<実施形態1>
以下、本発明の実施形態1を、図1〜図11を参照しつつ説明する。本実施形態では、三方シール型の包装体について説明する。
図1は、実施形態1の三方シール型の包装体1の平面図であり、図2は、図1のA−A線断面図である。なお、説明の便宜上、図1の紙面手前側及び図2の上側を、包装体1の表側とし、図1の紙面奥側及び図2の下側を包装体1の裏側とする。
包装体1は、熱溶着性のフィルム材(例えば、熱溶着性のラミネートフィルム材、熱溶着性の単層フィルム材等)を袋状に加工したものからなり、主として、内容物を収容する袋状の収容部2と、収容部2の周縁に配されるシール部3とを備える。
包装体1全体は、平面視で縦長の略矩形状をなし、1つの長辺を除いた残りの3辺にシール部3が割り当てられている。シール部3は、平面視でコの字状(U字状)をなしており、収容部2を三方から囲む形となっている。
包装体1は、1枚の矩形状のフィルム材を、縁部同士が互いに重なり合うように2つ折りにする形で袋状に折り曲げた状態で、前記縁部同士を熱溶着することで形成される。熱溶着された縁部同士は、包装体1におけるシール部3となり、シール部3で囲まれた袋状の部分が収容部2となる。なお、包装体1の製造装置(包装機)については、後述する。
収容部2は、内側に内容物(例えば、粉体、液体、半固体等)を収容するための空間を有する袋状の部分であり、袋状に折り曲げられた上記フィルム材によって形成されている。収容部2の周縁には、シール部3が配されており、シール部3によって収容部2内が封止されている。なお、収容部2は、平面視で略矩形状であり、フィルム材の短辺側の縁部同士が重ね合せられた部分に形成される2つの角部(隅部)が丸みを帯びた形をなしている。
シール部3は、上述したように、フィルム材の縁部同士が互いに重ね合せられた状態で、所定の製造装置を利用して、熱溶着された部分である。このようなシール部3は、縁取り部31と、偏平帯部32と、繋ぎ部33とを備えている。なお、縁取り部31、偏平帯部32及び繋ぎ部33は、いずれもフィルム材の2つの縁部が重ね合せられた状態で熱溶着されたシール部3の一部からなる。
縁取り部31は、収容部2の周縁21に沿って配される偏平な部分である。縁取り部31は、収容部2を縁取るように形成されている。縁取り部31は、シール部3のうち、収容部2に対して最も近くに配される部分である。
縁取り部31は、図1に示されるように、平面視した際、収容部2の周縁21に沿って延びた細長い帯状をなしている。また、縁取り部31は、幅方向(短手方向)において、図2に示されるように、断面視した際、収容部2の周縁21から外側に向かって真っ直ぐに延出した形をなしている。
偏平帯部32は、縁取り部31よりも外側に配され、収容部2の周縁21に沿って平行に並ぶ複数の偏平な帯状部分からなる。偏平帯部32は、平面視した際、収容部2の周縁21に沿って平行に延びた細長い帯状をなしている。複数の偏平帯部32は、互いに間隔を保ちつつ平行に並んでいる。また、偏平帯部32は、断面視した際、縁取り部31の延出方向に沿って真っ直ぐに延びた形で配されている。
偏平帯部32は、包装体1の表側(図2の上側)に盛り上がる形で配される山側偏平帯部32Aと、包装体1の裏側(図2の下側)に窪む形で配される谷側偏平帯部32Bの2種類からなる。山側偏平帯部32Aと谷側偏平帯部32Bとは、偏平帯部32の並び方向(シール部3の幅方向)において、交互に並んでいる。また、山側偏平帯部32Aと谷側偏平帯部32Bとは、断面視した際、厚み方向において互いに離れた位置に配され、所謂、ジグザグ状に一列に並ぶ形となっている。
繋ぎ部33は、縁取り部31と、縁取り部31に最も近い位置の偏平帯部32との間、及び隣り合った偏平帯部32との間を繋ぐ形で配される部分である。繋ぎ部33は、収容部2の周縁21に沿って平行に延びた細長い帯状をなしている。なお、本実施形態の場合、繋ぎ部33の厚みは、偏平帯部32の厚みよりも厚くなっている。
繋ぎ部33は、図2に示されるように、断面視した際、縁取り部31の延出方向に対して傾くように配される。例えば、谷側偏平帯部32Bと山側偏平帯部32Aとの間を繋ぐ繋ぎ部33は、内側から外側に向かって上るように傾斜した状態となっており、上傾斜繋ぎ部33と称する場合がある。これに対し、山側偏平帯部32Aと谷側偏平帯部32Bとの間を繋ぐ繋ぎ部33は、内側から外側に向かって下るように傾斜した状態となっており、下傾斜繋ぎ部33と称する場合がある。
上傾斜繋ぎ部33と下傾斜繋ぎ部33とは、図2に示されるように、並び方向(シール部3の幅方向)において、交互に配置されている。
このようにシール部3は、縁取り部31、偏平帯部32及び繋ぎ部33から構成され、全体としては、複数本の帯状の部分が平行に並んだ縞模様状をなしている。
図1に示されるように、収容部2には、丸みを帯びた2つの角部22,23を備えており、それぞれ曲線状の周縁21(曲線縁21A,21B)を備えている。シール部3を構成する偏平帯部32等は、各曲線縁21A,21Bに沿って曲線状に平行に配設されている。
偏平帯部32は、各曲線縁21A,21Bに沿って曲線状に平行に配設される曲線偏平帯部321,322を含んでいる。なお、偏平帯部32が有する2種類の山側偏平帯部32A及び谷側偏平帯部32Bが、それぞれ曲線偏平帯部321,322を含んでいる。
また、縁取り部31も、各曲線縁21A,21Bに沿って曲線状に平行に配設される曲線縁取り部311,312を含んでいる。なお、縁取り部31は、矩形状の収容部2の短辺側では、単独で形成されているが、収容部2の長辺側では、短辺側において縁取り部31に最も近い位置にある偏平帯部32(谷側偏平帯部32B)が、縁取り部31を兼ねる構成となっている。
また、繋ぎ部33も、各曲線縁21A,21Bに沿って曲線状に平行に配設される曲線繋ぎ部331,332を含んでいる。
つまり、シール部3は、丸みを帯びた角部22,23の外側において、各曲線縁21A,21Bに沿った曲線状(R状)の縞模様が形成された状態となっている。なお、シール部3には、包装体1の開封を容易にするためのノッチ(不図示)が形成されてもよい。
包装体1は、このようなシール部3によって収容部2が封止されることで、収容部2内の気密性、封止性(シール性)等が向上する。また、包装体1は、複数の偏平帯部32及び繋ぎ部33等が、収容部2の周縁21に沿いつつ、全体として規則的な縞模様状に形成されているため、意匠性にも優れる。このような包装体1は、以下に示される包装機(製造装置)40を利用して製造される。
図3は、包装機40の要部を示す右側面図であり、図4は、包装機40の要部を示す正面図である。包装機40は、長尺状のフィルム材Fから複数個の包装体1を一列に繋がった状態で連続的に製造する装置である。包装機40は、所謂、縦型充填包装機であり、主として、内容物供給手段41と、フォーマ付き充填シュート42と、テンションローラ43と、ヒートシール手段44と、送りローラ45等を備えている。
内容物供給手段41は、包装体1の収容部2に充填させる内容物を、下方に設置されたフォーマ付き充填シュート42に供給する装置である。内容物供給手段41は、主として、計量部41a、シャッター部(不図示)、供給部41b等を備えている。
内容物供給手段41では、上方に開口した容器状のホッパー(不図示)内に貯留されている内容物が、計量部41aにより所定量(一定量)に計り取られる。計量部41aによって計り取られた内容物は、供給部41b内で一時的に待機した後、供給部41b内に設けられているシャッター部が所定のタイミングで開くことにより、内容物が供給部41b内からフォーマ付き充填シュート42に向かって下降する形で供給される。なお、計量部41a、シャッター部等の各動作は、図示されない制御部からの指令に基づいて行われる。また、供給部41bは、上方から下方に向かって狭小となるような偏平な筒状をなしている。供給部41bの下端は、フォーマ付き充填シュート42の開口した上端42aの内側に配置されている。
テンションローラ43は、図示されない取付軸に取り付けられているフィルム材Fの原反ロールから引き出されたフィルム材Fが架けられ、フォーマ付き充填シュート42側にフィルム材Fを送り出すための装置である。原反ロールは、包装体1を形成するための長尺状のフィルム材Fが、印刷面を表側にしてロール状に巻回されたものからなり、適宜、必要量のフィルム材Fが原反ロールから引き出される。
なお、フィルム材Fは、テンションローラ43に対して、水平方向に移動する形で供給される。そして、フィルム材Fは、テンションローラ43において90°方向転換され、テンションローラ43を通過した後は、下方に向かって移動する。フィルム材Fは、下方に移動しながら、上下方向に延びたフォーマ付き充填シュート42を包むようにフォーマ付き充填シュート42の外観形状に沿って移動することで、幅方向における略中央部分に折り目が形成されるように、長手方向に沿って2つ折りにされる。その際、フィルム材Fの長手方向の縁部同士が互いに重ね合せられる。
フォーマ付き充填シュート42は、全体的には、正面視において、上方から下方に向かって狭小となるような筒状をなしている。また、フォーマ付き充填シュート42は、後方から緩やかに前方に傾斜しつつ最終的に下方に向かう形をなしている。フォーマ付き充填シュート42の上端42aは、供給部41bの下端から排出される内容物を受ける開口状の受け口となっている。これに対し、フォーマ付き充填シュート42の下端42bは、フォーマ付き充填シュート42内を下降する収容物を外部に排出するための開口状の排出口となっている。
また、フォーマ付き充填シュート42は、フィルム材Fを、幅方向の中央部において2つ折りする際に、フィルム材Fの中央部に宛がわれるガイド部材(フォーマ部材)としても機能する。フォーマ付き充填シュート42の下端42bは、2つ折りにされたフィルム材Fの内側に収容される形で配される。
ヒートシール手段44は、縁部同士が重なり合うように2つ折りの状態で折り曲げられたフィルム材Fの周縁等を、熱溶着することで、フィルム材F中に包装体1のシール部3を形成すると共に、そのシール部3で囲まれる袋状の収容部2を形成する手段である。なお、ヒートシール手段44は、後述するように、フィルム材Fから1つの包装体1を製造するために、シール部3を2回に分けて形成する。
ヒートシール手段44は、左右方向に分かれて配置し、フィルム材Fの周縁等を左右方向から、加熱しつつ挟み付ける一対の加熱押圧部441,442を備えている。なお、各加熱押圧部441,442は、所定のタイミングで左右方向に開閉移動するアーム部443,444にそれぞれ固定されている。
包装機40を正面側から見た際、左側に一方の加熱押圧部441が配され、右側に他方の加熱押圧部442が配される。なお、包装体1の表側を構成するフィルム材Fに、左側の一方の加熱押圧部441が宛がわれ、包装体1の裏側を構成するフィルム材Fに、右側の他方の加熱押圧部442が宛がわれる。
加熱押圧部441,442は、全体的にはそれぞれL字状をなしており、主として、金属製の部材からなる。なお、加熱押圧部441,442には、図示されないヒータが内蔵されており、加熱押圧部441,442が所定の温度に加熱される。また、加熱押圧部441,442には、互いに向かい合う内側面において、互いに噛み合う凹凸部を有する押圧面441a,442aが設けられている。なお、加熱押圧部441,442の外側面には、それぞれアーム部443,444が取り付けられている。アーム部443,444は、図示されない制御部からの指令に基づいて、所定のタイミングで開閉駆動する。図5には、開状態のヒートシール手段44が開示され、図6には、閉状態のヒートシール手段44が開示される。
図7は、押圧面441a側から見た、包装体1の表面用の加熱押圧部441の平面図であり、図8は、押圧面442a側から見た、包装体1の裏面用の加熱押圧部442の平面図である。加熱押圧部441,442は、主として、包装体1の縦方向(長手方向)のシール部2を形成する縦長の縦方向押圧部441A,442Aと、主として、包装体1の横方向(短手方向)のシール部3を形成する横長の横方向押圧部441B,442Bとを備える。なお、加熱押圧部441を構成する縦方向押圧部441A及び横方向押圧部441Bは、1つ部品として一体的に形成されており、また、加熱押圧部442を構成する縦方向押圧部442A及び横方向押圧部442Bについても、1つ部品として一体的に形成されている。
なお、各押圧面441a,442aには、上下方向に並んだ2つの包装体1の各シール部3を、部分的に同時に形成できるように凹凸部が形成されている。図9は、2つ折りにされて上下方向に配されたフィルム材Fから、複数の包装体1A,1B,1Cが連続的に形成される状態を模式的に表した説明図である。ここで、図9を用いて、本実施形態の包装機40が備えるヒートシール手段44によって、フィルム材Fが熱溶着される部分を説明する。
図9には、上方から下方に向かって2つ折りにされた状態で移動するフィルム材Fが示されている。そして、フィルム材Fから最終的に形成される包装体1が下から順に、包装体A,1B,1Cとして示されている。
包装体1Aのシール部3のうち、下側の横シール部3Aa及び縦シール部3Ab(縦シール部3Abの上端を除く)は、ヒートシール手段44によって同時に形成される。これに対し、包装体1Aのシール部3のうち、上側の横シール部3Ac(及び縦シール部3Abの上端)は、下側の横シール部3Aa及び縦シール部3Ab(縦シール部3Abの上端を除く)が形成された後に、別途、ヒートシール手段44によって形成されるものである。このように、包装体1のシール部3は、ヒートシール手段44による熱溶着を2回に分けて行うことで、形成される。
なお、ヒートシール手段44によって、包装体1Aの上側の横シール部3Ac(及び縦シール部3Abの上端)が形成される際、それと共に、包装体1Bの包装体1Bの下側の横シール部3Ba及び縦シール部3Bb(縦シール部3Bbの上端を除く)が形成される。
図7及び図8に示されるように、各加熱押圧部441,442の各押圧面441a,442aは、1つ分の包装体1のシール部3を、2回に分けて形成できるように設定されている。例えば、各押圧面441a,442aは、包装体1Bの縦シール部3Bb(縦シール部3Bbの上端を除く)及び下側の横シール部3Baと、包装体1Aの上側の横シール部3Ac(及び縦シール部3Abの上端)に対応している。
各押圧面441a,442aには、シール部3の縁取り部31、偏平帯部32及び繋ぎ部33を形成するための凹凸形状が形成されている。各押圧面441a,442aは、フライス加工等の公知の手法を利用して加工される。包装体1の表面用の加熱押圧部441には、凹凸形状の押圧面441aが形成され、裏面用の加熱押圧部442には、押圧面441aと噛み合う凹凸状の押圧面442aが形成されている。
図10は、開状態のヒートシール手段44において、押圧面441a,442a同士がフィルム材Fを間に置きつつ互いに離れている状態を模式的に表した部分断面図であり、図11は、閉状態のヒートシール手段44において、押圧面441a,442a同士がフィルム材Fを挟んで互いに噛み合っている状態を模式的に表した部分断面図である。なお、図10及び図11の上側に、表面用の加熱押圧部441が示され、下側に裏面用の加熱押圧部442が示される。
図10及び図11に示されるように、各押圧面441a,442aには、偏平帯部32及び繋ぎ部33を形成するための凹部及び凸部がそれぞれ交互に形成されている。例えば、表面用の加熱押圧部441の押圧面441aは、凸部の先端面に相当する平坦な凸部側平坦面441a2と、凹部の底面に相当する平坦な凹部側平坦面441a1と、凸部側平坦面441a2と凹部側平坦面441a1との間に配される傾斜平坦面441a3とを備えている。
また、裏面用の加熱押圧部442の押圧面442aは、凸部の先端面に相当する平坦な凸部側平坦面442a1と、凹部の底面に相当する平坦な凹部側平坦面442a2と、凸部側平坦面442a1と凹部側平坦面442a2との間に配される傾斜平坦面442a3とを備えている。
シール部3の山側偏平帯部32A(偏平帯部32の一種)は、押圧面441aの凹部側平坦面441a1と、押圧面442aの凸部側平坦面442a1との間で、2枚重ねの状態のフィルム材Fが加熱されつつ挟み付けられることで形成される。
また、シール部3の谷側偏平帯部32B(偏平帯部32の一種)は、押圧面441aの凸部側平坦面441a2と、押圧面442aの凹部側平坦面442a2との間で、2枚重ねの状態のフィルム材が加熱されつつ挟み付けられることで形成される。
このような偏平帯部32は、フィルム材Fの重なり方向と、ヒートシール手段44の加熱押圧部441,442(押圧面441a,442a)が挟み付ける方向とが一致しており、ヒートシール手段44によって隙間なく偏平状に形成され易くなっている。
なお、本実施形態の場合、偏平帯部32のうち、山側偏平帯部32Aの幅(線幅)の方が、谷側偏平帯部32Bの幅(線幅)よりも大きく設定されている。つまり、線幅の大きな偏平帯部32と、線幅の小さな偏平帯部32とが交互に並ぶ形となっている。また、山側偏平帯部32Aの幅(線幅)は、繋ぎ部33の幅(線幅)よりも大きく設定されている。このように、偏平帯部32の一部(山側偏平帯部32A)は、少なくとも繋ぎ部33よりも幅(線幅)が大きくなるように設定されている。
押圧面441a,442aの加工誤差、取付誤差等が原因で、ヒートシール手段44によるシール部3の形成時に、面方向(挟み付け方向に対して垂直な方向)に押圧面441a,442aが多少位置ずれしても、偏平帯部32を形成する部分の押圧面441aと押圧面442aとの間隔(押圧面441aの凹部側平坦面441a1と、押圧面442aの凸部側平坦面442a1との間、及び押圧面441aの凸部側平坦面441a2と、押圧面442aの凹部側平坦面442a2との間)は変化し難くなっている。そのため、偏平帯部32では、2枚重ねの状態のフィルム材F同士が確実に熱溶着され易くなっている。
また、縁取り部31についても同様に、フィルム材Fの重なり方向と、ヒートシール手段44の加熱押圧部441,442(押圧面441a,442a)が挟み付ける方向とが一致しており、ヒートシール手段44によって隙間なく偏平状に形成され易くなっている。そして、ヒートシール手段44によるシール部3の形成時に、面方向(挟み付け方向に対して垂直な方向)に押圧面441a,442aが多少位置ずれしても、縁取り部31を形成するための2枚重ねの状態のフィルム材F同士が確実に熱溶着され易くなっている。
また、シール部3の繋ぎ部33は、押圧面441aの傾斜平坦面441a3と、押圧面442aの傾斜平坦面442a3との間で、2枚重ねの状態のフィルム材が加熱されつつ挟み付けられることで形成される。繋ぎ部33は、フィルム材Fの重なり方向に対して、ヒートシール手段44の加熱押圧部441,442(押圧面441a,442a)が挟み付ける方向に対して傾斜している。
なお、本実施形態の場合、互いに向かい合う傾斜平坦面441a3と傾斜平坦面442a3との間の距離は、互いに向かい合う凹部側平坦面441a1と凸部側平坦面442a1との間の距離、及び互いに向かい合う凸部側平坦面441a2と凹部側平坦面442a2との間の距離よりも、大きく設定されている。そのため、フィルム材Fを、押圧面441aと押圧面442aとの間で加熱しつつ押圧した際に、互いに向かい合う傾斜平坦面441a3及び傾斜平坦面442a3に隣接する、凹部側平坦面441a1と凸部側平坦面442a1との間、又は凸部側平坦面441a2と凹部側平坦面442a2との間から、それぞれはみ出した溶融樹脂が、傾斜平坦面441a3と傾斜平坦面442a3との間へ移動することができる。
つまり、本実施形態では、押圧面442aと押圧面441aとの間において、繋ぎ部33を形成するためのキャビティが、偏平帯部32を形成するためのキャビティよりも大きくなるように予め設定されている。
なお、上述したように、押圧面441a,442aの加工誤差、取付誤差等が原因で、ヒートシール手段44によるシール部3の形成時に、面方向(挟み付け方向に対して垂直な方向)に押圧面441a,442aが多少位置ずれした場合、繋ぎ部33を形成する部分の押圧面441aと押圧面442aとの間隔は、広がる部分と、狭まる部分とがある。ただし、繋ぎ部33を形成する部分の押圧面441aと押圧面442aとの間隔が正規の間隔よりも広がった(大きくなった)、又は狭まった(小さくなった)としても、その部分の間隔に応じて、隣接する偏平帯部32から溶融樹脂が供給されるため、繋ぎ部33に隙間等が形成されることが抑制される。
表面用の加熱押圧部441の押圧面441aにおいて、凸部は、凸部側平坦面441a2とそれに隣接する傾斜平坦面441a3によって形成され、凹部は、凹部側平坦面441a1とそれに隣接する傾斜平坦面441a3によって形成される。つまり、隣接する凸部と凹部との間で、傾斜平坦面441a3が共用された形となっている。
また、裏面用の加熱押圧部442の押圧面442aにおいて、凸部は、凸部側平坦面442a1とそれに隣接する傾斜平坦面442a3によって形成され、凹部は、凹部側平坦面442a2とそれに隣接する傾斜平坦面442a3によって形成される。つまり、隣接する凸部と凹部との間で、傾斜平坦面442a3が共用された形となっている。
なお、シール部3の縁取り部31は、押圧面441aのうち、凸部側平坦面441a2と同じ高さ位置にあり、かつ平面視で最も内側(収容部2側)に配される平坦面と、押圧面442aのうち、凸部側平坦面442a1と同じ高さ位置にあり、かつ平面視で最も内側(収容部2側)に配される平坦面との間で、加熱されつつ挟み付けられる形で形成される。
上述したような本実施形態のヒートシール手段44が、閉状態となって、2つ折りにされた(2枚重ねの)フィルム材Fを挟んで加熱溶着した後、ヒートシール手段44は、開状態となる。その際、フィルム材Fは、下側がシール部3で閉塞され、上側が開口した袋状(所謂、半袋状態)となっており、その内側に、フォーマ付き充填シュート42の下端42bが配されている。
ヒートシール手段44が開状態となった後、フォーマ付き充填シュート42の下端42bから、内容物(不図示)が袋状のフィルム材Fに向けて排出される。その後、上下方向に沿って配されているフィルム材Fが、ヒートシール手段44の下方に配される送りローラ45によって、包装体1(1個分の包装体1)の縦方向の長さ分だけ、下方へ送られる。
送りローラ45は、フィルム材Fを左右方向から挟む左右一対の構成である。また、送りローラ45は駆動源を備えており、所定のタイミングで駆動してフィルム材Fを下方へ移動させて、フィルム材をヒートシール手段44の次回の熱溶着に備えさせる。図9に示されるように、フィルム材Fに形成された前回のシール部3と繋がるように、次回のシール部3がフィルム材Fに形成される。
このように、2つ折りにされたフィルム材Fに対して、ヒートシール手段44により1回目の熱溶着を行ってシール部3を部分的に形成すると、上側が開口した袋状のフィルム材F(半袋状態のフィルム材F)が得られる。そして、その袋状のフィルム材Fに対して、フォーマ付き充填シュート42より所定量の内容部が供給される。その後、フィルム材Fを、包装体1(1個分の包装体1)の縦方向の長さ分だけ、下方に移動させ、ヒートシール手段44により2回目の熱溶着を行うと、内容物(不図示)を収容しつつ収容部2の周縁がシール部3で封止された包装体1が得られる。
なお、包装機40は、送りローラ45よりも下流側に、カッター部(不図示)を備えており、そのカッター部により、互いに繋がった状態の包装体1同士が、切り離される。なお、互いに繋がった状態の包装体1のシール部3同士を分離するために、隣り合ったシール部3の間に、カッター部により、ミシン目状の切断誘導線を形成してもよい。また、カッター部により、適宜、ノッチが形成されてもよい。
また、包装機40は、搬送手段(不図示)を備えており、製造された包装体1が搬送手段により、搬送される。以上のようにして、包装体1が包装機40を利用して製造される。
本実施形態の包装体1は、収容部2を囲むシール部3において、収容部2の周縁21に沿って配される縁取り部31以外に、縁取り部31の外側に、複数の偏平帯部32が形成されている。つまり、シール部3の幅方向において、幾重にも封止性の高い線状のシール部分(偏平帯部32)が形成されている。そのため、包装体1は、封止性に優れ、収容部2内の内容物がシール部3から外部に漏出することや、外部から収容部2内に湿気等が進入することが抑制される。
特に、本実施形態の包装体1は、収容部2の角部22,23のように、周縁21形状が、直線状ではない部分(本実施形態の場合、曲線状)においても、縁取り部31がそのような直線状ではない部分の周縁形状縁に沿って曲線状に配されている。そして、更に偏平帯部32が直線状ではない部分の周縁形状縁に沿って曲線状に配されている。つまり、包装体1の収容部2は、縁取り部31及び複数の偏平帯部32によって切れ目なく取り囲まれた形となっている。そのため、包装体1は、更に封止性に優れている。
なお、隣り合った偏平帯部32の間には、それぞれ偏平な繋ぎ部33が形成されている。繋ぎ部33は、ヒートシール手段44によって包装体1にシール部3が形成される際、偏平帯部32側から溶融樹脂が流れ込む部分である。つまり、このような繋ぎ部33が、隣り合った偏平帯部32同士の間と、縁取り部31と偏平帯部32との間に形成されていると、繋ぎ部33に隣接する縁取り部31及び偏平帯部32を、隙間なく確実に形成することができる。そのため、包装体1は、更に封止性に優れている。
なお、本実施形態の包装体1では、上述したように、シール部3に形成される複数の偏平帯部32として、山側偏平帯部32Aと谷側偏平帯部32Bとを備えている。そのため、シール部3には、表側から見た際に、山状に盛り上がる部分(山側偏平帯部32A)と、谷状に窪んだ部分(谷側偏平帯部32B)とが、シール部3の幅方向(偏平帯部32の並び方向)において、交互に並ぶ形で形成されている。このような山側偏平帯部32A及び谷側偏平帯部32Bは、従来の包装体のシール部における直線模様と比べて、平坦な帯状の部分(線幅)が大きくなるように設定されている。
従来のシール部は、2枚重ねのフィルム材が、断面視三角形状の山型に盛り上がった部分と、断面視逆三角形状の谷型に窪んだ部分とが交互に並ぶように折り曲げられた形をなしている。そのため、従来のシール部では、フィルム材同士が密着した偏平な部分がジグザグ状に並んだ形となる。このようにジグザグ状に並ぶ偏平な部分は、フィルム材の重なり方向が、本実施形態とは異なり、ヒートシール手段の加熱押圧部が挟み付ける方向に対して傾斜している。つまり、ヒートシール手段の一対の押圧面同士が、加工誤差、取付誤差等が原因で、面方向(挟み付け方向に対して垂直な方向)に位置ずれした場合、従来のシール部では、挟み付ける方向に対して傾斜した偏平な部分に隙間等が形成され易くなっている。そのため、従来のシール部は、特に確実な封止性が求められる非直線的な部分(曲線部分等)の収容部の周縁に沿って形成することが困難であった。
これに対し、本実施形態では、山状に盛り上がる部分(山側偏平帯部32A)が隣接する繋ぎ部33と共に、断面視で台形状に盛り上がった形をなし、また、谷状に窪んだ部分(谷側偏平帯部32B)隣接する繋ぎ部33と共に、断面視で逆台形状に窪んだ形をなしている。つまり、本実施形態では、偏平帯部32(山側偏平帯部32A、谷側偏平帯部32B)を構成する部分のフィルム材の重なり方向が、ヒートシール手段の加熱押圧部が挟み付ける方向と一致させることで、収容部の曲線状の周縁に沿って、複数の線状のシール部分を熱溶着により形成することが可能となった。
何故ならば、偏平帯部32(山側偏平帯部32A及び谷側偏平帯部32B)を形成するために2枚重ねのフィルム材Fを、ヒートシール手段44を用いて力強く挟み付けて、重ね合せられたフィルム材同士しっかりと熱溶着させることができ、しかもその際に、偏平帯部32に相当する部分から余分な溶融樹脂を、隣接する繋ぎ部33に相当する部分に押し出すことができるからである。その結果、本実施形態のシール部3は、隙間の発生やシワの発生を抑制しつつ、主として、偏平帯部32(山側偏平帯部32A及び谷側偏平帯部32B)等により、しっかりと収容部2を封止することができる。なお、後述する以降の各実施形態の包装体についても、同様の原理(収容部の曲線状の周縁に沿って、封止性の高い本発明のシール部を形成できること)が成り立つ。
また、本実施形態の包装体1は、フィルム材Fの折り返し部分41,42(図1参照)における封止性に優れる。フィルム材Fの折り返し部分41,42は、フィルム材F自体の厚み等が原因で、内側に隙間が生じ易い部分である。フィルム材Fの折り返し部分41,42は、特に高い封止性が求められる部分である。本実施形態の包装体1は、上述したような構成の縁取り部31、偏平帯部32及び繋ぎ部33を備えることで、折り返し部分41,42についても高い封止性が得られている。
また、包装体1のシール部3では、図1に示されるように、細長く延びた複数の帯状の部分が集まることで、曲線部分を含む互いに平行な縞模様が形成されている。このような独特の縞模様がシール部3に形成されることによって、包装体1の意匠性も向上することになる。
<実施形態2>
次いで、本発明の実施形態2を、図12及び図13を参照しつつ説明する。本実施形態では、スティック型の包装体11について説明する。
図12は、実施形態2のスティック型の包装体11の平面図であり、図13は、図12のB−B線断面図である。図12には、包装体11の表側が示される。また、図13の上側が包装体11の表側に対応し、図13の下側が包装体11の裏側に対応する。
包装体11は、1枚のフィルム材F1が、内側に空間が形成されかつ縁部同士が互いに重なり合うように筒型の袋状に折り曲げられた状態で、縁部同士が溶着されたものからなる。本実施形態の包装体11は、縦長のスティック型であり、縦長の矩形状のフィルム材F1から形成される。包装体11は、縦長の袋状の収容部12と、収容部12の上部を封止する上側シール部13aと、収容部12の下部を封止する下側シール部13bとを備える。
なお、包装体11の各シール部13a、13bを形成する前に、フィルム材F1は、予め、縦方向の縁部同士が互いに重ね合せられた状態で貼り合わされて、上下方向に開放した円筒状に形成される。フィルム材F1の縦方向の縁部同士が貼り合わされた部分(貼り合せ部)F11は、図13に示されるように、包装体11の裏面側に配され、かつ包装体11の収容部12の左端部分と重なるように折り倒されている。
上記のような円筒状のフィルム材F1における上側の縁部同士と、下側の縁部同士とが、それぞれ重ね合せられた状態で所定のヒートシール手段(不図示)を用いて熱溶着されると、図12に示されるようなスティック型の包装体11が得られる。
収容部12は、全体的には縦長の袋状をなしている。収容部12の上部12aは、表側から見た際、下方から上方に向かって徐々に細口になりつつ、左端に片寄った形で形成されている。収容部12の上部12aは、曲線状の輪郭を備えている。このような細口の上部12aを縁取るように、上側のシール部13aが形成されている。収容部12の上部12aの周縁に沿う形で、シール部13aの上側縁取り部131aが緩やかに傾斜する曲線状に形成されている。そして更に、上側縁取り部131aの他に、上側のシール部13aには、複数本の曲線状の偏平帯部132(山側偏平帯部132A、谷側偏平部132B)及び複数本の繋ぎ部133が形成されている。
これに対し、収容部12の下部12bは、下側に膨らむように円弧状に丸みを帯びた形をなしている。収容部12の円弧状の下部12bを縁取るように、下側のシール部13bが形成されている。収容部12の下部12bの周縁に沿う形で、シール部13bの下側縁取り部131bが円弧状に形成されている。そして更に、下側縁取り部131bの他に、下側のシール部13bには、複数本の曲線状の偏平帯部132(山側偏平帯部132A、谷側偏平部132B)及び複数本の繋ぎ部133が形成されている。
なお、本実施形態の場合、収容部12の上部12aの周縁全体が、本発明の曲線縁に対応している。そして、このような収容部12の上部12aの周縁に沿う形で、上側縁取り部131a及び偏平帯部132(山側偏平帯部132A、谷側偏平部132B)が、前記周縁(曲線縁)に沿って曲線状に平行に配されている。上部12aの周縁は、表側から見た際、左側が右側よりも高くなるように収容部12の幅方向(短手方向)を緩やかに傾斜する形をなしている。そのため、上側縁取り部131a及び偏平帯部132も、上部12aの周縁と同様に、表側から見た際、左側が右側よりも高くなるように収容部12の幅方向(短手方向)を緩やかに傾斜する形をなしている。なお、繋ぎ部133につても、同様に、表側から見た際、左側が右側よりも高くなるように収容部12の幅方向(短手方向)を緩やかに傾斜する形をなしている。
また、収容部12の下部12bの周縁全体も、本発明の曲線縁に対応している。そして、このような収容部12の下部12bの周縁に沿う形で、下側縁取り部131b及び偏平帯部132(山側偏平帯部132A、谷側偏平部132B)が、前記周縁(曲線縁)に沿って曲線状(円弧状)に平行に配されている。下部12bの周縁は、表側から見た際、上方から下方に膨らむような円弧状をなしている。そのため、下側縁取り部131b及び偏平帯部132も、下部12bの周縁と同様に、表側から見た際、上方から下方に膨らむような円弧状をなしている。なお、繋ぎ部133につても、同様に、表側から見た際、上方から下方に膨らむような円弧状をなしている。
本実施形態の包装体11は、収容部12を上下で封止するシール部13a,13bにおいて、収容部12の上下の周縁に沿って配される各縁取り部131a,131b以外に、各縁取り部131a,131bの外側に、複数の偏平帯部132が形成されている。つまり、各シール部13a,13bの幅方向(上下方向)において、幾重にも封止性(シール性)の高い線状のシール部分(偏平帯部132)が形成されている。特に、収容部12の上部12a及び下部12bの各周縁形状は、何れも曲線状であり、そのような個所に対応する形で曲線状の偏平帯部132が、その部分を外側から幾重にも囲むように形成されている。そして更に、隣り合った偏平帯部132の間には、それぞれ偏平な繋ぎ部133が形成されている。このように、包装体11は、封止性(シール性)の高い線状のシール部分(偏平帯部132)が各シール部13a,13bに形成されており、封止性(シール性)に優れ、収容部12内の内容物がシール部13a,13bから外部に漏出することや、外部から収容部12内に湿気等が進入することが抑制される。
また、包装体11のシール部13a,13bでは、図12に示されるように、細長く延びた複数の帯状の部分が集まることで、曲線部分を含む互いに平行な縞模様が形成されている。このような独特の縞模様がシール部13a,13bに形成されることによって、包装体11の意匠性も向上することになる。
<実施形態3>
次いで、本発明の実施形態3を、図14を参照しつつ説明する。本実施形態では、スティック型の包装体11Xについて説明する。
図14は、実施形態3のスティック型の包装体11Xの部分平面図である。図14には、包装体11Xの表側が示される。
包装体11Xは、上記実施形態2と同様、1枚のフィルム材F2が、内側に空間が形成されかつ縁部同士が互いに重なり合うように筒型の袋状に折り曲げられた状態で、縁部同士が溶着されたものからなる。本実施形態の包装体11Xは、実施形態2と同様、縦長のスティック型であるものの、横幅が実施形態2のものよりも大きく設定されている。包装体11Xは、縦長の矩形状のフィルム材F2から形成される。包装体11Xは、縦長の袋状の収容部12Xと、収容部12Xの上部12Xaを封止する上側シール部13Xaを備えている。なお、図示を省略するが、収容部12Xの下部にも下側シール部が形成されている。
なお、包装体11Xのシール部13Xaを形成する前に、フィルム材は、実施形態2と同様、予め、縦方向の縁部同士が互いに重ね合せられた状態で貼り合わされて、上下方向に開放した円筒状に形成される。フィルム材の縦方向の縁部同士が貼り合わされた部分(貼り合せ部)は、包装体11Xの裏面側に配され、かつ包装体11Xの収容部12Xにおける左端側と重なるように折り倒されている。なお、包装体11Xを裏側から見た際、貼り合せ部F22の端部の下側からは、収容部12Xの左端部分が露出した状態となる。
上記のような円筒状のフィルム材における上側の縁部同士と、下側の縁部同士とが、それぞれ重ね合せられた状態で所定のヒートシール手段(不図示)を用いて熱溶着されると、図14に示されるようなスティック型の包装体11Xが得られる。
収容部12Xは、全体的には縦長の袋状をなしている。収容部12Xの上部12Xaは、表側から見た際、左側が高くなりかつ右側が低くなるような丸みを帯びた段差状に形成されている。このように、収容部12Xの上部12Xaは、曲線状の輪郭を備えている。このような上部12Xaを縁取るように、上側のシール部13Xaが形成されている。そして、収容部12Xの上部12Xaの周縁に沿う形で、シール部13Xaの上側縁取り部131Xaが丸みを帯びた段差状(曲線状)に形成されている。そして更に、上側縁取り部131Xaの他に、上側のシール部13Xaには、複数本の曲線状の偏平帯部132X(山側偏平帯部132XA、谷側偏平部132XB)及び複数本の繋ぎ部133Xが形成されている。
本実施形態の場合、収容部12Xの上部12Xaの周縁は、曲線縁を含んでいる。そして、このような収容部12Xの上部12Xaの周縁に沿う形で、上側縁取り部131Xa及び偏平帯部132X(山側偏平帯部132XA、谷側偏平部132XB)が、前記周縁(曲線縁を含む)に沿って曲線状に平行に配されている。
本実施形態の包装体11Xは、収容部12Xの上側の周縁において、上側縁取り部131Xa以外に、上側縁取り部131Xaの外側に、複数の偏平帯部132Xが形成されている。つまり、上側のシール部13Xaの幅方向(包装体11の上下方向)において、幾重にも封止性(シール性)の高い線状のシール部分(偏平帯部132X)が形成されている。特に、収容部12Xの上部12Xaの周縁形状は曲線状であり、そのような個所に対応する形で曲線状の偏平帯部132Xが、その部分を外側から幾重にも囲むように形成されている。そして更に、隣り合った偏平帯部132Xの間には、それぞれ偏平な繋ぎ部133Xが形成されている。このように、包装体11Xは、封止性(シール性)の高い線状のシール部分(偏平帯部132X)が上側のシール部13Xaに形成されており、封止性(シール性)等に優れる。
また、包装体11Xの上側のシール部13Xaでは、図14に示されるように、細長く延びた複数の帯状の部分が集まることで、曲線部分を含む互いに平行な縞模様が形成されている。このような独特の縞模様が上側のシール部13Xaに形成されることによって、包装体11Xの意匠性も向上することになる。
<実施形態4>
次いで、本発明の実施形態4を、図15を参照しつつ説明する。本実施形態では、四方シール型の包装体11Yについて説明する。図15は、実施形態4の四方シール型の包装体11Yの平面図である。本実施形態の包装体11Yは、2枚で1組(つまり、表裏1対)のフィルム材Fが、それらの間に空間が形成されかつ縁部同士が互いに重なり合うように袋状をなした状態で、前記縁部同士が溶着されてシール部13Yが形成されたものからなる。なお、図15には、表側から見た包装体11Yが示されている。
包装体11Yは、図1に示されるように、全体的には、縦長の矩形状をなしている。包装体11Yは、縦長の袋状の収容部12Yと、収容部12Yの周縁に沿って配される矩形型の枠状をなしたシール部13Yとを備えている。なお、収容部12Y内には、図示されない内容物が収容されている。
収容部12Yの四隅(4つの角部)は、丸みを帯びている。そのような収容部12Yの周縁に沿う形で、縁取り部131Yが形成されている。そして更に、縁取り部131Yの外側に、複数の偏平帯部132Y(山側偏平帯部132YA、谷側偏平帯部132YB)及び複数の繋ぎ部133Yが形成されている。
本実施形態の場合、収容部12Yの周縁は、その四隅において、本発明の曲線縁を含んでいる。そして、このような曲線縁を含む収容部の周縁に対して、縁取り部131Y及び偏平帯部132Y(山側偏平帯部132YA、谷側偏平帯部132YB)が曲線状に平行に配されている。
本実施形態の包装体11Yは、収容部12Yの四隅(4つの角部)において、縁取り部131Y以外に、縁取り部131Yの外側に、複数の偏平帯部132Yが形成されている。つまり、収容部12Yの周りには、封止性(シール性)の高い線状のシール部分(偏平帯部132Y)が、収容部12Yを取り囲むように、幾重にも亘って複数形成されている。そして更に、隣り合った偏平帯部132Yの間には、それぞれ偏平な繋ぎ部133Yが形成されている。このように、包装体11Yは、封止性(シール性)の高い線状のシール部分(偏平帯部132Y)が、丸みを帯びた四隅(4つの角部)を含む収容部12を取り囲むように、シール部13Yにおいて複数本平行に形成されており、封止性(シール性)等に優れる。
また、包装体11Yのシール部13Yでは、図15に示されるように、細長く延びた複数の帯状の部分が集まることで、曲線部分を含む互いに平行な縞模様が枠状に形成されている。このような独特の縞模様がシール部13Yに形成されることによって、包装体11Yの意匠性も向上することになる。
なお、本実施形態の包装体11Yを製造する場合、使用するヒートシール手段としては、例えば、加熱押圧部の形状が、上述したL字型のものではなく、例えば、H字型、又はコの字型(略U字型)のものが利用される。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態1では、包装機として、縦型充填包装機を例示したが、他の実施形態においては、横型充填包装機であってもよいし、所謂、多列式の充填包装機であってもよい。
(2)上記実施形態3では、包装体の上部のみに本発明が適用されていたが、他の実施形態においては、包装体の上部のみならず、包装体の下部にも本発明のシール部が適用されてもよい。
(3)上記実施形態の各包装体は、平面視でいずれも矩形状であったが、本発明はこれに限られず、例えば、平面視で円形状、楕円形状、多角形状等の様々な形状であってもよいし、また、不規則な形状であってもよい。また、上記実施形態で例示した矩形状の包装体は、縦長の矩形状であったが、他の実施形態においては、横長の矩形状、又は正方形状であってもよい。