JP2020041025A - ポリ尿素 - Google Patents
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Abstract
【課題】バイオマス由来のヘテロ環構造を有する原料から製造され、かつ、ゲルが発生しにくいポリ尿素を提供する。【解決手段】式(1)で示される繰り返し単位を有するポリ尿素であって、Xに、式(2)および/または式(3)で示される二価の基を含有するポリ尿素、および、式(1)のXに、さらに、式(2)および式(3)で示される二価の基とは異なる他のジアミン化合物の二価の基を含有する前記ポリ尿素、および、ジアミン化合物と二酸化炭素の重合によって製造される前記ポリ尿素、および、ジアミン化合物と二酸化炭素を圧力1〜20MPa、温度150〜250℃の条件下で重合させる前記ポリ尿素の製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は、バイオマス由来のヘテロ環構造を有する原料から製造され、かつ、ゲルが発生しにくいポリ尿素に関する。
ポリ尿素は、耐熱性、機械強度、耐薬品性に優れていることから、重合型の射出成形品、接着剤等として広く用いられている。
ポリ尿素は、ほとんどが石油由来の原料から合成されている。近年、バイオマス由来の原料を用いた環境適応型高分子材料の活用が注目されており、ポリ尿素についても、バイオマス由来の原料から製造されたポリ尿素が注目されている。
バイオマス由来の原料から製造されたポリ尿素としては、特許文献1に、バイオマス由来の原料である4−アミノ桂皮酸の二量体またはその誘導体とジイソシアネートから合成されるポリ尿素が開示されている。しかしながら、ジアミンとジイソシアネートを原料とする方法で得られるポリ尿素は、反応性の制御が困難で、ゲルが発生しやすいという問題があった。
ゲルの発生しにくいポリ尿素としては、特許文献2に、バイオマス由来の原料である1,5−ジアミノペンタンまたは1,10−ジアミノデカンと二酸化炭素から合成されるポリ尿素が開示されている。
本発明は、かかる従来技術に鑑み、バイオマス由来のヘテロ環構造を有する原料から製造され、かつ、ゲルが発生しにくいポリ尿素を提供することを目的とする。
本発明者らは、このような課題を解決するため鋭意検討の結果、ポリ尿素の原料として、セルロースまたはグルコース等から合成されるバイオマス由来のヘテロ環構造を有するジアミン化合物である2,5−ビス(アミノメチル)フランおよび/または2,5−ビス(アミノメチル)テトラヒドロフランを用い、これと二酸化炭素を重合することにより、上記目的が達成されることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)式(1)で示される繰り返し単位を有するポリ尿素であって、Xに、式(2)および/または式(3)で示される二価の基を含有するポリ尿素。
(2)式(1)のXに、さらに、式(2)および式(3)で示される二価の基とは異なる他のジアミン化合物の二価の基を含有することを特徴とする(1)に記載のポリ尿素。
(3)ジアミン化合物と二酸化炭素の重合によって製造されることを特徴とする(1)または(2)に記載のポリ尿素。
(4)ジアミン化合物と二酸化炭素を圧力1〜20MPa、温度150〜250℃の条件下で重合させることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のポリ尿素の製造方法。
(3)ジアミン化合物と二酸化炭素の重合によって製造されることを特徴とする(1)または(2)に記載のポリ尿素。
(4)ジアミン化合物と二酸化炭素を圧力1〜20MPa、温度150〜250℃の条件下で重合させることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のポリ尿素の製造方法。
本発明によれば、バイオマス由来のヘテロ環構造を有する原料から製造され、かつ、ゲルが発生しにくいポリ尿素を提供することができる。さらに本発明の方法によって、比較的温和な条件下で高分子量のポリ尿素を合成することが可能である。このポリ尿素は、ヘテロ環構造を有するため、従来のバイオマス由来のポリ尿素では見られなかった特性を発現させることも可能である。さらに、原料として二酸化炭素を用いるため、温室効果ガスの削減にも貢献できる。
本発明のポリ尿素は、ジアミン化合物と二酸化炭素から合成される。ジアミン化合物としては、バイオマス由来のジアミン化合物である2,5−ビス(アミノメチル)フランおよび/または2,5−ビス(アミノメチル)テトラヒドロフランを用いる必要がある。2,5−ビス(アミノメチル)テトラヒドロフランは、シス体でもトランス体でもよく、それらの混合物であってもよい。2,5−ビス(アミノメチル)フランは、セルロースやグルコース等から合成することができ、2,5−ビス(アミノメチル)テトラヒドロフランは、2,5−ビス(アミノメチル)フランを水素化することにより合成することができる。
本発明のポリ尿素において、2,5−ビス(アミノメチル)フランおよび2,5−ビス(アミノメチル)テトラヒドロフランの合計量は、ジアミン全量に対して5モル%以上とすることが好ましく、30モル%以上とすることがより好ましく、50モル%以上とすることがさらに好ましい。
本発明のポリ尿素には、さらに、2,5−ビス(アミノメチル)フランや2,5−ビス(アミノメチル)テトラヒドロフランとは異なる他のジアミン化合物を添加してもよい。前記他のジアミン化合物としては、例えば、脂肪族ジアミン化合物、芳香族ジアミン化合物、脂環族ジアミン化合物、両末端ジアミン型ポリアルキレンオキシド、両末端ジアミン型ポリジメチルシロキサンが挙げられる。脂肪族ジアミン化合物としては、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン等が挙げられる。芳香族ジアミン化合物としては、フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルエーテル、キシリレンジアミン、ビフェニレンジアミン、ジクロロベンジジン、ジメチルベンジジン、ジアミノジフェニルメタン、ナフタレンジアミン等が挙げられる。脂環族ジアミン化合物としては、シクロヘキサンジアミン、シクロペンタンジアミン、ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビスアミノメチルシクロペンタン、ビスアミノメチルノルボルナン等が挙げられる。中でも、炭素数が4〜18のジアミン化合物が好ましく、炭素数が5〜12のジアミン化合物がより好ましく、原料調達の点から、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカンがさらに好ましく、バイオマス由来の原料であることから、1,5−ジアミノペンタン、1,10−ジアミノデカンが最も好ましい。ジアミン化合物の種類を選択することにより、ポリ尿素の融点、柔軟性、吸水性等を制御することができる。
二酸化炭素としては、市販の精製ガス、燃焼ガス、空気に含まれる二酸化炭素を分離・精製したものが挙げられる。中でも、市販の精製ガスが好ましい。
二酸化炭素の純度は、90%以上とすることが好ましく、100%とすることがより好ましい。二酸化炭素の純度を90%以上とすることで、低圧下、二酸化炭素とジアミン化合物を効率よく重合させることができる。
本発明のポリ尿素は、少なくとも1つのバイオマス由来のジアミン化合物から製造されている必要がある。特に、後述するバイオマス度を10%以上とすることが好ましく、50%以上とすることがより好ましい。
本発明のポリ尿素は、ヘテロ環構造を有するため、従来のバイオマス由来のポリ尿素では見られなかった特性を発現させることもできる。
本発明の製造方法においては、最初に、ジアミン化合物と二酸化炭素が反応してカルバミン酸化合物が生成され、続いて、カルバミン酸化合物のカルボキシアミノ基と、ジアミン化合物または別のカルバミン酸化合物のアミノ基との重縮合により水と尿素結合が生じる。次いで、生成した尿素結合を有したジアミン化合物が、前記反応のジアミン化合物と同様の反応を繰り返すことで数平均分子量が大きくなるものと推察される。
一方、生成した水によって尿素結合の加水分解が起こり、二酸化炭素とジアミン化合物が生じるため、生成した水による加水分解反応と尿素結合の生成反応の速度が平衡になるところで、分子鎖の延長が停止すると推察される。
ジアミン化合物と二酸化炭素を反応させる方法としては、反応容器にジアミン化合物を投入した後、二酸化炭素を導入する方法や、反応容器を二酸化炭素で満たしておき、そこにジアミン化合物を添加する方法が挙げられる。ジアミン化合物の揮散や配管の閉塞の低減の点から、前者の方法が好ましい。
反応容器にジアミン化合物を投入した後、二酸化炭素を導入する場合、反応熱によるジアミン化合物の揮散低減の点から、二酸化炭素をジアミン化合物に吸収させてから反応させることが好ましい。二酸化炭素は、ポンプ、コンプレッサー、ブロワ−等の装置を用いて反応容器に導入させることができる。これらの装置は2種以上を併用してもよい。
ジアミン化合物に二酸化炭素を吸収させる方法としては、ジアミン化合物を二酸化炭素気流にさらす方法や、ジアミン化合物を二酸化炭素でバブリングする方法が挙げられ、吸収効率の点から後者の方が好ましい。その際、ジアミン化合物が二酸化炭素を吸収しやすいように反応容器を加温してもよい。
重合圧力は、1〜20MPaとすることが必要で、5〜15MPaとすることが好ましい。重合圧力が1MPa未満であると、反応容器内の二酸化炭素濃度が希薄になりカルバミン酸化合物が生成されなくなるので好ましくない。一方、重合圧力が20MPaを超えると、大掛かりな反応容器を用いる必要性が生じるので好ましくない。
重合圧力に占める二酸化炭素分圧は、1〜20MPaとすることが好ましく、5〜15MPaとすることがより好ましい。二酸化炭素分圧を1〜20MPaとすることで、ジアミン化合物、カルバミン酸化合物または尿素結合を有するジアミン化合物とカルバミン酸化合物とを効率よく反応させることができる。
重合圧力の制御方法としては、反応容器を密閉して二酸化炭素を用いて制御する方法や、二酸化炭素を流通させながら背圧弁を用いて制御する方法が好ましい。中でも、反応中、生成した水を常に留出させることができるので、後者の方が好ましい。
反応容器を密閉する場合、ジアミン化合物とカルバミン酸化合物が反応することで水が発生するので、重合反応の進行に伴って、反応容器の圧力は、水蒸気の分圧の分だけ高くなる。そのため、重合圧力を一定に維持するには、反応容器中の水や二酸化炭素等の気体を留去させればよい。重合反応の進行にともなって、系内の二酸化炭素分圧は下がっていくため、反応速度は遅くなる傾向がある。
本発明の製造方法においては、ジアミン化合物と二酸化炭素の重合工程の途中に圧力を下げて水を系外に留去した後、二酸化炭素を用いて1〜20MPaとすることが好ましい。圧力を下げる際には、水の留去効率の点から1MPa未満とすることが好ましく、0.1MPa以下とすることがより好ましい。また、重合途中に圧力を1〜20MPaの範囲内で変動させて水を系外に留去させながら重合させることにより、数平均分子量をさらに大きくすることができる。水を留去することにより、水による加水分解が効率的に抑制され、その結果、尿素結合の生成反応が促進されて、数平均分子量がさらに大きくなるものと推察される。
重合温度は、150〜250℃とすることが必要であり、170〜200℃とすることが好ましい。重合温度が150℃未満であると、アミンとカルバミン酸化合物との脱水縮合反応が起こりにくく、重合反応の進行が遅くなるので好ましくない。一方、重合温度が250℃を超えると、モノマーが熱劣化するので好ましくない。
重合圧力を5〜15MPaとし、重合温度を170〜200℃とすることで、飛躍的に数平均分子量を大きくすることができる。重合圧力と重合温度をこの範囲に制御することで、加水分解反応が抑制され、尿素結合の生成反応と加水分解反応の平衡点が、重合度の高い状態に大きく移動するためであると推察される。
本発明の製造方法においては、原料が水を実質的に含んでいないことが好ましい。原料に水を含まなくすることより、得られるポリ尿素の数平均分子量をさらに大きくすることができる。
本発明の製造方法は、溶融重合法、固相重合法のいずれにも適用できる。
本発明の製造方法を用いることにより、比較的温和な条件下で、ポリ尿素の数平均分子量を4000以上とすることができる。重合途中に水留去をおこなったり、重合時間を変更したりする等の製造条件を選択することにより、10000以上とすることもできる。数平均分子量が4000以上であれば、成形加工しやすいポリ尿素となる。
本発明の製造方法では、必要に応じて、触媒、末端封鎖剤等を用いることができる。
触媒としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、または、それらの金属塩、エステル誘導体、アミドもしくは無水物等が挙げられる。金属塩としては、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩等が挙げられる。エステル誘導体としては、フェニルエステルやアルキルエステル等が挙げられる。アミドとしては、ホスホロアミダイド等が挙げられる。無水物としては、ピロリン酸、メタリン酸等が挙げられる。その他、トリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の3級アミン、三塩化リン等のリン塩化物、トリアリールホスファイト等のホスファイト誘導体、トリアリールホスフィンやトリアリールホスフィンジハロゲン化物等のホスフィン誘導体、3,5−ビストリフルオロフェニルボロン酸等のアリールボロン酸、塩化鉄等の第4周期金属ハロゲン化物等を触媒として用いてもよい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
末端封鎖剤としては、ヘキシルアミン、オクチルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン等のモノアミン、酢酸、ラウリン酸、安息香酸等のモノカルボン酸が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。末端封鎖剤の添加量は特に限定されないが、ジアミン化合物に対して5モル%以下とすることが好ましい。
本発明の製造方法においては、ジイソシアネートを用いないことが必要である。ジイソシアネートを用いた場合、ゲルが発生するので好ましくない。また、溶融加工しようとして加熱すると、架橋してしまうので好ましくない。
本発明のポリ尿素には、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、熱安定剤、繊維状補強材、充填材、顔料等を添加してもよい。繊維状補強材としては、ガラス繊維や炭素繊維等が挙げられ、充填材としては、タルク、膨潤性粘土鉱物、シリカ、アルミナ、ガラスビーズ、グラファイト、フィラー等が挙げられ、顔料としては、酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられる。これらは、重合時に添加してもよく、成形時、製膜時、製糸時に添加してもよい。
本発明のポリ尿素は、射出成形、押出成形、ブロー成形等公知の成形方法により、各種成形品に加工することができる。
また、本発明のポリ尿素は公知の製膜方法や紡糸方法により、フィルム、シート、繊維に加工することができる。
これらの成形品、フィルム、繊維等は、電気・電子部品、自動車部品、事務機部品等の産業資材や工業材料、家庭用品等の各種用途で用いることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、ポリ尿素の評価は、以下の方法によりおこなった。
(1)ポリ尿素の同定
1H核磁気共鳴(NMR)スペクトルおよび13C核磁気共鳴(NMR)スペクトルによって、ポリ尿素の生成を確認した。
1H核磁気共鳴(NMR)スペクトルおよび13C核磁気共鳴(NMR)スペクトルによって、ポリ尿素の生成を確認した。
(2)数平均分子量
得られたポリ尿素について、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いてポリメチルメタクリレート(ポリマーラボラトリーズ社製)換算の数平均分子量を測定した。
<測定条件>
屈折率計:東ソー社製RI−8010
カラム:東ソー社製TSKgel GMHHR−H 1本
溶媒:10mMトリフルオロ酢酸ナトリウム含有ヘキサフルオロイソプロパノール
流速:0.4mL/分
測定温度:40℃
得られたポリ尿素について、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いてポリメチルメタクリレート(ポリマーラボラトリーズ社製)換算の数平均分子量を測定した。
<測定条件>
屈折率計:東ソー社製RI−8010
カラム:東ソー社製TSKgel GMHHR−H 1本
溶媒:10mMトリフルオロ酢酸ナトリウム含有ヘキサフルオロイソプロパノール
流速:0.4mL/分
測定温度:40℃
(3)融点
得られたポリ尿素について、パーキンエルマー社製示差走査型熱量計DSC−7を用いて測定した。サンプル量を7mgとし、−50℃を15分間保持後、10℃/分で300℃まで昇温し、5分間保持後、500℃/分で25℃まで降温し、5分間保持後、10℃/分で350℃まで昇温した。2回目の昇温時の融解温度のピークを融点とした。
得られたポリ尿素について、パーキンエルマー社製示差走査型熱量計DSC−7を用いて測定した。サンプル量を7mgとし、−50℃を15分間保持後、10℃/分で300℃まで昇温し、5分間保持後、500℃/分で25℃まで降温し、5分間保持後、10℃/分で350℃まで昇温した。2回目の昇温時の融解温度のピークを融点とした。
(4)バイオマス度
得られたポリ尿素について、下記の式を用いてバイオマス度を求めた。
バイオマス度=[(植物由来のジアミン化合物の残基の炭素数)×モル比率]/[Σ(それぞれのモノマー残基の炭素数)×モル比率]×100
例えば、実施例1であれば、2,5−ビス(アミノメチル)フランの残基の炭素数は6で、二酸化炭素由来の尿素残基の炭素数は1であるから、[6×1]/[6×1+1×1]×100=86(%)と計算できる。
得られたポリ尿素について、下記の式を用いてバイオマス度を求めた。
バイオマス度=[(植物由来のジアミン化合物の残基の炭素数)×モル比率]/[Σ(それぞれのモノマー残基の炭素数)×モル比率]×100
例えば、実施例1であれば、2,5−ビス(アミノメチル)フランの残基の炭素数は6で、二酸化炭素由来の尿素残基の炭素数は1であるから、[6×1]/[6×1+1×1]×100=86(%)と計算できる。
(5)ゲルの発生の有無
ビーカーに、得られたポリ尿素1gとトリフルオロ酢酸99gを混合し、十分に攪拌した。攪拌後、目視で溶液を観察し、不溶物(ゲル)が観察されなければ「○」、不溶物(ゲル)が観察されれば「×」と判断した。
ビーカーに、得られたポリ尿素1gとトリフルオロ酢酸99gを混合し、十分に攪拌した。攪拌後、目視で溶液を観察し、不溶物(ゲル)が観察されなければ「○」、不溶物(ゲル)が観察されれば「×」と判断した。
実施例1
ジアミン化合物として2,5−ビス(アミノメチル)フラン378g(3.0モル)を内容積4LのSUS316製の反応容器に入れた。続いて、反応容器内の空気を二酸化炭素で3回置換後、密閉して、内温が180℃になるように加熱し、圧力が10MPaになるように二酸化炭素(純度100%)を反応容器に流入させた。その後、反応容器の圧力を10MPaに保持して10時間攪拌重合させ、加熱を停止した。最後に、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、攪拌を停止し、一晩静置し、ポリ尿素を得た。
ジアミン化合物として2,5−ビス(アミノメチル)フラン378g(3.0モル)を内容積4LのSUS316製の反応容器に入れた。続いて、反応容器内の空気を二酸化炭素で3回置換後、密閉して、内温が180℃になるように加熱し、圧力が10MPaになるように二酸化炭素(純度100%)を反応容器に流入させた。その後、反応容器の圧力を10MPaに保持して10時間攪拌重合させ、加熱を停止した。最後に、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、攪拌を停止し、一晩静置し、ポリ尿素を得た。
実施例2
ジアミン化合物として2,5−ビス(アミノメチル)テトラヒドロフラン390g(3.0モル)を内容積4LのSUS316製の反応容器に入れた。続いて、反応容器内の空気を二酸化炭素で3回置換後、密閉して、内温が180℃になるように加熱し、圧力が10MPaになるように二酸化炭素(純度100%)を反応容器に流入させた。その後、反応容器の圧力を10MPaに保持して10時間攪拌重合させ、加熱を停止した。最後に、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、攪拌を停止し、一晩静置し、ポリ尿素を得た。
ジアミン化合物として2,5−ビス(アミノメチル)テトラヒドロフラン390g(3.0モル)を内容積4LのSUS316製の反応容器に入れた。続いて、反応容器内の空気を二酸化炭素で3回置換後、密閉して、内温が180℃になるように加熱し、圧力が10MPaになるように二酸化炭素(純度100%)を反応容器に流入させた。その後、反応容器の圧力を10MPaに保持して10時間攪拌重合させ、加熱を停止した。最後に、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、攪拌を停止し、一晩静置し、ポリ尿素を得た。
実施例3
ジアミン化合物として2,5−ビス(アミノメチル)フラン189g(1.5モル)、2,5−ビス(アミノメチル)テトラヒドロフラン195g(1.5モル)を内容積4LのSUS316製の反応容器に入れた。続いて、反応容器内の空気を二酸化炭素で3回置換後、密閉して、内温が180℃になるように加熱し、圧力が10MPaになるように二酸化炭素(純度100%)を反応容器に流入させた。その後、反応容器の圧力を10MPaに保持して10時間攪拌重合させ、加熱を停止した。最後に、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、攪拌を停止し、一晩静置し、ポリ尿素を得た。
ジアミン化合物として2,5−ビス(アミノメチル)フラン189g(1.5モル)、2,5−ビス(アミノメチル)テトラヒドロフラン195g(1.5モル)を内容積4LのSUS316製の反応容器に入れた。続いて、反応容器内の空気を二酸化炭素で3回置換後、密閉して、内温が180℃になるように加熱し、圧力が10MPaになるように二酸化炭素(純度100%)を反応容器に流入させた。その後、反応容器の圧力を10MPaに保持して10時間攪拌重合させ、加熱を停止した。最後に、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、攪拌を停止し、一晩静置し、ポリ尿素を得た。
実施例4
ジアミン化合物として2,5−ビス(アミノメチル)フラン151g(1.2モル)、1,6−ジアミノヘキサン209g(1.8モル)を内容積4LのSUS316製の反応容器に入れた。続いて、反応容器内の空気を二酸化炭素で3回置換後、密閉して、内温が180℃になるように加熱し、圧力が10MPaになるように二酸化炭素(純度100%)を反応容器に流入させた。その後、反応容器の圧力を10MPaに保持して10時間攪拌重合させ、加熱を停止した。最後に、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、攪拌を停止し、一晩静置し、ポリ尿素を得た。
ジアミン化合物として2,5−ビス(アミノメチル)フラン151g(1.2モル)、1,6−ジアミノヘキサン209g(1.8モル)を内容積4LのSUS316製の反応容器に入れた。続いて、反応容器内の空気を二酸化炭素で3回置換後、密閉して、内温が180℃になるように加熱し、圧力が10MPaになるように二酸化炭素(純度100%)を反応容器に流入させた。その後、反応容器の圧力を10MPaに保持して10時間攪拌重合させ、加熱を停止した。最後に、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、攪拌を停止し、一晩静置し、ポリ尿素を得た。
実施例5
ジアミン化合物として2,5−ビス(アミノメチル)フラン126g(1.0モル)、2,5−ビス(アミノメチル)テトラヒドロフラン130g(1.0モル)、1,10−ジアミノデカン172g(1.0モル)を内容積4LのSUS316製の反応容器に入れた。続いて、反応容器内の空気を二酸化炭素で3回置換後、密閉して、内温が180℃になるように加熱し、圧力が10MPaになるように二酸化炭素(純度100%)を反応容器に流入させた。その後、反応容器の圧力を10MPaに保持して10時間攪拌重合させ、加熱を停止した。最後に、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、攪拌を停止し、一晩静置し、ポリ尿素を得た。
ジアミン化合物として2,5−ビス(アミノメチル)フラン126g(1.0モル)、2,5−ビス(アミノメチル)テトラヒドロフラン130g(1.0モル)、1,10−ジアミノデカン172g(1.0モル)を内容積4LのSUS316製の反応容器に入れた。続いて、反応容器内の空気を二酸化炭素で3回置換後、密閉して、内温が180℃になるように加熱し、圧力が10MPaになるように二酸化炭素(純度100%)を反応容器に流入させた。その後、反応容器の圧力を10MPaに保持して10時間攪拌重合させ、加熱を停止した。最後に、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、攪拌を停止し、一晩静置し、ポリ尿素を得た。
実施例6
ジアミン化合物として2,5−ビス(アミノメチル)フラン378g(3.0モル)、末端封鎖剤としてヘキシルアミン1.5g(0.015モル)を内容積4LのSUS316製の反応容器に入れた。続いて、反応容器内の空気を二酸化炭素で3回置換後、密閉して、内温が180℃になるように加熱し、圧力が10MPaになるように二酸化炭素(純度100%)を反応容器に流入させた。その後、反応容器の圧力を10MPaに保持して10時間攪拌重合させ、加熱を停止した。最後に、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、攪拌を停止し、一晩静置し、ポリ尿素を得た。
ジアミン化合物として2,5−ビス(アミノメチル)フラン378g(3.0モル)、末端封鎖剤としてヘキシルアミン1.5g(0.015モル)を内容積4LのSUS316製の反応容器に入れた。続いて、反応容器内の空気を二酸化炭素で3回置換後、密閉して、内温が180℃になるように加熱し、圧力が10MPaになるように二酸化炭素(純度100%)を反応容器に流入させた。その後、反応容器の圧力を10MPaに保持して10時間攪拌重合させ、加熱を停止した。最後に、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、攪拌を停止し、一晩静置し、ポリ尿素を得た。
実施例7
ジアミン化合物として2,5−ビス(アミノメチル)フラン378g(3.0モル)、末端封鎖剤としてヘキシルアミン1.5g(0.015モル)を内容積4LのSUS316製の反応容器に入れた。続いて、反応容器内の空気を二酸化炭素で3回置換後、密閉して、内温が180℃になるように加熱し、圧力が10MPaになるように二酸化炭素(純度100%)を反応容器に流入させた。その後、反応容器の圧力を10MPaに保持して10時間攪拌重合させ、加熱を停止した。重合開始から5、7、9時間後の合計3回、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、水を系外に留去させ、二酸化炭素を用いて圧力を10MPaに上昇させる操作をおこなった。最後に、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、攪拌を停止し、一晩静置し、ポリ尿素を得た。
ジアミン化合物として2,5−ビス(アミノメチル)フラン378g(3.0モル)、末端封鎖剤としてヘキシルアミン1.5g(0.015モル)を内容積4LのSUS316製の反応容器に入れた。続いて、反応容器内の空気を二酸化炭素で3回置換後、密閉して、内温が180℃になるように加熱し、圧力が10MPaになるように二酸化炭素(純度100%)を反応容器に流入させた。その後、反応容器の圧力を10MPaに保持して10時間攪拌重合させ、加熱を停止した。重合開始から5、7、9時間後の合計3回、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、水を系外に留去させ、二酸化炭素を用いて圧力を10MPaに上昇させる操作をおこなった。最後に、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、攪拌を停止し、一晩静置し、ポリ尿素を得た。
実施例8
ジアミン化合物として2,5−ビス(アミノメチル)フラン189g(1.5モル)、1,6−ジアミノヘキサン174g(1.5モル)、末端封鎖剤としてヘキシルアミン1.5g(0.015モル)を内容積4LのSUS316製の反応容器に入れた。続いて、反応容器内の空気を二酸化炭素で3回置換後、密閉して、内温が180℃になるように加熱し、圧力が10MPaになるように二酸化炭素(純度100%)を反応容器に流入させた。その後、反応容器の圧力を10MPaに保持して10時間攪拌重合させ、加熱を停止した。重合開始から5、7、9時間後の合計3回、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、水を系外に留去させ、二酸化炭素を用いて圧力を10MPaに上昇させる操作をおこなった。最後に、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、攪拌を停止し、一晩静置し、ポリ尿素を得た。
ジアミン化合物として2,5−ビス(アミノメチル)フラン189g(1.5モル)、1,6−ジアミノヘキサン174g(1.5モル)、末端封鎖剤としてヘキシルアミン1.5g(0.015モル)を内容積4LのSUS316製の反応容器に入れた。続いて、反応容器内の空気を二酸化炭素で3回置換後、密閉して、内温が180℃になるように加熱し、圧力が10MPaになるように二酸化炭素(純度100%)を反応容器に流入させた。その後、反応容器の圧力を10MPaに保持して10時間攪拌重合させ、加熱を停止した。重合開始から5、7、9時間後の合計3回、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、水を系外に留去させ、二酸化炭素を用いて圧力を10MPaに上昇させる操作をおこなった。最後に、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、攪拌を停止し、一晩静置し、ポリ尿素を得た。
実施例9
ジアミン化合物として2,5−ビス(アミノメチル)フラン25g(0.20モル)、1,6−ジアミノヘキサン325g(2.8モル)、末端封鎖剤としてヘキシルアミン1.5g(0.015モル)を内容積4LのSUS316製の反応容器に入れた。続いて、反応容器内の空気を二酸化炭素で3回置換後、密閉して、内温が180℃になるように加熱し、圧力が10MPaになるように二酸化炭素(純度100%)を反応容器に流入させた。その後、反応容器の圧力を10MPaに保持して10時間攪拌重合させ、加熱を停止した。重合開始から5、7、9時間後の合計3回、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、水を系外に留去させ、二酸化炭素を用いて圧力を10MPaに上昇させる操作をおこなった。最後に、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、攪拌を停止し、一晩静置し、ポリ尿素を得た。
ジアミン化合物として2,5−ビス(アミノメチル)フラン25g(0.20モル)、1,6−ジアミノヘキサン325g(2.8モル)、末端封鎖剤としてヘキシルアミン1.5g(0.015モル)を内容積4LのSUS316製の反応容器に入れた。続いて、反応容器内の空気を二酸化炭素で3回置換後、密閉して、内温が180℃になるように加熱し、圧力が10MPaになるように二酸化炭素(純度100%)を反応容器に流入させた。その後、反応容器の圧力を10MPaに保持して10時間攪拌重合させ、加熱を停止した。重合開始から5、7、9時間後の合計3回、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、水を系外に留去させ、二酸化炭素を用いて圧力を10MPaに上昇させる操作をおこなった。最後に、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、攪拌を停止し、一晩静置し、ポリ尿素を得た。
比較例1
ジアミン化合物として2,5−ビス(アミノメチル)フラン189g(1.5モル)、1,6−ジアミノヘキサン174g(1.5モル)、末端封鎖剤としてヘキシルアミン1.5g(0.015モル)を内容積4LのSUS316製の反応容器に入れた。続いて、反応容器内の空気を二酸化炭素で3回置換後、密閉して、内温が130℃になるように加熱し、圧力が10MPaになるように二酸化炭素(純度100%)を反応容器に流入させた。その後、反応容器の圧力を10MPaに保持して10時間攪拌重合させ、加熱を停止した。重合開始から5、7、9時間後の合計3回、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、水を系外に留去させ、二酸化炭素を用いて圧力を10MPaに上昇させる操作をおこなった。最後に、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、攪拌を停止し、一晩静置した。しかしながら、重合温度が低かったため、重合反応が進行せず、ポリ尿素が得られなかった。
ジアミン化合物として2,5−ビス(アミノメチル)フラン189g(1.5モル)、1,6−ジアミノヘキサン174g(1.5モル)、末端封鎖剤としてヘキシルアミン1.5g(0.015モル)を内容積4LのSUS316製の反応容器に入れた。続いて、反応容器内の空気を二酸化炭素で3回置換後、密閉して、内温が130℃になるように加熱し、圧力が10MPaになるように二酸化炭素(純度100%)を反応容器に流入させた。その後、反応容器の圧力を10MPaに保持して10時間攪拌重合させ、加熱を停止した。重合開始から5、7、9時間後の合計3回、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、水を系外に留去させ、二酸化炭素を用いて圧力を10MPaに上昇させる操作をおこなった。最後に、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、攪拌を停止し、一晩静置した。しかしながら、重合温度が低かったため、重合反応が進行せず、ポリ尿素が得られなかった。
比較例2
ジアミン化合物として2,5−ビス(アミノメチル)フラン189g(1.5モル)、1,6−ジアミノヘキサン174g(1.5モル)、末端封鎖剤としてヘキシルアミン1.5g(0.015モル)を内容積4LのSUS316製の反応容器に入れた。続いて、反応容器内の空気を二酸化炭素で3回置換後、密閉して、内温が270℃になるように加熱し、圧力が10MPaになるように二酸化炭素(純度100%)を反応容器に流入させた。その後、反応容器の圧力を10MPaに保持して10時間攪拌重合させ、加熱を停止した。重合開始から5、7、9時間後の合計3回、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、水を系外に留去させ、二酸化炭素を用いて圧力を10MPaに上昇させる操作をおこなった。最後に、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、攪拌を停止し、一晩静置した。しかしながら、重合温度が高かったため、原料が熱分解したのか、ポリ尿素が得られなかった。
ジアミン化合物として2,5−ビス(アミノメチル)フラン189g(1.5モル)、1,6−ジアミノヘキサン174g(1.5モル)、末端封鎖剤としてヘキシルアミン1.5g(0.015モル)を内容積4LのSUS316製の反応容器に入れた。続いて、反応容器内の空気を二酸化炭素で3回置換後、密閉して、内温が270℃になるように加熱し、圧力が10MPaになるように二酸化炭素(純度100%)を反応容器に流入させた。その後、反応容器の圧力を10MPaに保持して10時間攪拌重合させ、加熱を停止した。重合開始から5、7、9時間後の合計3回、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、水を系外に留去させ、二酸化炭素を用いて圧力を10MPaに上昇させる操作をおこなった。最後に、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、攪拌を停止し、一晩静置した。しかしながら、重合温度が高かったため、原料が熱分解したのか、ポリ尿素が得られなかった。
比較例3
ジアミン化合物として2,5−ビス(アミノメチル)フラン189g(1.5モル)、1,6−ジアミノヘキサン174g(1.5モル)、末端封鎖剤としてヘキシルアミン1.5g(0.015モル)を内容積4LのSUS316製の反応容器に入れた。続いて、反応容器内の空気を二酸化炭素で3回置換後、密閉して、内温が180℃になるように加熱し、圧力が0.5MPaになるように二酸化炭素(純度100%)を反応容器に流入させた。その後、反応容器の圧力を0.5MPaに保持して10時間攪拌重合させ、加熱を停止した。重合開始から5、7、9時間後の合計3回、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、水を系外に留去させ、二酸化炭素を用いて圧力を0.5MPaに上昇させる操作をおこなった。最後に、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、攪拌を停止し、一晩静置した。しかしながら、重合圧力が低かったため、重合反応が進行せず、ポリ尿素が得られなかった。
ジアミン化合物として2,5−ビス(アミノメチル)フラン189g(1.5モル)、1,6−ジアミノヘキサン174g(1.5モル)、末端封鎖剤としてヘキシルアミン1.5g(0.015モル)を内容積4LのSUS316製の反応容器に入れた。続いて、反応容器内の空気を二酸化炭素で3回置換後、密閉して、内温が180℃になるように加熱し、圧力が0.5MPaになるように二酸化炭素(純度100%)を反応容器に流入させた。その後、反応容器の圧力を0.5MPaに保持して10時間攪拌重合させ、加熱を停止した。重合開始から5、7、9時間後の合計3回、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、水を系外に留去させ、二酸化炭素を用いて圧力を0.5MPaに上昇させる操作をおこなった。最後に、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、攪拌を停止し、一晩静置した。しかしながら、重合圧力が低かったため、重合反応が進行せず、ポリ尿素が得られなかった。
比較例4
窒素置換したフラスコに2,5−ビス(アミノメチル)フラン126mg(1.0ミリモル)、ヘキサメチレンジイソシアネート168mg(1.0ミリモル)、脱水NMP(1.0mL)を加え、100℃で3時間撹拌した。反応物に脱水NMP(1.0mL)を加えた後、メタノール(100mL)に滴下してポリマーを再沈殿させ、ポリ尿素を得た。
窒素置換したフラスコに2,5−ビス(アミノメチル)フラン126mg(1.0ミリモル)、ヘキサメチレンジイソシアネート168mg(1.0ミリモル)、脱水NMP(1.0mL)を加え、100℃で3時間撹拌した。反応物に脱水NMP(1.0mL)を加えた後、メタノール(100mL)に滴下してポリマーを再沈殿させ、ポリ尿素を得た。
表1に、原料、製造条件、および特性値を示す。
実施例1〜9のポリ尿素は、いずれも、少なくとも1つのバイオマス由来のジアミンから製造され、かつ、ゲルの発生もなかった。また、いずれのポリ尿素も、大掛かりな設備を必要とせず、1〜20MPaの低圧で、温度150〜250℃の条件下で重合することができた。
比較例4のポリ尿素は、原料としてジイソシアネートを用いたため、ゲルが発生し、得られたポリ尿素は溶融加工できるものではなかった。
Claims (4)
- 式(1)で示される繰り返し単位を有するポリ尿素であって、Xに、式(2)および/または式(3)で示される二価の基を含有するポリ尿素。
- 式(1)のXに、さらに、式(2)および式(3)で示される二価の基とは異なる他のジアミン化合物の二価の基を含有することを特徴とする請求項1に記載のポリ尿素。
- ジアミン化合物と二酸化炭素の重合によって製造されることを特徴とする請求項1または2に記載のポリ尿素。
- ジアミン化合物と二酸化炭素を圧力1〜20MPa、温度150〜250℃の条件下で重合させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリ尿素の製造方法。
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- 2018-09-07 JP JP2018167977A patent/JP2020041025A/ja active Pending
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