JP2017062144A - 磁気エンコーダ及びこれを備えた密封装置 - Google Patents

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将行 米屋
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Abstract

【課題】補強環と回転側部材との嵌合部に対する延出部によるシール性を長く維持し得る磁気エンコーダと、信頼性の高いシール性能を備えた密封装置を提供する。
【解決手段】固定側部材2に対して軸回転可能に支持される回転側部材4に装着される磁気エンコーダ20であって、回転側部材4に一体に嵌合される補強環21と、補強環21に固着一体とされた弾性材製磁性環22とからなり、磁性環22は、環状多極磁石部221aを有する本体部221と、本体部221から延出されて回転側部材5に弾接する環状の延出部222とを備え、延出部222の表面には1個以上の凹部222aが形成されていることを特徴とする磁気エンコーダ20、及び、この磁気エンコーダ20と、固定側部材2に嵌合される芯金12と、芯金12に固着されて補強環21に弾接する弾性体製のシール部材13とを備えることを特徴とする密封装置11である。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、自動車等の車輪支持部の軸受装置に装着される回転検出用磁気エンコーダと、この磁気エンコーダを組み込んだ軸受装置用の密封装置とに関する。
前記のような磁気エンコーダを組み込んだ軸受装置用の密封装置としては、特許文献1〜特許文献3に開示されたエンコーダ付組み合わせシールリング等が挙げられる。これらの密封装置は、大略、回転側部材(内輪)に嵌合されるスリンガ(補強環)と、このスリンガに磁性環が一体とされてなる磁気エンコーダと、固定側部材(外輪)に嵌合されるシールリングとが組合さって構成されている。そして、これらの例では、磁性環の内輪側端部に延出部(舌状部、シールリップ等)が形成され、この延出部が内輪に弾接して、スリンガと内輪との嵌合部に泥水等が浸入しないようにシールしている。特許文献1〜3に記載された磁気エンコーダは、ゴム等のエラストマーに大量の磁性粉を含有させ、スリンガに対して加硫一体に成型することにより得られ、この成型の際に、前記延出部も同時に形成される。
特開2000−289405号公報 特許第4604388号公報 特開2014−98483号公報
ところで、前記のような磁気エンコーダの場合、多極磁石部と延出部とが成型により一体に形成されるので、延出部にも多量の磁性粉が含有される。そのため、延出部の弾性が磁性粉を含有しないエラストマーより低下し、これによって前記シール機能が充分に得られなくなる要因となる。また、弾性が小さいことにより、内輪に対する弾接に伴う内部応力によって、延出部に圧縮永久ひずみ(へたり)が生じ易くなり、これによって延出部によるシール機能が経時的に低下することになる。さらに、延出部は内輪に弾接することからその反力により多極磁石部側にエラストマーの逃げが生じ、これによって多極磁石部の表面が部分的に隆起することもある。このような隆起が生じると、多極磁石部に対峙するよう設けられる磁気センサと磁気エンコーダとのエアギャップが変化し、磁気センサによる回転検出精度に影響を及ぼすこともある。
然るに、特許文献1には、延出部に相当する部位にも多量の磁性粉が含有されることによる前記問題点を解決する方策の開示はない。特許文献2には、エンコーダ(多極磁石部)と舌状部(延出部)との間に凹入部を設け、舌状部が内輪に弾接して屈曲変形しても舌状部がエンコーダの本体部の側面及び内輪の端面より軸方向に突出しないようにしている。しかし、本特許文献2においても、延出部に相当する部位に多量の磁性粉が含有されることによる前記問題点を解決する方策の開示はない。また、凹入部は、舌状部が屈曲変形しても構造上エンコーダの本体部の側面等から突出しないようにしたものであっても、エンコーダの本体部にゴム(エラストマー)の逃げによる前記のような隆起部を生じさせないために設けられたものではない。特許文献3では、多極磁石部と延出部との間に絞り部を設け、成型時に多極磁石部から延出部へゴム材が流入する際、ゴム材に含有される磁性粉の一部を堰き止めて延出部に含有される磁性粉の量を減らして、延出部の弾性の低下を防ぐようにしている。この場合、使用される磁性粉の平均粒径、延出部の断面幅及び成型材(ゴム材料と磁性粉との混練物)の流動性等を勘案した設定が必要で、設計上の難しさがあることは否めなかった。
本発明は、前記実情に鑑みなされたもので、回転側部材に弾接する延出部の耐へたり性をカバーして、補強環と回転側部材との嵌合部に対する延出部によるシール性を長く維持し得る磁気エンコーダと、これと組合わさって構成される信頼性の高いシール性能を備えた密封装置を提供することを目的としている。
本発明に係る磁気エンコーダは、固定側部材に対して軸回転可能に支持される回転側部材に装着される磁気エンコーダであって、前記回転側部材に一体に嵌合される補強環と、該補強環に固着一体とされた弾性材製磁性環とからなり、前記磁性環は、環状多極磁石部を有する本体部と、該本体部から延出されて前記回転側部材に弾接する環状の延出部とを備え、前記延出部の表面には1個以上の凹部が形成されていることを特徴とする。
本発明の磁気エンコーダによれば、回転側部材に装着されるから、固定側部材に当該磁気エンコーダの環状多極磁石部に対峙するよう磁気センサを設置すれば、軸回転に伴う環状多極磁石部の磁気変化を磁気センサによって検出することができる。これによって、回転側部材の回転速度や回転角度等の回転情報を得ることができる。また、延出部が回転側部材に弾接するから、補強環と回転側部材との間の嵌合部に対する泥水等の異物の浸入が防止される。そして、延出部の表面には1個以上の凹部が形成されているから、回転側部材に対する弾接反力に伴う弾性材の逃げ部が確保され、この弾性材の逃げの影響が環状多極磁石部を有する本体部に及び難く、本体部の表面が隆起するようなひずみを生じる懸念がない。これによって、磁気センサと環状多極磁石部とのエアギャップが変化せず、回転検出精度に支障を来すことがない。加えて、凹部が形成されていることにより、延出部に弾性が付与され、延出部が環状多極磁石部を有する本体部に一体に形成されているために低下する耐へたり性をカバーすることができ、前記嵌合部のシール機能が維持される。
本発明において、前記補強環は、前記回転側部材に嵌合される円筒部と、該円筒部の一端部から径方向に延びる鍔部とを有し、前記本体部が前記鍔部の側面に固着され、前記延出部が、前記本体部における前記円筒部側の端部から延びて前記円筒部と前記回転側部材との嵌合部を覆い且つ当該回転側部材に弾接するよう構成されているものとしても良い。
本発明によれば、磁気エンコーダの本体部が、補強環の鍔部の側面に固着されているから、本体部の環状多極磁石部の軸回転が安定化され、これに対峙して設置される磁気センサによる磁気検出が精度良くなされる。また、延出部は補強環の円筒部と回転側部材との嵌合部を覆い且つ当該回転側部材に弾接するよう構成されているから、当該嵌合部への泥水等の異物の浸入を的確に防止することができる。
本発明において、前記延出部には、複数個の前記凹部が形成されているものとしても良い。
本発明によれば、延出部に形成される凹部が複数個であることにより、前記凹部による効果がより顕著に発揮される。
本発明において、前記凹部には、前記磁性環を構成する弾性材より弾性のある別の弾性材が充填されているものとしても良い。
本発明によれば、磁性環を構成する弾性材より弾性のある別の弾性材が凹部に充填されていることにより、前記凹部による効果がより一層顕著に発揮される。
この場合、前記磁性環を構成する弾性材が、多量の磁性粉を含有するエラストマーからなり、前記別の弾性材が前記磁性粉を含有しないエラストマーからなるものとしても良い。
本発明によれば、磁性環を構成するエラストマーと凹部に充填されるエラストマーとを共用することにより、エラストマー原料の無駄の少ない使用が可能となる。しかし、両エラストマーとして別材質のものを用いることはもとより可能である。
本発明において、凹部が、前記延出部の周方向に沿って環状に形成されているものとしても良い。
本発明によれば、凹部による前記効果が、延出部の周方向に沿って均一に発揮される。
本発明に係る密封装置は、固定側部材と、該固定側部材に対して軸回転可能に支持される回転側部材との間に装着される密封装置であって、前記いずれかの磁気エンコーダと、前記固定側部材に一体に嵌合される芯金と、該芯金に固着されて前記補強環に弾接する弾性体製のシール部材とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、固定側部材に芯金を介して取付けられるシール部材が、回転側部材に嵌合される補強環に弾接するから、固定側部材と回転側部材との間が軸方向に沿って遮断されて密封される。そして、磁気エンコーダの延出部により、補強環及び回転側部材の嵌合部のシール機能も維持され、信頼性の高いシール性能を備えた密封装置が得られる。
本発明によれば、回転側部材に弾接する延出部の耐へたり性をカバーして、補強環と回転側部材との嵌合部に対する延出部によるシール性を長く維持し得る磁気エンコーダと、信頼性の高いシール性能を備えた密封装置が得られる。
本発明に係る密封装置が適用される軸受装置の一例を示す概略的縦断面図である。 図1のX部の拡大図であって、本発明に係る磁気エンコーダおよびこれを備えた密封装置の第一の実施形態を示す図である。 同実施形態の磁気エンコーダを軸受装置に組付ける前の状態を模式的に示す縦断面図である。 同実施形態の変形例を示す図3と同様図である。 本発明に係る磁気エンコーダの第二の実施形態を示す図3と同様図である。 同実施形態の変形例を示す図3と同様図である。 本発明に係る磁気エンコーダの第三の実施形態を示す図3と同様図である。 同実施形態の変形例を示す図3と同様図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1は、自動車の車輪(不図示)を軸回転可能に支持する軸受装置1を示す。この軸受装置1は、大略的に、固定側部材としての外輪2と、ハブ輪3と、ハブ輪3の車体側に嵌合一体とされる内輪部材4と、外輪2とハブ輪3及び内輪部材4との間に介装される2列の転動体(ボール)6…とを含んで構成される。この例では、ハブ輪3及び内輪部材4が回転側部材としての内輪5を構成する。外輪2は、自動車の車体(不図示)に固定される。また、ハブ輪3にはドライブシャフト7が同軸的にスプライン嵌合され、ドライブシャフト7は等速ジョイント8を介して不図示の駆動源(駆動伝達部)に連結される。ドライブシャフト7はナット9によって、ハブ輪3と一体化され、ハブ輪3のドライブシャフト7からの抜脱が防止されている。内輪5(ハブ輪3及び内輪部材4)は、外輪2に対して、軸L回りに回転可能とされ、外輪2と、内輪5との間に環状空間Sが形成される。環状空間S内には、2列の転動体6…が、リテーナ6aに保持された状態で、外輪2の軌道輪2a、ハブ輪3及び内輪部材4の軌道輪3a,4aに対して転動可能に介装されている。ハブ輪3は、円筒形状のハブ輪本体30と、ハブ輪本体30より立上基部31を介して径方向外側に延出するよう形成されたハブフランジ32を有し、ハブフランジ32にボルト33及び不図示のナットによって車輪が取付固定される。以下において、軸L方向に沿って車輪に向く側(図1において左側を向く側)を車輪側、車体に向く側(同右側を向く側)を車体側と言う。
環状空間Sは、軸受空間を形成し、この環状空間(以下、軸受空間と言う)Sの軸L方向に沿った両端部であって、外輪2とハブ輪3との間、及び外輪2と内輪部材4との間には、それぞれベアリングシール10,11が装着され、軸受空間Sの軸L方向に沿った両端部が密封される。これによって、軸受空間S内への泥水等の浸入や軸受空間S内に充填される潤滑剤(グリース等)の外部への漏出が防止される。ベアリングシール10,11のうち、車体側のベアリングシール11に本発明に係る磁気エンコーダが適用され、このベアリングシール11が本発明に係る密封装置に相当する。
本発明に係る磁気エンコーダ及び密封装置の実施の形態について、図2〜図8をも参照して説明する。
図2及び図3は本発明に係る磁気エンコーダ及びこれを備えた密封装置の第一の実施形態を示している。本実施形態のベアリングシール(密封装置)11は、軸受装置1における外輪2と内輪5との間の車体側端部に装着され、軸受空間Sにおける車体側端部を密封する。当該ベアリングシール11は、後記する磁気エンコーダ20と、外輪(固定側部材)2に嵌合(内嵌)される芯金12と、芯金12に固着されて磁気エンコーダ20を構成するスリンガ(補強環)21に弾接する弾性体製のシール部材13とが組み合わさって構成される。芯金12は、外輪2における車体側端部の内周面2bに嵌合される芯金円筒部121と、芯金円筒部121の車輪側端部121aから内径方向に延びる芯金鍔部122とからなる。
シール部材13は、ゴム等のエラストマーからなり、芯金12に加硫成型一体に固着されている。図例のシール部材13は、芯金12に固着されるリップ基部130と、リップ基部130から延出されて後記するスリンガ21における軸受空間Sに臨む面に弾接する複数(図例では3個)のシールリップ131,132,133を有している。リップ基部130は、芯金鍔部122の車体側面122aから内周縁部122bを回り込んで車輪側面(軸受空間Sに臨む面)122cに及ぶように、また、芯金円筒部121の内周面121bから車体側端部121cを回り込んで外周面121dに及ぶように、芯金12に一体に固着されている。3個のシールリップ131,132,133のうちシールリップ131はアキシャルリップであり、スリンガ21における鍔部212の車輪側面212aに弾接する。また、シールリップ132,133はラジアルリップであり、スリンガ21における円筒部211の外周面211bに弾接する。図2において、2点鎖線で示すシールリップ131,132,133は、弾接に伴う弾性変形前の原形状を示している。リップ基部130における、芯金円筒部121の車体側端部121cを回り込んだ部分には、環状の突部134が形成されている。この突部134は、芯金12を外輪2に嵌合した際、外輪2の車体側内周面2bと、芯金円筒部121の段差状に形成された外周面121dとの間に圧縮状態で介在し、外輪2と芯金円筒部121との嵌合部に外部からの泥水等の浸入を防止するように機能する。図2において、2点鎖線で示す突部134は、圧縮変形前の原形状を示している。
磁気エンコーダ20は、内輪部材(回転側部材)4に外嵌(嵌合)されるスリンガ(補強環)21と、スリンガ21に固着一体とされた弾性体製の磁性環22とからなる。スリンガ21は、内輪部材4の外周面4aに嵌合される円筒部211と、円筒部211の車体側端部(一端部)211aから外径方向(径方向)に延びる鍔部212とを有している。磁性環22を構成する弾性材は、多量の磁性粉を含有するエラストマー(例えば、NBR,H−NBR,ACM,VMQ等のゴム材)からなり、磁性環22は、スリンガ21における鍔部212の車体側面(側面)212bに固着された本体部221と、本体部221の内径側(円筒部211側)の端部221bから内径側に延出された環状の延出部222とを備えている。磁性環22は、多量の磁性粉を含有する未加硫のエラストマーを、スリンガ21に対して加硫一体にインサート成型することによって得られる。そして、本体部221は、その表面に周方向に沿って多数のN極、S極が交互に着磁された環状多極磁石部221aを有している。本体部221は、さらに、スリンガ21における鍔部212の外周縁部212cを回り込んで車輪側面212aに及ぶように形成されている。延出部222は本体部221と一体であり、したがって、本体部221と同様に多量の磁性粉を含有している。この延出部222は、スリンガ21が内輪部材4に嵌合された際に、内輪部材(回転側部材)4の車体側角部の面取部4bに弾接するように形成されている。図2において2点鎖線(図3において実線)で示す延出部222は、弾接に伴う弾性変形前の原形状を示す。延出部222の車体側の表面には、周方向に連続する3個の環状の凹部222a…が同心(同軸L)状に形成されている。本実施形態のベアリングシール11が軸受装置1の所定位置に装着されたときには、磁気エンコーダ20の環状多極磁石部221aが車体側に設置された磁気センサ30に対峙するように位置付けられる。内輪5の軸回転に伴う環状多極磁石部221aの磁気変化が磁気センサ30で検出され、これによって、ハブフランジ32に取付けられる車輪の回転検出機構が構成される。磁性環22を構成する弾性材としては、前記のとおりエラストマー(ゴムや弾性樹脂等)が望ましく採用されるが、エラストマーより硬度の高い弾性材も使用可能である。
前記のように構成される磁気エンコーダ20及びこれを用いたベアリングシール(密封装置)11は、図1に示すような軸受装置1に装着される。この装着に際しては、先ず、シール部材13を芯金12の芯金円筒部121を介して外輪2の車体側内周面2bに、圧入治具(不図示)を用いて軸L方向に沿って所定位置に嵌合一体とする。次いで、磁気エンコーダ20における磁性環221の環状多極磁石部221aに圧入治具(同上)を軸L方向に沿って作用させることによって、磁気エンコーダ20を内輪部材4に対してスリンガ21の円筒部211を介して所定の締め代をもって嵌合一体とする。この嵌合による装着状態では、前記のとおり、磁気エンコーダ20の環状多極磁石部221aが車体側に設置された磁気センサ30に所定のエアギャップをもって対峙するように位置付けられる。これにより車輪の回転検出機構が構成される。また、磁気エンコーダ20の磁性環22に備えられる環状の延出部222が内輪部材4の車体側角部に形成された面取り部4bに所定の締め代をもって弾接される。この延出部222の弾接によって、内輪部材4の外周面4aとスリンガ21における円筒部211の内周面211cとの金属嵌合部が覆われ、当該嵌合部に対する泥水等の浸入が防止される。内輪部材4(内輪5)の軸L回りの回転(軸回転)により、シールリップ131,132,133がスリンガ21に対して相対的に弾性摺接する。これにより、軸受装置1の外部から軸受空間S内への泥水等の浸入、及び、軸受空間S内に充填されるグリース等の潤滑剤の外部漏出が防止される。
そして、延出部222の車体側表面には周方向に連続する3個の環状の凹部222a…が同心状に形成されているから、延出部222の内輪部材4に対する弾接の際の弾性変形性が向上する。また、延出部222の内輪部材4に対する弾接反力に伴う弾性材の逃げ部が確保される。これによって、延出部222の弾性ひずみの影響が本体部221の表面の環状多極磁石部221aに及び難くなり、本体部221の表面即ち環状多極磁石部221aが隆起するようなひずみを生じる懸念がない。したがって、磁気センサ30と環状多極磁石部221aとのエアギャップが変化せず、回転検出精度に支障を来すことがない。加えて、凹部222a…が形成されていることにより、延出部222に弾性が付与され、延出部222が多量の磁性粉を含有する本体部221に一体に形成されているために低下する耐へたり性をカバーすることができ、前記金属嵌合部に対するシール機能が維持される。これらにより、信頼性の高いベアリングシール(密封装置)11が得られる。
また、本実施形態において、磁気エンコーダ20を構成する磁性環22の本体部221が、補強環21の鍔部212の側面(車体側面)212bに固着されているから、本体部221の環状多極磁石部221aの軸回転が安定化され、これに対峙して設置される磁気センサ30による磁気検出が精度良くなされる。また、延出部222は補強環21の円筒部211と内輪部材4との嵌合部を覆い且つ当該内輪部材4に弾接するよう構成されているから、当該嵌合部への泥水等の異物の浸入を的確に防止することができる。また、凹部222a…が、延出部222の周方向に沿って環状に形成されているから、複数であることとも相俟って、凹部222a…による前記効果が、延出部222の周方向に沿って均一に発揮される。
図4は、第一の実施形態の変形例を示す。この例においては、前記例における延出部222の3個の凹部222a…に、磁性環22を構成する弾性材より弾性のある別の弾性材223として磁性粉を含有しないゴム材(例えば、NBR,H−NBR,ACM,VMQ等のゴム材)が充填されている。別の弾性材223が、磁性環22を構成する弾性材としての多量の磁性粉を含有するエラストマーと同じエラストマーのみからなる(磁性粉を含有しない)ものであっても良いが、異なる材質のエラストマーからものであっても良い。
このように、磁性環22を構成するエラストマーと凹部222a…に充填されるエラストマー(別の弾性材223)とを共用することにより、エラストマー原料の無駄の少ない使用が可能となる。別の弾性材223は、凹部222aに対して接着剤を介して一体に充填されている。このように、凹部222aに磁性環22を構成する弾性材より弾性のある別の弾性材223が充填されていると、前記凹部222aによる効果がより一層顕著に発揮される。特に、延出部222が、この別の弾性材223を有していることにより前記耐へたり性がより改善され、内輪部材4とスリンガ21との金属嵌合部に対するシール機能がより長く持続される。
その他の構成は前記例と同様であるから、共通部分に同一の符号を付し、その作用・効果等の説明は割愛する。
図5は、本発明に係る磁気エンコーダの第二の実施形態を示す。この実施形態においては、延出部222に形成される環状の凹部222aが1個で前記例の凹部222aより幅広であることで特徴付けられる。この例においても、延出部222の車体側表面には周方向に連続する環状の幅広凹部222aが形成されているから、延出部222の内輪部材4に対する弾接の際の弾性変形性が向上する。また、延出部222の内輪部材4に対する弾接反力に伴う弾性材の逃げ部が確保される。これによって、延出部222の弾性ひずみの影響が本体部221の表面の環状多極磁石部221aに及び難くなり、本体部221の表面即ち環状多極磁石部221aが隆起するようなひずみを生じる懸念がない。したがって、磁気センサ30(図1及び図2参照)と環状多極磁石部221aとのエアギャップが変化せず、回転検出精度に支障を来すことがない。加えて、凹部222aが形成されていることにより、延出部222に弾性が付与され、延出部222の耐へたり性をカバーすることができ、前記金属嵌合部に対するシール機能が維持される。
その他の構成は前記例と同様であるから、共通部分に同一の符号を付し、その作用・効果等の説明は割愛する。
図6は、第二の実施形態の変形例を示す。この例においては、図5に示す例の延出部222の幅広凹部222aに、磁性環22を構成する弾性材より弾性のある別の弾性材223が図4に示す例と同様に充填されている。この例においても、凹部222aに磁性環22を構成する弾性材より弾性のある別の弾性材223が充填されていることにより、前記凹部222aによる効果がより一層顕著に発揮される。特に、延出部222が、この別の弾性材223を有していることにより前記耐へたり性がより改善され、内輪部材4とスリンガ21との金属嵌合部に対するシール機能がより長く持続される。
その他の構成は前記例と同様であるから、共通部分に同一の符号を付し、その作用・効果等の説明は割愛する。
図7は、本発明に係る磁気エンコーダの第三の実施形態を示す。この実施形態においては、延出部222の車体側の表面に、周方向に連続する3個の環状の凹部222a…が同心(同軸L)状に形成されている点で第一の実施形態と共通する。しかし、延出部222の車輪側の表面にも周方向に連続する2個の環状の凹部222b,222bが同心(同軸L)状に形成されている点で第一の実施形態と異なる。この例においては、延出部222の車輪側表面にも周方向に連続する環状の凹部222bが形成されているから、延出部222の内輪部材4に対する弾接の際の弾性変形性がより向上する。また、延出部222の車体側表面に第一の実施形態と同様に3個の環状の凹部222a…が形成されていることにより、延出部222の内輪部材4に対する弾接反力に伴う弾性材の逃げ部が確保される。これによって、延出部222の弾性ひずみの影響が本体部221の表面の環状多極磁石部221aに及び難く、本体部221の表面即ち環状多極磁石部221aが隆起するようなひずみを生じる懸念がない。したがって、磁気センサ30(同上)と環状多極磁石部221aとのエアギャップが変化せず、回転検出精度に支障を来すことがない。加えて、凹部222aが形成されていることにより、延出部222に弾性が付与され、延出部222の耐へたり性をカバーすることができ、前記金属嵌合部に対するシール機能が維持される。
その他の構成は前記例と同様であるから、共通部分に同一の符号を付し、その作用・効果等の説明は割愛する。
図8は、第三の実施形態の変形例を示す。この例においては、図7に示す例の延出部222の凹部222a,222bに、磁性環22を構成する弾性材より弾性のある別の弾性材223,224が充填されている。この例においても、凹部222a,222bに磁性環22を構成する弾性材より弾性のある別の弾性材223,224が充填されていることにより、前記凹部222a,222bによる効果がより一層顕著に発揮される。特に、延出部222が、この別の弾性材223,224を有していることにより前記耐へたり性がより改善され、内輪部材4とスリンガ21との金属嵌合部に対するシール機能がより長く持続される。
その他の構成は前記例と同様であるから、共通部分に同一の符号を付し、その作用・効果等の説明は割愛する。
なお、前記実施形態では、磁気エンコーダ20が、芯金12及びシール部材13と組み合ってベアリングシール(密封装置)11を構成する例について述べたが、ベアリングシール11を構成せず、単独で軸受装置1に装着されるものであっても良い。また、本発明に係る密封装置が、自動車用の軸受装置に適用される例について述べたが、これに限らず、固定側部材に対して回転側部材が軸回転可能に支持される当該2部材間に装着される密封装置であれば、他の産業分野の軸受装置にも好ましく適用される。また、自動車用の軸受装置であっても、図1に示す軸受装置に限らず他の形態の軸受装置であっても良い。また、芯金12及びこれに固着されるシール部材13の形状も図例のものに限定されず、芯金12と外輪2との嵌合形態等も図例に限定されるものではない。さらに、シールリップ131,132,133の形状等も要求される仕様等に応じて適宜変更が可能である。加えて、凹部222a,222bが周方向に沿って環状に形成されている例について述べたが、周方向に沿って間欠的に形成されているものであっても良い。
2 外輪(固定側部材)
5 内輪(回転側部材)
11 ベアリングシール(密封装置)
12 芯金
13 シール部材
20 磁気エンコーダ
21 スリンガ(補強環)
211 円筒部
211a 一端部
212 鍔部
212b 車体側面(側面)
22 磁性環
221 本体部
221a 環状多極磁石部
221b 内径側(円筒部側)の端部
222 延出部
222a,222b 凹部
223,224 別の弾性材
L 軸

Claims (7)

  1. 固定側部材に対して軸回転可能に支持される回転側部材に装着される磁気エンコーダであって、
    前記回転側部材に一体に嵌合される補強環と、該補強環に固着一体とされた弾性材製磁性環とからなり、
    前記磁性環は、環状多極磁石部を有する本体部と、該本体部から延出されて前記回転側部材に弾接する環状の延出部とを備え、
    前記延出部の表面には1個以上の凹部が形成されていることを特徴とする磁気エンコーダ。
  2. 請求項1に記載の磁気エンコーダにおいて、
    前記補強環は、前記回転側部材に嵌合される円筒部と、該円筒部の一端部から径方向に延びる鍔部とを有し、前記本体部が前記鍔部の側面に固着され、前記延出部が、前記本体部における前記円筒部側の端部から延びて前記円筒部と前記回転側部材との嵌合部を覆い且つ当該回転側部材に弾接するよう構成されていることを特徴とする磁気エンコーダ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の磁気エンコーダにおいて、
    前記延出部には、複数個の前記凹部が形成されていることを特徴とする磁気エンコーダ。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の密封装置において、
    前記凹部には、前記磁性環を構成する弾性材より弾性のある別の弾性材が充填されていることを特徴とする磁気エンコーダ。
  5. 請求項4に記載の磁気エンコーダにおいて、
    前記磁性環を構成する弾性材が、多量の磁性粉を含有するエラストマーからなり、前記別の弾性材が前記磁性粉を含有しないエラストマーからなることを特徴とする磁気エンコーダ。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の磁気エンコーダにおいて、
    前記凹部が、前記延出部の周方向に沿って環状に形成されていることを特徴とする磁気エンコーダ。
  7. 固定側部材と、該固定側部材に対して軸回転可能に支持される回転側部材との間に装着される密封装置であって、
    請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載された磁気エンコーダと、前記固定側部材に一体に嵌合される芯金と、該芯金に固着されて前記補強環に弾接する弾性体製のシール部材とを備えることを特徴とする密封装置。

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