JP2017115331A - 橋の構築方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a)第1の上部工構成物Aを設置する工程と、(b)第2の上部工構成物Bと一又は複数の下部工構成物3を具備するユニット構造物4を組み立てる工程と、(c)前記ユニット構造物を前記第1の上部工構成物に対して連結する工程と、(d)前記第1の上部工構成物に連結された前記ユニット構造物を介して支持杭を打設する工程と、(e)前記ユニット構造物を介して支持杭を打設した後、前記第2の上部工構成物と前記下部工構成物のそれぞれを支持杭に対して固定する工程と、を含む橋の構築方法である。ユニット構造物を構成する第2の上部工構成物と下部工構成物が、支持杭打設時に導材として機能するように構成されている。
【選択図】図6H
Description
図17〜図21に基づいて、従来の桟橋架設工法について説明する。
図17は従来の桟橋架設工法を示す斜視図であって、桟橋の橋桁構造物50(上部工構成物)を、クレーンで目的位置(構築済み部分に対する連結位置)の近傍まで運搬して、吊り降ろしている様子を示している。
図18は、図17の後工程を示す斜視図であって、片持ち状に延設した橋桁構造物50(上部工構成物)をガイドに利用し、橋脚をなす支持杭6を地盤に打ち込んでいる様子を示している。
図19は、図17及び図18に示す桟橋架設工法で用いる橋桁構造物50を示す平面図である。
図20は、打ち込み装置90を利用して、橋桁構造物50をガイドに支持杭6を打ち込んでいる様子を示している。
図21は、打ち込み装置90による杭の打設の原理を示している。
図20及び図21は、桟橋施工において、打ち込み装置90(施工機材)を用いて対象地盤を削孔すると同時に、該打ち込み装置90で支持杭6を地盤に打ち込んでいる様子を示している。
ドリルロッド93はダウンザホールハンマ94を含んで構成されており、該ハンマは、打撃力発生用のピストンを内部に具備している。ドリルロッド93の上端側は、略スリーブ状の排土キャップ92の内側を通って、回転駆動装置91に連結されている。一方、ドリルロッド93の下端にはハンマービット95が設けられている。
また、近年の増大する社会資本の老朽化リスクに対応した維持補修、更新工事の増加にともない、非出水期に限定される河川内施工では、本体工の工期の十分なゆとり(猶予)を残すために、その作業構台となる桟橋工等の重仮設工の工程を確実に極限まで短縮することが強く求められている現在、架設工程を遅延させる水中施工を可及的に低減することが必要となっていた。
特に、そのような非出水期内の河川内施工において、施工計画の当初に行われる桟橋架設工事は、非出水期の初頭すなわち台風シーズン末期となる10月〜11月に不可避的に行われるため、桟橋工に人力による水中作業が含まれていると、河川の流量が増大すると危険であり、また流速が一定程度以上に上がるたびに水中作業をしばしば休止することになる結果、桟橋の下部工架設工程で工事がストップすることとなり、桟橋工全体の急速性が失われ、その結果として桟橋を作業スペースとするその後の本体工の工程全体を圧迫してしまうという施工計画全体に影響する深刻な問題が発生することとなる。
現在は、上出の近年特許第3211673号公報(特許文献1)の桟橋の急速施工方法があるが、上記のような水中作業の生ずる場合の工程の圧迫は、維持・補修、更新などの本体工の施工期間の不足を生じさせる結果、確実な本体工を行うために、本来単年度施工が望ましい工程でも複数年度に亘る施工計画となることもあり、そのような工事費の増大を可及的に抑制するためにも、現在も桟橋の水中部分の施工時間の短縮が強く望まれている。
(a) 上部工構成物を設置する工程と、
(b) 一又は複数の下部工構成物を具備するユニット構造物を組み立てる工程と、
(c) 前記ユニット構造物を前記上部工構成物に対して連結する工程と、
(d) 前記上部工構成物に連結された前記ユニット構造物を介して支持杭を打設する工程と、を含むことを特徴とする橋の構築方法によって達成される。
(a) 第1の上部工構成物を設置する工程と、
(b) 第2の上部工構成物と一又は複数の下部工構成物を具備するユニット構造物を組み立てる工程と、
(c) 前記ユニット構造物を前記第1の上部工構成物に対して連結する工程と、
(d) 前記第1の上部工構成物に連結された前記ユニット構造物を介して支持杭を打設する工程と、を含むことを特徴とする橋の構築方法によって達成される。
(e) 前記ユニット構造物を介して支持杭を打設した後、当該ユニット構造物を構成している下部工構成物と第2の上部工構成物の一方を他方から切り離す工程と、
(f) 前記第2の上部工構成物を支持杭に対して固定する工程と、
(g) 前記第2の上部工構成物の下方の離隔位置において前記下部工構成物を前記支持杭に対して固定する工程と、
を更に含むことが望ましい。
なお、「第2の上部工構成物を支持杭に対して固定する」態様には、何らかの固定部材(例えばボルトなど)を利用して固定するといった態様を含むことは勿論のこと、そのような固定部材を利用せず、第2の上部工構成物を支持杭上端部に嵌合・載置するようにして固定するといった態様も含まれる。
(e) 前記ユニット構造物を介して支持杭を打設した後、当該ユニット構造物を構成している一体化した複数の下部工構成物を分離させる工程と、
(f) 前記第2の上部工構成物を支持杭に対して固定する工程と、
(g) 前記第2の上部工構成物の下方において、分離させた前記複数の下部工構成物を離隔した状態で前記支持杭に対して固定する工程と、
を更に含むことが望ましい。
前記工程(d)で支持杭を打設した後、前記ユニット構造物の下部工構成物に対して他のユニット構造物または他の下部工構成物を継ぎ足す工程を、更に含むことが望ましい。
なお、「他のユニット構造物または他の下部工構成物を継ぎ足す」態様には、例えば、上に継ぎ足しながらスライドさせて下げていく、といった態様含まれる。
橋の構築時には施工補助機能を発揮し、構築完了後には橋の構造物の一部として機能するユニット構造物であって、
支持杭打設時に該支持杭をガイドする手段を具備し、橋の完成状態で上部工の一部として機能するように構成された上部工構成物と、
支持杭打設時に該支持杭をガイドする手段を具備し、橋の完成状態で下部工を補強する手段として機能するように構成された下部工構成物と、
を有するユニット構造物によって達成される。
つまり、施工補助部材として利用したユニット構造物の一部を、そのまま、下部構造の一部として利用できるので、下部工補強部材等の取り付けのための高所作業や水中作業が減り、その結果、ダイバーや高所作業者の作業負担が激減するとともに安全性が増す。
なお、「第2の上部工構成物」と一又は複数の「下部工構成物」を一体的に具備するユニット構造物の組み立て作業は、他の工程と同時並行的に進めることができ、また、簡易に気中(平場)で組み立てることが可能なので、ダイバーや高所作業者の作業負担の軽減と、水中作業で生ずる各種の工程の停滞の解消や抑制に貢献可能である。
これにより、打設する支持杭の長手方向の離隔した2点以上で、当該支持杭をガイドすることが可能になるので、支持杭を地盤方向にガイドできるのは勿論のこと、打設時における支持杭の直進性維持が容易になる。したがって、打設途中での貫入抵抗の増大を可及的に回避でき、また、打設時の杭曲がりを防止して、打設される杭材の鉛直精度を確保することが容易になる。よって本発明によれば、近年の桟橋施工等の杭の長尺化とその施工の急速化のニーズに確実に応えることが可能となり、また、同時に長尺杭の桟橋等を高品質で構築することが可能になる。
つまり本発明では、ユニット構造物を構成する「第2の上部工構成物」と「下部工構成物」をそれぞれ、(橋の構築完了後に)上部構造の一部、下部構造の一部として機能させるので、導材として利用したユニット構造物を撤去する手間が省けるとともに、上部構造および下部構造の構築作業が簡略化されるので、橋の構築作業の効率化が図れる。
このように、「下部工構成物」と「第2の上部工構成物」の一方を他方から切り離して、それぞれが離隔した状態で支持杭に対して固定することで、(両者が近接する場合と比較して)長尺杭を利用する場合に、上記ユニット構造物の組立工程の大部分を気中(陸上)で施工できるので水中作業を可及的に少なくできるだけでなく、下部補強材を連続的に設けるのに比べて必要部材量を軽減して、効率的に補強効果が得られる。
このように、「一体化した複数の下部工構成物」をバラすとともに、それぞれが離隔した状態で支持杭に対して固定することで、(両者が近接する場合と比較して)長尺杭を利用する場合に、上記ユニット構造物の組立工程の大部分を気中(陸上)で施工できるので水中作業を可及的に少なくできるだけでなく、下部補強材を連続的に設けるのに比べて必要部材量を軽減して、効率的に補強効果が得られる。
はじめに、図1〜図5に基づいて本発明に係る橋の構築方法の概要について説明する。
そして、その上部工構成物は、第一の上部工構成物1と第二の上部工構成物2に分割できる。その際、杭ガイド部21(杭頭固定部)を上部工構成物1、2のいずれに含めることもできる。
なお、この出願において「上部工」とは、橋の上部構造を意味するものであり、主として橋にかかる鉛直荷重を支持する構造物であり、クレーンや各種施工機械、工事用車両等を支持しその荷重を下部工へ伝達するために堅牢な構造を有しており、「上部工構成物」とは例えばそのような部品を指す。
次に、本発明で用いる「下部工」とは、上記積載荷重を、その基礎部分に伝達するための下部構造であり、「下部工構成物」とは、例えば、「下部工」を補強する目的で杭や橋脚主部材を補強するために組み付けられる水平材や斜材などから成る構造物を指すものである。
第一の上部工構成物1(第一の桁)を「桁A」と称する。
第二の上部工構成物2(第二の桁)を「桁B」と称する。
桁Aと桁Bを図19に示す従来技術の如く相互連結させたものを「橋桁構造物」と称する。
なお、特許請求の範囲に記載の「上部工構成物」は、横繋ぎ、対傾構、桁受けなどをも含み、必ずしも主桁や横桁などとして機能する構造物に限定されるものではない。
桁Bの側面視および平面視の外観は図1の右側に示すとおりである。
下部工構成物3は、打設する支持杭が挿通可能な複数本の筒状の下部工補強部材31(支持杭包囲部材)と、隣り合う下部工補強部材31,31の間に架け渡される補強材(水平材32、斜材34)などを具備している。
なお、後述する第2、第3実施形態で例示するように、ユニット構造物4が具備する下部工構成物3は必ずしも1セットに限定されるものではなく、複数セット具備してもよい。
この状態に至ると、桁Aと桁Bが連結してなる橋桁構造物5は、桟橋の上部構造の一部として機能している。また、下部工補強部材31や補強材32,34などを含んで構成される下部工構成物3は、桟橋の下部構造の一部(下部構造を補強する手段)として機能している。
次に、主として図6A〜図6Kを参照しながら、本発明の具体的実施形態について説明する。なお、以下説明する工程a〜kは、それぞれ図6A〜図6Kに対応している。
桁A(第一の梁構造)は、一対の梯子状の桁部材13,13と、一対の桁部材を連結する桁繋ぎ材15を含んで構成されている。この桁Aを地組する際には、図6Aに示すように、位置決め部材として(つまり組立て用の治具として)桁Bを一時的に使用する。つまり、桁Aの組立てが完了すれば、桁Bはいったん取り外される。
上述した手順を経て桁Aの地組が完了したら、前工程(図6A)で位置決め部材として使用した桁Bを、桁Aからいったん切り離す。なお、この工程で切り離した桁Bは、後工程(図6E〜図6G)においてユニット構造物4の組立てに利用される。そして、桁Bがユニット構造物4の一部となった状態で、当該桁Bを桁Aに対して再び連結する(図6H参照)。
図6Cに示す桟橋構築済み部分は、構築途中の桟橋の完成部分であり、主として、上部構造(橋桁構造物)やそれを支える下部構造(橋脚をなす支持杭)で構成されている。桟橋構築済み部分は、完成予定の桟橋全体の一部分の構造物であるが、構築済みの当該部分(図示する構造物部分)だけであっても、上部構造と下部構造を具備する構台として機能する。したがって、桟橋構築済み部分は機械足場として利用可能であり、各種施工用機械や重機をその上に搬入することが可能である。
次に、桟橋構築済み部分の前方に用意した桁Aを、当該桟橋構築済み部分の橋桁構造物5’が具備する桁B’に対して連結する。この橋桁構造物5’は、図1に示す桁Aと同様の構成の桁A’と、図1に示す桁Bと同様の構成の桁B’とを相互連結したもので構成されている。
また、後工程(工程6i)で支持杭6を打ち込むときには、ユニット構造物4と協動して、当該支持杭6を地盤方向にガイドする導材として機能する。
一方、必要本数(1支間長ごとに打設する本数)の支持杭6の打設が完了した後では、撤去することなく現状の取付位置で、上部構造の一部(桟橋の橋桁構造物)として機能する。
この工程では、(前述した工程6bで取り外した)桁Bに対して、筒状の下部工補強部材31(支持杭包囲部材)を接続する。筒状の下部工補強部材31は、後工程で打設する支持杭6が挿通自在のサイズ・形状に形成されている。
前述した工程で、桁Bに対し下部工補強部材31(支持杭包囲部材)を接続して両者を固定したら、続いて図6Fに示すように、下部工補強部材31に対してリング状固定部材35を取り付ける。
前述した工程で、筒状の下部工補強部材31(支持杭包囲部材)の所定位置に対しリング状固定部材35を取り付けたら、続いて図6Gに示すように、このリング状固定部材35を利用して、下部工補強部材31に対して補強材32,34を取り付ける。
図8の拡大図に例示するように、上固定部材36と下固定部材37のそれぞれに対して、水平材32をボルトで固定する。これにより、水平材32は、下部工補強部材31(支持杭包囲部材)と一体となったリング状固定部材35に対して確りと固定される。さらに、リング状固定部材35に対して固定された水平材32に対し、斜材34をボルトで固定する。これにより、斜材34も間接的に下部工補強部材31(支持杭包囲部材)に対して確りと固定される。
したがって、隣り合う下部工補強部材31,31(支持杭包囲部材)の間に架設された補強材(水平材32,斜材34)は、リング状固定部材35を介して下部工補強部材31と一体化する。
前述した工程6dまでの手順により、桟橋構築済み部分に対する桁Aの連結が完了しており、また、前述した一連の工程6e〜6gにより、ユニット構造物4の地組が完了している。
1) 支持杭打設時に該支持杭をガイドする第1の手段(杭ガイド部21)を具備し、橋の完成状態で上部構造の一部として機能するように構成された桁Bと、
2) 支持杭打設時に該支持杭をガイドする第2の手段(下部工補強部材31/支持杭包囲部材)を具備し、橋の完成状態で下部構造を補強する手段として機能するように構成された下部工構成物3と、を具備する。
図6Iに示すように桟橋構築済み部分(機械足場)にクレーンを用意し、これを使って、支持杭6を、ユニット構造物4に含まれる桁Bの杭ガイド部21と、その真下の下部工補強部材31(支持杭包囲部材)に通して地盤上に建込み、図6Iに示すように打ち込み装置90を使って対象地盤に支持杭を打ち込む。打設する支持杭6の具体例としては、例えば橋脚として利用可能な鋼管杭(管状杭)などが挙げられる。
ユニット構造物4を介して必要本数(本実施形態では3本)の支持杭6の打設が完了したら、図6J(ア)に示すように、桁Bの杭ガイド部21から突き出た杭部分(桁Bの上から突き出た杭頭部分)を切断する。
また例えば(図示は省略するが)、打設した支持杭6に対して下部工補強部材31を固定するための「固定部材」を予め取り付けておき、この固定部材に対してボルトとナットを使って下部工補強部材31を固定することも可能である。
なお、後述する他の実施形態においても、支持杭6に対して下部工補強部材31を固定する手段として、上述した押圧ボルト等を利用することが可能である。
続いて、支持杭6によって支えられた橋桁構造物5(桁Aと桁B)に対して覆工板を敷設する。以上の工程を経て、桟橋構築済み部分が橋桁構造物ひとつ分(1支間長分)拡張される。
そして、上記一連の工程を繰り返すことで、上部構造と下部構造からなる桟橋構築済み部分が徐々に(橋桁構造物ひとつ分ずつ)拡張され、最終的に、完成体としての桟橋の構築が完了する。
上述した実施形態では図5に示すように、支持杭6の打設後に、下部工構成物3を桁Bから切り離すことなく、そのままの状態で(桁Bに連結させたままの状態で)下部構造を補強する手段として機能させているが、図10に示すように、支持杭打設後に下部工構成物3を桁Bから切り離し、当該桁Bの下方位置(すなわち桁Bから離隔した下方位置)において、下部工構成物3(下部工補強部材31)を支持杭6に固定し、その固定位置において下部構造を補強する手段として機能させてもよい。
上述した実施形態では図5に示すように、ユニット構造物4を構成する桁Bに対して下部工構成物3を1単位(1セット)取り付けているが、図11に示すように、ユニット構造物4に複数単位の下部工構成物3を連結した状態で装備させてもよい。
また、ユニット構造物4に複数単位の下部工構成物3を装備させる場合には、支持杭6の打設後において、図12に示すように、複数の下部工構成物3,3を分離させて(複数の下部工構成物の一を他から切り離し)、それぞれの下部工構成物が離隔した状態で、その下部工補強部材31を支持杭6に対して固定してもよい。
次に、主として図14および図15A〜Eに基づいて、本発明の第5実施形態について説明する。前述した第1実施形態と相違する点を中心に説明する。
図14(a)〜(e)に示す正面図は、それぞれ、図15A〜Eに示す側面図に対応している。
なお。図14(a)および図15Aに示す支持杭打設工程の後、図14(b)〜(e)/図15B〜Eに示す工程を必要回数繰り返すことで、多段の下部工構成物の設置に対応可能である。
つまり、仮固定された下部工構成物に対して新たなユニット構造物を継ぎ足す工程と、下部工構成物が増設されたユニット構造物の全体を支持杭に沿ってスライドさせるように吊り下ろす工程と、を繰り返すことで、打設された支持杭に対して多段の下部工構成物を設置することができる。
上述した実施形態は特許請求の範囲に記載した方法やその特徴の例示であって、例えばこの他の上記杭ガイド部21を含む桁Bと下部工構成物31からなるユニット構造物4が予め一体的に固定して構成されている、また桁Aの先端に杭ガイド部21が一体的に固定して構成されている等々の態様を妨げるものではなく、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
すなわち例えば、図16に示す変形例では、既設の橋桁構造物5’に対し延設した桁Aの上方において、反力アーム75を、桁Aに対して略並行に張り出すように取り付けている。この反力アーム75は、桟橋構築済み部分側に固定されていて、その先端側が、新設した桁Aの上面側に張り出している。この反力アーム75は、反力ポール73などの斜張式設備(図6I参照)に代わるものであり、片持ち状に延設した桁Aを、「杭ガイド」兼「作業足場」として利用できるようにするための構成である。
このような反力アーム75を利用した構築方法に本発明を適用することも可能である。
また、ユニット構造物4が複数段の下部構成物を構成して重量が大きくなるため、上記の片持ち状の支持だけでは、杭打設の際などに設計位置に安定的に保持できなくなる場合には、杭打設前に打設位置以外のユニット構造物4の杭ガイド部に図示しない杭材を差し込み、その杭材を着底させて暫時的なレグとして機能させるようにその杭材と上記ユニット構造物4を一時的に連結しておくことで、ユニット構造物の荷重を、杭材を介して地盤に支持させるなどの適宜の措置がとれる構成であることは勿論である。
A’ 第一の桁(第1の上部工構成物/第1の梁)
B 第二の桁(第2の上部工構成物/第2の梁)
B’ 第二の桁(第2の上部工構成物/第2の梁)
11 連結部
13 桁部材
15 桁繋ぎ材
21 杭ガイド部(杭頭固定部)
23 連結部
25 荷重受け部材
3 下部工構成物(下部工補強構造物)
31 下部工補強部材(筒状部材/支持杭包囲部材)
32 補強材(水平材)
34 補強材(斜材)
35 リング状固定部材
36 上固定部材
37 下固定部材
4 ユニット構造物
41 ナット
43 押圧ボルト
5 橋桁構造物(梁構造)
5’ 橋桁構造物(梁構造)
50 橋桁構造物(梁構造)
53 杭頭固定部(杭ガイド部)
55 連結部
6 支持杭
71 補強材
72 線材
73 反力ポール
75 反力アーム
83 固定部材
85 ダイバー
9 打ち込み装置(バイブロハンマ)
90 打ち込み装置(打設装置/施工機材)
91 回転駆動装置
92 排土キャップ
93 ドリルロッド
94 ダウンザホールハンマ
95 ハンマービット
96 飛散防止カバー
Claims (6)
- (a) 上部工構成物を設置する工程と、
(b) 一又は複数の下部工構成物を具備するユニット構造物を組み立てる工程と、
(c) 前記ユニット構造物を前記上部工構成物に対して連結する工程と、
(d) 前記上部工構成物に連結された前記ユニット構造物を介して支持杭を打設する工程と、を含むことを特徴とする橋の構築方法。 - (a) 第1の上部工構成物を設置する工程と、
(b) 第2の上部工構成物と一又は複数の下部工構成物を具備するユニット構造物を組み立てる工程と、
(c) 前記ユニット構造物を前記第1の上部工構成物に対して連結する工程と、
(d) 前記第1の上部工構成物に連結された前記ユニット構造物を介して支持杭を打設する工程と、
を含むことを特徴とする橋の構築方法。 - ユニット構造物を構成する第2の上部工構成物と下部工構成物が、支持杭打設時に導材として機能するように構成されている、ことを特徴とする請求項2に記載の橋の構築方法。
- 前記ユニット構造物を介して支持杭を打設した後、前記第2の上部工構成物と前記下部工構成物のそれぞれを支持杭に対して固定する工程を、更に含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の橋の構築方法。
- 前記工程(d)で支持杭を打設した後、前記ユニット構造物の下部工構成物に対して他のユニット構造物または他の下部工構成物を継ぎ足す工程を、更に含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の橋の構築方法。
- 橋の構築時には施工補助機能を発揮し、構築完了後には橋の構造物の一部として機能するユニット構造物であって、
支持杭打設時に該支持杭をガイドする手段を具備し、橋の完成状態で上部工の一部として機能するように構成された上部工構成物と、
支持杭打設時に該支持杭をガイドする手段を具備し、橋の完成状態で下部工を補強する手段として機能するように構成された下部工構成物と、
を有するユニット構造物。
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