JP2017118587A - 弾性波素子、分波器および通信モジュール - Google Patents

弾性波素子、分波器および通信モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】弾性表面波素子を提供する。
【解決手段】圧電基板30と、圧電基板30の主面に配置された弾性波共振子S1と、を備え、弾性波共振子S1は、第1IDT電極55と、第1IDT電極55に電気的に接続された第2IDT電極56とに分割して配置されたものであり、第1IDT電極55は、信号入力側の第1櫛歯状電極25と、信号出力側の第2櫛歯状電極26を含むとともに、第2IDT電極56は、信号入力側の第3櫛歯状電極27と、信号出力側の第4櫛歯状電極28とを含み、第3櫛歯状電極27および第4櫛歯状電極28は、第3櫛歯状電極27から第4櫛歯状電極28に向けて配置されている方向が、第1櫛歯状電極25から第2櫛歯状電極26に向けて配置されている方向と異なる。
【選択図】図3

Description

本発明は、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)素子等の弾性波素子、分波器および通信モジュールに関する。
圧電基板と、圧電基板の主面上に設けられた励振IDT(InterDigital Transducer)電極とを有する弾性波素子が知られている。このような弾性波素子は、例えば、分波器の送信フィルタ、受信フィルタなどに利用されている。
弾性波素子において、素子の非線形性によって発生する電気な歪信号(歪波)によって電気特性が低下することがある。例えば、弾性波素子を用いた分波器においては、送信帯域および受信帯域の帯域外の妨害波と、送信波とが混合されて、受信帯域内に含まれる歪波が生じる。この歪波は相互変調歪(IMD:Inter-Modulation Distortion)と呼ばれ、無線装置の通信品質(SN比)を低下させる原因の1つとなっている。この他、送信波の整数倍の周波数を持つ高調波歪が発生し、これが他の無線装置の通信を妨害するといった問題が生じる可能性もある。
このような歪波によるSN比の低下を低減するための方法として、分波器を構成するラダー型フィルタの直列共振子または並列共振子の静電容量を変えずに分割する方法が知られている(例えば、特開2007−074698号公報参照)。これは直列共振子または並列共振子を分割することによって、その共振子に印加される電圧を分散させて歪波を低減するものである。
特開2007−074698号
近年、弾性波素子、分波器および通信モジュールの開発において、歪波の影響をさらに低減することが求められている。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、歪波の影響を低減することができる弾性波素子、分波器および通信モジュールを提供することにある。
本発明の一実施形態の弾性波素子は、圧電基板と、第1IDT電極および第2IDT電極と、第1信号配線および第2信号配線とを備える。第1IDT電極および第2IDT電極とはそれぞれ、バスバーを備える櫛歯電極を、1対備える。第1信号配線および第2信号配線は、これら第1IDT電極および第2IDT電極に信号を入出力する。前記第1IDT電極と前記第2IDT電極とは、前記圧電基板の主面に、弾性波の伝搬方向と交差する方向に並んで配置されている。そして、前記第1IDT電極および前記第2IDT電極の配列において、内側に位置し互いに並んで配置される前記第1IDT電極のバスバーと前記第2IDT電極のバスバーとが電気的に接続されるとともに、前記第1信号配線に電気的に接続されている。さらに、前記第1IDT電極および前記第2IDT電極の配列の両外側に位置するバスバーが、前記第2信号配線に電気的に接続されている。
本発明の一実施形態に係る分波器は、アンテナ端子と、送信信号をフィルタリングして前記アンテナ端子に出力する送信フィルタと、前記アンテナ端子からの受信信号をフィルタリングする受信フィルタとを備えた分波器であって、前記送信フィルタは、上記の弾性波素子を有する。
本発明の一実施形態に係る通信モジュールは、アンテナと、前記アンテナに電気的に接続された上記の分波器と、該分波器に電気的に接続されたRF−ICとを備える。
上記の構成によれば、歪波に起因する電気特性の劣化を低減することが可能な弾性波素子、分波器および通信モジュールを提供する。
本発明の一実施形態に係る通信モジュールの信号処理系の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る分波器の構成を示す回路図である。 本発明の第1の実施形態に係るSAW素子の一部を示す平面図である。 比較例のSAW素子の一部を示す平面図である。 歪波の発生メカニズムを説明するための図であり、(a)は図3における領域Vの拡大図、(b)は(a)のB−B’線における断面図、(c)は(a)のC−C’線における断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る分波器の構成を示す回路図である。 本発明の第2の実施形態に係るSAW素子を示す平面図である。 比較例のSAW素子の一部を示す平面図である。 歪低減効果の測定系を示すブロック図である。 歪低減効果の測定結果を示すグラフである。 歪低減効果の測定結果を示すグラフである。 歪低減効果の測定結果を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係るSAW素子の変形例を示すものであり、(a)はIDT電極が並列に接続されているものであり、(b)はIDT電極が直列に接続されたものである。 (a)〜(d)は本発明の一実施形態に係るSAW素子の接続方法のバリエーションを示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るSAW素子の変形例を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るSAW素子の変形例を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るSAW素子の変形例を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るSAW素子の変形例を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るSAW素子の変形例を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る分波器の変形例示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る分波器の変形例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る弾性波素子(以下、SAW素子ともいう)および分波器について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いられる図は模式的なものであり、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。また、第2の実施形態以降において、既に説明した実施形態の構成と同一または類似する構成については、既に説明した実施形態と同一の符号を付して説明を省略することがある。
図1は、本発明の実施形態に係る通信モジュール101の要部を示すブロック図である。通信モジュール101は、電波を利用した無線通信を行うものである。分波器1は、通信モジュール101において送信周波数の信号と受信周波数の信号とを分波する機能を有している。
通信モジュール101において、送信すべき情報を含む送信情報信号TISは、RF−IC103によって変調および周波数の引き上げ(搬送波周波数の高周波信号への変換)がなされて送信信号TSとされる。送信信号TSは、バンドパスフィルタ105によって送信用の通過帯域以外の不要成分が除去され、増幅器107によって増幅されて、分波器1に入力される。分波器1は、入力された送信信号TSから送信用の通過帯域以外の不要成分を除去してアンテナ109に出力する。アンテナ109は、入力された電気信号(送信信号TS)を無線信号に変換して送信する。
通信モジュール101において、アンテナ109によって受信された無線信号は、アンテナ109によって電気信号(受信信号RS)に変換されて、分波器1に入力される。分波器1は、入力された受信信号RSから受信用の通過帯域以外の不要成分を除去して、増幅器111に出力する。出力された受信信号RSは、増幅器111によって増幅され、バンドパスフィルタ113によって受信用の通過帯域以外の不要成分が除去される。そして、受信信号RSは、RF−IC103によって周波数の引き下げおよび復調がなされて、受信情報信号RISとされる。
なお、送信情報信号TISおよび受信情報信号RISは、適宜な情報を含む低周波信号(ベースバンド信号)でよく、例えば、アナログの音声信号もしくはデジタル化された音声信号である。無線信号の通過帯域は、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)等の各種の規格に従ったものでよい。変調方式は、位相変調、振幅変調、周波数変調もしくはこれらのいずれか2つ以上の組合せのいずれであってもよい。回路方式は、図1ではダイレクトコンバージョン方式を例示したが、それ以外の適宜なものとされてよく、例えば、ダブルスーパーヘテロダイン方式であってもよい。また、図1は、要部のみを模式的に示すものであり、適宜な位置にローパスフィルタやアイソレータ等が追加されてもよいし、また、増幅器等の位置が変更されてもよい。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る分波器1の構成を示す回路図である。分波器1は、図1において通信モジュール101に使用されている分波器である。
分波器1は、アンテナ端子7と、送信端子3と、受信端子11と、アンテナ端子7と送信端子3との間に配置された送信フィルタ5と、アンテナ端子7と受信端子11との間に配置された受信フィルタ6とで主に構成されている。
送信端子3には増幅器107からの送信信号TSが入力され、送信端子3に入力された送信信号TSは、送信フィルタ5において送信用の通過帯域以外の不要成分が除去されて、アンテナ端子7に出力される。
また、アンテナ端子7にはアンテナ109から受信信号RSが入力され、受信フィルタ9において受信用の通過帯域以外の不要成分が除去されて、受信端子11に出力される。
送信フィルタ5は、例えばラダー型SAWフィルタによって構成されている。具体的に送信フィルタ5は、その入力側と出力側との間において直列に接続された3個の直列共振子S1、S2、S3と、直列共振子S1〜S3同士を接続するための配線である直列腕4aと基準電位部Gとの間の並列腕4bに設けられた3個の並列共振子P1、P2、P3とを有する。すなわち、送信フィルタ5は3段構成のラダー型フィルタである。ただし、送信フィルタ5においてラダー型フィルタの段数は任意である。
並列共振子P1、P2、P3と基準電位部Gとの間には、インダクタLが設けられている。このインダクタLのインダクタンスを所定の大きさに設定することによって、送信信号の通過周波数の帯域外に減衰極を形成して帯域外減衰を大きくしている。
複数の直列共振子S1、S2、S3および複数の並列共振子P1、P2、P3は、それぞれSAW共振子からなる。これらの共振子のうち、直列共振子S1以外の共振子はいずれも1つのSAW共振子からなる。一方、直列共振子S1は2つのSAW共振子からなる。具体的には、直列共振子S1は互いに並列接続されたSAW共振子S11とSAW共振子S12とからなる。
なお、直列共振子S1は、上述のように2つのSAW共振子S11、S12によって構成されているとみなすこともできるし、1つのSAW共振子S11が直列共振子S1を構成し、これに別のSAW共振子S12が並列に接続されているとみなすこともできる。これは、2つのSAW共振子S11、S12をまとめて1つの直列共振子とみなしてフィルタ設計を行うか、2つのSAW共振子S11、S12を別個にしてフィルタ設計を行うかの違いによるものである。
受信フィルタ9は、例えば、多重モード型SAWフィルタ17と、その入力側に直列に接続された補助共振子15とを有している。なお、本実施形態において、多重モードは、2重モードを含むものである。多重モード型SAWフィルタ17は、平衡−不平衡変換機能を有しており、受信フィルタ9は平衡信号が出力される2つの受信端子11に接続されている。受信フィルタ9は多重モード型SAWフィルタ17によって構成されるものに限られず、ラダー型フィルタによって構成してもよいし、平衡−不平衡変換機能を有していないフィルタであってもよい。
送信フィルタ5、受信フィルタ9およびアンテナ端子7の接続点とグランド電位部Gとの間には、インダクタなどからなるインピーダンスマッチング用の回路を挿入してもよい。
図3は、本発明の第1の実施形態に係るSAW素子51の一部分を示す平面図である。SAW素子51は、例えば、図2に示した分波器1における送信フィルタ5のラダー型フィルタ回路を構成するものであり、圧電基板30と圧電基板30上に形成された直列共振子S1〜S3および並列共振子P1〜P3を有する。図3は直列共振子S1の部分のみを示したものである。また、図3では紙面の略全面が圧電基板30の主面であるとして、圧電基板30の外周は図示していない。
SAW素子51は、いずれの方向が上方または下方とされてもよいものであるが、以下では、便宜的に直交座標系xyzを定義するとともに、z方向の正側(図3の紙面手前側)を上方として、上面、下面等の用語を用いるものとする。
直列共振子S1は、例えば、1ポートSAW共振子として構成されている。直列共振子S1は、圧電基板30と、第1IDT電極55(S11)と、第1IDT電極55に並列に接続された第2IDT電極56(S12)とで主に構成されている。第1IDT電極55には信号入力配線57および信号出力配線58が接続されている。第1IDT電極55は一対の第1、第2櫛歯状電極25、26によって構成され、第2IDT電極56は一対の第3、第4櫛歯状電極27、28によって構成されている。なお、第1、第3櫛歯状電極25、27は、信号が入力される側の櫛歯状電極である。第2、第4櫛歯状電極26、28は、信号が出力される側の櫛歯状電極である。
直列共振子S1は、SAWの伝搬方向において第1IDT電極55および第2IDT電極56のそれぞれを両側から挟むように配置された反射器電極を有しているが、図3では反射器電極については図示を省略している。なお、反射器電極を有していなくてもよい。その他にも、直列共振子S1はIDT電極等を覆っている保護層を有しているが、これについても図示を省略している。
圧電基板30は、例えば、タンタル酸リチウム(LiTaO)単結晶、ニオブ酸リチウム(LiNbO)単結晶等の圧電性を有する単結晶の基板である。より具体的には、42°±10°Y−XカットのLiTaO、128°±10°Y−XカットのLiNbO基板もしくは0°±10°Y−XカットのLiNbO基板などを使用することができる。圧電基板30の平面形状および各種寸法は適宜に設定されてよい。なお、LiTaO単結晶、LiNbO単結晶はZ軸方向に大きな非線形性を示す。このため、回転Yカット−X伝播のSAWでは、SAWの伝播方向(X軸方向)とは直交する基板水平方向または基板深さ方向に電場が印加された場合に、電場のZ軸方向成分によって大きな歪が発生しやすい。
IDT電極55などを覆う保護層は絶縁材料からなり、具体的には酸化珪素、酸化窒素等からなる。
次に、第1IDT電極55および第2IDT電極56の具体的な構成の一例を以下に説明する。
第1IDT電極55を構成する一対の第1、第2櫛歯状電極25、26は、第1バスバー電極31と、第2バスバー電極32と、複数の第1電極指33と、複数の第2電極指34と、複数の第1ダミー電極指35と、複数の第2ダミー電極指36とで主に構成されている。
第1、第2バスバー電極31、32は、例えば長尺状であり、一定の幅でSAWの伝搬方向(y方向)に直線状に延びている。第1バスバー電極31と第2バスバー電極32とは、SAWの伝搬方向に直交する方向(x方向)において対向している。また、第1バスバー電極31と第2バスバー電極32とは、相対する内側の側面が互いに平行であり、両側面の間の距離は、SAWの伝搬方向において一定である。
第1バスバー電極31には複数の第1電極指33と複数の第1ダミー電極指35とが接続されている。第2バスバー電極32には複数の第2電極指34と複数の第2ダミー電極指36とが接続されている。
複数の第1、第2電極指33,34は、概ね一定の幅でSAWの伝搬方向と直交する方向(x方向)に直線状に延びている。複数の第1、第2電極指33,34は、SAWの伝搬方向(y方向)に沿って一定の間隔で配列されており、1本の第1電極指33とこれに隣接する1本の第2電極指34とは互いにy方向において隣り合う部分を有している。1本の第1電極指33とこれに隣接する1本の第2電極指34とがy方向において互いに隣り合う部分をSAWの伝搬方向に延長した領域を交差領域Tcとする。
複数の第1、第2電極指33,34は、そのピッチpが、例えば共振させたい周波数でのSAWの波長λの半波長と同等となるように設けられている。ピッチpは、例えば、隣接する1本の第1電極指33と1本の第2電極指34との中心間距離によって規定される。SAWの波長λは、例えば1.5μm〜6μmである。
第1、第2電極指33,34の1本の長さおよび幅wは、例えば、互いに同一に設定される。なお、これらの寸法は、SAW素子51に要求される電気特性等に応じて適宜に設定される。第1、第2電極指33,34の1本の幅wは、例えば、第1電極指33および第2電極指34のピッチpに対して0.4p〜0.7pである。
第1ダミー電極指35は、複数の第1電極指33間の略中央に配置されている。同様に第2ダミー電極指36は、複数の第2電極指34間の略中央に配置されている。第1、第2ダミー電極指35,36の1本の幅は、例えば、第1、第2電極指33,34の1本の幅wと同等である。第1、第2ダミー電極指35、36の1本の長さは、第1、第2電極指33,34よりも短い。なお、第1、第2櫛歯状電極25、26は、複数の第1、第2ダミー電極指35、36を有していなくてもよい。
第1ダミー電極指35の先端は、第2電極指34の先端と第1ギャップ21を介して対向している。また、第2ダミー電極指36の先端は、第1電極指33の先端と第2ギャップ22を介して対向している。
複数の第1ギャップ21の数は、複数の第1ダミー電極指35の数と同一に設定される。同様に複数の第2ギャップ22の数は、複数の第2ダミー電極指36の数と同一に設定される。また、複数の第1、第2ギャップ21,22の幅は、複数の第1、第2電極指33,34の幅wと同一である。複数の第1、第2ギャップ21,22の長さd(以下、ギャップ長dと称することがある)は、複数の第1ギャップ21同士および複数の第2ギャップ22同士で互いに同一であり、第1ギャップ21と第2ギャップ22とで同一である。すなわち、SAW素子51ではすべての第1、第2ギャップ21、22のギャップ長dは同一に設定される。第1、第2ギャップ21,22のギャップ長dは、SAW素子51に要求される電気特性等に応じて適宜に設定され、例えば、0.1λ〜0.6λである。
第1IDT電極55には信号入力配線57および信号出力配線58が接続されている。信号入力配線57は、第1IDT電極55および第2IDT電極56に対して送信信号TSを入力するための配線である。この信号入力配線57は、図2において直列共振子S1〜S3を接続する直列腕4aを構成するものである。信号入力配線57は、第1IDT電極55のうち、第1バスバー電極31に接続されている。
一方、信号出力配線58は、第1IDT電極55および第2IDT電極56から送信信号TSを出力するための配線である。この信号出力配線58は、図2において直列共振子S1とアンテナ端子7とを接続する直列腕4aを構成するものである。信号出力配線58は、第1IDT電極55のうち、第2バスバー電極32に接続されている。
第2IDT電極56は、第1IDT電極55に対して並列に接続されている。第3櫛歯状電極27は、第3バスバー電極41と、複数の第3電極指43と、複数の第3ダミー電極指45とで主に構成されている。第4櫛歯状電極28は、第4バスバー電極42と、複数の第4電極指44と、複数の第4ダミー電極指46とで主に構成されている。なお、第3、第4櫛歯状電極27、28は、複数の第3、第4ダミー電極指45、46を有していなくてもよい。
第3、第4バスバー電極41、42は、例えば長尺状であり、一定の幅でSAWの伝搬方向(y方向)に直線状に延びている。第3バスバー電極41と第4バスバー電極42とは、SAWの伝搬方向に直交する方向(x方向)において対向している。また、第3バスバー電極41と第4バスバー電極42とは、相対する内側の側面が互いに平行であり、両側面の間の距離はSAWの伝搬方向において一定である。
第3バスバー電極41には、複数の第3電極指43と複数の第3ダミー電極指45とが接続されている。第4バスバー電極42には複数の第4電極指44と複数の第4ダミー電極指46とが接続されている。
複数の第3、第4電極指43,44は、概ね一定の幅でSAWの伝搬方向と直交する方向(x方向)に直線状に延びている。複数の第3、第4電極指43,44は、SAWの伝搬方向(y方向)に沿って一定の間隔で配列されており、第3電極指43とこれに隣接する第4電極指44とは互いにy方向において隣り合う部分(交差領域Tc)を有している。第3、第4電極指43,44のピッチpおよび幅wは、基本的に第1、第2電極指33,34のピッチpおよび幅wと同じに設定される。
第3ダミー電極指45は、複数の第3電極指43間の中央に配置されている。同様に第4ダミー電極指46は、複数の第4電極指44間の中央に配置されている。第3、第4ダミー電極指45,46の幅は、例えば、第3、第4電極指43,44の幅wと同等である。第3、第4ダミー電極指45、46の長さは、第3、第4電極指43,44の長さよりも短い。
第3ダミー電極指45の先端は、第4電極指44の先端に第3ギャップ23を介して対向している。また、第4ダミー電極指46の先端は、第3電極指43の先端に第4ギャップ24を介して対向している。
複数の第3ギャップ23の数は、複数の第3ダミー電極指45の数と同一である。同様に、複数の第4ギャップ24の数は、複数の第4ダミー電極指46の数と同一である。
また、複数の第3、第4ギャップ23,24の幅は、複数の第3、第4電極指43,44の幅wと同一である。複数の第3、第4ギャップ23,24のギャップ長dは、例えば、複数の第3ギャップ23同士および複数の第4ギャップ24同士で互いに同一であり、第3ギャップ23と第4ギャップ24とで同一である。
SAW素子51において、第1IDT電極55および第2IDT電極56は、形状および大きさがともに概ね等しくなるように形成されている。すなわち、第1IDT電極55および第2IDT電極56は、第2IDT電極56を平行移動させて第1IDT電極55と上下方向に重ねたときに両IDT電極が重なり合うように形成されている。ここでIDT電極の形状および大きさが概ね等しいとは、設計上同一にすることをいい、製造ばらつき等によって両IDT電極の形状および大きさに若干の相違が生じても同一の範囲に含まれるものである。また、後述するようにIDT電極で発生する歪波の影響を低減する観点からすると、少なくともIDT電極のうちバスバー電極を除いた部分、すなわち電極指およびダミー電極指の形状および大きさが、第1IDT電極55および第2IDT電極で概ね等しくなっていればよい。
第1、第2IDT電極55、56は、例えば金属で形成されている。この金属としては、例えばAlまたはAlを主成分とする合金(Al合金)が挙げられる。Al合金としては、例えばAl−Cu合金を用いることができる。なお、第1、第2IDT電極55、56は、複数の金属層で構成されてもよい。第1、第2IDT電極55、56の厚みは適宜に設定されてよい。第1IDT電極55および第2IDT電極56が同一材料で同一プロセスによって形成されているため、第1IDT電極55および第2IDT電極56の厚みは、概ね同一となるように設定される。
第1、第2IDT電極55、56によって圧電基板30に交流電圧が印加されると、圧電基板30の上面付近において上面に沿ってy方向に伝搬するSAWが誘起される。誘起されたSAWによって、第1、第2IDT電極55、56のそれぞれには、第1、第2IDT電極55、56のピッチpを半波長とする定在波が形成される。定在波は、当該定在波と同一周波数の電気信号に変換されて出力される。このようにして、直列共振子S1は共振子として機能する。
第2IDT電極56は第1IDT電極55に対して並列接続されているが、直列共振子S1は、第1IDT電極55と第2IDT電極56との接続を通常のものとは異なる態様とすることによって、直列共振子S1に発生する歪波を低減するようにしている。すなわち、第3櫛歯状電極27から第4櫛歯状電極28に向けて配置されている方向が、第1櫛歯状電極25から第2櫛歯状電極26に向けて配置されている方向と異なるように、第1IDT電極55および第2IDT電極56が電気的に接続されている。
具体的には、図3に示すように、第1IDT電極55の第1バスバー電極31と第2IDT電極56の第4バスバー電極42とが電気的に接続され、第1IDT電極55の第2バスバー電極32と第2IDT電極56の第3バスバー電極41とが電気的に接続されている。いわば第1、第2IDT電極55、56の各バスバー電極同士をたすき掛けして接続しているのが、本実施形態に係る直列共振子S1である。
このとき、第1IDT電極55において第1電極指33の先端が第2ギャップ22を介して第2ダミー電極指36の先端に向かう方向と、第2IDT電極56において第3電極指43の先端が第4ギャップ24を介して第4ダミー電極指46の先端に向かう方向とは、逆方向となる。同様に、第1IDT電極55において第1ダミー電極指35の先端が第1ギャップ21を介して第2電極指34の先端に向かう方向と、第2IDT電極56において第3ダミー電極指45の先端が第3ギャップ23を介して第4電極指44の先端に向かう方向とは、逆方向である。
SAW素子51において、バスバー電極同士の電気的な接続は接続配線を介して行われる。具体的には、第1バスバー電極31は第1接続配線37を介して第4バスバー電極42に接続されており、第2バスバー電極32は第2接続配線38を介して第3バスバー電極41に接続されている。
第1接続配線37と第2接続配線38とは、第1IDT電極55と第2IDT電極56との間の領域において立体的に交差している。両接続配線が交差する部分では、間に樹脂等の絶縁材料を介在させて両接続配線が短絡するのを防止している。このような立体配線構造とすることによって、第1接続配線37または第2接続配線38をIDT電極の外側に引き回すことなく所定のバスバー電極同士を接続することができる。これにより、接続配線の引き回しに要するスペースが小さくなり、SAW素子51を小型化することができる。
ここで、IDT電極に発生する歪波の原因となる歪電流について説明する。IDT電極に歪電流が発生するメカニズムは、電気的な歪によるものと機械的な歪によるものとの2つが寄与していると考えられる。
まず電気的な歪に起因する歪波について、図5(a)を用いて説明する。図5(a)は、図3の領域Vの拡大図である。図5(a)において、斜線を付した第2櫛歯状電極26が斜線を付していない第1櫛歯状電極25よりも電位が高い状態にあるとする。このとき、第1櫛歯状電極25と第2櫛歯状電極26との間には、黒塗りの矢印で示した方向の電場Eが発生している。すなわち、電極指の交差領域Tcでは、SAWの伝搬方向(y方向)に沿った電場Eyが発生し、第1、第2ギャップ21,22ではSAWの伝搬方向に直交する方向(x方向)に沿った電場Exが発生する。
このような電場が発生すると、圧電基板30の誘電率εが非線形性であることに起因して歪電流が発生する。歪電流のうち、2次の非線形性に起因する電流I2eは、電場Eの2乗に比例する。すなわち、「I2e=αE」なる式で表される歪電流I2eが発生する。αは圧電基板30の結晶方位に依存する係数である。歪電流I2eの向きは圧電基板30の結晶方位に依存し、電場Eの2乗に比例すると考えられることから、歪電流I2eは電場Eの向きによらず一定方向に流れる。例えば、交差領域の電場Eyに基づく歪電流I2eは+y方向に流れ、ギャップの電場Exに基づく歪電流I2eは+x方向に流れる。なお、ここではαが正の定数である場合について説明したが、実際のαは圧電基板の材料および結晶方位に依存する複素数となる。
ここで、交差領域Tcで発生した歪電流I2eに着目すると、第1電極指33を流れる歪電流I2eは、第1電極指33に流れ込む歪電流I2eと第1電極指33から流れ出る歪電流I2eとで大きさが等しく、向きが逆であるために打ち消し合う。第2電極指34においても同様に歪電流I2eは打ち消し合う。よって、IDT電極55の交差領域Tcにおける歪電流I2eは各電極指において打ち消し合って、SAW素子51の外部には歪波としてはほとんど出力されない。
一方、第1、第2ギャップ21、22における歪電流I2eに着目すると、第1ギャップ21における歪電流I2eと第2ギャップ22における歪電流I2eとはいずれも同方向であるため、これらの歪電流I2eは打ち消し合わない。このように打ち消し合わずに残った歪電流I2eが、歪波の発生要因の1つになっていると考えられる。
次に、機械的な歪に起因する歪波について、図5(b)および図5(c)を用いて説明する。図5(b)は図5(a)のB−B’線における断面図であり、図5(c)は図5(a)のC−C’線における断面図である。
ある瞬間において、第2電極指34が第1電極指33よりも電位が高い状態にあるとする。図5(b)および図5(c)において、電位の高い第2電極指34に「+」を、電位の低い第1電極指33に「−」をそれぞれ付している。このとき、圧電体の逆圧電効果によって、図5(b)に示すように、圧電基板30の表面が変形して起伏が生じる。起伏の態様は結晶方位、周波数などにもよるが、例えば低電位の第1電極指33の部分が下方に沈み込み、高電位の第2電極指34が上方に盛り上がるように圧電基板30の表面付近が変形することが考えられる。
このように圧電基板30が変形すると、圧電体の弾性定数cの非線形性に起因する歪電流が発生する。この歪電流のうち、2次の非線形性に起因する電流Iは、圧電基板30の変形量Δの2乗に比例する。この歪電流をI2Δとすると、歪電流I2Δの向きは圧電基板30の結晶方位に依存すると考えられることから、圧電基板30の起伏の態様にかかわらず一定方向に流れる。例えば、圧電基板30の交差領域Tcの変形に基づく歪電流I2Δは+y方向に流れ、ギャップ領域の変形に基づく歪電流I2Δは+x方向に流れる。
そうすると、交差領域Tcで発生した歪電流I2Δは、第1電極指33に流れ込む歪電流I2Δと第1電極指33から流れ出る歪電流I2Δとで大きさが等しく、向きが逆であるため打ち消し合う。第2電極指34においても同様にして、交差領域Tcで発生した歪電流I2Δは打ち消し合う。よって、IDT電極55の交差領域Tcにおける歪電流I2Δは打ち消し合ってSAW素子51の外部には歪波としてはほとんど出力されない。
一方、ギャップ領域で発生した歪電流I2Δは、電圧の方向によらず結晶方位に依存して流れる向きが決定されるため、第1ギャップ21と第2ギャップ22とで同じ向きに流れる。よって、ギャップ領域で発生した歪電流I2Δは打ち消し合わない。このように打ち消し合わずに残った歪電流I2Δが、歪波の発生要因の1つになっていると考えられる。
なお、ギャップ領域の変形は、ギャップにかかった電圧によって誘起されるものと、交差領域Tcの変形がギャップ領域にまで広がることによって起こるものとの2種類が考えられる。SAW共振子では交差領域Tcの変形によって共振が起こるため、共振周波数付近では交差領域Tcの変形が非常に大きくなる。このため、交差領域Tcの変形がギャップ領域にまで広がることによって起こるギャップ領域の変形が、主な変形の原因となっていると考えられる。
また、IDT電極の両端に位置する電極指では歪電流Iの打ち消し合いが起こらないため、交差領域Tcで発生した歪電流Iは厳密には0にならないが、一般にSAW共振子における電極指は数10本〜数100本に及ぶため、IDT電極の両端に位置する電極指の影響は小さい。
なお、図5においては、電気的な歪に起因する歪電流I2eと機械的な歪に起因する歪電流I2Δとが、交差領域Tcおよびギャップ領域のそれぞれにおいて同じ向きに流れる例を示したが、歪電流I2eと歪電流I2Δとは発生メカニズムが異なるため必ずしも同じ向きになるとは限らず、例えば、各領域において逆向きに流れる場合も考えられる。この場合には、電気的な歪に起因する歪電流I2eと機械的な歪に起因する歪電流I2Δとで打ち消し合いが起こるものの、両電流の大きさの周波数依存性が大きく異なるため、両電流間で打ち消し合うことはほとんどなく、両電流の差分の歪電流Iが発生すると考えられる。この差分の歪電流Iは、上述した理由と同じ理由により、交差領域Tcにおいては打ち消し合い、ギャップ領域においては残存することとなり、結局、歪波が発生する。
以上述べたように、第1ギャップ21および第2ギャップ22において発生した電気的な歪に起因する歪電流I2eと機械的な歪に起因する歪電流I2Δとが、歪波の発生要因の1つになっていると考えられる。
図3に戻って、第1IDT電極55および第2IDT電極56に発生する歪電流Iについて考えると、第1IDT電極55からは第1ギャップ21および第2ギャップ22において発生した歪電流Iが出力され、第2IDT電極56からは第3ギャップ23および第4ギャップ24において発生した歪電流Iが出力される。
ここで、SAW素子51では、第1IDT電極55の第1バスバー電極31と第2IDT電極56の第3バスバー電極41とが電気的に接続され、第1IDT電極55の第2バスバー電極32と第2IDT電極56の第4バスバー電極42とが電気的に接続されていることによって、歪波が低減されることとなる。SAW素子51において歪波が低減される理由を、図4に示した比較例のSAW素子52と対比しながら述べる。
比較例のSAW素子52は、本実施形態のSAW素子51とはバスバー電極同士の接続構成のみが異なり、それ以外の構成は同じである。具体的には、本実施形態のSAW素子51は、第1IDT電極55および第2IDT電極56を構成する同じ極性のバスバー電極同士を接続したときにたすき掛けの関係になるのに対して、比較例のSAW素子51は、第1IDT電極55と第2IDT電極56とで同じ側に配置されたバスバー電極同士を接続している。すなわち、比較例のSAW素子52では、第1IDT電極55の第1バスバー電極31が第2IDT電極56の第4バスバー電極42と電気的に接続され、第1IDT電極55の第2バスバー電極32が第2IDT電極56の第3バスバー電極41と電気的に接続されている。
比較例のSAW素子52で発生する歪電流Iを考えると、上述のように圧電基板30の電気的な歪および機械的な歪に起因して、第1IDT電極55および第2IDT電極56のそれぞれにおいて歪電流Iが発生する。第1IDT電極55から出力される歪電流Iと第2IDT電極56から出力される歪電流Iとは同じ向きに流れるため、互いに打ち消し合うことなく外部に出力される。
一方、本実施形態のSAW素子51によれば、第1IDT電極55および第2IDT電極56のそれぞれにおいて歪電流Iが発生するが、第1IDT電極55から出力される歪電流Iと第2IDT電極56から出力される歪電流Iとは、逆向きに流れるため互いに打ち消し合う。そのため、第1IDT電極55および第2IDT電極56全体から出力される歪電流Iは小さくなる。
したがって、SAW素子51によれば歪電流Iを低減することができる。特に、SAW素子51は、第2IDT電極56を第1IDT電極55と同じ形状且つ同じ大きさで形成しているため、第2IDT電極56から出力される歪電流Iと第1IDT電極55から出力される歪電流Iとは大きさが略等しくなる。よって、歪電流Iの打ち消し効果が大きくなり、SAW素子51(S1)全体から出力される歪電流Iを大幅に抑えることができる。
ただし、SAW素子51から出力される2次非線形性に関する歪電流Iは、前述したようにギャップ領域にて発生した歪電流Iが主な要因になっていると考えられるため、第1IDT電極55と第2IDT電極56とでギャップ数、ギャップ長dおよびギャップ幅wが同じであれば、両IDT電極において略同じ歪電流Iが発生する。このため、第1IDT電極55と第2IDT電極56とでギャップ数、ギャップ長dおよびギャップ幅wが同じ場合は、両IDT電極の交差領域Tcの幅が異なっていたとしても、高い歪波低減効果が得られる。
分波器1において、送信信号TSの強度は受信信号RSの強度よりも高いことから、送信フィルタ5のSAW素子51を配置することにより、効率よく歪信号を低減することができる。送信フィルタ5の中でもアンテナ109に最も近い直列共振子S1には、送信信号TSと受信信号RSとがフィルタリングされることから、歪信号が大きくなりやすい。したがって、アンテナ109に最も近い直列共振子S1を図3に示す構造とすることによって、より効率的に歪波を低減できる。
なお、直列共振子S1以外の他の直列共振子S2,S3および並列共振子P1、P2、P3は、例えばSAW共振子S11を構成している第1IDT電極55と同様の構成からなる。また受信フィルタ9における補助共振子15も、例えばSAW共振子S11を構成している第1IDT電極55と同様の構成からなる。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る分波器2の構成を示す回路図である。分波器2は、送信フィルタ5および受信フィルタ9からなる。送信フィルタ5は、圧電基板30と圧電基板上に形成された直列共振子S101、S2、S3および並列共振子P1、P2、P3とを有し、これらはラダー型フィルタ回路を構成するものである。
第2の実施形態に係る分波器2は、第1の実施形態に係る分波器1とは、アンテナ端子7に最も近接して配置された直列共振子の構成のみが異なっており、それ以外の構成は分波器1と同じである。
具体的には、第1の実施形態に係る分波器1は直列共振子S1がSAW共振子S11とこれに並列接続されたSAW共振子S12とによって構成されていたのに対して、第2の実施形態に係る分波器2は直列共振子S101がSAW共振子S11とこれに直列接続されたSAW共振子S12とによって構成されている。
図7は、本発明の第2の実施形態に係るSAW素子53の一部分を示す平面図であり、直列共振子S101の部分のみを示したものである。また、図7では、紙面の略全面が圧電基板30の主面であるとして圧電基板30の外周は図示していない。
第2IDT電極56は第1IDT電極55に対して直列接続されているが、直列共振子S101は、第1IDT電極55と第2IDT電極56との接続を通常のものとは異なる態様とすることによって、直列共振子S101に発生する歪波を低減するようにしている。
まず、信号入力配線57は、第1IDT電極55の2つのバスバー電極のうち外側に配置された第1バスバー電極31に接続されている。一方、信号出力配線58は、第2IDT電極56の2つのバスバー電極のうち内側に配置された第3バスバー電極41に接続されている。
また、第1IDT電極55の2つのバスバー電極のうち内側に配置された第2バスバー電極32は、第2IDT電極56の2つのバスバー電極のうち外側に配置された第4バスバー電極42と電気的に接続されており、これによって第1IDT電極55と第2IDT電極56とが直列に接続されている。第2バスバー電極32と第4バスバー電極42との接続は、接続配線40を介して行われる。
このとき、第1電極指33の先端が第2ギャップ22を介して第2ダミー電極指36の先端に向かう方向と、第3電極指43の先端が第4ギャップ24を介して第4ダミー電極指46の先端に向かう方向とは、ともに−x方向(紙面左方向)であり同じである。同様に、第1ダミー電極指35の先端が第1ギャップ21を介して第2電極指34の先端に向かう方向と、第3ダミー電極指45の先端が第3ギャップ23を介して第4電極指44の先端に向かう方向とは、ともに−x方向(紙面左方向)であり同じである。
SAW素子53においても、第1の実施形態において述べたように、各IDT電極に歪電流Iが発生する。
ここで、SAW素子53では、第1バスバー電極31が信号入力配線57と電気的に接続され、第2バスバー電極32と第4バスバー電極42とが電気的に接続され、第3バスバー電極41が信号出力配線58と電気的に接続されていることによって、歪波が低減される。SAW素子53において歪波が低減される理由を、図8に示した比較例のSAW素子54と対比しながら述べる。
比較例のSAW素子54は、本実施形態のSAW素子53とはバスバー電極同士の接続構成および信号出力配線58の接続構成のみが異なり、それ以外の構成は同じである。本実施形態のSAW素子53は、上述のように第2IDT電極56の第2バスバー電極32と第2IDT電極56の第4バスバー電極42とを電気的に接続しているのに対して、比較例のSAW素子54は、第1IDT電極55の第2バスバー電極32と第2IDT電極56の第3IDT電極41とを電気的に接続している。また、SAW素子53において、信号出力配線58は第2IDT電極56の第4バスバー電極42に接続されている。
比較例のSAW素子54で発生する歪電流Iを考えると、上述したように圧電基板30の電気的な歪および機械的な歪に起因して、第1IDT電極55および第2IDT電極56のそれぞれにおいて歪電流Iが発生する。SAW素子53において、第1IDT電極55から出力される歪電流Iと第2IDT電極から出力される歪電流Iとは同じ向きに流れるため、互いに打ち消し合うことなく外部に出力される。
一方、本実施形態のSAW素子53によれば、第1IDT電極55および第2IDT電極56のそれぞれにおいて歪電流Iが発生するが、第1IDT電極55から出力される歪電流Iと第2IDT電極56から出力される歪電流Iとは、逆向きに流れるために互いに打ち消し合う。そのため、第1IDT電極55および第2IDT電極56全体から出力される歪電流Iは小さくなる。
したがって、SAW素子53によれば、歪電流Iを低減することができる。第1の実施形態に係るSAW素子51と同様に第2IDT電極56を第1IDT電極55と同じ形状且つ同じ大きさで形成すれば、第1IDT電極55および第2IDT電極56全体から出力される歪電流Iを大幅に抑えることができる。
(実施例1)
上記第1の実施形態に係るSAW素子51の直列共振子S1(図3)と同様の構成からなる実施例1の2種類の共振子A1、A2および参照用の共振子R1を作製し、これらの共振子について歪波の一種である2次高調波H2を測定した。
参照用の共振子R1は1つのSAW共振子によって構成されており、実施例1の共振子A1、A2は、参照用の共振子R1を2つの共振子に分割して、図3に示したように互いに並列接続したものである。
具体的には表1に示す条件によって各共振子A1、A2、R1を作製した。
表1において、共振子A1の電極指本数「160本/160本」は、並列接続された2つのSAW共振子S11、S12それぞれの電極指本数である。すなわち、共振子A1において、SAW共振子S11およびSAW共振子S12の電極指本数はいずれも160本であり、両共振子は同じ大きさである。共振子A2の電極指本数「80本/80本」も同様の意味であり、共振子A2においても2つのSAW共振子S11、S12は同じ大きさとされている。
表1における「交差幅」は交差領域Tcの長さであり、「λ」は共振周波数におけるSAWの波長であり、λ=2pである。
実施例1の共振子A1、A2は、各SAW共振子S11、S12の交差幅または電極指本数が参照用の共振子R1と異なっているが、SAW共振子S11における交差幅と電極指本数との積と、SAW共振子S12における交差幅と電極指本数との積との和は、参照用の共振子R1における交差幅と電極指本数との積に等しくしている。すなわち共振子A1、A2、R1は共振子の容量が等しい。
2次高調波H2の測定は、図9に示す測定系を用いた。図9において、SGは信号発生器、PAはパワーアンプ、ISOはアイソレータ、LPFはローパスフィルタ、DCは方向性結合器、DUTは測定対象となるSAW共振子、HPFはハイパスフィルタ、SAはスペクトラムアナライザーである。共振子DUTの位置に各共振子A1、A2、R1が配置される。
すなわち、図9に示す測定系は、信号発生器SGにおいて所定のパワーの信号を発生させて、その信号をパワーアンプPA等を介して共振子DUTに入力し、共振子DUTからの反射波に含まれる2次高調波H2をスペクトラムアナライザーSAにて測定するものである。LPFは、PAから出力される不要な2次高調波を低減するために挿入されている。また、HPFは、DUTから反射されてきた入力信号がSAに入力されるのを防ぐために挿入されている。入力信号のパワーは22dBmであり、周波数は750〜950MHzである。したがって、2次高調波の周波数は1500〜1900MHzとなる。以下の実施例2,3においても、測定系に関する条件は実施例1と同じである。
図10に、実施例1における2次高調波H2の測定結果を示す。図10のグラフにおいて、破線は参照用の共振子R1の、一点鎖線は実施例1の共振子A1の、実線は実施例1の共振子A2の測定結果である。横軸は入力信号の周波数であり、縦軸は2次高調波H2の出力値である。
図10に示す測定結果から明らかなように、実施例1の共振子A1、A2は、参照用の共振子R1よりも2次高調波H2が低減されている。すなわち、実施例1の共振子A1、A2によって歪波を低減できることを確認できた。
なお、使用したSAW共振子の共振周波数は約850MHzである。図10に示す参照用の共振子R1の測定結果において、850MHz付近にあるピークは歪電流I2Δの寄与であり、低周波および高周波側でほぼ一定値になっているのは歪電流I2eの寄与である。つまり、参照用の共振子R1の2次高調波H2の周波数依存性は、共振周波数付近にピークを持つ歪電流I2Δの寄与と、全周波数でほぼ一定値(約−75dBm)を持つ歪電流I2eの寄与との合成になっている。歪電流I2Δと歪電流I2eとは逆極性となっているため、周波数820MHz、865MHz付近では、歪電流I2Δと歪電流I2eとが打ち消し合って2次高調波H2の強度が小さくなっている。実施例1の共振子A1、A2では、歪電流I2Δと歪電流I2eとの寄与が双方とも全周波数領域に渡って低減されている。このことは、以下に示す実施例2、3でも同様である。
(実施例2)
上記第1の実施形態に係るSAW素子51の直列共振子S1(図3)と同様の構成からなる4種類の共振子B1、B2、B3、B4を作製し、これらについて2次高調波(H2)を測定した。
実施例2の共振子B1、B2、B3、B4は、交差幅および電極指本数以外の条件を表1で示した条件と同じ条件にして作製したものであり、交差幅はいずれも18λとした。また、電極指本数は、共振子B1が「80本/80本」であり、共振子B2が「96本/64本」であり、共振子B3が「112本/48本」であり、共振子B4が「128本/32本」である。
すなわち、実施例2では、共振子B1は2つのSAW共振子S11、S12が同じ大きさであるが、その他の共振子B2、B3、B4は2つのSAW共振子S11、S12の大きさが異なっている。なお、共振子B1は実施例1の共振子A2と同じものである。
図11に、実施例2における2次高調波H2の測定結果を示す。図11のグラフにおいて、実線は共振子B1の、二点鎖線は共振子B2の、点線は共振子B3の、一点鎖線は共振子B4の測定結果である。また、実施例1で示した参照用の共振子R1の測定結果も同グラフに破線で示している。
図11に示す測定結果から明らかなように、実施例2のいずれの共振子も、参照用の共振子R1よりも2次高調波H2が低減していることがわかる。また、実施例2の共振子を構成している2つのSAW共振子S11、S12が同じ大きさに近づくにつれて、2次高調波H2がより低減することがわかる。この結果から、共振子を構成する2つのSAW共振子S11、S12を同じ大きさにした方が2次高調波H2を低減させることができることを確認できた。
(実施例3)
上記第2の実施形態に係るSAW素子53の直列共振子S101(図7)と同様の構成からなる共振子C1、図8に示した比較用のSAW素子54の直列共振子S101と同様の構成からなる比較例の共振子Coおよび参照用の共振子R2を作製し、これらの共振子について2次高調波H2を測定した。
実施例3の共振子C1、比較例の共振子Coおよび参照用の共振子R2は、交差幅および電極指本数以外の条件を表1で示した条件と同じ条件にして作製した。交差幅は、共振子C1が2つのSAW共振子S11、S12がともに26λであり、共振子Coの2つのSAW共振子S11、S12がともに13λであり、共振子R2が13λである。また、電極指本数は、共振子C1が「100本/100本」であり、共振子Coが「200本/200本」であり、共振子R2が100本である。
図12に、実施例3における2次高調波H2の測定結果を示す。図12のグラフにおいて、実線は実施例3の共振子C1の、一点鎖線は共振子Coの、破線は参照用の共振子R2の測定結果である。
図12の測定結果に示されるように、実施例3の共振子C1および比較例の共振子Coのいずれの共振子も、参照用の共振子R2よりも2次高調波H2が低減していることがわかる。比較例の共振子Coの2次高調波H2が低減しているのは、共振子Coに印加される電圧が2つのSAW共振子S11、S12に分圧されることによるものと考えられる。しかし、比較例の共振子Co以上に、実施例3の共振子C1は2次高調波H2が低減している。この結果から、実施例3の共振子C1の方が、比較例の共振子Coよりも2次高調波H2の低減効果が大きいことが確認できた。
なお、上述した実施例では2次高調波H2の低減効果のみを示したが、実施例に係る共振子は、2次非線形性に起因する他の歪波、例えば2次の相互変調歪(IM2)等についても同様の原理で低減効果を発揮する。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
上述した実施形態においては、第1IDT電極55と第2IDT電極56とを同じ形状且つ同じ大きさで形成した例について説明したが、両IDT電極の形状および大きさが異なるものであってもよく、実施例2でも示したように、第1IDT電極55と第2IDT電極56とで電極指の本数、交差幅などを異ならせてもよい。このような場合であっても、第1IDT電極55から発生する歪電流Iと第2IDT電極56から発生する歪電流Iとは互いに打ち消し合う方向に流れるため、歪波の低減効果が発揮される。
また、第1IDT電極55および第2IDT電極56は、図13に示すように、第1接続配線37または第2接続配線38との間にそれぞれ反射器電極59を有していてもよい。より具体的には、第1IDT電極55は、第1櫛歯状電極25および第2櫛歯状電極26が配置された方向に対して垂直な方向に伝搬される弾性波を反射するために、伝搬方向に第1IDT電極55を挟むように反射器電極59a、59bを有している。
また、第2IDT電極56も、第1IDT電極55と同様に、反射器電極59c、59dを有している。なお、図13に示す形態では、第1IDT電極55および第2IDT電極56が、第1、第2ダミー電極指35、36および第3、第4ダミー電極指45、46を有していない場合である。
このように第1IDT電極55と第2IDT電極56の間の領域には、反射器電極59bおよび反射器電極59cが設けられていることから、両IDT電極で発生する弾性波が干渉されにくくすることができる。すなわち、第1IDT電極55の弾性波の伝搬方向と、第2IDT電極56の弾性波の伝搬方向とが沿うように第1、第2IDT電極55、56を配置しても、両IDT電極で発生される弾性波が干渉されにくくすることができる。別の観点では、両IDT電極で発生される弾性波が干渉されにくいため、第1、第2IDT電極55、56を近接して配置することができる。
第1接続配線37または第2接続配線38が、図13に示すように、第1IDT電極55の反射器電極59bと、第2IDT電極56の反射器電極59cとの間を通るように配置されていてもよい。なお、図13(a)は、第2接続配線38が反射器電極59bおよび反射器電極59cの間を通る場合である。このように、2つの反射器電極59の間を接続配線が通ることにより、第1IDT電極55または第2IDT電極56で発生した弾性波が接続配線によって散乱されることを低減することができる。
また、図13に示すように、第1接続配線37が第2IDT電極56を基準として反射器電極59dよりも外側に配置されていることにより、第2IDT電極56で発生した弾性波が第1接続配線37で散乱されることを低減することができる。このように接続配線を反射器電極よりも外側に配置することによって、弾性波が散乱されることを低減できるため、送受信信号にノイズが重畳されることを低減することができる。
また、第1IDT電極55と第2IDT電極56とを接続する方法は、上述した実施形態に限定されない。配線の引き回しはSAW素子の電気特性、サイズなどに影響する要因となるため、できるだけ短いものが望ましい。配線の引き回しを短くするために、例えば図14(a)〜(d)に示すように、第1IDT電極55および第2IDT電極56の反射器電極を配線の一部として利用する形態や、第1IDT電極55と第2IDT電極56とで反射器電極を共通化し、且つそれを配線として利用する形態などが考えられる。
このように配線の引き回しを短くすることによって、SAW共振子S1が圧電基板30の上面に占める面積を小さくすることができる。その結果、分波器1を小型化することができる。なお、図14(a)や(d)のように、2つのIDT電極の反射器を共通化する際は、2つのIDTで発生する弾性波が干渉しないように、反射器の電極指の本数を十分多くする必要がある。具体的には、30本〜100本程度必要である。
さらに、第1IDT電極55および第2IDT電極56の外側に位置する反射器電極59a、59dを、図15に示すように、第1IDT電極55または第2IDT電極56に電気的に接続してもよい。図15において、斜線を付した箇所は電気的な極性が同じ箇所である。なお、信号入力配線57および信号出力配線58が接続される箇所は点線で示している。
図15に示すSAW素子51は、図13の(a)に示す第1IDT電極55および第2IDT電極56の間に配置される反射器電極59b、59cが、共通の反射器電極59として用いられているとともに、第1接続配線37の一部として用いられている。
本形態では、第1櫛歯状電極25と、第1、第2IDT電極55、56の間に位置する反射器電極59とが、第1バスバー電極31を用いて接続されている。また、第1、第2IDT電極55、56の間に位置する反射器電極59と、第3櫛歯状電極27とが、第3バスバー電極41を用いて接続されている。また、第2櫛歯状電極26および第4櫛歯状電極28は、反射器電極59aを介して電気的に接続されている。さらに、第4櫛歯状電極28および反射器電極59dは、第4バスバー電極42を介して電気的に接続されている。
このように、第1、第2、第3、第4櫛歯状電極25、26、27、28は、弾性波の伝搬方向において、端部に位置する電極指が、極性を持つ反射器電極59等と隣接している。このため、厚み(深さ)方向の非線形性に起因して、電極指の周期が非対称になっているIDT電極端部に発生する歪による歪電流Iをそれぞれ打ち消し合う方向に発生させることができ、SAW素子51に流れる歪電流Iを低減することができる。
具体的には、厚み方向に起因して発生する歪波は、隣接する電極指または反射器電極の極性によって左右される。第1IDT電極55を例に挙げると、第1櫛歯状電極25の端部以外に位置する第1電極指33は、その両側に対称に、異なる極性の第2電極指34が隣接することになるため、厚み方向に起因して発生する歪波はほとんどない。
ここで、図15に示すように、端部に位置する第1電極指33は、一方に第2電極指34が隣接するとともに、他方には第2電極指34と同じ極性を持つ反射器電極59aが配置されている。例えば、反射器電極59a側の第1電極指33と、反射器電極59aとの関係を見てみると、圧電基板30との接触面積が反射器電極59aの方が大きく、非対称になっている。このため、発生した歪の打消しが完全でなくなり、実質的な歪電流が発生する。
これに対して、第1接続配線37側の第2電極指34と、第1接続配線37および第1電極指33との関係を見てみると、圧電基板30との接触面積が、第1接続配線37および第1電極指33が大きく、非対称となっているために実質的な歪電流が発生する。ただし、その極性は、反射器電極59a側の端部で発生するものと逆方向である。
このため、第1IDT電極55で見れば、歪電流I3が打ち消し合うことになり、この第1IDT電極の電極指端部で発生する歪による影響を低減することができる。なお、第2IDT電極56も同様である。以上のように、電極指および反射器電極の極性を調整することにより、圧電基板30の厚み方向に起因してIDT電極の電極指で発生する歪電流Iを低減することができる。
さらに、図15では、第1IDT電極55および第2IDT電極56を接続する第2接続配線38として反射器電極59を用いたが、図16に示すように、第2接続配線38として第2櫛歯状電極26の第2電極指34を用いてもよい。なお、第2電極指34は、広義の反射器電極59と捉えることもできる。また、図16において、斜線を付した箇所は同じ電気的な極性を示す箇所である。
このように第3櫛歯状電極27の第3電極指43の一部を第1接続配線37として用いることにより、SAW素子51を小型化することができる。また、第1接続配線37に隣接する電極指(第2電極指34および第4電極指43)を、第1接続配線37と異なる極性となるように配置することにより、第1IDT電極55で発生した弾性波と、第2IDT電極56で発生した弾性波との位相を揃えることができ、インピーダンス特性が劣化するような干渉をすることを低減することができる。
また、図17に示すように、櫛歯状電極の端に位置する電極指を調整することにより、さらに小型化してもよい。なお、図17において、斜線を付した箇所は同じ極性を有する箇所である。具体的には、第1IDT電極55のうち第2IDT電極56と隣接する電極指(第1電極指33)と、第2IDT電極56のうち第1IDT電極55と隣接する電極指(第4電極指43)とが異なる極性となるように配置すればよい。このように配置することにより、第1IDT電極55で発生した弾性波と、第2IDT電極56で発生した弾性波との位相を揃えることができ、インピーダンス特性の劣化するような干渉をすることを低減することができる。
さらに、図18、19に示すように、第1IDT電極55および第2IDT電極56の間に、図14で説明したよりも少ない数の電極指を持つ反射器電極59を配置してもよい。この場合には、第1IDT電極55における第2IDT電極56側の電極指と、第2IDT電極56における第1IDT電極55側の電極指との極性を考慮して配置される。
具体的には、図18に示すように、第1IDT電極55の第2IDT電極56側の第1電極指33の極性と、第2IDT電極56の第1IDT電極55側の第4電極指44の極性とが異なっている場合には、第1IDT電極55および第2IDT電極56の間に位置する反射器電極59c、59dの電極指は偶数本となるように設定される。このように設定することにより、第1IDT電極55で発生する弾性波と、第2IDT電極56で発生する弾性波との位相を揃えることができ、インピーダンス特性の劣化するような干渉をすることを低減することができる。
一方、図19に示すように、第1IDT電極55の第2IDT電極56側の第1電極指33の極性と、第2IDT電極56の第1IDT電極55側の第4電極指44の極性とが同じ場合には、第1IDT電極55および第2IDT電極56の間に位置する反射器電極59c、59dの電極指は奇数本となるように設定される。このように設定することにより、第1IDT電極55で発生する弾性波と、第2IDT電極56で発生する弾性波との位相を揃えることができ、インピーダンス特性の劣化するような干渉をすることを低減することができる。
このような反射器を、2つのIDT電極55、56間を接続する配線に使用することにより、2つのIDT電極での弾性波の干渉によるインピーダンス特性劣化を低減できるため、反射器の電極指の数を、図14で説明した30〜100本よりも大幅に削減することができる。具体的には0本(図16の例)〜30本とすることができる。これにより、より小型で、発生する歪が小さく、かつインピーダンス特性の劣化がない共振子を提供することができる。この例では、2つのIDT電極55、56を並列に接続する場合についてのみ記載したが、図14(b)に示したように、直列に接続する場合も同様の構成とすることができる。
また、弾性波素子は、(狭義の)SAW素子に限定されない。SAW素子は、例えば弾性境界波素子であってもよい。
また、上述した実施形態では、SAW素子が複数の共振子を有し、フィルタ回路を構成している例を示したが、例えば1つの共振子のみで構成するものであってもよい。
IDT電極の形状は、図示したものに限定されない。IDT電極は、例えばダミー電極指が設けられないものであってもよい。また、電極指の交差幅をSAWの伝搬方向に沿って異ならせて、アポダイズを施したものであってもよい。また、IDT電極は、バスバー電極が傾斜もしくは屈曲するものであってもよいし、バスバー電極の弾性波の伝搬方向に直交する方向(y方向)の大きさが変化する(バスバーの電極指側の縁部のy方向の位置が変化する)ものであってもよい。また、IDT電極は、電極指のピッチが狭くなる部分が設けられたり、1の櫛歯状電極から延びる2以上の電極指が、他方の櫛歯状電極から延びる電極指を挟まずに隣接する部分が設けられたりしていてもよい。
また、上述の実施形態では、第3櫛歯状電極27から第4櫛歯状電極28に向けて配置されている方向が、第1櫛歯状電極25から第2櫛歯状電極26に向けて配置されている方向とは逆方向である場合を示したが、本発明はその構成に限定されない。すなわち、第3櫛歯状電極27から第4櫛歯状電極28に向けて配置されている方向が、第1櫛歯状電極25から第2櫛歯状電極26に向けて配置されている方向と同じ方向(図4の形態、図8の形態)でなければ(異なっていれば)、歪波を低減する効果を奏する。
具体的には、第3櫛歯状電極27から第4櫛歯状電極28に向けて配置されている方向が、第1櫛歯状電極25から第2櫛歯状電極26に向けて配置されている方向から少しでもずれていればよい。このように配置することにより、歪電流の打ち消し効果は発揮され、SAW素子51から出力される歪電流を低減することができる。
さらに、上述の実施形態ではSAW素子51を分割していたが、図20および図21に示すように、分波器1を構成する直列共振子S1〜S3、並列共振子P1〜P3または補助共振子15間で歪波を低減してもよい。
具体的に、図20に示すように、送信フィルタ5の並列共振子P1を、直列共振子S1〜S3に対して、信号入力側の櫛歯状電極から信号出力側の櫛歯状電極の配置方向が異なる方向となるように配置してもよい。これにより、直列共振子S1〜S3で発生する歪波と並列共振子P1で発生する歪波が打ち消し合わせることができる。その結果、送信フィルタ5内の歪波を低減することができる。なお、並列共振子P1〜P3の少なくとも一つを、直列共振子S1〜S3のいずれかに対して、信号入力側の櫛歯状電極から信号出力側の櫛歯状電極の配置方向が互いに異なる方向となるように配置すればよい。
また、図21(a)に示すように、直列共振子S3を、直列共振子S1またはS2に対して、信号入力側の櫛歯状電極から信号出力側の櫛歯状電極の配置方向が異なる方向となるように配置してもよい。なお、図21(a)に示す実施形態は、直列共振子S3に本実施形態の構成を適用しているが、直列共振子S2またはS3に適宜同じ構成を適用することができる。このように配置することで、歪波を低減させることができる。
さらに、図21(b)に示すように、受信フィルタ6内に配置された補助共振子15を送信フィルタ5の直列共振子S1〜S3に対して、信号入力側の櫛歯状電極から信号出力側の櫛歯状電極の配置方向が互いに異なる方向となるように配置してもよい。これによっても、歪波を低減することができる。また、送信フィルタ5の配線を変更することがないので、送信フィルタ5の設計自由度を高めることができる。
1…分波器、21…第1ギャップ、22…第2ギャップ、23…第3ギャップ、24…第4ギャップ、25…第1櫛歯状電極、26…第2櫛歯状電極、27…第3櫛歯状電極、28…第4櫛歯状電極、30…圧電基板、31…第1バスバー電極、32…第2バスバー電極、33…第1電極指、34…第2電極指、35…第1ダミー電極指、36…第2ダミー電極指、41…第3バスバー電極、42…第4バスバー電極、45…第3ダミー電極指、46…第4ダミー電極指、51…弾性波素子(SAW素子)、55…第1IDT電極、56…第2IDT電極、57…信号入力配線、58…信号出力配線、59…反射器電極

Claims (10)

  1. 圧電基板と、
    バスバーを備える櫛歯電極を、1対備える第1IDT電極および第2IDT電極と、
    これら第1IDT電極および第2IDT電極に信号を入出力する第1信号配線および第2信号配線と、を備え、
    前記第1IDT電極と前記第2IDT電極とは、
    前記圧電基板の主面に、弾性波の伝搬方向と交差する方向に並んで配置されており、
    前記第1IDT電極および前記第2IDT電極の配列において、内側に位置し互いに並んで配置される前記第1IDT電極のバスバーと前記第2IDT電極のバスバーとが電気的に接続されるとともに、前記第1信号配線に電気的に接続され、
    前記第1IDT電極および前記第2IDT電極の配列の両外側に位置するバスバーが、前記第2信号配線に電気的に接続されている、
    弾性波素子。
  2. 前記櫛歯電極は、前記バスバーから延びる複数の電極指と、複数のダミー電極指とを備え、
    第1IDT電極と前記第2IDT電極とは、一対の前記櫛歯電極のうち、一方の前記櫛歯電極の前記ダミー電極指の先端と、他方の前記櫛歯電極の前記電極指の先端とがギャップを介して対向しており、そのギャップ長が、弾性波の波長をλとすると、0.1λ〜0.6λとなっている、請求項1に記載の弾性波素子。
  3. 前記第1IDT電極と前記第2IDT電極とは、それぞれ、弾性波の伝搬方向の両側において1対の反射器電極を備えており、
    前記第1信号配線は、前記反射器電極を介して、前記第1IDT電極および前記第2IDT電極の配列において、内側に位置し互いに電気的に接続されたバスバーに電気的に接続されている、請求項1または2に記載の弾性波素子。
  4. 前記第1IDT電極と前記第2IDT電極とは、それぞれ、弾性波の伝搬方向の両側において1対の反射器電極を備えており、
    前記第2信号配線は、前記反射器電極を介して、前記第1IDT電極および前記第2IDT電極の配列の外側に位置しているバスバーに電気的に接続されている、請求項1〜3のいずれかに記載の弾性波素子。
  5. 前記第1IDT電極および前記第2IDT電極は、弾性境界波を励振させる、請求項1〜4のいずれかに記載の弾性波素子。
  6. 前記第1IDT電極と前記第2IDT電極とは、弾性波が伝搬する方向と直交する方向に並んで配置されている、請求項1〜5のいずれかに記載の弾性波素子。
  7. 前記第2IDT電極は、前記第1IDT電極と形状および大きさが同じである請求項1〜15のいずれかに記載の弾性波素子。
  8. アンテナ端子と、送信信号をフィルタリングして前記アンテナ端子に出力する送信フィルタと、前記アンテナ端子からの受信信号をフィルタリングする受信フィルタとを備えた分波器であって、
    前記送信フィルタは、請求項1〜7のいずれか1項に記載の弾性波素子を有する分波器。
  9. 前記送信フィルタは、直列共振子と並列共振子とを有するラダー型フィルタを構成しており、
    前記弾性波素子は、前記アンテナ端子側に位置している直列共振子である、請求項8に記載の分波器。
  10. アンテナと、
    該アンテナに電気的に接続された請求項8または9に記載の分波器と、
    該分波器に電気的に接続されたRF−ICとを備える通信モジュール。
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