JP5658005B2 - ポリ尿素の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリ尿素の製造方法に関するものである。
ポリ尿素は、耐熱性、機械強度、耐薬品性に優れていることから、重合型の射出成形品、接着剤等として広く用いられている。
ポリ尿素の製造方法としては、ジアミン化合物とジイソシアネートを原料として重合する方法が一般的である。このような製造方法としては、溶融重合する方法や低温で固相重合する方法が知られている。しかしながら、このような製造方法は、ジイソシアネートの重合性が高く、ポリマー鎖に分岐が発生するため、ゲルが生成するという問題があった。また、得られるポリ尿素の品質が低く、溶融加工時の操業性が悪いという問題もあった。
分岐の問題を回避する方法としては、原料としてジイソシアネートを用いない方法が考えられる。このような製造方法として、特許文献1に、100気圧(10.2MPa)以上で、ジアミン化合物と二酸化炭素を溶融重合してポリ尿素を製造する方法が開示されている。しかしながら、特許文献1の製造方法は、二酸化炭素を高圧で導入して100気圧以上の高圧下で重合させるため、ポリ尿素を大量に製造する場合、大掛かりな設備が必要であるという問題があった。
また、非特許文献1、2に、二酸化炭素が超臨界とならない程度の圧力で、ジアミン化合物と二酸化炭素とを重合させてポリ尿素を製造する方法が開示されている。しかしながら、非特許文献1、2の製造方法は、有機溶媒と多量の触媒を使用するため、混合および触媒の除去に特別な装置が必要となり、工業的には適用できないという問題があった。また、この製造方法は、モノマーおよびポリマーのいずれかが溶媒に可溶なポリ尿素にしか適用することができないため、適用できるポリ尿素の分子構造に制約が生じるという問題があった。
米国特許第2550767号明細書
Journal of Polymer Science:Polymer Letters Edition,Vol.12,517−521(1974) Journal of Polymer Science:Polymer Chemistry Edition,Vol.20,103−108(1982)
そこで、本発明者らは、低圧下で、水共存下、ジアミン化合物と二酸化炭素を重合させる方法を提案した(特願2010−79918号)。しかしながら、水を共存させた状態では、再現性よく分子量を上げることができず、十分な性能のポリ尿素を得ることができなかった。
本発明は、前記問題点を解決するものであり、低圧下でジアミン化合物と二酸化炭素を反応させ、高分子量のポリ尿素を重合する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。すなわち、本発明の要旨は下記の通りである。
(1)ジアミン化合物と二酸化炭素を原料とするポリ尿素の製造方法であって、圧力5〜10MPa、温度160〜260℃の条件下で、ジアミン化合物と二酸化炭素を重合させる重合工程を含み、ジアミン化合物が、炭素数が4〜18の脂肪族一級ジアミンであるポリ尿素の製造方法。
(2)重合工程の途中に、圧力を1MPa未満に降下させた後、二酸化炭素を用いて〜10MPaに上昇させる操作をおこなう(1)記載のポリ尿素の製造方法。
(3)ジアミン化合物と二酸化炭素を原料とするポリ尿素の製造方法であって、圧力1〜10MPa、温度160〜260℃、重合時間48時間以上の条件下で、ジアミン化合物と二酸化炭素を重合させる重合工程を含み、ジアミン化合物が、炭素数が4〜18の脂肪族一級ジアミンであるポリ尿素の製造方法。
(4)重合工程の途中に、圧力を1MPa未満に降下させた後、二酸化炭素を用いて1〜10MPaに上昇させる操作をおこなう(3)記載のポリ尿素の製造方法。
(5)二酸化炭素を流通させながら圧力を制御する(1)または(3)記載のポリ尿素の製造方法。
(6)原料として二酸化炭素を吸収させたジアミン化合物を用いる(1)〜(5)いずれかに記載のポリ尿素の製造方法。
本発明の製造方法によれば、10MPa以下の低圧下で、生産性よく、高分子量のポリ尿素を重合することができる。また、低圧下で重合できるため大掛かりな設備を必要せず、ジイソシアネートを用いないためゲルの生成が少ない。さらに、原料として二酸化炭素を用いるため、温室効果現象の抑制にも貢献できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法が適用できるポリ尿素は、ジアミン化合物と二酸化炭素を原料とするポリ尿素である。
ジアミン化合物としては、炭素数が4〜18の脂肪族一級ジアミンであることが必要である。前記脂肪族ジアミンとしては、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン等が挙げられる。中でも、炭素数が5〜12のジアミン化合物が好ましく、原料調達の点から、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミンがさらに好ましい。ジアミン化合物の種類を選択することにより、ポリ尿素の融点、柔軟性、吸水性等を制御することができる。
二酸化炭素としては、市販の精製ガス、燃焼ガス、空気に含まれる二酸化炭素を分離・精製したものが挙げられる。中でも、市販の精製ガスが好ましい。
二酸化炭素の純度は、90%以上とすることが好ましく、100%とすることがより好ましい。二酸化炭素の純度を90%以上とすることで、低圧下、二酸化炭素とジアミン化合物を効率よく重合させることができる。
次に、本発明の製造方法について説明する。
本発明の製造方法においては、最初に、ジアミン化合物と二酸化炭素が反応してカルバミン酸化合物が生成され、続いて、カルバミン酸化合物のカルボキシアミノ基と、ジアミン化合物または別のカルバミン酸化合物のアミノ基との脱水縮合重合により水とウレア結合が生じる。次いで、生成したウレア結合を有したジアミン化合物が、前記反応のジアミン化合物と同様の反応を繰り返すことで分子鎖が延長されるものと推察される。
一方、生成した水によってウレア結合の加水分解が起こり、二酸化炭素とジアミン化合物が遊離されるため、生成した水による加水分解反応とウレア結合の生成反応の速度が平衡になるところで、分子鎖の延長が停止すると推察される。
ジアミン化合物と二酸化炭素を反応させる方法としては、反応容器にジアミン化合物を投入した後、二酸化炭素を導入する方法や、反応容器を二酸化炭素で満たしておき、そこにジアミン化合物を添加する方法が挙げられる。ジアミン化合物の揮散や配管の閉塞の低減の点から前者の方法が好ましい。
反応容器にジアミン化合物を投入した後、二酸化炭素を導入する場合、反応熱によるジアミン化合物の揮散低減の点から、二酸化炭素をジアミン化合物に吸収させてから反応させることが好ましい。二酸化炭素は、ポンプ、コンプレッサー、ブロワ−等の装置を用いて反応容器に導入させることができる。これらの装置は2種以上を併用してもよい。
ジアミン化合物に二酸化炭素を吸収させる方法としては、ジアミン化合物を二酸化炭素気流にさらす方法や、ジアミン化合物を二酸化炭素でバブリングする方法が挙げられ、吸収効率の点から後者の方が好ましい。その際、ジアミン化合物が二酸化炭素を吸収しやすいように反応容器を加温してもよい。
重合圧力は、1〜10MPaとすることが必要で、5〜10MPaとすることが好ましい。重合圧力が1MPa未満であると、反応容器内の二酸化炭素濃度が希薄になりカルバミン酸化合物が生成されなくなるので好ましくない。一方、重合圧力が10MPaを超えると、大掛かりな反応容器を用いる必要性が生じるので好ましくない。また、重合圧力が10MPaを超えると、SUS316やSUS304等のステンレス材料製の反応容器を用いた場合、二酸化炭素による腐食が顕著になり、反応容器や重合物が着色するので好ましくない。反応容器内面をハステロイやインコネル等の材料で加工すれば、腐食は抑制されるが、装置のコストが大幅に高くなるため好ましくない。
重合圧力に占める二酸化炭素分圧は、1〜10MPaとすることが好ましく、5〜10MPaとすることがより好ましい。二酸化炭素分圧を1〜10MPaとすることで、ジアミン化合物、カルバミン酸化合物またはウレア結合を有するジアミン化合物(以後、「アミン」と略称する場合がある。)とカルバミン酸化合物とを生産性よく反応させることができる。
重合圧力の制御方法としては、反応容器を密閉して二酸化炭素を用いて制御する方法や、二酸化炭素を流通させながら背圧弁を用いて制御する方法が好ましい。中でも、反応中、生成した水を常に留出させることができるので、後者の方が好ましい。
反応容器を密閉する場合、アミンとカルバミン酸化合物が反応することで水が発生するので、重合反応の進行にともなって、反応容器の圧力は、水蒸気の分圧の分だけ高くなる。そのため、重合圧力を一定に維持するには、反応容器中の水や二酸化炭素等の気体を留去させればよい。重合反応の進行にともなって、系内の二酸化炭素分圧は下がっていくため、反応速度は遅くなる傾向がある。
本発明の製造方法においては、ジアミン化合物と二酸化炭素の重合工程の途中に圧力を下げて水を系外に留去した後、二酸化炭素を用いて1〜10MPaとすることが好ましい。圧力を下げる際には、水の留去効率の点から1MPa未満とすることが好ましく、0.1MPa以下がより好ましい。また、重合途中に圧力を1〜10MPaの範囲内で変動させて水を系外に留去させてもよい。水を留去することにより、水による加水分解が効率的に抑制され、その結果、ウレア結合の生成反応が促進されて、重合度が高くなるものと推察される。
重合温度は、160〜260℃とすることが必要であり、180〜220℃とすることが好ましい。重合温度が160℃未満であると、アミンとカルバミン酸化合物との脱水縮合反応が起こりにくく、重合反応の進行が遅くなるので好ましくない。一方、重合温度が260℃を超えると、重合度が低い段階でウレア結合の生成反応と水による加水分解反応が平衡になり、ポリ尿素の重合度が低くなるので好ましくない。
重合圧力を1〜10MPaとし、重合温度を160〜260℃とすることで、飛躍的に分子鎖を伸ばすことができる。重合圧力と重合温度をこの範囲に制御することで、加水分解反応が抑制され、ウレア結合の生成反応と加水分解反応の平衡点が、重合度の高い状態に大きく移動するためであると推察される。
重合時間は、重合温度に達してから5時間以上が好ましく、10時間以上がより好ましい。
本発明の製造方法においては、原料が水を実質的に含んでいないことが好ましい。原料が水を含まないことで、得られるポリ尿素の分子鎖をさらに長くすることができる。
本発明の製造方法は、溶融重合法、固相重合法のいずれにも適用できる。
本発明の製造方法を用いることにより、ポリ尿素の数平均分子量を4000以上とすることができる。製造条件を選択することにより、10000以上とすることもできる。数平均分子量が4000以上であれば、成形加工しやすいポリ尿素とすることができる。
また、本発明の製造方法においては、重合圧力を10MPa以下でおこなうため、SUS316やSUS304等のステンレス材料製の反応容器を用いた場合も、腐食することなく重合反応をおこなうことができる。そのため、通常L値が50程度であるステンレス材料製の反応容器内面のL値は、重合反応終了時においても40を下まわることはない。
本発明の製造方法では、必要に応じて、触媒、末端封鎖剤等を用いることができる。
触媒としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、または、それらの金属塩、エステル誘導体、アミドもしくは無水物等が挙げられる。金属塩としては、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩等が挙げられる。エステル誘導体としては、フェニルエステルやアルキルエステル等が挙げられる。アミドとしては、ホスホロアミダイド等が挙げられる。無水物としては、ピロリン酸、メタリン酸等が挙げられる。その他、トリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の3級アミン、三塩化リン等のリン塩化物、トリアリールホスファイト等のホスファイト誘導体、トリアリールホスフィンやトリアリールホスフィンジハロゲン化物等のホスフィン誘導体、3,5−ビストリフルオロフェニルボロン酸等のアリールボロン酸、塩化鉄等の第4周期金属ハロゲン化物等を触媒として用いてもよい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
末端封鎖剤としては、ヘキシルアミン、オクチルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン等のモノアミン、酢酸、ラウリン酸、安息香酸等のモノカルボン酸が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。末端封鎖剤の添加量は特に限定されないが、ジアミン化合物に対して5モル%以下が好ましい。
本発明の製造方法で得られたポリ尿素には、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、熱安定剤、繊維状補強材、充填材、顔料等を添加してもよい。繊維状補強材としては、ガラス繊維や炭素繊維等が挙げられ、充填材としては、タルク、膨潤性粘土鉱物、シリカ、アルミナ、ガラスビーズ、グラファイト、フィラー等が挙げられ、顔料としては、酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられる。これらは、重合時に添加してもよく、成形時、製膜時、製糸時に添加してもよい。
ポリ尿素は、射出成形、押出成形、ブロー成形等公知の成形方法により、各種成形品に加工することができる。
また、ポリ尿素は公知の製膜方法や紡糸方法により、フィルム、シート、繊維に加工することができる。
これらの成形品、フィルム、繊維等は、電気・電子部品、自動車部品、事務機部品等の産業資材や工業材料、家庭用品等の各種用途で使用することができる。
1.測定方法
(1)ポリ尿素の同定
赤外分光測定(臭化カリウム法)により、1618cm−1(CO伸縮)及び1575cm−1(NH伸縮)の吸収スペクトルを確認し、以下の基準で判断した。
○:両方の吸収スペクトルが現れた。
×:いずれかの吸収スペクトルが現れなかった。
(2)ゲル発生の有無
ポリ尿素をトリフルオロ酢酸に、溶液濃度が40質量%になるように混合した。混合して不溶物がない場合、ゲルが発生しなかったとして「○」、不溶物がある場合、ゲルが発生したとして「×」とした。
(3)数平均分子量、重量平均分子量
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いてポリメチルメタクリレート(ポリマーラボラトリーズ社製)換算の数平均分子量および重量平均分子量を測定した。
<測定条件>
屈折率計:東ソー社製RI−8010
カラム:東ソー社製TSKgel GMHHR−H 1本
溶媒:10mMトリフルオロ酢酸ナトリウム含有ヘキサフルオロイソプロパノール
流速:0.4ml/分
測定温度:40℃
(4)融点
パーキンエルマー社製示差走査型熱量計DSC−7を用いて測定した。サンプル量を10mgとし、10℃から20℃/分で350℃まで昇温し、5分間保持後、500℃/分で25℃まで降温し、5分間保持後、400℃まで20℃/分で昇温した。2回目の昇温時の融解温度のピークを融点とした。
(5)L値
日本電色工業社製SE6000 color measuring systemを用いて、重合後の反応容器内面を、C/2光源、反射にて、L値を測定し、以下の基準で評価した。
○:40以上100以下
×:0以上40未満
実施例1
ジアミン化合物として1,10−デカンジアミン550g(3.2モル)、末端封鎖剤としてヘキシルアミン1.62g(0.016モル)を内容積4LのSUS316製の反応容器に入れた。続いて、反応容器内の空気を二酸化炭素で3回置換後、密閉して、内温が200℃になるように加熱し、圧力が10MPaになるように二酸化炭素(純度100%)を反応容器に流入させた。その後、反応容器の圧力を10MPaに保持して10時間攪拌重合させ、最後に、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、攪拌を停止し、一晩静置した。
実施例2
ジアミン化合物として1,10−デカンジアミン550g(3.2モル)、末端封鎖剤としてヘキシルアミン1.62g(0.016モル)を内容積4LのSUS316製の反応容器に入れた。続いて、反応容器内の空気を二酸化炭素で3回置換後、密閉して、内温が200℃になるように加熱し、圧力が10MPaになるように二酸化炭素(純度100%)を反応容器に流入させた。その後、反応容器の圧力を10MPaに保持して15時間攪拌重合させた。
重合開始から5、7、9時間後の合計3回、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、水を系外に留去させ、二酸化炭素を用いて圧力を10MPaに上昇させる操作をおこなった。最後に、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、攪拌を停止し、一晩静置した。
実施例3、4、比較例1〜4
原料および製造条件を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様におこなった。
実施例5
60℃で融解した1,10−デカンジアミンに二酸化炭素をバブリングし、白色固体状になるまで流通させたものを原料として用いた以外は、実施例1と同様におこなった。
実施例6
ジアミン化合物として1,10−デカンジアミン550g(3.2モル)、末端封鎖剤としてヘキシルアミン1.62g(0.016モル)を内容積4LのSUS316製の反応容器に入れた。続いて、反応容器内の空気を二酸化炭素で3回置換後、内温が200℃になるように加熱し、圧力が10MPaになるように二酸化炭素(純度100%)を流入させ、その後も、二酸化炭素を1mL/分で流通させながら、反応容器の圧力を10MPaに保持して5時間攪拌重合させた。重合後、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、攪拌を停止し、一晩静置した。
実施例7〜10
製造条件を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様におこなった。
比較例5
窒素置換をおこなった500mLの三口フラスコに、100mLのアセトンに溶解させた1,6−ヘキサンジアミン10.0g(86ミリモル)を入れ、氷浴下で100mLのアセトンに溶解させた1,6−ヘキサンジイソシアネート14.5g(86ミリモル)を15分かけて滴下し、25℃でマグネチックスターラーにて30分間攪拌した。析出した生成物をろ過回収後、80℃減圧乾燥した。
なお、実施例および比較例で用いた反応容器の初期の内面のL値は50であった。
表1に、原料、製造条件、および特性値を示す。
実施例1〜10は、10MPa以下の低圧で重合したため、大掛かりな設備を必要とせず、生産性よく、高分子量のポリ尿素を重合することができた。また、製造後の反応容器の内面のL値は40以上に保たれていた。
実施例2は、重合途中に、圧力を変化させて水を系外に留去したため、実施例1よりも高分子量のポリ尿素を得ることができた。
実施例5では、重合初期の重合熱によるジアミン化合物の揮散を低減できたため、実施例1よりも高分子量のポリ尿素を得ることができた。
実施例6は、二酸化炭素を流通させながら重合させたため、重合中、常に水分を除去することができ、実施例1よりも高分子量のポリ尿素を得ることができた。
比較例1は、重合温度が低かったため、重合反応が進行していなかった。
比較例2は、重合温度が高かったため、ポリ尿素の数平均分子量が低かった。また、反応容器内面が激しく着色した。
比較例3は、重合圧力が低かったため、重合反応が進行していなかった。
比較例4は、重合圧力が高かったため、反応容器内面が激しく着色した。
比較例5は、原料としてジイソシアネートを用いたため、ゲルが大量に発生し、得られたポリ尿素は溶融加工できるものではなかった。

Claims (6)

  1. ジアミン化合物と二酸化炭素を原料とするポリ尿素の製造方法であって、圧力5〜10MPa、温度160〜260℃の条件下で、ジアミン化合物と二酸化炭素を重合させる重合工程を含み、ジアミン化合物が、炭素数が4〜18の脂肪族一級ジアミンであるポリ尿素の製造方法。
  2. 重合工程の途中に、圧力を1MPa未満に降下させた後、二酸化炭素を用いて〜10MPaに上昇させる操作をおこなう請求項1記載のポリ尿素の製造方法。
  3. ジアミン化合物と二酸化炭素を原料とするポリ尿素の製造方法であって、圧力1〜10MPa、温度160〜260℃、重合時間48時間以上の条件下で、ジアミン化合物と二酸化炭素を重合させる重合工程を含み、ジアミン化合物が、炭素数が4〜18の脂肪族一級ジアミンであるポリ尿素の製造方法。
  4. 重合工程の途中に、圧力を1MPa未満に降下させた後、二酸化炭素を用いて1〜10MPaに上昇させる操作をおこなう請求項3記載のポリ尿素の製造方法。
  5. 二酸化炭素を流通させながら圧力を制御する請求項1または3記載のポリ尿素の製造方法。
  6. 原料として二酸化炭素を吸収させたジアミン化合物を用いる請求項1〜5いずれかに記載のポリ尿素の製造方法。
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