JP5658005B2 - ポリ尿素の製造方法 - Google Patents
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本発明は、前記問題点を解決するものであり、低圧下でジアミン化合物と二酸化炭素を反応させ、高分子量のポリ尿素を重合する方法を提供することを目的とする。
(2)重合工程の途中に、圧力を1MPa未満に降下させた後、二酸化炭素を用いて5〜10MPaに上昇させる操作をおこなう(1)記載のポリ尿素の製造方法。
(3)ジアミン化合物と二酸化炭素を原料とするポリ尿素の製造方法であって、圧力1〜10MPa、温度160〜260℃、重合時間48時間以上の条件下で、ジアミン化合物と二酸化炭素を重合させる重合工程を含み、ジアミン化合物が、炭素数が4〜18の脂肪族一級ジアミンであるポリ尿素の製造方法。
(4)重合工程の途中に、圧力を1MPa未満に降下させた後、二酸化炭素を用いて1〜10MPaに上昇させる操作をおこなう(3)記載のポリ尿素の製造方法。
(5)二酸化炭素を流通させながら圧力を制御する(1)または(3)記載のポリ尿素の製造方法。
(6)原料として二酸化炭素を吸収させたジアミン化合物を用いる(1)〜(5)いずれかに記載のポリ尿素の製造方法。
(1)ポリ尿素の同定
赤外分光測定(臭化カリウム法)により、1618cm−1(CO伸縮)及び1575cm−1(NH伸縮)の吸収スペクトルを確認し、以下の基準で判断した。
○:両方の吸収スペクトルが現れた。
×:いずれかの吸収スペクトルが現れなかった。
ポリ尿素をトリフルオロ酢酸に、溶液濃度が40質量%になるように混合した。混合して不溶物がない場合、ゲルが発生しなかったとして「○」、不溶物がある場合、ゲルが発生したとして「×」とした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いてポリメチルメタクリレート(ポリマーラボラトリーズ社製)換算の数平均分子量および重量平均分子量を測定した。
<測定条件>
屈折率計:東ソー社製RI−8010
カラム:東ソー社製TSKgel GMHHR−H 1本
溶媒:10mMトリフルオロ酢酸ナトリウム含有ヘキサフルオロイソプロパノール
流速:0.4ml/分
測定温度:40℃
パーキンエルマー社製示差走査型熱量計DSC−7を用いて測定した。サンプル量を10mgとし、10℃から20℃/分で350℃まで昇温し、5分間保持後、500℃/分で25℃まで降温し、5分間保持後、400℃まで20℃/分で昇温した。2回目の昇温時の融解温度のピークを融点とした。
日本電色工業社製SE6000 color measuring systemを用いて、重合後の反応容器内面を、C/2光源、反射にて、L値を測定し、以下の基準で評価した。
○:40以上100以下
×:0以上40未満
ジアミン化合物として1,10−デカンジアミン550g(3.2モル)、末端封鎖剤としてヘキシルアミン1.62g(0.016モル)を内容積4LのSUS316製の反応容器に入れた。続いて、反応容器内の空気を二酸化炭素で3回置換後、密閉して、内温が200℃になるように加熱し、圧力が10MPaになるように二酸化炭素(純度100%)を反応容器に流入させた。その後、反応容器の圧力を10MPaに保持して10時間攪拌重合させ、最後に、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、攪拌を停止し、一晩静置した。
ジアミン化合物として1,10−デカンジアミン550g(3.2モル)、末端封鎖剤としてヘキシルアミン1.62g(0.016モル)を内容積4LのSUS316製の反応容器に入れた。続いて、反応容器内の空気を二酸化炭素で3回置換後、密閉して、内温が200℃になるように加熱し、圧力が10MPaになるように二酸化炭素(純度100%)を反応容器に流入させた。その後、反応容器の圧力を10MPaに保持して15時間攪拌重合させた。
重合開始から5、7、9時間後の合計3回、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、水を系外に留去させ、二酸化炭素を用いて圧力を10MPaに上昇させる操作をおこなった。最後に、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、攪拌を停止し、一晩静置した。
原料および製造条件を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様におこなった。
60℃で融解した1,10−デカンジアミンに二酸化炭素をバブリングし、白色固体状になるまで流通させたものを原料として用いた以外は、実施例1と同様におこなった。
ジアミン化合物として1,10−デカンジアミン550g(3.2モル)、末端封鎖剤としてヘキシルアミン1.62g(0.016モル)を内容積4LのSUS316製の反応容器に入れた。続いて、反応容器内の空気を二酸化炭素で3回置換後、内温が200℃になるように加熱し、圧力が10MPaになるように二酸化炭素(純度100%)を流入させ、その後も、二酸化炭素を1mL/分で流通させながら、反応容器の圧力を10MPaに保持して5時間攪拌重合させた。重合後、反応容器の圧力を0.1MPaまで下げ、攪拌を停止し、一晩静置した。
製造条件を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様におこなった。
窒素置換をおこなった500mLの三口フラスコに、100mLのアセトンに溶解させた1,6−ヘキサンジアミン10.0g(86ミリモル)を入れ、氷浴下で100mLのアセトンに溶解させた1,6−ヘキサンジイソシアネート14.5g(86ミリモル)を15分かけて滴下し、25℃でマグネチックスターラーにて30分間攪拌した。析出した生成物をろ過回収後、80℃減圧乾燥した。
実施例2は、重合途中に、圧力を変化させて水を系外に留去したため、実施例1よりも高分子量のポリ尿素を得ることができた。
実施例5では、重合初期の重合熱によるジアミン化合物の揮散を低減できたため、実施例1よりも高分子量のポリ尿素を得ることができた。
実施例6は、二酸化炭素を流通させながら重合させたため、重合中、常に水分を除去することができ、実施例1よりも高分子量のポリ尿素を得ることができた。
比較例1は、重合温度が低かったため、重合反応が進行していなかった。
比較例2は、重合温度が高かったため、ポリ尿素の数平均分子量が低かった。また、反応容器内面が激しく着色した。
比較例3は、重合圧力が低かったため、重合反応が進行していなかった。
比較例4は、重合圧力が高かったため、反応容器内面が激しく着色した。
比較例5は、原料としてジイソシアネートを用いたため、ゲルが大量に発生し、得られたポリ尿素は溶融加工できるものではなかった。
Claims (6)
- ジアミン化合物と二酸化炭素を原料とするポリ尿素の製造方法であって、圧力5〜10MPa、温度160〜260℃の条件下で、ジアミン化合物と二酸化炭素を重合させる重合工程を含み、ジアミン化合物が、炭素数が4〜18の脂肪族一級ジアミンであるポリ尿素の製造方法。
- 重合工程の途中に、圧力を1MPa未満に降下させた後、二酸化炭素を用いて5〜10MPaに上昇させる操作をおこなう請求項1記載のポリ尿素の製造方法。
- ジアミン化合物と二酸化炭素を原料とするポリ尿素の製造方法であって、圧力1〜10MPa、温度160〜260℃、重合時間48時間以上の条件下で、ジアミン化合物と二酸化炭素を重合させる重合工程を含み、ジアミン化合物が、炭素数が4〜18の脂肪族一級ジアミンであるポリ尿素の製造方法。
- 重合工程の途中に、圧力を1MPa未満に降下させた後、二酸化炭素を用いて1〜10MPaに上昇させる操作をおこなう請求項3記載のポリ尿素の製造方法。
- 二酸化炭素を流通させながら圧力を制御する請求項1または3記載のポリ尿素の製造方法。
- 原料として二酸化炭素を吸収させたジアミン化合物を用いる請求項1〜5いずれかに記載のポリ尿素の製造方法。
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