JP2017101609A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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勝治 和田
智子 津山
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智子 津山
祐一郎 村田
Yuichiro Murata
祐一郎 村田
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Abstract

【課題】NOx浄化性能、耐熱性及びコストの点で優れた内燃機関の排気浄化装置を提供すること。
【解決手段】エンジン2の排気管3に設けられ、排気中のNOxを浄化するNOx触媒コンバータ12を備えるエンジン2の排気浄化装置1であって、NOx触媒コンバータ12は、排気管3に設けられた上流側NOx触媒121と、排気管3の上流側NOx触媒121よりも下流側に設けられた下流側NOx触媒122と、を含んで構成され、上流側NOx触媒121は、ゼオライトからなる担体と、この担体に担持されたPdと、担体に担持され且つCe、Pr、Sr、Ba、La、Ga、In、Mn及びFeからなる群より選択される少なくとも1種の添加元素と、からなり、下流側NOx触媒122は、ゼオライトからなる担体と、この担体に担持されたPdと、からなるエンジン2の排気浄化装置1である。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
従来、内燃機関から排出される排気中に含まれる窒素酸化物(以下、「NOx」という。)、炭化水素(以下、「HC」という。)及び一酸化炭素(以下、「CO」という。)を浄化することを目的として、内燃機関の排気系に排気浄化装置が設けられている。近年では、有害物質の排出規制が厳しさを増しており、従来課題であった内燃機関の冷間始動(以下、「コールドスタート」という。)時等の低温条件において、排気を効率良く浄化できる排気浄化装置の開発が求められている。
そこで例えば、鉄、銅、マンガン、クロム、コバルト、ニッケル、スズ等の卑金属と、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属と、ゼオライトと、を含むコールドスタート触媒が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この触媒によれば、コールドスタート時に排気中のNOx及びHCを効率良く吸着、浄化できるとされている。
ところで、排気浄化装置においては、排気を効率良く浄化できるとともに、耐熱性の点でも優れたものであることが要求される。そこで、触媒コンバータの上流側に貴金属量の多い触媒を配置し、下流側に貴金属量の少ない触媒を配置した排気浄化装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この排気浄化装置によれば、コールドスタート時において優れた排気浄化性能が得られるとともに、優れた耐熱性が得られるとされている。
特表2014−519975号公報 特許第4768260号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、低温条件下において優れたNOx吸着性能を有するものの、ストイキ又はリッチの低酸素濃度雰囲気で且つ高温の排気に晒されると、NOx吸着性能が著しく低下するという課題があった。
また、特許文献2に記載の技術のように、単に上流側と下流側とで貴金属量を相違させても、実際には優れた排気浄化性能と耐熱性との両立は困難であった。また、この技術では、上流側の貴金属量を増加させる必要があるため、コストの点でも課題を有していた。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、排気浄化性能、耐熱性及びコストの点で優れた内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
(1)上記目的を達成するため本発明は、内燃機関(例えば、後述のエンジン2)の排気通路(例えば、後述の排気管3)に設けられ、排気中のNOxを浄化するNOx触媒コンバータ(例えば、後述のNOx触媒コンバータ12)を備える内燃機関の排気浄化装置(例えば、後述の排気浄化装置1)であって、前記NOx触媒コンバータは、前記排気通路に設けられた上流側NOx触媒(例えば、後述の上流側NOx触媒121)と、前記排気通路の前記上流側NOx触媒よりも下流側に設けられた下流側NOx触媒(例えば、後述の下流側NOx触媒122)と、を含んで構成され、前記上流側NOx触媒は、ゼオライトからなる担体と、前記担体に担持されたPdと、前記担体に担持され且つCe、Pr、Sr、Ba、La、Ga、In、Mn及びFeからなる群より選択される少なくとも1種の添加元素と、からなり、前記下流側NOx触媒は、ゼオライトからなる担体と、前記担体に担持されたPdと、からなる内燃機関の排気浄化装置を提供する。
(1)の発明では、排気浄化装置が備えるNOx触媒コンバータを、内燃機関の排気通路の上流側に設けられた上流側NOx触媒と、この上流側NOx触媒の下流側に設けられた下流側NOx触媒と、を含んで構成する。また、上流側NOx触媒を、Pdに加えてCe、Pr、Sr、Ba、La、Ga、In、Mn及びFeからなる群より選択される少なくとも1種の添加元素がゼオライトに担持されてなるNOx触媒で構成するとともに、下流側NOx触媒を、Pdがゼオライトに担持されてなるNOx触媒で構成する。
ところで、通常、ゼオライトは、NOとして供給されたNOxをその細孔内に吸着する特性を有する。そのため、主として排気中のNOxを構成するNOをNOに変換するために、排気をリーンにして高酸素濃度且つ高温雰囲気下でPt等の活性種が必要である。ところが、内燃機関の暖機状態等の低温条件下においては、燃焼の安定化や排気浄化触媒の昇温を目的として混合気の空燃比がストイキ又はリッチに制御される。そのため、NOをNOに酸化させるための酸素濃度及び反応温度が不足するうえ、ゼオライトへのNOx吸着を阻害する水分子が排気中に多く含まれるため、NOxを効率良く吸着できない。
これに対して本発明によれば、ゼオライトからなる担体にPdを担持させることで、低温条件下において優れたNOx吸着性能が得られる。即ち、本発明では、Pdは、ゼオライトを構成するAl、Si及びOのうち、酸点であるAlの近傍に配置される。これにより、Pdは、Alとの相互作用によって電子状態が変化し、2価のPd2+として存在する。この2価のPd2+は、NOをそのまま吸着する特性を有する。従って、本発明によれば、水分の吸着の影響を受け難く、また、NOをNOに酸化させる必要がないことから、排気がストイキ又はリッチの低温条件下においても、優れたNOx吸着性能が得られる。
また、NOxを吸着するサイトであるゼオライト上の2価のPd2+は、低酸素濃度雰囲気下で高温に晒されると、0価のPdに還元される。すると、ゼオライトとPdの相互作用が弱まり、Pdが移動して凝集することでPdの分散性が悪化する。その結果、NOxの吸着サイトが減少し、NOx吸着性能が低下する。
これに対して本発明によれば、上流側NOx触媒において、Pdに加えて、Ce、Pr、Sr、Ba、La、Ga、In、Mn及びFeからなる群より選択される少なくとも1種の添加元素をゼオライトに共担持させることで、低酸素濃度雰囲気下における耐熱性を向上できる。即ち、Pdの間に、Ce、Pr、Sr、Ba、La、Ga、In、Mn及びFeからなる群より選択される少なくとも1種の添加元素が介在することで、2価のPd2+が0価のPdに還元されるのを抑制できるとともに、Pdの移動及び凝集を抑制できるため、Pdの分散性の悪化を抑制できる。ひいては、優れたNOx吸着性能を維持でき、低酸素濃度雰囲気における耐熱性を向上できる。
従って、本発明によれば、優れたNOx吸着性能を有するNOx触媒を上流側と下流側の両方に配置することで、優れた排気浄化性能が得られる。また、Pdに加えて添加元素をさらに担持させることで耐熱性に優れるNOx触媒を、より高温環境下に晒される上流側に配置する一方で、Pdのみを担持させたNOx触媒を耐熱性があまり要求されない下流側に配置することで、優れた耐熱性が得られるとともにコストを抑制できる。以上より、本発明によれば、排気浄化性能、耐熱性及びコストの点で優れた内燃機関の排気浄化装置を提供できる。
(2)前記上流側NOx触媒は、前記添加元素としてGaが前記担体に担持されていることが好ましい。
(2)の発明では、(1)の排気浄化装置において、上流側NOx触媒を、添加元素としてGaを担持させたNOx触媒とする。
ここで、Pdに加えて添加元素としてGaをゼオライトに担持させてなるNOx触媒は、Pdのみをゼオライトに担持させてなるNOx触媒と比較して、高温耐久(耐熱)後におけるNOx吸着量が高い一方で、高温耐久(耐熱)前におけるNOx吸着量が低い特性を有する。そのため、本発明によれば、Pdに加えて添加元素としてGaをゼオライトに担持させてなるNOx触媒を上流側と下流側の両方に配置した場合と比較して、コストを削減できるとともに、より優れた耐熱性が得られる。
本発明によれば、排気浄化性能、耐熱性及びコストの点で優れた内燃機関の排気浄化装置を提供できる。
本発明の一実施形態に係る内燃機関の排気浄化装置を示す図である。 Pd/ゼオライト触媒におけるPd担持量とNОx吸着量及びPd粒子径との関係を示す図である。 Pd/ゼオライト触媒コンバータにおける添加元素の有無と耐熱性との関係を示す図である。 実施例1及び比較例1〜2の耐熱後のNOx吸着量を示す図である。 添加元素種を変化させたNOx触媒の耐熱後のNOx吸着量を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るNOx触媒コンバータ12を備える内燃機関2の排気浄化装置1を示す図である。この内燃機関(以下、「エンジン」という。)2は、例えば、図示しない車両に搭載された4気筒のガソリンエンジンである。このエンジン2による混合気の燃焼により生じた排気は、後述の排気管3に排出される。
排気管3には、排気を浄化するための排気浄化装置1が設けられている。排気浄化装置1は、排気管3内に設けられた三元触媒(以下、「TWC」という。)コンバータ11と、その下流側の排気管3内に設けられたNOx触媒コンバータ12と、を備える。TWCコンバータ11は、ハニカム支持体に担持された従来公知のTWCコンバータであり、その活性温度以上のときに、ストイキ雰囲気の排気を、HC及びCOの酸化とNOxの還元によって浄化する。
NOx触媒コンバータ12は、主として、冷間始動時等の低温条件下において、TWCコンバータ11で浄化されなかったNOxを吸着して浄化する。
本実施形態のNOx触媒コンバータ12は、排気通路の上流側に設けられた上流側NOx触媒と、上流側NOx触媒よりも下流側の排気管3に設けられた下流側NOx触媒と、を含んで構成される。
上流側NOx触媒121は、ゼオライトからなる担体と、ゼオライトに担持されたPdと、ゼオライトに担持され且つCe、Pr、Sr、Ba、La、Ga、In、Mn及びFeからなる群より選択される少なくとも1種の添加元素と、からなる。
以下、Pdがゼオライトに担持された触媒をPd/ゼオライト触媒とも言う。
本実施形態のゼオライトは、ストイキ又はリッチ雰囲気下で排気中に多く含まれるHCを、低温条件下でその細孔内に取り込んで吸着し、吸着したHCを、高温条件下で脱離する特性を有する。HCの脱離が開始されるHC脱離温度は、PdからNOxが脱離し始めるNOx脱離温度とほぼ同等である。
ゼオライトとしては、ZSM−5、フェリエライト、モルデナイト、Y型ゼオライト、ベータ型ゼオライト、CHA型ゼオライト、SAPO−34が挙げられる。本実施形態では、これらのうちいずれかを単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。これらのゼオライトに後述のPd及び添加元素を担持させることにより、優れたNOx吸着性能が発現する。
ここで、通常、ゼオライトは、NOとして供給されたNOxをその細孔内に吸着する特性を有する。そのため、主として排気中のNOxを構成するNOをNOに変換するために、排気をリーンにして高酸素濃度且つ高温雰囲気下でPt等の活性種が必要である。ところが、エンジンの暖機状態等の低温条件下においては、燃焼の安定化や排気浄化触媒の昇温を目的として混合気の空燃比がストイキ又はリッチに制御される。そのため、NOをNOに酸化させるための酸素濃度及び反応温度が不足するうえ、ゼオライトへのNOx吸着を阻害する水分子が排気中に多く含まれるため、NOxを効率良く吸着できない。
これに対して本実施形態の上流側NOx触媒121では、Pdが、後述する添加元素の作用により良好な分散状態で、担体のゼオライトに担持されている。Pdは、ゼオライトを構成するAl、Si及びOのうち、酸点であるAlの近傍に配置される。これにより、Pdは、Alとの相互作用によって電子状態が変化し、2価のPd2+として存在する。この2価のPd2+は、従来のゼオライトのNOx吸着とは異なり、NOを酸化してNOとするまでもなくNOをそのまま吸着する特性を有する。これにより、本実施形態の上流側NOx触媒121は、排気中の水分の影響を受け難く、排気がストイキ又はリッチの低温条件下においても優れたNOx吸着性能を発揮する。
上流側NOx触媒121全体に対するPdの含有量は、0.01〜10質量%であることが好ましい。Pdの含有量がこの範囲内であれば、優れたNOx吸着性能が得られる。より好ましい含有量は、0.1〜3質量%である。
添加元素は、上記で列挙した元素のいずれかを単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。これら添加元素は、Pdとともにゼオライトに共担持され、Pd間に介在している。ここで、2価のPd2+は、低酸素濃度雰囲気下で高温に晒されると0価のPdに還元される特性を有するところ、本実施形態ではこれら添加元素がPd間に介在することによって、Pdへの還元が抑制されている。これにより、2価のPd2+とゼオライトとの強い相互作用が維持され、Pdの移動及び凝集が抑制される結果、Pdの良好な分散性が確保されている。即ち、優れた耐熱性が確保されている。
なお、添加元素の含有量は、NOx触媒全体に対して0.01〜50質量%の範囲内であることが好ましい。この範囲内であれば、優れたNOx吸着性能が得られる。
一方、下流側NOx触媒122は、ゼオライトからなる担体と、担体に担持されたPdと、からなる。即ち、上流側NOx触媒と異なり、添加元素がゼオライトに担持されていない。
下流側NOx触媒122で用いられる担体のゼオライトと貴金属のPdの作用効果や含有量については、上流側NOx触媒121と同様である。即ち、下流側NOx触媒122は、上流側NOx触媒121と比較して、添加元素が添加されていない分、耐熱性が劣っている。
ここで、図2は、Pd/ゼオライト触媒におけるPd担持量とNОx吸着量及びPd粒子径の関係を示す図である。この図2では、本実施形態に係るPd/ゼオライト触媒として添加元素を添加しないもの、即ち下流側NOx触媒122(以下、ベース品)での特性を示している。
図2中、横軸はPd担持量[質量%]を表し、右縦軸はPd粒子径[nm]、また、左縦軸はNОx吸着量[g/L]を示している。
図2中のNOx吸着量については、800℃×5時間のエージング(ストイキガスを95秒間、リーンガスを5秒間、交互に切り替えて導入)実施後のPd/ゼオライト触媒に対して、以下の吸着条件で排気を導入してNOxを吸着させた後、以下の脱離条件で排気を導入してNOxを脱離させ、脱離したNOxの総量をNOx吸着量として測定したものである。
[吸着条件]
排気組成:NO=400ppm、O=2%、Nバランスガス
排気流量:20L/分
排気温度:50℃
[脱離条件]
排気組成:N=100%
排気流量:20L/分
排気温度:50℃から600℃まで20℃/分で昇温
また、図2中、右縦軸のPd粒子径については、上記Pd/ゼオライト触媒を、以下の酸化前処理条件で酸化させた後、以下の還元前処理条件で還元させたときのPd粒子径を測定したものである。この測定は、NOx吸着量の測定条件において、所定の前処理を施した触媒にCOを流通させ、触媒に吸着されたCOの量を特定し、COがPdにのみ吸着されたと仮定してCO吸着量からPd粒子の粒子径を理論式に基づいて算出する方法により行う。
[酸化前処理条件]
以下の第1酸化条件、第2酸化条件の順で、上記Pd/ゼオライト触媒に対してガスを導入することで酸化させる。
(第1酸化条件)
ガス組成:O=100%
ガス流量:20L/分
ガス温度:300℃
導入時間:10分
(第2酸化条件)
ガス組成:O=100%
ガス流量:40mL/分
ガス温度:300℃
導入時間:10分
[還元前処理条件]
以下の第1還元条件、第2還元条件の順で、上記Pd/ゼオライト触媒に対してガスを導入することで還元させる。
(第1還元条件)
ガス組成:O=100%
ガス流量:40mL/分
ガス温度:300℃
導入時間:10分
(第2還元条件)
ガス組成:H=100%
ガス流量:40mL/分
ガス温度:400℃
導入時間:15分
[CO吸着条件]
組成:キャリアHe
ガス温度:50℃
図2から明らかであるように、Pd担持量が一定値を超えると、Pdが凝集してPd粒子径が増大することが分かる。また、Pd粒子径が増大し始めると、NOx吸着量が飽和することが分かる。即ち、Pd担持量を増やしてもNОx吸着量が増加しなくなり、Pd担持量とNOx吸着量とが比例しなくなることが分かる。
また、図3は、Pd/ゼオライト触媒における添加元素の有無と耐熱性との関係を示す図である。図3において、縦軸はNОx吸着量[g/L]を示している。また、添加元素を添加しない場合のPd/ゼオライト触媒を「Base品」と表記して左側に示し、添加元素としてGaを添加した場合のPd/ゼオライト触媒を「Ga添加品」と表記して右側に表記している。なお、「Ga添加品」におけるGaの添加量は、0.3質量%である。
「Base品」及び「Ga添加品」それぞれの棒グラフの3本のバーのうち、各左側のバーが耐熱前の初期状態(図中freshと表記)での値、各中央のバーが耐熱途中の状態(図中middleと表記)での値、各右側のバーが耐熱後の状態(図中agedと表記)での値を示している。
なお、耐熱後とは、800℃×5時間のエージング(ストイキガスを95秒間、リーンガスを5秒間、交互に切り替えて導入)実施後を意味する。
図3から明らかであるように、「Ga添加品」では、初期状態及び耐熱途中の状態では、NОx吸着量が「Base品」よりも劣っていることが分かる。これは、Pd/ゼオライト触媒において、添加元素としてGaを添加した触媒にのみ確認される特性である。
また、耐熱後の「Ga添加品」は、耐熱後の「Base品」よりも格段に高いNO吸着量を有することが分かる。
即ち、「Ga添加品」は、初期のNOx吸着性能こそ「Base品」に劣るが、熱劣化に伴うNОx吸着量の減少が少なく、耐熱後のNOx吸着量は「Base品」よりも優れることが分かる。
以上より、本実施形態によれば、優れたNOx吸着性能を有するNOx触媒を上流側と下流側の両方に配置することで、優れた排気浄化性能が得られる。また、Pdに加えて上述の添加元素をさらに担持させることで耐熱性に優れるNOx触媒を、より高温環境下に晒される上流側に配置する一方で、Pdのみを担持させたNOx触媒を耐熱性があまり要求されない下流側に配置することで、優れた耐熱性が得られるとともにコストを抑制できる。従って、本発明によれば、排気浄化性能、耐熱性及びコストの点で優れた内燃機関の排気浄化装置を提供できる。
また本実施形態によれば、特に上流側NOx触媒を添加元素としてGaを担持させたNOx触媒とすることにより、Pdに加えて添加元素としてGaをゼオライトに担持させてなるNOx触媒を上流側と下流側の両方に配置した場合と比較して、コストを削減できるとともに、より優れた耐熱性が得られる。
次に、本実施形態に係る上流側NOx触媒121及び下流側NOx触媒122の製造方法について説明する。
これらNOx触媒はいずれも、触媒粉末調製工程と、触媒粉末焼成工程と、スラリー調製工程と、塗布工程と、支持体焼成工程と、を有する。以下、各工程について説明する。
触媒粉末調製工程では、ゼオライトと、Pdを含むPd化合物と、必要に応じて上述の添加元素を含む添加元素化合物と、を用いて触媒粉末を調製する。具体的には、イオン交換水に分散させたゼオライトに対して、Pd化合物及び添加元素化合物を加えて混合する。混合後、減圧乾燥することにより、乾燥された触媒粉末を得る。
Pd化合物としては、例えば、硝酸Pdが用いられる。また、添加元素化合物としては、例えば、硝酸Ce、硝酸Pr、硝酸Sr、硝酸Ba、硝酸La、硝酸Ga、硝酸In、硝酸Mn、硝酸Feが用いられる。
触媒粉末焼成工程では、触媒粉末調製工程で調製された触媒粉末を、例えば500〜700℃で焼成する。本工程では、例えば、焼成時間を2時間とすることが好ましい。また、本工程は、例えば電気炉を用いて行われる。
スラリー調製工程では、触媒粉末焼成工程で焼成された触媒粉末を用いて、スラリーを調製する。具体的には、焼成された触媒粉末と、セラミックボールと、例えばアルミナゾル等のバインダと、を合わせて一晩ボールミルで湿式粉砕することで、スラリーを調製する。
塗布工程では、スラリー調製工程で調製されたスラリーを、例えばコージェライト製のハニカム支持体に対して、所望の量となるようにウォッシュコートする。具体的には、ハニカム支持体を、スラリー中に浸漬した後、引き上げて乾燥させることにより、NOx触媒を支持体上に塗布する。
支持体焼成工程では、NOx触媒が塗布された支持体を、600〜950℃で焼成する。本工程では、例えば、焼成時間を2時間とすることが好ましい。また、本工程は、例えば電気炉を用いて行われる。
以上説明した各工程を経ることにより、本実施形態に係る上流側NOx触媒121及び下流側NOx触媒122が製造される。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は本発明に含まれる。
上記実施形態では、本発明を車両に搭載されたガソリンエンジンに適用したが、これに限定されない。例えば、車両に搭載されたディーゼルエンジンや車両以外のエンジンに本発明を適用してもよい。
また上記実施形態では、NOx触媒12の上流側にTWC11を設けたが、これに限定されない。例えばTWC11の代わりに、NOx触媒12の上流側又は下流側に、他の排気浄化触媒を設けてもよい。
次に、本発明の実施例について、図4及び図5を参照して説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
<実施例1及び比較例1〜2>
実施例1は、上記実施形態の排気浄化装置において、上流側NOx触媒をPd/ゼオライト触媒(即ち、ベース品)に添加元素としてGaを添加して構成し、下流側NOx触媒部をベース品により構成した。各触媒の調製は、上述の手順に従って実施した。なお、ゼオライトとしては、ZSM−5型ゼオライトを用いた。また、本例におけるGaの添加量は、0.3質量%とした。
一方、比較例1は、上流側NOx触媒及び下流側NOx触媒を、何れもベース品により構成した。また、比較例2は、上流側NOx触媒及び下流側NOx触媒を、何れもベース品に添加元素としてGaを添加して構成した。各触媒の調製は、上述の手順に従って実施した。
調製して得た実施例1及び比較例1〜2の各排気浄化装置について、800℃×5時間のエージング(ストイキガスを95秒間、リーンガスを5秒間、交互に切り替えて導入)を実施した。次いで、上述の吸着条件で排気を導入してNOxを吸着させた後、上述の脱離条件で排気を導入してNOxを脱離させ、脱離したNOxの総量をNOx吸着量として測定した。即ち、耐熱後のNOx吸着量を測定した。結果を図4に示す。
図4は、実施例1及び比較例1〜2の耐熱後のNOx吸着量を示す図である。図4中、縦軸はNOx吸着量[g/L]を示している。また、図4中の棒グラフは、左側から順に、比較例1、比較例2、実施例1の耐熱後のNOx吸着量を示している。
この図4は、各NOx触媒を車両に搭載して使用を繰り返した後の状況を表していると言える。即ち、図4における前段(上流側NOx触媒)は、より厳しい耐熱条件下に置かれるものであり、上述した図3におけるagedに相当するものである。また、図4における後段(下流側NOx触媒)は、前段(上流側NOx触媒)よりは緩和された耐熱条件下に置かれるものであり、上述した図3におけるmiddleに相当するものである。
図4から明らかであるように、実施例1の排気浄化装置は、比較例1〜2の排気浄化装置よりもNOx吸着量が多いことが分かった。これは、実施例1の排気浄化装置では、上流側NOx触媒はGaを添加してあるため耐熱性に優れており、上流側でより高温に晒される環境下においてもNOx吸着性能の低下を抑制できるからである。また、下流側では耐熱性に対する要求レベルが上流側と比べて相対的に低いため、実施例1のように添加元素を添加しない安価なベース品で下流側NOx触媒を構成しても、耐熱後のNOx吸着性能に大きな影響を及ぼすことが無いからである。
従ってこの結果から、実施例1の排気浄化装置によれば、比較例1〜2の排気浄化装置に比べて、コストを抑えつつ、耐熱後においても高いNOx浄化性能を維持できることが確認された。
次に、上流側NOx触媒として、Ga以外の添加元素、具体的には、Fe、Ba、In、Sr、Pr、Mn、Ce又はLaを添加した場合の耐熱性について評価を実施した。具体的には、これらの各添加元素を添加した各NOx触媒単独で、耐熱性の評価を実施した。即ち、下流側に下流側NOx触媒を配置せず、これらの各NOx触媒のみに対して、上述した条件と同じ条件で耐熱後のNOx吸着量の測定を実施した。結果を図5に示す。
図5は、添加元素種を変化させた各NOx触媒の耐熱後のNOx吸着量を示す図である。図5において、縦軸はNOx吸着量[g/L]を表している。横軸は、添加元素の種別を表している。
ここで、図5におけるnoneは、添加元素を添加していないものであり、上述した図3中のBase品のagedに相当するものである。同様に、図5におけるGaは、上述した図3中のGa添加品のagedに相当するものである。
図5から明らかであるように、Fe、Ba、In、Sr、Pr、Mn、Ce又はLaを添加元素として添加した各NOx触媒いずれも、添加元素が添加されていないNOx触媒と比べて、耐熱後のNOx吸着量が大きいことが分かった。また、各NOx触媒いずれも、Gaが添加されたNOx触媒と比べて、耐熱後のNOx吸着量が大きいことが分かった。
この結果から、上述の実施例1で用いたGaが添加された上流側NOx触媒の代わりに、これらFe、Ba、In、Sr、Pr、Mn、Ce又はLaを添加元素として添加した各NOx触媒を用いた場合には、実施例1よりもさらに優れた耐熱後のNOx浄化性能が得られることが確認された。
1…排気浄化装置
2…エンジン
3…排気管(排気通路)
11…TWC
12…NOx触媒コンバータ
121…上流側NOx触媒
122…下流側NOx触媒

Claims (2)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられ、排気中のNOxを浄化するNOx触媒コンバータを備える内燃機関の排気浄化装置であって、
    前記NOx触媒コンバータは、前記排気通路に設けられた上流側NOx触媒と、前記排気通路の前記上流側NOx触媒よりも下流側に設けられた下流側NOx触媒と、を含んで構成され、
    前記上流側NOx触媒は、
    ゼオライトからなる担体と、前記担体に担持されたPdと、前記担体に担持され且つCe、Pr、Sr、Ba、La、Ga、In、Mn及びFeからなる群より選択される少なくとも1種の添加元素と、からなり、
    前記下流側NOx触媒は、
    ゼオライトからなる担体と、前記担体に担持されたPdと、からなる内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記上流側NOx触媒は、前記添加元素としてGaが前記担体に担持されている請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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