし他のキャラクタを素材として、当該キャラクタと当該他のキャラクタとを合成する)ことによって更新(増加)される。従って、同じ対戦相手と再戦する場合であっても所定数のゲームシーンにおけるチャンスシーンとピンチシーンとの割合がその都度変動する場合があり、デッキを構築して対戦相手と対戦するゲームのゲーム性を向上させることができる。
また、本実施形態では、デッキの属性(フォーメーション)とデッキの内容に基づいて
、各ゲームシーンの内容を生成する。デッキの内容とは、デッキを構成するキャラクタ、デッキを構成する各キャラクタのポジション、デッキを構成する各キャラクタのパラメータ等である。また、ゲームシーンの内容とは、ゲームシーンに登場するキャラクタ(ゲームシーンにおいて選択されるキャラクタ)と、登場するキャラクタのプレイ内容(比較対象となるパラメータの種類)である。
図4は、生成されたゲームシーンの内容の一例を示す図である。図4に示す例では、6回のゲームシーンのうち、2回をチャンスシーン(C1、C2)とし、4回をピンチシーン(P1〜P4)とし、6回のゲームシーンをP1→C1→P2→P3→C2→P4の順序で実行することが決定されている。
各ゲームシーンの内容を生成する際には、まず、攻撃或いは守備の起点(右サイドか、左サイドか、中央か)をランダムに決定する。次に、決定した起点に応じて、デッキの属性及びデッキの内容を参照して、選択するキャラクタ、選択するキャラクタの数、選択する順序、比較するパラメータの種類を決定する。
図4に示す1回目のピンチシーンP1では、守備の起点が「右」に決定されているため、選択するキャラクタとして、右サイドの守備的なポジションに配置されたプレーヤキャラクタPC5及びプレーヤキャラクタPC4、PC1が決定され、また、PC5→PC4→PC1の順序で選択されることが決定されている。選択するキャラクタの数や順序はランダムに決定される。但し、ピンチシーンでは、キーパーのポジションに配置されたキャラクタ(ここでは、PC1)が最後に選択されるようにする。また、ピンチシーンでは、守備的なポジションのプレーヤキャラクタが多いほど、選択されるキャラクタの数が多くなるようにしてもよい。また、比較するパラメータの種類としては、守備用のパラメータが決定され、例えばプレーヤキャラクタPC5については「スライディング値」、プレーヤキャラクタPC4については「パスカット値」、プレーヤキャラクタPC1については「キャッチング値」が決定される。同様に、対戦相手についても、デッキの属性や内容を参照して、選択するキャラクタとその数、順序、パラメータの種類が決定される。ピンチシーンP1では、対戦相手のデッキから、攻撃的なポジションに配置された3人の敵キャラクタが決定され、比較するパラメータとして攻撃用パラメータ(例えば、「ドリブル値」、「パス値」、「シュート値」)が決定される。
この場合、ピンチシーンP1では、まず、1番目の敵キャラクタの「ドリブル値」に基づく値VE1と、1番目のプレーヤキャラクタPC5の「スライディング値」に基づく値VP1とが比較され、VP1がVE1以上である場合に、プレーヤ側の守備が成功したとしてピンチシーンP1は終了する。一方、VP1がVE1未満である場合には、2番目の敵キャラクタの「パス値」に基づく値VE2と、2番目のプレーヤキャラクタPC4の「パスカット値」に基づく値VP2とが比較され、VP2がVE2以上である場合に、プレーヤ側の守備が成功したとしてピンチシーンP1は終了する。一方、VP2がVE2未満である場合には、3番目の敵キャラクタの「シュート値」に基づく値VE3と、3番目のプレーヤキャラクタPC1の「キャッチング値」に基づく値VP3とが比較され、VP3がVE3以上である場合に、プレーヤ側の守備が成功したとしてピンチシーンP1は終了する。一方、VP3がVE3未満である場合には、プレーヤ側の守備が失敗したとして、対戦相手のスコアが1だけ加算されて(対戦相手側に得点が入り)ピンチシーンP1は終了する。
図4に示す1回目のチャンスシーンC1では、攻撃の起点が「右」に決定されているため、選択するキャラクタとして、右サイドの攻撃的なポジションに配置されたプレーヤキャラクタPC9及びプレーヤキャラクタPC11が決定され、また、PC9→PC11の順序で選択されることが決定されている。選択するキャラクタの数や順序はランダムに決
定される。なお、チャンスシーンでは、攻撃的なポジションのプレーヤキャラクタが多いほど、選択されるキャラクタの数が多くなるようにしてもよい。また、比較するパラメータの種類としては、攻撃用のパラメータが決定され、例えばプレーヤキャラクタPC9については「コーナーキック値」、プレーヤキャラクタPC11については「シュート値」が決定される。同様に、対戦相手のデッキから、キーパーを含む守備的なポジションに配置された2人の敵キャラクタが決定され、比較するパラメータとして守備用パラメータ(例えば、「クリア値」、「キャッチング値」)が決定される。
この場合、チャンスシーンC1では、まず、1番目のプレーヤキャラクタPC9の「コーナーキック値」に基づく値VP1と1番目の敵キャラクタの「クリア値」に基づく値VE1とが比較され、VP1がVE1未満である場合に、プレーヤ側の攻撃が失敗したとしてチャンスシーンC1は終了する。一方、VP1がVE1以上である場合には、2番目のプレーヤキャラクタPC11の「シュート値」に基づく値VP2と、2番目の敵キャラクタの「キャッチング値」に基づく値VE2とが比較され、VP2がVE2未満である場合に、プレーヤ側の攻撃が失敗したとしてチャンスシーンC1は終了する。一方、VP2がVE2以上である場合には、プレーヤ側の攻撃が成功したとして、プレーヤのスコアが1だけ加算されて(プレーヤ側に得点が入り)チャンスシーンC1は終了する。
同様に、2回目のピンチシーンP2では、守備の起点が「中央」に決定されているため、選択するキャラクタとして、中央の守備的なポジションに配置されたプレーヤキャラクタPC6及びプレーヤキャラクタPC3、PC1が決定され、また、PC6→PC3→PC1の順序で選択されることが決定されている。また、3回目のピンチシーンP3では、守備の起点が「左」に決定されているため、選択するキャラクタとして、左サイドの守備的なポジションに配置されたプレーヤキャラクタPC2及びプレーヤキャラクタPC1が決定され、また、PC2→PC1の順序で選択されることが決定されている。また、2回目のチャンスシーンC2では、攻撃の起点が「左」に決定されているため、選択するキャラクタとして、左サイドの攻撃的なポジションに配置されたプレーヤキャラクタPC7及びプレーヤキャラクタPC10が決定され、また、PC7→PC10の順序で選択されることが決定されている。また、4回目のピンチシーンP4では、守備の起点が「右」に決定されているため、選択するキャラクタとして、右サイドの守備的なポジションに配置されたプレーヤキャラクタPC4及びプレーヤキャラクタPC5、PC1が決定され、また、PC4→PC5→PC1の順序で選択されることが決定されている。
なお、図4に示す例では、ランダムに決定した攻撃或いは守備の起点に基づいて、1番目に選択されるキャラクタを決定しているが、1番目に選択されるキャラクタを各キャラクタのパラメータの値に基づき決定してもよい。例えば、チャンスシーンでは、攻撃用パラメータの値が最も大きいキャラクタを1番目に選択されるキャラクタとして決定し、ピンチシーンでは、守備用パラメータの値が最も大きいキャラクタを1番目に選択されるキャラクタとして決定してもよい。
このように本実施形態によれば、デッキに設定された属性とデッキの内容とに基づいて、ゲームにおいて選択されるキャラクタと比較するパラメータの種類とが決定されるため、ゲームの進行が単調になることを防止して、デッキを構築して対戦相手と対戦するゲームのゲーム性を向上させることができる。
図5は、本実施形態のゲームシステムで生成されるゲーム画面(ゲーム画像)の一例を示す図である。ゲーム画面GIは、端末10の表示部190(タッチパネル)に表示され、プレーヤは、指先やタッチペン等をタッチパネルに接触させる操作(タッチ操作)を行うことで操作入力を行うことができる。
図5は、図4に示すピンチシーンP1において、3番目の敵キャラクタECがシュートする場面(3番目の敵キャラクタECの攻撃用パラメータと、3番目のプレーヤキャラクタPC1の守備用パラメータとを比較する場面)で表示されるゲーム画面GIを示している。ゲーム画面GIには、操作入力のタイミングを指示する円状のオブジェクトOBと、操作用のボタンBT、IBが表示される。オブジェクトOBは、円状の基準位置SLに向けて一定の速度で収縮する。なお、オブジェクトOBの収縮速度は、敵キャラクタECのパラメータとプレーヤキャラクタのパラメータの差に応じて決定される。すなわち、敵キャラクタECのパラメータ(ここでは、「シュート値」)がプレーヤキャラクタPCのパラメータ(ここでは、「キャッチング値」)よりも大きい場合には、オブジェクトOBは基準速度よりも大きい速度で収縮し、敵キャラクタECのパラメータがプレーヤキャラクタPCのパラメータよりも小さい場合には、オブジェクトOBは基準速度よりも小さい速度で収縮する。このようにすると、プレーヤは、オブジェクトOBの収縮速度により敵キャラクタECとの能力差を容易に把握することができる。
プレーヤは、オブジェクトOBが基準位置SLに到達するタイミングに合わせてゲーム画面GIに表示されたボタンBT(或いは、特殊ボタンIB)をタッチする操作を行うことで高評価を得ることができる。すなわち、オブジェクトOBが基準位置SLに達するタイミング(基準タイミング)とタッチ操作のタイミング(入力タイミング)のズレが小さいほど得られる評価値が高くなる。このとき、プレーヤキャラクタPCの判定値VP(プレーヤキャラクタPCのパラメータに基づく値)は、次式により算出される。
VP=PP×TP
ここで、PPは、プレーヤキャラクタPCのパラメータ(ここでは、「キャッチング値」)である。なお、プレーヤキャラクタPCが本来の(予め設定された)ポジションとは異なるポジションに配置されている場合には、当該プレーヤキャラクタPCのパラメータに1未満の係数を掛けてPPを算出してもよい。また、TPは、ボタンBT(或いは、特殊ボタンIB)に対するタッチ操作のタイミングの評価値であり、入力タイミングと基準タイミングのズレが小さいほど大きくなる係数である。なお、プレーヤが特殊ボタンIBをタッチ操作した場合には、所定のアイテムが消費され、評価値TPに所定の値が加算される。
同様に、敵キャラクタECの判定値VE(敵キャラクタECのパラメータに基づく値)は、次式により算出される。
VE=PE×TE
ここで、PEは、敵キャラクタECのパラメータ(ここでは、「シュート値」)である。また、TEは、タッチ操作のタイミングの評価値(仮想的な値)であり、敵キャラクタECに設定されたレベルに応じた抽選により決定される係数である。
そして、判定値VPと判定値VEとが比較された結果、VPがVE以上であれば、対戦相手側のスコアが加算されずにピンチシーンは終了し、VPがVE未満であれば、対戦相手側のスコアが加算されてピンチシーンは終了する。但し、ボタンBT(或いは、特殊ボタンIB)に対するタッチ操作がなかった場合には、VPの値に関わらず、プレーヤ側の守備が失敗したとされ、対戦相手側のスコアが加算されてピンチシーンは終了する。
一方、チャンスシーンにおいてプレーヤキャラクタPCがシュートする場面においては、判定値VPと判定値VEとの比較の結果、VPがVE以上であれば、プレーヤ側のスコアが加算されてチャンスシーンは終了し、VPがVE未満であれば、プレーヤ側のスコアが加算されずにチャンスシーンは終了する。但し、ボタンBT(或いは、IB)に対するタッチ操作がなかった場合には、VPの値に関わらず、プレーヤ側の攻撃が失敗したとさ
れ、プレーヤ側のスコアが加算されずにチャンスシーンは終了する。
ここで、本実施形態では、1番目のプレーヤキャラクタについて算出した判定値VP(第1の比較結果)を、2番目以降のプレーヤキャラクタについて算出する判定値VPに反映させるようにしてもよい。この場合、1番目のプレーヤキャラクタの判定値VP1が1番目の敵キャラクタの判定値VE1以上である場合には、2番目のプレーヤキャラクタの判定値VP2を次式より判定する。
VP2=PP×TP+VP1×C
ここで、Cは、所定の係数である。同様に、2番目のプレーヤキャラクタの判定値VP2が2番目の敵キャラクタの判定値VE2以上である場合には、3番目のプレーヤキャラクタの判定値VP3を次式より判定する。4番目以降のプレーヤキャラクタの判定値についても同様である。
VP3=PP×TP+VP2×C
なお、1番目のプレーヤキャラクタについて算出した判定値VPに代えて、1番目のプレーヤキャラクタについて入力されたタッチ操作の評価値TPを、2番目以降のプレーヤキャラクタについて算出する判定値VPに反映させるようにしてもよい。
3.処理
次に、本実施形態のゲームシステムの処理の一例について図6のフローチャートを用いて説明する。
まず、ゲームシーン設定部112は、複数のプレーヤキャラクタ(プレーヤのデッキを構成するキャラクタ)のパラメータの合計値DPと複数の敵キャラクタ(対戦相手のデッキを構成するキャラクタ)のパラメータの合計値DEとに基づいて、所定数Nのゲームシーンにおけるチャンスシーン(第1のゲームシーン)とピンチシーン(第2のゲームシーン)との割合を決定し(ステップS10)、また、各ゲームシーンの実行順序を決定する。
次に、ゲームシーン設定部112は、プレーヤのデッキの属性及び内容と、対戦相手のデッキの属性及び内容とに基づいて、各ゲームシーンの内容(選択するキャラクタ、選択するキャラクタの数、選択する順序、比較するパラメータの種類)を決定する(ステップS12)。
次に、処理部100は、変数nに1をセットする(ステップS14)。次に、ゲーム処理部114は、ステップS10、S12で設定された内容に従って、n番目のゲームシーンを実行する(ステップS16)。ゲームシーンを実行する処理の詳細については後述する。次に、処理部100は、変数nが所定数Nに達したか否かを判断し(ステップS18)、変数nが所定数Nに達していない場合(ステップS18のN)には、変数nを1だけ増加させ(ステップS20)、ステップS16に移行する。変数nが所定数Nに達した場合(ステップS18のY)には、勝敗判定部116は、プレーヤのスコアSPと対戦相手のスコアSEを比較して勝敗を判定する(ステップS22)。また、パラメータ更新部118は、ゲーム結果に応じて各プレーヤキャラクタのパラメータを更新する。
図7は、図6のステップS16においてチャンスシーン(第1のゲームシーン)を実行するときの処理の一例を示すフローチャートである。
まず、処理部100は、変数mに1をセットする(ステップS30)。次に、ゲーム処理部114は、ボタンBT(或いは、特殊ボタンIB)をタッチする操作入力のタイミン
グを取得し、取得した入力タイミングと基準タイミングに基づいてプレーヤの操作の成否を評価して評価値TPを算出する(ステップS32)。次に、ゲーム処理部114は、m番目の(m番目に選択された)プレーヤキャラクタの攻撃用パラメータと評価値TPと(mが2以上の場合、更に、判定値VPm−1)に基づいて判定値VPmを算出し(ステップS34)、m番目の敵キャラクタの守備用パラメータと仮想的な評価値TEとに基づいて判定値VEmを算出する(ステップS36)。
次に、ゲーム処理部114は、判定値VPmが判定値VEm以上であるか否かを判断し(ステップS38)、判定値VPmが判定値VEm未満である場合(ステップS38のN)には、プレーヤ側の攻撃が失敗したと判定して、チャンスシーンを終了する。判定値VPmが判定値VEm以上である場合(ステップS38のY)には、処理部100は、変数mがM(Mは、ゲームシーンにおいて選択されるプレーヤキャラクタの数)に達したか否かを判断し(ステップS40)。変数mがMに達していない場合(ステップS40のN)には、変数mを1だけ増加させ(ステップS42)、ステップS32に移行する。変数mがMに達した場合(ステップS40のY)には、ゲーム処理部114は、プレーヤ側の攻撃が成功したと判定して、プレーヤのスコアSPを1だけ増加させ(ステップS44)、チャンスシーンを終了する。
図8は、図6のステップS16においてピンチシーン(第2のゲームシーン)を実行するときの処理の一例を示すフローチャートである。
まず、処理部100は、変数mに1をセットする(ステップS50)。次に、ゲーム処理部114は、ボタンBT(或いは、IB)をタッチする操作入力のタイミングを取得し、取得した入力タイミングと基準タイミングに基づいてプレーヤの操作の成否を評価して評価値TPを算出する(ステップS52)。次に、ゲーム処理部114は、m番目のプレーヤキャラクタの守備用パラメータと評価値TPと(mが2以上の場合、更に、判定値VPm−1)に基づいて判定値VPmを算出し(ステップS54)、m番目の敵キャラクタの攻撃用パラメータと仮想的な評価値TEとに基づいて判定値VEmを算出する(ステップS56)。
次に、ゲーム処理部114は、判定値VPmが判定値VEm以上であるか否かを判断し(ステップS58)、判定値VPmが判定値VEm以上である場合(ステップS58のY)には、プレーヤ側の守備が成功したと判定して、ピンチシーンを終了する。判定値VPmが判定値VEm未満である場合(ステップS58のN)には、処理部100は、変数mがM(Mは、ゲームシーンにおいて選択されるプレーヤキャラクタの数)に達したか否かを判断し(ステップS60)。変数mがMに達していない場合(ステップS60のN)には、変数mを1だけ増加させ(ステップS62)、ステップS52に移行する。変数mがMに達した場合(ステップS60のY)には、ゲーム処理部114は、プレーヤ側の守備が失敗したと判定して、対戦相手のスコアSEを1だけ増加させ(ステップS64)、ピンチシーンを終了する。
本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
例えば、上記実施形態では、本発明をサッカーの対戦ゲームに適用した場合について説明したが、本発明は、複数のキャラクタからなるデッキを構成して対戦を行うあらゆるゲームに適用することができる。