JP2017081109A - 積層体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
被転写体と、
被転写体上の不可視光線吸収材料を含んでなるステルスインキ層と、
被転写体およびステルスインキ層上の隠蔽層と、
を備えてなり、
隠蔽層の厚さが、ステルスインキ層の厚さの4倍以上であり、隠蔽層が、遮蔽層を含んでなることを特徴とする。
被転写体を準備する工程と、
被転写体上に、不可視光線吸収材料を含んでなるステルスインキ層を形成する工程と、
被転写体およびステルスインキ層上に、隠蔽層を形成する工程と、を含んでなることを特徴とする。
本発明による積層体10は、図1に示すように、
被転写体11と、
被転写体11上の不可視光線吸収材料を含んでなるステルスインキ層12と、
被転写体11およびステルスインキ層12上の隠蔽層13と、
を備えてなり、
隠蔽層13の厚さが、ステルスインキ層12の厚さの4倍以上であることを特徴とする。
一実施形態において、本発明の方法に用いられる被転写体は、天燃繊維紙、上質紙、アート紙、軽量コート紙、微塗工紙、コート紙、キャストコート紙、合成樹脂またはエマルジョン含浸紙、トレーシングペーパー、プラスチックフィルム、ガラス、金属、セラミックス、木材、布等からなるものであり、単層からなるものであっても、複数層からなるものであっても良い。
プラスチックフィルムは、上記した樹脂を主成分とする共重合樹脂若しくは混合体(アロイを含む)であってもよい。
一実施形態において、ステルスインキ層は、赤外線や紫外線を用いた光学的読取装置を使用することにより、積層体固有の情報を読み取ることができるコードパターンを形成している。
ステルスインキ層は、ぼかし印刷法、例えば、ディザ法等により補正された画像を用いて溶融熱転写することが特に好ましい。これにより、ステルスインキ層の輪郭をぼかすことができ、ステルスインキ層の形状の認識をさらに困難なものとすることができ、偽造や改造等をより一層防止することができる。
本明細書において、赤外線とは、極大吸収波長(λmax)領域が、700〜1000nmであるものをいう。また、紫外線とは、極大吸収波長(λmax)領域が、280〜400nmであるものをいう。
ステルスインキ層におけるバインダー樹脂の含有量は、40質量%以上、99質量%以下であることが好ましく、60質量%以上、95質量%以下であることがより好ましい。
隠蔽層は、被転写体およびステルスインキ層上に形成される層であり、ステルスインキ層の4倍以上の厚さを有する層である。
隠蔽層の厚さと、ステルスインキ層の厚さとの関係を上記のようにすることにより、ステルスインキ層に起因する積層体表面の凹凸を認識することを困難なものとすることができる。
したがって、ステルスインキ層により形成されるコードパターンの位置や形状の認識を困難なものとすることができ、偽造や改造等をより一層防止することができる。より好ましくは隠蔽層の厚さは、ステルスインキ層の厚さの4.5倍以上であり、さらに好ましくは5倍以上である。また箔切れの問題が無く、良好な熱性転写を行う観点から、隠蔽層の厚さは、ステルスインキ層の厚さの100倍以下であることが好ましい。
一実施形態において、隠蔽層は、後述する遮蔽層を含んでなる。
また、一実施形態において、隠蔽層は、遮蔽層および受容層をこの順に含んでなる。
また、一実施形態において、隠蔽層は、遮蔽層、受容層および保護層をこの順に含んでなる。
さらに、隠蔽層は、遮蔽層と受容層との間および/または受容層と保護層との間にプライマー層を含んでいても良い。
さらに、隠蔽層は、剥離層を含んでいても良い。
本発明による積層体が備える隠蔽層は、遮蔽層を含んでなることができる。
この遮蔽層は、不可視光線非吸収性であることが好ましい。
また、遮蔽層の色は、ステルスインキ層の色と同系色であることが好ましい。これにより、ステルスインキ層により形成されるコードパターンの位置や形状の認識を困難なものとすることができ、偽造や改造等をより一層防止することができる。
なお、本明細書において、同系色とは、色相、明度、彩度および光沢度の全てあるいはいずれかにおいて同一または類似である色のことを意味する。例えば、銀色と灰色とは同系色である。
より具体的には、遮蔽層と、ステルスインキ層との色差(ΔE*ab)は、5以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましく、1以下であることがさらに好ましい。
色差(ΔE*ab)は、例えば、分光測定器(グレタグマクベス社製、商品名:spectrolino)を使用することにより測色し、国際証明委員会のL*a*b*表色系における数値で定義するものである。なお、ΔE*ab=((ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2)1/2で表される値であり、値が大きいほど目視したときの色の違いが著しい。なお、(ΔL*)、(Δa*)、(Δb*)は、ステルスインキ層と、遮蔽層とのL*、a*およびb*の値の差である。
また、遮蔽層は、本発明の目的を損なわない範囲において、不可視光線吸収性の着色剤を含んでなることができる。例えば、ステルスインキ層が不可視光線吸収材料として、赤外線吸収材料を含んでなる場合、遮蔽層は、紫外線吸収性の着色剤を含んでいてもよい。
遮蔽層における着色剤の含有量は、後述する遮蔽層のバインダー樹脂の固形総量に対して2質量部以上、500質量部以下であることが好ましく、5質量部以上、450質量部以下であることがより好ましい。
遮蔽層におけるバインダー樹脂の含有量は、隠蔽層の固形総量のうち15質量%以上、99質量%以下であることが好ましく、18質量%以上、96質量%以下であることがより好ましい。
本発明による積層体が備える隠蔽層は、受容層を含んでなることができる。
受容層は、不可視光線非吸収性であることが好ましい。
受容層を形成するための材料としては、昇華性染料または熱溶融性インキ等の熱移行性の色材を受容し易い従来公知の樹脂材料を使用することができる。例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルもしくはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、PETもしくはPBT等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンもしくはプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体系樹脂、アイオノマーもしくはセルロースジアスターゼ等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等が挙げられ、これらの中でも、塩化ビニル−酢酸ビニル系重合体、またはポリ塩化ビニル樹脂が好ましく、塩化ビニル−酢酸ビニル系重合体が特に好ましい。
本発明による積層体が備える隠蔽層は、保護層を含んでなることができる。
保護層は、不可視光線非吸収性であることが好ましい。
保護層を形成するための材料としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、これら樹脂をシリコーン変性させた樹脂、活性光線硬化樹脂等を挙げることができる。
なお、本明細書において、活性光線硬化性樹脂とは活性光線を照射する前の前駆体または組成物を意味し、活性光線線を照射して活性光線硬化性樹脂を硬化させたものを活性光線硬化樹脂というものとする。
本発明による積層体が備える隠蔽層は、受容層を含んでなることができる。
プライマー層は、不可視光線非吸収性であることが好ましい。
また、プライマー層は、無機微粒子を含んでもよく、例えば、シリカ(コロダイルシリカ)、アルミナまたはアルミナ水和物(アルミナゾル、コロダイルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物またはその水和物)、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等が挙げられる。
無機微粒子の平均粒子径は、0.01μm以上、5μm以下であることが好ましい。無機微粒子の平均粒子径は、0.01μm以上、3μm以下であることがより好ましい。なお、「平均粒子径」とは、体積平均粒子径を意味し、粒度分布・粒径分布測定装置(例えば、ナノトラック粒度分布測定装置、日機装株式会社製等)を用いて公知の方法により測定することができる。
本発明による積層体が備える隠蔽層は、剥離層を含んでなることができる。
本明細書において、剥離層とは熱転写の際、ステルスインキ層等と共に被転写体上へ転写される層のことを指す。
剥離層は、不可視光線非吸収性であることが好ましい。
バインダー樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等が挙げられる。
離型性材料としては、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン系樹脂、メラミン樹脂、タルク、シリカ、界面活性剤等が挙げられる。
本発明による積層体の製造方法は、
被転写体を準備する工程と、
被転写体上に、不可視光線吸収材料を含むステルスインキ層を形成する工程と、
被転写体およびステルスインキ層上に、隠蔽層を熱転写する工程と、を含んでなる。
以下、上記各工程について詳細に説明する。
積層体の製造に使用する被転写体は上記した通りである。
ステルスインキ層は、熱転写シート上のステルスインキ層を積層体が備える被転写体上に溶融熱転写することにより、形成することができる。
隠蔽層は熱転写シート上の隠蔽層を積層体が備える被転写体およびステルスインキ層上に溶融熱転写することにより、形成することができる。
また、一実施形態において、隠蔽層の形成工程は、遮蔽層上に受容層を形成する工程を含んでなる。
また、一実施形態において、受容層上に画像を形成する工程を含んでなる。
また、一実施形態において、画像を形成した受容層上に保護層を形成する工程を含んでなる。
また、一実施形態において、隠蔽層の形成工程は、遮蔽層と受容層との間または受容層と保護層との間にプライマー層を形成する工程を含んでいても良い。
また、一実施形態において、隠蔽層の形成工程は、剥離層を形成する工程を含んでいても良い。
受容層上への画像の形成は、熱転写シート上の染料層を積層体が備える受容層上に昇華熱転写することにより行うことができる。なお、本明細書において、画像には、絵柄だけではなく、文字等も含まれる。
また、一実施形態において、画像を形成した受容層上に金銀の箔を押したり、ホログラムを付けたり等の加工処理を施してもよい。
また、一実施形態において、被転写体のステルスインキ層等を形成させた面とは反対の面に画像を形成させてもよい。
剥離層の形成は、熱転写シート上のステルスインキ層等を溶融熱転写する際に、このステルスインキ層等とともに熱溶融転写することにより形成することができる。
一実施形態において、上記した積層体が備えるステルスインキ層等の形成は、熱転写シートを用いて行われる。
熱転写シート20は、図3に示すように、基材21と、ステルスインキ層12と、遮蔽層14とを面順次に備えてなる。また、基材21と遮蔽層14との間に受容層15を備えていてもよい。
また、染料層22や保護層16をステルスインキ層12等と面順次に備えていてもよい。
さらに、プライマー層23や剥離層24を任意の層間に備えていてもよい。
また、ステルスインキ層等を形成した側とは反対の面に背面層25を備えていてもよい。
以下、熱転写シートを構成する各層について説明する。
基材としては、ステルスインキ層等を積層体の被転写体へ転写する際の熱エネルギー(例えば、サーマルヘッドの熱)に耐え得る耐熱性を有し、ステルスインキ層等を支持できる機械的強度や耐溶剤性を有しているものであれば、特に制限なく使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン等の各種プラスチックフィルムまたはシートを挙げることができる。
熱転写シートは、基材上にステルスインキ層を備えてなる。ステルスインキ層に含まれる材料等については上記した通りである。
熱転写シートは、基材上に遮蔽層を備えてなることができる。遮蔽層に含まれる材料等については上記した通りである。
また、乾燥時の塗布量は、0.2μm以上、15μm以下であることが好ましく、0.5μm以上、10μm以下であることがより好ましい。
熱転写シートは、基材と遮蔽層との間に受容層を備えていてもよい。また、これに限られず、熱転写シートは、遮蔽層等と面順次となるように受容層を備えていてもよい。また、受容層に含まれる材料等については上記した通りである。
熱転写シートは、ステルスインキ層等と面順次となるように染料層を備えていてもよい。
保護層は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料および必要に応じて各種添加剤等を加え、水または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて塗工液を調製し、これを隠蔽層等の上に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗布、乾燥して形成することができる。また、保護層が活性光線硬化性樹脂を含んでなる場合は、塗工液と塗布した後、活性光線を照射することが好ましい。
熱転写シートは、基材と染料層との間等任意の層間に備えてもよく、色材層等の最表面に備えてもよい。プライマー層に含まれる材料等については上記した通りである。
熱転写シートは、基材と任意の層との間に剥離層を備えていてもよい。熱溶融転写シートが剥離層を備えてなることにより、熱転写シートから被転写体へ転写される各層の基材から剥離性を向上させることができる。また、剥離層は転写後、被転写体の最表層に位置することになる。
熱転写シートは、ステルスインキ層等を形成した面とは反対の面(裏面)に背面層を備えていてもよい。背面層は、熱転写する際の基材の裏面側からサーマルヘッド等によって加熱される際に熱融着、スティキングやシワ等の悪影響を防止するために、所望により設けられる層である。
<熱転写シートの作製>
基材として厚さ4.5μmPETフィルムを用い、この上に、下記組成の背面層用塗工液を乾燥時の塗工量が、1.0μmになるように塗工し、乾燥し、背面層を形成させた。
・ポリビニルブチラール樹脂 1.8質量部
(積水化学工業(株)製、エスレックBX−1)
・ポリイソシアネート 5.5質量部
(DIC(株)製、バーノックD750)
・リン酸エステル系界面活性剤 1.6質量部
(第一工業製薬(株)製、プライサーフA208N)
・タルク 0.35質量部
(日本タルク工業(株)製、ミクロエースP−3)
・トルエン 18.5質量部
・メチルエチルケトン 18.5質量部
・アクリル樹脂 8.5質量部
(三菱レイヨン(株)製、ダイヤナールBR−87)
・ジイモニウム塩 1.5質量部
(日本カーリット(株)製、CIR−RL)
・トルエン 45質量部
・メチルエチルケトン 45質量部
・塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体樹脂 15.8質量部
(日信化学工業(株)製、ソルバインCNL)
・塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体樹脂 1.0質量部
(日信化学工業(株)製、ソルバインC)
・有機変性シリコーンオイル 1.2質量部
(信越化学工業(株)製、X−22−3000T)
・有機変性シリコーンオイル 1.2質量部
(信越化学工業(株)製、X−24−510)
・有機変性シリコーンオイル 0.8質量部
(信越化学工業(株)製、KF−352A)
・メチルエチルケトン 40質量部
・トルエン 40質量部
・アルミナゾル 2.5質量部
(日産化学工業(株)製、アルミナゾル200)
・ポリビニルピロリドン樹脂 2.5質量部
(ISPジャパン(株)製、PVP K−60)
・水 47.5質量部
・イソプロピルアルコール 47.5質量部
・アクリル樹脂 8質量部
・塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体 2質量部
・酸化チタン 30質量部
・トルエン 30質量部
・メチルエチルケトン 30質量部
・ソルベントイエロー93 2質量部
・ディスパースイエロー201 5質量部
・ポリビニルアセタール樹脂 5質量部
(積水化学工業(株)製、KS−5)
・トルエン 50質量部
・メチルエチルケトン 50質量部
・ディスパースレッド60 3質量部
・ディスパースバイオレット26 4質量部
・ポリビニルアセタール樹脂 5質量部
(積水化学工業(株)製、KS−5)
・トルエン 50質量部
・メチルエチルケトン 50質量部
・ソルベントブルー63 4質量部
・ディスパースブルー354 4質量部
・ポリビニルアセタール樹脂 5質量部
(積水化学工業(株)製、KS−5)
・トルエン 50質量部
・メチルエチルケトン 50質量部
・アクリル樹脂 20質量部
(三菱レイヨン(株)製、ダイヤナールBR−87)
・メチルエチルケトン 40質量部
・トルエン 40質量部
・ポリエステル樹脂 24質量部
(東洋紡績(株)製、バイロン700)
・紫外線吸収剤 6質量部
・トルエン 35質量部
・メチルエチルケトン 35質量部
被転写体として、昇華型転写プリンター(株式会社DNPフォトルシオ製 DS−40)の純正ペーパーを準備した。
(テストプリンター)
サーマルヘッド:KEE−57−12GAN2−STA(京セラ(株)製)
発熱体平均抵抗値:3303(Ω)
主走査方向印字密度:300dpi
副走査方向印字密度:300dpi
印画電圧:18(V)
1ライン周期:1.5(msec.)
印字開始温度:35(℃)
パルスDuty比:85%
遮蔽層、プライマー層A、受容層、保護層、プライマー層C、剥離層Aの厚さの合計(隠蔽層の厚さ)は、4.0μmであり、ステルスインキ層の厚さの10倍であった。
隠蔽層の厚さが、ステルスインキ層の厚さの5倍となるよう、遮蔽層用塗工液1の塗布量、プライマー層用塗工液および受容層塗工液の塗布量を変更した以外は、実施例1と同様にして、積層体を作製した。
遮蔽層用塗工液1を下記組成へ変更した以外は、実施例1と同様にして、隠蔽層の厚さがステルスインキ層の厚さの10倍となるように積層体を作製した。
(遮蔽層用塗工液2)
・アクリル樹脂 8質量部
・塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体 2質量部
・昇華染料(ステルスインキ層と同色) 0.2質量部
・トルエン 45質量部
・メチルエチルケトン 45質量部
隠蔽層の厚さが、ステルスインキ層の厚さの5倍となるよう、遮蔽層用塗工液2の塗布量、プライマー層用塗工液および受容層塗工液の塗布量を変更した以外は、実施例3と同様にして、積層体を作製した。
隠蔽層の厚さが、ステルスインキ層の厚さの3倍となるよう、遮蔽層用塗工液1の塗布量、プライマー層用塗工液および受容層塗工液の塗布量を変更した以外は、実施例1と同様にして、積層体を作製した。
隠蔽層の厚さが、ステルスインキ層の厚さの3倍となるよう、遮蔽層用塗工液2の塗布量、プライマー層用塗工液および受容層塗工液の塗布量を変更した以外は、実施例2と同様にして、積層体を作製した。
実施例および比較例において作製した積層体を目視により観察し、ステルスインキ層の位置およびステルスインキ層が形成するコードパターンを認識することができるかを、下記評価基準に従い、評価した。評価結果を表1に表す。
(評価基準)
A:予めステルスインキ層の位置を知っている人が見ても、その位置、形状を認識することができなかった。
B:予めステルスインキ層の位置を知っている人が見ると、その位置、形状を認識することができたが、知らない人が見た場合、その位置、形状を認識できなかった。
C:予めステルスインキ層の位置、形状を知らない人が見ても、その位置、形状を認識することができた。
11:被転写体
12:ステルスインキ層
13:隠蔽層
14:遮蔽層
15:受容層
16:保護層
20:熱転写シート
21:基材
22:染料層
23:プライマー層
24:剥離層
25:背面層
Claims (8)
- 被転写体と、
前記被転写体上の不可視光線吸収材料を含んでなるステルスインキ層と、
前記被転写体および前記ステルスインキ層上の隠蔽層と、
を備えてなり、
前記隠蔽層の厚さが、前記ステルスインキ層の厚さの4倍以上であることを特徴とする、積層体。 - 前記隠蔽層が、前記遮蔽層上に設けられた受容層を含んでなる、請求項1に記載の積層体。
- 前記隠蔽層が、前記受容層上に設けられた保護層を含んでなる、請求項1または2に記載の積層体。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体の製造方法であって、
被転写体を準備する工程と、
前記被転写体上に、不可視光線吸収材料を含んでなるステルスインキ層を形成する工程と、
前記被転写体および前記ステルスインキ層上に、隠蔽層を形成する工程と、を含んでなることを特徴とする、積層体の製造方法。 - 前記隠蔽層の形成工程が、前記被転写体および前記ステルスインキ層上に、遮蔽層を形成する工程を含んでなる、請求項4に記載の方法。
- 前記隠蔽層の形成工程が、前記遮蔽層上に、受容層を形成する工程と、前記受容層上に画像を形成する工程とを含んでなる、請求項5に記載の方法。
- 前記隠蔽層の形成工程が、前記画像が形成された受容層上に、保護層を形成する工程を含んでなる、請求項6に記載の方法。
- 前記ステルスインキ層がぼかし印刷法を用いて形成されたものである、請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。
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