JP2017081109A - 積層体およびその製造方法 - Google Patents

積層体およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017081109A
JP2017081109A JP2015214826A JP2015214826A JP2017081109A JP 2017081109 A JP2017081109 A JP 2017081109A JP 2015214826 A JP2015214826 A JP 2015214826A JP 2015214826 A JP2015214826 A JP 2015214826A JP 2017081109 A JP2017081109 A JP 2017081109A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
stealth ink
ink layer
mass
laminate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015214826A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6745052B2 (ja
Inventor
下 裕 之 山
Hiroyuki Yamashita
下 裕 之 山
昌 長谷川
Akira Hasegawa
昌 長谷川
山 泰 史 米
Yasushi Yoneyama
山 泰 史 米
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2015214826A priority Critical patent/JP6745052B2/ja
Publication of JP2017081109A publication Critical patent/JP2017081109A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6745052B2 publication Critical patent/JP6745052B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Credit Cards Or The Like (AREA)
  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】ステルスインキ層に起因する積層体表面の凹凸を認識することを困難なものにでき、偽造や改造等をより一層防止できる積層体、及びその製造方法の提供。【解決手段】被転写体11と、被転写体11上の不可視光線吸収材料を含んでなるステルスインキ層12と、被転写体11およびステルスインキ層12上の隠蔽層13と、を備えてなり、隠蔽層13の厚さが、ステルスインキ層12の厚さの4倍以上であり、隠蔽層13が、遮蔽層14を含んでいる積層体10。更に遮蔽層14の上に受容層15、又は、被転写体11のステルスイン層12の反対側の面に受容層を設け、受容層15の上に画像を形成し、その上に保護層16を設ける積層体10。【選択図】図2

Description

本発明は積層体およびその製造方法に関する。
ICカードや、カードゲーム等で使用されるカードの中には、赤外線等の不可視光線吸収性のインキを用いて、カード固有の情報が記録され、特定の装置により読み取ることのできるステルスインキ層(コードパターン)が形成された積層体が使用されている(特許文献1)。
ステルスインキ層が形成されたカードまたは積層体をそれら表面から観察すると、カード表面には画像が印刷されているにもかかわらず、ステルスインキ層に起因する凹凸が目視により観察されてしまい、従来から、カードの偽造や改造が行われるといった問題があった。
上記のような問題を解決するために、ステルスインキ層上に、隠蔽層を形成し、容易に情報が読み取られないようにすることが提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、単に隠蔽層を形成させただけでは、やはり、ステルスインキ層に起因する凹凸は観察されてしまい、コードパターンの位置および形状が認識されてしまっていた。
さらに、特許文献1において開示される積層体は、その外面の画像情報が、オフセット印刷などを用いて形成させたものであり、オンデマンドによる製造には適していなかった。
特開2004−155081号公報 特開昭58−45999号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、ステルスインキ層に起因する積層体表面の凹凸を認識することを困難なものとすることができ、偽造や改造等をより一層防止することができる積層体およびその製造方法を提供することを主たる課題とする。また、オンデマンドによる製造に適性した積層体を提供することを課題とする。
本発明による積層体は、
被転写体と、
被転写体上の不可視光線吸収材料を含んでなるステルスインキ層と、
被転写体およびステルスインキ層上の隠蔽層と、
を備えてなり、
隠蔽層の厚さが、ステルスインキ層の厚さの4倍以上であり、隠蔽層が、遮蔽層を含んでなることを特徴とする。
上記態様においては、隠蔽層が、遮蔽層上に設けられた受容層を含んでなることが好ましい。
上記態様においては、隠蔽層が、受容層上に設けられた保護層を含んでなることが好ましい。
上記態様においては、ステルスインキ層の色と、遮蔽層の色とが同系色であることが好ましい。
本発明による上記積層体の製造方法は、
被転写体を準備する工程と、
被転写体上に、不可視光線吸収材料を含んでなるステルスインキ層を形成する工程と、
被転写体およびステルスインキ層上に、隠蔽層を形成する工程と、を含んでなることを特徴とする。
上記態様においては、隠蔽層の形成工程が、被転写体およびステルスインキ層上に、遮蔽層を形成する工程を含んでなることが好ましい。
上記態様においては、隠蔽層の形成工程が、遮蔽層上に、受容層を形成する工程と、受容層上に画像を形成する工程とを含んでなることが好ましい。
上記態様においては、隠蔽層の形成工程が、画像が形成された受容層上に、保護層を形成する工程を含んでなることが好ましい。
上記態様においては、ステルスインキ層がぼかし印刷法を用いて形成されたものであることが好ましい。
本発明によれば、ステルスインキ層に起因する積層体表面の凹凸を認識することを困難なものとすることができ、偽造や改造等をより一層防止することができる。また、本発明に係る積層体は、備える各層が熱溶融転写または昇華転写により形成させることができるものであるため、オンデマンド印刷に適したものである。
一実施形態における本発明の積層体を示す図である。 一実施形態における本発明の積層体を示す図である。 一実施形態における熱転写シートの断面模式図である。
(積層体)
本発明による積層体10は、図1に示すように、
被転写体11と、
被転写体11上の不可視光線吸収材料を含んでなるステルスインキ層12と、
被転写体11およびステルスインキ層12上の隠蔽層13と、
を備えてなり、
隠蔽層13の厚さが、ステルスインキ層12の厚さの4倍以上であることを特徴とする。
一実施形態において、図2に示すように、隠蔽層13は、遮蔽層14、受容層15および保護層16を含んでなる。
以下、積層体が備える各層について詳細に説明する。
(被転写体)
一実施形態において、本発明の方法に用いられる被転写体は、天燃繊維紙、上質紙、アート紙、軽量コート紙、微塗工紙、コート紙、キャストコート紙、合成樹脂またはエマルジョン含浸紙、トレーシングペーパー、プラスチックフィルム、ガラス、金属、セラミックス、木材、布等からなるものであり、単層からなるものであっても、複数層からなるものであっても良い。
被転写体がプラスチックフィルムからなる場合、プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン等の各種プラスチックフィルムまたはシートを挙げることができる。
プラスチックフィルムは、上記した樹脂を主成分とする共重合樹脂若しくは混合体(アロイを含む)であってもよい。
また、被転写体は、その一方の面または両面に受容層を備えてなるものであってもよく、後述するように、ステルスインキ層を設ける面とは反対の面に画像を形成してもよい。
被転写体の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、3μm以上、800μmであることが好ましく、100μm以上、600μm以下であることがより好ましい。
(ステルスインキ層)
一実施形態において、ステルスインキ層は、赤外線や紫外線を用いた光学的読取装置を使用することにより、積層体固有の情報を読み取ることができるコードパターンを形成している。
ステルスインキ層は、ぼかし印刷法、例えば、ディザ法等により補正された画像を用いて溶融熱転写することが特に好ましい。これにより、ステルスインキ層の輪郭をぼかすことができ、ステルスインキ層の形状の認識をさらに困難なものとすることができ、偽造や改造等をより一層防止することができる。
ステルスインキ層は、不可視光線吸収材料を含んでなる。不可視光線吸収材料としては、例えば、赤外線吸収材料や紫外線吸収材料を挙げることができる。
本明細書において、赤外線とは、極大吸収波長(λmax)領域が、700〜1000nmであるものをいう。また、紫外線とは、極大吸収波長(λmax)領域が、280〜400nmであるものをいう。
ステルスインキ層における不可視光線吸収材料の含有量は、1質量%以上、60質量%以下であることが好ましく、5質量%以上、40質量%以下であることがより好ましい。不可視光線吸収材料の含有量を上記数値範囲とすることにより、ステルスインキ層を熱溶融転写する際のコードパターンの転写性と積層体固有の情報の読取を両立することができる。
赤外線吸収材料としては、例えば、ジイモニウム系化合物、アミニウム系化合物、フタロシアニン系化合物、ジチオール系有機金属錯体、シアニン系化合物、アゾ系化合物、ポリメチン系化合物、キノン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、オキソール系化合物やカーボンブラック等が挙げられ、ステルスインキ層は、上記のような赤外線吸収材料を1種または2種以上含んでいてもよい。
紫外線吸収材料としては、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾエート系化合物等の有機系紫外線吸収材料や、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、硫酸バリウム等の無機系紫外線吸収材料が挙げられ、ステルスインキ層は、上記のような紫外線吸収材料を1種または2種以上含んでいてもよい。
ステルスインキ層は、バインダー樹脂を含んでなることができる。バインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリイミド系樹脂、フェノール系樹脂およびポリウレタン系樹脂等の公知の樹脂、並びにこれらの共重合体を挙げることができる。
ステルスインキ層におけるバインダー樹脂の含有量は、40質量%以上、99質量%以下であることが好ましく、60質量%以上、95質量%以下であることがより好ましい。
ステルスインキ層の厚さは、0.1μm以上、5μm以下であることが好ましく、0.3μm以上、2μm以下であることがより好ましい。
(隠蔽層)
隠蔽層は、被転写体およびステルスインキ層上に形成される層であり、ステルスインキ層の4倍以上の厚さを有する層である。
隠蔽層の厚さと、ステルスインキ層の厚さとの関係を上記のようにすることにより、ステルスインキ層に起因する積層体表面の凹凸を認識することを困難なものとすることができる。
したがって、ステルスインキ層により形成されるコードパターンの位置や形状の認識を困難なものとすることができ、偽造や改造等をより一層防止することができる。より好ましくは隠蔽層の厚さは、ステルスインキ層の厚さの4.5倍以上であり、さらに好ましくは5倍以上である。また箔切れの問題が無く、良好な熱性転写を行う観点から、隠蔽層の厚さは、ステルスインキ層の厚さの100倍以下であることが好ましい。
隠蔽層は、単層からなる層であっても、多層からなる層であってもよい。
一実施形態において、隠蔽層は、後述する遮蔽層を含んでなる。
また、一実施形態において、隠蔽層は、遮蔽層および受容層をこの順に含んでなる。
また、一実施形態において、隠蔽層は、遮蔽層、受容層および保護層をこの順に含んでなる。
さらに、隠蔽層は、遮蔽層と受容層との間および/または受容層と保護層との間にプライマー層を含んでいても良い。
さらに、隠蔽層は、剥離層を含んでいても良い。
(遮蔽層)
本発明による積層体が備える隠蔽層は、遮蔽層を含んでなることができる。
この遮蔽層は、不可視光線非吸収性であることが好ましい。
また、遮蔽層の色は、ステルスインキ層の色と同系色であることが好ましい。これにより、ステルスインキ層により形成されるコードパターンの位置や形状の認識を困難なものとすることができ、偽造や改造等をより一層防止することができる。
なお、本明細書において、同系色とは、色相、明度、彩度および光沢度の全てあるいはいずれかにおいて同一または類似である色のことを意味する。例えば、銀色と灰色とは同系色である。
より具体的には、遮蔽層と、ステルスインキ層との色差(ΔE*ab)は、5以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましく、1以下であることがさらに好ましい。
色差(ΔE*ab)は、例えば、分光測定器(グレタグマクベス社製、商品名:spectrolino)を使用することにより測色し、国際証明委員会のL*a*b*表色系における数値で定義するものである。なお、ΔE*ab=((ΔL*)+(Δa*)+(Δb*)1/2で表される値であり、値が大きいほど目視したときの色の違いが著しい。なお、(ΔL*)、(Δa*)、(Δb*)は、ステルスインキ層と、遮蔽層とのL*、a*およびb*の値の差である。
遮蔽層は、着色剤を含んでなることができる。着色剤としては特に限定は無く、白色、銀色、黒色、シアン、マゼンダ、イエロー等の顔料や染料、金属粉を使用することができる。
また、遮蔽層は、本発明の目的を損なわない範囲において、不可視光線吸収性の着色剤を含んでなることができる。例えば、ステルスインキ層が不可視光線吸収材料として、赤外線吸収材料を含んでなる場合、遮蔽層は、紫外線吸収性の着色剤を含んでいてもよい。
遮蔽層における着色剤の含有量は、後述する遮蔽層のバインダー樹脂の固形総量に対して2質量部以上、500質量部以下であることが好ましく、5質量部以上、450質量部以下であることがより好ましい。
遮蔽層は、ステルスインキ層に含まれるバインダー樹脂と同様の樹脂を含んでなることができる。
遮蔽層におけるバインダー樹脂の含有量は、隠蔽層の固形総量のうち15質量%以上、99質量%以下であることが好ましく、18質量%以上、96質量%以下であることがより好ましい。
遮蔽層の厚さは、厚さは、0.05μm以上、5μm以下であることが好ましく、0.2μm以上、3μm以下であることがより好ましい。
(受容層)
本発明による積層体が備える隠蔽層は、受容層を含んでなることができる。
受容層は、不可視光線非吸収性であることが好ましい。
受容層を形成するための材料としては、昇華性染料または熱溶融性インキ等の熱移行性の色材を受容し易い従来公知の樹脂材料を使用することができる。例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルもしくはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、PETもしくはPBT等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンもしくはプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体系樹脂、アイオノマーもしくはセルロースジアスターゼ等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等が挙げられ、これらの中でも、塩化ビニル−酢酸ビニル系重合体、またはポリ塩化ビニル樹脂が好ましく、塩化ビニル−酢酸ビニル系重合体が特に好ましい。
受容層の厚さは、0.2μm以上、10μm以下であることが好ましく、0.5μm以上、5μm以下であることがより好ましい。
(保護層)
本発明による積層体が備える隠蔽層は、保護層を含んでなることができる。
保護層は、不可視光線非吸収性であることが好ましい。
保護層を形成するための材料としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、これら樹脂をシリコーン変性させた樹脂、活性光線硬化樹脂等を挙げることができる。
なお、本明細書において、活性光線硬化性樹脂とは活性光線を照射する前の前駆体または組成物を意味し、活性光線線を照射して活性光線硬化性樹脂を硬化させたものを活性光線硬化樹脂というものとする。
保護層の厚さは、0.2μm以上、10μm以下であることが好ましく、0.3μm以上、5μm以下であることがより好ましい。
(プライマー層)
本発明による積層体が備える隠蔽層は、受容層を含んでなることができる。
プライマー層は、不可視光線非吸収性であることが好ましい。
プライマー層は、ステルスインキ層に含まれるバインダー樹脂と同様の樹脂を含んでなることができる。
また、プライマー層は、無機微粒子を含んでもよく、例えば、シリカ(コロダイルシリカ)、アルミナまたはアルミナ水和物(アルミナゾル、コロダイルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物またはその水和物)、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等が挙げられる。
無機微粒子の平均粒子径は、0.01μm以上、5μm以下であることが好ましい。無機微粒子の平均粒子径は、0.01μm以上、3μm以下であることがより好ましい。なお、「平均粒子径」とは、体積平均粒子径を意味し、粒度分布・粒径分布測定装置(例えば、ナノトラック粒度分布測定装置、日機装株式会社製等)を用いて公知の方法により測定することができる。
プライマー層の厚さは、0.02μm以上、6μm以下であることが好ましく、0.04μm以上、4μm以下であることがより好ましい。
(剥離層)
本発明による積層体が備える隠蔽層は、剥離層を含んでなることができる。
本明細書において、剥離層とは熱転写の際、ステルスインキ層等と共に被転写体上へ転写される層のことを指す。
剥離層は、不可視光線非吸収性であることが好ましい。
剥離層は、バインダー樹脂および離型性材料を含んでなることができる。
バインダー樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等が挙げられる。
離型性材料としては、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン系樹脂、メラミン樹脂、タルク、シリカ、界面活性剤等が挙げられる。
剥離層の厚さは、0.2μm以上、10μm以下であることが好ましく、0.4μm以上、5μm以下であることがより好ましい。
(積層体の製造方法)
本発明による積層体の製造方法は、
被転写体を準備する工程と、
被転写体上に、不可視光線吸収材料を含むステルスインキ層を形成する工程と、
被転写体およびステルスインキ層上に、隠蔽層を熱転写する工程と、を含んでなる。
以下、上記各工程について詳細に説明する。
(被転写体を準備する工程)
積層体の製造に使用する被転写体は上記した通りである。
(ステルスインキ層の形成工程)
ステルスインキ層は、熱転写シート上のステルスインキ層を積層体が備える被転写体上に溶融熱転写することにより、形成することができる。
(隠蔽層の形成工程)
隠蔽層は熱転写シート上の隠蔽層を積層体が備える被転写体およびステルスインキ層上に溶融熱転写することにより、形成することができる。
一実施形態において、隠蔽層の形成工程は、被転写体およびステルスインキ層上に遮蔽層を形成する工程を含んでなる。
また、一実施形態において、隠蔽層の形成工程は、遮蔽層上に受容層を形成する工程を含んでなる。
また、一実施形態において、受容層上に画像を形成する工程を含んでなる。
また、一実施形態において、画像を形成した受容層上に保護層を形成する工程を含んでなる。
また、一実施形態において、隠蔽層の形成工程は、遮蔽層と受容層との間または受容層と保護層との間にプライマー層を形成する工程を含んでいても良い。
また、一実施形態において、隠蔽層の形成工程は、剥離層を形成する工程を含んでいても良い。
遮蔽層、受容層、保護層およびプライマー層の形成は、熱転写シート上の受容層を積層体が備える隠蔽層上に熱転写、好ましくは、溶融熱転写することにより、形成することができる。
受容層上への画像の形成は、熱転写シート上の染料層を積層体が備える受容層上に昇華熱転写することにより行うことができる。なお、本明細書において、画像には、絵柄だけではなく、文字等も含まれる。
また、一実施形態において、画像を形成した受容層上に金銀の箔を押したり、ホログラムを付けたり等の加工処理を施してもよい。
また、一実施形態において、被転写体のステルスインキ層等を形成させた面とは反対の面に画像を形成させてもよい。
剥離層の形成は、熱転写シート上のステルスインキ層等を溶融熱転写する際に、このステルスインキ層等とともに熱溶融転写することにより形成することができる。
(熱転写シート)
一実施形態において、上記した積層体が備えるステルスインキ層等の形成は、熱転写シートを用いて行われる。
熱転写シート20は、図3に示すように、基材21と、ステルスインキ層12と、遮蔽層14とを面順次に備えてなる。また、基材21と遮蔽層14との間に受容層15を備えていてもよい。
また、染料層22や保護層16をステルスインキ層12等と面順次に備えていてもよい。
さらに、プライマー層23や剥離層24を任意の層間に備えていてもよい。
また、ステルスインキ層等を形成した側とは反対の面に背面層25を備えていてもよい。
以下、熱転写シートを構成する各層について説明する。
(基材)
基材としては、ステルスインキ層等を積層体の被転写体へ転写する際の熱エネルギー(例えば、サーマルヘッドの熱)に耐え得る耐熱性を有し、ステルスインキ層等を支持できる機械的強度や耐溶剤性を有しているものであれば、特に制限なく使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン等の各種プラスチックフィルムまたはシートを挙げることができる。
基材は、上記した樹脂を主成分とする共重合樹脂若しくは混合体(アロイを含む)、または複数層からなる積層体であっても良い。また、基材は、延伸フィルムであっても、未延伸フィルムであってもよいが、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸されたフィルムを使用することが好ましい。
基材は、厚みが2.5μm以上、50μm以下であることが好ましい。基材の厚さを上記数値範囲とすることにより、機械的強度を維持しつつ、ステルスインキ層等の転写性を向上させることができる。
基材には、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー(アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)塗布処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、帯電防止層付与等の易接着処理を行ってもよい。また、基材には、必要に応じて、充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤等の添加剤を加えても良い。
(ステルスインキ層)
熱転写シートは、基材上にステルスインキ層を備えてなる。ステルスインキ層に含まれる材料等については上記した通りである。
ステルスインキ層は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤等を加え、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて塗工液を調製し、これを基材等の上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。
(遮蔽層)
熱転写シートは、基材上に遮蔽層を備えてなることができる。遮蔽層に含まれる材料等については上記した通りである。
遮蔽層は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤等を加え、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて塗工液を調製し、これをステルスインキ層等の上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。
また、乾燥時の塗布量は、0.2μm以上、15μm以下であることが好ましく、0.5μm以上、10μm以下であることがより好ましい。
(受容層)
熱転写シートは、基材と遮蔽層との間に受容層を備えていてもよい。また、これに限られず、熱転写シートは、遮蔽層等と面順次となるように受容層を備えていてもよい。また、受容層に含まれる材料等については上記した通りである。
受容層は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤等を加え、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて塗工液を調製し、これを遮蔽層等の上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。
(染料層)
熱転写シートは、ステルスインキ層等と面順次となるように染料層を備えていてもよい。
染料層は昇華型の染料を含んでなることが好ましく、例えば、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、チアゾール系染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、メチン系染料、インドアニリン系染料、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料、キサンテン系染料、オキサジン系染料、ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料、チアジン系染料、アジン系染料、アクリジン系染料、ベンゼンアゾ系染料、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料、スピロピラン系染料、インドリノスピロピラン系染料、フルオラン系染料、ローダミンラクタム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料等が挙げられ、より具体的には、MSRedG(三井東圧化学社製)、Macrolex Red Violet R(バイエル社製)、CeresRed 7B(バイエル社製)、Samaron Red F3BS(三菱化学社製)等の赤色染料、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント社製)、PTY−52(三菱化成社製)、マクロレックスイエロー6G(バイエル社製)等の黄色染料、カヤセットブルー714(日本化薬社製)、ワクソリンブルーAP−FW(ICI社製)、ホロンブリリアントブルーS−R(サンド社製)、MSブルー100(三井東圧化学社製)、C.I.ソルベントブルー22等の青色染料を使用することができる。
染料層における染料の含有量は、後述するバインダー樹脂の固形分総量100質量部に対し、50質量部以上、350質量部の範囲内であることが好ましく、80質量部以上、300質量部の範囲内であることがより好ましい。昇華性染料の含有量が、上記範囲未満であると印画濃度が低下する傾向にあり、上記範囲を超えると保存性等が低下する傾向にある。
染料層は、上記染料を担持するためのバインダー樹脂を含んでなることが好ましく、例えば、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂等が挙げられる。
染料層におけるバインダー樹脂の含有量は、20質量%以上、80質量%以下であることが好ましい。
染料層は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤等を加え、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて塗工液を調製し、これを基材等の上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。
熱転写シートは、ステルスインキ層等と面順次となるように保護層を備えていてもよい。保護層に含まれる材料等については上記した通りである。
(保護層)
保護層は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤等を加え、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて塗工液を調製し、これを隠蔽層等の上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。また、保護層が活性光線硬化性樹脂を含んでなる場合は、塗工液と塗布した後、活性光線を照射することが好ましい。
(プライマー層)
熱転写シートは、基材と染料層との間等任意の層間に備えてもよく、色材層等の最表面に備えてもよい。プライマー層に含まれる材料等については上記した通りである。
プライマー層は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤等を加え、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて塗工液を調製し、これを基材等の上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。
(剥離層)
熱転写シートは、基材と任意の層との間に剥離層を備えていてもよい。熱溶融転写シートが剥離層を備えてなることにより、熱転写シートから被転写体へ転写される各層の基材から剥離性を向上させることができる。また、剥離層は転写後、被転写体の最表層に位置することになる。
剥離層は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤等を加え、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて塗工液を調製し、これを隠蔽層上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。
(背面層)
熱転写シートは、ステルスインキ層等を形成した面とは反対の面(裏面)に背面層を備えていてもよい。背面層は、熱転写する際の基材の裏面側からサーマルヘッド等によって加熱される際に熱融着、スティキングやシワ等の悪影響を防止するために、所望により設けられる層である。
背面層の材料について限定はなく、例えば、エチルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン変性又はフッ素変性ウレタン等の天然又は合成樹脂の単体又は混合物等を挙げることができる。
また、背面層は、滑り剤を含んでなることが好ましく、例えば、金属石鹸、ワックス、シリコーンオイル、脂肪酸エステル、フィラー、タルク、界面活性剤等が挙げられる。
背面層は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤等を加え、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて塗工液を調製し、これを基材上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<熱転写シートの作製>
基材として厚さ4.5μmPETフィルムを用い、この上に、下記組成の背面層用塗工液を乾燥時の塗工量が、1.0μmになるように塗工し、乾燥し、背面層を形成させた。
(背面層用塗工液)
・ポリビニルブチラール樹脂 1.8質量部
(積水化学工業(株)製、エスレックBX−1)
・ポリイソシアネート 5.5質量部
(DIC(株)製、バーノックD750)
・リン酸エステル系界面活性剤 1.6質量部
(第一工業製薬(株)製、プライサーフA208N)
・タルク 0.35質量部
(日本タルク工業(株)製、ミクロエースP−3)
・トルエン 18.5質量部
・メチルエチルケトン 18.5質量部
上記基材の背面層を設けた側とは反対の面の一部に、下記組成のステルスインキ層用塗工液を乾燥時の塗工量が、0.4μmになるように塗工し、乾燥し、ステルスインキ層を形成させた。
(ステルスインキ層用塗工液)
・アクリル樹脂 8.5質量部
(三菱レイヨン(株)製、ダイヤナールBR−87)
・ジイモニウム塩 1.5質量部
(日本カーリット(株)製、CIR−RL)
・トルエン 45質量部
・メチルエチルケトン 45質量部
上記基材の背面層を設けた側とは反対の面の一部に、上記のようにして形成させたステルスインキ層と面順次となるように、下記組成の受容層用塗工液を乾燥時の塗工量が、0.8μmになるように塗工し、乾燥し、受容層を形成させた。
(受容層用塗工液)
・塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体樹脂 15.8質量部
(日信化学工業(株)製、ソルバインCNL)
・塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体樹脂 1.0質量部
(日信化学工業(株)製、ソルバインC)
・有機変性シリコーンオイル 1.2質量部
(信越化学工業(株)製、X−22−3000T)
・有機変性シリコーンオイル 1.2質量部
(信越化学工業(株)製、X−24−510)
・有機変性シリコーンオイル 0.8質量部
(信越化学工業(株)製、KF−352A)
・メチルエチルケトン 40質量部
・トルエン 40質量部
上記のようにして形成させた受容層上に、下記組成のプライマー層用塗工液を乾燥時の塗工量が、0.1μmになるように塗工し、乾燥し、プライマー層Aを形成させた。
(プライマー層用塗工液)
・アルミナゾル 2.5質量部
(日産化学工業(株)製、アルミナゾル200)
・ポリビニルピロリドン樹脂 2.5質量部
(ISPジャパン(株)製、PVP K−60)
・水 47.5質量部
・イソプロピルアルコール 47.5質量部
上記のようにして形成させたプライマー層上に、下記組成の遮蔽層用塗工液1を乾燥時の塗工量が、1.4μmになるように塗工し、乾燥し、遮蔽層を形成させた。
(遮蔽層用塗工液1)
・アクリル樹脂 8質量部
・塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体 2質量部
・酸化チタン 30質量部
・トルエン 30質量部
・メチルエチルケトン 30質量部
上記のようにして形成させた受容層と面順次となるように、上記組成のプライマー層用塗工液を乾燥時の塗工量が、0.1μmになるように塗工し、乾燥し、プライマー層Bを形成させた。このプライマー層B上へ、下記組成のイエロー染料層用塗工液(Y)、マゼンタ染料層用塗工液(M)、およびシアン染料層用塗工液(C)を、グラビア印刷機により、各層の乾燥時塗工量が0.7μmになるように塗工、乾燥して、この順に面順次に繰返して染料層を形成させた。
(イエロー染料層用塗工液(Y))
・ソルベントイエロー93 2質量部
・ディスパースイエロー201 5質量部
・ポリビニルアセタール樹脂 5質量部
(積水化学工業(株)製、KS−5)
・トルエン 50質量部
・メチルエチルケトン 50質量部
(マゼンタ染料層用塗工液(M))
・ディスパースレッド60 3質量部
・ディスパースバイオレット26 4質量部
・ポリビニルアセタール樹脂 5質量部
(積水化学工業(株)製、KS−5)
・トルエン 50質量部
・メチルエチルケトン 50質量部
(シアン染料層用塗工液(C)
・ソルベントブルー63 4質量部
・ディスパースブルー354 4質量部
・ポリビニルアセタール樹脂 5質量部
(積水化学工業(株)製、KS−5)
・トルエン 50質量部
・メチルエチルケトン 50質量部
上記のようにして形成させたプライマー層と面順次となるように、下記組成の剥離層用塗工液を乾燥時の塗工量が、0.8μmになるように塗工し、乾燥し、剥離層を形成させた。この剥離層上に上記組成のプライマー層塗工液を乾燥時の塗工量が、0.1μmになるように塗工し、乾燥し、プライマー層Cを形成させた。このプライマー層C上に下記組成の保護層用塗工液を乾燥時の塗工量が、0.8μmになるように塗工し、乾燥し、保護層を形成させ、図3に示すような熱転写シートを得た。
(剥離層用塗工液)
・アクリル樹脂 20質量部
(三菱レイヨン(株)製、ダイヤナールBR−87)
・メチルエチルケトン 40質量部
・トルエン 40質量部
(保護層用塗工液)
・ポリエステル樹脂 24質量部
(東洋紡績(株)製、バイロン700)
・紫外線吸収剤 6質量部
・トルエン 35質量部
・メチルエチルケトン 35質量部
<積層体の形成>
被転写体として、昇華型転写プリンター(株式会社DNPフォトルシオ製 DS−40)の純正ペーパーを準備した。
上記のようにして作製した熱転写シートが備えるステルスインキ層を下記テストプリンターを用いて、被転写体上へ、コードパターンを形成するように熱溶融転写した。被転写体上のステルスインキ層の厚さは、0.4μmであった。
(テストプリンター)
サーマルヘッド:KEE−57−12GAN2−STA(京セラ(株)製)
発熱体平均抵抗値:3303(Ω)
主走査方向印字密度:300dpi
副走査方向印字密度:300dpi
印画電圧:18(V)
1ライン周期:1.5(msec.)
印字開始温度:35(℃)
パルスDuty比:85%
熱転写シートが備える遮蔽層、プライマー層Aおよび受容層を、上記テストプリンターを用いて、被転写体およびステルスインキ層上へ、同時に熱溶融転写した。遮蔽層の厚さは、1.4μm、プライマー層Aの厚さは、0.1μm、受容層の厚さは、0.8μmであった。
上記テストプリンターを用いて、熱転写シートが備える染料層から、染料を受容層上へ移行させ、画像を形成させた。
画像を形成させた受容層上へ、熱転写シートが備える保護層、プライマー層Cおよび剥離層Bを熱溶融転写し、積層体を得た。保護層の厚さは、0.8μm、プライマー層Cの厚さは、0.1μm、剥離層Aの厚さは、0.8μmであった。
遮蔽層、プライマー層A、受容層、保護層、プライマー層C、剥離層Aの厚さの合計(隠蔽層の厚さ)は、4.0μmであり、ステルスインキ層の厚さの10倍であった。
(実施例2)
隠蔽層の厚さが、ステルスインキ層の厚さの5倍となるよう、遮蔽層用塗工液1の塗布量、プライマー層用塗工液および受容層塗工液の塗布量を変更した以外は、実施例1と同様にして、積層体を作製した。
(実施例3)
遮蔽層用塗工液1を下記組成へ変更した以外は、実施例1と同様にして、隠蔽層の厚さがステルスインキ層の厚さの10倍となるように積層体を作製した。
(遮蔽層用塗工液2)
・アクリル樹脂 8質量部
・塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体 2質量部
・昇華染料(ステルスインキ層と同色) 0.2質量部
・トルエン 45質量部
・メチルエチルケトン 45質量部
(実施例4)
隠蔽層の厚さが、ステルスインキ層の厚さの5倍となるよう、遮蔽層用塗工液2の塗布量、プライマー層用塗工液および受容層塗工液の塗布量を変更した以外は、実施例3と同様にして、積層体を作製した。
(比較例1)
隠蔽層の厚さが、ステルスインキ層の厚さの3倍となるよう、遮蔽層用塗工液1の塗布量、プライマー層用塗工液および受容層塗工液の塗布量を変更した以外は、実施例1と同様にして、積層体を作製した。
(比較例2)
隠蔽層の厚さが、ステルスインキ層の厚さの3倍となるよう、遮蔽層用塗工液2の塗布量、プライマー層用塗工液および受容層塗工液の塗布量を変更した以外は、実施例2と同様にして、積層体を作製した。
<目視認識試験>
実施例および比較例において作製した積層体を目視により観察し、ステルスインキ層の位置およびステルスインキ層が形成するコードパターンを認識することができるかを、下記評価基準に従い、評価した。評価結果を表1に表す。
(評価基準)
A:予めステルスインキ層の位置を知っている人が見ても、その位置、形状を認識することができなかった。
B:予めステルスインキ層の位置を知っている人が見ると、その位置、形状を認識することができたが、知らない人が見た場合、その位置、形状を認識できなかった。
C:予めステルスインキ層の位置、形状を知らない人が見ても、その位置、形状を認識することができた。
Figure 2017081109
10:積層体
11:被転写体
12:ステルスインキ層
13:隠蔽層
14:遮蔽層
15:受容層
16:保護層
20:熱転写シート
21:基材
22:染料層
23:プライマー層
24:剥離層
25:背面層

Claims (8)

  1. 被転写体と、
    前記被転写体上の不可視光線吸収材料を含んでなるステルスインキ層と、
    前記被転写体および前記ステルスインキ層上の隠蔽層と、
    を備えてなり、
    前記隠蔽層の厚さが、前記ステルスインキ層の厚さの4倍以上であることを特徴とする、積層体。
  2. 前記隠蔽層が、前記遮蔽層上に設けられた受容層を含んでなる、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記隠蔽層が、前記受容層上に設けられた保護層を含んでなる、請求項1または2に記載の積層体。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体の製造方法であって、
    被転写体を準備する工程と、
    前記被転写体上に、不可視光線吸収材料を含んでなるステルスインキ層を形成する工程と、
    前記被転写体および前記ステルスインキ層上に、隠蔽層を形成する工程と、を含んでなることを特徴とする、積層体の製造方法。
  5. 前記隠蔽層の形成工程が、前記被転写体および前記ステルスインキ層上に、遮蔽層を形成する工程を含んでなる、請求項4に記載の方法。
  6. 前記隠蔽層の形成工程が、前記遮蔽層上に、受容層を形成する工程と、前記受容層上に画像を形成する工程とを含んでなる、請求項5に記載の方法。
  7. 前記隠蔽層の形成工程が、前記画像が形成された受容層上に、保護層を形成する工程を含んでなる、請求項6に記載の方法。
  8. 前記ステルスインキ層がぼかし印刷法を用いて形成されたものである、請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。
JP2015214826A 2015-10-30 2015-10-30 積層体およびその製造方法 Active JP6745052B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015214826A JP6745052B2 (ja) 2015-10-30 2015-10-30 積層体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015214826A JP6745052B2 (ja) 2015-10-30 2015-10-30 積層体およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017081109A true JP2017081109A (ja) 2017-05-18
JP6745052B2 JP6745052B2 (ja) 2020-08-26

Family

ID=58710380

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015214826A Active JP6745052B2 (ja) 2015-10-30 2015-10-30 積層体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6745052B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7486020B2 (ja) 2020-03-26 2024-05-17 大日本印刷株式会社 記録媒体と転写シートの組合せ、及び印画物の製造方法

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05193291A (ja) * 1992-01-16 1993-08-03 Hitachi Maxell Ltd 赤外光吸収マ−ク印刷物
JPH0625948U (ja) * 1992-08-25 1994-04-08 共同印刷株式会社 赤外線バーコードを有する情報記録媒体
JPH0899490A (ja) * 1994-09-30 1996-04-16 Toppan Printing Co Ltd 画像表示体及びその画像形成に用いる熱転写シート並びに画像表示体の製造方法
JPH10264565A (ja) * 1997-03-24 1998-10-06 Toppan Printing Co Ltd スクラッチカード
JP2000168243A (ja) * 1998-09-30 2000-06-20 Dainippon Printing Co Ltd 蛍光潜像転写方法及びセキュリティパタ―ン形成体
JP2000177282A (ja) * 1998-12-14 2000-06-27 Dainippon Printing Co Ltd 印刷物及びその製造方法
JP2002264592A (ja) * 2001-03-13 2002-09-18 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写シートと被転写体の使用方法及びそれに使用される熱転写シート
JP2011104942A (ja) * 2009-11-20 2011-06-02 Toppan Printing Co Ltd 積層表示体
JP2013001077A (ja) * 2011-06-21 2013-01-07 Kobayashi Create Co Ltd 光学読取帳票

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05193291A (ja) * 1992-01-16 1993-08-03 Hitachi Maxell Ltd 赤外光吸収マ−ク印刷物
JPH0625948U (ja) * 1992-08-25 1994-04-08 共同印刷株式会社 赤外線バーコードを有する情報記録媒体
JPH0899490A (ja) * 1994-09-30 1996-04-16 Toppan Printing Co Ltd 画像表示体及びその画像形成に用いる熱転写シート並びに画像表示体の製造方法
JPH10264565A (ja) * 1997-03-24 1998-10-06 Toppan Printing Co Ltd スクラッチカード
JP2000168243A (ja) * 1998-09-30 2000-06-20 Dainippon Printing Co Ltd 蛍光潜像転写方法及びセキュリティパタ―ン形成体
JP2000177282A (ja) * 1998-12-14 2000-06-27 Dainippon Printing Co Ltd 印刷物及びその製造方法
JP2002264592A (ja) * 2001-03-13 2002-09-18 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写シートと被転写体の使用方法及びそれに使用される熱転写シート
JP2011104942A (ja) * 2009-11-20 2011-06-02 Toppan Printing Co Ltd 積層表示体
JP2013001077A (ja) * 2011-06-21 2013-01-07 Kobayashi Create Co Ltd 光学読取帳票

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7486020B2 (ja) 2020-03-26 2024-05-17 大日本印刷株式会社 記録媒体と転写シートの組合せ、及び印画物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6745052B2 (ja) 2020-08-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6304463B2 (ja) 印画物の形成方法、熱転写シート、及び熱転写シートと中間転写媒体との組合せ
JP6745064B2 (ja) 転写シート
JP6384519B2 (ja) 熱転写シート
WO2014157680A1 (ja) 熱転写シート、色材層用塗工液、熱転写シートの製造方法、及び画像形成方法
JP6365800B2 (ja) 熱転写シートと被転写体との組合せ、及び印画物の形成方法、並びに熱転写シート
JP6075491B2 (ja) 熱転写シート、熱転写受像シート、印画物の形成方法、及び印画物
WO2021182333A1 (ja) 熱転写シート及び印画物
JP6745052B2 (ja) 積層体およびその製造方法
JP7124978B2 (ja) 熱転写シート、変消色印画物、及び変消色印画物の製造方法
JP6705259B2 (ja) 熱転写シート
JP6828848B2 (ja) 熱転写シート、中間転写媒体と熱転写シートの組合せ、及び印画物の製造方法
JP6631165B2 (ja) 積層体の製造方法
JP7380283B2 (ja) 熱転写シート
JP2017177543A (ja) 積層体およびその製造方法、ならびに熱転写シート
US10449794B2 (en) Method for forming image and protective layer and apparatus therefor
JP2017081142A (ja) 画像印刷制御システム
WO2016167352A1 (ja) 熱転写シート
JP6924428B1 (ja) 熱転写シートと中間転写媒体との組合せ、及び該組合せを用いた印画物の製造方法
JP2019064153A (ja) 熱転写シート、及び印画物の製造方法
JP2023087443A (ja) 熱転写受像シート及び印画物
JP2015044292A (ja) 印画物の製造方法
JP2019064154A (ja) 熱転写シート、及び印画物の製造方法
JP2019064146A (ja) 熱転写シート、印画物の製造方法、及び熱転写シートと保護フィルムとの組合せ
JPH04197790A (ja) 複合熱転写シート
JPH07257053A (ja) 熱転写シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180827

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190522

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190614

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190719

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200703

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200716

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6745052

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150