JP6490415B2 - 掘削機及び掘削方法 - Google Patents
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そして、場所打ち杭の支持力向上のため、孔の下端部に拡底部を形成することが行われている。拡底部を形成可能な掘削機として、孔の軸線の周りでビットの回転半径を変更可能なものが知られている。
例えば、特許文献2が開示する掘削機は、固定パイプに回転可能に支持されたビットと、固定パイプに固定された水中サンドポンプと、固定パイプ両側に設置された油圧モータとを有している。この掘削機によれば、ビットによって掘削された土砂を含む泥水が固定パイプの下端入口から吸い込まれ、水中サンドポンプによって地上に送り出される。
例えば、特許文献3が開示する掘削機は、固定パイプに対し斜めに設けられたカッタシャフトを有し、カッタシャフトにカッタが取り付けられている。カッタシャフトをシリンダによって構成した場合、シリンダの伸縮に応じて、固定パイプの周りでのカッタの回転半径を変更することができる。
また例えば、特許文献4が開示する掘削機では、複数のアームを回動させることによって、固定パイプ(メインシャフト)の周りでのドラムカッタの回転半径を変更することができる。
また、バケット等を用いて掘削土を排出する方法では、スライムが孔の下端部に貯まってしまう。スライムは、場所打ち杭の支持力低下を招くため、コンクリート打設の前に除去する必要があるが、スライムが孔の下端部に貯まるのを待ってから除去作業を行う場合、待ち時間が長く、工期が長くなってしまう。
この点、リバース工法を用いれば、排水管を用いて泥水を孔内から排出するので、ケーシング内周面へのスライムの付着を抑制することができる。このため、スライム除去作業を短時間で行うことができる。
そしてこれらの課題は、特許文献3が開示する掘削機のみならず、特許文献4が開示する掘削機にも共通して存在している。
そしてこれらの課題は、特許文献3が開示する掘削機のみならず、特許文献1や特許文献2が開示する掘削機にも共通して存在している。
また、本発明の少なくとも一実施形態の目的は、リバース工法に適しながら高トルクでの掘削に適した掘削機及びこの掘削機を用いた掘削方法を提供することにある。
地盤を掘削する掘削装置及び当該掘削装置を駆動する駆動装置を備え、リバース工法にて孔を掘削する掘削機において、
前記駆動装置は、
メインフレームと、
前記メインフレームに対し相対回転可能に設けられた中空駆動軸と、
駆動モータを有し、前記メインフレームに固定されて前記中空駆動軸を回転させるための駆動ユニットと、
前記中空駆動軸の一端側にスイベルジョイントを介して相対回転可能に連結された吸込口を有する揚水ポンプと、を含み、
前記掘削装置は、
前記中空駆動軸の他端側に着脱可能で、前記中空駆動軸と一体に回転する中空の主軸と、
一端が前記主軸に回動可能に取り付けられたアームと、
前記主軸と前記アームとの間に設けられ、前記アームを前記主軸の径方向外側に傾動させるための傾動用アクチュエータと、
前記アームに取り付けられた複数のビットと、
前記主軸の先端側に設けられた先端カッタと、
前記主軸と前記中空駆動軸との間に介装されて、前記傾動用アクチュエータに作動流体を供給するための流路を有するロータリジョイントと、を含む。
また、中空駆動軸は、一端側にスイベルジョイントを有しており、このスイベルジョイントによって、揚水ポンプの吸込口と中空駆動軸が相対回転可能に連結される。揚水ポンプの吸込口と中空駆動軸とをスイベルジョイントによって相対回転可能に連結することで、揚水ポンプを回転させることなく、中空駆動軸と主軸を一体に回転させることができる。
そして、作動流体を供給するための流路を有するロータリジョイントを介して主軸と中空駆動軸とを連結することで、傾動用アクチュエータに対し簡単な構成で確実に作動流体を供給することができる。
前記駆動装置は、
前記揚水ポンプの本体から前記中空駆動軸の径方向外側に突出する第1突出部材と、
前記メインフレームに固定され、前記中空駆動軸の回転方向にて前記第1突出部材に当接可能な第1ストッパ部材と、を更に含む。
前記掘削装置は、
前記ロータリジョイントから前記中空駆動軸の径方向外側に突出する第2突出部材と、
前記メインフレームに対し相対回転不能に設けられ、前記中空駆動軸の回転方向にて前記第2突出部材に当接可能な第2ストッパ部材と、
を更に含む。
前記中空駆動軸は、前記他端側にスプライン継手部を有する。
前記駆動ユニットは、前記駆動モータの出力を前記中空駆動軸に伝達可能な従動歯車を有し、
前記スイベルジョイントは、前記従動歯車よりも前記揚水ポンプ側の前記中空駆動軸に設けられている。
前記駆動装置は、
前記中空駆動軸の周方向に配置され且つ前記中空駆動軸の径方向にそれぞれ移動可能な複数の当接部材と、
前記メインフレームに固定され、前記複数の当接部材を前記中空駆動軸の径方向に移動させるための固定用アクチュエータと、を更に備える。
特に孔に拡底部を設ける場合、支持強度の確保やコンクリートの使用量を考慮すると、拡底部の形状や大きさは設計通りであることが望ましい。この点、上記構成(6)によれば、孔壁やケーシングが掘削装置の回転反力を受け止めることで、掘削装置の姿勢が安定し、拡底部の形状や大きさを設計通りにすることができる。
前記駆動装置は、
前記メインフレームよりも前記掘削装置側に設けられ、前記メインフレームに対し前記中空駆動軸の軸線方向に移動可能な可動フレームと、
一端が前記メインフレームに、他端が前記可動フレームに固定され、前記メインフレームに対し前記可動フレームを前記中空駆動軸の軸線方向に移動させるための付勢用アクチュエータと、
前記可動フレームに脱着可能に取付けられ、前記中空駆動軸を回転可能に支持する軸受と、を更に含む。
また、メインフレームよりも掘削装置側に軸受を備えているため、中空駆動軸の軸心のぶれを防止することができる。これにより、孔の形状や大きさを設計通りにすることができる。
そして、軸受は脱着可能なので、摩耗した場合には容易に交換することができる。
前記駆動装置は、
前記中空駆動軸の軸線方向での前記可動フレームの移動を案内するガイドユニットを更に含む。
前記傾動用アクチュエータに供給される前記作動流体を貯留可能なタンクと、
前記タンク内に貯留されている前記作動流体の量に対応する信号を出力可能なセンサと、
前記センサの出力信号に基づいて、前記主軸に対する前記アームの傾動量を求め、且つ、求められた前記傾動量を表示するように構成された制御装置と、を更に備える。
地盤を掘削する掘削装置及び当該掘削装置を駆動する駆動装置を備えた掘削機を用いてリバース工法にて孔を掘削する掘削方法であって、
前記駆動装置は、
メインフレームと、
前記メインフレームに対し相対回転可能に設けられた中空駆動軸と、
駆動モータを有し、前記メインフレームに固定されて前記中空駆動軸を回転させるための駆動ユニットと、
前記中空駆動軸の一端側にスイベルジョイントを介して相対回転可能に連結された吸込口を有する揚水ポンプと、を含み、
前記掘削装置は、
前記中空駆動軸の他端側に着脱可能で、前記中空駆動軸と一体に回転する中空の主軸と、
一端が前記主軸に回動可能に取り付けられたアームと、
前記主軸と前記アームとの間に設けられ、前記アームを前記主軸の径方向外側に傾動させるための傾動用アクチュエータと、
前記アームに取り付けられた複数のビットと、
前記主軸の先端側に設けられた先端カッタと、
前記主軸と前記中空駆動軸との間に介装されて、前記傾動用アクチュエータに作動流体を供給するための流路を有するロータリジョイントと、を含んでおり、
地盤に形成された同一径の孔内の下端部に前記掘削機を挿入する挿入工程と、
前記駆動装置に前記孔内の泥水を排出するための排水管を前記揚水ポンプに接続する接続工程と、
前記孔内に安定液を供給するとともに前記孔内の泥水を排出しながら、前記駆動装置によって前記掘削装置を駆動して、前記アームを傾動させずに前記先端カッタにて前記孔の下端を掘削して前記同一径にて掘進する掘削工程と、
を備える。
また、駆動装置の中空駆動軸と掘削装置の主軸とが一体に連結されている。これにより、中空駆動軸によって掘削機を直接、回動させることができるため、掘削機の全長を短くすることができる。そして、掘削機全長を短くすることができるので、高トルクで掘削することができる。
さらに、傾動させない状態、即ち閉じた状態のアームは、先端カッタにて掘削された土砂を中空駆動軸の下端へ導くガイドとしての機能を有するため、掘削された土砂の排出を効率良く行うことができる。
地盤を掘削する掘削装置及び当該掘削装置を駆動する駆動装置を備えた掘削機を用いてリバース工法にて孔を掘削する掘削方法であって、
前記駆動装置は、
メインフレームと、
前記メインフレームに対し相対回転可能に設けられた中空駆動軸と、
駆動モータを有し、前記メインフレームに固定されて前記中空駆動軸を回転させるための駆動ユニットと、
前記中空駆動軸の一端側にスイベルジョイントを介して相対回転可能に連結された吸込口を有する揚水ポンプと、を含み、
前記掘削装置は、
前記中空駆動軸の他端側に着脱可能で、前記中空駆動軸と一体に回転する中空の主軸と、
一端が前記主軸に回動可能に取り付けられたアームと、
前記主軸と前記アームとの間に設けられ、前記アームを前記主軸の径方向外側に傾動させるための傾動用アクチュエータと、
前記アームに取り付けられた複数のビットと、
前記主軸の先端側に設けられた先端カッタと、
前記主軸と前記中空駆動軸との間に介装されて、前記傾動用アクチュエータに作動流体を供給するための流路を有するロータリジョイントと、を含んでおり、
地盤に形成された同一径の孔内の下端部に前記掘削機を挿入する挿入工程と、
前記駆動装置に前記孔内の泥水を排出するための排水管を前記揚水ポンプに接続する接続工程と、
前記孔内に安定液を供給するとともに前記孔内の泥水を排出しながら、前記駆動装置によって前記掘削装置を駆動して、前記アームを傾動させた状態で前記アームに取り付けられた前記ビットにて前記孔の下端部側面を掘削して前記同一径よりも孔径が大きい拡底部を形成する拡底工程と、
を備える。
また、駆動装置の中空駆動軸と掘削装置の主軸とが一体に連結されている。これにより、中空駆動軸によって掘削機を直接、回動させることができるため、掘削機の全長を短くすることができる。そして、掘削機全長を短くすることができるので、高トルクで掘削することができる。
さらに、アームを傾動させた状態で掘削装置を回動させるとアームには遠心力が作用するため、アームを容易に拡げることができる。そして、アームは掘削装置の主軸を中心に回動するため、均一な略円錐形の拡底部を形成することができる。これにより、杭に作用する荷重を拡底部全体で均等に支持でき、特定箇所に集中荷重が作用することが無いため、杭の損傷等を防止することができる。
前記接続工程と前記拡底工程との間に、
前記孔内に安定液を供給するとともに前記孔内の泥水を排出しながら、前記駆動装置によって前記掘削装置を駆動して、前記先端カッタにて前記孔の下端を掘削して前記同一径にて掘進する掘削工程を更に備える。
前記駆動装置は、
前記中空駆動軸の周方向に配置され且つ前記中空駆動軸の径方向にそれぞれ移動可能な複数の当接部材と、
前記メインフレームに固定され、前記複数の当接部材を前記中空駆動軸の径方向に移動させるための固定用アクチュエータと、
を更に備えており、
前記接続工程の後に、
前記駆動装置は、前記固定用アクチュエータによって前記当接部材を前記孔の孔壁又はケーシングに密着させて、前記掘削機による掘削時の回転反力を支持する。
また、支持強度の確保やコンクリートの使用量を考慮すると、拡底部の形状や大きさは設計通りであることが望ましい。この点、上記構成(13)によれば、駆動装置周辺の孔壁やケーシングが、掘削装置の回転反力を受け止めることで、掘削装置の姿勢が安定し、拡底部の形状や大きさを設計通りにすることができる。
前記掘削機は、
前記排水管に連結されて前記排水管の中心軸を中心として前記排水管を回動可能で、且つ地盤に固定される回動装置を更に備えており、
前記接続工程において、
前記排水管を前記回動装置に接続して、前記掘削機による掘削時の回転反力を前記回動装置で支持する。
上記構成(14)では、回動装置によって、掘削装置の回転反力を受け止めることができる。
また、本発明の少なくとも一実施形態によれば、リバース工法に適しながら高トルクでの掘削に適した掘削機及びこの掘削機を用いた掘削方法が提供される。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
本発明の少なくとも一実施形態に係る掘削機は、場所打ち杭用の孔の掘削に用いられ、特にリバース工法に適している。掘削機は掘削装置と駆動装置とを備える。
図1及び図2は本発明の一実施形態に係る駆動装置を概略的に示す断面図である。
駆動ユニット4は、メインフレーム2に固定され、中空駆動軸3を回転させるように構成されている。駆動ユニット4は、例えば、メインフレーム2のフランジ部2bに固定されたギヤボックス6と、ギヤボックス6に固定された少なくとも1つの駆動モータ7とを有する。駆動モータ7は例えば油圧モータであり、ギヤ17、18を介して中空駆動軸3を回転させることができる。本実施形態では、例えば4つの駆動モータ7が中空駆動軸3の周りに配置される。
なお、中空駆動軸3は、相互に連結された複数のパイプによって構成されていてもよい。
図3及び図4に示したように、掘削装置10は、主軸11と、少なくとも1つの可動アーム12と、複数のビット13とを有する。
主軸11は中空であり、中空駆動軸3の他端側に対し、中空駆動軸3と一体に回転可能に連結可能である。少なくとも1つの可動アーム12は主軸11に対し一体に回転可能に取り付けられ、少なくとも1つの可動アーム12には、複数のビット13が取り付けられている。なお、主軸11は、相互に連結された複数のパイプによって構成されていてもよい。
この構成では、中空駆動軸3は、一端側にスイベルジョイント15aを有しており、スイベル継手15によって、サンドポンプ5の吸込口5aと中空駆動軸3が相対回転可能に連結される。サンドポンプ5の吸込口5aと中空駆動軸3とをスイベル継手15によって相対回転可能に連結されている。
第1ストッパ部材21は、後述する付勢用アクチュエータ72の伸縮量よりも長く形成されている。
そして、サンドポンプ5を回転させることなく、中空駆動軸3と主軸11を一体に回転させることができる。
スイベルジョイント15aは、中空駆動軸3の軸線方向にて従動歯車17から離れている。この構成では、スイベルジョイント15aと従動歯車17の取り付け部が別個に中空駆動軸3に設けられていることで、中空駆動軸3の構成を簡単にすることができる。
なお、中空駆動軸3の軸線方向は、孔の掘削時には鉛直方向に一致させられ、中空駆動軸3の下端に掘削装置10が連結される。
ヒンジ結合部22は、主軸11と可動アーム12との間に設けられ、主軸11に対する可動アーム12の傾動を可能にする。傾動用アクチュエータ23は、主軸11と可動アーム12との間に設けられ、主軸11に対し可動アーム12を傾動させるように構成されている。
傾動していない状態にあるとき、可動アーム12は主軸11の近傍を主軸11に対し平行に延びており、可動アーム12に取り付けられたビット13は、主軸11が回転しても孔壁は掘削されない。しかしながら、3翼ビット50(詳細は後述する)が回転することにより孔底を掘削できる。
この構成では、油路25aを有するロータリジョイント25を介して主軸11と中空駆動軸3とを連結することで、傾動用アクチュエータ23に対し簡単な構成で確実に作動油を供給することができる。
第2ストッパ部材55は、メインフレーム2に対し相対回転不能に設けられ、中空駆動軸3の回転方向にて第2突出部材54に当接可能である。第2ストッパ部材55は、例えば、メインフレーム2のフランジ部2bに固定されている。
第2ストッパ部材55は、後述する付勢用アクチュエータ72の伸縮量よりも長く形成されている。
タンク31は、傾動用アクチュエータ23に供給される作動油を貯留する。また、油量センサ32は、タンク31内の作動油の量に対応する信号を出力可能であり、例えば、液面計によって構成される。傾動用アクチュエータ23は例えば油圧シリンダ43である。
主軸11の先端側には、先端カッタ、いわゆる3翼ビット50が取り付けられている。3翼ビット50は、主軸11の先端側に放射状に固定された3つの固定アーム51と、固定アーム51に取り付けられた複数のビット52とを有する。可動アーム12が傾動していない状態にあるとき、主軸11の周りでの可動アーム12の回転半径は、3翼ビット50の回転半径よりも小さい。一方、可動アーム12が拡底部掘削用位置にあるとき、主軸11の周りでの可動アーム12の回転半径は、3翼ビット50の回転半径よりも大きい。
図1、図2及び図6に示したように、駆動装置1は、孔内でメインフレーム2の位置を固定するための固定ユニット60を更に有する。固定ユニット60は、複数の当接部材61と、少なくとも1つの固定用アクチュエータ62とを有する。
複数の当接部材61は、中空駆動軸3の周方向に配置され、且つ、中空駆動軸3の径方向にそれぞれ移動可能である。例えば、4つの当接部材61が中空駆動軸3の周りに90度間隔で配置される。
固定用アクチュエータ62は、メインフレーム2に固定され、複数の当接部材61を中空駆動軸3の径方向に移動させることができる。
特に孔に拡底部を設ける場合、支持強度の確保やコンクリートの使用量を考慮すると、拡底部の形状や大きさは設計通りであることが望ましい。この構成によれば、ケーシング64が掘削装置10の回転反力を受け止めることで、掘削装置10の姿勢が安定し、拡底部の形状や大きさを設計通りにすることができる。
中空駆動軸3側の当接部材本体61aの内面は、中空駆動軸3に対し傾斜したテーパ面によって構成され、当接部材本体61aのテーパ面には楔部材65のテーパ面が摺動自在に当接している。楔部材65は、中空駆動軸3に沿って移動可能に設けられている。
固定ユニット60は、4つの当接部材61と4つの油圧シリンダ66を有する。当接部材61及び油圧シリンダ66は、図6に示したように、中空駆動軸3の周りに90度間隔で配置される。
可動フレーム71は、メインフレーム2に対し中空駆動軸3の軸線方向に移動可能である。
付勢用アクチュエータ72は、メインフレーム2のフランジ部2bと可動フレーム71との間に設けられ、メインフレーム2に対し可動フレーム71を中空駆動軸3の軸線方向に移動させることができる。
軸受73は、可動フレーム71に固定され、中空駆動軸3を回転可能に支持する。
なお、図1は、油圧シリンダ75が伸長状態のときの駆動装置1を示しており、図2は、油圧シリンダ75が短縮状態のときの駆動装置1を示している。
この構成では、中空駆動軸3の軸線方向での可動フレーム71の移動をガイドユニット80が案内するので、付勢用アクチュエータ72により可動フレーム71を付勢したときの反力により可動フレーム71及び主軸11が傾くことが防止され、孔を真っ直ぐに掘ることが出来る。
幾つかの実施形態では、図6に示したように、2つのガイドロッド81が、中空駆動軸3の直径方向に離間して配置され、2つの油圧シリンダ75が、中空駆動軸3の直径方向に離間して配置されている。そして、2つのガイドロッド81の離間方向と2つの油圧シリンダ75の離間方向は、中空駆動軸3の周りで90度異なっている。
この構成によれば、キー3aが軸線方向に延びているので、中空駆動軸3が軸線方向に変位しても、キー3aとキー溝が係合可能であり、駆動モータ7の出力を中空駆動軸3に伝達可能である。
なお、付勢ユニット70を設けない場合、ギヤボックス6が中空駆動軸3のスラスト力を受け止めるように構成してもよい。
この構成によれば、中空駆動軸3とともにサンドポンプ5が軸線方向に変位しても、伸縮管87が伸縮するので、中空駆動軸3の変位が妨げられることはない。
またこの構成によれば、固定ユニット60によりメインフレーム2をケーシング64に固定せずに掘削を行う場合で排水管9で掘削装置10の反力を受け止めるときに、ギヤボックス6、支柱85及びサブフレーム86を介して反力が排水管9に伝達される。このため、サンドポンプ5に反力が作用することを回避することができる。
図7に示したように、孔掘削方法は、ケーシング圧入工程S10と、掘削工程S12と、引き上げ工程S14と、挿入工程S16と、接続工程S18と、固定工程S20と、拡底工程S22とを備えている。
なお、本実施形態では、ハンマグラブ93で掘削対象物を除去する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、駆動装置1及び掘削装置10を挿入して、可動アーム12が傾動していない状態で掘削装置10を駆動させて3翼ビット50にて孔94の下端を掘削してもよい。即ち、本掘削機は、拡底孔を掘削することができ、且つ、同一径の孔94を所望の長さで掘削することができる併用掘削機である。
また、支持強度の確保やコンクリートの使用量を考慮すると、拡底部94bの形状や大きさは設計通りであることが望ましい。この点、上述した孔掘削方法によれば、駆動装置1周辺のケーシング64が、掘削装置10の回転反力を受け止めることで、掘削装置10の姿勢が安定し、拡底部94bの形状や大きさを設計通りにすることができる。
図14は、幾つかの実施形態に係る孔掘削方法の手順を概略的に示すフローチャートである。
図14に示したように、孔掘削方法は、ケーシング圧入工程S10と、軸部上側掘削工程S12と、挿入工程S16と、接続工程S18と、軸部下側掘削工程S21と、拡底工程S22とを備えている。
以下、上述した実施形態と異なる内容についてのみ説明し、同一内容については説明を省略する。
図15に示したように、ケーシング圧入工程S10を実施した後の軸部上側掘削工程S12では、ケーシング64内の掘削対象物をハンマグラブ93によって除去することにより、孔の軸部94aの上側部分を形成する。
図16に示したように、挿入工程S16では、掘削装置10及び駆動装置1がケーシング64内に挿入される。
図17に示したように、軸部下側掘削工程S21では、ケーシング64内に安定液を供給するとともに孔の軸部94a内の泥水を排出しながら、駆動装置1によって掘削装置10を駆動する。これにより、掘削装置10によって、孔の軸部94aの下端が掘削される。
なお、反力テーブル100の代わりに、全周回転装置を用いてもよい。つまり、反力テーブル100や全周回転装置等の回動装置を、掘削機による掘削時の回転反力を支持するために用いることができる。回動装置は、排水管9に連結されて排水管9の中心軸を中心として排水管9を回動可能で、且つ地盤に固定される。
図18に示したように、拡底工程S22では、ケーシング64内に安定液を供給するとともに孔の軸部94a内の泥水を排出しながら、ケーシング64に対し固定された駆動装置1によって掘削装置10を駆動する。これにより、掘削装置10によって、孔の軸部94aの下端部周辺が掘削され、孔の拡底部94bが形成される。
これにより、円錐台形状の拡底部94bが形成される。
また、上述した孔掘削方法では、掘削装置10で孔の軸部94aの下側部分及び拡底部94bを掘削することにより、軸部下側掘削工程S21の後に掘削装置10を交換する必要がなく、孔の拡底部94bを容易に形成することができる。
図19は、幾つかの実施形態に係る孔掘削方法の手順を概略的に示すフローチャートである。図19の孔掘削方法は、軸部94aと拡底部96bを異なる掘削装置で掘削するときに用いられる。
図19の孔掘削方法では、図20に示したように、軸部専用機挿入工程S33において、主軸11に3翼ビット50が固定された掘削装置102が挿入され、軸部下側掘削工程S37において、掘削装置102を用いて、軸部94aの下側が掘削される。掘削装置102は軸部94aを掘削可能であるが、可動アーム12を有しておらず、拡底部94bを掘削することはできない。
一方、図19の孔掘削方法では、孔の軸部94aの下側部分を掘削装置102によって掘削し、拡底部94bを掘削装置10によって掘削することで、軸部94aの下側部分や拡底部94bの掘削により適した掘削装置を使用することができる。
2 メインフレーム
2a 本体
2b フランジ部
2c フランジ部
2d 外周壁部
2e 側壁部
3 中空駆動軸
3a キー
4 駆動ユニット
5 サンドポンプ
5a 吸込口
5b 吐出口
6 ギヤボックス
7 駆動モータ
8 吐出管
9 排水管
10 掘削装置
11 主軸
12 可動アーム
13 ビット
15 スイベル継手
15a スイベルジョイント
15b スイベルジョイント
17 従動歯車
18 駆動歯車
20 第1突出部材
21 第1ストッパ部材
22 ヒンジ結合部
23 傾動用アクチュエータ
25 ロータリジョイント
25a 油路
25b 外筒
26c 内筒
30 傾動量制御システム
31 タンク
32 油量センサ
34 制御装置
35 傾動量演算部
36 傾動量表示部
37 傾動量制御部
40 油圧ポンプ
41 制御弁
43 油圧シリンダ
43a シリンダチューブ
43b シリンダロッド
45 スライダ
46 リンクロッド
48 スタビライザ
50 3翼ビット
51 固定アーム
52 ビット
54 第2突出部材
55 第2ストッパ部材
57 スプライン継手
57a スプライン継手部
57b スプライン継手部
60 固定ユニット
61 当接部材
61a 当接部材本体
61b ライナ部材
62 固定用アクチュエータ
64 ケーシング
65 楔部材
66 油圧シリンダ
66a シリンダチューブ
66b シリンダロッド
70 付勢ユニット
71 可動フレーム
72 付勢用アクチュエータ
73 軸受
75 油圧シリンダ
75a シリンダチューブ
75b シリンダロッド
80 ガイドユニット
81 ガイドロッド
82 ガイドスリーブ
85 支柱
86 サブフレーム
87 伸縮管
90 全周回転掘削機
92 クローラクレーン
93 ハンマグラブ
94 孔
94a 軸部
94b 拡底部
98 循環槽
99 送液ポンプ
100 反力テーブル
102 掘削装置
Claims (14)
- 地盤を掘削する掘削装置及び当該掘削装置を駆動する駆動装置を備え、リバース工法にて孔を掘削する掘削機において、
前記駆動装置は、
メインフレームと、
前記メインフレームに対し相対回転可能に設けられた中空駆動軸と、
駆動モータを有し、前記メインフレームに固定されて前記中空駆動軸を回転させるための駆動ユニットと、
前記中空駆動軸の一端側にスイベルジョイントを介して相対回転可能に連結された吸込口を有する揚水ポンプと、を含み、
前記掘削装置は、
前記中空駆動軸の他端側に着脱可能で、前記中空駆動軸と一体に回転する中空の主軸と、
一端が前記主軸に回動可能に取り付けられたアームと、
前記主軸と前記アームとの間に設けられ、前記アームを前記主軸の径方向外側に傾動させるための傾動用アクチュエータと、
前記アームに取り付けられた複数のビットと、
前記主軸の先端側に設けられた先端カッタと、
前記主軸と前記中空駆動軸との間に介装されて、前記傾動用アクチュエータに作動流体を供給するための流路を有するロータリジョイントと、
を含むことを特徴とする掘削機。 - 前記駆動装置は、
前記揚水ポンプの本体から前記中空駆動軸の径方向外側に突出する第1突出部材と、
前記メインフレームに固定され、前記中空駆動軸の回転方向にて前記第1突出部材に当接可能な第1ストッパ部材と、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の掘削機。 - 前記掘削装置は、
前記ロータリジョイントから前記中空駆動軸の径方向外側に突出する第2突出部材と、
前記メインフレームに対し相対回転不能に設けられ、前記中空駆動軸の回転方向にて前記第2突出部材に当接可能な第2ストッパ部材と、
を更に含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の掘削機。 - 前記中空駆動軸は、前記他端側にスプライン継手部を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の掘削機。
- 前記駆動ユニットは、前記駆動モータの出力を前記中空駆動軸に伝達可能な従動歯車を有し、
前記スイベルジョイントは、前記従動歯車よりも前記揚水ポンプ側の前記中空駆動軸に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の掘削機。 - 前記駆動装置は、
前記中空駆動軸の周方向に配置され且つ前記中空駆動軸の径方向にそれぞれ移動可能な複数の当接部材と、
前記メインフレームに固定され、前記複数の当接部材を前記中空駆動軸の径方向に移動させるための固定用アクチュエータと、
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の掘削機。 - 前記駆動装置は、
前記メインフレームよりも前記掘削装置側に設けられ、前記メインフレームに対し前記中空駆動軸の軸線方向に移動可能な可動フレームと、
一端が前記メインフレームに、他端が前記可動フレームに固定され、前記メインフレームに対し前記可動フレームを前記中空駆動軸の軸線方向に移動させるための付勢用アクチュエータと、
前記可動フレームに脱着可能に取付けられ、前記中空駆動軸を回転可能に支持する軸受と、
を更に含むことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の掘削機。 - 前記駆動装置は、
前記中空駆動軸の軸線方向での前記可動フレームの移動を案内するガイドユニットを更に含むことを特徴とする請求項7に記載の掘削機。 - 前記傾動用アクチュエータに供給される前記作動流体を貯留可能なタンクと、
前記タンク内に貯留されている前記作動流体の量に対応する信号を出力可能なセンサと、
前記センサの出力信号に基づいて、前記主軸に対する前記アームの傾動量を求め、且つ、求められた前記傾動量を表示するように構成された制御装置と、
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の掘削機。 - 地盤を掘削する掘削装置及び当該掘削装置を駆動する駆動装置を備えた掘削機を用いてリバース工法にて孔を掘削する掘削方法であって、
前記駆動装置は、
メインフレームと、
前記メインフレームに対し相対回転可能に設けられた中空駆動軸と、
駆動モータを有し、前記メインフレームに固定されて前記中空駆動軸を回転させるための駆動ユニットと、
前記中空駆動軸の一端側にスイベルジョイントを介して相対回転可能に連結された吸込口を有する揚水ポンプと、を含み、
前記掘削装置は、
前記中空駆動軸の他端側に着脱可能で、前記中空駆動軸と一体に回転する中空の主軸と、
一端が前記主軸に回動可能に取り付けられたアームと、
前記主軸と前記アームとの間に設けられ、前記アームを前記主軸の径方向外側に傾動させるための傾動用アクチュエータと、
前記アームに取り付けられた複数のビットと、
前記主軸の先端側に設けられた先端カッタと、
前記主軸と前記中空駆動軸との間に介装されて、前記傾動用アクチュエータに作動流体を供給するための流路を有するロータリジョイントと、を含んでおり、
地盤に形成された同一径の孔内の下端部に前記掘削機を挿入する挿入工程と、
前記駆動装置に前記孔内の泥水を排出するための排水管を前記揚水ポンプに接続する接続工程と、
前記孔内に安定液を供給するとともに前記孔内の泥水を排出しながら、前記駆動装置によって前記掘削装置を駆動して、前記アームを傾動させずに前記先端カッタにて前記孔の下端を掘削して前記同一径にて掘進する掘削工程と、
を備えることを特徴とする孔の掘削方法。 - 地盤を掘削する掘削装置及び当該掘削装置を駆動する駆動装置を備えた掘削機を用いてリバース工法にて孔を掘削する掘削方法であって、
前記駆動装置は、
メインフレームと、
前記メインフレームに対し相対回転可能に設けられた中空駆動軸と、
駆動モータを有し、前記メインフレームに固定されて前記中空駆動軸を回転させるための駆動ユニットと、
前記中空駆動軸の一端側にスイベルジョイントを介して相対回転可能に連結された吸込口を有する揚水ポンプと、を含み、
前記掘削装置は、
前記中空駆動軸の他端側に着脱可能で、前記中空駆動軸と一体に回転する中空の主軸と、
一端が前記主軸に回動可能に取り付けられたアームと、
前記主軸と前記アームとの間に設けられ、前記アームを前記主軸の径方向外側に傾動させるための傾動用アクチュエータと、
前記アームに取り付けられた複数のビットと、
前記主軸の先端側に設けられた先端カッタと、
前記主軸と前記中空駆動軸との間に介装されて、前記傾動用アクチュエータに作動流体を供給するための流路を有するロータリジョイントと、を含んでおり、
地盤に形成された同一径の孔内の下端部に前記掘削機を挿入する挿入工程と、
前記駆動装置に前記孔内の泥水を排出するための排水管を前記揚水ポンプに接続する接続工程と、
前記孔内に安定液を供給するとともに前記孔内の泥水を排出しながら、前記駆動装置によって前記掘削装置を駆動して、前記アームを傾動させた状態で前記アームに取り付けられた前記ビットにて前記孔の下端部側面を掘削して前記同一径よりも孔径が大きい拡底部を形成する拡底工程と、
を備えることを特徴とする孔の掘削方法。 - 前記接続工程と前記拡底工程との間に、
前記孔内に安定液を供給するとともに前記孔内の泥水を排出しながら、前記駆動装置によって前記掘削装置を駆動して、前記先端カッタにて前記孔の下端を掘削して前記同一径にて掘進する掘削工程を更に備えることを特徴とする請求項11に記載の孔の掘削方法。 - 前記駆動装置は、
前記中空駆動軸の周方向に配置され且つ前記中空駆動軸の径方向にそれぞれ移動可能な複数の当接部材と、
前記メインフレームに固定され、前記複数の当接部材を前記中空駆動軸の径方向に移動させるための固定用アクチュエータと、
を更に備えており、
前記接続工程の後に、
前記駆動装置は、前記固定用アクチュエータによって前記当接部材を前記孔の孔壁又はケーシングに密着させて、前記掘削機による掘削時の回転反力を支持することを特徴とする請求項10乃至12の何れか1項に記載の孔の掘削方法。 - 前記掘削機は、
前記排水管に連結されて前記排水管の中心軸を中心として前記排水管を回動可能で、且つ地盤に固定される回動装置を更に備えており、
前記接続工程において、
前記排水管を前記回動装置に接続して、前記掘削機による掘削時の回転反力を前記回動装置で支持することを特徴とする請求項10乃至12の何れか1項に記載の孔の掘削方法。
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