JP2017062354A - トナー粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 懸濁重合法によるトナー粒子の製造方法であって、重合容器内の液体散布用ノズルへの付着を抑制し、かつ、画像特性に優れたトナー粒子の製造方法を提供する。【解決手段】 重合性単量体および着色剤を含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体の中で形成する造粒工程と、該重合性単量体組成物の該粒子に含まれる該重合性単量体を重合する重合工程と、を有するトナー粒子の製造方法において、該重合工程が、気相部に液体散布用のノズルを具備する容器内で行われ、該ノズルから該容器内に線速度が1.4m/秒以上の気体を注入することを特徴とするトナー粒子の製造方法。【選択図】 なし

Description

本発明は電子写真、静電印刷、磁気記録のような、画像形成方法において静電荷画像を顕像化するためのトナー粒子の製造方法に関する。
近年、トナー粒子の製造方法として、重合性単量体等を使用した懸濁重合法、乳化重合凝集法や、結着樹脂等を溶剤中で造粒する溶解懸濁法等の湿式トナーに関する提案が盛んに行われている。
たとえば懸濁重合法では、重合性単量体、着色剤、離型剤及び重合開始剤、さらに必要に応じて架橋剤、荷電制御剤およびその他の添加剤を均一に溶解または分散させて着色剤含有組成物とする。これを、分散安定剤を含有する水系媒体中に適当な撹拌機を用いて分散させ、重合性単量体を重合させて、所望の粒径を有するトナー粒子の懸濁液を得る。
このようにして製造されたトナー粒子は、非常にシャープな粒度分布であることから、高い現像性を実現できるばかりか、高収率であることから生産性の観点からも優れている。
前述の懸濁重合法によるトナーの製造において、重合工程は通常、撹拌手段および、加熱冷却手段を有する重合容器を用いて行われるが、重合容器内壁面、邪魔板表面、スプレーノズルなどに重合体組成物が付着すると、その場で重合し、スケール付着物となる。重合性単量体を含むスケール付着物は、重合工程終了後も重合容器内に残留し、その量は重合工程回数を重ねるたびに増大する。特に、重合容器の洗浄に用いられるスプレーノズルに付着が発生した場合、洗浄能力が低下し、付着量のさらなる増大につながる。付着量の増大が著しい場合には重合容器の伝熱性能を低下させ重合反応の安定性に影響を与える。
また、スケール付着物が剥離して脱落し製品であるトナーに混入すると、不定形の異形粒子として観察される。トナー中における異形粒子の存在割合が大きくなると摩擦帯電性などのトナー特性および画像評価した場合の現像特性に悪影響が現れ、画像濃度の変動、白い筋、カブリの発生が見られる等製品性状の低下を招くため好ましくない。また、上記スケール付着物が十分な大きさに成長してから剥離/脱落した場合、重合容器に接続された配管部やバルブ等で、詰まりや固着の原因となる。このため付着物の頻繁な除去作業が必要となり製造装置の稼働率の低下を招く。さらには重合容器内部がグラスライニングやフッ素樹脂コーティングなどの表面処理をされていた場合、ハツリなどの作業によって表面処理が傷つけられ補修作業が必要となる可能性もある。これらのことは結果として製品であるトナーのコストアップにつながる。
このような重合反応におけるスケール付着を抑制する方法として、例えば特許文献1には、リン酸アルカリ金属塩水溶液とハロゲン化金属塩水溶液を混合して得られる難水溶性無機化合物を含む液体を重合容器内壁面に接触させ、乾燥させる方法が提案されている。
また、液体噴霧装置における、ノズルの目詰まりを抑制又は解消する手段として、使用する液体の種類、濃度、粘度又は性質に応じて選択した液体又は気体をノズル内を通過させることでノズルを洗浄する方法が提案されている(特許文献2参照)。
特開2010−152249号公報 特開2008―18356号公報
特許文献1に記載の方法は重合容器内壁面や、邪魔板表面の付着に対しては有効であるが、難水溶性無機化合物を含む液体や洗浄液を散布するノズルの付着対策としては記述が無く、十分な効果が得られない。
また、特許文献2に記載の方法を懸濁重合法における、重合工程のように、ノズルが重合性単量体の蒸気に長時間曝される場合に適用したとしても、ノズルに付着した重合性単量体が重合し、強固な付着が生じることを抑制することは難しい。そのため目詰まりの抑制又は解消は困難である。また、ノズル表面の付着には何ら効果が無い。
本発明は、上述の如き問題を解決したトナー粒子の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、重合性単量体および着色剤を含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体の中で形成する造粒工程と、該重合性単量体組成物の該粒子に含まれる該重合性単量体を重合する重合工程と、を有するトナー粒子の製造方法において、
該重合工程が、気相部に液体散布用のノズルを具備する容器内で行われ、該ノズルから該容器内に線速度が1.4m/秒以上の気体を注入することを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、液体散布用ノズルの内部、液体散布口付近、表面への付着を効果的に抑制することができる。また、付着の剥離により異形粒子がトナー粒子中に混入することが極めて少ないため、安定的にトナー粒子を製造することができ、画像特性に優れたトナー粒子の製造方法を提供することが可能となる。
本発明に用いる好適な重合容器の断面図である。 二次元回転式スプレーノズルの概略図である。 電子写真装置の現像部の拡大図である。 本発明の画像形成方法を用いた電子写真装置の断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、懸濁重合法および乳化凝集法を始めとして各種の重合トナー製造方法で用いられるが、懸濁重合法で用いられるのが好ましい。
以下に、その一例として、本発明を懸濁重合法によるトナー粒子の製造方法に用いた場合について説明する。
懸濁重合法とは、重合性単量体及び着色剤を含有する重合性単量体組成物を水系媒体に加え、水系媒体中で重合性単量体組成物を造粒して重合性単量体組成物の粒子を形成し、粒子に含まれる重合性単量体を重合してトナー粒子を得る製造方法である。
以下、懸濁重合法によるトナー粒子の製造法に本発明を用いた場合について工程毎に説明する。
(着色剤含有組成物調製工程)
重合性単量体および着色剤を含む着色剤含有組成物を調製する。着色剤は予め媒体撹拌ミルなどで重合性単量体中に分散させた後に他の組成物と混合してもよいし、その他の組成物と同時、または、その他の組成物を混合した後に分散させてもよい。
(造粒工程)
後述する分散安定剤を含む水系媒体に重合性単量体組成物を投入し、分散させ、水系媒体中に着色剤含有組成物の液滴を造粒することによって着色剤含有組成物分散液を得る。
造粒工程は例えば高剪断力を有する撹拌機を設置した縦型撹拌槽で行うことができる。高剪断力を有する撹拌機としては特に限定するものではないが、ULTRA‐TURRAX(IKA社製)、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業(株)製)、T.K.フィルミックス(特殊機化工業(株)製)、クレアミックス(エム・テクニック(株)製)、キャビミックス(太平洋機工(株)製)の如き市販のものを用いることができる。また、撹拌機を縦型撹拌槽内で、撹拌槽下部から一部プロセス液を抜き出し再度撹拌槽へ戻す循環機構を有し、循環機構内にインライン式の高剪断力を有する分散機を用いることもできる。インライン式の分散機としてはコロイドミル(IKA社製)、キャビトロン(太平洋機工(株)製)、W・モーション(エム・テクニック(株)製)の如き市販の分散機を用いることができる。
(水系分散媒体の調整)
分散安定剤としては、例えば、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸アルミニウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸バリウム、リン酸亜鉛等のリン酸金属塩;硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩;水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄の金属水酸化物;等を挙げることができるが特に限定されない。これらは、単独、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらは、水系媒体中に微粒子として存在することにより分散安定剤としての機能を発揮する。
(重合工程)
上述のようにして得られた重合性単量体組成物分散液を重合工程に導入することにより、トナー粒子分散液を得る。本発明における重合工程には、温度調節可能な一般的な撹拌槽を用いることができる。
図1は本発明に用いる好適な重合容器の断面図の例であるが、これに限定されるわけではない。
図1において、1は重合容器、2は撹拌羽根、3は邪魔板、4は駆動装置、5は気液界面、6は温度調節用のジャケット、7は重合容器気相部に具備される液体散布用のノズルである。
図1では、散布液は容器上部2方向および容器下部1方向に向け散布されているが、液体散布の方向、数は任意に変えてもよい。
図1では、重合容器上部にノズルの一端が固定されているが、液体散布口が気相部に位置するのであれば、ノズルの位置は特にこれに限定されるものではない。
重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃で行われる。重合温度は終始一定でもよいが、所望の分子量分布を得る目的で重合工程後半に昇温してもよい。このときの重合容器内の気相部の重合性単量体の濃度が97.1mmol/m^3以上、299mmol/m^3以下のとき、本発明のノズルが付着に対して効果的に作用する。
しかし、重合性単量体の濃度は、特にこの範囲に限定されるわけではない。撹拌に用いられる撹拌羽根はトナー用原料分散液を滞留させることなく浮遊させ、かつ槽内の温度を均一に保てるようなものならばどのようなものを用いても良い。撹拌羽根又は撹拌手段としては、パドル翼、傾斜パドル翼、三枚後退翼、プロペラ翼、ディスクタービン翼、ヘリカルリボン翼及びアンカー翼のごとき一般的な撹拌羽根、並びに、「フルゾーン」((株)神鋼環境ソリューション製)、「ツインスター」((株)神鋼環境ソリューション製)、「マックスブレンド」(住友重機械工業(株)製)、「スーパーミックス」(佐竹化学機械工業(株)製)及び「Hi-Fミキサー」(綜研化学(株)製)などが挙げられる。
図2は本発明に用いる好適な二次元回転式ノズルの概略図の例であるが、これに限定されるわけではない。
図2において、8は二次元回転式ノズル、9は液体散布部材、31はノズル固定部、32は回転軸、33は液体散布口である。液体散布部材9は回転軸32に固定されており、回転軸32はノズル固定部31に対して回転できるように接続されている。ノズル固定部31の内部には、通過する流体が渦を巻くように流路が形成されており、流体の通過により回転軸32および液体散布部材9が回転する。
液体散布用ノズルの用途としては、原料投入、重合容器又は邪魔板又は撹拌羽根の洗浄液散布、付着抑制用の液体散布などがあげられるが、特にこれらに限定されるものではない。
液体散布用ノズルには、種々の噴霧パターンのものがあるが、本発明にはフルコーンスプレー、ホローコーンスプレー、フラットスプレーなどの一般的なものを用いることができる。また、ノズルの駆動方式としては、固定式、液圧二次元回転式、液圧三次元回転式、昇降式などの一般的なものを用いることができる。特に、液体散布口が回転する場合、広範囲かつ均一に液体を散布することができる。
液体散布用ノズルの径は、ノズルの用途により任意に選択することができる。
液体散布用ノズルから重合容器内に線速度が1.4m/秒以上の気体を注入することが好ましい。高線速の気体を注入することで、重合性単量体を含有する蒸気をノズル近傍から隔離することができ、重合性単量体のノズル及び液体散布口付近への付着が抑制される。また、付着が生じた場合でも、重合性単量体が加熱されて強固な付着となる前に除去することができる。
注入する気体の線速度が1.4m/秒より遅い場合、付着の抑制又は除去に対して十分な風力が得られないため、好ましくない。また、注入する気体の流量を6.0L/分以上にすることが、重合性単量体を含有する蒸気をノズル近傍から効果的に隔離する点で、より好ましい。
液体散布用ノズルは回転可能な液体散布部材を具備し、ノズル内に気体を通過することにより回転することが好ましい。回転させることによりノズル表面の付着を抑制することができる。また、液体ではなく気体を通過させることにより、ノズル洗浄液の重合体微粒子分散液への混入を防ぎ、トナー性能の低下を抑制することができる。
液体散布部材の最外周の回転周速は78.5mm/秒以上であることが好ましい。回転速度を78.5mm/秒以上とすることでノズル表面や回転軸付近の付着を抑制する。また、トナー粒子中への付着の混入やノズルの液体散布性能の低下を防ぐことができる。
注入する気体は不活性ガスであることが好ましい。不活性ガスを用いた場合、重合性単量体の重合を阻害したりせず、トナー粒子の樹脂成分の分子量がバラついたりせず、安定した熱特性のトナーを得ることができるため好ましい。
注入する不活性ガスの温度が重合容器中の水系媒体の温度より30℃以上低いことが好ましい。付着した重合性単量体の温度上昇を防ぐことで、重合性単量体の重合に伴う強固な付着の発生を抑制することができる。
(蒸留工程)
必要であれば未反応の重合性単量体や副生成物等の揮発性不純物を除去するために、重合終了後に一部水系媒体を蒸留工程により留去してもよい。蒸留工程は常圧もしくは減圧下で行うことができる。
(洗浄工程、固液分離工程及び乾燥工程)
重合体粒子表面に付着した分散安定剤を除去する目的で、重合体粒子分散液を酸またはアルカリで処理をすることもできる。この後、一般的な固液分離法により重合体粒子は液相と分離されるが、酸またはアルカリおよびそれに溶解した分散安定剤成分を完全に取り除くため、再度水を添加して重合体粒子を洗浄する。この洗浄工程を何度か繰り返し、十分な洗浄が行われた後に、再び固液分離してトナー粒子を得る。得られたトナー粒子は必要であれば公知の乾燥手段により乾燥される。
(分級工程)
こうして得られたトナー粒子は従来の粉砕法トナーと比較して十分シャープな粒度を有するものであるが、さらにシャープな粒度を要求される場合には風力分級機などで分級を行うことにより、所望の粒度分布から外れる粒子を分別して取り除くこともできる。
<重合性単量体>
本発明のトナーに好適に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性のものまたは多官能性のものを使用することができる。
単官能性重合性単量体としては以下のものが挙げられる。スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系モノマー類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体類;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトン類。
多官能性重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル。
本発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独、あるいは2種以上組み合わせて、または上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用する。上述の単量体の中でもスチレンまたはスチレン誘導体を単独もしくは混合して、またはそれらとほかの単量体と混合して使用することがトナーの現像特性及び耐久性などの点から好ましい。
<着色剤>
本発明に好ましく使用される着色剤として、以下の有機顔料または染料、無機顔料が挙げられる。
シアン系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が利用できる。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー7、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66。
マゼンタ系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド254。
イエロー系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー111、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー176、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグメントイエロー191、C.I.ピグメントイエロー194。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、及び、上記イエロー系/マゼンタ系/シアン系着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明のトナーに用いられる着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナー中の分散性の点から選択される。
該着色剤は、好ましくは結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上、20質量部以下添加して用いられる。
着色剤を選択する上で、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注意を払う必要がある。特に染料やカーボンブラックは重合阻害性を有しているものが多いので使用の際に注意を要する。好ましくはこれらに表面改質、例えば重合阻害のない物質による疎水化処理を施しておいたほうが良い。染料を表面処理する方法としては、予めこれら染料の存在下に重合性単量体を重合させる方法が挙げられ、得られた着色重合体を重合性単量体組成物等トナー用原料に添加する。さらにカーボンブラックについては上記染料と同様の処理の他、カーボンブラックの表面官能基と反応する物質、例えばポリオルガノシロキサンでグラフト処理を行ってもよい。
<離型剤>
本発明で用いられる離型剤としては室温で固体状態のワックスがトナーの耐ブロッキング性、多数枚耐久性、低温定着性、耐オフセット性の点でよい。
ワックスとしては以下のものが挙げられる。パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如きポリメチレンワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、エステルワックス及びこれらのグラフト化合物、及びこれらのブロック化合物。これらは低分子量成分が除去されており、示差走査熱量計によって得られる吸熱曲線の最大吸熱ピークがシャープなものが好ましい。OHPに定着した画像の透光性を向上させるためには特に直鎖状エステルワックスが好適に用いられる。直鎖状エステルワックスは重合性単量体100質量部に対して1乃至40質量部、より好ましくは4乃至30質量部含有されるのがよい。
本発明においては、トナー粒子の可塑性を増し、低温領域での定着性をよくするために、融点が80℃より小さい第2の離型剤を併用することができる。第2の離型剤としては炭素数15乃至100個の直鎖状のアルキルアルコール、直鎖状脂肪酸、直鎖状酸アミド、直鎖状エステルあるいはモンタン系誘導体のワックスが好ましく用いられる。これらのワックスから液状脂肪酸の如き不純物を予め除去してあるものはより好ましい。
<荷電制御剤>
本発明により製造されるトナーは荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤としては公知のものが利用できる。例えばトナーを負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ系染料金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類。さらに、以下のものが挙げられる。尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、非金属カルボン酸系化合物。
トナーを正荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き4級アンモニウム塩;ホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、またはフェロシアン化物)、高級脂肪酸の金属塩。これらを単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも4級アンモニウム塩の如き荷電制御剤が特に好ましく用いられる。
これらの荷電制御剤は重合性単量体100質量部に対して0.01乃至20質量部、より好ましくは0.5乃至10質量部使用するのがよい。
<重合開始剤>
本発明に用いることができる重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤がある。アゾ系重合開始剤としては以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスメチルブチロニトリル。
また、有機過酸化物系開始剤を用いることもできる。有機過酸化物系開始剤としては以下のものが挙げられる。ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチル−パーオキシピバレート。
また、酸化性物質と還元性物質を組み合わせたレドックス系開始剤を用いることもできる。酸化性物質としては過酸化水素、過硫酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)の無機過酸化物、4価のセリウム塩の如き酸化性金属塩が挙げられる。還元性物質としては還元性金属塩(2価の鉄塩、1価の銅塩、3価のクロム塩)、アンモニア、低級アミン(メチルアミン、エチルアミンの如き炭素数1乃至6のアミン)、ヒドロキシルアミン等のアミノ化合物、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムハイドロサルファイト、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートの如き還元性硫黄化合物、低級アルコール(炭素数1乃至6)、アスコルビン酸又はその塩、および低級アルデヒド(炭素数1乃至6)。開始剤は10時間半減期温度を参考に選択され単独又は混合して利用される。該重合開始剤の添加量は目的とする重合度により変化するが、一般的には重合性単量体100質量部に対し0.5乃至20質量部が添加される。
<架橋剤>
本発明には各種架橋剤を用いることもできる。架橋剤としては、以下のものが挙げられる。ジビニルベンゼン、4,4’−ジビニルビフェニル、ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート。
<結着樹脂>
本発明の懸濁重合法で用いられる結着樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えばスチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、などの単独重合体、又は共重合体などが挙げられる。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン、等が挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、等が挙げられる。
特に代表的な結着樹脂としては、例えばポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<外添剤>
本発明の製造方法では、トナーへの各種特性付与を目的として外添剤を使用することができる。外添剤はトナーに添加した時の耐久性の点から、トナー粒子の体積平均粒径の1/10以下の粒径であることが好ましい。外添剤としては、以下のものが挙げられる。酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化錫、酸化亜鉛の如き金属酸化物;窒化ケイ素の如き窒化物;炭化物炭化ケイ素の如き炭化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムの如き無機金属塩;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムの如き脂肪酸金属塩;カーボンブラック、シリカ。
これら外添剤はトナー粒子100質量部に対し0.01乃至10質量部が用いられ、好ましくは0.05乃至5質量部が用いられる。外添剤は単独で用いても、また複数併用しても良いがそれぞれ疎水化処理を行ったものがより好ましい。
<磁性材料>
本発明の製造方法は、磁性材料を含有する磁性トナーの製造方法にも適用でき、トナーに含有される磁性材料は着色剤の役割を兼ねることもできる。本発明において、磁性トナー中に含まれる磁性材料としてはマグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物。
これらの磁性体は体積平均粒径(Dv)が0.5μm以下、好ましくは0.1乃至0.5μm程度のものがよい。
磁性体の体積平均粒径(Dv)は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、1万倍ないしは4万倍の拡大倍率の写真で視野中の100個の磁性体の投影面積に等しい円の相当径を求め、それをもとに体積平均粒径の算出を行う。
上記磁性体のトナー中への含有量は、重合性単量体100質量部に対して20乃至200質量部、特に好ましくは重合性単量体100質量部に対して40乃至150質量部がよい。
また、上記磁性体の800kA/m印加時の磁気特性が、飽和磁化(σs)50乃至200Am/kg、残留磁化(σr)2乃至20Am/kgのものが好ましい。磁性体の磁気特性は、振動型磁力計VSM P−1−10(東英工業(株)製)を用いて、25℃の室温にて外部磁場79.6kA/mで測定する。
<疎水化剤>
また、トナー粒子中でのこれらの磁性体の分散性を向上させるために、磁性体の表面を疎水化処理することも好ましい。疎水化処理にはシランカップリング剤やチタンカップリング剤などのカップリング剤類が用いられる。中でもシランカップリング剤が好ましく用いられる。シランカップリング剤としては以下のものが挙げられる。ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン。
本発明により製造されるトナーは、前述したように、一成分及び二成分系現像剤のいずれとしても使用できる。
一成分系現像剤として磁性体をトナー中に含有させた磁性トナーの場合には、現像スリーブ中に内蔵されたマグネットを利用して磁性トナーを搬送したり帯電する方法が用いられる。また、磁性体を含有しない非磁性トナーを用いる場合には、ブレード及びファーブラシを用い現像スリーブにて強制的に摩擦帯電しスリーブ上にトナーを付着させることで搬送させる方法がある。
本発明の製造方法により得られるトナーを、二成分系現像剤として用いる場合には、トナーと共にキャリアを用い現像剤として使用する。本発明に使用されるキャリアとしては特に限定されるものではないが、主として鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガンおよびクロム原子からなる単独または複合フェライト状態で構成される。
飽和磁化、電気抵抗を広範囲にコントロールできる点からキャリア形状も重要であり、たとえば球状、扁平、不定形を選択し、更にキャリア表面状態の微細構造たとえば表面凹凸性をもコントロールすることが好ましい。一般的には上記金属の化合物を焼成、造粒することにより、あらかじめキャリアコア粒子を生成した後、樹脂をコーティングする方法が用いられている。キャリアのトナーへの負荷を軽減する意味合いから、以下のような方法も利用することが可能である。
・金属化合物と樹脂を混練後、粉砕、分級して低密度分散キャリアを得る方法
・直接金属化合物と重合性単量体との混練物を水系媒体中にて懸濁重合させて真球状に分散した重合キャリアを得る方法
キャリアの粒径の測定は、シンパテック(SYNPATEC)社製で乾式分散機(ロドス<RODOS>)を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置(へロス<HELOS>)を用いてキャリアの体積基準のメディアン径として測定する。
これらキャリアの体積基準のメディアン径は10乃至100μm、より好ましくは20乃至50μmであることが望ましい。
二成分系現像剤を調製する場合のキャリアと本発明におけるトナーとの混合比率は現像剤中のトナー濃度として2質量%乃至15質量%、好ましくは4質量%乃至13質量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低く実用不可となり、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が増加しやすく、画像の劣化および現像剤の消費量増加が起こりやすい。
次に本発明で用いられる画像形成方法について図3及び図4を用いて説明する。
本願実施例で用いられる画像形成方法を含む、画像形成装置の構成を図4に示す。
図4は、非磁性一成分接触現像方式の電子写真プロセスを利用した、600dpiレー
ザービームプリンタ(HEWLETT PACKARD製:Color LaserJet CP4005)改造機の概略図である。
図4において、101(101a〜101d)は矢印118の方向(反時計回り方向)に所定のプロセススピードで回転する潜像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと称する)である。感光ドラム101a、101b、101c、101dは順にカラー画像のイエロー(Y)成分、マゼンタ(M)成分、シアン(C)成分、ブラック(Bk)成分のそれぞれを分担するものである。
以下、Y、M、C、Bkの各画像形成装置をそれぞれユニットa、ユニットb、ユニットc、ユニットdと呼ぶ。
これらの感光ドラム101a〜101dは、不図示のドラムモータ(直流サーボモータ)によって回転駆動されるが、各感光ドラム101a〜101dにそれぞれ独立した駆動源を設けても良い。なお、ドラムモータの回転駆動は不図示のDSP(デジタルシグナルプロセッサ)によって制御され、その他の制御は不図示のCPUによって行われる。
また、静電吸着搬送ベルト109aは、駆動ローラ109bと固定ローラ109c,109e及びテンションローラ109dに張架されており、駆動ローラ109bによって矢印119の方向に回転駆動され、記録媒体Sを吸着して搬送する。
以下、4色のうち、ユニットa(イエロー)を例として説明する。
感光ドラム101aはその回転過程で1次帯電手段102aにより所定の極性及び電位に一様に1次帯電処理される。そして、感光ドラム101aに対してレーザービーム露光手段(以下、スキャナーと称する)103aにより光像露光がなされ、該感光ドラム101a上に画像情報の静電潜像が形成される。
次に、現像部104aによってトナー像が感光ドラム101a上に形成され、静電潜像が可視化される。同様な工程が他の3色(マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk))についてもそれぞれ実施される。
4色のトナー像は、所定のタイミングで給紙ローラ108bにより搬送されてきた記録媒体Sを停止、再搬送するレジストローラ108cにより同期される。そして、感光ドラム101a〜101dと静電吸着搬送ベルト109aとのニップ部において記録媒体Sにトナー像が順次転写される。また、これと同時に記録媒体Sへのトナー像転写後の感光ドラム101a〜101dはクリーニング手段106a,106b,106c,106dによって転写残トナー等の残存付着物が除去され、繰り返し作像に供される。
4つの感光ドラム101a〜101dからトナー像が転写された記録媒体Sは、駆動ローラ109b部において静電吸着搬送ベルト109a面から分離されて定着器110に送り込まれる。そして、定着器110においてトナー像が定着され、排出ローラ110cによって排出トレー113に排出される。
次に現像部の拡大図(図3)を用いて、本発明に適用されうる非磁性一成分接触現像方式での画像形成方法の具体例を説明する。
図3において、現像ユニット13は、一成分現像剤としての非磁性トナー17を収容した現像剤容器23と、現像剤容器23内の長手方向に延在する開口部に位置し潜像担持体(感光ドラム)10と、対向設置されたトナー担持体14とを備える。現像ユニット13は、潜像担持体10上の静電潜像を現像して可視化する。接触帯電部材11は潜像担持体10に当接している。接触帯電部材11のバイアスは電源12により印加されている。
トナー担持体14は、上記開口部にて図に示す右略半周面を現像剤容器23内に突入し、左略半周面を現像剤容器23外に露出して横設されている。この現像剤容器23外へ露出した面は、図3のように現像ユニット13の図中左方に位置する潜像担持体10に当接している。
トナー担持体14は矢印B方向に回転駆動され、潜像担持体10の周速は50〜170mm/秒、トナー担持体14の周速は潜像担持体10の周速に対して1〜2倍の周速で回転させている。
トナー担持体14の上方位置には、規制部材16が、規制部材支持板金24に支持され、自由端側の先端近傍をトナー担持体14の外周面に面接触にて当接するように設けられている。その当接方向としては、当接部に対して先端側がトナー担持体14の回転方向上流側に位置するいわゆるカウンター方向になっている。
規制部材16はSUS等の金属板や、ウレタン、シリコーン等のゴム材料、バネ弾性を有するSUS又はリン青銅の金属薄板を基体とし、トナー担持体14への当接面側にゴム材料を接着したもの等からなる。規制部材16の一例としては、厚さ1.0mmの板状のウレタンゴムを規制部材支持板金24に接着した構成で、トナー担持体14に対する当接圧(線圧)を、適宜設定したものである。当接圧は、好ましくは、20〜300N/mである。なお、当接圧の測定は、摩擦係数が既知の金属薄板を3枚当接部に挿入し、中央の1枚をばねばかりで引き抜いた値から換算する。
なお、規制部材16は当接面側にゴム材料などを接着したものの方がトナーとの付着性の面で、長期使用において規制部材へのトナーの融着、固着を抑制できるため望ましい。また規制部材16は、トナー担持体14に対する当接状態として先端を当接させるエッジ当接を採用することも可能である。なお、エッジ当接とする場合は、トナー担持体との接点におけるトナー担持体の接線に対する規制部材の当接角を40度以下になるよう設定するとトナーの層規制の点で更に好ましい。
トナー供給ローラ15は、規制部材16とトナー担持体14の表面との当接部に対しトナー担持体14の回転方向上流側に当接され、かつ回転可能に支持されている。このトナー供給ローラ15のトナー担持体14に対する当接幅としては、1〜8mmが有効で、またトナー担持体14に対してその当接部において相対速度を持たせることが好ましい。
帯電ローラ29は本発明の画像形成方法に必須のものではないが、設置されているとより好ましい。帯電ローラ29はNBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)、シリコーンゴム等の弾性体であり、抑圧部材30に取り付けられている。そしてこの抑圧部材30による帯電ローラ29のトナー担持体14への当接荷重は0.49〜4.9Nに設定する。帯電ローラ29の当接により、トナー担持体14上のトナー層は細密充填され均一コートされる。規制部材16と帯電ローラ29の長手位置関係は、帯電ローラ29がトナー担持体14上の規制部材16の当接全域を確実に覆うことができるように配置されるのが好ましい。
また、帯電ローラ29の駆動については、トナー担持体14との間は従動又は同周速が必須であり、帯電ローラ29とトナー担持体14との間に周速差が生じるとトナーコートが不均一になり、画像上にムラが発生するため好ましくない。
帯電ローラ29のバイアスは、電源27によってトナー担持体14と潜像担持体10との両者間に直流で印加されており、トナー担持体14上の非磁性トナー17は帯電ローラ29より、放電によって電荷付与を受ける。
帯電ローラ29のバイアスは、非磁性トナーと同極性の放電開始電圧以上のバイアスであり、トナー担持体14に対して1000〜2000Vの電位差が生じるように設定される。
帯電ローラ29による帯電付与を受けた後、トナー担持体14上に薄層形成されたトナー層は、一様に潜像担持体10との対向部である現像部へ搬送される。
この現像部において、トナー担持体14上に薄層形成されたトナー層は、電源27によりトナー担持体14と潜像担持体10との両者間に印加された直流バイアスによって、潜像担持体10上の静電潜像にトナー像として現像される。
<体積基準メディアン径(Dv50)、個数基準メディアン径(Dn50)の測定方法>
トナー粒子の体積基準メディアン径(Dv50)、および個数基準メディアン径(Dn50)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター(株)製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター(株)製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター(株)製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行った。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOMME)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetra150」(日科機バイオス(株)製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、体積基準メディアン径(Dv50)、および個数基準メディアン径(Dn50)を算出する。
<粒度分布の算出>
粒度分布は下記の計算式(1)により導かれる数値を指標とした。
体積基準メディアン径(Dv50)÷ 個数基準メディアン径(Dn50)…式(1)
上記指標は数値が1に近いほど粒度分布がシャープなことを表す。以下この指標をDv50/Dn50とする。
本発明を以下に示す実施例により具体的に説明する。以下にトナー粒子の製造方法について記載する。
〔実施例1〕
下記の手順によってトナーを製造した。
(顔料分散組成物の調製)
下記材料を、アトライタ(日本コークス工業(株)製)に導入し、半径1.25mmのジルコニアビーズを用いて200rpmにて温度25℃で180分間撹拌を行い、顔料分散組成物を調製した。
・スチレン 21.76質量部
・C.I.ピグメントレッド122 1.95質量部
・C.I.ピグメントレッド150 1.16質量部
・荷電制御剤(ボントロンE88;オリエント化学工業(株)製) 0.44質量部
(着色剤含有組成物の調製)
下記材料を同一容器内に投入しT.K.ホモミクサー(特殊機化工業(株)製)を用いて、周速20m/秒にて混合・分散した。
・顔料分散組成物 25.76質量部
・スチレン 9.55質量部
・n−ブチルアクリレート 13.10質量部
・ポリエステル樹脂 2.20質量部
・スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル−αメチルスチレン共重合体
5.35質量部
(スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸メチル/αメチルスチレン=80.85/2.50/1.65/15.0、Mp=19,700、Mw=7,900、ガラス転移温度 TgB=96℃、酸価=12.0mgKOH/g、Mw/Mn=2.1)
・スルホン酸基含有樹脂(アクリベースFCA−1001−NS、藤倉化成(株)製)
0.44質量部
更に、60℃に加温した後、炭化水素ワックス(HNP−9;日本精蝋(株)製)8.0質量部を投入し、30分間分散・混合を行い、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4.44質量部を溶解し、着色剤含有組成物を調製した。
(水系分散媒体の調製)
造粒タンクにイオン交換水117.92質量部、リン酸ナトリウム12水和物2.04質量部、10wt%塩酸0.88質量部を添加しリン酸ナトリウム水溶液を作製し、60℃に加温した。イオン交換水8.28質量部に塩化カルシウム2水和物1.18質量部を溶解し塩化カルシウム水溶液を得た。前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業(株)製)を用いて周速25m/秒にて30分撹拌した。
(造粒)
水系分散媒体中に着色剤含有組成物を投入し、温度60℃、窒素雰囲気下において、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業(株)製)にて周速20m/秒で撹拌した。次いで造粒タンク下部より、造粒タンク内の混合液を連続的に抜き出しタンク上部に混合液を戻し循環させた。循環ライン中に具備したキヤビトロン(太平洋機工(株)製)を用いてローター周速40m/秒にて着色剤含有組成物を水系分散媒体中で分散させた。キャビトロンを通過した積算流量が、造粒タンクに仕込んだ液量の5倍となるまで循環させ、着色剤含有組成物の分散液を得た。
(重合)
着色剤含有組成物の分散液を別のタンクに移し、パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度70℃に昇温した。重合工程中、重合容器の気相部に具備された液体散布用の二次元回転式スプレーノズル(Rokon:スプレーイングシステムスジャパン(株)製)から重合容器内に線速度1.8m/秒で窒素ガスを注入した。
窒素ガスの温度は、重合容器内の水系媒体の温度に対して35℃低い温度とした。
また、窒素ガスの圧力による液体散布部材の回転速度は、液体散布部材の最外周の周速が85.0mm/秒になるように調整した。
5時間反応させた後、更に85℃に昇温し、2時間反応させた。
重合後、容器内に残ったスラリーは、二次元回転式スプレーノズルにイオン交換水を通過させ、液圧により液体散布部材を水平方向に回転させながら十分に洗い流した。
(洗浄/濾過/乾燥)
冷却後、塩酸を加えpHを1.4にし、2時間撹拌しトナー粒子の分散液を得た。トナー粒子の分散液を濾別し、水洗後、温度40℃にて48時間乾燥しトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子の体積基準メディアン径(Dv50)、個数基準メディアン径(Dn50)、を表1に示す。
(外添)
このトナー粒子100.0質量部に対し、ジメチルシリコーンオイルで表面処理された疎水性シリカ微粉体1.0質量部(数平均一次粒子径:7nm)を三井ヘンシェルミキサ(日本コークス工業(株)(旧三井三池化工機(株)))で10分間乾式混合してトナーを得た。
得られたトナーの現像性評価を以下に示す方法で行った。その結果を表1に示す。
<画像評価>
(現像スジについて)
図3に示す一成分接触現像システムの画像形成装置において、現像器に実施例及び比較例に記載のトナーを85g充填したものを作り、高温高湿(温度32.5℃、相対湿度85%)環境下にて24時間静置した。この際、転写紙も同様に静置した。なお、現像性に関する評価では転写紙としてはXerox4200(ゼロックス社製)(75g/m紙)を用いた。その後、高温高湿(温度30℃、相対湿度85%)環境下にて図3に示す一成分接触現像システムの画像形成装置を、図4のユニット104c部に装着し、シアン単色モードにてプロセススピードを200mm/秒として実施した。この条件下で、印字比率2%の画像を連続出力した。現像スジに関する評価は、5,000枚/10,000枚の時点で、以下の方法で確認した。
(現像スジの評価)
ベタ画像(M/S=0.45mg/cm)を出力した。また、同時にカートリッジ内の現像ローラ表面を目視にて観察した。以下に判定基準を示す。
A:10000枚出力時においてもベタ画像上および現像ローラ表面にスジが確認されない。実使用上全く問題ないレベル。
B:10000枚出力時において現像ローラ表面にスジが1ないし4本程度確認されるがベタ画像上には確認されない。実使用上問題ないレベル。
C:10000枚出力時においてベタ画像上にスジが確認される。5000枚出力時においては現像ローラ表面にスジが1〜4本程度確認されるがベタ画像上には確認されない。実使用上問題となる可能性が低いレベル。
D:5000枚出力時において。ベタ画像上にスジが確認される。実使用上問題となる可能性が高いレベル。
<付着量の算出>
重合後、重合容器に具備されている液体散布用ノズルを外し、洗浄、乾燥させ、液体散布用ノズルに付着したスケール付着物の質量を測定した。
〔実施例2〕
窒素ガスの温度を、重合容器内の水系媒体の温度に対して30℃低い温度とした以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例3〕
窒素ガスの温度を、重合容器内の水系媒体の温度に対して29℃低い温度とした以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例4〕
重合容器内に注入する気体に含まれる窒素ガスの量を80体積%、酸素ガスの量を20体積%とした以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例5〕
窒素ガスの圧力による液体散布部材の回転速度を、液体散布部材の最外周の周速が78.5mm/秒になるように調整した以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例6〕
窒素ガスの圧力による液体散布部材の回転速度を、液体散布部材の最外周の周速が76.5mm/秒になるように調整した以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例7〕
重合中、二次元回転式スプレーノズルの液体散布部材を固定し、回転不可とした以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例8〕
重合容器内に線速度1.4m/秒で窒素ガスを注入した以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例9〕
気体の温度を、重合容器内の水系媒体の温度に対して30℃低い温度とした以外は、実施例4と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例10〕
気体の温度を、重合容器内の水系媒体の温度に対して29℃低い温度とした以外は、実施例4と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔比較例1〕
重合容器内に線速度1.3m/秒で窒素ガスを注入した以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔比較例2〕
重合容器内への窒素ガスの注入を無しとした以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
上記実施例および比較例における、注入する気体の線速度及び温度、二次元回転式液体散布部材の周速、得られたトナーのDv50、Dv50/Dn50、付着量、並びに画像評価結果を、表1に示す。
Figure 2017062354
1 :重合容器
2 :撹拌羽根
3 :邪魔板
4 :駆動装置
5 :気液界面
6 :温度調節用のジャケット
7 :液体散布用のノズル
8 :二次元回転式ノズル
9 :液体散布部材
10 :潜像担持体(感光ドラム)
11 :接触帯電部材
12 :電源
13 :現像ユニット
14 :トナー担持体
15 :トナー供給ローラ
16 :規制部材
17 :非磁性トナー
23 :現像剤容器 24 :規制部材支持板金
27 :電源 29 :帯電ローラ
30 :抑圧部材 31 :ノズル固定部
32 :回転軸 33 :液体散布口
101a〜d:感光ドラム 102a〜d:一次帯電手段
103a〜d:スキャナー 104a〜d:現像部
106a〜d:クリーニング手段 108b :給紙ローラ
108c :レジストローラ 109a :静電吸着搬送ベルト
109b :駆動ローラ 109c :固定ローラ
109d :テンションローラ 110 :定着器
110c :排出ローラ 113 :排出トレー
S :記録媒体

Claims (5)

  1. 重合性単量体および着色剤を含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体の中で形成する造粒工程と、該重合性単量体組成物の該粒子に含まれる該重合性単量体を重合する重合工程とを有するトナー粒子の製造方法において、
    該重合工程が、気相部に液体散布用のノズルを具備する容器内で行われ、
    該ノズルから該容器内に線速度が1.4m/秒以上の気体を注入することを特徴とするトナー粒子の製造方法。
  2. 前記ノズルが回転可能な液体散布部材を具備し、
    前記液体散布部材が、前記液体散布部材の中を気体が通過することにより回転する液体散布部材である請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
  3. 前記液体散布部材の最外周が、78.5mm/秒以上の周速で回転する請求項2に記載のトナー粒子の製造方法。
  4. 前記気体が不活性ガスである請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー粒子の製造方法。
  5. 前記気体の温度が、前記水系媒体の温度に対して30℃以上低い請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー粒子の製造方法。
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