JP2017075451A - 杭設置方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】地中障害物が存在していても、短い工期で杭を設置可能な杭設置方法を提供する。【解決手段】杭設置方法は、障害物除去工程と、拡底孔掘削工程と、鉄筋配置工程と、コンクリート供給工程と、を備える。障害物除去工程は、円筒形状を有する少なくとも1つのケーシングを、地中障害物を囲むまで地中に圧入する工程と、少なくとも1つのケーシングによって囲まれた地中障害物を破砕して除去し、これにより少なくとも1つのケーシングによって囲まれた空間部を形成する、除去工程とを含み、拡底孔掘削工程は、地中に少なくとも1つのケーシングが残された状態で、空間部よりも下方を掘削し、空間部を含む軸部を形成する軸部掘削工程と、軸部の下端部周辺を掘削し、拡底部を形成する拡底部掘削工程と、を含む。【選択図】 図1

Description

本開示は杭設置方法に関する。
杭の設置方法は、一般的に、設置予定の領域を掘削して孔を形成する工程と、孔に鉄筋かごを配置する工程と、鉄筋かごが配置された孔に生コンクリートを供給する工程とを有している。
ここで、杭の設置予定の領域に、過去に設置されたコンクリート製の杭等の地中障害物が存在する場合がある。通常の掘削方法では地中障害物を除去することは困難であるため、地中障害物は、杭用の孔を掘削する前に除去される。
そのための方法として、特許文献1が開示する地中障害物の撤去方法は、切削刃を有するケーシングを地中に回転圧入する工程と、ケーシング内の地中障害物を破砕装置で破砕する工程と、破砕物をハンマグラブにより地上に排出する工程とを有している。地中障害物が撤去されると、撤去後に残った孔は一度土で埋め戻され(特許文献1の図6参照)、ケーシングが地中から回収される。そしてこの後、例えばアースドリル工法、オールケーシング工法、又は、リバース工法などの掘削方法により、土で埋め戻された設置予定の領域に、杭用の孔が新たに掘削される。
一方、支持力向上のため、杭には拡底部を有するものがあり、この場合、杭用の孔は、軸部と、当該軸部の下端部に設けられた拡底部とを有する。拡底部の掘削に用いられる掘削装置として、例えば特許文献2や特許文献3が開示する掘削装置はポンプを有し、掘削途中の孔に安定液を供給しながら土砂を含む安定液を掘削途中の孔から排出するリバース工法により、拡底部を形成可能である。リバース工法によれば、地下水と孔内の安定液との間の水頭圧の差により、孔壁を保護しながら掘削を行うことができる。
特開2013−19250号公報 特開2007−262820号公報 特開2013−36178号公報
通常、地中障害物の撤去業者と杭の設置業者とは異なっている。このため、特許文献1が開示するように、地中障害物の撤去業者が、障害物の撤去により生じた孔を土で埋め戻し、その後現場に来る杭設置業者が、埋め戻された場所を再度掘削することが行われている。このような作業工程は、地中障害物の撤去業者や杭の設置業者等の当業者にとっては至極当たり前のものであるが、一度掘った孔を土で埋め戻してから再度掘るという、無駄な工程を含んでいる。このため、地中障害物が存在する場合、杭設置のための工期が長くなっているという問題がある。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態の目的は、地中障害物が存在していても、短い工期で杭を設置可能な杭設置方法を提供することにある。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る杭設置方法は、
地中障害物が存在する地盤に杭を設置する杭設置方法であって、
前記地中障害物を除去する障害物除去工程と、
軸部及び前記軸部の下端部に設けられた拡底部を有する拡底孔を形成する拡底孔掘削工程と、
前記拡底孔内に鉄筋を配置する鉄筋配置工程と、
前記鉄筋が配置された前記拡底孔内に生コンクリートを供給するコンクリート供給工程と、
を備え、
前記障害物除去工程は、
円筒形状を有する少なくとも1つのケーシングを、前記地中障害物を囲むまで地中に圧入する工程と、
前記少なくとも1つのケーシングによって囲まれた前記地中障害物を除去し、これにより前記少なくとも1つのケーシングによって囲まれた空間部を形成する、除去工程と
を含み、
前記拡底孔掘削工程は、
前記地中に前記少なくとも1つのケーシングが残され且つ前記ケーシング内に空間部を有する状態で、前記空間部よりも下方を掘削し、前記空間部を含む前記軸部を形成する軸部掘削工程と、
前記軸部の下端部周辺を掘削し、前記拡底部を形成する拡底部掘削工程と、
を含む。
上記構成(1)によれば、軸部掘削工程において、障害物除去工程で用いられたケーシングが地中に残された状態で、軸部掘削工程で空間部よりも下方が掘削される。つまり、地中障害物除去工程の後、ケーシングを引き抜くことなく、軸部掘削工程が行われる。これにより従来に比べ、障害物除去工程と軸部掘削工程との間の工程を減らすことができ、地中に障害物が存在していたとしても、短い工期で杭を設置することができる。
また、軸部掘削工程において、形成予定の軸部径とケーシング内径が同一なので効率良く杭を設置できる。
(2)幾つかの実施形態では、上記構成(1)において、
前記拡底部掘削工程は、掘削途中の孔に安定液を供給しながら、土砂を含む前記安定液を前記掘削途中の孔から排出するリバース工法によって行われ、
前記拡底孔掘削工程と前記鉄筋配置工程との間に、前記拡底部に沈殿したスライムを前記拡底孔から除去するスライム除去工程を更に備え、
前記拡底部掘削工程において、前記リバース工法は、前記土砂を含む安定液を前記掘削途中の孔から排出可能な揚水ポンプを含む拡底用掘削機を用いて実施され、
前記スライム除去工程において、前記揚水ポンプを使用して前記スライムが除去される。
上記構成(2)では、リバース工法で拡底部を形成するため、安定液と地下水の水頭圧の差を利用して孔壁の崩壊を防止しながら、拡底部を形成することができる。この際、拡底用掘削機の揚水ポンプで土砂を含む安定液を掘削途中の孔から排出することができるので、土砂を含む安定液を孔から排出するための揚水ポンプを地上に設置する必要がなく、地上での省スペース化を図ることができる。
一方、リバース工法を用いる場合、形成された拡底孔の底にスライムが沈殿する。スライムが底に残ったまま生コンクリートを拡底孔内に供給すると、杭の支持力低下を招くためスライムを予め除去する必要がある。ここで、上記構成(2)では、拡底用掘削機の揚水ポンプを用いてスライム除去工程を行うことで、スライム除去工程をスライム除去専用装置で実施する場合に比べて機械の段取り換えの作業を省くことができるので、スライム除去工程にかかる時間が削減される。この結果、更に短い工期で杭を設置することができる。
なお、地中に障害物が存在しない場合には、地中障害物除去工程を行うことなく、拡底用掘削機でスライム除去工程を行ってもよい。この場合も、スライム除去工程をスライム除去専用装置で実施する場合に比べ、スライム除去工程にかかる時間が削減され、その結果として、短い工期で杭を設置することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記構成(2)において、
前記拡底用掘削機は、
前記揚水ポンプ、地盤を掘削する拡底用掘削装置及び当該拡底用掘削装置を駆動する拡底用駆動装置を備え、
前記拡底用駆動装置は、
メインフレームと、
前記メインフレームに対し相対回転可能に設けられた中空駆動軸と、
駆動モータを有し、前記メインフレームに固定されて前記中空駆動軸を回転させるための駆動ユニットと、
前記中空駆動軸の一端側と前記揚水ポンプの吸込口とを相対回転可能に連結するスイベルジョイントと、
を含み、
前記拡底用掘削装置は、
前記中空駆動軸の他端側に着脱可能で、前記中空駆動軸と一体に回転する中空の主軸と、
一端が前記主軸に回動可能に取り付けられた可動アームと、
前記主軸と前記可動アームとの間に設けられ、前記可動アームを前記主軸の径方向外側に傾動させるための傾動用アクチュエータと、
前記可動アームに取り付けられた複数のビットと、
を含み、
前記主軸と前記中空駆動軸との間に、前記傾動用アクチュエータに作動流体を供給するための流路を有するロータリジョイントが介装され、
前記拡底部掘削工程において、前記メインフレームの回転を規制しながら前記駆動装置により前記拡底用掘削装置を駆動する。
上記構成(3)では、拡底用駆動装置において揚水ポンプと中空駆動軸とが相対回転可能に連結されており、拡底用駆動装置の中空駆動軸と拡底用掘削装置の主軸とが着脱可能に一体に連結される。この構成では、中空駆動軸と主軸が一体に回転可能であるため、中空駆動軸と主軸とを簡単な接続構成で連結することができる。このため、拡底用駆動装置と拡底用掘削装置を容易に分離して取り扱うことができる。
また、中空駆動軸は、一端側にスイベルジョイントを有しており、このスイベルジョイントによって、揚水ポンプの吸込口と中空駆動軸が相対回転可能に連結される。揚水ポンプの吸込口と中空駆動軸とをスイベルジョイントによって相対回転可能に連結することで、揚水ポンプを回転させることなく、中空駆動軸と主軸を一体に回転させることができる。
そして、作動流体を供給するための流路を有するロータリジョイントを介して主軸と中空駆動軸とを連結することで、傾動用アクチュエータに対し簡単な構成で確実に作動流体を供給することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記構成(3)において、
前記拡底用掘削機は、前記主軸の先端側に設けられた先端カッタを更に備え、
前記先端カッタは、前記主軸の径方向にて、前記主軸の先端下方が最も深くなるように前記拡底部を掘削可能な形状を有する。
上記構成(4)によれば、拡底孔において、主軸の径方向にて先端下方が最も深くなるので、スライムが主軸の下方に集中して沈殿する。このため、主軸を通じて、拡底孔の底に沈殿したスライムを簡単な構成で確実に除去することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記構成(2)乃至(4)の何れか1つにおいて、
前記軸部掘削工程は、掘削途中の孔に安定液を供給しながら、土砂を含む前記安定液を掘削途中の孔から排出するリバース工法によって行われ、
前記軸部掘削工程において、前記リバース工法は、前記土砂を含む安定液を送出可能な揚水ポンプを有する軸部用掘削機を用いて実施される。
上記構成(5)によれば、リバース工法で軸部を形成するため、比較的大深度で大径の軸部であっても確実に形成することができる。この際、軸部用掘削機の揚水ポンプで土砂を含む安定液を孔から排出することができるので、土砂を含む安定液を孔から排出するための揚水ポンプを地上に設置する必要がなく、地上での省スペース化を図ることができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記構成(5)において、
前記揚水ポンプと、
地盤を掘削する軸部用掘削装置と、
前記軸部用掘削装置を駆動する軸部用駆動装置と、
を備え、
前記軸部用駆動装置は、
メインフレームと、
前記メインフレームに対し相対回転可能に設けられた中空駆動軸と、
駆動モータを有し、前記メインフレームに固定されて前記中空駆動軸を回転させるための駆動ユニットと、
前記中空駆動軸の一端側と前記揚水ポンプの吸込口とを相対回転可能に連結するスイベルジョイントと、
を含み、
前記軸部用掘削装置は、
前記中空駆動軸の他端側に着脱可能で、前記中空駆動軸と一体に回転する中空の主軸と、
前記主軸の先端側に設けられた先端カッタと、
を含む。
上記構成(6)では、軸部用駆動装置において揚水ポンプと中空駆動軸とが相対回転可能に連結されており、軸部用駆動装置の中空駆動軸と軸部用掘削装置の主軸とが着脱可能に一体に連結される。この構成では、中空駆動軸と主軸が一体に回転可能であるため、中空駆動軸と主軸とを簡単な接続構成で連結することができる。このため、軸部用駆動装置と軸部用掘削装置を容易に分離して取り扱うことができる。
また、中空駆動軸は、一端側にスイベルジョイントを有しており、このスイベルジョイントによって、揚水ポンプの吸込口と中空駆動軸が相対回転可能に連結される。揚水ポンプの吸込口と中空駆動軸とをスイベルジョイントによって相対回転可能に連結することで、揚水ポンプを回転させることなく、中空駆動軸と主軸を一体に回転させることができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記構成(6)において、
前記軸部用掘削装置は、
一端が前記主軸に回動可能に取り付けられた可動アームと、
前記主軸の先端側に設けられた先端カッタと、
前記主軸と前記可動アームとの間に設けられ、前記可動アームを前記主軸の径方向外側に傾動させるための傾動用アクチュエータと、
前記可動アームに取り付けられた複数のビットと、
を更に含み、
前記主軸と前記中空駆動軸との間に、前記傾動用アクチュエータに作動流体を供給するための流路を有するロータリジョイントが介装され、
前記軸部用掘削機を前記拡底用掘削機として用いる。
上記構成(7)では、軸部用掘削機を拡底用掘削機として用いることで、軸部掘削工程と拡底部掘削工程を連続的に実行することができる。この結果として、より短い工期で杭を設置することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記構成(2)乃至(7)の何れか1つにおいて、
前記軸部掘削工程は、前記少なくとも1つのケーシングを地中に更に圧入する追加圧入工程を含む。
上記構成(8)では、少なくとも1つのケーシングを地中に更に圧入することで、ケーシングによって孔壁を確実に深い深度まで保護することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記構成(8)において、
前記軸部掘削工程は、前記少なくとも1つのケーシング内の土砂を、バケットを有する掘削装置を用いて除去する工程を含む。
上記構成(9)では、軸部掘削工程において、バケットを有する掘削装置を用いてケーシング内の土砂を除去することで、軸部を容易且つ迅速に掘削することができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、地中障害物が存在していても、短い工期で杭を設置可能な杭設置方法が提供される。
本発明の少なくとも一実施形態に係る杭設置方法の手順を概略的に示すフローチャートである。 図1中の障害物除去工程の手順を概略的に示すフローチャートである。 図1中の拡底孔掘削工程の手順を概略的に示すフローチャートである。 障害物除去工程を説明するための図である。 障害物除去工程を説明するための図である。 軸部掘削工程を説明するための図である。 リバース工法による拡底部掘削工程を説明するための図である。 リバース工法による拡底部掘削工程を説明するための図である。 リバース工法による拡底部掘削工程を説明するための図である。 リバース工法による拡底部掘削工程を説明するための図である。 1次スライム除去工程を説明するための図である。 鉄筋配置工程を説明するための図である。 2次スライム除去工程を説明するための図である。 コンクリート供給工程を説明するための図である。 完成した杭を説明するための図である。 拡底孔掘削工程に適用可能な拡底用駆動装置を概略的に示す断面図であり、伸縮装置の油圧シリンダが伸長状態のときの拡底用駆動装置の概略的な断面図である。 拡底孔掘削工程に適用可能な拡底用駆動装置を概略的に示す断面図であり、伸縮装置の油圧シリンダが短縮状態のときの拡底用駆動装置の概略的な断面図である。 拡底孔掘削工程に適用可能な拡底用掘削装置を一部断面にて概略的に示す側面図であり、可動アームが傾動していない状態にあるときの拡底用掘削装置を概略的に示す側面図である。 拡底孔掘削工程に適用可能な拡底用掘削装置を一部断面にて概略的に示す側面図であり、可動アームが拡底部掘削用位置にあるときの掘削装置を概略的に示す側面図である。 軸部用掘削機として拡底用掘削機を用いる例を説明するための図である。 軸部用掘削機として、拡底用駆動装置に先端カッタを付けたものを用いる例を説明するための図である。 ケーシングを更に圧入せずに、軸部用掘削機を用いてリバース工法により軸部掘削工程を行う例を説明するための図である。 ケーシングを更に圧入せずに、拡底用掘削機を兼ねる軸部用掘削機を用いてリバース工法により軸部掘削工程を行う例を説明するための図である。 全周回転機を残したまま鉄筋配置工程を行う例を説明するための図である。 図16中のXXV−XXV線に沿う概略的な断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本発明の少なくとも一実施形態に係る杭設置方法の手順を概略的に示すフローチャートである。杭設置方法は、地中障害物が存在する地盤に杭を設置する方法であり、場所打ち杭を設置するのに適した方法である。図2は、図1中の障害物除去工程の手順を概略的に示すフローチャートである。図3は、図1中の拡底孔掘削工程の手順を概略的に示すフローチャートである。図4〜図15は、図1の杭設置方法の各工程を説明するための図である。
図1に示したように、杭設置方法は、障害物除去工程S10、拡底孔掘削工程S12、1次スライム除去工程S14、鉄筋配置工程S16、2次スライム除去工程S18、及び、コンクリート供給工程S20を有している。
障害物除去工程S10では、図5に示したように、杭の設置領域に埋まっている地中障害物2を除去する。拡底孔掘削工程S12では、図10に示したように、杭の設置領域に、軸部4及び軸部4の下端部に設けられた拡底部6を有する拡底孔8を形成する。これら障害物除去工程S10及び拡底孔掘削工程S12については後述する。
1次スライム除去工程S14では、図11に示したように、地上に設置されたスライムクリーナ10によって、拡底孔8の底に貯まったスライム(掘削くず)を拡底孔8から除去する。この際、スライムクリーナ10は、拡底孔8内に配置されたチューブ12を通じて、スライムを除去することができる。チューブ12の先端は、拡底孔8の拡底部6まで延びており、スライムクリーナ10は、拡底孔8の拡底部6に沈殿したスライムを、チューブ12を通じて吸引して除去することができる。
鉄筋配置工程S16では、図12に示したように、拡底孔8内に鉄筋かご14を配置する。鉄筋かご14は複数の鉄筋を所定形状になるように相互に連絡して成る。
2次スライム除去工程S18では、図13に示したように、再度スライムクリーナ10によって、拡底孔8の底に貯まったスライムを拡底孔8から除去する。この際、スライムクリーナ10は、拡底孔8内に配置されたトレミー管16を通じて、スライムを除去することができる。トレミー管16の先端は、拡底孔8の拡底部6まで延びており、スライムクリーナ10は、拡底孔8の拡底部6に沈殿したスライムを、トレミー管16を通じて吸引して除去することができる。
コンクリート供給工程S20では、図14に示したように、例えば生コン車18から、トレミー管16を通じて生コンクリートを拡底孔8の拡底部6内に供給する。生コンクリートは、トレミー管16の下端から拡底部6に供給される。拡底孔8の内部に生コンクリートが設計深さまで供給された後、トレミー管16が引き抜かれる。生コンクリートが硬化した後、例えばバックホウ20を用いて、拡底孔8の上部に残された空間に良質土を投入し、拡底孔8が完全に埋められる。
ここで、地中障害物2は、過去に設置されたコンクリート製の杭等であり、ドリリングバケット等の通常の回転式掘削装置では掘削が困難又は不能な障害物である。地中障害物2の有無は、ボーリング調査や過去の建造物の設計図を入手することによって予め把握することができる。
障害物除去工程S10は、図2に示したように、圧入工程S100及び除去工程S102を有する。
圧入工程S100では、図4及び図5に示したように、円筒形状を有する少なくとも1つのケーシング22を、例えば全周回転機24を用いて、地中障害物2を囲むまで地中に圧入する。ケーシング22の先端にはビットが設けられており、全周回転機24が下方に向かって荷重をかけながらケーシング22を回転させることにより、ケーシング22は地中に圧入される。
除去工程S102では、例えば、クローラクレーン26及びハンマグラブ28を使用して、ケーシング22によって囲まれた地中障害物2を破砕してケーシング22内から除去する。これによりケーシング22によって囲まれた空間部30が形成される。
圧入工程S100と除去工程S102は並行或いは交互に行うことができる。
なお、地中に圧入されるケーシング22の全長は、複数のケーシング22を連結することで調整可能であり、少なくとも除去対象の地中障害物2を囲繞可能な長さに調整される。
拡底孔掘削工程S12は、図3に示したように、軸部掘削工程S120及び拡底部掘削工程S122を有する。
軸部掘削工程S120では、障害物除去工程S10にて使用されたケーシング22が地中に残された状態で、空間部30よりも下方を掘削し、空間部30を含む軸部4を形成する。例えば、図6に示したように、軸部用掘削機として、ハンマグラブ28を使用して、軸部4が形成される。この場合、ケーシング22が地中に残置されるのみならず、拡底孔8の設計深さに到達するまで地中に更に圧入される。
拡底部掘削工程S122では、図7〜図9に示したように軸部4の下端部周辺を拡底用掘削機32を用いて掘削し、拡底部6を形成する。これにより拡底孔8が完成する。
なお、拡底孔8の設計深さに到達するまでケーシング22が圧入されている場合、拡底部掘削工程S122の前に、図7に示したように、ケーシング22が拡底部6の高さ以上引き上げられる。ケーシング22の引き上げには、例えば全周回転機24を使用することができる。全周回転機24は、ケーシング22の引き上げ直後に撤去してもよい。
上記構成によれば、軸部掘削工程S120において、障害物除去工程S10で用いられたケーシング22が地中に残された状態で、軸部掘削工程S120で空間部30よりも下方が掘削される。つまり、障害物除去工程S10の後、ケーシング22を引き抜くことなく、軸部掘削工程S120が行われる。これにより従来に比べ、障害物除去工程S10と軸部掘削工程S120との間の工程を減らすことができ、地中障害物2が存在していたとしても、図15に示したような杭1を短い工期で設置することができる。
また、軸部掘削工程S120において、形成予定の軸部径とケーシング22の内径が同一なので効率良く杭1を設置出来る。
幾つかの実施形態では、拡底部掘削工程S122は、図8に示したように、掘削途中の孔に安定液を供給しながら、土砂を含む安定液(泥水)を掘削途中の孔から排出するリバース工法によって行われる。安定液の供給は、地上に設置された循環槽34に貯留された安定液を、送液ポンプ36を用いて掘削途中の孔内に送ることよって行うことができる。排出された土砂を含む安定液は、循環槽34で濾過されてから、再び掘削途中の孔内に送られる。なお通常、安定液は水とベントナイトを含むが、安定液の成分は特に限定されることはなく、水であってもよい。
そして、拡底部掘削工程S122において、リバース工法は、土砂を含む安定液を掘削途中の孔から排出可能な揚水ポンプを含む拡底用掘削機32を用いて実施され、1次スライム除去工程S14において、拡底用掘削機32の揚水ポンプを使用してスライムが除去される。すなわち、スライム除去専用装置であるスライムクリーナ10に代えて、1次スライム除去工程S14に拡底用掘削機32が用いられる。この際、1次スライム除去工程S14は、図9の配置のまま行うことができ、拡底孔掘削工程S12に続けて行うことができる。
上記構成では、リバース工法で拡底部6を形成するため、安定液と地下水の水頭圧の差を利用して孔壁の崩壊を防止しながら、拡底部6を形成することができる。この際、拡底用掘削機32の揚水ポンプで土砂を含む安定液を孔から排出することができるので、土砂を含む安定液を孔から排出するための揚水ポンプを地上に設置する必要がなく、地上での省スペース化を図ることができる。
一方、リバース工法を用いる場合、掘削中の孔に安定液が供給されるので、形成された拡底孔8の底にスライムが沈殿する。スライムが底に残ったまま生コンクリートを拡底孔8内に供給すると、設置される杭1の支持力低下を招くためスライムを予め除去する必要がある。ここで、上記構成では、拡底用掘削機32の揚水ポンプを用いて1次スライム除去工程S14を行うことで、1次スライム除去工程S14をスライム除去専用装置であるスライムクリーナ10で実施する場合に比べ、1次スライム除去工程S14にかかる時間が削減される。この結果、更に短い工期で杭1を設置することができる。
なお、地中障害物2が存在しない場合には、障害物除去工程S10を行うことなく、拡底用掘削機32で1次スライム除去工程S14を行ってもよい。この場合も、1次スライム除去工程S14をスライム除去専用装置で実施する場合に比べて機械の段立り換えの作業を省くことができるので、1次スライム除去工程S14にかかる時間が削減され、その結果として、短い工期で杭1を設置することができる。
一方、採用する工法に応じて拡底孔8の底にスライムが沈殿しない場合には、1次スライム除去工程S14及び2次スライム除去工程S18を省略することができる。
以下、上述した杭設置方法に適用可能な拡底用掘削機32の構成を説明する。拡底用掘削機32は、揚水ポンプ、拡底用掘削装置及び拡底用駆動装置を有する。
図16及び図17は、拡底用掘削機32の揚水ポンプであるサンドポンプ40とともに、拡底用駆動装置100の構成を概略的に示す断面図であり、図18及び図19は拡底用掘削機32の拡底用掘削装置200の構成を一部断面にて概略的に示す側面図である。
拡底用駆動装置100は、地盤を掘削する拡底用掘削装置200を駆動するように構成されている。具体的には、図16及び図17に示したように、拡底用駆動装置100は、メインフレーム102と、中空駆動軸103と、駆動ユニット104とを有する。メインフレーム102は、例えば、円筒形状の本体102aと、本体102aの両端にそれぞれ同心上に固定された環状のフランジ部102b,102cとを有する。本体102a及びフランジ部102b,102cは、全体としてボビン形状を有している。
中空駆動軸103は、メインフレーム102に対し相対回転可能に設けられ、メインフレーム102の本体102a及びフランジ部102b、102c内を貫通して延びている。中空駆動軸103の軸線方向は、孔の掘削時には鉛直方向に一致させられ、中空駆動軸103の下端に拡底用掘削装置200が連結される。なお、中空駆動軸103は、相互に連結された複数のパイプによって構成されていてもよい。
駆動ユニット104は、メインフレーム102に固定され、中空駆動軸103を回転させるように構成されている。駆動ユニット104は、例えば、メインフレーム102のフランジ部102bに固定されたギヤボックス106と、ギヤボックス106に固定された少なくとも1つの駆動モータ107とを有する。駆動モータ107は例えば油圧モータであり、ギヤ117、118を介して中空駆動軸103を回転させることができる。本実施形態では、例えば4つの駆動モータ107が中空駆動軸103の周りに配置される。
サンドポンプ40は、吸込口40a及び吐出口40bを有し、吸込口40aは中空駆動軸103の一端側に相対回転可能に連結されている。吐出口40bは、吐出管108を介して排水管109に接続されている。サンドポンプ40は、掘削中の孔内の掘削土を含む泥水を中空駆動軸103を通じて吸い込んで、吐出管108及び排水管109を通じて孔の外に吐出するように構成されている。
サンドポンプ40と中空駆動軸103とを相対回転可能に連結するために、中空駆動軸103は、一端側にスイベルジョイント115aを有する。そして、サンドポンプの吸込口40aには、スイベルジョイント115aに対し相対回転可能に嵌合されるスイベルジョイント115bが取り付けられている。スイベルジョイント115aは、スイベルジョイント115bとともに、スイベル継手115を構成している。
図18及び図19に示したように、拡底用掘削装置200は、主軸201と、少なくとも1つの可動アーム202と、複数のビット203とを有する。
主軸201は中空であり、中空駆動軸103の他端側に対し、中空駆動軸103と一体に回転可能に連結可能である。少なくとも1つの可動アーム202は主軸201に対し一体に回転可能に取り付けられ、少なくとも1つの可動アーム202には、複数のビット203が取り付けられている。なお、主軸201は、相互に連結された複数のパイプによって構成されていてもよい。
そして、拡底用掘削装置200は、ヒンジ結合部205と、少なくとも1つの傾動用アクチュエータ207と含む。
ヒンジ結合部205は、主軸201と可動アーム202との間に設けられ、主軸201に対する可動アーム202の傾動を可能にする。傾動用アクチュエータ207は、主軸201と可動アーム202との間に設けられ、主軸201に対し可動アーム202を傾動させるように構成されている。
ここで、図18は、可動アーム202が傾動していない状態にあるときの拡底用掘削装置200を概略的に示しており、図19は、可動アーム202が拡底部掘削用位置にあるときの拡底用掘削装置200を概略的に示している。
傾動していない状態にあるとき、可動アーム202は主軸201の近傍を主軸201に対し平行に延びており、可動アーム202に取り付けられたビット203は、主軸201が回転しても孔壁を掘削しない。しかしながら、3翼ビット250(詳細は後述する)が回転することにより孔底を掘削できる。
一方、可動アーム202が拡底部掘削用位置にあるとき、可動アーム202は主軸201に対し傾斜しており、ヒンジ結合部205から主軸201の軸方向に離れるに従って、換言すれば、主軸201の先端に近付くほど、主軸201から離れている。主軸201の先端は、拡底用掘削装置200が孔内に配置されているとき、鉛直方向にて下側に配置される。可動アーム202が拡底部掘削用位置にあるとき、主軸201が回転すると、可動アーム202に取り付けられたビット203によって、拡底用掘削装置200の周辺が掘削され、孔の下端部に円錐台形状の拡底部6を形成することができる。
傾動用アクチュエータ207に作動油を供給するために、図16及び図17に示したように、拡底用掘削機32は、中空駆動軸103と主軸201の間に介装されるロータリジョイント42を更に備える。ロータリジョイント42は、傾動用アクチュエータ207に作動油を供給するための油路42aを有する。
具体的には、ロータリジョイント42の外筒42bの2つの油圧ポートに、地上から延びるオイルチューブがそれぞれ接続され、ロータリジョイント42の内筒42cの2つの油圧ポートに、傾動用アクチュエータ207から延びるオイルチューブがそれぞれ接続されている。油路42aは、外筒42bの2つの油圧ポートと内筒42cの2つの油圧ポートとの間に形成されている。ロータリジョイント42の内筒42cの両端は、それぞれ中空駆動軸103及び主軸201に連結され、外筒42bは、内筒42cに対し相対回転可能に嵌合されている。
上述した拡底用掘削機32を用いて拡底部6を形成する場合、メインフレーム102の回転を規制しながら拡底用駆動装置100により拡底用掘削装置200を回転駆動する。この間、可動アーム202を拡底部掘削用位置に向けて徐々に傾動させることで、拡底部6を形成することができる。
ここで、上記構成では、拡底用駆動装置100において揚水ポンプ40と中空駆動軸103とが相対回転可能に連結されており、拡底用駆動装置100の中空駆動軸103と拡底用掘削装置200の主軸201とが着脱可能に一体に連結される。この構成では、中空駆動軸103と主軸201が一体に回転可能であるため、中空駆動軸103と主軸201とを簡単な接続構成で連結することができる。このため、拡底用駆動装置100と拡底用掘削装置200を容易に分離して取り扱うことができる(図7参照)。
また、中空駆動軸103は、一端側にスイベルジョイント115aを有しており、このスイベルジョイント115aによって、揚水ポンプ40の吸込口40aと中空駆動軸103が相対回転可能に連結される。揚水ポンプ40の吸込口40aと中空駆動軸103とをスイベルジョイント115aによって相対回転可能に連結することで、揚水ポンプ40を回転させることなく、中空駆動軸103と主軸201を一体に回転させることができる。
そして、作動流体を供給するための流路を有するロータリジョイント42を介して主軸201と中空駆動軸103とを連結することで、傾動用アクチュエータ207に対し簡単な構成で確実に作動流体を供給することができる。
幾つかの実施形態では、傾動用アクチュエータ207は油圧シリンダ210によって構成される。油圧シリンダ210は、拡底用掘削装置200が孔内に配置されたときに伸縮方向が鉛直方向に平行になるよう配置され、図17に示したように可動アーム202が傾動していない状態にあるときに伸長状態になり、図4に示したように可動アーム202が拡底部掘削用位置にあるときに短縮状態になる。この場合、油圧シリンダ210のシリンダチューブ210aが主軸201に固定され、シリンダロッド210bの先端が主軸201に摺動自在に嵌合されたスライダ212に固定される。スライダ212と可動アーム202との間は、リンクロッド214によって接続されている。
幾つかの実施形態では、拡底用掘削装置200は4つの可動アーム202と4つの油圧シリンダ210を有し、可動アーム202及び油圧シリンダ210は、主軸201の周りに90度間隔で配置されている。
幾つかの実施形態では、拡底用掘削装置200は、主軸201の基端側に対し同軸に固定された円筒形状のスタビライザ216を有している。
幾つかの実施形態では、前述したように、主軸201の先端側に先端カッタ、いわゆる3翼ビット250が取り付けられている。3翼ビット250は、主軸201の先端側に放射状に固定された3つの固定アーム252と、固定アーム252に取り付けられた複数のビット254とを有する。可動アーム202が傾動していない状態にあるとき、主軸201の周りでの可動アーム202の回転半径は、3翼ビット250の回転半径よりも小さい。一方、可動アーム202が拡底部掘削用位置にあるとき、主軸201の周りでの可動アーム202の回転半径は、3翼ビット250の回転半径よりも大きい。
幾つかの実施形態では、主軸201の先端側に設けられた先端カッタは、主軸201の径方向にて、主軸201の先端下方が最も深くなるように孔を掘削可能な形状を有する。そのために例えば、固定アーム252は主軸201に対し斜めに取り付けられている。また、先端カッタは、主軸201の先端から軸線方向に突出した先端部256を有する。
上記構成によれば、先端カッタによって孔底が切削されることにより、拡底孔8において、主軸201の径方向にて先端下方が最も深くなるので、スライムが主軸201の下方に集中して沈殿する。このため、主軸201を通じて、拡底孔8の底に沈殿したスライムを簡単な構成で確実に除去することができる。
幾つかの実施形態では、軸部掘削工程S120は、掘削途中の孔に安定液を供給しながら、土砂を含む安定液を掘削途中の孔から排出するリバース工法によって行われる。この場合、軸部掘削工程S120において、リバース工法は、土砂を含む安定液を送出可能な揚水ポンプを有し、軸部を掘削可能な軸部用掘削機を用いて実施される。
上記構成によれば、リバース工法で軸部4を形成するため、比較的大深度で大径の軸部4であっても確実に形成することができる。この際、軸部用掘削機の揚水ポンプで土砂を含む安定液を孔から排出することができるので、土砂を含む安定液を孔から排出するための揚水ポンプを地上に設置する必要がなく、地上での省スペース化を図ることができる。
幾つかの実施形態では、図20に示したように、軸部用掘削機として、拡底用掘削機32を用いることができる。
上記構成では、拡底用掘削機32を軸部用掘削機として用いることで、逆に言えば、軸部用掘削機を拡底用掘削機32として用いることで、軸部掘削工程S120と拡底部掘削工程S122を連続的に実行することができる。この結果として、より短い工期で杭1を設置することができる。
幾つかの実施形態では、リバース工法を実施可能な軸部用掘削機60として、図21に示したように、拡底用駆動装置100に、軸部用掘削装置として先端カッタ、すなわち3翼ビット250を連結したものを用いることができる。この場合、軸部掘削工程S120の後、軸部用掘削機60を拡底用掘削機32と交換する必要がある。つまり、3翼ビット250を拡底用掘削装置200と交換する必要がある。
上述した幾つかの実施形態では、空間部30の形成後に、ケーシング22が更に圧入されていたが、図22に示すように、ケーシング22を更に圧入することなく、軸部用掘削機又は拡底用掘削機を用いて、軸部掘削工程S120を行ってもよい。この際、リバース工法で軸部掘削工程S120を行ってもよく、他の工法で行っても良い。
なお、軸部掘削工程S120にてケーシング22を地中に更に圧入すれば、ケーシング22によって孔壁を確実に深い深度まで保護することができる。
また、軸部掘削工程S120にてケーシング22を圧入すれば、ケーシング22内の土砂を、ハンマグラブやドリリングバケット等のバケットを有する掘削装置を用いて除去することができる。この場合、バケットを有する掘削装置を用いてケーシング22内の土砂を除去することで、軸部4を容易且つ迅速に掘削することができる。
幾つかの実施形態では、拡底用掘削機32は、ケーシング22に対し拡底用掘削機32を固定可能な固定装置を更に有し、拡底部掘削工程S122において、固定装置によりケーシング22に対し拡底用掘削機32を固定した状態で、拡底用掘削機32により拡底部6を形成する。
上記構成では、固定装置により拡底用掘削機32をケーシング22に固定することができる。この結果として、ケーシング22が、拡底用掘削機32の回転反力を受け止めることができ、高トルク又は高回転数での掘削が可能である。
特に孔に拡底部6を設ける場合、掘削にかかる時間やコンクリートの使用量を考慮すると、拡底部6の形状や大きさは設計通りであることが望ましい。この点、上記構成によれば、ケーシング22が拡底用掘削機32の回転反力を受け止めることで、拡底用掘削機32の姿勢が安定し、拡底部6の形状や大きさを設計通りにすることができる。
拡底用掘削機32が固定装置を有していない場合、図22に示したように、地上に設置される反力テーブル70によって、排水管109を回転不能に支持することで、拡底用掘削機32の回転反力を受け止めることができる。あるいは、地上に設置される全周回転機24によって、排水管109を回転不能に支持することで、拡底用掘削機32の回転反力を受け止めることができる。
全周回転機24は、地中にケーシング22を圧入するために必要であるが、ケーシング22の圧入後はいつ撤去してもよく、コンクリート供給工程S20後にケーシング22を引き抜くまで残しておいてもよい。拡底孔8の全長に渡ってケーシング22を圧入した場合、クローラクレーン26ではケーシング22の引き抜きが困難になる可能性があるが、全周回転機24を用いれば、ケーシング22を確実に引き抜くことができる。
全周回転機24を拡底孔掘削工程S12が終了するまで残しておく場合には、図23に示したように、反力テーブル70を全周回転機24上に設置してもよい。
全周回転機24を鉄筋配置工程S16まで残しておく場合には、図24に示したように、全周回転機24上に作業台を設け、作業台上で作業者が鉄筋を連結等しながら、拡底孔8内に鉄筋を送り込んでもよい。この場合、全周回転機24に作業台を設けることで、孔の径にかかわらずに作業者が溶接対象の鉄筋のそばまで容易且つ安定して近付くことができ、溶接作業の効率化が図れる。
一方、障害物除去工程S10又は軸部掘削工程S120の後、全周回転機24を撤去すれば、撤去した全周回転機24を用いて次の拡底孔の掘削作業に早期に取りかかることができる。
幾つかの実施形態では、軸部用掘削機60又は軸部用掘削機を兼ねる拡底用掘削機32は、軸部用駆動装置100をケーシング22に対し固定可能な固定装置と、軸部用掘削装置と軸部用駆動装置との間隔を調整可能な伸縮装置とを有する。そして、軸部掘削工程S120において、固定装置によりケーシング22に対し軸部用駆動装置100を固定した状態で、伸縮装置により軸部用掘削装置200,250と軸部用駆動装置100との間隔を変化させる。
上記構成では、固定装置により軸部用駆動装置100をケーシング22に固定した状態で伸縮装置を作動させることができる。これにより、地上で排水管109を回転不能に固定しなくても、ケーシング22で回転反力を受け止めながら、軸部用掘削装置200,250で掘り下げることができ、高トルク又は高回転数での掘削が可能である。また、伸縮装置により軸部用掘削装置200,250と軸部用駆動装置100との間隔を変化させることで、軸部用掘削装置200,250を孔底に向けて付勢することができ、これにより掘削時の押圧力を高めることができる。
以下、幾つかの実施形態に係る固定装置について説明する。図25は、図16中のXXV−XXV線に沿う概略的な断面をケーシング22とともに示す図である。
図16、図17及び図25に示したように、固定装置300は、複数の当接部材301と、少なくとも1つの固定用アクチュエータ302とを有する。
複数の当接部材301は、中空駆動軸103の周方向に配置され、且つ、中空駆動軸103の径方向にそれぞれ移動可能である。
固定用アクチュエータ302は、メインフレーム102に固定され、複数の当接部材301を中空駆動軸103の径方向に移動させることができる。
上記構成では、固定装置300が、当接部材301と固定用アクチュエータ302を有することにより、簡単な構成で、ケーシング22に対し拡底用駆動装置100又は軸部用駆動装置を固定することができる。
幾つかの実施形態では、当接部材301は、当接部材本体301aと、当接部材本体301aの外面に取り付けられたライナ部材301bとを有する。メインフレーム102は、フランジ部102bに固定された外周壁部102dを有し、外周壁部102dは、当接部材301が突没する開口を有する。また、メインフレーム102は、中空駆動軸103の周方向にて両側から当接部材301を挟む側壁部102eを有する。
中空駆動軸103側の当接部材本体301aの内面は、中空駆動軸103に対し傾斜したテーパ面によって構成され、当接部材本体301aのテーパ面には楔部材305のテーパ面が摺動自在に当接している。楔部材305は、中空駆動軸103に沿って移動可能に設けられている。
固定用アクチュエータ302は油圧シリンダ306によって構成され、油圧シリンダ306の伸縮方向は、中空駆動軸103に対し平行である。油圧シリンダ306のシリンダチューブ306aは、メインフレーム102のフランジ部102cに固定され、油圧シリンダ306のシリンダロッド306bは楔部材305に連結されている。油圧シリンダ306が伸縮することによって、中空駆動軸103の軸線方向で楔部材305の位置が変化すると、当接部材301が中空駆動軸103の径方向に移動する。
幾つかの実施形態では、固定装置300は、4つの当接部材301と4つの油圧シリンダ306を有する。当接部材301及び油圧シリンダ306は、図25に示したように、中空駆動軸103の周りに90度間隔で配置される。
以下、図16、図17及び図25を参照して、幾つかの実施形態に係る伸縮装置について説明する。伸縮装置400は、可動フレーム401と、伸縮用アクチュエータ402と、軸受403とを含む。
可動フレーム401は、メインフレーム102に対し中空駆動軸103の軸線方向に移動可能である。
伸縮用アクチュエータ402は、メインフレーム102のフランジ部102bと可動フレーム401との間に設けられ、メインフレーム102に対し可動フレーム401を中空駆動軸103の軸線方向に移動させることができる。
軸受403は、可動フレーム401に固定され、中空駆動軸103を回転可能に支持する。
上記構成では、伸縮装置400が、メインフレーム102に対し中空駆動軸103の軸線方向に移動可能な可動フレーム401を有し、可動フレーム401が軸受403を介して中空駆動軸103を回転可能に支持することにより、簡単な構成で、軸部用掘削装置と軸部用駆動装置の間隔を変化させることができる。
幾つかの実施形態では、可動フレーム401は、環形状を有し、中空駆動軸103の軸線方向に相互に離間してフランジ部102cと対向して配置される。伸縮用アクチュエータ402は油圧シリンダ405からなり、油圧シリンダ405の伸縮方向は中空駆動軸103に対し平行である。油圧シリンダ405のシリンダチューブ405aはフランジ部102cに固定され、油圧シリンダ405のシリンダロッド405bの先端は、可動フレーム401に固定されている。可動フレーム401は、油圧シリンダ405を介してフランジ部102cに連結されており、油圧シリンダ405が伸縮することによって、中空駆動軸103の軸線方向にてメインフレーム102に対する可動フレーム401の相対位置が変化する。
一方、中空駆動軸103は、可動フレーム401に固定された軸受403を貫通しており、軸受403は、中空駆動軸103を回転可能に支持するとともに、中空駆動軸103のスラスト力を受け止める。このため、中空駆動軸103は、軸受403を介して、可動フレーム401とともにメインフレーム102に対して相対変位可能であり、油圧シリンダ405を伸長させることによって、拡底用掘削装置200を地盤に向けて変位させることができる。
なお、図16は、油圧シリンダ405が伸長状態のときの軸部用駆動装置100を示しており、図17は、油圧シリンダ405が短縮状態のときの軸部用駆動装置100を示している。
幾つかの実施形態では、伸縮装置400は、中空駆動軸103の軸線方向での可動フレーム401の移動を案内するガイドユニット450を更に含む。
この構成では、中空駆動軸103の軸線方向での可動フレーム401の移動をガイドユニット450が案内するので、伸縮用アクチュエータ402により可動フレーム401を移動させたときの反力により可動フレーム401及び主軸201が傾くことが防止され、孔を真っ直ぐに掘ることができる。
幾つかの実施形態では、ガイドユニット450は、ガイドロッド451と、ガイドスリーブ452とを有する。ガイドロッド451は、中空駆動軸103の軸線方向に延び、フランジ部102cを貫通している。ガイドスリーブ452は、ガイドロッド451に嵌合され、可動フレーム401に固定されている。
幾つかの実施形態では、図25に示したように、2つのガイドロッド451が、中空駆動軸103の直径方向に離間して配置され、2つの油圧シリンダ405が、中空駆動軸103の直径方向に離間して配置されている。そして、2つのガイドロッド451の離間方向と2つの油圧シリンダ405の離間方向は、中空駆動軸103の周りで90度異なっている。
メインフレーム102に対する中空駆動軸103の相対変位を可能にするために、中空駆動軸103には、中空駆動軸103の軸線方向に延在するキー103aが設けられている。そして、ギヤ117には、中空駆動軸103の軸線方向に延び、キー103aと係合するキー溝(図示しない)が設けられている。中空駆動軸103は、ギヤ117に対し軸線方向に変位可能である。
この構成によれば、キー103aが軸線方向に延びているので、中空駆動軸103が軸線方向に変位しても、キー103aとキー溝が係合可能であり、駆動モータ107の出力を中空駆動軸103に伝達可能である。
なお、伸縮装置400を設けない場合、ギヤボックス106が中空駆動軸103のスラスト力を受け止めるように構成してもよい。
幾つかの実施形態では、サンドポンプ40の本体から中空駆動軸103の径方向外側に突出する第1突出部材120と、メインフレーム102に固定され、中空駆動軸103の回転方向にて第1突出部材120に当接可能な第1ストッパ部材121と、が設けられている。
第1ストッパ部材121は、伸縮用アクチュエータ402の伸縮量よりも長く形成されている。
この構成では、サンドポンプ40が中空駆動軸103に対し相対回転可能であっても、第1突出部材120が第1ストッパ部材121に当接することで、中空駆動軸103の回転に伴いサンドポンプ40が回転することが防止される。
そして、サンドポンプ40を回転させることなく、中空駆動軸103と主軸201を一体に回転させることができる。
幾つかの実施形態では、拡底用駆動装置100は、第2突出部材154と第2ストッパ部材155とを更に有する。第2突出部材154は、ロータリジョイント42の静止側、即ち外筒25bに固定され、外筒25bから中空駆動軸103の径方向外側に突出している。
第2ストッパ部材155は、メインフレーム102に対し相対回転不能に設けられ、中空駆動軸103の回転方向にて第2突出部材154に当接可能である。第2ストッパ部材155は、例えば、メインフレーム102のフランジ部102bに固定されている。
第2ストッパ部材155は、後述する伸縮用アクチュエータ402の伸縮量よりも長く形成されている。
この構成では、ロータリジョイント42が中空駆動軸103や主軸201とともに一体に回転する可動側、即ち内筒25cを有していても、第2突出部材154が第2ストッパ部材155に当接することで、ロータリジョイント42の静止側、即ち外筒25bが中空駆動軸103の回転に伴い回転することが防止される。
幾つかの実施形態では、図16及び図17に示したように、中空駆動軸103は、サンドポンプ40とは反対側の他端側にスプライン継手部157aを有する。スプライン継手部157aは、主軸201側のスプライン継手部157bと相対回転不能に連結され、スプライン継手部157bとともに中空のスプライン継手157を構成する。
この構成では、中空駆動軸103と主軸201がスプライン継手157を介して一体に回転可能に連結される。スプライン継手157を用いた場合、フランジ接続を用いる場合よりも、中空駆動軸103と主軸201とを容易に連結可能であるのみならず、高トルクを小断面積にて伝達することができる。
幾つかの実施形態では、スイベルジョイント115aは、中空駆動軸103の軸線方向にてギヤ117から離れている。この構成では、スイベルジョイント115aとギヤ117の取り付け部が別個に中空駆動軸103に設けられていることで、中空駆動軸103の構成を簡単にすることができる。
幾つかの実施形態では、サンドポンプ40の周りに複数の支柱185が設けられている。支柱185は中空駆動軸103の軸線方向に延び、支柱185を介して、円板形状のサブフレーム186がギヤボックス106に固定されている。
サブフレーム186には、吐出管108及び排水管109が固定されている。そして、吐出管108は伸縮可能な伸縮管187によって構成されている。
この構成によれば、中空駆動軸103とともにサンドポンプ40が軸線方向に変位しても、伸縮管187が伸縮するので、中空駆動軸103の変位が妨げられることはない。
またこの構成によれば、固定装置300によりメインフレーム102をケーシング22に固定せずに掘削を行う場合であって、排水管109で軸部用掘削装置や拡底用掘削装置200の反力を受け止めるときに、ギヤボックス106、支柱185及びサブフレーム186を介して反力が排水管109に伝達される。このため、サンドポンプ40に反力が作用することを回避することができる。
最後に、本発明は上述した幾つかの実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、上述した実施形態では、ケーシングを更に圧入する場合としない場合、軸部掘削装置を用いる場合と拡底部掘削装置を兼ねる軸部掘削装置を軸部掘削工程で用いる場合、全周回転機を途中で撤去する場合と撤去しない場合、軸部用掘削装置又は拡底用掘削装置の回転反力をケーシングで受ける場合と地上で受ける場合、について記載されているが、これらの選択肢を適宜組み合わせることができる。
2 地中障害物
4 軸部
6 拡底部
8 拡底孔
10 スライムクリーナ
12 チューブ
14 鉄筋かご
16 トレミー管
18 生コン車
20 バックホウ
22 ケーシング
24 全周回転機
26 クローラクレーン
28 ハンマグラブ
30 空間部
32 拡底用掘削機
34 循環槽
36 送液ポンプ
40 サンドポンプ
40a 吸込口
40b 吐出口
42 ロータリジョイント
42a 油路
42b 外筒
42c 内筒
44 第2突出部材
46 第2ストッパ部材
60 軸部用掘削機
70 反力テーブル
100 駆動装置
102 メインフレーム
102a 本体
102b フランジ部
102c フランジ部
102d 外周壁部
102e 側壁部
103 中空駆動軸
103a キー
104 駆動ユニット
106 ギヤボックス
107 駆動モータ
108 吐出管
109 排水管
115 スイベル継手
115a スイベルジョイント
115b スイベルジョイント
117 ギヤ
118 ギヤ
120 第1突出部材
121 第1ストッパ部材
130 支柱
132 サブフレーム
134 伸縮管
154 第2突出部材
155 第2ストッパ部材
157 スプライン継手
157a スプライン継手部
157b スプライン継手部
200 拡底用掘削装置(軸部用掘削装置)
201 主軸
202 可動アーム
203 ビット
205 ヒンジ結合部
207 傾動用アクチュエータ
210 油圧シリンダ
210a シリンダチューブ
210b シリンダロッド
212 スライダ
214 リンクロッド
216 スタビライザ
250 3翼ビット(先端カッタ/軸部用掘削装置)
252 固定アーム
254 ビット
256 先端部
300 固定装置
301 当接部材
301a 当接部材本体
301b ライナ部材
302 固定用アクチュエータ
305 楔部材
306 油圧シリンダ
306a シリンダチューブ
306b シリンダロッド
400 伸縮装置
401 可動フレーム
402 伸縮用アクチュエータ
403 軸受
405 油圧シリンダ
405a シリンダチューブ
405b シリンダロッド
450 ガイドユニット
451 ガイドロッド
452 ガイドスリーブ

Claims (9)

  1. 地中障害物が存在する地盤に杭を設置する杭設置方法において、
    前記地中障害物を除去する障害物除去工程と、
    軸部及び前記軸部の下端部に設けられた拡底部を有する拡底孔を形成する拡底孔掘削工程と、
    前記拡底孔内に鉄筋を配置する鉄筋配置工程と、
    前記鉄筋が配置された前記拡底孔内に生コンクリートを供給するコンクリート供給工程と、
    を備え、
    前記障害物除去工程は、
    円筒形状を有する少なくとも1つのケーシングを、前記地中障害物を囲むまで地中に圧入する工程と、
    前記少なくとも1つのケーシングによって囲まれた前記地中障害物を除去し、これにより前記少なくとも1つのケーシングによって囲まれた空間部を形成する、除去工程と
    を含み、
    前記拡底孔掘削工程は、
    前記地中に前記少なくとも1つのケーシングが残され且つ前記ケーシング内に空間部を有する状態で、前記空間部よりも下方を掘削し、前記空間部を含む前記軸部を形成する軸部掘削工程と、
    前記軸部の下端部周辺を掘削し、前記拡底部を形成する拡底部掘削工程と、
    を含む
    ことを特徴とする杭設置方法。
  2. 前記拡底部掘削工程は、掘削途中の孔に安定液を供給しながら、土砂を含む前記安定液を前記掘削途中の孔から排出するリバース工法によって行われ、
    前記拡底孔掘削工程と前記鉄筋配置工程との間に、前記拡底部に沈殿したスライムを前記拡底孔から除去するスライム除去工程を更に備え、
    前記拡底部掘削工程において、前記リバース工法は、前記土砂を含む安定液を前記掘削途中の孔から排出可能な揚水ポンプを含む拡底用掘削機を用いて実施され、
    前記スライム除去工程において、前記揚水ポンプを使用して前記スライムが除去される
    ことを特徴とする請求項1に記載の杭設置方法。
  3. 前記拡底用掘削機は、
    前記揚水ポンプ、地盤を掘削する拡底用掘削装置及び当該拡底用掘削装置を駆動する拡底用駆動装置を備え、
    前記拡底用駆動装置は、
    メインフレームと、
    前記メインフレームに対し相対回転可能に設けられた中空駆動軸と、
    駆動モータを有し、前記メインフレームに固定されて前記中空駆動軸を回転させるための駆動ユニットと、
    前記中空駆動軸の一端側と前記揚水ポンプの吸込口とを相対回転可能に連結するスイベルジョイントと、
    を含み、
    前記拡底用掘削装置は、
    前記中空駆動軸の他端側に着脱可能で、前記中空駆動軸と一体に回転する中空の主軸と、
    一端が前記主軸に回動可能に取り付けられた可動アームと、
    前記主軸と前記可動アームとの間に設けられ、前記可動アームを前記主軸の径方向外側に傾動させるための傾動用アクチュエータと、
    前記可動アームに取り付けられた複数のビットと、
    を含み、
    前記主軸と前記中空駆動軸との間に、前記傾動用アクチュエータに作動流体を供給するための流路を有するロータリジョイントが介装され、
    前記拡底部掘削工程において、前記メインフレームの回転を規制しながら前記駆動装置により前記拡底用掘削装置を駆動する
    ことを特徴とする請求項2に記載の杭設置方法。
  4. 前記拡底用掘削機は、前記主軸の先端側に設けられた先端カッタを更に備え、
    前記先端カッタは、前記主軸の径方向にて、前記主軸の先端下方が最も深くなるように前記拡底部を掘削可能な形状を有する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の杭設置方法。
  5. 前記軸部掘削工程は、掘削途中の孔に安定液を供給しながら、土砂を含む前記安定液を掘削途中の孔から排出するリバース工法によって行われ、
    前記軸部掘削工程において、前記リバース工法は、前記土砂を含む安定液を送出可能な揚水ポンプを有する軸部用掘削機を用いて実施される
    ことを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載の杭設置方法。
  6. 前記軸部用掘削機は、
    前記揚水ポンプと、
    地盤を掘削する軸部用掘削装置と、
    前記軸部用掘削装置を駆動する軸部用駆動装置と、
    を備え、
    前記軸部用駆動装置は、
    メインフレームと、
    前記メインフレームに対し相対回転可能に設けられた中空駆動軸と、
    駆動モータを有し、前記メインフレームに固定されて前記中空駆動軸を回転させるための駆動ユニットと、
    前記中空駆動軸の一端側と前記揚水ポンプの吸込口とを相対回転可能に連結するスイベルジョイントと、
    を含み、
    前記軸部用掘削装置は、
    前記中空駆動軸の他端側に着脱可能で、前記中空駆動軸と一体に回転する中空の主軸と、
    前記主軸の先端側に設けられた先端カッタと、
    を含む
    ことを特徴とする請求項5に記載の杭設置方法。
  7. 前記軸部用掘削装置は、
    一端が前記主軸に回動可能に取り付けられた可動アームと、
    前記主軸の先端側に設けられた先端カッタと、
    前記主軸と前記可動アームとの間に設けられ、前記可動アームを前記主軸の径方向外側に傾動させるための傾動用アクチュエータと、
    前記可動アームに取り付けられた複数のビットと、
    を更に含み、
    前記主軸と前記中空駆動軸との間に、前記傾動用アクチュエータに作動流体を供給するための流路を有するロータリジョイントが介装され、
    前記軸部用掘削機を前記拡底用掘削機として用いる
    ことを特徴とする請求項6に記載の杭設置方法。
  8. 前記軸部掘削工程は、前記少なくとも1つのケーシングを地中に更に圧入する追加圧入工程を含む
    ことを特徴とする請求項2乃至7の何れか1項に記載の杭設置方法。
  9. 前記軸部掘削工程は、前記少なくとも1つのケーシング内の土砂を、バケットを有する掘削装置を用いて除去する工程を含む
    ことを特徴とする請求項8に記載の杭設置方法。
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