JP6537778B2 - 環境負荷軽減装置および施工方法 - Google Patents

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本発明は、杭打設や削孔を伴う工事において、騒音や掘削ずりの飛散などによる周辺環境に対する負荷を軽減するための装置と、これを用いた杭打設や削孔を伴う工事の施工方法に関するものであり、特に、施工対象地盤との間に離隔(高低差)を空けて設置される導材(ガイド手段)を利用することを前提とする施工分野の技術に関するものである。
(杭打設を要する施工の具体例)
図12〜図15に基づいて、従来の桟橋施工について説明する。
図12は、従来の桟橋施工を示す斜視図であって、桟橋パネル71をクレーンで設計位置(延設予定位置)に運搬して吊り降ろしている様子を示している。
図13は、図12の後工程を示す斜視図であって、延設した桟橋パネル71をガイドに利用し、管状杭73を地盤に打ち込んでいる様子を示している。
図14は、桟橋施工をはじめとする各種杭打設工で用いる削孔装置90を示している。
図15は、削孔装置90を利用して管状杭73を打設している様子を示している。
特許文献1に開示された桟橋施工では、はじめに図12に示すように、桟橋構築完了部分からなる足場上にクレーンを用意し、該クレーンで桟橋パネル71を吊り込んで、延設地点(桟橋構築完了部分の先端位置)へ運搬する。続いて、運搬してきた桟橋パネル71を、桟橋構築完了部分の先端側の既設桁(既設桟橋パネル)に対し連結して、図13に示すように、桟橋構築完了部分から張り出すように取り付ける。
次に図13に示すように、橋脚を成す管状杭73を、延設した桟橋パネル71でガイドしながら、打設予定位置の地盤上にセットする。続いて、後述する削孔装置90のドリルロッドを、杭心位置にセットした管状杭73に挿通させる。管状杭73の先端からドリルロッドの先端ビット(ハンマービット)が突き出たら、該削孔装置で対象地盤を回転掘削しつつ同時に打撃力で管状杭73の打ち込みを行い、次いで、打設した管状杭73の頭部を桟橋パネル71に固定して、管状杭73の頭部と桟橋パネル71の両者を一体化させる。
図示する例では、1つの桟橋パネル71を延設する毎に3本の管状杭を横並びに打設して、これらの杭頭部を延設した桟橋パネル71の先端側に固定して一体化させる。これらの工程を経て、1ユニット分(桟橋パネル1枚分)の上部構造及び下部構造の構築作業が完了する。
そして、上述した工程を繰り返して、管状杭で支持される桟橋パネルを延設し続けることにより桟橋全体を完成させる。
(削孔装置)
次に、図14に基づいて、上述した桟橋施工などにおける杭打設で用いる削孔装置について説明する。
図14に示す削孔装置90(施工機材)は、主として、回転駆動装置91と、該駆動装置の下部に固定された排土キャップ92と、該排土キャップの内側を通って回転駆動装置91に連結された長尺のドリルロッド93とを有している。
回転駆動装置91は、その下部のドリルロッド93を回転駆動する。
ドリルロッド93はダウンザホールハンマ94を含んで構成されており、該ハンマは、打撃力発生用のピストンを内部に具備している。ドリルロッド93の上端側は、略スリーブ状の排土キャップ92の内側を通って、回転駆動装置91に連結されている。一方、ドリルロッド93の下端にはハンマービット95が設けられている。
杭打ちの際には、図14に示すように管状杭73の内空部にドリルロッド93を挿通させ、管状杭73の先端からハンマービット95を突き出した状態・拡径させた状態で対象地盤を掘削する。
上記構成の削孔装置90を用いて掘削を行う際には、ダウンザホールハンマ94による連続的打撃を対象地盤に対し加えながら回転掘削を行う。掘削土は、ダウンザホールハンマ94の駆動用エアを利用してエアリフト式に吹き上がる。吹き上げられた掘削土は、エアの流れに乗って管状杭内の排土経路を通り、当該管状杭73の上端開口部から噴出する。管状杭73の上部から噴出した掘削土は、図14に矢印で示すように、管状杭73の上部と排土キャップ92との間の隙間を通って外部へ排出される。
(削孔装置による杭材打設原理)
図14及び図15は、桟橋施工において、削孔装置90(施工機材)を用いて対象地盤を削孔すると同時に、該削孔装置で管状杭73を地盤に打ち込んでいる様子を示している。
管状杭打設時には、図14に示すように管状杭73の内空部にドリルロッド93を挿通させ、該管状杭の下端からハンマービット95を突き出し、該ハンマービットを拡径状態にセットして対象地盤を削孔する。
掘削ずりを管状杭73の外へ排出しながら対象地盤を掘削することにより、削孔装置90が掘進する。そして、削孔装置90が掘進するとき、ハンマービット95の上方であってドリルロッド93の外周面に固設した外向きのリング状段部と、管状杭73の下端内壁側に固設した内向きの段部とが、上下方向で相互干渉して、管状杭73が掘進方向へ打ち込まれ圧入される。
したがって、ドリルロッド93を管状杭73に挿通させた状態で地盤を削孔すれば、それと同時に打撃力が管状杭下部に印加されて、該管状杭がドリルロッド93に追随するので、削孔と同時並行で管状杭73の打ち込みが進行する。
特許第3211673号公報
上述した桟橋施工において、打設する管状杭は金属製であり、また、打設に用いる削孔装置なども金属製である(或いは金属製部品を多く含む)ため、管状杭の打設時に生じる打撃音は緩和されることなく、金属製部品や管状杭を介して周囲に騒音が響き渡ってしまう。特に、ダウンザホールハンマなどの打撃装置を用いた場合には、連続打撃する際に生じる激しい打撃音等が、金属製部品や管状杭を介して騒音が周囲に響き渡ってしまう。
そのため、このような騒音による周辺環境への負荷を考慮すると、ダウンザホールハンマなどを利用した杭材打設作業は、優れた打設能力・急速施工能力を備えているにも関わらず、低騒音が求められる市街地などの現場や、ダムサイトなどに多い猛禽類等の営巣期を避ける希少動物の生態に配慮した施工や、観光立国を目指すわが国にとって重要な観光資源である自然豊かな国立・国定の自然公園内の閑静な山あい等にある宿泊、保養施設近傍の施工など多岐にわたる施工条件下において積極的には起用し難いという問題点があった。
なお、このような騒音に関する問題は桟橋施工に限ったものではなく、山間林野部の杭打設においては、ダウンザホールハンマの普及により、施工の急速化が実現する一方で、その広汎な起用により、土留杭や抑止杭等の杭打設時や削孔時にも、騒音により同様の環境負荷が増大する問題が生じていた。
また、杭打設時や削孔時における周辺環境に対する負荷は、必ずしも騒音に限ったものではなく、掘削ずりの飛散などに起因する環境負荷も指摘されている。すなわち、ダウンザホールハンマなどの施工機材を用いた従来の打設工や削孔では、例えばくり粉状の掘削土が、施工現場の周囲に飛散し、周辺環境に多大なる負荷を与えている。したがって、ダウンザホールハンマをはじめとする優れた打設機材や削孔機材が実用化されているものの、施工現場の周辺環境を掘削土によって汚染してしまうという問題点が指摘されていた。
さらに、このような騒音問題や掘削ずりの飛散問題を解決するために、作業員が地盤面まで下りて、手作業でシートを巻き付けるなどといったことも本願出願人によって検討されたが、そのための足場設置や手作業などに多くの時間と労力がかかるため、工事の進行を妨げることなく省力で簡単に環境負荷を軽減できる手段が望まれていた。
そこで、上述した問題点に鑑み、本発明の目的は、削孔装置などの施工機材や支持杭などの杭材をガイド可能な「導材」を用いた工事において、騒音や掘削ずりの飛散などによる周辺環境への負荷を軽減可能な装置および施工方法を提供することにある。
上記目的は、施工機材(例えば削孔装置)および/または杭材をガイド可能な導材を用いた工事で利用される装置であって、周辺環境に対する負荷を軽減する装置であって、前記導材を利用した施工時における防音機能と掘削ずり飛散防止機能の少なくとも一方を具備する遮蔽手段と、前記導材の下方に前記遮蔽手段を吊設するための吊設手段と、を有する環境負荷軽減装置によって達成される。
上記環境負荷軽減装置において、前記遮蔽手段は、少なくとも一方向に対する防音機能および/または掘削ずり飛散防止機能を具備するように構成されていることが好ましい。この遮蔽手段は、例えばスクリーン状(面状)の遮蔽シートで構成されてもよく、或いは例えば筒状の伸縮自在の蛇腹構造物で構成されてもよい。
また上記環境負荷軽減装置において、前記遮蔽手段は、前記導材と地盤面との間において施工機材および/または杭材の少なくとも一部を遮蔽可能に構成されていることが好ましい。
また上記環境負荷軽減装置は、前記遮蔽手段を上げ下げするためのウインチを有していることが好ましい。
また上記環境負荷軽減装置において、前記遮蔽手段は複数のパーツに分割可能にまたは開閉可能に構成されていることが好ましい。
また上記環境負荷軽減装置において、前記遮蔽手段は伸縮自在(例えば筒状の蛇腹構造)に構成されていることが好ましい。
また上記目的は、打設または削孔を伴う工事であって、施工機材および/または杭材をガイド可能な導材を用いる工事の施工方法であって、
防音機能および掘削ずり飛散防止機能の少なくとも一方を具備する遮蔽手段を前記導材の下方に吊設する工程と、
打設または削孔の対象地盤の上方に前記導材を設置する工程と、
前記導材に前記施工機材および/または前記杭材を通して前記遮蔽手段で遮蔽した状態で打設または削孔を実施する工程と、を含む施工方法によって達成される。
また上記目的は、打設または削孔を伴う工事であって、施工機材および/または杭材をガイド可能な導材を用いる工事の施工方法であって、
打設または削孔の対象地盤の上方に前記導材を設置する工程と、
防音機能および掘削ずり飛散防止機能の少なくとも一方を具備する遮蔽手段を前記導材の下方に吊設する工程と、
前記導材に前記施工機材および/または前記杭材を通して前記遮蔽手段で遮蔽した状態で打設または削孔を実施する工程と、を含む施工方法によって達成される。
上記施工方法では、前記遮蔽手段を地盤面(例えば削孔部の地盤面)に近づくように吊り降ろした状態で打設または削孔を実施することが好ましい。
本発明の環境負荷軽減装置は、施工機材や杭材などを遮蔽する遮蔽手段と、導材の下方に遮蔽手段を吊設するための吊設手段と、を備えている。
このような遮蔽手段を備えることで、打設する杭材やその際に利用する施工機材などを当該遮蔽手段で周辺環境から遮って、杭打設工や削孔などで生ずる様々な騒音を低減させることができるとともに、掘削ずりの飛散を防止できるので、周辺環境に配慮した施工が可能になる。したがって、上述のような多岐にわたる事由により周辺環境に配慮した施工が求められる現場においても、ダウンザホールハンマなどをはじめとする各種の打設機材を利用することが可能になる。
また、吊設手段を備えることで、導材の下方に遮蔽手段を吊り下げることが可能になり、導材を用いた打設工や削孔において遮蔽手段等のセッティングが容易になる。
また、本発明の環境負荷軽減装置は、ワイヤーなどを介して遮蔽手段を上げ下げするためのウインチを有している。これにより、導材の下方に吊設した遮蔽手段を、任意の位置まで吊り下ろすことが可能になるので、遮蔽手段を適切な位置(騒音低減効果や掘削ずり飛散防止効果が最大限に発揮される位置)に配置することができる。また、作業員が高所から地盤面に降りてシートなどを巻き付ける、といった煩雑な作業が必要ないので、環境配慮のための準備作業が省力で簡単である。
また、本発明の環境負荷軽減装置では、遮蔽手段が分割可能に又は開閉可能に複数パーツから構成されている。これにより打設完了後の遮蔽手段の撤去が容易になるので、環境負荷軽減装置を用いて周辺環境に配慮した場合でも、工事の進行が妨げられることがなく、従来どおりの急速施工が可能になる優れた効果が達成される。
また、本発明の環境負荷軽減装置では、遮蔽手段は伸縮自在に構成されている。
吊設した遮蔽手段は、風の影響などを受けると靡くため、特に強風時には使い難くなる虞がある。しかし例えば、導材下方に吊設した遮蔽手段を、杭材打設や削孔などの作業開始前までは縮退状態(コンパクトに畳み込んだ状態)に固定しておくことで風の影響などを受け難くなるので、強風時などにおいて遮蔽手段が破損するといった事態を可及的に防止することが可能になる。
また、遮蔽手段を伸縮自在に構成することで、該遮蔽手段に施工機材や杭材を通した後で容易に伸展させることができるので、該遮蔽手段を伸縮自在に構成してもその防音機能や飛散防止機能を妨げることはない。
また、本発明の施工方法の一例では、導材の下方に遮蔽手段を吊設してから、施工対象地盤の上方に前記導材を設置する。具体的には、ガイド手段をなす導材を地組みするときに、その場で(例えば導材の地組みの段階で)遮蔽手段を導材またはその付属部材に取り付ける。これにより、安全な状況下で遮蔽手段を導材の設計位置に取り付けることができるほか、導材を所定位置に設置した後の高所作業の一部を省くことができる。
また、本発明の杭打設方法では、導材に杭材や施工機材を通した状態で打設や削孔を行うようになっているので、当該導材によって杭材や施工機材の直進性が維持されるとともに、これを遮蔽する遮蔽手段によって周辺環境の保全(騒音低減や掘削ずりの飛散防止など)が図られるといった格別の効果が達成される。
また、このような方法によれば、シートなどを人力にて手作業で巻き付けるために導材の下方に専用足場などを設ける必要が無くなるので、省力で環境保全効果を得ることができる。
なお、本発明の杭打設方法では、遮蔽手段を取り付ける工程と、導材を所定位置に設置する工程の実施順序や前後関係は特に限定されない。例えば、はじめに、施工対象地盤の上方に導材を設置し、その後で、該導材の下方に遮蔽手段を吊設するようにしてもよい。
また、本発明の杭打設方法では、遮蔽手段を対象地盤の地盤面に近づくように吊り降ろした状態で打設や削孔を行うようになっている。(例えば、杭材打設時の削孔部上端を、吊り降ろした遮蔽手段で包囲するようにする。)このように、打設時の騒音発生部位に近づくように遮蔽手段を吊り降ろした状態で杭材を打設することで、遮蔽手段による騒音低減効果が最大限に発揮されることになる。その結果、上述のような多岐にわたる事由により低騒音での施工が求められる現場においても、ダウンザホールハンマなどを利用した打設機材を利用することが可能になる。
また、作業員が高所から地盤面に降りて遮蔽シートなどを巻き付ける、といった煩雑な作業が不要になるので、防音のための準備作業が省力で簡単である。
なお、前記遮蔽手段は容易に伸縮させることができ、前記筒内にダウンザホールハンマや、孔壁保護用ケーシング、鋼管杭などの打設する杭体を任意の範囲で包むことができる構造であることから、ダウンザホールハンマによる掘削時のエアリフトの結果生ずる土砂状やくり粉状の掘削ずりの飛散を適宜防止することができる。
したがって、掘削ずりの飛散を抑制することで、人跡未踏の傾斜地に生息する希少植物の植生を保護したり、稀に地層により自然由来の人体に有害な影響を及ぼす虞のある重金属など物質が含まれることのある掘削ずりの拡散を抑止することで作業者の安全と環境負荷の軽減を図るなどという、特段の技術的意義のある優れた作用効果が得られる。
環境負荷軽減装置の遮蔽手段を導材(ガイド手段/桟橋パネル)の下方に吊設した状態を示す正面図である。 環境負荷軽減装置の一部を構成する筒状カバー(遮蔽手段)を示す分解図である。 桟橋構築方法の一工程(工程a)を例示する図である。 桟橋構築方法の一工程(工程b)を例示する図である。 桟橋構築方法の一工程(工程c)を例示する図である。 桟橋構築方法の一工程(工程d)を例示する図である。 桟橋構築方法の一工程(工程e)を例示する図である。 桟橋構築方法の一工程(工程f)を例示する図である。 桟橋構築方法の一工程(工程g)を例示する図である。 桟橋構築方法の一工程(工程h)を例示する図である。 桟橋構築方法などで用いる導材(ガイド手段/桟橋パネル)を示す平面図である。 図3Bの拡大平面図である。 図3Bの分解図である。 環境負荷軽減装置の他の実施形態を示す図である。 環境負荷軽減装置の他の実施形態を示す図である。 環境負荷軽減装置の他の実施形態を示す図である。 環境負荷軽減装置の遮蔽手段を導材(ガイド手段/桟橋パネル)の下方に吊設した状態を示す正面図である。 環境負荷軽減装置の遮蔽手段を導材(ガイド手段/桟橋パネル)の下方に吊設した状態を示す側面図である。 環境負荷軽減装置の他の実施形態を示す図である。 従来の桟橋施工を示す斜視図であって、桟橋パネルをクレーンで設計位置(延設予定位置)に運搬して吊り降ろしている様子を示している。 図12の後工程を示す斜視図であって、延設した桟橋パネルをガイドに利用し、管状杭を打ち込んでいる様子を示している。 桟橋構築方法で用いる削孔装置(施工機材)を示す図である。 従来の桟橋構築方法において管状杭を打設している様子を示す図である。
(環境負荷軽減装置)
はじめに、図1及び図2に基づいて環境負荷軽減装置の構成について説明する。
図1は、環境負荷軽減装置の筒状カバー1を導材31(ガイド手段)の下方に吊設した状態を示す正面図である。
図2は、環境負荷軽減装置の一部を構成する筒状カバー(遮蔽手段)を示す分解図である。
この環境負荷軽減装置は、桟橋の支持杭や、土留杭、抑止杭などの各種杭材を打設する際や削孔する際の周辺環境に対する負荷を軽減するための装置である。
周辺環境に対する負荷について具体例を挙げて説明すると、例えば、
(1) 杭材打設時や削孔時の騒音(掘削や杭の打ち込みの際の打撃音など)、
(2) 杭材打設時や削孔時に生じる掘削ずり等の周辺への飛散、
などが挙げられる。
本発明の環境負荷軽減装置は、上述したような騒音による周辺環境への影響、及び/又は、掘削ずり等の飛散による周辺環境への影響を低減するために用いられる。
本実施形態における環境負荷軽減装置は、図1に示すように、主として、
打設する杭材35が挿通可能な遮蔽手段である伸縮自在の筒状のカバー1と、
導材31の下方にカバー1を吊設するための吊設手段であるワイヤー3と、
このワイヤー3を介してカバー1を上げ下げするための手動式ウインチ5と、
を有している。
本実施形態における環境負荷軽減装置の取り付け対象である導材31(ガイド手段)は、従来技術との関係で説明した図12及び図13に示す桟橋パネル71と同様に構成されている。また、この導材31は、後述する適用事例では、図12及び図13に示す従来技術と同様に、桟橋構築完了部分から張り出すように延設されるようになっている。
なお、本発明の環境負荷軽減装置を適用可能な導材は、本実施形態で説明する桟橋施工に用いる導材に限定されるものではなく、
(1) 打設や削孔用の機材を(例えば削孔装置や打ち込み装置)をガイドするための導材、
(2) 杭打設や削孔時に併用する鋼管類(例えば孔壁保護管)をガイドするための導材、
(3) 打設する鋼管類(例えば桟橋の支持杭)をガイドするための導材、
(4) 土留杭、抑止杭などの各種杭材の打設時に利用する導材(地盤面との間に離隔を空ける導材)、
などの、各種導材に広く適用することができる。
遮蔽手段であるカバー1は、自在に伸び縮みできるように蛇腹構造を有し、その内側を杭材35が自在に挿通できるように筒状に形成されている。(図1には引き伸ばして伸展した状態の筒状カバー1を示す。)この蛇腹構造の筒状カバー1は、図2の分解図に示すように、2つの半割れパイプ形状の半割れ部分21,22を組み合わせて筒状に構成されている。
なお、本実施形態で用いる筒状カバー1は、打設や削孔に伴う騒音を軽減する防音機能を具備するとともに、削孔によって生じる掘削ずりが周囲に飛散するのを防止する飛散防止機能を具備しているが、本発明における「遮蔽手段」は必ずしも両機能を備えている必要はなく、いずれか一方を具備するように構成してもよい。
また、遮蔽手段が具備する防音機能および/または掘削ずり飛散防止機能は、必ずしも
、施工現場の全周に及ぶものでなくてもよく、例えば、一方向(正面側など)に対してのみ防音機能および/または掘削ずり飛散防止機能を発揮するように構成してもよい。したがって、本発明における遮蔽手段の構成は、必ずしも本実施形態で採用するような筒状カバーに限定されるものではなく、スクリーン状(面状)の遮蔽シートで構成してもよい。また、このようなスクリーン状のシートを複数組み合わせて周囲を囲う遮蔽手段を構成してもよい。
また、遮蔽手段として筒状カバー1を採用する場合、その断面形状の輪郭は必ずしも円形に限定されるものでなく、断面略楕円形や断面略多角形状などの筒状カバーを採用することも可能である。
本実施形態で用いる筒状カバー1において、各半割れ部分21,22はそれぞれ、略C字状の骨材23と、柔軟な遮蔽シート25と、止め金具26(孔あきプレート)と、引掛けリング27(環状部材)を具備している。遮蔽シート25は、後述する杭材打設時の激しい騒音(打撃音など)を低減する役割を担っているほか、削孔時に発生する掘削ずりの周辺への飛散を防止する役割を担っている。なお、遮蔽シートは、必ずしも防音効果と飛散防止効果の両方を備えている必要はなく、少なくとも何れか一方の効果を達成できるように構成されていれば足りる。
2つの半割れ部分21,22は、全体として筒状になるように組み合わされ、通常の使用時には、半割れ部分21,22が分離しないように2本の止めワイヤー28によって止めてある。
2本の止めワイヤーはそれぞれ、半割れ部分21,22の継ぎ目に沿って抜差し自在状態で挿し込まれており、一方側の止め金具26と他方側の引掛けリング27を相互連結する役割を担っている。つまり、2本の止めワイヤー28によって半割れ部分21,22が相互連結した状態を保ち、その結果、カバー1が筒状に保持されている。そして、図1に示す状態から2本の止めワイヤー28を引き抜くと、半割れ部分21,22の相互連結状態が解除され、図2に示すように2つの半割れ部分が分離可能な状態になる。また、図1に示す状態から何れか一方の止めワイヤー28を引き抜くと、他方側の止めワイヤーがヒンジのように作用して、筒状カバー1が裂開方向に展開できるようになる。つまり、筒状カバー1は、半割れ部分21,22を2本の抜き差し自在の止めワイヤーで繋いでいるため、二分することが可能であるとともに、一方の止めワイヤーをヒンジのように作用させて開閉させることも可能である。
吊設手段である複数本のワイヤー3は、図1に示すように、導材31の下方に筒状カバー1を吊り下げる役割を担っている。このワイヤー3は、ウインチ5により繰り出し・巻き取り可能に設けられており、その先端側は筒状カバー1の上端側に連結されている。
手動式のウインチ5(上げ下げ手段)は、ワイヤー3を介して筒状カバー1を上げ下げする役割を担っている。このウインチ5は、導材31の上面側に固定した専用足場37に取り付けられている。ウインチ5から繰り出されたワイヤー3は、専用足場37の開口部38を抜け(図6参照)、導材31の杭ガイド管53(杭頭固定管)の外側を通り、筒状カバー1の上端に連結されている。
(環境負荷軽減装置を用いた施工方法)
次に、本発明の適用事例として桟橋工における支持杭の打設を挙げて、添付図面に基づいて杭打設方法の具体的手順について説明する。なお、本実施形態はあくまでも一例であって、本発明の適用対象は桟橋工に限定されるものではなく、土留杭や抑止杭などの各種杭材を打設する施工や削孔に広く適用可能であることに留意されたい。
図3A〜図3Hは、前述した構成の環境負荷軽減装置を利用して桟橋を構築する際の手順を例示している。なお、以下説明する工程a〜hは、それぞれ図3A〜図3Hに対応している。
1.工程a/導材を地組みする工程(図3A)
はじめに、桟橋構築完了部分(図12参照)の橋面上に、H形鋼などからなる受け材41を敷き並べ、その上に導材31(ガイド手段/桟橋パネル)を地組みする。図4に完成状態の導材31の拡大平面図を示す。なお、この工程で組み立てる導材31は、従来技術との関係で説明した図12及び図13に示す桟橋パネル71と同様の構成を備えている。
本実施形態において導材31は、杭材35を打設方向にガイドする役割を担っており、図12に示す従来技術の桟橋パネル71と同様に桟橋構築完了部分から張り出すように設置される。この導材31を介して必要数の杭材(本実施形態の場合では導材1つあたり3本の杭材)を打設したら、当該導材31を桟橋構築完了部分から取り外すことなくそのまま上部構造の一部として(すなわち、桁材としての機能を具備する桟橋パネルとして)利用することが可能である。
この導材31は、図4の平面図に示すように、主として、メインフレーム51と、該メインフレームに連結された横桁52とで構成されている。メインフレーム51は、主桁・横桁としての機能を具備するフレーム状部材である。横桁52は、打設時に杭材を地盤へガイドする筒状の杭ガイド管53(杭頭固定管)と、次段のメインフレームに対して連結される連結部材55を有している。筒状の杭ガイド管53は、杭材35を挿通させるための挿通孔(ガイドホール)を有している。
なお、打設時において杭材をガイドするための導材は、桟橋の支持杭打設時のほか、土留杭や抑止杭などの打設時にも用いられる。このような導材は、桟橋の支持杭や、土留杭、抑止杭などの杭打設時において、打設対象地盤の上方に設置される。
2.工程b/導材に専用足場を取り付ける工程(図3B)
続いて、図3Bに示すように、受け桁41の上で地組みした導材31に、専用足場37を設置する。
なお参考までに、図5の拡大平面図には、導材31に専用足場37を設置した状態を示し、図6には、それを分解した状態を示す。
図5及び図6に示すように、専用足場37には、導材31の杭ガイド管53の真上に位置するように開口部38が形成されており、この開口部38と導材の杭ガイド管53に杭材35を通した状態で、当該杭材が打設される。
また図6に示すように、専用足場37の開口部38のそれぞれの周囲には、前述した環境負荷軽減装置の一部をなす「一対の手動式ウインチ5,5」が取り付けられている。
3.工程c/導材の下方に筒状カバーを吊設する工程(図3C)
続いて、受け桁41の上で地組みした導材31の下方に、前述した環境負荷軽減装置の一部をなす筒状カバー1を三基ぶら下げて吊設する。このとき必要であれば、一体となった導材31及び専用足場37を吊り上げて、導材1の真下で吊設作業を進めるようにしてもよい。
図3Cに示す状態において、蛇腹構造の筒状カバー1は、例えばロープで括るなどして縮退状態(畳み込んだ状態)にセットされて吊設されており、また、当該筒状カバー1の上端部は、ウインチ5から繰り出されたワイヤー3に連結されている。また、筒状カバー1を構成する半割れ部分21,22は、分離しないように2本の止めワイヤー28で留めてある(図1、図2参照)。
ウインチ5は導材31上に固定された専用足場37に取り付けられており、各ウインチ5から繰り出されたワイヤー3は、専用足場37の開口部38を通り抜け、更に杭ガイド管53の外側を通って、該杭ガイド管53の真下で筒状カバー1を吊設している。
4.工程d/桟橋構築完了部分に対し導材を片持ち状の延設する工程(図3D)
図3Dに示す桟橋構築完了部分は、主として、上部構造とそれを支える下部構造とで構成されている。桟橋構築完了部分は、図12及び図13に示す従来技術と同様に、完成予定の桟橋全体の一部分の構造物であるが、構築済みの当該部分(図示する構造物部分)だけであっても、上部構造と下部構造を具備する構台として機能する。したがって、桟橋構築完了部分は機械足場として利用可能であり、各種施工用機材や重機をその上に搬入することが可能である。
そこで、図3Dに示すように桟橋構築完了部分(機械足場)にクレーンを用意し、これを使って、地組みした導材31を、該桟橋構築完了部分の前方または側方(すなわち桟橋構築方向/桟橋拡張方向)に吊り下ろす。この導材31の上部には、前述したとおり、専用足場37が取り付けられ、またこの専用足場37を介して間接的に環境負荷軽減装置が取り付けられている(図3C参照)。なお、この導材31は、杭材打設時には杭ガイドとして機能し、杭材の打設完了後には、上部構造の一部(桁材としての機能を具備する桟橋パネル)として利用できる。
次に、桟橋構築完了部分の前方に吊り降ろした導材31を、該桟橋構築完了部分の桟橋パネル31’に連結する。この桟橋パネル31’は、既打設の杭材35’の打設時に導材(ガイド手段)として機能していた部材であって、図示する状態では上部構造の一部として機能している。桟橋パネル31’と導材31は、同様の構成を有している。
この桟橋パネル31’の端に導材31を連結して、桟橋構築完了部分から張り出すように、該導材31を片持ち状に延設する。これにより、杭材打設対象の地盤の上方に導材が設置され、杭ガイド管(杭頭固定管)が打設位置の真上に位置する状態が確保される。この状態では、設置された導材位置と打設対象地盤との間には、離隔(高低差)が生じている。
続いて、片持ち状に延設した導材31を、「ガイド手段」兼「作業足場」として利用できるように、該導材31を、桟橋構築完了部分側に立設された反力ポール43に対してチェーンブロック44で連結する。これにより、導材31やその上に載せる各種機材等の荷重を、桟橋構築完了部分側に預けることができる。次に、前工程まで縮退状態に畳み込んでいた筒状カバー1を、図3Dに示すように、軸方向に引き伸ばして筒状に伸展させる。
なお、強風時などにおいては、後工程で筒状カバー1に杭材35を挿し込んでから、該筒状カバーを筒状に伸展させてもよい。これにより、筒状カバー1が風に靡いて挿入し難かったり、杭材35の下端部が筒状カバー1を損壊させるといった事態を回避できる。
上記手順を経て取り付けられた導材31は、後工程での杭材打設が完了するまでは、地場面から離れた位置から杭材をガイドするための部材として機能する。一方、必要本数(当該導材31を使って打設する本数)の杭材の打設が完了した後では、ガイド手段としての役割を終えるが、撤去することなく現状の取付位置で、上部構造の一部(主桁・横桁としての機能を具備する桟橋パネル)として機能する。
5.工程e/杭材を導材及び筒状カバーに通して杭心位置にセットする工程(図3E)
次に、専用足場37の開口部38と(図5及び図6参照)、片持ち状態の導材31の杭ガイド管53と、筒状カバー1のそれぞれに杭材35を通して、該杭材を杭心位置にセットする。次いで、当該杭材35を打設するための施工機材である「削孔装置」を、この杭材に挿入し、削孔位置にセットする。なお、前述したとおり、この工程で筒状カバー1に杭材35を通した後で、この筒状カバーを筒状に伸展させてもよい。
6.工程f/導材を介して杭材を打設する工程(図3F)
上述した作業を経て、杭材35と削孔装置90のセッティングと打設開始の準備が完了したら、ウインチ5のワイヤー3を繰り出して(図1参照)、筒状に伸展させた状態の蛇腹構造のカバー1を吊り降ろし、削孔装置90からの騒音発生位置(想定される打撃音等の騒音発生位置)に近づける。本実施形態では、一例として、図3Fに示すとおり、筒状カバー1の下端が地盤面に接地して削孔部の上端を覆い、地盤面から約数mの高さの杭材部分が筒状カバー1で取り囲まれるように、当該筒状カバー1を吊り降ろして所定の防音位置・飛散防止位置にセットしている。
なお、図3Fに例示した筒状カバー1の高さ(上下方向で遮蔽する範囲)は、あくまでも例示であって、施工現場や設計条件などに応じて、任意の高さに設定することが可能である。また、筒状カバー1を長尺になるように構成して、図8に示すように、導材31と対象地盤との間にある杭材部分の全域を当該カバーで遮蔽してもよい。
上記手順で筒状カバー1の防音位置・飛散防止位置へのセットが完了したら、次いで、杭材35に挿通させた削孔装置90を使って該杭材を打設する。そして、杭材35を所定深度まで打設したら、削孔装置90を杭材35から引き抜く。なお、削孔装置90の構成やこれを用いた打設原理は、図14を引用して説明した従来技術と同様である。打設する杭材35は支持杭として機能するものであり、その具体例としては、例えば鋼管杭(管状杭)などが挙げられる。
上述した工程eと工程fを繰り返して、必要本数の杭材(本実施形態では導材1つあたり杭材3本)を打設する。
なお、上記手順では、杭材35が削孔装置90を囲繞する(管状の杭材35内に削孔装置90が挿入・装着された)状態で、削孔と杭建て込みが同時に進行する。この方法では、筒状カバー1は、杭材35および削孔装置90を同時に取り囲む態様であるが、本発明を適用可能な他の施工方法によっては杭材35が無く削孔装置90のみを筒状カバー1が取り囲む状態の場合(すなわち、削孔後に抑止杭や土留め杭を孔内に建て込む場合)がある。また別の施工方法としては、杭材35相当部分が削孔装置90の一部を成す孔壁保護管である場合(すなわち、削孔開始から各種杭材建て込みまでの間、孔壁保護管により孔壁崩壊を抑止する場合)などがある。これらのいずれの方法においても所定位置に設置することで防音効果が得られる。
7.工程g/筒状カバーを吊り上げる工程(図3G)
上記工程を経て、必要本数の杭材(本実施形態では導材1つあたり杭材3本)の打設が完了したら、杭材35から削孔装置90を引き抜き、続いて、繰り出していたワイヤー3をウインチ5で巻き戻して(図1参照)、筒状カバー1を導材31の近くまで吊り上げる。
8.工程h/足場および筒状カバーを撤去する工程(図3H)
次に、専用足場37上にいる作業員が引掛け棒などの器具を使い、図3H(1)に示すように、筒状カバー1のそれぞれから2本の止めワイヤー28を引抜く。すると、2つの半割れ部分21,22の連結状態が解けて、図3H(2)に示すように筒状カバー1が二分して、半割れ部分21,22が相互に離隔する。続いて、図3H(3)に示すように、半割れ部分21,22がそれぞれ専用足場37に連結された状態のまま、該専用足場37をクレーンで吊り上げて導材31から撤去する。そして、この工程で回収した筒状カバー1は、次回延設予定の導材31を地組みする際に再利用され、その下方に吊設される。
なお、筒状カバーを撤去する際、必ずしも、筒状カバー1を上記のように二分する必要はない。例えば、図7に示すように、何れか一方の止めワイヤー28を引抜いて、他方の止めワイヤーをヒンジのように機能させてもよい。このように一方側の止めワイヤー28を引抜くと、半割れ部分21,22が連結した状態のままで、筒状カバー1が裂開したように展開するので、このように開く方法によっても杭材35から筒状カバー1を外すことができる。
9.その後の工程
打設したすべての杭材35の各頭部を、導材31の杭ガイド管53に進入した状態で固定して一体化させる。これにより、導材31及びその上に載せる各種機材や重機等の荷重が、打設された杭材35によって支持される。
最後に、導材31(桟橋パネル)上に覆工板を敷設するとともに、必要に応じて、杭材同士の間に補強材を架設する。これらの工程を経て、導材31(桟橋パネル)は桟橋構築完了部分の上部構造の一部として機能し、打設された杭材35は桟橋構築完了部分の下部構造の一部として機能し、その結果、桟橋構築完了部分が桟橋パネル1枚分拡張される。
したがって、上述した工程a〜工程hを繰り返すことで、上部構造と下部構造からなる桟橋構築完了部分が徐々に(桟橋パネル1枚分ずつ)拡張され、最終的に、完成体としての桟橋の構築が完了する。
(他の実施形態)
上述した実施形態は、本発明の実施形態の一例であって、本発明は様々な形態で実施することが可能である。以下、本発明のその他の実施形態について説明する。
上述した実施形態では、遮蔽手段の一例として筒状の蛇腹構造体を用いていたが、遮蔽手段の構成はこれに限定されるものではなく、一方向または複数方向に対する防音効果および/または掘削ずり飛散防止効果を発揮できるものであれば、いかなるものでも採用可能である。
例えば図9に示すように、遮蔽手段をなす垂れ幕状の4枚の遮蔽スクリーン1bを、導材の下方において四方に吊り下げ、この遮蔽スクリーン1bによって施工時の周辺環境への負荷(騒音や掘削ずりの飛散)を軽減するようにしてもよい。
またこの場合、遮蔽スクリーン1bは、必ずしも、図9に示すように、四方を取り囲むように設置する必要はなく、例えば、前方、後方、右側方、左側方のいずれか1又は2以上の方向に向けて遮蔽スクリーンを垂れ幕状に吊り下げてもよい。
また、遮蔽スクリーンの取り付け方や、その吊り上げ・吊り下げ方法は特に限定されるものでなく、例えば、図10A,図10Bに示すような態様を採用することが可能である。例示する図10A,図10Bは、それぞれ、垂れ幕状の遮蔽スクリーン1dを導材31(ガイド手段/桟橋パネル)の下方に吊設した状態を示す正面図と側面図である。この実施例において、遮蔽スクリーン1dの上端側(複数個所)は、吊設手段としてのワイヤー4を介して専用足場37に連結されている。スクリーン格納ケージ7(籠状構造物)は、吊設手段としてのワイヤー6,6を介してウインチ5,5に連結されており、このウインチ5,5は専用足場37に固定されている。このウインチ5によりワイヤー6を繰り出し又は巻き上げることで、スクリーン格納ケージ7を上げ下げすることができ、その結果、劇場などで用いられる垂れ幕(ドロップカーテン)の如く、遮蔽スクリーン1dをその下側から畳み込むように(或いは巻き上げるように)上げ下げすることができる。
なお、上記スクリーン格納ケージ7は、遮蔽スクリーン1dの下端に取り付けられていることにより、ちょうどロールスクリーン(ロールカーテン)のウエイトバーのように機能し、風などの影響による遮蔽スクリーン1dのよれ、ねじれ、はためき、ばたつき等を抑制することができる。このことにより、本技術分野の現場に常時発生する可能性がある山谷風、海風、ビル風などの影響による遮蔽スクリーン設置・固定の困難を緩和・解消でき、より効率良く確実に施工の環境負荷低減の目的を達成することができる。
また、前述した実施形態において遮蔽手段として採用した断面略円形の筒状カバーは、杭材35を1本ずつ個別に取り囲むように構成しているが、必ずしも、1本の杭材35を個別に遮蔽するのではなく、1つのカバーで複数本の杭材を取り囲んで遮蔽するようにしてもよい。例えば、図11に示すように、3本の杭材を取り囲むことができるように、包囲カバー1cの断面サイズを大型化して、これを導材31の下方に吊設するようにしてもよい。またこの場合の包囲カバー1cを、前述した実施形態と同様に伸縮自在の蛇腹構造にしてもよく、あるいは、単なる筒型スクリーン構造としてもよい。このような実施形態であれば、導材1つにつき遮蔽手段を1つ取り付ければ足りるので、遮蔽手段の取り付け・回収などの作業を省力化できる。
また、前述した実施形態では、遮蔽手段を上げ下げするための手段としてウインチ5を用いたが、必ずしもウインチを利用する必要はなく、例えば、導材1に配置した作業員がワイヤー5を手作業で繰り出したり、或いは引っ張り上げたりすることも可能である。
またウインチの種類は特に限定されるものではなく、手動ウインチの他、電動ウインチや、リモートコントリール式の電動ウインチを用いることも可能である。
また、前述した実施形態では、環境負荷軽減装置を、専用足場37などの付属部材を介して間接的に導材41に対し取り付けていたが、ウインチ4や筒状カバー1などを導材31に対して直接取り付けるようにしてもよい。
また、前述した実施形態では、導材31の地組みの段階で遮蔽手段を吊設していたが、遮蔽手段吊設するタイミングはこれに限定されず、例えば、図3Dに示すように導材31を打設対象地盤の上方に設置した後に、当該導材の下方に遮蔽手段を吊設するようにしてもよい。
また、前述した実施形態では、半割れ部分21,22を止めワイヤー28を使って筒状に留めていたが、その他の手段、例えば、ベロクロテープなどのファスナー手段を使って筒状に留める構成も採用可能である。
また、本発明において、畳み込んでいた筒状カバー1を伸展させるタイミングは特に限定されず、現場の諸条件や作業員の判断に応じて、任意のタイミングで伸展させることができる。すなわち地組みの段階で(はじめから)筒状に伸展させてもよく、或いは、杭材を筒状カバーに通した後で伸展させるようにしてもよい。
また、本発明において、筒状カバー1は必ずしも初期段階で畳み込んだ状態で吊設する必要はなく、はじめから筒状に伸展させた状態で吊設する態様も採用可能である。
また、本発明でいう「導材」とは、上述した実施形態で用いた杭材ガイド用に導材に限定されるものでなく、桟橋支持杭、土留め杭、抑止杭などの杭材のほか、削孔装置や掘削装置などの施工機材をガイド可能な導材を広く含むものである。
また、「施工機材」とは、上述した実施形態で用いたダウンザホールハンマドリルを具備する削孔装置のほか、導材によってガイド可能な各種削孔装置や掘削装置、打設装置、打ち込み用の装置などを広く含むものである。
さらに、上記施工機材には、孔壁保護管などのケーシングを具備する削孔装置や掘削装置も含まる。このケーシング(孔壁保護管)は、削孔後に地中に残置されてもよく、あるいは、施工機材とともに地中から引き抜いてもよい。
また、本発明でいう「杭」とは杭打設用の導材位置と掘削対象地盤に離隔(高低差)が生じ、環境負荷軽減装置や防音手段の設置に困難を来たす地形的条件を有する杭を広く含む趣旨であり、例えば、桟橋支持杭、土留め杭、抑止杭等を含むものである。また、上述した実施形態における「桟橋」とは、上部構造と下部構造からなる構造物を広く含む趣旨であり、例えば、作業構台、人工地盤、橋梁などの構造物も含まれる。したがって、これらの構造物の構築方法や、その実施に用いる環境負荷軽減装置は、本発明の技術的範囲に含まれることに留意されたい。
1 筒状カバー(遮蔽手段/防音手段/掘削ずり飛散防止手段)
1b 遮蔽スクリーン(遮蔽手段/防音手段/掘削ずり飛散防止手段)
1c 包囲カバー(遮蔽手段/防音手段/掘削ずり飛散防止手段)
1d 遮蔽スクリーン(遮蔽手段/防音手段/掘削ずり飛散防止手段)
3 ワイヤー(吊設手段)
4 ワイヤー(吊設手段)
5 ウインチ(上げ下げ手段)
6 ワイヤー(吊設手段)
7 スクリーン格納ケージ(籠状構造物)
21 半割れパイプ状の半割れ部分
22 半割れパイプ状の半割れ部分
23 略C字状の骨材
25 遮蔽シート
26 止め金具(孔あきプレート)
27 引掛けリング(環状部材)
28 止めワイヤー
31 導材(桟橋パネル/ガイド手段)
31’ 桟橋パネル
35 杭材(管状杭/支持杭)
35’ 杭材(管状杭/支持杭)
37 専用足場
38 開口部
41 受け材
43 反力ポール
44 チェーンブロック
51 メインフレーム
52 横桁
53 杭ガイド管(杭頭固定管)
55 連結部材
71 桟橋パネル
73 管状杭(支持杭)
90 削孔装置(打設装置/施工機材)
91 回転駆動装置(オーガー/掘進機)
92 排土キャップ
93 ドリルロッド
94 ダウンザホールハンマ
95 ハンマービット

Claims (8)

  1. 施工機材および/または杭材をガイド可能な導材を用いた工事で利用される装置であって、周辺環境に対する負荷を軽減する装置において、
    前記導材を利用した施工時における防音のための、および/または、前記導材を利用した施工時における掘削ずり飛散防止のための遮蔽手段と、
    前記導材の下方に前記遮蔽手段を吊設するための吊設手段と、
    前記遮蔽手段を上げ下げするためのウインチと、
    を有する環境負荷軽減装置。
  2. 前記遮蔽手段は、
    一方向または複数方向に対する防音機能、および/または、一方向または複数方向に対する掘削ずり飛散防止機能を具備するように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の環境負荷軽減装置。
  3. 前記遮蔽手段は、前記導材と地盤面との間において施工機材および/または杭材の少なくとも一部を遮蔽可能に構成されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の環境負荷軽減装置。
  4. 前記遮蔽手段は分割可能または開閉可能に構成されている、ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の環境負荷軽減装置。
  5. 前記遮蔽手段は伸縮自在に構成されている、ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の環境負荷軽減装置。
  6. 打設または削孔を伴う工事であって、施工機材および/または杭材をガイド可能な導材を用いるとともに、請求項1に記載の環境負荷軽減装置を用いる工事の施工方法において、
    前記導材を利用した施工時における防音のための、および/または、前記導材を利用した施工時における掘削ずり飛散防止のための遮蔽手段を前記導材の下方に吊設する工程と、
    打設または削孔の対象地盤の上方に前記導材を設置する工程と、
    前記導材に前記施工機材および/または前記杭材を通して前記遮蔽手段で遮蔽した状態で打設または削孔を実施する工程と、を含む施工方法。
  7. 打設または削孔を伴う工事であって、施工機材および/または杭材をガイド可能な導材を用いるとともに、請求項1に記載の環境負荷軽減装置を用いる工事の施工方法において、
    打設または削孔の対象地盤の上方に前記導材を設置する工程と、
    前記導材を利用した施工時における防音のための、および/または、前記導材を利用した施工時における掘削ずり飛散防止のための遮蔽手段を前記導材の下方に吊設する工程と、
    前記導材に前記施工機材および/または前記杭材を通して前記遮蔽手段で遮蔽した状態で打設または削孔を実施する工程と、を含む施工方法。
  8. 前記遮蔽手段を地盤面に近づくように吊り降ろした状態で打設または削孔を実施する、ことを特徴とする請求項6又は7に記載の施工方法。
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