以下に本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各装置や各部材の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。また以下の説明における「左右」や「上下」の方向は、単に説明の便宜上の定義であって、本発明の技術的思想を限定するものではない。よって、例えば、紙面を90度回転すれば「左右」と「上下」とは交換して読まれ、紙面を180度回転すれば「左」が「右」に、「右」が「左」になることは勿論である。
まず本発明の実施の形態に係る長尺部材の埋込方法に用いられる主装置と、第1〜第6の長尺部材埋込補助装置とを説明する。長尺部材の埋込方法では、主装置として図1に示すような小型の穴掘建柱車1が用いられる。穴掘建柱車1は、地盤を鉛直に掘削する短いオーガスクリュー10が備えられている。オーガスクリュー10の長さに比してはるかに深い深孔を掘るために、短いオーガスクリュー10の実効掘削深さを延長する目的で、図2及び図14に示したような複数の延長ロッド20a,20b,20c,…が用いられる。また、実効掘削深さを延長するために、図3及び図4に示したような延長ロッド用の連結補助装置30が用いられる。延長ロッド用の連結補助装置30は、複数の延長ロッド20a,20b,20c,…の相互間の接続又は複数の延長ロッド20a,20b,20c,…をオーガスクリュー10に継ぎ足す作業に用いられる、
また長尺部材の埋込方法では、図5、図6、図18〜図20に示すような縦穴の深さより短い複数のガイド管40a,40b,40c,…を用い、これらの複数のガイド管40a,40b,40c,…が、互いに連結されて埋め込まれ、連結された複数のガイド管40a,40b,40c,…が縦穴の仮内壁を構成している。この複数のガイド管40a,40b,40c,…は、掘削された縦穴に長尺部材を差し込んで設置した後、再利用のため縦穴から抜き取られる。また、この複数のガイド管40a,40b,40c,…を穴掘建柱車1に連結する、図7に示したような連結キャップ50が用いられる。また、ガイド管の相互の連結は、ねじ込み作業のみで行われるので、ねじ込み作業には、図8に示したようなガイド管用連結補助装置60が用いられる。更に本発明の実施の形態に係る長尺部材の埋込方法においては、ガイド管連結体の底部に堆積した戻り土砂を排出する、図9に示したような樋型スクリュー70が用いられる。
「戻り土砂」とは、縦穴の底部に堆積する流動性の高い土砂を意味する。通常、縦穴を20m程度掘削した場合、縦穴の内側では、透水性の地層から地下水が湧き出し、この地下水が掘削により縦穴の内側に発生する土砂に混ざることにより、図15に示すように、流動性の高い土砂Sが縦穴の内側の底部に堆積する、いわゆる「戻り」と呼ばれる現象が生じる。図15においては、縦穴の底部に、堆積深さ10m程度となる戻り土砂Sが生じた場合が例示されている。
(主装置:穴掘建柱車)
本発明の実施の形態に係る長尺部材の埋込方法に用いる主装置である穴掘建柱車1は、図1に示すように、走行可能な車体の後部に、起伏動自在、伸縮動自在及び旋回動自在なブーム13を備える。この穴掘建柱車1は、通常の標準的な仕様においては、例えば3m程度の長さのオーガスクリュー10を駆動する4トン車程度の小型の車両が適合する。ブーム13の先端には回転駆動装置15が設けられ、回転駆動装置15がオーガスクリュー10を吊り下げて回転させる。尚、オーガスクリュー10の長さは、通常の標準的な仕様であっても、5〜6m程度にまでは伸長可能である。
回転駆動装置15は、本発明の実施の形態では例えば油圧モータで構成することが可能である。図示を省略した油圧装置により回転駆動力を発生する。回転駆動装置15には、オーガスクリュー10を連結するとともに、回転駆動力をオーガスクリュー10に伝達するための駆動軸15aが設けられている。駆動軸15aの下端部には、図12中に例示するような直方体状の継手85と同様な構造の継手が挿入可能なように、例えば、開口部の形状が正方形である直方体状の図示を省略した凹部が形成される。また駆動軸15aの下端部には、図示を省略した一対の連結孔が、直方体の鉛直方向の中心軸を通るように水平に貫通形成される。
図1に示すように、オーガスクリュー10は、駆動軸15aに連結される回転軸10aと、回転軸10aの外側面の下端部側の1〜2m程度の箇所に螺旋状に取り付けられた送り羽根10bとを有する。回転軸10aの上端部には、例えば開口部の形状が正方形である直方体状の図示を省略した凹部が形成される。そして一端が回転軸10aの上端部の凹部に嵌合するとともに、他端が駆動軸15aの下端部の凹部に嵌合するように形成された継手を介して、回転軸10aと駆動軸15aとは、互いに同軸で結合される。また回転軸10aの上端部の凹部の側壁には、図12中に連結孔11で例示したのと同様な一対の連結孔が、軸の中心を通る同一直線上に水平に貫通形成されている。
駆動軸15aの下端部に挿入される継手の上端部には、回転駆動装置15の駆動軸15aの下端部に設けられた一対の連結孔と同一直線上で連通する、図示を省略した貫通孔が形成されている。同様に、駆動軸15aの下端部に挿入される継手の下端部にも、オーガスクリュー10の回転軸10aの上端部に設けられた一対の連結孔と同一直線上で連通する、図示を省略した貫通孔が形成されている。継手の上端部を駆動軸15aの下端部の凹部に嵌合させ、継手の上側の貫通孔と、駆動軸15aの一対の連結孔とに、図示を省略した連結ピンを同時に差し込むことで、回転駆動装置15と継手とが連結される。また継手の下端部を回転軸10aの上端部の凹部に嵌合させ、継手の下側の貫通孔と回転軸10aの一対の連結孔とに、図示を省略した連結ピンを同時に差し込むことで、継手と回転軸10aとを連結する。
また穴掘建柱車1は、ブーム13の先端から吊上げフックを下方に垂下させるように構成された、図示を省略したウインチ装置を備える。通常、ウインチ装置は、電柱、接地棒等の棒状の長尺部材を地中に建て込むために用いられ、長尺部材を吊上げるとともに掘削した縦穴の中に差し込むための装置である。
本発明の実施の形態に係る長尺部材の埋込方法に用いるのに好適な穴掘建柱車1としては、通常の一般的な目的の場合における標準的な仕様が、以下の(1)〜(6)に示すレベルである車両が該当する。
(1)車両全長:8m程度、車両全幅:2m程度、車両重量:5〜7トン程度、
(2)オーガトルク:600〜700kgf・m程度、
(3)オーガスクリューの径:450〜500mm程度、
(4)最大掘削深さ:5〜6m程度、
(5)最大地上揚程:13m程度、
(6)作業半径(例えば3段ブームの場合):約1m〜約8m、
本発明の実施の形態に係る長尺部材の埋込方法おいては、上述の(1)〜(6)の仕様で規定されるような比較的小出力で小型の穴掘建柱車1を主装置として用いることを特徴としているため、いわゆる二軸同軸式のアースオーガ掘削を行うことを必須の仕様とはしていない。従って、主装置としての穴掘建柱車1は、オーガスクリュー10の外側にオーガスクリュー10と同軸で回転するケーシングを有さない小型の構造の車両である。このため、穴掘建柱車1は、重機等の比較的大出力の車両をベースマシンとした大型の掘削装置に比べ車両の幅や長さが短いので、機動性に優れ、作業現場までスムーズに移動することができ、作業現場における専有面積も小さくてよい。また車両の後部に操作席が設けられているため、作業用の視野角が広く、操作性に優れている。
(第1の長尺部材埋込補助装置:延長ロッド)
短いオーガスクリュー10の実効掘削深さを所望の掘削深さまで延長する延長ロッド20aは、鉄等の金属材料で構成され、図2(a)及び図2(b)に示すように、円筒状の部材である。延長ロッド20aの長手方向の長さは、小型の穴掘建柱車1の最大地上揚程に適合した長さに選択され、例えば320cm程度の値とすることができる。また延長ロッド20aの径はオーガスクリュー10の回転軸10aの径と略同じ径である。延長ロッド20aは、図2(a)に示すように、延長ロッド20aの軸に関し回転対称であり、且つ、図2(b)に示すように、上下対称に形成されている。延長ロッド20aは、図2(c)に示すように、内側が中空であり両端部は開口している。延長ロッド20aの下端部には、軸の中心を通る同一直線上で、壁面を水平に貫通する一対の連結孔21a,21bが形成されている。また延長ロッド20aの上端部にも、下端部と同様に、軸の中心を通る同一直線上で、壁面を水平に貫通する一対の連結孔25a,25bが形成されている。他の延長ロッド20b,20c,…も、図2に示す延長ロッド20aと同様な寸法と構造を有する。
また延長ロッド20aの上端部の開口部の形状は、図2(a)に示すように、上端部を垂直方向の上部から見た構造が正方形状に形成されている。延長ロッド20aは上下対称なので、延長ロッド20aの下端部の構造も、下端部を垂直方向の下部から見た構造が正方形状であり、底面が正方形である直方体状の継手85の上端部に嵌合するように構成されている。
例えば、図12に示すように、延長ロッド20aの下端部に継手85の上端部を嵌合させ、延長ロッド20aの一対の連結孔21a,21bと継手85の下端部の貫通孔とに同時に、図示を省略した連結ピンを差し込むことで、延長ロッド20aと継手85とを連結することが可能である。よって延長ロッド20aは、継手85を介して、オーガスクリュー10の回転軸10aの上端部に連結して、オーガスクリュー10の実効掘削深さを拡大することが可能である。
また複数の延長ロッド20a,20b,20c,…同士を、図13及び図14に示すように、継手85を介して長手方向に複数本連結して、延長ロッド連結体を形成し、オーガスクリュー10に継ぎ足すことによって、オーガスクリュー10の実効掘削深さを更に拡大して所望の掘削深さを実現することができる。よって、目標とする縦穴の深さに対応して、延長ロッド連結体の長さを実現する複数の延長ロッド20a,20b,20c,…の本数を選択することにより、目標とする深さの縦穴を掘削することができる。そして通常のオーガスクリュー10の標準仕様における最大掘削深さ以上の深さの縦穴であっても、複数の延長ロッド20a,20b,20c,…の連結本数を選択することによって、最大地上揚程の短い穴掘建柱車1を用いた場合であっても、穴掘建柱車1の最大地上揚程の数倍以上の任意の深さの縦穴を掘削することができるので、従来のボーリング等による大型機械を用いた掘削作業と等価な掘削が可能となる。
(第2の長尺部材埋込補助装置:延長ロッド用の連結補助装置)
延長ロッド用の連結補助装置30は、例えば図3(a)に示すように、第1支持体30aと、第2支持体30bと、第1支持体30aと第2支持体30bとを連結する連結リング30cとを備えて構成することが可能である。連結補助装置30は鉄等の金属材料で構成され、図12に示すように、地上に配置され、オーガスクリュー10の上端部と、延長ロッド20aの下端部とを連結する際に、下側に位置するオーガスクリュー10の上端部を固定する補助装置として、又は延長ロッド20i,20i+1同士を連結して、実効掘削深さを拡大する際に、下側の延長ロッド20iの上端部を固定する補助装置として用いられる。
図3に示す例では、第1支持体30aは、水平部31a1と、この水平部31a1の一端から上方に鉛直に立ち上がる鉛直部31a2とを有する本体31aと、鉛直部31a2に取り付けられた軸押さえ部33aとを有する。また第1支持体30aは、図3(b)に示すように、軸押さえ部33aと間隔を空けて鉛直部31a2に取り付けられた環状の連結部35aと、を有する。本体31aの水平部31a1と鉛直部31a2とは、図3(a)に示すように、一枚の板状部材を略直角に折り曲げて形成された一体のL字型部材から構成されている。また第1支持体30aは、水平部31a1と鉛直部31a2とにより形成される凹部に設けられた3枚の補強リブ37a1,37a2,37a3と、凹部の内側で鉛直部31a2に接触して設けられた2本の取手部39a1,39a2とを備える。
一方、第2支持体30bは第1支持体30aと対称的に構成されており、第1支持体30aと同様に、水平部31b1と鉛直部31b2とを有する本体31bと、軸押さえ部33bと、連結部35bと、3枚の補強リブ37b1,37b2,37b3と、2本の取手部39b1,39b2とを備える。第1支持体30aと第2支持体30bとは、第1支持体30aの鉛直部31a2の凹部と反対側の面と、第2支持体30bの鉛直部31b2の凹部と反対側の面とが、正対するように連結される。
第1支持体30aの軸押さえ部33aは、図3(a)及び図3(b)に示すように、鉛直部31a2の第2支持体30b側の面上で、本体31aの長手方向の中央から一端側へやや変位した位置に設けられ、高さは鉛直部31a2と略同じである。軸押さえ部33aの第2支持体30b側の面は、図3(a)に示すように、第2支持体30b側に窪むように湾曲して形成されている。軸押さえ部33aの湾曲面の曲率は、延長ロッド20の回転軸10aの外径の曲率と略同じである。また第2支持体30bの軸押さえ部33bも、第1支持体30aの軸押さえ部33aと対称的に構成され、第1支持体30aの軸押さえ部33aの湾曲面と、第2支持体30bの軸押さえ部33bの湾曲面とは正対している。第1支持体30aの軸押さえ部33aの湾曲面及び第2支持体30bの軸押さえ部33bの湾曲面は、図12に示すように、延長ロッド20の回転軸10aの外側面にそれぞれ密着して接触し、延長ロッド20を両側から挟み込んで強固に固定する。尚、図4中には、第1支持体30aの軸押さえ部33aと第2支持体30bの軸押さえ部33bとによって、延長ロッド20が挟み込まれる場合が例示されている。
また第1支持体30aの連結部35aは、図3に示すように、鉛直部31a2の第2支持体30b側の面上で、本体31aの一端部側(図3(a)中の上側)に変位した位置に設けられる。また第2支持体30bの連結部35bも第1支持体30aの連結部35aと対称的に構成され、鉛直部31b2の第1支持体30a側の面上で、本体31bの一端部側(図3(a)中の上側)に変位した位置に設けられる。そして第1支持体30aの連結部35aと第2支持体30bの連結部35bとが、連結リング30cを介して連結される。
すなわち第1支持体30aの本体31aは、連結リング30cを境として、軸押さえ部33aを有する領域と、軸押さえ部33aを有さない領域とに2分割され、軸押さえ部33aを有さない領域の方が、軸押さえ部33aを有する領域よりも、連結補助装置30の長手方向が長く構成される。第2支持体30bの本体31bも、第1支持体30aの本体31aと同様に構成される。
そのため、図4に示すように、延長ロッド用の連結補助装置30が連結リング30cを中心に回動する際、第1支持体30aの軸押さえ部33a側の取手部39a2と、第2支持体30bの軸押さえ部33b側の取手部39b2との離間距離が大きく形成される。そのため、取手部39a2と取手部39b2とを離間させるだけで、第1支持体30aの軸押さえ部33aと第2支持体30bの軸押さえ部33bとを大きく開口できる。よって作業者が一人であっても、連結補助装置30の操作が容易になる。
第1支持体30aの3枚の補強リブ37a1,37a2,37a3は、図3(a)に示すように、それぞれ直角三角形状の板部材であり、本体31aの長手方向に等間隔で、水平部31a1と鉛直部31a2とに同時に接触して設けられている。また第2支持体30bの3枚の補強リブ37b1,37b2,37b3も、第1支持体30a側と同様に構成され、本体31bの長手方向に等間隔で、水平部31b1と鉛直部31b2とに同時に接触して設けられている。第1支持体30aの3枚の補強リブ37a1,37a2,37a3と第2支持体30bの3枚の補強リブ37b1,37b2,37b3により、連結補助装置30の剛性が高められる。よってオーガスクリュー10又は延長ロッド20を固定する際に、連結補助装置30を介して大きな力を負荷し、強固に固定することができる。
第1支持体30aの2本の取手部39a1,39a2は、図12に示すように、棒状の部材をU字状に湾曲して形成され、本体31aの両端部に一本ずつ取り付けられる。また第2支持体30bの2本の取手部39b1,39b2も、第1支持体30a側と同様に構成され、本体31bの両端部に一本ずつ取り付けられる。第1支持体30aの2本の取手部39a1,39a2と第2支持体30bの2本の取手部39b1,39b2により、オーガスクリュー10又は延長ロッド20を固定する際に、両側から挟み込む力を効率的に伝達できる。また第1支持体30aと第2支持体30bとの開閉動作が容易となる。
(第3の長尺部材埋込補助装置:ガイド管)
掘削された縦穴に長尺部材を差し込むに先行して、図18及び図19に示すように、縦穴に導入される複数のガイド管40a,40b,40c,…は、それぞれ鉄等の金属材料で構成され、図5(a)及び図5(b)に示すように円筒状の部材である。複数のガイド管40a,40b,40c,…の長手方向のそれぞれの長さは、小型の穴掘建柱車1の最大地上揚程に適合した長さに選択され、例えば280cm程度の値とすることができる。また複数のガイド管40a,40b,40c,…の外径は、例えば400mm程度であり、複数のガイド管40a,40b,40c,…の縦穴への導入を容易にするため、オーガスクリュー10が掘削した縦穴の径よりも小さい。複数のガイド管40a,40b,40c,…が、オーガスクリュー10が掘削した縦穴の内側に導入される際、複数のガイド管40a,40b,40c,…を縦穴に押し込むための縦方向の力を軽減、又は不要にするために、複数のガイド管40a,40b,40c,…と穴壁との間には隙間(クリアランス)を設けて、押し込み抵抗を小さくすることが好ましいからである。更に、複数のガイド管40a,40b,40c,…は、長尺部材を地盤に埋め込む際に、内側に長尺部材が差し込まれ、長尺部材を縦穴の底部まで案内した後、縦穴から引き抜かれ、別の縦穴に埋め込むように再利用される。従って、複数のガイド管40a,40b,40c,…と縦穴との間のクリアランスが小さいと、複数のガイド管40a,40b,40c,…を縦穴から引き抜く際の引き抜き抵抗も大きくなり、小型の作業機械では引き抜くことが困難になる。
図5(b)に示すように、ガイド管40aの上端部は中央部よりもやや縮径して形成され、上端部の外側面には雄ねじ部41が形成されている。またガイド管40aの下端部は中央部と略同じ径で形成され、下端部の内側面には、図5(c)に示すように、上端部の雄ねじ部41の構造に対応する雌ねじ部43が形成されている。またガイド管40aの上端部には、図5(a)及び図5(c)に示すように、雄ねじ部41よりも低い位置に、軸の中心を通る同一直線上で、側壁を水平に貫通する一対の連結孔45a,45bが形成される。他のガイド管40b,40c,…も、図5に示すガイド管40aと同様な寸法と構造を有する。
例えば2本のガイド管40a,40bを用意し、一方のガイド管40aの上端部の雄ねじ部41を、他方のガイド管40bの下端部の雌ねじ部43にねじ込むことにより、2本のガイド管40a,40bを同軸で連結し、ガイド管連結体が形成される。よって複数のガイド管40a,40b,40c,…同士は、継手等の連結部材を用いることなく、継ぎ合わせることが可能であり、長尺部材の長さに適合した本数を選ぶことにより、所望の長さのガイド管連結体を形成することができる。
またガイド管40aの雄ねじ部41のねじ山は、図6にその一部を示すように、ねじ山の断面形状が四角形である角ねじ構造が用いられることが望ましい。角ねじ構造を採用することにより、雄ねじ部41と雌ねじ部43とを互いにねじ込ませる際、三角ねじ構造のねじ山の場合に比べ、より強い力をねじ山にかけることが可能になる。このため、複数のガイド管40a,40b,40c,…の相互の結合力を高め、軸方向に大きな力をかけて、ガイド管連結体を引き抜く作業等が可能になる。
(第4の長尺部材埋込補助装置:連結キャップ)
連結キャップ50は、図7に示すように、ガイド管40aの上端部に被せて取り付ける本体51と、本体51の上面に設けられた接続部55と、本体51の外側面に取り付けられた一対の補助プレート57,59とを備える。本体51は、鉄等の金属材料で構成され、図7(a)及び図7(b)に示すように、有底円筒状の部材であり、底部分を上にして用いられる。本体51の高さ(図7中の上下方向の長さ)は、例えば300cm程度であり、本体51の外径は、ガイド管40aの外径と同じである。本体51の下端部の内側面には、ガイド管40aの上端部の雄ねじ部41の構造に対応する雌ねじ部53が形成されている。
連結キャップ50の接続部55は、鉄等の金属材料で構成され、図7(a)に示すように、上面から見た形状が正方形となる直方体形状に形成され、溶接等により、底面が本体31aの上面に同軸で固着される。接続部55の上端部には、図7(c)に示すように、直方体の鉛直方向の中心軸を通るように、接続部55を水平に貫通する貫通孔55aが形成される。また接続部55の下端部には、直方体の鉛直方向の中心軸を通るように、水平に貫通する貫通孔55bも形成されている。上端部の貫通孔55a及び下端部の貫通孔55bは、いずれも回転駆動装置15の駆動軸15aの一対の連結孔に同時に連結ピンが差し込まれて用いられる孔である。上端部の貫通孔55a及び下端部の貫通孔55bは、例えば、いずれか一方を、選択的に駆動軸15aの一対の連結孔に連結することで、連結キャップ50の連結位置の高さを微調整するために用いることができる。また駆動軸15aに、接続部55の2本の貫通孔55a,55b間の間隔に対応した間隔を鉛直方向に空けた二組の連結孔の対が形成されている場合、接続部55の2本の貫通孔55a,55bと、駆動軸15aの二組の連結孔の対とを用いて、駆動軸15aと連結キャップ50とを鉛直方向の2箇所で連結し、連結力を高めるように用いてもよい。
一対の補助プレート57,59は、図7(b)に示すように、それぞれ鉄等の金属材料で構成された板状の部材であり、本体51の外側面上で、長手方向を上下方向に向け、互いに連結キャップ50の軸の中心を通る同一直線上に対称的に位置するように、溶接等により固着される。一対の補助プレート57,59は、主面の上半分程度が本体51の外側面に固着し、下半分程度が本体51の下側に突出するように設けられている。
一方の補助プレート57の下半分の中央位置には、図7(a)及び図7(c)に示すように、水平な貫通孔57aが形成される。また他方の補助プレート59の下半分の中央位置には、水平な貫通孔59aが形成される。よって一対の貫通孔57a,59aは、本体51の軸の中心を通る同一直線上に配置される。また一対の貫通孔57a,59aは、連結キャップ50とガイド管40aとが連結した際、ガイド管40aの上端部の一対の連結孔45a,45bと同じ高さ位置となるように形成されている。
連結キャップ50とガイド管40aとの間では、ねじ結合に加え、連結キャップ50の一対の貫通孔57a,59aと、ガイド管40aの一対の連結孔45a,45bとに同時に連結ピンが差し込まれることにより、連結キャップ50とガイド管40aとの結合力が高められる。すなわち連結キャップ50は、ガイド管40aの上端部に蓋として被せられるとともに、ガイド管40aを回転駆動装置15に連結するための継手として用いられる。連結キャップ50を介して、ガイド管40a又はガイド管連結体を、穴掘建柱車1のブーム13に吊り下げることが可能となる。
(第5の長尺部材埋込補助装置:ガイド管用連結補助装置)
複数のガイド管40a,40b,40c,…を互いに連結する際に用いるガイド管用連結補助装置60は、図8に示すように、ガイド管40aの外側面に接触する管押さえ部61と、管押さえ部61を支持する支持棒63と、支持棒63の両側に取り付けられ支持棒63とともに管押さえ部61を支持する一対の支持板65,67とを備える。またガイド管用連結補助装置60は、図17及び図18に示すように、管押さえ部61の両端に形成された一対の連結孔61a,61bに貫通させる貫通棒Bを備える。例えば図17に示す例では、地上に配置され、縦穴の内側に配置された下側の第1のガイド管40aの上端部と、穴掘建柱車1に吊り上げられた上側の第2のガイド管40bの下端部とを連結する際に、ガイド管用連結補助装置60が用いられる場合が示されている。
図8に示した管押さえ部61は、鉄等の金属材料で構成された長板状の部材を、U字状となるように、長手方向の中央部を湾曲して形成されている。U字状の管押さえ部61の内側の面が、ガイド管40aの外側面に接触する湾曲面とされ、湾曲面の曲率はガイド管40aの外側面の曲率と略同じであり、ガイド管40aの外側面に密着するように構成されている。また図8において管押さえ部61の両端の一対の連結孔61a,61bは、同一直線上に位置するトポロジーで配置されている。
支持棒63は、鉄等の金属材料で構成された棒状の部材であり、一端側の端面が、溶接等により、管押さえ部61のガイド管40aに接触する湾曲面と反対側の面に固着されている。図18に示す例では、支持棒63の他端側は、支持装置80に設けられた固定部87の先端の内径に嵌合するように構成されている。支持装置80は自重により、又は何らかの方法で地盤に固定される。固定部87の先端は筒状である。すなわち図18においては、第4のガイド管40dに連結された連結補助装置60が、固定部87を介して支持装置80に支持され、地盤に対して固定される。
図8に示した一対の支持板65,67はそれぞれ、鉄等の金属材料で構成された板状の部材であり、溶接等により、管押さえ部61と支持棒63とに同時に接触して取り付けられている。一対の支持板65,67により、連結補助装置30の剛性が高められ、ガイド管40a又はガイド管連結体を地上で支持する際、連結補助装置30に加えられる大きな負荷に抗することができる。
(第6の長尺部材埋込補助装置:樋型スクリュー)
ガイド管連結体の底部に堆積した戻り土砂を排出する樋型スクリュー70は、図9(a)に示すように、延長ロッド連結体の先端(下端)に連結される回転軸71を有し、この回転軸71に対し、回転軸71の外側面を螺旋状に可変勾配で周回する底部75と、底部75の外側の端部から鉛直に立ち上がるようにして螺旋状に可変勾配で周回する側壁77とで螺旋状の樋73を構成し、アルキメデスの揚水ポンプに類似した構造をなしている。また螺旋状の樋73の下端部には、先端が回転軸71の外側面に接し、回転軸71の外側面から側壁77までに亘る螺旋状の円弧面を構成する隔壁部79を備える。
樋型スクリュー70の回転軸71の長手方向の長さは、例えば100cm程度である。また螺旋状の樋73の回転軸71を中心とする外径は、例えば350mm程度であり、ガイド管40aの径よりも小さく、樋73はガイド管40aの内側において回転する。樋型スクリュー70は、縦穴の内側に配置されたガイド管連結体の内側に差し込まれ、ガイド管連結体の縦穴への挿入後にガイド管連結体の底部から、ガイド管連結体の内側に漏れて堆積した土砂を掘削して除去するために用いられる。
樋型スクリュー70を構成する回転軸71は、鉄等の金属材料で構成された棒状の部材であり、回転軸71の上端部には、オーガスクリュー10の回転軸10aに結合される第1の延長ロッド20aの場合と同様に、底面が正方形である直方体状の図示を省略した凹部が形成され、図12に示した継手85を介して、延長ロッドの先端部(下端部)に結合される。すなわち樋型スクリュー70の回転軸71は、継手85を介して、回転軸71と延長ロッド連結体とが同軸で嵌合するように構成されている。
回転軸71の下端部は、図9に示すように、先鋭化されている。また回転軸71の上端部の凹部の側壁には、図示を省略した一対の連結孔が、軸の中心を通る同一直線上に水平に貫通形成されている。一対の連結孔は、オーガスクリュー10の一対の連結孔と同様に、継手85と連結され、延長ロッド連結体の先端部に結合される。すなわち、樋型スクリュー70は、複数の延長ロッド20a,20b,20c,…を継ぎ足すことにより、実効掘削深さが延長されるように構成されている。
底部75、側壁77及び隔壁部79は、いずれも鉄等の金属材料で構成された部材である。ミクロな視点からは平板と近似できる底部要素が一定の勾配で連続して螺旋状に周回し上昇する底部75と、底部75とともにミクロな視点からは平板と近似できる側壁要素が一定の勾配で連続して螺旋状に周回し上昇する側壁77と、回転軸10aの外側面とによって螺旋状の樋73が形成される。樋73の内側には、図9(b)に示すように、土砂Sが導入される。隔壁部79はブロック状であり、樋73の下端部を閉鎖し、樋73に導入された土砂Sが、可変勾配流路を構成する樋型スクリュー70の下端部から漏れないように構成される。
(長尺部材の埋込方法)
次に、本発明の実施の形態に係る長尺部材の埋込方法を、図10〜図28を参照して説明する。また、以下の本発明の実施の形態に係る長尺部材の埋込方法では、図1に示した主装置及び図2〜図9に示した第1から第6の長尺部材埋込補助装置が用いられる。本発明の実施の形態に係る長尺部材の埋込方法が用いられる穴掘作業では、主装置として、図1に示したような4トン車程度の小型の穴掘建柱車1が用いられるものとする。また、縦穴の目標深さが20m程度であると仮定する。そして主装置としての穴掘建柱車1に装備されているオーガスクリュー10の長さは、最大に伸長させて約5m程度であるとする。またオーガスクリュー10は、継手85を介して回転駆動装置15の駆動軸15aに連結されているとする。尚、以下の説明では、オーガスクリュー10と延長ロッドとの連結、或いは延長ロッド同士の連結、或いは延長ロッドと回転駆動装置15の駆動軸15aとのそれぞれの連結において、継手85の取り付け動作及び取り外し動作の説明を適宜省略する
(a)まず、図10に示すように、主装置である穴掘建柱車1の車体に設けられたアウトリガ(符号を省略)を車体の外側に張り出し、車体を地盤上の所定位置に固定する。そしてブーム13を起伏作動、伸縮作動及び旋回作動させて回転駆動装置15を掘削位置の上方に移動させ、オーガスクリュー10を回転作動させる。次に、ブーム13を縮めつつ下げることで、穴掘建柱車1に連結されたオーガスクリュー10を下降させて地盤に差し込む。オーガスクリュー10が回転しながら下降することで、オーガスクリュー10の先端で土砂が掘削される。掘削された土砂は螺旋状の送り羽根10bに従って駆動軸15a側すなわち地上に搬送され排出される。
(b)次に、差し込まれたオーガスクリュー10の上端部を地上に露出させたまま、オーガスクリュー10の下降を停止する。すなわちオーガスクリュー10全体を縦穴に送り込まず、一部を残して掘削動作を一時停止する。次に、オーガスクリュー10と回転駆動装置15との間の継手85と、回転駆動装置15の駆動軸15aとを連結する連結ピンを抜く。次にブーム13を少しずつ伸長及び起立させ、継手から回転駆動装置15を引き抜き、オーガスクリュー10と回転駆動装置15との連結を解除する。そしてオーガスクリュー10を縦穴の内側に残したまま、ブーム13を旋回し、回転駆動装置15を掘削位置から離間させる。
(c)次に、図11に示すように、地上において、回転駆動装置15に第1の延長ロッド20aを1本継ぎ足す。第1の延長ロッド20aの長さは、穴掘建柱車1の最大地上揚程以内で設定されるので、最大地上揚程以内であれば、2本以上の延長ロッド20a,20b,…を用いて「第1の延長ロッド連結体」を構成し、この第1の延長ロッド連結体を回転駆動装置15に継ぎ足してもよい。あるいは最大地上揚程を考慮して、1本の延長ロッドの長さを決めてもよい。次に第1の延長ロッド20aを回転駆動装置15の駆動軸15aに連結し、ブーム13を伸長及び起立させながら、第1の延長ロッド20aを穴掘建柱車1で吊り上げる。そしてブーム13を旋回させて第1の延長ロッド20aを掘削位置の上方に移動させ、第1の延長ロッド20aと、地上に上端部が露出したオーガスクリュー10の回転軸10aとを同軸に揃える。
(d)次に、ブーム13を少しずつ縮め且つ下げながら、吊り下げた第1の延長ロッド20aを下降させる。このとき、図12に示すように、第1の枕木81と第2の枕木83とを縦穴を挟んで地面に配置し、延長ロッド用の連結補助装置30を、第1の枕木81と第2の枕木83の上で、第1の枕木81と第2の枕木83との間に同時に架け渡すように配置する。また連結補助装置30を第1支持体30aの軸押さえ部33aと第2支持体30bの軸押さえ部33aとが、オーガスクリュー10の回転軸10aを挟み込むように配置する。次に、連結補助装置30の第1支持体30aと第2支持体30bとを接近させてオーガスクリュー10の上端部の回転軸10aの外側面を両側から挟み込んで圧迫して固定する。第1支持体30aの軸押さえ部33aと第2支持体30bの軸押さえ部33aとを、それぞれオーガスクリュー10の回転軸10aの上端部の外側面に密着させ、オーガスクリュー10の回転軸10aを鉛直に固定する。次に、固定された回転軸10aの上端部に連結されている継手85の上端部に、吊り下げた第1の延長ロッド20aの下端部の凹部を差し込む。また第1の延長ロッド20aの一対の連結孔21a,21bと継手85の貫通孔とに同時に連結ピンを差し込んで、第1の延長ロッド20aをオーガスクリュー10に連結して継ぎ足す。次に、回転駆動装置15を回転させ、ブーム13を更に縮め且つ下げることで、第1の延長ロッド20aが継ぎ足されたオーガスクリュー10を更に深く下降させ、地盤にさらに深い縦穴を掘削する。このとき、第1の延長ロッド20aの先端に連結させたオーガスクリュー10により、地上から7m程度又は14m程度の深さの縦穴が形成される。
(e)次に、第1の延長ロッド20aの最上段の延長ロッドの上端部が地上に露出するように、すなわち第1の延長ロッド20a全体を縦穴に送り込まず、一部を残して掘削動作を停止する。次に、第1の延長ロッド20aと、回転駆動装置15の駆動軸15aとの連結を解除する。そして第1の延長ロッド20aを縦穴の内側に残したまま、ブーム13を旋回し、回転駆動装置15を掘削位置から一旦離間させる。次に、第2の延長ロッド20bを回転駆動装置15の駆動軸15aに連結し、ブーム13を伸長及び起立させながら第2の延長ロッド20bを吊り上げる。そしてブーム13を旋回させて第2の延長ロッド20bを、掘削位置の上方に移動させ、第2の延長ロッド20bと、地上に上端部が露出した第1の延長ロッド20aとを同軸に揃える。
(f)次に、ブーム13を少しずつ縮め且つ下げながら、固定した第1の延長ロッド20aの上端部と、第2の延長ロッド20bの下端部とを、継手を介して連結する。次に、回転駆動装置15を回転させ、ブーム13を更に縮め且つ下げることで、第2の延長ロッド20bが継ぎ足された延長ロッド連結体を用いてオーガスクリュー10を更に深く下降させ、縦穴をさらに深く掘削する。
(g)同様に、第2の延長ロッド20bの上端部に第3の延長ロッド20cを継ぎ足し、第3の延長ロッド20cが継ぎ足された、3本の延長ロッド20a,20b,20cからなる延長ロッド連結体を用いてオーガスクリュー10を更に深く下降させ、縦穴を更に深く掘削する。そして第4の延長ロッド20d、続けて第5の延長ロッド20e、と順次継ぎ足して延長ロッド連結体を伸長させ、縦穴を更に深く掘削することにより、図13に示すように、地上から20m程度の深さの縦穴が形成される。すなわち第1の延長ロッド20a、第2の延長ロッド20b、…第5の延長ロッド20eの順に、段階的に延長ロッドを継ぎ足して地盤を掘削して、オーガスクリュー10の実効掘削深さよりも長い深さの縦穴を形成する。また地上から20m以上の深さの縦穴の形成も可能であり、穴掘建柱車1の最大地上揚程の2倍以上の任意の深さの縦穴を掘削することができる。
(h)次に、延長ロッド用の連結補助装置30を用いて、第5の延長ロッド20e、第4の延長ロッド20d、…第1の延長ロッド20aの順に、段階的に延長ロッドを引き上げつつ、順次分解して延長ロッド連結体から分離し、最終的にはオーガスクリュー10を縦穴から引き上げる。図14では、3本の延長ロッド20a,20b,20cからなる延長ロッドからなる延長ロッド連結体と、第4の延長ロッド20dとが分離された状態が示されている。
(i)次に、第1のガイド管40aの上端部に連結キャップ50をねじ結合する。次に、連結キャップ50の接続部55を回転駆動装置15の駆動軸15aの下端部の凹部に嵌合し、接続部55と駆動軸15aとに同時に連結ピンを差し込んで、第1のガイド管40aと回転駆動装置15とを連結する。そしてブーム13を伸長及び起立させながら第1のガイド管40aを穴掘建柱車1で吊り上げる。そしてブーム13を旋回させて第1のガイド管40aを掘削位置の上方に移動させ、図15に示すように、第1のガイド管40aと縦穴とを同軸に揃える。
(j)次に、ブーム13を縮め且つ下げることで、第1のガイド管40aを下降させ、縦穴の内側に差し込む。次に、差し込まれた第1のガイド管40aの上端部を地上に露出させたまま、第1のガイド管40aの下降を停止する。すなわち第1のガイド管40a全体を縦穴に埋め込まず一部を残す。次に、第1のガイド管40aの上端部を、図16に示すように、ガイド管用連結補助装置60の支持棒63を、地上に配置された支持装置80の固定部87に嵌合させ、縦穴の内側で第1のガイド管40aを固定支持する。具体的には、図17に示すように、連結補助装置60の管押さえ部61を第1のガイド管40aの外側面に密着させる。そして管押さえ部61の一対の連結孔と、第1のガイド管40aの上端部の一対の連結孔とを同一直線状に揃えた上で、貫通棒Bを差し込み、第1のガイド管40aの外側面から貫通棒Bの両端部を突出させる。すなわち貫通棒Bにより、第1のガイド管40aと連結補助装置60とを一体化するとともに、突出した貫通棒の両端部を介して第1のガイド管40aの上端部を固定する。ガイド管用連結補助装置60、貫通棒B及び支持装置80が一体的に第1のガイド管40aの上端部を固定することで、第1のガイド管40aを縦穴の内側で鉛直に固定支持する。そして、第1のガイド管40aを固定した状態で、回転駆動装置15の回転方向を逆転させ、連結キャップ50と第1のガイド管40aとのねじ結合を緩めて連結を解除し、第1のガイド管40aを穴掘建柱車1から分離する。そして第1のガイド管40aを縦穴の内側に残したまま、ブーム13を旋回し、連結キャップ50を吊り下げた回転駆動装置15を掘削位置から離間させる。
(k)次に、第2のガイド管40bと連結キャップ50とを連結する。このとき、連結キャップ50と第1のガイド管40aとの連結の場合と同様に、連結キャップ50の一対の貫通孔57a,59aと、第2のガイド管40bの上端部の一対の連結孔45a,45bとに図示を省略した連結ピンが差し込まれる。次に、連結キャップ50を、第1のガイド管40aと同様に、回転駆動装置15に連結し、第2のガイド管40bを穴掘建柱車1で吊り上げる。そしてブーム13を伸長及び起立させながら第2のガイド管40bを吊り上げた後、ブーム13を旋回させて第2のガイド管40bを、掘削位置の上方に移動させ、図16に示すように、第2のガイド管40bと第1のガイド管40aとを同軸に揃える。次に、ブーム13を少しずつ縮め且つ下げるとともに、回転駆動装置15を、ねじ結合のねじが締まる方向に少しずつ回転させながら、固定された第1のガイド管40aの上端部の雄ねじ部41に、吊り上げた第2のガイド管40bの下端部の雌ねじ部43をねじ込む。そして第1のガイド管40aに第2のガイド管40bを連結して継ぎ足し、ガイド管連結体を形成した後、支持装置80による第1のガイド管40aの固定を解除する。ブーム13をガイド管連結体の自重を利用して下げることにより、ガイド管連結体を縦穴の底に向かって下降させる。
(l)次に、第1のガイド管40aの場合と同様に、第2のガイド管40bの上端部のみが地上に露出した状態で下降を停止する。第2のガイド管40bの上端部を、ガイド管用連結補助装置60を用いて固定しつつ、回転駆動装置15の回転方向を逆転させ、連結キャップ50と第2のガイド管40bとのねじ結合を緩めて連結を解除し、第2のガイド管40bを穴掘建柱車1から分離する。
(m)そして、第2のガイド管40bに第3のガイド管40cを,続けて第3のガイド管40cに第4のガイド管40dを、と順次継ぎ足す。図18は、第4のガイド管40dを含むガイド管連結体が縦穴の中を下降し、第4のガイド管40dの上端部のみが地上に露出した状態で下降を停止した後、第4のガイド管40dの上端部を、ガイド管用連結補助装置60を用いて固定しつつ、連結キャップ50と第4のガイド管40dとのねじ結合を緩めて連結を解除し、更に連結キャップ50を介して穴掘建柱車1で第5のガイド管40eを吊り上げた状態を示している。4本のガイド管40a,40b,40c,40dからなるガイド管連結体の最下段に位置する第1のガイド管40aの下端部が、縦穴の内側に戻り堆積した土砂Sに接触した後、回転駆動装置15により連結キャップ50を介して、ガイド管連結体に回転力を付与する。そしてガイド管連結体を、図18に示すように、土砂Sの内側へねじ込んで、第1のガイド管40aを更に深く下降させる。
(n)更に第5のガイド管40e,続けて第6のガイド管40f、と順次継ぎ足すことにより、縦穴の内側に複数のガイド管40a,40b,…を連結したガイド管連結体を形成する。図19に示す場合、8本のガイド管を連結したガイド管連結体が形成されている。すなわち第1のガイド管40a、第2のガイド管40b、…第8のガイド管40hの順に、段階的にガイド管を継ぎ足して、1本のガイド管の長さよりも長い深さの縦穴の内側に、縦穴の仮内壁をなすガイド管連結体を形成する。図19に示す状態において、ガイド管連結体の最上段の第8のガイド管40hの上端部を固定しつつ、回転駆動装置15をねじ結合が緩む方向に回転させながら、ブーム13を少しずつ伸長及び起立させ、最上段の第8のガイド管40hと連結キャップ50との連結を解除する。このとき、ガイド管用連結補助装置60及び貫通棒Bを用いて、最上段の第8のガイド管40hを固定してもよい。次に、第1のガイド管40a,第2のガイド管40b,…第8のガイド管40hからなるガイド連結体を縦穴の内側に残したまま、ブーム13を旋回し、連結キャップ50を吊り下げた回転駆動装置15を掘削位置から離間させる。そして回転駆動装置15の駆動軸15aと連結キャップ50との連結を解除する。
(o)次に、図20に示すように、第1の延長ロッド20aの下端部に樋型スクリュー70を連結した上で、第1の延長ロッド20aの上端部を回転駆動装置15の駆動軸15aに連結し、穴掘建柱車1に樋型スクリュー70を連結する。第1の延長ロッド20aの長さと樋型スクリュー70の長さとを合わせても、樋型スクリュー70の先端が、土砂Sの上面に到達しないときは、第1の延長ロッド20aの全体を縦穴に送り込まず、一部を残す。そして、第1の延長ロッド20aの上端部を固定しつつ、第1の延長ロッド20aと回転駆動装置15の駆動軸15aとの連結を解除する。このとき、延長ロッド用の連結補助装置30を用いて第1の延長ロッド20aを固定してもよい。そして第1の延長ロッド20a及び樋型スクリュー70を縦穴の内側に残したまま、ブーム13を旋回し、回転駆動装置15を掘削位置から離間させる。次に、第2の延長ロッド20bを回転駆動装置15の駆動軸15aに連結し、ブーム13を伸長及び起立動作して、第2の延長ロッド20bを吊り上げ、更にブーム13を旋回して第2の延長ロッド20bと第1の延長ロッド20aとを同軸に揃える。次に、ブーム13を少しずつ縮め且つ下げることにより、第1の延長ロッド20aの上端部と、第2の延長ロッド20bの下端部とを連結し、延長ロッド連結体を形成する。もし、第1の延長ロッド20aと第2の延長ロッド20bと樋型スクリュー70との全体の長さを合わせても、樋型スクリュー70の先端が、土砂Sの上面に到達しないときは、第2の延長ロッド20bの全体を縦穴に送り込まず、一部を残す。そして、第2の延長ロッド20bの上端部を固定しつつ、第2の延長ロッド20bと回転駆動装置15の駆動軸15aとの連結を解除する。そして第3の延長ロッド20cと駆動軸15aとを連結し、第2の延長ロッド20bと同様に、第3の延長ロッド20cを第2の延長ロッド20bに更に継ぎ足す。この作業を、樋型スクリュー70の先端が、土砂Sの上面に到達するまで継続する。
(p)第1の延長ロッド20aの先端が土砂Sの上面に到達したことが確認されたら、回転駆動装置15を回転させ、ブーム13を縮め且つ下げることで、樋型スクリュー70を下降させ、図21に示すように、ガイド管連結体の内側に差し込む。樋型スクリュー70の先端を、ガイド管連結体の内側に堆積した土砂Sに差し込むことにより、樋型スクリュー70の樋73の内側に土砂Sを蓄積させる。次に、ブーム13を伸長及び起立させ、第6の延長ロッド20fを地上に引き上げる。第6の延長ロッド20fを上昇させる際、第5の延長ロッド20eの上端部が地上に露出した時点で、上昇動作を一旦停止する。そして第5の延長ロッド20eの上端部を、例えば延長ロッド用の連結補助装置30を用いて固定する。そして、第5の延長ロッド20eの上端部と、第6の延長ロッド20fの下端部との連結を解除する。その後、第6の延長ロッド20fを回転駆動装置15の駆動軸15aから取り外し、駆動軸15aに第5の延長ロッド20eの上端部を連結する。次に、ブーム13を伸長及び起立させ、第5の延長ロッド20eを地上に引き上げる。第5の延長ロッド20eを上昇させる際、第4の延長ロッド20dの上端部が地上に露出した時点で、上昇動作を一旦停止する。そして第4の延長ロッド20dの上端部を、例えば延長ロッド用の連結補助装置30を用いて固定する。そして、第4の延長ロッド20dの上端部と、第3の延長ロッド20cの下端部との連結を解除する。その後、第5の延長ロッド20eを回転駆動装置15の駆動軸15aから取り外し、駆動軸15aに第4の延長ロッド20dの上端部を連結する。この段階的に延長ロッドを取り外す操作を、図22に示すように、最大地上揚程内で樋型スクリュー70を地上に引き上げられるまで繰り返し、地上に引き上げた樋型スクリュー70の樋73の内側から、蓄積された土砂Sを地上に取り出して、ガイド管連結体の内側から排出する。
(q)樋型スクリュー70の樋73の内側を空にした後、再び第1の延長ロッド20a、第2の延長ロッド20b、…20fを順に連結して継ぎ足した上で、樋型スクリュー70をガイド管連結体の内側に下降させる。そして、樋型スクリュー70の樋73の内側にガイド管の内側の土砂Sを蓄積し、樋型スクリュー70を地上に引き上げる。すなわち樋型スクリュー70の樋73の長さに相当する長さ分、土砂Sが逐次的に取り除かれる。そして再び樋型スクリュー70をガイド管連結体の内側に下降させ…を繰り返し、図23に示すように、仮内壁をなすガイド管連結体の内側から土砂Sを略すべて取り除く。
(r)こうして、回転駆動装置15から第1の延長ロッド20a、第2の延長ロッド20b、…20f及び樋型スクリュー70が取り外された後、図24に示すように、土砂Sが取り除かれた仮内壁の内部に長尺部材3を送り込む。図24に示す長尺部材3は、例えば地熱を採熱するために、熱交換用の媒体の流路である送り管と還り管とが組み合わされたU字状の採熱管である。送り込まれた長尺部材3の周囲を土砂等で埋め戻し、長尺部材3を仮内壁の内側に埋め込む。
(s)次に、図25に示すように、連結キャップ50の接続部55と回転駆動装置15の駆動軸15aとを連結した上で、連結キャップ50とガイド管連結体の最上段の第8のガイド管40hとを連結する。次に、ブーム13を伸長及び起立させ、8本のガイド管40a〜40hからなるガイド管連結体を縦穴の内側から上昇させる。図26に示すように、第8のガイド管40hが地上に引き上げられるとともに、下側の第7のガイド管40gの上端部が地上に露出した時点で、上昇動作を一時停止する。そして、第7のガイド管40gの上端部を、ガイド管用連結補助装置60、貫通棒B及び支持装置80を用いて固定する。そして、ねじ結合が緩む方向に回転駆動装置15を回転させつつ、ブーム13を少しずつ伸長及び起立させ、第7のガイド管40gの上端部と、第8のガイド管40hの下端部との連結を解除する。そしてブーム13を旋回させ、第8のガイド管40hを掘削位置から離間させる。
(t)次に、連結キャップ50から第8のガイド管40hを取り外すとともに、ブーム13を移動させて連結キャップ50と第7のガイド管40gとを同軸に揃え、連結キャップ50と第7のガイド管40gとを連結する。そしてブーム13を伸長及び起立させ、第7のガイド管40gを縦穴の内側から上昇させる。図27に示すように、第7のガイド管40gが地上に引き上げられるとともに、下側の第6のガイド管40fの上端部が地上に露出した時点で、上昇動作を一時停止する。そして、第6のガイド管40fの上端部を、ガイド管用連結補助装置60、貫通棒B及び支持装置80を用いて固定する。そして、ねじ結合が緩む方向に回転駆動装置15を回転させつつ、ブーム13を少しずつ伸長及び起立させ、第6のガイド管40fの上端部と、第7のガイド管40gの下端部との連結を解除する。そしてブーム13を旋回させ、第7のガイド管40gを掘削位置から離間させる。この操作を、第1のガイド管40aが地上に引き上げられるまで繰り返すことにより、長尺部材3の周囲からガイド管をすべて取り除く。縦穴から引き上げた第1のガイド管40a,第2のガイド管40b,…第8のガイド管40hは、地上で適宜保管され、他の長尺部材を埋め込む作業で再利用される。最後に、図28に示すように、長尺部材3の地上側の端部を所定の連結部材と連結するとともに、縦穴の内側を地上と略同じ高さに埋め戻す。
以上説明した本発明の実施の形態に係る長尺部材の埋込方法を用いて、採熱管を地盤に約20mの深さで埋め込む作業を行った場合、工期は平均で1〜2日程度で済む。一方、従来のボーリング工法を用いて同様の作業を行った場合、ボーリング用の櫓の組み立て及び撤去に時間がかかり、工期は平均で4〜5日程度かかる。
本発明の実施の形態に係る長尺部材の埋込方法によれば、複数の延長ロッド20a,20b,20c,…を穴掘建柱車1の最大地上揚程以内の長さに応じて、オーガスクリュー10に継ぎ足して、オーガスクリュー10と連結させて掘削することにより、オーガスクリュー10の実効掘削深さ以上の深さの縦穴を掘削する。また継ぎ足した延長ロッドの全体の長さが目標とする縦穴の深さより短い場合には、更に延長ロッドを継ぎ足して掘削する。よって、ボーリング等の大型の機械や設備を用いることなく、掘削装置として穴掘建柱車1のみを用いれば足ので、小さな専有面積の作業スペースにおいて従来よりも短い作業工期で縦穴を掘削して長尺部材を埋め込むことができる。
また本発明の実施の形態に係る長尺部材の埋込方法では、オーガスクリュー10に延長ロッドを連結する際、延長ロッド用の連結補助装置30を用いて、地上に露出したオーガスクリュー10の上端部を固定することにより、オーガスクリュー10の揺動や回転を抑え、安定して固定することが可能となる。また地上付近での連結作業が行えるため、作業者の視界性がよく、作業者の移動も容易である。よってオーガスクリュー10と、第1の延長ロッド20aとの連結作業を効率よく行うことができる。
また本発明の実施の形態に係る長尺部材の埋込方法によれば、掘削した縦穴の内側に、長尺部材3を案内する第1のガイド管40a,第2のガイド管40b,…第8のガイド管40hを継ぎ足して形成したガイド管連結体を埋め込む。またガイド管連結体の長さが目標とする縦穴の深さより短い場合には、更にガイド管を継ぎ足して縦穴の内側に埋め込む。第1のガイド管40a及び第2のガイド管40b,第3のガイド管40c,…第8のガイド管40hはいずれも、穴掘建柱車1の最大地上揚程内の長さである。また複数本のガイド管で構成されるガイド管連結体も、最大地上揚程に近い長さに構成される。よって、ガイド管の埋め込みに穴掘建柱車1のみを用意すれば足り、ボーリング等による大型機械を用いる必要がないので、長尺部材3を埋め込む作業工期を大幅に短縮することができる。
また本発明の実施の形態に係る長尺部材の埋込方法では、穴掘建柱車1でガイド管を吊り下げる際、連結キャップ50を用いることにより、作業者は回転駆動装置15からウインチ装置に操作を切り替える必要がない。すなわち穴掘建柱車1の回転駆動装置15をブーム13の側方に移動させて収納して、アースオーガ装置からウインチ装置に操作を切り替える手間が発生せず、縦穴の掘削に用いた回転駆動装置15を、そのまま吊り作業に使用できる。よって長尺部材の埋込作業にかかる作業時間を短縮することができる。
また本発明の実施の形態に係る長尺部材の埋込方法では、ガイド管同士を上下で連結する際、縦穴の内側に差し込まれた下側のガイド管の外側面は、穴壁と離間しているか或いは接触していても密着しないようにしているので、複数のガイド管40a,40b,40c,…の縦穴への投入が容易である。しかしながら縦穴の内側に差し込まれた下側のガイド管は、径方向に揺動し易く、上側のガイド管の下端部の雌ねじ部を、下側のガイド管の上端部の雄ねじ部にねじ込む際には、回転する上側のガイド管に接触して、下側のガイド管は回転し易い状態となる。そのため、連結時の下側のガイド管の安定性が非常に低い。このため、本発明の実施の形態に係る長尺部材の埋込方法においては、下側のガイド管は、図17に示すように、ガイド管用連結補助装置60の一対の連結孔に挿入された貫通棒Bを介して固定されている。よって連結時の安定性が非常に低くても、下側のガイド管を、中心軸を通る同一直線上の2点で同時に固定するので、揺動及び回転が抑えられ、連結時の作業負担を低減するとともに作業時間を短縮できる。また下側のガイド管の上端部と上側のガイド管の下端部とが、それぞれ角ねじ構造を有することにより、上側のガイド管の回転力を下側のガイド管にスムーズに伝達できるので、強固な連結作業を容易に実現することができる。
また本発明の実施の形態に係る長尺部材の埋込方法では、ガイド管の内側に堆積した戻り土砂Sを、樋73を有する樋型スクリュー70を用いて排出する。このときオーガスクリュー10の送り羽根10bのような平坦な羽根を有するスクリューを用いて土砂Sを除去する場合、土砂Sの流動性が高いため土砂Sが羽根に噛み込まず、例えば20m程度の縦穴の底部に堆積した土砂Sの場合、土砂Sはスクリューを10m程度以上上昇させる間に羽根から落下して逃げてしまう。本発明の実施の形態では、堆積した土砂Sの中に樋73を有する樋型スクリュー70を差し込むことにより、樋73の内側に土砂Sを蓄積し、蓄積したまま樋型スクリュー70を引き上げて、地上に排出することが可能となる。この際、最大地上揚程が問題となるときは、延長ロッド連結体を分解しながら、樋型スクリュー70を引き上げればよい。よって流動性の高い土砂Sであっても、ガイド管連結体の内側の下部から除去することができる。
また、通常、縦穴を掘削する場合、縦穴の底部75に発生する流動性の高い土砂Sに対しては、目標の深さより所定深さ深く縦穴を掘削した上で、オーガスクリューの先端から、いわゆるセメントミルクと呼ばれる固化液を投入して、土砂をS固化(根固め)する場合が多い。本発明の実施の形態に係る長尺部材の埋込方法では、縦穴を目標の深さに掘削した上で、樋型スクリュー70を用いて土砂Sを地上に排出し、縦穴を目標の深さに形成するので、固化液を噴出するオーガスクリューや、固化液投入装置を用いる必要がないとともに、固化に要する時間が発生しないため、コストを抑え、より迅速に目標深さの縦穴を形成することができる。
本発明は上記の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになろう。すなわち本発明は、本明細書及び図面に記載していない様々な実施の形態等を含むとともに、本発明の技術的範囲は、上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。