JP2015175274A - 内燃機関の排ガス浄化装置 - Google Patents

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【課題】排ガスからの水分除去及び排ガスのリーン側への制御を必要とすることなく、低温条件において、排ガス中のNOxを良好に吸着することができる内燃機関の排ガス浄化装置を提供する。【解決手段】本発明は、排ガス中のNOxを浄化する内燃機関の排ガス浄化装置1であり、排気管5に配置されたNOx触媒7を備える。NOx触媒7は、ゼオライトと、ゼオライトに担持されたパラジウムを有する。パラジウムは、NOxを一酸化窒素(NO)の状態で吸着する。また、ゼオライトのAl2O3/SiO2は0.003よりも大きく、それにより、所要のNO吸着量が確保される。【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の排気系に配置され、排ガス中のNOxを浄化する内燃機関の排ガス浄化装置に関する。
排ガス中のNOxを浄化する従来の内燃機関の排ガス浄化触媒として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この排ガス浄化触媒は、低温用のNOx触媒を備えている。このNOx触媒は、ゼオライトで構成されたゼオライト触媒であり、ゼオライトとして、βゼオライトや、A型ゼオライト、Y型ゼオライト、X型ゼオライト、ZSM−5、USY、モルデナイト、フェリエライトなどが用いられる。
このNOx触媒では、その温度が100℃以下の低温条件においても、排ガスの水分濃度を乾燥側に適切に制御するとともに、排ガスの酸素濃度をリーン側に適切に制御することによって、NOxを吸着することが可能であり、それにより、特に低温条件におけるNOxの吸着性能を向上させるようにしている。
特許第3632614号公報
上述したように、従来のNOx触媒では、低温時にNOxを良好に吸着するために、排ガスの水分濃度を乾燥側に制御するとともに、酸素濃度をリーン側に制御することが必要である。これは、NOx触媒を構成するゼオライトの吸着能力が、その骨格中に分子を取り込むことによって発揮されるため、ゼオライトに吸着した水分によってNOxの吸着が阻害され、また、排ガス中のNOを酸化させ、NO2に変換しないと、NOxを吸着できないからである。
このため、従来のNOx触媒を用いた場合には、排ガスから水分を除去するために、例えば、排気系のNOx触媒よりも上流側に乾燥剤を含む装置を設けることが必要になる。また、内燃機関の暖機状態などの低温条件においては、燃焼の安定化や触媒の昇温を図るために、混合気の空燃比がストイキ又はリッチ側に制御される場合がある。その場合には、排ガスの酸素濃度をリーン側に制御できないため、従来のNOx触媒によっては、NOxを良好に吸着することができない。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、排ガスからの水分除去及び排ガスのリーン側への制御を必要とすることなく、低温条件において、排ガス中のNOxを良好に吸着することができる内燃機関の排ガス浄化装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、内燃機関の排気系に配置され、排ガス中のNOxを浄化する内燃機関の排ガス浄化装置であって、ゼオライトと、ゼオライトに担持され、NOxを吸着するパラジウムと、を有するNOx触媒を備え、ゼオライトのAl2O3/SiO2が0.003よりも大きいことを特徴とする。
この構成によれば、NOx触媒は、ゼオライトと、ゼオライトに担持されたパラジウムを有する。また、パラジウムは、ゼオライトの酸点の近傍に配置されており、酸点との相互作用によって、電子状態が変化している。このため、電子状態が変化したパラジウムにNOがそのまま吸着されるため、水分の吸着の影響を受けにくいとともに、NOをNO2に酸化させる必要がなくなる。
したがって、排ガスからの水分除去及び排ガスのリーン側への制御を必要とすることなく、低温条件において、排ガス中のNOxを良好に吸着することができる。その結果、従来の排ガス浄化装置と異なり、排ガスから水分を除去するための装置を設ける必要がないとともに、内燃機関の暖機状態などにおいて、混合気の空燃比がストイキ又はリッチ側に制御される場合においても、NOxの吸着を良好に行うことができる。
また、ゼオライトの酸点であるAlが少ないと、その上に配置されるパラジウムの量を十分に確保できないため、パラジウムによるNOxの吸着能力は十分に発揮されない。また、後述するように、ゼオライトのAl2O3/SiO2が0.003よりも大きいときに、NOx触媒に要求されるNOxの吸着性能が得られることが確認されている。
本発明によれば、ゼオライトのAl2O3/SiO2が0.003よりも大きいので、パラジウムによるNOxの吸着能力を十分に発揮させ、所要のNOx吸着性能を実現することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関の排ガス浄化装置において、ゼオライトは、ZSM−5、フェリエライト、モルデナイト、Y型ゼオライト又はベータ型ゼオライトであることを特徴とする。
後述するように、ゼオライトが上記の種類であるときに、NOx触媒に要求されるNOxの吸着性能が得られることが確認されている。したがって、この構成によれば、所要のNOxの吸着性能を実現することができる。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の内燃機関の排ガス浄化装置において、NOx触媒の単位容積当たりのパラジウムの重量が、0.1g/Lよりも大きいことを特徴とする。
ゼオライトに担持される実際のパラジウムの量が少ないと、パラジウムによるNOxの吸着能力を十分に発揮することができない。また、後述するように、NOx触媒の単位容積当たりのパラジウムの重量が0.1g/Lよりも大きいときに、NOx触媒に要求されるNOxの吸着性能が得られることが確認されている。したがって、この構成によれば、所要のNOxの吸着性能を実現することができる。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の内燃機関の排ガス浄化装置において、NOx触媒の単位容積当たりのパラジウムの重量は、2.0g/L未満であることを特徴とする。
後述するように、単位パラジウム重量が2.0g/L以上になると、パラジウムを増加させても、NOxの吸着性能があまり変わらないことが確認されている。したがって、この構成によれば、比較的高価なパラジウムを効率的に使用しながら、所要のNOxの吸着性能を実現することができる。
本発明の実施形態による排ガス浄化装置を、内燃機関とともに概略的に示す図である。 NOx触媒におけるパラジウムへのNOxの推定される吸着状態を模式的に示す図である。 目標NO吸着量の設定の根拠を説明するための図である。 NOx触媒の実施例1〜14を表として示す図である。 NOx触媒の比較例1〜4を表として示す図である。 NOx触媒の比較例5〜7を表として示す図である。 実施例に対して行ったNOx吸着形態の評価結果を示す図である。 NOx触媒のゼオライトの種類とNO吸着量との関係を示す図である。 ゼオライトのケイバン比逆数とNO吸着量との関係を示す図である。 NOx触媒のパラジウム担持量とNO吸着量との関係を示す図である。 NOx触媒の単位パラジウム重量とNO吸着量との関係を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について説明する。図1は、本発明を適用した排ガス浄化装置1を、内燃機関3とともに示している。この内燃機関(以下「エンジン」という)3は、例えば車両(図示せず)に搭載された4気筒のガソリンエンジンである。
各気筒3aには、吸気マニホルド4aを介して吸気管4が接続されるとともに、排気マニホルド5aを介して排気管5が接続されている。吸気管4から吸入された空気と燃料噴射弁(図示せず)から噴射された燃料との混合気が、各気筒3aの燃焼室(図示せず)で燃焼し、その燃焼によって発生したガスが、排ガスとして排気管5に排出される。
排気管5には、排ガスを浄化するための排ガス浄化装置1が設けられており、排ガス浄化装置1は、三元触媒6と、その下流側に配置されたNOx触媒7を備えている。三元触媒6は、周知の構成のものであり、活性温度以上のときに、ストイキ雰囲気の排ガスを、HC及びCOの酸化とNOxの還元によって浄化する。
一方、本発明に係るNOx触媒7は、主として、低温時に三元触媒6で浄化されなかったNOxを浄化するためのものであり、ゼオライトと、ゼオライトに担持されたパラジウム(Pd)を有する。
ゼオライトは、ZSM−5、フェリエライト、モルデナイト、Y型ゼオライト又はベータ型ゼオライトで構成されている。また、ゼオライトのケイバン比SiO2/Al2O3の逆数(以下「ケイバン比逆数」という)Al2O3/SiO2は、0.003よりも大きな値に設定されている。
図2に示すように、パラジウムは、ゼオライトを構成するアルミニウム(Al)、ケイ素(Si)及び酸素(O)のうち、酸点であるAlの近傍に配置されており、Alとの相互作用によって、電子状態が変化している。このため、パラジウムにNOやOHが吸着されるものと推定される。
また、NOx触媒7の単位容積当たりのパラジウムの重量(以下「単位Pd重量」という)PdUは、0.1g/Lよりも大きな値に設定されており、より好ましくは、0.1g/Lより大きく、かつ2.0g/L未満に設定されている。
なお、上述したNOx触媒7の構成及び諸元は、NOx触媒7の目標NO吸着量を5μmol/g以上に設定するとともに、この目標NO吸着量を達成するように定めたものである。この目標NO吸着量の設定の根拠は、以下のとおりである。
図3は、NOx触媒のNO吸着量と車両のテールパイプから最終的に排出されるNOx排出量との関係を示す。この図に示すように、NO吸着量が増加するにつれて、NOx排出量はほぼリニアに減少する。また、例えば米国カリフォルニア州の法規では、NOx排出量がSULEV30(=0.02g/mile)以下に規制されている。以上の関係から、この規制レベルSULEV30以下を確実にクリアするために、目標NO吸着量を5μmol/g以上に設定したものである。
以下、NOx触媒7の実施例について、図4を参照しながら、詳細に説明する。なお、これらの実施例は例示であり、本発明は、実施例に限定されるものではない。また、特に断りがない限り、「%」は重量%を表す。
<実施例1〜8>
[Pd/ゼオライト触媒]
図4に示すように、実施例1〜4は、ゼオライト(支持体)として、いずれもZSM−5(ゼオリスト製)を用いるとともに、ケイバン比SiO2/Al2O3が互いに異なる例である。また、実施例5〜8は、ゼオライトとして、フェリエライト、モルデナイト、Y型ゼオライト及びベータ型ゼオライト(ゼオリスト製)をそれぞれ用いた例である。それらの作製方法は、次のとおりである。
(1)図4の表に示すゼオライト及び硝酸パラジウム(株式会社小島化学薬品製:Pd濃度5%)の同表に示す各量と、ゼオライトの2.5倍の重量のイオン交換水とを、フラスコに入れ、ロータリーエバポレータで余分な水分を取り除いた。次いで、乾燥炉において200℃で2時間、マッフル炉において600℃で2時間、焼成を行うことによって、触媒粉末を得た。
(2)得られた触媒粉末及びアルミナゾル(日産化学工業株式会社製:Al2O3濃度20%)の表1に示す各量と、触媒粉末の2倍の重量のイオン交換水とアルミナボールを、ポリエチレン製の容器(250ml)に入れ、14時間、湿式粉砕することによって、スラリーを得た。
(3)得られたスラリーに、ハニカム支持体(「コージェライト」製:ハニカムφ25.4mm×L60mm(30cc)、400セル/in2、3.5ミル)を浸漬した。この場合のウォッシュコート量は、200g/Lである。次に、ハニカム支持体をスラリーから取り出し、スラリーの過剰分をエア噴射で除去した後、200℃で2時間、加熱した。この操作を、所定の担持量が得られるまで繰り返した。所定の担持量が得られた後、ハニカム支持体をマッフル炉において600℃で2時間、焼成することによって、Pd/ゼオライト触媒を得た。
<実施例9〜14>
[Pdイオン交換ゼオライト触媒]
図4に示すように、実施例9〜14は、ゼオライト(支持体)として、いずれもZSM−5(ゼオリスト製)を用いるとともに、パラジウムの量が互いに異なる例である。その作製方法は、次のとおりである。
(4)図4の表に示す支持体(ゼオライト)及び硝酸パラジウム(「株式会社小島化学薬品」製:Pd濃度5%)の同表に示す各量と、ゼオライトの10倍の重量のイオン交換水とを、ビーカーに入れて攪拌し、さらに28%アンモニア水を用いてpH=8に調製した後、4時間、攪拌することによって、懸濁液を得た。得られた懸濁液を吸引濾過するとともに、イオン交換水で洗浄した。そのような吸引濾過と洗浄を2〜3回、繰り返した後、乾燥炉において200℃で2時間、マッフル炉において600℃で2時間、焼成を行うことによって、触媒粉末を得た。
(5)その後、実施例1〜8の(2)(3)と同じ操作を行うことによって、Pdイオン交換ゼオライト触媒を得た。
次に、実施例と比較するための比較例について、図5及び図6を参照しながら詳細に説明する。
<比較例1>
[Pd/ゼオライト触媒]
図5に示すように、比較例1は、支持体としてゼオライト(ZSM−5)を用いる一方、ケイバン比逆数Al2O3/SiO2=0.003の例である。その作製方法は、実施例1〜8の場合と同じである。
<比較例2〜4>
[Pd/酸化物触媒]
また、比較例2〜4は、支持体として、ゼオライトに代えて、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)及び酸化セリウム(CeO2)をそれぞれ用いた例である。その作製方法は、実施例1〜8の場合と同じである。
<比較例5〜6>
[貴金属/ゼオライト触媒]
図6に示すように、比較例5〜6は、支持体としてゼオライト(ZSM−5)を用いる一方、パラジウムに代えて、白金(Pt)及びロジウム(Rh)をそれぞれ用いた例である。その作製方法は、実施例1〜8の場合と同じである。
<比較例7>
[ゼオライト触媒]
また、比較例7は、パラジウムをまったく用いずに、ゼオライト触媒として構成した例である。その作製方法は次のとおりである。
(6)ゼオライト(ZSM−5(50))を、マッフル炉において600℃で2時間、焼成を行うことによって、触媒粉末を得た。
(7)その後、実施例1〜8の(2)及び(3)と同じ操作を行うことによって、ゼオライト触媒を得た。
<Pd含有量評価>
実施例1〜14で調製した触媒粉末に対して、下記に示す手法でPd含有量を評価した。
触媒粉末約50mgと10%HF水溶液25mlを耐圧容器に投入し、マイクロ波分解装置(Analytikjena 製)を用いて、230℃で30分、加熱を行い、触媒粉末を完全に溶解させた。次いで、室温で冷却し、希釈した後、ICP-OES(Agilent Technologies 社製)を用いて、NOx触媒7中のパラジウムの含有量であるPd担持量PdR(%)を評価した。
また、このPd担持量PdRとNOx触媒の重量及び容積から、NOx触媒7の単位容積当たりのパラジウムの含有量である単位Pd重量PdU(g/L)を算出した。以上の結果は、表1の右側の欄に示されている。
<NOx吸着形態評価>
実施例3で調整した触媒粉末に対して、下記の条件で、酸化処理、水分吸着処理及びNO吸着処理を実施した後、次の分析条件で拡散反射FT−IR分光分析を行い、NOx触媒へのNOxの吸着形態を評価した。
[分析条件]
・測定装置:FTS-60A(Bio-Rad Digilab 社製)
・付属装置:拡散反射測定装置(PIKE Technologies 社製)
・光源:グローバー(SiC)
・検出器:DTGS
・測定波数範囲:4000〜1100cm-1
・波数分解能:4cm-1
・積算回数:256回
・リファレンス:Au
・蒸着膜昇温条件:20℃/分
[酸化処理条件]
・温度:500℃
・時間:30分
・ガス組成:O2=10%、N2=バランスガス
・ガス流量:100cc/分
[水分吸着処理条件]
・温度:50℃
・時間:30分
・ガス組成:O2=10%、H2O=2%、N2=バランスガス
・ガス流量:100cc/分
[NO吸着処理条件]
・温度:50℃
・時間:60分
・ガス組成:O2=10%、NO=200ppm、N2=バランスガス
・ガス流量:100cc/分
図7は、このNOx吸着形態の評価によって得られた、NO吸着処理前後のFT−IR差スペクトルを示す。同図に示すように、波数1900〜1800(1/cm)の付近は、Pd−NO構造に対応しており、この付近にピークが現れている。また、上記のように、NOx触媒には水分吸着処理があらかじめ施されており、NO吸着処理の温度条件は50℃である。以上から、水分が吸着された低温の50℃の条件において、NOxがパラジウム上に一酸化窒素(NO)の状態で吸着していることが確認された。
<NO吸着量評価>
上述したようにして得られた実施例1〜14及び比較例1〜7のNOx触媒に対して、下記の条件で、酸化処理、水分吸着処理及びNO吸着処理を実施した。
[酸化処理条件]
・温度:500℃
・時間:30分
・ガス組成:O2=10%、N2=バランスガス
・ガス流量:20L/分
[水分吸着処理条件]
・温度:50℃
・時間:5分
・ガス組成:O2=2%、H2O=2%、N2=バランスガス
・ガス流量:20L/分
[NO吸着処理条件]
・温度:50℃
・時間:3分
・ガス組成:O2=2%、NO=400ppm、N2=バランスガス
・ガス流量:20L/分
NO吸着処理を実施した後、下記に示す条件でNOx処理を昇温させたときのNO放出量の合計を、NO吸着量として評価した。
[昇温条件]
・温度範囲:50〜500℃
・昇温速度:20℃/分
・ガス組成:N2
・ガス流量:20L/分
以上のNO吸着量の評価結果は、図4〜図6の各表の最右欄に示されている。以下、この結果に基づいて、NOx触媒のNO吸着特性について説明する。まず、この結果を概観すると、比較例1〜7では、NO吸着量が0.6〜4.7μmol/gに留まっており、上記の条件(水分吸着処理、温度=50℃、O2=2%)において、目標NO吸着量(5μmol/g以上)は達成されていない。
これに対し、実施例1〜14ではいずれも、5μmol/gを上回るNO吸着量が得られており、上記の水分吸着、温度及び酸素濃度の条件において、目標NO吸着量が達成されている。
以下、NOx触媒の様々なファクタとNO吸着量との関係について、詳細について説明する。図8は、ゼオライトの種類とNO吸着量との関係を示す。サンプルは、実施例5(フェリエライト(FER))、実施例6(モルデナイト(MOR))、実施例2(ZSM−5)、実施例7(Y型ゼオライト)、及び実施例8(ベータ型ゼオライト(BET))である。
同図に示すように、NO吸着量は、上記の順に大きい。また、いずれの実施例においても、NO吸着量は5μmol/gを上回っており、ゼオライトとして上記の種類のものを用いることによって、目標NO吸着量を達成できることが確認された。
図9は、ゼオライトのケイバン比逆数(=AL2O3/SiO2)とNO吸着量との関係を示す。サンプルは、比較例1(ケイバン比逆数=0.003)と実施例1〜4(それぞれ0.013、0.020、0.033、0.043)である。
同図に示すように、ケイバン比逆数が0.003である比較例1では、NO吸着量は、目標NO吸着量を若干、下回っている。これに対し、ケイバン比逆数が0.003よりも大きな実施例1〜4ではいずれも、NO吸着量が5μmol/gを大きく上回っている。以上から、ケイバン比逆数が0.003よりも大きいときに、目標NO吸着量を達成できることが確認された。
図10は、Pd担持量PdRとNO吸着量との関係を示す。サンプルは、比較例7(PdR=0%)と実施例9〜14(それぞれPdR=0.06、0.11、0.23、0.47、0.89、2.4%)である。
同図に示すように、パラジウムが担持されていない比較例7では、NO吸着量は、0.6μmol/gであり、NOの吸着がほとんど認められず、目標NO吸着量を大きく下回っている。これに対し、Pd担持量PdRが0.06〜2.4%である実施例9〜14ではいずれも、NO吸着量が5μmol/gを上回っており、目標NO吸着量が達成されている。また、Pd担持量PdRが0.5%以上になると、Pd担持量PdRを増加させても、NO吸着量があまり増加しなくなるという傾向が認められた。
図11は、単位Pd重量PdUとNO吸着量との関係を示す。サンプルは、図10と同様、比較例7(PdR=0%)と実施例9〜14(それぞれPdU=0.12、0.22、0.46、0.94、1.78、4.8g/L)である。
前述したように、パラジウムが担持されていない比較例7では、NO吸着量は、目標NO吸着量を大きく下回っている。これに対し、単位Pd重量PdUが0.12〜4.8g/Lである実施例9〜14ではいずれも、NO吸着量が5μmol/gを上回っている。以上から、単位Pd重量PdUが0.1g/Lよりも大きいときに、目標NO吸着量を達成できることが確認された。また、単位Pd重量PdUが2.0g/L以上になると、単位Pd重量PdUを増加させても、NO吸着量があまり増加しなくなるという傾向が認められた。
以上のように、本実施形態によるNOx触媒7は、ゼオライトと、ゼオライトに担持されたパラジウムを有し、パラジウムは、ゼオライトの酸点の近傍に配置されている。このため、酸点との相互作用によって電子状態が変化したパラジウムに、NOが吸着されるため、水分の吸着の影響を受けにくいとともに、NOをNO2に酸化させる必要がなくなる。
したがって、排ガスからの水分除去及び排ガスのリーン側への制御を必要とすることなく、低温条件において、排ガス中のNOxを良好に吸着することができる。その結果、従来の排ガス浄化装置と異なり、排ガスから水分を除去するための装置を設ける必要がないとともに、エンジン3の暖機状態などにおいて、混合気の空燃比がストイキ又はリッチ側に制御される場合においても、NOxの吸着を良好に行うことができる。
また、NOx触媒7のゼオライトのケイバン比逆数Al2O3/SiO2が0.003よりも大きいことによって、NO吸着量が5μmol/gを上回り、目標NO吸着量を達成することができる。
さらに、NOx触媒7のゼオライトが、ZSM−5、フェリエライト、モルデナイト、Y型ゼオライト又はベータ型ゼオライトであり、また、単位Pd重量PdUが0.1g/Lよりも大きいことによって、目標NO吸着量をより確実に達成できる。
また、単位Pd重量PdUを、0.1g/Lよりも大きく、かつ2.0g/L未満とすることによって、比較的高価なパラジウムを効率的に使用しながら、目標NO吸着量を達成できることができる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態で示した実施例1〜14は、あくまで例示であり、その構成及び諸元を本発明の趣旨の範囲内で変更することができる。
例えば、実施例は、世界でも厳しいとされる米国カリフォルニア州の規制レベルSULEV30をクリアするために、目標NO吸着量が5μmol/g以上であるという条件で、構成したものである。したがって、この規定が改正された場合や他の規定を対象とする場合には、それを満たすように実施例を変更することが可能である。
また、各実施例に示したNOx触媒7の具体的な組成や作製方法などもまた、あくまで例示であり、用途に応じて変更することができる。さらに、実施形態では、NOx触媒7の上流側に三元触媒6が配置されているが、これを省略してもよい。
さらに、実施形態は、本発明を車両に搭載されたガソリンエンジンに適用した例であるが、本発明は、これに限らず、車両用のディーゼルエンジンや、車両用以外のエンジン、例えば、クランクシャフトを鉛直に配置した船外機などのような船舶推進機用エンジンにも適用可能である。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
1 排ガス浄化装置
3 エンジン(内燃機関)
5 排気管(排気系)
7 NOx触媒
Al2O3/SiO2 ゼオライトのケイバン比逆数
PdU 単位Pd重量(NOx触媒の単位容積当たりのパラジウム重量)

Claims (4)

  1. 内燃機関の排気系に配置され、排ガス中のNOxを浄化する内燃機関の排ガス浄化装置であって、
    ゼオライトと、当該ゼオライトに担持され、NOxを吸着するパラジウムと、を有するNOx触媒を備え、
    前記ゼオライトのAl2O3/SiO2が0.003よりも大きいことを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
  2. 前記ゼオライトは、ZSM−5、フェリエライト、モルデナイト、Y型ゼオライト又はベータ型ゼオライトであることを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
  3. 前記NOx触媒の単位容積当たりの前記パラジウムの重量が、0.1g/Lよりも大きいことを特徴とする、請求項2に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
  4. 前記NOx触媒の単位容積当たりの前記パラジウムの重量は、2.0g/L未満であることを特徴とする、請求項3に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
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