JP2017101179A - ポリアミドおよびその製造方法 - Google Patents
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(1)2,5−ビス(アミノメチル)フランまたは2,5−ビス(アミノメチル)テトラヒドロフランを主成分とするジアミン成分と、ジカルボン酸成分とからなるポリアミドであって、数平均分子量が5000以上であることを特徴とするポリアミド。
(2)(1)に記載のポリアミドからなる成形体。
(3)対応する塩を、塩の融点以上、(得られるポリアミドの融点−20℃)以下の温度で重合することを特徴とする(1)または(2)に記載のポリアミドの製造方法。
(4)塩の融点以上の沸点を有する溶媒を用いることを特徴とする(3)に記載のポリアミドの製造方法。
自動車部品としては、例えば、シフトレバー、ギアボックス等の台座に用いるベースプレート、エンジンカバーが挙げられる。
電気・電子部品としては、例えば、コネクタ、LEDリフレクタ、スイッチ、センサー、ソケット、コンデンサー、ジャック、ヒューズホルダー、リレー、コイルボビン、抵抗器、ICやLEDのハウジングが挙げられる。
フィルム、シートは、例えば、スピーカー振動板、フィルムコンデンサ、絶縁フィルム、各種包装フィルムとして用いることができる。
繊維は、例えば、エアーバッグ基布、フィルターとして用いることができる。
(1)2,5−ビス(アミノメチル)フラン
エタノール中に、HMF(225.0質量部)と、水素化ホウ素ナトリウム(90.0質量部)を連続して添加し、20℃で16時間撹拌した。反応終了後、10%塩酸水溶液をゆっくりと添加してpHを7とした。その後、40℃で、減圧蒸留により溶剤を蒸発させ、エタノールから白色固体を再結晶化させ、フラン−2,5−ジメタノールを得た。
得られたフラン−2,5−ジメタノール(215.0質量部)を、ピリジン(346.5質量部)に溶解し、それを、(−20〜0℃)の塩化チオニル(579.7質量部)を含有する酢酸エチルに1時間かけて滴下した。その後、室温に昇温し、石油エーテルを添加し、さらに氷冷水を加えた。有機相を、10%炭酸カリウム水溶液を用いて洗浄し、乾燥させ、その後、減圧蒸留により溶剤を蒸発させ、2,5−ビス(クロロメチル)フランを得た。
得られた2,5−ビス(クロロメチル)フラン(162.0質量部)と、アジ化ナトリウム(192.0質量部)を、ジメチルスルホキシドに添加し、50℃で16時間撹拌した。反応終了後、氷冷水と石油エーテルを用いて有機相を抽出し、乾燥させ、減圧濃縮し、2,5−ビス(アジドメチル)フランを得た。
得られた2,5−ビス(アジドメチル)フラン(157.5質量部)と、Raneyニッケル(68.0質量部)を、メタノールに添加し、1気圧の水素下、室温で40時間撹拌した。反応終了後、反応物を濾過し、濾液を濃縮し、2,5−ビス(アミノメチル)フランを得た。
メタノール中に、HMFと、Raneyニッケル(HMFに対して1.5当量)を添加し、5.76気圧の水素圧力下、60℃で20時間攪拌した。反応終了後、濾過と蒸留を繰り返すことにより精製し、テトラヒドロフラン−2,5−ジメタノールを得た。
得られたテトラヒドロフラン−2,5−ジメタノール(118.8質量部)と、トリエチルアミン(454.5質量部)を、0℃のジクロロメタンに添加し、さらに、メタンスルホニルクロリド(307.8質量部)を滴下し、0℃で1時間攪拌した。その後、氷冷水を添加し、有機相を分離した。有機相を、希釈(1M)塩酸溶液で洗浄した後、さらに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、(テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ビス(メチレン)ジメタンスルホネートを得た。
得られた(テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ビス(メチレン)ジメタンスルホネート(236.7質量部)と、アジ化ナトリウム(270.0質量部)を、ジメチルスルホキシドに添加し、95℃で一晩撹拌した。反応終了後、氷冷水に添加し、酢酸エチルで3回抽出した。有機相を、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて洗浄した。その後、濃縮して2,5−ビス(アジドメチル)テトラヒドロフランを得た。
得られた2,5−ビス(アジドメチル)テトラヒドロフラン(166.5質量部)と、炭素担持パラジウム(10%、10.8質量部)を、メタノールに添加し、1気圧の水素圧力下、室温で一晩撹拌した。反応終了後、反応物を濾過し、濾液を真空下で濃縮し、2,5−ビス(アミノメチル)テトラヒドロフランを得た。
得られた2,5−ビス(アミノメチル)テトラヒドロフランを、13C−NMR分析により、重水素化メタノールを用いて分析したところ、シス/トランス異性体比は90/10であった。
(1)樹脂組成
高分解能核磁気共鳴装置(日本電子社製ECA500 NMR)を用いて、1H−NMR分析することにより、それぞれの共重合成分のピーク強度から樹脂組成を求めた(分解能:500MHz、溶媒:トリフルオロ酢酸−d/重水=9/1(体積比)、温度:25℃)。
ポリアミド7〜8mgをヘキサフルオロイソプロパノール5mLに溶解後、0.45μmフィルターで濾過したサンプルを、東ソー社製ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)を用いて、以下の条件で測定した。
検出器:東ソー社製 示差屈折率検出器RI−8020
カラム:東ソー社製 TSKgel GMHHR−H
溶離液:トリフルオロ酢酸ナトリウムを10mM含有するヘキサフルオロイソプロパノール
流速:0.4mL/分
測定温度:40℃
標準試料:Agilent Technologies社製 ポリメチルメタクリレート Easi Vial PM(登録商標)
パーキンエルマー社製示差走査型熱量計DSC−7を用いて、常温から300℃まで20℃/分で昇温した後、5分間保持後、500℃/分で25℃まで降温し、5分間保持後、300℃まで20℃/分で昇温した。2回目の昇温時に得られた曲線の融解に由来するピークの頂点を融点とした。
ポリアミドを十分に乾燥した後、射出成形機(東芝機械社製EC−100型)を用いて成形し、長さ125mm×幅12mm×厚み0.8mmの試験片を作製した。なお、シリンダ温度は(得られるポリアミドの融点+20℃)、金型温度は100℃とした。
得られた試験片を、25℃の水中に24時間静置し、静置前の試験片の質量の値を基準として、下記式により吸水率を算出した。
吸水率(%)=(静置後の試験片の質量)/(静置前の試験片の質量)×100
ポリアミドを十分に乾燥した後、熱プレス機(林機械製作所社製)を用いてプレスした後、冷却し、長さ150mm×幅10mmとなるように切り抜き、試験片を得た。なお、熱プレス機のプレス板温度は、(得られるポリアミドの融点+20℃)に設定した。
得られた試験片を用いて、JIS K−7127に準拠して、model−2020(INTESCO社製)を用いて測定した。使用セルは1000N、試験速度は50mm/分、チャック間隔は100mmとした。
アジピン酸28.41質量部をエタノール400質量部に溶解した溶液中に、2,5−ビス(アミノメチル)フラン24.53質量部を滴下し、3時間撹拌した。得られた析出物をろ別した後、減圧乾燥器にて乾燥し、ポリアミド塩を得た。
得られたポリアミド塩27質量部とデカリン50質量部を、撹拌羽根、ヒーター、窒素流入口、排出口が備わった重合装置に投入し、窒素流通下、180℃で12時間加熱撹拌した。
反応溶液の冷却後、固形分をろ別し、エタノールおよびヘキサンで洗浄した後、減圧下で乾燥し(50℃×12時間)、ポリアミドを得た。
表1の記載の樹脂組成になるように用いる原料を変更し、表1に記載のように製造条件を変更する以外は、実施例1と同様の操作をおこなって、ポリアミドを得た。
アジピン酸23質量部と、2,5−ビス(アミノメチル)フラン20質量部とを、水に20質量%で溶解させ、それを80℃で2時間加熱し、ポリアミド塩を得た。
得られたポリアミド塩を、撹拌羽根、ヒーター、窒素流入口、排出口が備わった重合装置に投入し、窒素流通下、200℃で3時間加熱撹拌し、ポリアミドを得た。
表1に記載のように製造条件を変更する以外は、比較例4と同様の操作をおこなって、ポリアミドを得た。
比較例2のポリアミドは、(ポリアミドの融点−20℃)を超える温度以上で重合したため、数平均分子量が低かった。
比較例3のポリアミドは、ポリアミドの融点以上の温度で重合したため、数平均分子量が低かった。そのため、試験片を得ることができず、吸水率や引張強度を測定することができなかった。
比較例4、5のポリアミドは、ポリアミドの融点以上の温度で重合したため、数平均分子量が低かった。
Claims (4)
- 2,5−ビス(アミノメチル)フランまたは2,5−ビス(アミノメチル)テトラヒドロフランを主成分とするジアミン成分と、ジカルボン酸成分とからなるポリアミドであって、数平均分子量が5000以上であることを特徴とするポリアミド。
- 請求項1に記載のポリアミドからなる成形体。
- 対応する塩を、塩の融点以上、(得られるポリアミドの融点−20℃)以下の温度で重合することを特徴とする請求項1または2に記載のポリアミドの製造方法。
- 塩の融点以上の沸点を有する溶媒を用いることを特徴とする請求項3に記載のポリアミドの製造方法。
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