JP2016061392A - 密封装置 - Google Patents

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大介 仲田
Daisuke Nakada
大介 仲田
健太郎 大森
Kentaro Omori
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Abstract

【課題】シール機能を永く持続させることができるパックシールタイプの密封装置を提供する。
【解決手段】外側部材2に対して内側部材5が軸回転可能に支持される2部材間に装着される密封装置11であって、内側部材5に外嵌されるスリンガ51を含む第1部材50と、外側部材2に内嵌される芯金61及び芯金に固着されてスリンガに弾接する弾性体製のシールリップ部62を備えた第2部材60とが組み合わさってなり、第1部材は、内側部材に外嵌される内径側円筒部501と内径側円筒部501と同軸の外径側円筒部502とを含み、両円筒部が軸L方向に沿って第2部材60側に向くよう構成された2重円筒形をなし、第1部材50の外径側円筒部502は、第2部材60の外側部材2に対する内嵌部との間に軸線方向に沿ったラビリンス構造部rを形成し、シールリップ部62は、スリンガ51に弾接する2個のサイドリップ621,622を有することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、自動車等の車輪支持部の軸受装置に用いられる密封装置に関し、さらに詳しくは、外側部材(固定側部材)と内側部材(回転側部材)との間に装着されるパックシールタイプの密封装置に関する。
前記のようなパックシールタイプの密封装置としては、回転側部材に一体に取付けられる第1部材と、第1部材に弾接する弾性体製のシールリップ部を備えて固定側部材に一体に取付けられる第2部材とを組み合わせて構成されるものが挙げられる(例えば、特許文献1,2参照)。これらの特許文献に開示される密封装置では、第1部材(スリンガ)は、回転側部材に嵌合される内径側円筒部と、該内径側円筒部の前記第2部材とは反対側の端部から外径側に延びる鍔部と、該鍔部の外径側端部から軸方向に沿って前記内径側円筒部と同方向に延びる外径側円筒部とを有する。また、第2部材は、固定側部材に嵌合される円筒部及び該円筒部の一端部から内径側に延びる鍔部を有する芯金と、該芯金に固着されて前記スリンガに弾接する弾性体製のサイドリップ(アキシャルリップ)を含むシールリップ部とを有している。そして、第1部材の外径側円筒部と、第2部材とはその対向面間にラビリンス構造部を形成している。
実開平7−10630号公報 特開2006−342827号公報
特許文献1,2に示される密封装置では、スリンガが、内径側円筒部と、鍔部と、外径側円筒部とにより断面形状が二重円筒形の倒U字形の形状をなす。そして、スリンガの外径側円筒部と第2部材とによってラビリンス構造部が形成されることにより、ラビリンス構造部の軸方向に沿った長さが大きく確保される。したがって、外部からラビリンス構造部を経て密封装置内へ塵埃等を含む泥水等(以下、泥水等と言う)の浸入を阻止する機能が効果的に発揮される。しかし、ラビリンス構造部の軸方向長さが大きいことは、逆に、一旦密封装置内に浸入した泥水等を外部に排出し難くする。密封装置内に浸入した泥水等はスリンガと第2部材とにより囲まれる空間部に経時的に蓄積されてゆく。蓄積された泥水等に含まれる塵埃等の異物は、サイドリップのスリンガの鍔部に対する弾接部に噛み込み、これによって、回転側部材の回転に伴うサイドリップの鍔部に対する弾性的摺接部が摩耗する。この摩耗によって、サイドリップの鍔部に対する弾接部から、泥水等がさらに密封装置内を経てシール対象の軸受空間内に浸入し、シール機能が経時的に低下する。特に、特許文献1,2に示される密封装置は、いずれも、スリンガの鍔部に弾接するサイドリップが1個しかなく、そのため、このサイドリップが摩耗すると、密封装置の所期のシール機能が著しく低下する。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、二重円筒形の第1部材の利点を生かしながら、シール機能を永く持続させることができるパックシールタイプの密封装置を提供することを目的としている。
本発明に係る密封装置は、外側部材に対して内側部材が軸回転可能に支持される当該2部材間に装着される密封装置であって、前記内側部材に一体に外嵌されるスリンガを含む第1部材と、前記外側部材に一体に内嵌される芯金及び該芯金に固着されて前記スリンガに弾接する弾性体製のシールリップ部を備えた第2部材とが組み合わさってなり、前記第1部材は、前記内側部材に外嵌される内径側円筒部と該内径側円筒部と同軸の外径側円筒部とを含み、当該両円筒部が軸方向に沿って前記第2部材側に向くよう構成された2重円筒形をなし、前記第1部材の外径側円筒部は、前記第2部材の前記外側部材に対する内嵌部との間に軸方向に沿ったラビリンス構造部を形成し、前記シールリップ部は、前記スリンガに弾接する2個のサイドリップを有することを特徴とする。
本発明の密封装置によれば、第1部材が内径側円筒部及び外径側円筒部を含む二重円筒形であるから、外径側円筒部と第2部材との対向面にラビリンス構造部が形成される。このラビリンス構造部は、外径側円筒部の軸方向に沿った長さ分に及ぶことになるから、泥水等の浸入経路が長くなり、これと内側部材の軸回転に伴う第1部材の遠心作用とが相俟って、密封装置内への泥水等の浸入阻止が効果的になされる。そして、密封装置内にはスリンガに弾接する2個のサイドリップが設けられているから、仮に、密封装置内に泥水等が浸入し泥水等に含まれる塵埃等がスリンガに噛み込むことによって外径側のサイドリップが摩耗しても、内径側のサイドリップによって泥水等のそれ以上の浸入が阻止される。したがって、所期のシール機能が永く持続される。
本発明において、前記第1部材の外径側円筒部と前記第2部材との間に、前記ラビリンス構造部に連続する径方向に沿った第2ラビリンス構造部が形成されているものとしても良い。
本発明によれば、軸方向に沿った前記ラビリンス構造部に対して径方向に沿った第2ラビリンス構造部が連続するよう形成されているから、泥水等の浸入経路がさらに長くなり、密封装置内への泥水等の浸入阻止がより効果的になされる。しかも、両ラビリンス構造部が屈曲するように連続することになるから、ラビリンス構造部の形状的特性が相乗して密封装置内への泥水等の浸入阻止効果がより顕著となる。
本発明において、前記スリンガは、前記内側部材に外嵌される第1円筒部と、該第1円筒部の軸方向に沿った前記第2部材とは反対側の端部から外径側に延びる鍔部と、該鍔部の外径側端部から軸方向に沿って前記第2部材側に延びる第2円筒部とからなり、前記第1円筒部が前記第1部材の内径側円筒部を構成し、前記サイドリップは、前記スリンガの鍔部に弾接するよう構成されているものとしても良い。
本発明によれば、スリンガが第1円筒部、鍔部及び第2円筒部からなるから、第1部材の二重円筒形が、その主体となるスリンガによって、形状的に安定した状態で維持される。
この場合、前記スリンガの第2円筒部が前記第1部材の外径側円筒部を構成し、当該第2円筒部の外周面と前記第2部材の前記外側部材に対する内嵌部の内周面とによって、前記ラビリンス構造部が形成されているものとしても良い。
本発明によれば、ラビリンス構造部はスリンガの第2円筒部の軸方向に沿った長さ分に及ぶことになるから、前記と同様に、泥水等の浸入経路が長くなり、これと内側部材の軸回転に伴うスリンガの遠心作用とが相俟って、密封装置内への泥水等の浸入阻止が効果的になされる。
また、前記スリンガの第2円筒部の外周面には、円筒状の弾性部材が固着一体に設けられ、当該弾性部材とスリンガの第2円筒部とにより前記第1部材の外径側円筒部を構成し、当該弾性部材の外周面と前記第2部材の前記外側部材に対する内嵌部の内周面とによって、前記ラビリンス構造部が形成されているものとしても良い。
本発明によれば、ラビリンス構造部はスリンガの第2円筒部及び弾性部材の軸方向に沿った長さ分に及ぶことになるから、前記と同様に、泥水等の浸入経路が長くなり、これと内側部材の軸回転に伴う弾性部材及びスリンガの遠心作用とが相俟って、密封装置内への泥水等の浸入阻止が効果的になされる。
本発明において、前記スリンガの鍔部における軸方向に沿った前記第2部材とは反対側の面に、着磁された磁性ゴムからなる環状の磁気エンコーダが設けられているものとしても良い。
本発明によれば、磁気エンコーダに対峙させるよう固定側に磁気センサを設置することによって、内側部材の回転検出機構を簡易に構成することができる。また、スリンガの第2円筒部に円筒状の弾性部材を固着一体とする場合は、磁気エンコーダを構成する磁性ゴムをスリンガに加硫成型する際、同時に第2円筒部の外径側の周面にも磁性ゴムを加硫成型してこの部分を弾性部材とすれば、弾性部材の形成が工数の増加を伴うことなく簡易になされる。
本発明のパックシールタイプの密封装置によれば、二重円筒形の第1部材の利点を生かしながら、シール機能を永く持続させることができる。
本発明に係る密封装置が適用される軸受装置の一例を示す概略的縦断面図である。 図1のX部の拡大図であって、本発明に係る密封装置の第一の実施形態を示す図である。 本発明に係る密封装置の第二の実施形態を示す図2と同様図である。 第一の実施形態の変形例を示す図2と同様図である。 第二の実施形態の変形例を示す図3と同様図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1は、自動車の車輪(不図示)を軸回転可能に支持する軸受装置1を示す。この軸受装置1は、大略的に、外側部材としての外輪2と、ハブ輪3と、ハブ輪3の車体側に嵌合一体とされる内輪部材4と、外輪2とハブ輪3及び内輪部材4との間に介装される2列の転動体(ボール)6…とを含んで構成される。この例では、ハブ輪3及び内輪部材4が内側部材としての内輪5を構成する。外輪2は、自動車の車体(不図示)に固定される。また、ハブ輪3にはドライブシャフト7が同軸的にスプライン嵌合され、ドライブシャフト7は等速ジョイント8を介して不図示の駆動源(駆動伝達部)に連結される。ドライブシャフト7はナット9によって、ハブ輪3と一体化され、ハブ輪3のドライブシャフト7からの抜脱が防止されている。内輪5(ハブ輪3及び内輪部材4)は、外輪2に対して、軸L回りに回転可能とされ、外輪2と、内輪5とにより、相対的に回転する2部材が構成され、該2部材間に環状空間Sが形成される。環状空間S内には、2列の転動体6…が、リテーナ6aに保持された状態で、外輪2の軌道輪2a、ハブ輪3及び内輪部材4の軌道輪3a,4aを転動可能に介装されている。ハブ輪3は、円筒形状のハブ輪本体30と、ハブ輪本体30より立上基部31を介して径方向外側に延出するよう形成されたハブフランジ32を有し、ハブフランジ32にボルト33及び不図示のナットによって車輪が取付固定される。以下において、軸L方向に沿って車輪に向く側(図1において左側を向く側)を車輪側、車体に向く側(同右側を向く側)を車体側と言う。
環状空間Sは、軸受空間を形成し、この環状空間(以下、軸受空間と言う)Sの軸L方向に沿った両端部であって、外輪2とハブ輪3との間、及び外輪2と内輪部材4との間には、ベアリングシール10,11が装着され、軸受空間Sの軸L方向に沿った両端部が密封される。これによって、軸受空間S内への汚泥等の浸入や軸受空間S内に充填される潤滑剤(グリース等)の外部への漏出が防止される。
ベアリングシール10,11のうち、車体側のベアリングシール11が本発明に係る密封装置に相当する。このベアリングシール(密封装置)11の実施の形態について、図2〜図5をも参照して説明する。図2は本発明に係る密封装置の第一の実施形態を示し、ベアリングシール11は、外輪2と内輪5とを有する軸受装置1に装着される。当該ベアリングシール11は、内輪(内側部材)5に外嵌される2重円筒形の第1部材50と、外輪(外側部材)2に内嵌される第2部材60とが組み合わさって構成される。第1シール部材50は、内輪5(車輪)の回転(回転速度、回転角度等)を検出するための磁性ゴム製の磁気エンコーダ40を備える。第1部材50の2重円筒形状を構成する内径側円筒部501及び外径側円筒部502は、軸L方向に沿って、第2部材60側に延びるように同軸的に形成されている。
本実施形態のベアリングシール11において、第2部材60は、外輪2に内嵌される芯金61と、芯金61に固着されたゴム製のシールリップ部62とを備える。さらに具体的には、芯金61は、外輪2の内径面2bに内嵌される芯金円筒部611と、芯金円筒部611の軸受空間S側の端部611aから内径側に延びる内向鍔部612とを備えてなり、断面形状が略L字形状をなす。また、シールリップ部62は、ゴム材からなり、芯金61に加硫成型により固着一体とされるシールリップ基部620と、シールリップ基部620から延出されたサイドリップ621,622及びラジアルリップ623とを備える。シールリップ基部620は、芯金61における内向鍔部612の軸受空間S側の面612aの一部から内周縁部612bを回り込み、内向鍔部612の軸受空間Sとは反対側の面612cの全面を覆うように芯金61に固着一体とされている。さらに、シールリップ基部620は、芯金円筒部611の内径面611bの全面を覆い、軸受空間Sとは反対側の端部611cを回り込んで芯金円筒部611の外径面611dに至るように芯金61に固着一体とされている。シールリップ基部620の芯金円筒部611の外径面611dに至る部分は、外径側に隆起する環状突部624とされ、この環状突部624は、芯金61が外輪2に内嵌された際、外輪2の内径面2bと芯金円筒部611の外径面611dとの間に圧縮状態で介在するように形成されている。環状突部624の、外輪2と芯金円筒部611との間での圧縮状態の介在によって、外輪2及び芯金円筒部611の嵌合部への泥水等の浸入が防止される。これによって、外輪2及び芯金円筒部611の嵌合部の発錆を防止すると共に、この嵌合部からの軸受空間S内への泥水等の浸入が防止される。環状突部624の2点鎖線部は圧縮前の原形状を示している。
第1部材50は、断面倒U字形状をなす2重円筒形のスリンガ51を備える。スリンガ51は、内輪5(内輪部材4)に外嵌される第1円筒部511と、第1円筒部511の軸受空間Sとは反対側の端部511aから外径側に延びる鍔部512と、鍔部512の外径側端部512aから軸L方向に沿って第2部材60側に延びる第2円筒部513を含む。第2部材60のサイドリップ621,622は、スリンガ51における鍔部512の軸受空間S側の面512bに弾接する。また、ラジアルリップ623は、スリンガ51における第1円筒部511の外径面511bに弾接する。図2において、サイドリップ621,622及びラジアルリップ623の2点鎖線部は、弾性変形前の原形状を示す。さらに、スリンガ51における鍔部512の軸L方向に沿った軸受空間Sとは反対側の面512cには、磁気エンコーダ40が固着一体に設けられている。磁気エンコーダ40は、磁性粉を含む磁性ゴムからなり、スリンガ51に対して加硫成型により一体に固着され、その表面には周方向に沿って多数のN極及びS極が交互に着磁形成されている。そして、車体側には、この磁気エンコーダ40に対峙するよう磁気センサ400が設置され、ドライブシャフト7の軸回転に伴う磁気エンコーダ40の磁気変化を検出して、ドライブシャフト7(車輪)の回転検出機構が構成される。
本実施形態のベアリングシール11においては、スリンガ51の第2円筒部513が第1部材50の外径側円筒部502を構成する。そして、第2円筒部513の外周面513aと、これに対向する第2部材60の外輪2に対する内嵌部(芯金円筒部611及び芯金円筒部611を覆っているシールリップ基部620)の内周面620aとの間に軸L方向に沿ったラビリンス構造部rが形成される。また、第2円筒部513の軸受空間S側の端面513bと、これに対向する部分(シールリップ基部620における内向鍔部612の軸受空間Sとは反対側の面612cを覆う部分)との間に、径方向に沿った第2ラビリンス構造部r1が形成される。第2ラビリンス構造部r1は、ラビリンス構造部rに対して連続し、求心方向(軸Lに向く方向)に屈曲するように形成されている。両ラビリンス構造部r,r1は、ベアリングシール11の外部と、後記するベアリングシール11内の空間部110とを小間隙をもって連通する。
前記のように構成されるベアリングシール11が組み込まれた軸受装置1において、ドライブシャフト7が軸Lの回りに回転すると、内輪5は外輪2に対してドライブシャフト7と一体で同軸回転する。この時、サイドリップ621,622及びラジアルリップ623は、それぞれ、スリンガの鍔部512及び第1円筒部511に弾接した状態で相対摺接する。したがって、軸受装置1の稼働中、外部からベアリングシール11を経て軸受空間S内への泥水等の浸入が防止される。また、軸受空間S内に充填されている潤滑剤(グリース等)の軸受装置1外への漏出が防止される。そして、軸L方向に沿ったラビリンス構造部r及び径方向に沿ったラビリンス構造部r1と、内輪5の軸回転に伴う遠心作用とが相俟って、ベアリングシール11の外部からベアリングシール11内への塵埃を含む泥水等の浸入が抑制される。しかし、ラビリンス構造部r,r1は隙間であるから、泥水等の浸入を完全に防止し得るものではなく、若干の泥水等はベアリングシール11内へ浸入することは不可避である。そして、ベアリングシール11内へ浸入した泥水等は、スリンガ51の第2円筒部513、鍔部512、サイドリップ621及びシールリップ基部620で囲まれた空間部110に至る。この空間部110はポケット形状をなすので、内輪5の軸回転に伴いポンピング作用が働き、浸入した泥水等をラビリンス構造部r,r1側に押し戻そうとする。
前記のように、ラビリンス構造部r,r1によって、空間部110への泥水等の浸入は抑制されるが、少量でも空間部110に浸入した泥水等は、徐々に空間部110内に蓄積される。そして、泥水等の蓄積に伴い、泥水等に含まれる塵埃が、サイドリップ621の鍔部512に対する弾接部に噛み込み、内輪5の軸回転に伴う弾性摺接によって、サイドリップ621の先端部が摩耗することがある。しかし、サイドリップ621の内径側には、もう1つのサイドリップ622が鍔部512に弾接するから、外径側のサイドリップ621の先端部が摩耗して泥水等がさらにベアリングシール11の空間部110内に浸入しても、内径側のサイドリップ622によってそれ以上の浸入が阻止される。これによって、ベアリングシール11のシール機能が永く維持される。
図3は、本発明に係る密封装置の第二の実施形態を示す。本実施形態のベアリングシール(密封装置)11では、スリンガ51の第2円筒部513の外周面513a及び軸受空間S側の端面513bを覆う円筒状の弾性部材41が磁気エンコーダ40と一体に形成されている。この弾性部材41は、磁気エンコーダ40を構成する磁性ゴムからなり、磁気エンコーダ40の磁性ゴムのスリンガ51に対する前記加硫成型時に同時に一体に成型される。そして、この弾性部材41とスリンガ51の第2円筒部513とにより前記第1部材50の外径側円筒部502を構成する。弾性部材41の外周面41aと第2部材60の前記外輪(外側部材)2に対する内嵌部におけるシールリップ基部620の内周面620aとによって、軸L方向に沿ったラビリンス構造部rが形成されている。また、弾性部材41の前記端面513bを覆う部分の軸受空間側面41bと、これに対向する部分(シールリップ基部620における内向鍔部612の軸受空間Sとは反対側の面612cを覆う部分)との間に、径方向に沿った第2ラビリンス構造部r1が形成される。両ラビリンス構造部r,r1は、第一の実施形態と同様に、屈曲状態で連続し、ベアリングシール11の外部と、ベアリングシール11内の空間部110とを小間隙をもって連通する。したがって、本実施形態においても、両ラビリンス構造部r,r1は、第一の実施形態の両ラビリンス構造部r,r1と同様の機能を奏する。そして、弾性部材41は、磁気エンコーダ40を構成する磁性ゴムの一部とされるから、このような磁気エンコーダ40を備えたベアリングシール11の場合には、工数の増加を伴うことなく弾性部材41を形成することができる。
その他の構成は、第一の実施形態と同様であるから、共通部分に同一の符号を付し、その作用・効果等の説明は割愛する。
図4は、第一の実施形態の変形例を示す。本実施形態のベアリングシール(密封装置)11では、第一の実施形態のベアリングシール11にラジアルリップ625が加わっている。ラジアルリップ623は、前記各例と同様にその先端部が軸受空間S側に向くよう形成され、ラジアルリップ625はその先端部が軸受空間Sとは反対側に向くよう形成されている。このような形成態様の相違は、ラジアルリップ623が、主に軸受空間S内に充填された潤滑剤の外部漏出を防止すべく機能することを目的とするのに対し、ラジアルリップ625が、主に泥水等の軸受空間S内への浸入を防止すべく機能することを目的とすることによる。したがって、本実施形態のベアリングシール11は、サイドリップ621,622の前記機能にラジアルリップ625の機能が付加され、外部からの泥水等の浸入防止機能がより向上し、そのシール機能をより永く維持させることができる。
その他の構成は、第一の実施形態と同様であるから、共通部分に同一の符号を付し、ここでもその作用・効果等の説明は割愛する。
図5は、第二の実施形態の変形例を示す。本実施形態のベアリングシール(密封装置)11では、第二の実施形態のベアリングシール11にラジアルリップ625が加わっている。このラジアルリップ625の機能は、図4に示す例と同様である。また、その他の構成は、第二の実施形態と同様であるから、共通部分に同一の符号を付し、ここでもその作用・効果等の説明は割愛する。
なお、前記実施形態では、本発明に係る密封装置が、自動車用の軸受装置に適用される例について述べたが、これに限らず、外側部材に対して内側部材が軸回転可能に支持される当該2部材間に装着されるパックシールタイプの密封装置であれば、他の産業分野の軸受装置にも好ましく適用される。また、自動車用の軸受装置であっても、図1に示す軸受装置に限らず他の形態の軸受装置であっても良い。また、実施形態では、磁気エンコーダを備えた密封装置について述べたが、磁気エンコーダを備えない密封装置にも適用可能である。さらに、実施形態では、軸L方向に沿ったラビリンス構造部rとこれに連続する径方向に沿ったラビリンス構造部r1とが形成される例について述べたが、前者のラビリンス構造部rのみでラビリンスが構成されるものであっても良い。また、芯金及びこれに固着されるシールリップ部の形状も図例のものに限定されず、芯金と外輪との嵌合形態等も図例に限定されるものではない。さらに、サイドリップ及びラジアルリップの形状等も要求される仕様等に応じて適宜変更が可能である。
2 外輪(外側部材)
5 内輪(内側部材)
11 ベアリングシール(密封装置)
40 磁気エンコーダ
41 弾性部材
41a 外周面
50 第1部材
501 内径側円筒部
502 外径側円筒部
51 スリンガ
511 第1円筒部(内径側円筒部)
511a 反対側の端部
512 鍔部
512a 外径側端部
512c 反対側の面
513 第2円筒部
513a 外周面
60 第2部材
61 芯金
62 シールリップ部
620a 内嵌部の内周面
621,622 サイドリップ
r ラビリンス構造部
r1 第2ラビリンス構造部

Claims (6)

  1. 外側部材に対して内側部材が軸回転可能に支持される当該2部材間に装着される密封装置であって、
    前記内側部材に一体に外嵌されるスリンガを含む第1部材と、前記外側部材に一体に内嵌される芯金及び該芯金に固着されて前記スリンガに弾接する弾性体製のシールリップ部を備えた第2部材とが組み合わさってなり、
    前記第1部材は、前記内側部材に外嵌される内径側円筒部と該内径側円筒部と同軸の外径側円筒部とを含み、当該両円筒部が軸方向に沿って前記第2部材側に向くよう構成された2重円筒形をなし、
    前記第1部材の外径側円筒部は、前記第2部材の前記外側部材に対する内嵌部との間に軸方向に沿ったラビリンス構造部を形成し、
    前記シールリップ部は、前記スリンガに弾接する2個のサイドリップを有することを特徴とする密封装置。
  2. 請求項1に記載の密封装置において、
    前記第1部材の外径側円筒部と前記第2部材との間に、前記ラビリンス構造部に連続する径方向に沿った第2ラビリンス構造部が形成されていることを特徴とする密封装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の密封装置において、
    前記スリンガは、前記内側部材に外嵌される第1円筒部と、該第1円筒部の軸方向に沿った前記第2部材とは反対側の端部から外径側に延びる鍔部と、該鍔部の外径側端部から軸方向に沿って前記第2部材側に延びる第2円筒部とからなり、
    前記第1円筒部が前記第1部材の内径側円筒部を構成し、前記サイドリップは、前記スリンガの鍔部に弾接するよう構成されていることを特徴とする密封装置。
  4. 請求項3に記載の密封装置において、
    前記スリンガの第2円筒部が前記第1部材の外径側円筒部を構成し、当該第2円筒部の外周面と前記第2部材の前記外側部材に対する内嵌部の内周面とによって、前記ラビリンス構造部が形成されていることを特徴とする密封装置。
  5. 請求項3に記載の密封装置において、
    前記スリンガの第2円筒部の外周面には、円筒状の弾性部材が固着一体に設けられ、当該弾性部材とスリンガの第2円筒部とにより前記第1部材の外径側円筒部を構成し、当該弾性部材の外周面と前記第2部材の前記外側部材に対する内嵌部の内周面とによって、前記ラビリンス構造部が形成されていることを特徴とする密封装置。
  6. 請求項3〜請求項5のいずれか一項に記載の密封装置において、
    前記スリンガの鍔部における軸方向に沿った前記第2部材とは反対側の面に、着磁された磁性ゴムからなる環状の磁気エンコーダが設けられていることを特徴とする密封装置。
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